原発事故放射能被曝による可能性のある問題 

東電福島第一原発事故に関連して二つの気になるニュースがあった。

一つは、昨年北茨城市で超音波による小児甲状腺検診の結果3名の癌が見つかったということ。北茨城市は、同原発から南に60km程度離れた太平洋岸沿いの町で、事故時、かなり放射能汚染された地域である。検査は14年7月〜15年1月に実施。事故発生当時に0〜18歳だった市民6151人(0〜4歳は13年度の未受診者)が対象で、3593人(58・4%)が受診した。主催者は、事故から期間が短いこと、甲状腺癌は潜伏性に存在しうることから、原発事故との関連は浅いと結論付けている。

例によって、正常コントロール集団との比較がないこと、3名の陽性者の年齢構成、癌の組織形等が公表されていない(少なくとも調べた範囲では、見いだせない)ことから、この調査の意味づけはすぐにはできないが、注目しておくべきデータである。甲状腺癌が小児に多発する時期になる、今後1、2年間の厳密なフォローが必要になる。

もう一つは、原発周辺の大熊町等に自生するモミの木に、生育異常が多く見出されたという、放医研から出された報告。生育すべき幹が、途中で育たなくなっている。この事象は、実験によって放射能被曝によるものかどうか確認する予定だという。原発周辺の幼木に見られた現象だとすると、放射能被曝が関係している可能性は十分あるように思える。

放射能被曝の影響が明らかになってくるのは、今後数年間だ。

新たな「姥捨て山」政策 

都市在住の高齢者を、地方に移住させるという政策が採用されるらしい。

地方の財政、高齢者社会福祉の負担は、決して良いとは言えない。財政状況等は、多くの場合、地方の方が厳しいだろう。多少の交付金を政府が地方に出すから、高齢者を受け入れろということのようだ。

こうした高齢者の問題に詳しい村田裕之氏が、自身のブログで、この政策を批判している。こちら。送り出す側の都市部の財政負担がない、また受け入れ先に、必要になる介護医療施設が考えられていない、といったことから、この政策は失敗に帰すと述べておられる。米国のCCRCとの比較、1980年代のシルバーコロンビア計画の失敗等について、わかりやすく述べられている。

そうでなくても、地方は切り捨てられているが、これはそうした切り捨てられた地方に高齢者を送り出す姥捨て山政策である。生産活動をしなくなった、医療介護だけが必要になる高齢者は、都市部には要らない、という政府、行政の判断である。高度成長期を支え続け、都市部で税金、年金、健康保険の負担をずっと続けてきた人々を、必要がないから出ていけ、という政策である。都市は高齢者の老後への責任を果たさない。出て行く先は、最後まで安住の地になっていない。

さて、高齢者の皆さんは、どう考えるのか。

以下、引用~~~

地方移住モデル事業前倒し 名称は「生涯活躍のまち」 高齢者の共同体構想

:共同通信社15/08/26

 政府の有識者会議(座長・増田寛也元総務相)は25日、高齢者の地方移住に関する中間報告をまとめた。高齢者の生活拠点となる共同体のモデル事業を2015年度中に前倒しして実施し、16年度に創設する新型交付金で支援すると明記。「日本版CCRC」構想と呼ばれる共同体の正式名称を「生涯活躍のまち」にするとした。
 自治体への財政支援など制度の詳細は、有識者会議が年末にまとめる最終報告に持ち越された。
 生涯活躍のまちは、高齢者が健康なうちに移り住み、地域の仕事や生涯学習への参加を通じて、健康で活動的な生活を送ることを目指す。政府は当初、モデル事業を16年度に実施する方針だったが、他の自治体が制度設計をする際の参考となるよう前倒しする。
 中間報告は、移住者の増加で介護保険給付費の負担増が見込まれる自治体に対し、交付金の配分額を手厚くするような制度見直しを検討するとした。移住前に住んでいた自治体が給付費を負担する「住所地特例」は拡充しない方向だ。
 具体的な事業運営は、企業や医療・社会福祉法人、大学などでつくる組織が担うことを想定。司令塔となる人材を配置し、地域ごとに適切なサービスを提供できるようにする。
 自治体は移住希望者の意思を尊重するため、情報提供や事前相談のほか、「お試し移住」などに取り組む。移住者が退去した後の空き家の撤去や活用への支援を強化する方針も盛り込んだ。
 ※高齢者の地方移住
 民間団体「日本創成会議」は6月、東京圏の75歳以上の高齢者が今後10年間で急増するとして、医療・介護の人材や施設に余裕がある26道府県の41地域への移住促進を提言した。移住を進めなければ、地方では東京圏への人材流出で人口減少が進むとも主張している。政府は提言を踏まえ、6月末に閣議決定した地方創生の基本方針で、東京圏など大都市の高齢者の地方移住を推進する姿勢を明確にした。

集団的自衛権を行使した場合の財政的負担 

2013年ブラウン大学の研究者が、イラク戦争に要したコスト・人的被害についての分析を報告した。

それによると、米政府支出については、戦費やイラク駐留費、退役軍人に支払う手当を含めて約2兆ドル(約190兆円)と試算。利子を含めると向こう40年で6兆ドル(約570兆円)に膨れ上がると報じられた。前半の戦争期間中に確定した支出だけで、一年に19兆円の支出になる。

米国が世界戦略を練り直し、日本に肩代わりを求めてきたことは、繰り返し記している通り、ガイドライン改訂、アーミテージ・ナイリポートに具体的に記されている。安倍政権は、何としてでもこの法案を通そうと、集団的自衛権行使内容がまるで個別的自衛権行使の範囲に収まるかのように説明しているが、存立危機事態の認定等、集団的自衛権発動の決断は、時の政権にフリーハンドで与えられることになる。米国からの要請によって、中東に自衛隊を派遣し、実質的に戦闘に参加させることは確実だ。

そこで、どれほどの戦費負担が我が国に生じるか、という問題がある。戦費負担を少なく見積もって、上記のイラク戦争に要したコストの1割としても、毎年1.9兆円の支出が必要になる。実際には、世界第三位の「軍事大国」として、より大きな軍事支出を要請されることだろう。米国では、国防予算が、実際にイラク戦争開始前に年3000億ドル(約24兆円(だったものが、同戦争開始後最大年7000億ドル(約56兆円)まで増えている。我が国の防衛予算もこの3年間増え続けているが、それでも5兆円弱である。これに1.9兆円以上増額しなければならなくなる、ということだ。それが、一年だけで済まず、長期間続くことになる。

中東への自衛隊派遣、それに伴うコストだけに留まらない。中国の脅威が喧伝されているが、不測の事態で、米中が西太平洋で衝突をすることになった場合、米海軍は、我が国の海上自衛隊に援護を要請してくる。集団的自衛権によって、その要請を断ることはできない。米海軍の援護を続けるためには、現有の四個護衛隊群を、少なくとも1.5倍に増やす必要があると、防衛研究所元所長の柳澤協二氏は述べている。現有の軍備は、専守防衛のためのものであるから、日本、その近海以外に出てゆき戦争をするためには、必ず軍備を増強しなければならなくなる。そのコストがどれほどになるのか・・・現在の防衛費の半分近いコストが余分にかかることになるのではないだろうか。

日本は、少子高齢化によって社会保障予算が毎年自然に増やしてゆかねばならない。社会保障予算を毎年3000億円削るだけで、医療介護にかなり強烈なしわ寄せが起きた。現実問題として、削減できる予算の多くは、社会保障費になるだろうから、毎年、2兆円前後削減することになったら、社会保障は維持できなくなる可能性が高い。さらに、GDPの6割ほどの額の国債を日銀に購入させているわけだが、日銀の信用ががたつけば、国債の価値は大きく下がり、酷いインフレが生じる可能性がある。そこにかぶせて、軍事費の増額が必要になったら、国民生活は成り立たなくなるのではないだろうか。今日も、国会で安倍首相は、集団的自衛権行使をする際に、新たな軍備を整える必要はない、と言っていたが、全く信用がおけぬ言葉だ。戦争になったら、経済的にも国民生活がめちゃめちゃに破壊される。

人的被害の問題はより一層深刻であり、また別な稿で考えてみたい。

東京ハムフェア 2015 

昨日、2年ぶりにハムフェアに行った。毎年出不精になるのだが、一昨年お会いした方々がまた集まるということなので、重い腰を上げた次第。リタイアをすると、本当に出不精になり、社会性を失う傾向がある。少し意識的にこうしたつながりを大切にしなければ、と思った。

東京の人だかりには改めて閉口した。まっすぐに歩けない。特に、新橋からユリカモメに乗ってから、中国語と思しき外国語が至る所で聞こえた。ビッグサイトでは、昨日よりも出足が悪いようだとのことだったが、クラブブースでは結構な人だかりであった。A1Club、CWopsそれにDayton Hamventionのブース等に立ち寄る。A1Clubが企画されたバグキーに触れてみた。小さく構造をできるだけ簡易化している。短点の最初と最後が心もち短くなることがあり、さらに短点と長点のストロークのコントロール(両者の間隔のコントロール1が少し難しいように思えたが、実用上はさほど問題はないだろう。製造者のGHDの完成品を購入すると2万数千円らしく、バイブロと価格競争できるのかと少し心配。

お昼から、件のCW愛好家と一緒に昼食、その後コーヒーを飲みながら、実に5時間も談笑した。昔のDXerの話、昔のリグの話、免許制度の内外比較の話、それに無線以外のこともいろいろとお話を伺えた。面白いことに、集まった方の3名はエンジニアとして企業で仕事をしてきた、一人は仕事をしている、残り3名は小児科医、私だけは現役引退、という構成だ。JA1KIH Takaさんが声をかけてくださって参集した。

いろいろなお話を伺えて、それだけでも面白かったのだが、印象に残ったことは、JA7WTH HiroさんのCWにかける熱意である。彼は、30歳台で免許を取ったのだが、しばらくQRT状態だった。3年前71歳の時に、思い立ちCWを始めたということだ。彼とは3年前から時折交信させて頂いているのだが、確実に力をつけてこられたのが交信の度に分かった。そのトレーニング方法をご披露頂いた。HFの実際の交信を米国の局がネットに流しているものから、適当なものをiPadに録音し、それを繰り返し聴いているとのことだ。勿論、ヘッドコピーである。英語については、Kindleで論文やら新聞を読んでいるとのこと。これは知らなかったのだが、Kindleでは知らない単語にdisplay上で触れるだけで英和辞書を呼び込むことができる。紙の辞書では、調べている間に、文脈などが記憶から落ちてしまうことが多く、便利な機能だと改めて知った。歳を重ねるにつれて、記憶力が落ち、さらに過去の記憶があやふやになる。それに抗するためには、普段から、自分にとって興味が持てる英語に接し続けることがぜひとも必要だ。私も、それを痛感している。

実際の交信をヘッドコピーで受信する練習は、少しレベルが高いように思えるかもしれないが、これは実際的で、実際の交信の要領、さらには話題の内容まで知ることができるので、とても優れていると思う。最終的な目的のCW運用を、練習に使うわけで、これ以上の教材はない。nativeの交信を聴けば、英語の実際的なトレーニングにもなる。CWのトレーニング方法はいろいろと提唱されているが、当面、彼の練習方法以上のやり方はないのではないだろうか。重要なことは、失礼ながら、若くない年齢であれだけ上達なさっている事実が、その方法が優れていることを実証している。

それにHiroさんのあの情熱。自分の練習方法やらセットアップのことを、熱心に皆さんにお話しになっていた。最近は、和文にも進出なさっているらしい。福島県いわき市の共通の知り合いのワブナーの方のことでひとしきり盛り上がった。彼は、CWのトレーニングという点で、あまり他の方がやっておらず、その上、極めて効果的と思われる方法を実行しておられる。その経験を、何らかの記事にして公開されたら如何かとお勧めした。

というわけで、大いに楽しんで帰路についた。かえってすぐ、7メガに出ていると、Hiroさんが例のBegaliのバグキーで呼んできてくださった。東京駅で天ぷらとビールの夕食を摂られた由、お若い。

左から、JA7WTH、JJ1RZG、JA1AGG

011.jpg

左からJA1KIH、JA7WTH、JA1COR、JI1RZG、それに私

012.jpg

Tony CA2LQA 

Tony CA2LQAは、7メガの常連で、こちらの午後7、8時頃、よく呼んでくださる。あちらの日の出前後なのだろう。ベアフットに大ポールという設備なので信号はあまり強くなく、さらに彼は英語は多少しゃべる程度なので、なかなかコミュニケートしにくいのだが、いつも通り一遍な交信ではなく、何かを語ってくださる方だ。

QRZ.comの記事によると、2004年スペインからチリに移住、2011年からこのコールで出ておられるらしい。スペイン時代はEA7AQLというコールを持っていたらしい。チリで免許を取るのが難しく、当初はビギナーのコールを割り当てられたらしい。私が最初にお目にかかったのは2012年。サイドスワイパーを当初器用に扱っていたが、最近は、バグキーも使っておられる。

昨夜も呼んでくださった。前回お目にかかった時に、ダイポールの片側が落ちてしまったということだったが、それはもとに戻せたらしい。彼のQRZ.comのページを何気なく見ていたら、彼の個人的なウェブのURLが記されていた。そこに飛んでみると、彼の描いた絵画がアップされていた。落ち着きのあるタッチで、何かしら暖かみの感じられる作品。驚いて、絵描きをなさっているのか尋ねると、その通りとの返事だった。この暖かなタッチ、色調は、おそらく彼が対象を見つめる眼差しの暖かさを反映しているのだろう。

是非一度彼の作品のページを訪ねてみて頂きたい。こちら

アマチュア無線の交信内容が乏しくなったと常日頃思っていたが、時には、こうした才能を持つ方、特異な生き方をなさっている方、それに共鳴できる考えを持つ方とお目にかかることができる。あまり大きな声ではないが、まだまだアマチュア無線も捨てたものではない、と呟いたのだった。

「軍事的抑止力」は、カタストロフをもたらす 

A.Arkhipovという名前の旧ソ連海軍軍人についてご存知の方は、どれほどいらっしゃるだろうか。先日、facebookへの投稿で、彼について紹介される記事を読むまで、私は彼の存在すら知らなかった。いわゆるキューバ危機の際に、世界核戦争に突入するのをすんでのところで止めた人間ということのようだ。英文での、彼に関するwikipediaの解説はこちら

キューバ危機の際に、米軍がソ連の潜水艦を抑える駆逐作戦に出た。そのために、Arkhipov等の乗るソ連軍の潜水艦は、深海に潜り静止せざるを得なかった、彼らの潜水艦にはモスクワからの指令が届かなくなった。そうした緊張状態でしばらくすぎ、艦長は、すでに核戦争が始まっていると考え、米国に対して核弾頭搭載ミサイルを撃ち込むべきだと考えた。当時の潜水艦では、そうした重大な決断は、三名の上級将校の無記名での投票にかけられることになっていたらしい。Arkhipovのみが、反対の意思表示をした。無記名とはいえ、艦内では激烈な議論が交わされたようだ。結局、彼の反対に基づき、核弾頭攻撃は見送られた。そこで、核弾頭攻撃が行われたら、確実に第三次世界大戦が核兵器によって戦われたことだろう。それは世界の破滅を意味した。

キューバ危機の一年前に、別な原子力潜水艦に乗っていて、Arkhipovは重大な事故に遭遇した。そこで、身を挺して、事故の収束に、彼は当たった様子だった。結局、その際の放射能被曝により、彼はのちに亡くなることになる。

この事実に接して、「軍事力バランス」を追求した挙句の抑止力がいかにもろく、危険なものかを改めて私は教えられたように思った。軍事抑止力を追い求めると、結局際限のない軍拡に突入せざるをえない。常に相手(敵と想定した国)と軍事面でバランスを取れている、または相手よりも勝っていると確信するまで、軍備を増強せざるを得ないからだ。相手も同じ意図を持ち軍備増強にまい進する。際限のない軍拡競争が始まる。「軍事的抑止力のジレンマ」という、国際政治論では有名な状況だ。

軍拡を最大限に推し進めて、不測の事態によって戦争の引き金が引かれると、取り返しのつかないカタストロフが訪れる。その一歩手前でようやく踏みとどまったのが、この事件の指し示すことなのではないだろうか。現代は、当時よりも精密なリスク回避のための方策がとられているかもしれないが、システムの問題、人間のエラーの問題によって、「不測の事態」が生じる可能性は常にある。それによって、上記の通りのカタストロフが出現することになる。

集団的自衛権行使によって、「抑止力」が高まるというのは、嘘である。これまで通り、個別的自衛権によって、簡単に侵略を許さないという意思表示をするだけで十分なのだ。元防衛研究所所長であった、柳澤協二氏は、次のように述べている。

『1976年の防衛大綱以降、日本は、基盤的防衛力という立場をとってきました。基盤的防衛力とは何かといえば、能力ベース、つまり、あらゆるスペクトラムの脅威に対応できるだけの基礎は持っておき、量的には不十分であっても、相手の攻撃に対して何らかの対処ができるようにする、という発想です。』

基盤的防衛力で安易な侵略は許さないという意思表示をすることによって、十分な個別的防衛力を発揮できた、ということだ。集団的自衛権行使は、我が国を米国の世界戦略に組み込むためのものであり、我が国、世界の平和に決して寄与しない。


英語の勉強 

英語の勉強について最近思うこと。やはり関心のある読本、教材でないと記憶に残らない。最悪なのが、受験英語の問題集。何らかの著作や論文の一つ、二つのパラグラフを持ってきて、それについて根掘り葉掘り尋ねる。テーマはぱらぱら変わる。あれでは関心が持てるはずがない。あのような問題集を続けさせられる受験生には拷問に近いのであるまいか。私の受験時代も遠くに過ぎ去ったが、当時読んだものとしては、そうした問題集の中身は全く記憶に残っていない。ただ一つ、楽しみもかねて読み通した「Goodbye, Mr Chips」だけが記憶に残っている。

関心を持つテーマの著作なり小説なりを、じっくり通して読み込むことが、楽しさだけでなく効率の点からも優れている。最近は、友人であるJim Georgeの記した「Reunion」、それにここでも紹介した「Carmel Impresarios」が面白く、記憶に残った。一方、Rawlsの「A Theory of Justice]」や、Gardinerの「Bach」は挫折。天声人語の英語訳も少し読んだが、途中でほっぽり投げてある。一ページ読むのに、辞書を引くのが二、三回で済むような難易度の書物が良いのかもしれない。それに、重要なことは、テーマが関心を持てるものであることだ。

最近は、そうした単行本も読むことを怠っている。何か関心を持てるものを見つけて、少しずつ読み進めなければと思う。交信中に分からない単語を辞書で引くくらいしか、英語に接していない・・・これはこれで、印象に残るので、記憶には残りやすいのだが・・・。歳を重ねるにつれて、記憶力は徐々に落ちている。その劣化との戦いだ。

受験を繰り返せるとしたら、もう少しましな勉強ができたかもしれない・・・。

私にとっての、無線の危機 

この1週間ほど、7メガでCQを出すと、結構な数の米国のハムが呼んでくれる。昔馴染みもいれば、新しい局もある。バンドが静かな時には、のんびりとラグチューが楽しめる。が、まだまだ信号は強くなく、また夕方の雷雨によると思われるノイズにかき消されることもある。この変化は、どうして生じたのか。秋になったから、ローバンドへという通常の動きなのか。私には、ハイバンドがあまりにひどいCONDXなので、ローバンドへ移動するという動きのように思える。

この2,3年、かなり念入りにバンドCONDXの動きを追ってきた。太陽面活動低下に伴うハイバンドの落ち込みは、今春からとりわけはっきりしてきた。秋には多少持ち直すかもしれないが、基本的にこのCONDXが、今後少なくとも数年間は続くということだろう。

さらに、言わずもがなだが、JAに限ると、和文か、いわゆるコンテストスタイルの交信が目立つ。普通の交信を求めて、日中7メガでCQを出すことがあるが、まず呼ばれない。呼ばれたとしても、QTHで数字の羅列を送ってこられると、もうだめだ。ハムログというアプリで、この数字が地名に変換されるということだが、あの数字の羅列を聞くと、やる気がすっと失せる。

なぜ普通の交信をする局がいなくなったのだろうか。この低迷を続けるCONDXと相まって、私の中では、無線危機である。

領土問題で熱くならないこと 

領土問題は、国民の狭量な愛国心に火をつけやすい。それを利用する政治家もいれば、国民がその問題で熱くなりすぎ、政治の判断を誤らせることもある。

尖閣諸島の問題は、もともと日中両国が棚上げにしていたところ、石原都知事(当時)が、東京都で買い上げるとぶち上げたことから、現在の緊張状態が生じた。尖閣諸島が、米国の施政下から戻されるときに、施政権の返還を明示したが、その領有権について明言しなかった米国に、現在の尖閣諸島領有権問題の根本がある。狭量な愛国心から、尖閣諸島の領有権を強硬に主張し、さらには軍事的に支配しようとすることでは、問題は解決しない。一旦、国有化以前の状態に戻し、そこから外交交渉で問題の決着を図る以外にないのではないだろうか。

南シナ海の島々を中国が支配しようとしていると報じられている。海洋利権を重視し、いくつかの島、岩礁を実効支配し、一部には軍事利用可能な施設も建設しているらしい。だが、一方で、それらの島々の一部をベトナム等は1970年代から支配し、資源開発、軍事基地化してきたことも忘れてはなるまい。西側諸国はそれは問題にしない。このところの中国脅威論も、実態がないわけではないが、突然米国から打ち上げられた。その一方、元米太平洋軍司令官デニス・ブレアが、今年4月、日本外国特派員協会で行った講演で、「東アジアを見渡した場合、紛争が起きる可能性があるところは見当たらない」と述べている。WSJの報道に始まる、唐突な強調された中国脅威論は、日本の安保法制制定を背後から援護する意味があると、『世界』8月号で岡田充氏が述べている。彼の推測では、安保法制が成立したら、この脅威論は影をひそめるはずだ、とのことだ。私も、大いにありうる話だと思う。南シナ海の海洋利権に関しては、中国と東南アジア諸国の間で議論しようという動きもあった。それを背後から静かに見守ることが、当面必要なことなのではないだろうか。日米安保の軍事面を先鋭化することによって利権を増大する勢力の思惑に踊らされないことだ。

領土問題に熱くならないこと、領土問題については歴史的経過、西側マスメディア以外からの情報もよく把握し、冷静に判断する必要がある。

首都直下型地震の予測 

村井東大名誉教授が、首都圏直下型地震のリスクがきわめて高いことを公表している。こちら

彼の予測方法は、地震学会では無視されているようだが、過去の地震予測が当たっていること、さらに地表面の上下、水平動を継時的に見るという手法が、素人目にも正しいように思える。この予測に注目する必要があるだろう。

首都直下型地震が、今後30年間に起きる確率は、従来の予測でも70%と高率であった。この数値は、この期間に「まずは起きる」と考えておいた方が良いことを示している。村井名誉教授の予測は、それがきわめて近い未来に起きることを述べているだけだ。悠久の時間の流れからしたら、30年後も明日も違いはない。だが、我々の生活にとっては大きな違いがある。

もし首都直下型地震が起きたら、人や家屋への甚大な被害は当然のこと、物流、経済も大きな打撃を受けるだろう。ここまで中央集権化、東京への集中が進んでいるだけ、被害は深刻になる。それへの備えは、できているだろうか。

オリンピックの施設に数千億円の金をかけるよりも、地震の際の避難施設、インフラの整備(特に、道路わきの電柱を何とかすべき)を進めるべきなのではないだろうか。首都高速、地下鉄は、どうなることだろう。高層ビル内のエレベーター、ライフラインは大丈夫なのか。そこで火事が起きたらどうなるのか。先の東日本大震災でも、帰宅困難者がたくさん生じた。首都直下型地震では、あの時よりもさらにひどい状況になる。近郊の住宅でのライフラインはどうか。普段から足りない医療機関、社会福祉施設はどうなるだろうか。思いつくだけでも、東京は、リスクのある事象にあふれている。

パニックになる必要はないが、我々はできる範囲で準備をしておくべきだろう。