小林麻央さんの死に際して思うこと 

小林麻央さんが、乳がんとの闘病を経て他界された。まだ幼いお子さんを残し、ご本人はどれほどの無念だったことだろうか。ご家族も在宅での医療を続ける負担は大きかったことだろう。彼女を失ったご家族には、お悔やみ申し上げたい。

彼女の闘病そして死を伝えるニュースで、あまり触れられていないことがある。それは、彼女が最初に乳がんと診断されたときに、乳がんの標準治療を受けず、1年半の間、民間療法に頼ったという事実だ。これは正確な情報なのか確認できてはいないが、診断当初は、二期であったという。ところが、1年半後には、四期にまで進んでしまっていた。これは彼女とご家族の選択であり、傍からとやかく言うべきことではないが、彼女の闘病生活を自身の闘病と重ね合わせておられた乳がんの患者さんが多数おられるはずで、そうした方々にはぜひ知っておいてもらいたいことだ。民間療法・代替え療法をすべて否定するつもりはないが、なかにはがん患者に不当な金銭的負担を負わせたうえ、効果が期待できない「治療」を提供する詐欺まがいのものが結構ある。

がんは、まだまだすべて克服できたとは言い難いが、早期発見し、現代医学の標準治療を行うことが、対応としてもっとも推奨できる。民間療法、代替え療法を取り入れる場合も、主治医にぜひ相談して頂きたいものだ。小林麻央さんも、最初にそのようにしておられたら、もしかしたら違った予後だったかもしれない。亡くなった方を非難する積りはなく、ただ彼女に自分を投影しておられた同じ病の方々には、不用意に不安に陥ることなく、これまでの治療を続けて頂きたいものと念願している。

ネガティブ思考と思われるかもしれないが・・・ 

先日、英文ブログの方で、CWのラグチュワーが激減していることを記したら、私が悲観的になっているのではないかとWの友人たちに思われたらしく、励ましや、またはスケジュールの申し込みさえも頂いた。私は、現状認識を述べたまでだったのだが、Wの連中には、こんなネガティブなことを書くのは、ひどく落ち込んでいるに違いないと映るらしい・・・。書き方に注意しないと、誤解を招くという一つの例だろう。

で、K8IA Bobが7メガで交信しようとSNSで言ってきた。ようやく間に合って交信。彼は、N7ATというコールでコンテストにactiveな方だ。御年71歳。先日のAACWでコールしたら、歳をとったものだとのコメントが彼からあった。AACWでは、オペの高齢化に改めて考えさせられた様子だった。Bobは、Arizona Outlaw Contest Clubを主宰し、地域のコンテスター仲間とマルチオペでコンテストを楽しんでいるのではないか、と申し上げたら、他のメンバーはHOA(地域の持ち家の組織)の制限で満足なアンテナが建てられないので、彼のシャックで楽しんでもらっている、とのことだった・・・そういえば、AOCCの面々、自宅からの信号をあまり聞いたことがない。アリゾナ等という田舎でも、そんな問題があるのか、と認識を改めた。

翻って、JAでも都市部ではアンテナの制約でHFに出られるハムは、少なくなっている。ここにきて、都市部のHFを壊滅的にする出来事が進行中だ。パナソニックが、東京オリンピックを記念して(?)、例のPLLを規制緩和するように当局に求めているらしい。JA1ELY 草野氏達のPLLに対する行政訴訟は、敗訴したわけだが、一応、PLLの無制限の規制緩和にはブレーキをかける効果があった。だが、メーカーは、東京オリンピックを口実にPLLの商品化を進める積りらしい。そうすると、都市部はおろか、郊外であっても、HFはおそらく使い物にならなくなるのではないだろうか。当局はアマチュア無線、それもマイナーなHFのアマチュア無線なぞ眼中にない。メーカーの金儲けの話には、躊躇せずに乗るはずだ。私も草野氏の行政訴訟の原告に名前を連ねさせていただいた者だが、もうこれ以上抗っても仕方ないような気がする(PLLだけに関しては)。東京オリンピックを口実に、共謀罪法は成立し、憲法まで戦争をできるように改変され、挙句の果ては、PLLも規制緩和である。終りである。

Bobは、ラグチューにも少し出てくるか、と言っていた。だが、何時までそれができるか、が問題だ・・・。いかん、またネガティブ思考と思われるかもしれない・・・だが、これが進行中の現実だろう。

国家戦略特区は、特定集団・組織の利権のためにある 

国家戦略特区今治市分科会の記録がある。

以下引用~~~

国家戦略特区特別委員会記録_平成29年1月18日 獣医資料(今治市分科会)別冊

開催要領

1日時 平成29年1月12日 午前8時54分から9時40分

2場所 永田町合同庁舎 第一共用会議室

3出席
 
 国 佐々木基 内閣府地方創生推進事務局長

 自治体 菅良二 今治市長

 民間事業者 加戸守行 今治商工会議所特別顧問

 民間有識者 阿曽沼元博 医療法人社団 滉志会 瀬田クリニックグループ代表
          原英史 株式会社政策工房代表取締役社長
          八代尚宏 昭和女子大学グローバルビジネス学部特命教授
          植田富貴子 日本獣医生命科学大学獣医学部教授
          猪熊壽 帯広畜産大学畜産学部教授
          
~~~

このなかで、菅良二氏と、加戸守行氏(前愛媛県知事)は、歴史修正主義の出版社である育鵬社、その出版教科書を支援する教科書改善の会のメンバーだ。ちなみに加計孝太郎加計学園理事長も同じ。菅氏、加戸氏は、日本会議のメンバーでもある。

原英史氏の所属する、制作工房という会社の会長は、高橋洋一氏である。高橋氏は、リフレ派の経済学者として、アベノミクスの強力なサポーターである。国家戦略特区についても、マスコミで擁護する発言を続けている。

八代尚宏氏は、新自由主義経済を信奉する経済学者で、小泉構造改革時代から新自由主義的な政策を提言してきた。

植田、猪熊氏については情報がない。

瀬田クリニックグループは、免疫細胞療法を自費診療で手広く行っている診療所グループだ。がんに対する免疫細胞療法の医学的な評価は、まだ定まっていない。同グループのサイトでも、免疫細胞療法の奏功した症例は2割以下だと記している(これとて、治療者が、コントロールを立てずに評価しているので、「甘い」評価になっている可能性がある)。その治療の料金はワンクールで200万円前後、それ以上のようだ。がんの患者は、「藁をもすがる思い」でこうした評価の定まっていない治療法に助けを求めるのだろう。自費診療であれば、それは患者が決めることなので、傍から異論をはさむ筋合いではないが、医学的に評価の定まっていない治療法であることは確かだ。そうした医療手技を行ない、巨額の利益を得ているであろう医療機関が、国家戦略特区のWGに所属し、さらには国家戦略特区として19床の病床を得ている。こうした組織が国家戦略特区のWGに所属し、自ら利権を手に入れている。利益相反が疑われる。

ここには出てこないが、国家戦略特区を立ち上げた中心人物で、国家戦略特区会議のメンバーである竹中平蔵氏は、外国人の家事労働者導入で、やはり自ら会長を務めるパソナに利益を得させた、と言われている。これ以外にも、竹中氏には、政権内部に入り込むことによって、パソナに利益を誘導させた疑惑がある。

いずれにせよ、この国家戦略特区なるトップダウンの政策は、特定の仲間内で策定され、運用されている。それが端的に表面化したのが、加計学園疑惑だ。行政と政治が歪められている。

誓い~私たちのおばあに寄せて 

昨日は、沖縄慰霊の日だった。沖縄戦没者追悼式で高校生が自作の詩を朗誦した。

誓い~私たちのおばあに寄せて

上原愛音

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感銘深い詩だ。沖縄の置かれた状況を忘れてはいけない。

志村建世さんのブログ経由、ブログ「八十代万歳」から、このurlを得た。

別な形の政治の私物化 

加計学園獣医学部新設によって、「岩盤規制に穴を開けた」という説明では、加計学園疑惑で追い詰められた自らの窮状を脱せないと思ったのか、突然、「特区を全国展開する」と安倍首相。

それじゃ特区ではないではないか。

こんなことで、加計学園疑惑は晴れない。

獣医師の需給見通しを検討し、その結果によって、必要があるのであれば、増やす、とか言うならまだしも、特区を全国展開するなぞ無責任極まる。追い詰められた自分を助けようとする、別な形の政治の私物化だ。

前川氏を個人攻撃してみたり、特区の大安売りを始めたり、安倍首相・その取り巻きは、政治家として終りですな。

以下、引用~~~

獣医学部新設の特区を全国展開と安倍首相

2017/6/24 13:50

安倍首相は、国家戦略特区に関し「全国展開を目指したい。意欲があれば獣医学部新設を認める」と述べた。

産科医療事故 

医療事故が起きた時、関与した医療従事者は、大きな自責の念に捕らわれることが多い。そうでなくても、周囲から批判の目に晒される。故意に起こした犯罪的なものでなければ、医療従事者の情報は秘匿されるべきである。それが、医療事故の真相を明らかにし、次の事故を防ぐためになる。2005年WHOのガイドラインにはそのように記されている。こちら。

坂根医師は、下記の記事で、いわば医療従事者の「過失」を追及し、社会的にそれを示す懲罰的な対応をする、日本産婦人科医会と日本医療機能評価機構の問題を論じている。彼女の述べる通り、医療事故当事者の医療従事者は保護されなければならないのは、最初に述べた通りだ。両者が、産科医療の萎縮をもたらし、産科医療を危機に陥らせている、と警鐘を鳴らしている。

ここでは、天下り組織である日本医療機能評価機構の産科補償制度について検討してみたい。

日本医療機能評価機構は、補償金の掛け金と、補償金の差が大きく、莫大な内部留保をため込んでいる。同機構のウェブサイトを見ても、財務状況が公開されていない様子なので、大まかな推測をここでしてみる。

同機構のウェブには、掛け金について以下のように記されている。

『本来必要となる掛金の額は、1分娩あたり24,000円となりますが、本制度の剰余金から1分娩あたり8,000円が充当されるため、分娩機関から支払われる1分娩あたりの掛金は16,000円となります』

4年前に、掛け金が30、000円から16、000円に引き下げられた。内部留保が、おそらく数百億円のオーダーで溜まっていると想像されるが、そのごく一部を掛け金の値引きに宛てているようだ。また、ウェブでは、同機構のこの産科医療補償制度に加入している医療機関が99.9%であると繰り返し述べられている。

年間出生数を大まかに100万人とすると、掛け金の総額は 16、000円/出生一人x100万人/年=160億円/年

一方、補償金を給付するケースはここ数年減少してきている。少子化の進展とともに、補償金給付条件を厳しく出産前後の原因不明の脳性麻痺に限定しているためだろう。平均して200人前後のようだ。補償金は、一人当たり3、000万円(20歳まで分割されて支払われる)である。

補償金総額は 3,000万円/一人x200人/年=60億円/年 

かなり大まかな概算だが、年100億円前後が内部留保としてため込まれている可能性が高い。

これだけの内部留保を保持する特殊法人は、それほどないことだろう。同機構が、医療事故の情報をマスコミに流し、医療事故は医療機関、医師の過失である、という世論を誘導するのは、同機構が存続する理由作りのように思える。これでは、医療事故の本当の原因究明に寄与しないばかりか、医療を萎縮させることによって、国民に大きな損害を与えているということになる。

日本産婦人科医会、日本医療機能評価機構は、医療事故対応を根本的に改めるべきである。

以下、引用~~~

産科医療補償制度と日本産婦人科医会は産科医をリスクにさらしていないか

現場の医療を守る会世話人代表              
つくば市 坂根Mクリニック 坂根 みち子

2017年6月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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このところ、産科医療事故の報道が続いている。最初は、2016年12月12日だった。愛知県の産婦人科診療所で3年間に2人の妊産婦死亡があり、日本産婦人科医会が直接指導に乗り出したとの報道で、15日には同会常務理事の石渡勇氏が記者会見を開いた。ネット上では早速診療所の同定とバッシングが始まった。その診療所は、医会より分娩停止を指導され、結局閉院している。

そして、年が明けて2017年4月17日からは、ターゲットが無痛分娩になった。麻酔を使った「無痛分娩」で13人死亡・・厚労省急変対応求める緊急提言というものであった。

読売新聞(yomiDr.)の記事を良く読むと、厚労省の提言ではなく、厚労省の一研究班(池田班)のもので、2010年1月から16年4月までに報告された298人の妊産婦死亡例のうち、無痛分娩を行っていた死亡例が13人(4%)あったというものだった。うち、麻酔が原因でなくなったのは1人。これを「無痛分娩」で13人死亡し、厚労省が緊急提言した、という見出しで出したのだ。

嫌な予感がした。

この後も報道が続く。特に読売新聞のyomiDr.では詳細で持続的な報道が続いた。

5月10日 読売
「無痛分娩」妊産婦死亡など相次ぎ・・・件数や事故状況、実態調査へ
麻酔で出産の痛みを和らげる「無痛分娩」をした妊産婦に死亡を含む重大事故が相次いでいるとして、日本産婦人科医会が実態調査に乗り出した。(中略)医会の石渡勇常務理事は、「無痛分娩そのものが危険なわけではないが、実施には十分な技量と体制整備が必要で、希望者が安全に受けられる仕組みを整えたい」と話している。
5月27日 産経
医療ミスで出産女性が死亡 神戸の産婦人科病院長を刑事告訴 業務上過失致死罪で(以下筆者)この事例では、示談金を支払い後に遺族が刑事告訴している。
5月31日 朝日
「無痛分娩」全国調査へ 妊産婦死亡受け、産婦人科医会
医会の石渡勇常務理事は「人員配置が不足していないかなどを調べた上で、安全対策のマニュアル整備や、安全性を担保する認定制度が必要か検討したい」
6月6日 読売・報知
帝王切開時の麻酔で母子に重度障害・・・報告せず
京都府の産婦人科診療所が昨年、帝王切開で同じ方法の麻酔をして母子が重度障害を負う例があったにもかかわらず、日本産婦人科医会に報告していなかったことがわかった。
6月12日 朝日
無痛分娩の麻酔で母子に障害 京都の医院、別件でも訴訟
この医院では昨年5月にも同じ麻酔方法で母子が重い障害を負っており、日本産婦人科医会が調査を始めている。
(以下筆者)この事例は、産科医療補償制度で有責とされ、原因分析報告書と3000万円の補償金のうち初回の600万円を入手後、9億4千万円の損害賠償を求める訴訟が起こされている。

一体何が起こっているのだろうか。

まず最初に確認しておきたいが、日本の妊産婦死亡率は妊婦10万人あたり4人前後で推移しており、年間死亡数は40人から50人と世界トップクラスの低さを維持している。

筆者は産科については全くの門外漢であるが、医療事故調査制度については多少なりとも関連を持ってきた。そして今回の一連の報道で感じている問題点を3つ挙げる。

1.妊産婦死亡の自主的な報告を集めている日本産婦人科医会が、記者会見をして事故について公表した点。これにより報告した当事者が大きな不利益を被った。

日本産婦人科医会への妊産婦死亡の報告は、今後の医療のために各医療機関から自発的に行われているものである。当然の事ながら報告するからには、WHO医療安全のためのドラフトガイドラインを遵守して、有害事象の報告制度の1丁目1番地、「報告者の秘匿性と非懲罰性が担保され」なければならない。

ところが、日本産婦人科医会の石渡常務理事は記者会見して公表してしまったのである。そして、医療機関、医師情報は、メディアにより詳しく報道拡散され、医療者は世間からバッシングを受け、身内の医療界からも断罪され、さらに遺族からは民事でも刑事でも訴えられている。

この展開は、群大腹腔鏡事件のデジャブのようである。

2.産科には、日本初の無過失補償制度が出来たと聞いていたが、産科医療補償制度が実際には無過失補償制度ではなく、かつ、訴訟を防ぐ制度設計になっていないために、高額の訴訟を誘発してしまった点。

この制度について調べると驚きの連続だった。

産科医療補償制度に申請すると、行った医療の評価が報告書に記載され、それが患者遺族にも渡され、インターネットで公開されている。報告書は、個人が識別出来てしまうような内容が記載されており、新聞報道と併せて誰でも詳細な情報を知り得る。この制度では、事故の当事者である医師が、機構の評価に対して異議申し立てをする機会は与えられていない。報告書を公表する前の確認さえない。そして、過失があったとされた場合は制度で補償されない。つまり自分で支払わなければいけない。さらに支払われた補償金を着手金として訴訟を起こされ、報告書が鑑定書として裁判で使われている。

当事者の産科医には、何とも気の毒としか言いようのない根本的に大きな問題を抱えた制度だと知った。

有害事象が起こってしまった時、患者家族と同様に医療従事者も、精神面、業務面ともに大きな影響を受け、最終行為者は「第2の被害者」と言われており、専門的なサポートを必要とする。それがないと、その後の医療に悪影響を与えると、アメリカのハーバード病院のマニュアルには10年も前から明記してある。ところが、日本では当事者が「第2の被害者になりうる」という認識さえされておらず、産科医療補償制度ではサポートするどころか、当事者を精神的にも金銭的にも社会的にも追いつめ、ベテラン医師の現場からの立ち去りを誘発している。

明らかな人権侵害である。

産科医療補償制度には、日本産婦人科医会の石渡常務理事も深く関わっておられるが、制度の委員に真の医療安全の専門家がいないのではないか。そうでなければ、これほどの欠陥が放置されるわけがない。

3.無痛分娩が危険であるかのような報道がなされた点。

アメリカやフランスでは60~80%を超える無痛分娩だが、日本では数%と極めて少ない。理由の第一は医療資源不足。日本では産科医も麻酔科医も圧倒的に足りず、麻酔を必要とする無痛分娩まで手が回らない。また日本では出産を取り扱う医療機関の規模が小さいところが多く、麻酔科医を置かずに、産科医が麻酔も担当するために、無痛分娩の取り扱いに限界があるのである。医療資源不足は大病院といえども同様だが、それに加え日本では従来「出産は痛みに耐えてこそ」という精神論が幅をきかせており、麻酔科のそろった大きな医療機関でも「痛みを取るため」の無痛分娩に対する優先順位がなかなかあがらないのである。

筆者は、20年前にアメリカで無痛分娩により出産した経験がある。その時は日本のお産事情と比較するために敢えて無痛分娩を選択した。もちろん医療費の高い米国でその時の加入していた保険が出産をカバーしていたから可能であった。無痛と言っても痛みは残る。だが、それまでの出産に比べて1/10程度の苦痛で済んだ。そして計画的に無痛分娩を選択した場合の最大のメリット
は、体力の温存である。1泊2日(今は2泊3日が多いと思われる)で退院して、すぐに上の子供たちを含めた育児が始まるので、出産で疲弊しないで済んだ事は大変有り難かった。

その時入院した病院で読んだ雑誌に、日本の無痛分娩率の低さを取り上げて、日本女性は痛みを感じないのか、という特集記事が組まれていたのを思い出す。もちろん選択肢が与えられていないだけである。それから20年、ようやくその機運が持ち上がってきたところで、今回の一連の報道である。

今回報道された事故では、確かに不幸な転帰となり、改善すべき点はある。だが、いずれの医療機関でもほとんどの分娩はきちんと行われてきたのであり、医師たちは出産と言う奇跡をサポートするために全力を尽くしてきたはずである。世界的に見て少ない医療資源で非常に優れた成績を収めてきたのは誇るべき事実である。今の世界の医療安全の考え方は、「レジリエンス・エンジニア
リング」といって普段上手くやっている事から学び、それを増やすという臨機応変型のシステムが推奨されている。

もちろん、失敗から学び、各医療機関の情報公開や分娩体制の改善がなされる事も必要である。ただし、それらは各医療機関が自ら行うべきものであって、上から目線で指導するものではない。どういったサポートが必要か、各医療機関を訪ねてコミュニケーションを取るところから始めて、ボトムアップしていくのが、本当のサポートである。

確かに、大きな医療機関で複数の産科医と麻酔科医がいて、チームで分娩をサポート出来る体制が理想である。そうはいっても、大野病院事件をきっかけに分娩施設は15%減少したままであり、各地で医師は高齢化し、少子化は進行している。筆者が日本でも無痛分娩という選択肢が増える事を願った20年前から、状況は全く改善していないどころか悪化の一途である。

このような現実を直視せず、日本産婦人科医会は、「報告させ、調査、指導し、分娩中止を勧告」しているのである。そしてこの先は認定制度を作るのであろう。産科医たちはよくもまあ黙ってこれに従うものだ。この数ヶ月であっという間に、医師1人の医療機関で無痛分娩を取り扱うのは許されない、と言う空気になってきたが、そんな無い物ねだりを声高に叫んでも国民が望む医療体制になる前に現場の産科医たちの心が折れてしまうだろう。さらにアメリカ型の高額の訴訟費用に堪え兼ねて分娩から撤退してしまう可能性が高い。

石渡氏のお膝もとの茨城では医師不足が深刻(常時全国ワースト3にランクインされる)で、医師数が全国平均を越えるつくば市でさえ、分娩出来る医療機関は3カ所しかなく、皆出産場所を求めて右往左往している。無痛分娩だろうが、自然分娩だろうが選択肢は多い方が良いのだが、それどころではないのである。

今ある医療資源を有効活用して、どうやってより安全に国民のニーズに応えてくか、絶妙なバランス感覚が必要である。求め過ぎてこれ以上現場を潰してしまったらこの国に未来はない。

2011年、医療事故調査制度と無過失補償制度が完備したスウェーデンでは、医療事故の裁判は激減し、その分野における弁護士の仕事もなくなったが、無駄な争いで国民も医療現場も疲弊する事もなくなった。かの地ではメディアにも守秘義務があり、患者側からだけの一方的な報道はされない。

メディアも日本産婦人科医会もそろそろ学ぶ時期ではなかろうか。

北朝鮮の脅威を煽って世論を誘導する政府 

北朝鮮が、核武装、ミサイル装備を進めてきた理由の一つは、それが最大の理由なのだが、2000年前後から、米韓が合同軍事演習を繰り返してきたことにある。その演習は、北の金王朝が崩壊することを念頭においてのもので、実質的に金政権を倒す軍事訓練だ。北は、自国の体制が維持される保証を米国に求めてきたが、米国は相手にしなかった。それで、北は軍拡に走ることになった。北の軍拡を支持するわけでは決してないが、北が膨張政策を取っているわけではない、彼らなりの生き残りのための軍拡だということは念頭に置いておくべきだ。

安倍政権は、北の軍拡だけを表面的に捉えて、安全保障環境が厳しさを増したと繰り返し述べている。それが、安保法制の制定や、自衛隊の軍拡、米国との集団的自衛権行使容認を国民に受け入れさせる口実になってきた。安倍首相の究極的な目的である、憲法改正にも同じロジックで突き進む。その「世論を形成する」ためには、北のミサイル攻撃で危機意識を煽ることも、政権は行う。その一つが、北のミサイル発射時に、「地下鉄を停める」という馬鹿げた決定であるし、さらに攻撃を受ける対象としては主要な地域とはとても思えぬ地域での避難訓練だ。避難訓練は、時間的余裕、さらに実質的な防御の点から、意味がない。北の脅威を利用した世論誘導だ。

攻撃対象になるのは、米軍・自衛隊基地のある地域、大都市、それに原発だろう。こうした地域で、「避難訓練」をしないのはおかしいではないか。

政府の世論誘導に乗ることは止めよう。

以下、引用~~~

 6月21日付Yahooニュース 政府の弾道ミサイル避難訓練を嗤う 「北朝鮮の脅威」利用した煽りの先にあるものは何か(石丸次郎)

3月の秋田県男鹿市を皮切りに山口、福岡、山形、広島、新潟などで、内閣府の主導で弾道ミサイル攻撃に対備する住民避難訓練が続いている。

「X国が弾道ミサイルを発射した」との想定で、サイレンが鳴らされ近隣の公民館や学校などの建物に避難する。草むらの中で頭を抱えてしゃがんだり、田んぼの畔の溝に身を隠したりする人の姿も報じられた。

6月23日からは、民放で30秒間のCMが流され、全国70の新聞でも政府広報が掲載れることになった。
1 頑丈な建物や地下に避難する
2 建物がない場合は物陰に身を隠すか地面に伏せて頭を守る
3 屋内の場合は窓から離れるか窓のない部屋に移動する
という内容だという。

これらの報道を見て、桐生悠々(きりゅうゆうゆう)が書いた「関東防空大演習を嗤(わら)う」を思い起こした人も少なくないだろう。信濃毎日新聞の主筆であった桐生は、1933(昭和8)年8月に書いた社説で、折から実施中であった敵の空襲に備えるという陸軍の大訓練をナンセンスだと看破した。

敵機から空襲を受けると木造家屋の多い東京は焦土と化し、大パニックが起こるのは避けられない。それは戦争に負けるとことを前提とした訓練である。

「空撃に先だって、これを撃退すること、これが防空戦の第一義でなくてはならない」と、桐生は主張した。

軍の反発を受けた桐生は翌月、信濃毎日を退社。それから11年後の1944年末から米軍の空襲が本格化して東京は焼け野原になり、1年足らずで敗戦となった。
桐生悠々「関東防空大演習を嗤う」全文

さて、X国が北朝鮮を指すのは言うまでもない。

金正恩政権は、今年に入って多様な弾道ミサイルを日本海に向けて発射する実験を繰り返している。秋田県沖300キロの排他的経済水域内に落下したこともあり、心配が広がった。

北朝鮮の弾道ミサイルは、発射から10分程度で日本到達する。そして、それを察知して警報を出せるのは着弾の4分前だそうだ。

今、地方都市で行われている訓練は、どう考えても、時間的に間に合わない、意味のないものだと言わざるを得ない。

そもそも、ミサイルが日本領土に飛んでくるというのは戦争という事態である。日本が北朝鮮と戦争になるというのは、先に韓国、米国と交戦に至っているか、極度に緊張が高まっている事態しか考えられない。

仮に戦争状態になったとして、ミサイル攻撃の標的になる可能性が高い場所はどこだろうか? 自衛隊と在日米軍の基地、統治の中枢である官邸や国会、官庁街、そして、被害を最大化するために大都市や空港、港湾、原子力発電所などの重要施設が狙われるということになるだろう。

ならば、これら標的になる可能性の高い地域の住民を遠ざけることが最優先のはずだが、沖縄や佐世保、岩国、横須賀など基地周辺、原発周辺で避難訓練が行われたとは寡聞にして聞かない。そもそもも原発の防御をどうするのかについて説明もない。 

高度化する北朝鮮の弾道ミサイルが、日韓中にとって脅威なのは間違いない。しかし、避難訓練が行われた地方都市にもし弾道ミサイル攻撃があるとすれば、それは既に前述の重要ポイントが攻撃されている事態だと考えるべきである。

安倍政権が地方自治体と住民を動員して行っているのは、順番間違いで頓珍漢な「嗤うべき」訓練だ。つまり、北朝鮮の脅威に本気で備えたるめの訓練ではないということだ。大阪では、こういう見当違いを「すかたん」と言う。

政府が「すかたん訓練」を大々的にやろうとする目的は何か。私は、近々自民党が「憲法を改定しないと北朝鮮のミサイルから国民を守れない」というキャンペーンを始めると踏んでいる。

北朝鮮の脅威を過剰に煽るその先にあるもの、それを私たちは見なければならない。

政権が足元から崩れてゆくのか 

安倍チルドレンの豊田真由子議員、すさまじいパワハラだ。彼女の秘書は、すでに20人以上辞めているという。なぜここまで、彼女の言動をチェックし、適切な指導をしなかったのだろうか。指導で片が付く問題でもなさそうではあるのだが、彼女が政務官についていたということが驚きだ。彼女は自民党を離党したが、それだけで済まない問題だろう。

自民党の議員の緩みが酷い。犯罪すれすれの投資話、不倫、それに放言、不適切な発言等。大臣になった議員も、適格性、能力に問題のある者が複数存在する。粗製乱造の議員と言われても仕方あるまい。そうした議員を、大臣の席に座らせるが、あまりに危なっかしいので、時には国会答弁をさせない。

都議選が始まるが、都議のなかでこの任期中に一度も都議会の質問に立たなかった、また書面での質問をしなかった議員が10名いるという。そのすべてが自民党議員だ。自民党議員57名のうち、10名がそうした議会活動が極めて低調だった議員だそうだ。ここにも自民党の政治家の緩みが見える。

かたや、政権の中心にいる、安倍首相は、自民党にとって懸案だった法案を力づくで押し通し、これまでの憲法審査会の議論を無視して、この半年の間に新たな憲法草案を決めると言いだした。2020年のオリンピックに合わせて、オリンピックと関係ないものごとをも無理やり決める。権力を自らに集中させ、マスメディアも配下に収め、独裁を始めたように見える。これまでのところ、自らが関わる疑惑も、根拠なく否定するのみ。国会の証人喚問はおろか、真相究明のための国会での議論も行わない。だが、結構、足元から崩れてゆくのかもしれない。党も政府も、内実はガタガタだ。

以下、引用~~~

BLOGOS 大西宏

ゆるゆると崩壊に向う安倍内閣

衝撃の罵声がテレビから流れてきました。鬼の形相で叫ぶのは安倍チルドレンの豊田真由子議員です。あの森友学園の籠池夫人すら可愛く思えるものでした。

新人議員時代に議員会館の部屋が気に入らないと「すぐに変更しなさい!」と叫んだり、園遊会で招待されていない母親と同行し、入場を制止されたときに、母親を自分の夫だと言い張って入場した強引さは記憶にある人も多いと思います。ピンクモンスターとして知られる人で、調べれば、まだまだ悪行がでてくるのでしょう。

園遊会事件があったのは2014年の4月。それで政治生命が終わったと思いきや、翌年の秋に、第3次安倍第1次改造内閣の内閣府大臣政務官(東京オリンピック・パラリンピック担当)、文部科学大臣政務官、復興大臣政務官に就任したので、その時点からタイマーのスイッチは入っていたのです。

そもそもで言えば、安倍チルドレンは相次いで問題を起こしています。「保守」ブームが、熟れて劣化しはじめた兆候のひとつでした。さらには稲田朋美防衛相や金田勝年法相など、閣僚の能力も疑問視されるようになってきました。

カネ、不倫、放言…安倍チルドレンは酷すぎる | 国内政治 | 東洋経済オンライン |

都知事選を直前にし、さらに森友学園問題に続く加計問題の対応の悪さから、国民に不信感が広がり、支持率が低下したさなかに、さらに、とんでもない自爆弾が炸裂してしまったことになります。学歴の良さに目がくらんで、身辺調査をしなかったのでしょうか。

しかもあのオリンパス問題を暴いたFACTA7月号は、森友学園、加計学園につづいて新国立競技場の再入札にまつわる首相官邸の闇疑惑を報じていますが、この記事が事実なら、安倍内閣の寿命を決めるボールは前川前次官が握っているということになります。

前川が暴く 「東京五輪」の闇:FACTA ONLINE :
「官邸」の異変と「食」の異変 :: 「視点を広げる - 大西宏のマーケティング発想塾」

安倍内閣は、もはや憲法改正どころか、都議会選の結果によっては党内からの不満が湧き出て、辞任に追い込まれかねない状態になってきました。

小池百合子知事の豊洲、築地市場の「アウフヘーベン」は想定通りでしたが、対立を避ける「先送り」は賢明な選択だと感じます。豊洲は安心できないという風評は、もう理屈ではなく、安全だから安心しなさいという話は通じません。

市場関係者、そして不安を感じる都民が多いなかで、それでも豊洲移転を強行突破できる器量をもつ人がいるとすれば、おそらく橋下前大阪市長ぐらいかもしれません。石原さんでも、無責任に逃げたぐらいですから。いやローカルの大阪ならできたとしても、東京で橋下流が通じるとは限りません。

都議会選で自民党が、いくら市場問題を「政局」に持ち込んだと批判しても自らを野党として宣言するようなものです。大阪の自民党が陥った自滅への道を繰り返すことになりかねません。

そう考えると都議会選は自民党には逆風です。もし惨敗すれば安倍内閣は党内の不満を押さえられなくなり、ゆるゆると崩壊に向かっていく可能性が高まってきます。あるいは第一次安倍内閣当時のように、一挙に辞任ということになるのでしょうか。それは、さらに、経済停滞のなかで、長く続いた日本の右傾化の終わりの始まりにもつながってくるのかもしれません。

静かな7メガで 

このところ、雷雨が夕方来ないためか、7メガが日暮れ前後とても静かだ。日暮れ前、7メガが北米に開くときの独特の様子を感じると、二、三度CQを叩く。ほとんど応答がない。でも、テキサスに仕事で滞在中のJack WA7HJV、それにいつものEllen W1YLが時に呼んでくれる。

Ellenは、時々何もきっかけがないのに倒れることがあるようで、少し心配。意識障害はないようなので、不整脈によるものではなさそうだが・・・でも、W7RNのリモートコントロールでまるで十代の少女のように生き生きと電信を叩いている。

Jackは、新たに給電点が15mのInverted Veeを上げた様子。以前のground mountの14AVQよりは良さそう・・・と思ったら、14AVQはオクラホマの局に設置してあるアンテナのようで、比較は意味がない。彼は午後7時過ぎには床につくらしく、午前2時ころには無線に出てくる。こちらでは午後6時前後。この時間帯に定期的に現れる貴重な話し相手だ。今日は午前8時半から、白内障の手術らしい。右側は数年前に手術済みで、残る左側を受けるようだ。いかにもありきたりの挨拶だなと思いつつ、きっとうまくゆくと言ってお別れした。

そういえば、二日前に久しぶりにVic W9RGBにお会いした。夏至の辺りで、日の暮れるころに北米中部に開けることはあまり経験しないような気がする。彼とは、もう15,6年くらいの付き合いか・・・確か、21メガで最初にお目にかかり、当時イラク戦争の評価が問題になっており、それについてお話しした記憶がある。彼はリベラルな思想の持主で、イラク戦争には反対の立場だった。それ以来、親しくして頂いている。5年前の夏に、シアトルでご夫妻にお目にかかった。実は免許の更新をしようかどうか迷っている、何となれば、CWで会話を楽しめる相手がきわめて少なくなった、さらに免許制度が特定の人物・組織の利権に利用されている、と彼に申し上げた。彼は、やはりぜひ更新すべきだ、endeavour to persevereだよ、と。彼のその言葉が決定打だったのではないが、一応更新をすることにした。ETPと省略するという、その言葉、記憶に残った。長く生きていると、ETPしなければならぬことが多々あるものだ・・・。CWによる会話は、確実に希少な楽しみになりつつある。だが、それによって、多くの知己、親しい友人を得た。もう少し頑張ってみるか、というところだ。

願わくば、JAそして東アジアからCWによる会話を楽しむハムがもっと生まれてほしいものだ。

と思いながら、夕食を作るしばらくの間、7メガでCQを出す。

権力におもねるな、記者諸氏よ、真剣勝負したまえ、安倍首相よ 

弁護士渡辺輝人氏が、yahooニュースで、安倍首相の記者会見がやはり予想通り「出来レース」であったことを報じている。こちら。やはり予想通りだった。記者会見が、予定調和というか、安倍首相の宣伝だけにしかなっていない。このような記者会見を許していては、記者クラブは、その存在意義が疑われる。ここは独裁国家ではない。マスメディアは、権力を監視する役目があるはずだ。安倍首相のための記者会見は不要だ。もちろん、アドリブで記者の質問に答えているかのように見せている安倍首相も困ったものだ。記者会見を「出来レース」にするのは、外国での記者会見でも同じだった(それについても過去にアップした)。安倍首相がどれほど丁々発止で記者からの質問に対応するか、ぜひ見てみたいものだ。安倍首相には、真剣勝負されることを期待したい。

この記事のなかで、渡辺氏は、安倍首相が早速この記者会見で約束したことを反故にしていると述べている。その通りだ。安倍首相は、(加計学園疑惑に関して)新しい事実が出てきたら、しっかり説明すると記者会見で述べた。萩生田官房副長官が文科省の官僚に述べたという記録が出てきた。その内容は、事実に合っており、萩生田官房副長官が述べた可能性が高く、やはり国家戦略特区で加計学園が動き出す前から、安倍首相が加計ありきで動いていたことが強く疑われることになった。それなのに、安倍首相はそれについて説明しようとしない。国会の閉会中審議にも応じない。萩生田官房副長官は、記者会見を開くはずだったが、それもキャンセルしている。記者会見で述べた安倍首相の言葉がいかにも軽い。

野党が憲法第53条に規定された臨時国会召集を要求するようで、政権与党に政治的な良識があれば、それはまず開かれることになるはずだ。そこで、徹底した議論がなされることを期待したい。安倍首相、内閣府の面々は逃げてはいけない。