しばらく間が空いて・・・ 

最初にお断りしておくが、しようもない話しである。

最近、7メガで立て続けに、こちらを呼ぶまで時間がかかるWの方、お二人にお会いした。

一人は、K6***という、ボーイスカウトのクラブ局。あちらでは、真夜中の時間帯だったろう。私がCQを出して、20、30秒遅れで呼んでこられた。何故かなと不思議に思いつつ、一通りレポートなどをお送りし、受信に移る。すると、また30秒程度、シーンと静まり返る。ははんと思い当たり、デコーダーをお使いかと尋ねた。その通りとのお返事だ。交信の仕方等も滅茶苦茶だが、CWで交信をしてみたいという意欲だけは感じる。是非デコーダーではなく、頭でデコードなさるようにお勧めめして、早々にお別れした。ボーイスカウトたちにデコーダーを使って交信するところを見せるのだろうか・・・。

もう一方は、Mitch KB6FPWだったか。私がCQを出しても応答がないことが圧倒的に多いので、周波数を動かさずに、しばらく別なことをしながら、聴き続けていた。すると、3、4分してから、か細い信号で私を呼ぶ局があり、それがmitchだった。TentecのArgonautという機械を、ベッドサイドに置き、寝る前の時間床に横になりながら、ワッチしているのだという。私の信号が聞こえたので、慌てて、リグを抱えて、シャックまで降りてきた由。寝室では、どんなアンテナを使っているのか聞いたが、弱くて聞き取れず。本家のアンテナがロングワイアーなので、恐らく同じような簡単なアンテナなのだろう。いろいろと訊きたいことがあったが、ノイズすれすれの信号なので、止む無く15分程度で切り上げた。いくつくらいの方で、どんな仕事をなさっているのだろう。CONDXが良い時にお会いして、いろいろとお聞きしたい。寝床でワッチする、などという熱心なハムは、今ではごくわずかになってしまったことだ。

日が沈むころ、7メガは静まり返り、全世界に同時に開ける。勿論、CONDXにもよるのだが、そうしためくるめくようなオープニングを楽しむことがこれからしばらくの間可能になる。昨日、facebookの無線のグループで、その時間帯、07から08Z、に私はしばしばCQを出すのだが、応答が大変に少ないことを嘆いた(今までも繰り返し嘆いている)。すると、何人かの北米の方が、聞いてみるよと、そのグループ内で声をかけてくれた。のんびりラグチューに花を咲かせられるようになることを期待して、今日もその時間帯に出てみる積りでいる。

寄せ鍋スープの素 

モランボンのPremium Nabeシリーズの「寄せ鍋」、スープの出汁をフリーズドライしてあるものなのだが、他の液体スープの製品に比べて圧倒的に旨い。料亭並みの味という宣伝が嘘ではないと納得させる。

ところが、売れすぎて、他のスープ製品の売れ行きを阻害するためか、近くのスーパーでは品切れ状態のまま。モランボンの直販サイトをみると、10袋を一セットで売っている。275円/袋(税抜き)の値段。スーパーでは確か280円(税抜き)だった。迷わず購入・・・しかし、送料が500円かかるのを忘れていた・・・ま、旨いものだから許そう。これでこの冬、我が家では週一で鍋確定。

モランボンのサイトはこちら。なお、私は、モランボン社の関係者ではありません。

人生を終える時のために 

遺言というより、重篤な病気にかかり意思表明ができなくなった場合、および亡くなった場合の実務面で言い残すべきことを、ノートに記し始めた。そうした準備をする年齢に差し掛かったと自分で感じる。

回復の望みがない疾患の場合、苦痛の除去だけを考え、延命処置は不要であること。

葬式はできるだけ簡素に。場合によっては、行わなくても良い。もしやるのであれば、無宗教で、車座にでもなって、美味しい料理でも突っつきながら、思い出話でもしてもらいたい。バックに流してもらいたい音楽は、バッハのマタイは恐れ多いので、平均律か、無伴奏バイオリンパルティータ・ソナタか。

連絡してもらいたい人々。無線関係が多いので、思わず失笑。大学、医局関係の人々とは関係が薄くなった。外国の無線の友人にも一報してもらいたい。あ、韓国のHL2DC Leeさんのことを書き忘れた・・・。

私の魂は、あの小さなお墓には入らないと思うが、両親等とともどもそこに葬られることは悪くない。魂が存在するのであれば、死によって、世の中の不条理、不安はすべて解消し、我々の魂は、宇宙の果てまで自由に飛翔するのではなかろうか・・・。

無線の設備、アンテナの撤去、処理もお願いしないといけない。電鍵の類は、どこかで使っていただこう。QSLカードは焼却処分だ。

楽器・・・これはちょっとpending。利用して頂けるプロの卵のような方がいれば良いのだが・・・。家族で弾く可能性のある人間は見当たらない。沢山残すことになる譜面も、どなたかに利用して頂きたいものだ。

家族のこと。生活が成立するように。

このノートを完成することができると、少し気持ちがかるくなるかもしれない、と思った。まだまだ現世にどっぷりつかる生活が続くのかもしれないが、一方で、それから距離を置いて眺めることができること。これは人生の「恵」なのかもしれない。

旧いリグでバグキーはより美しく聞こえるか? 

昨夜、7メガで旧友の一人であるDave AJ7Oにお会いした。1980年代、美しいバグキーの符号で、7メガで良く聞こえた方だ。が、最近は、専らエレキーでしか聞こえない。バグキーを使わないのかと尋ねた。バグキーは古いリグにつなげているとの彼の返事。そちらの方が、バグキーが美しく聞こえるからとのこと。

そこで、ちょっと閃いた(たいした閃きではないが・・・笑)。古いリグは、真空管のリグであり、カソードキーイングでなく、グリッドバイアスキーイングであったとしても、現代のソリッドステートのリグよりは、キーイング回路に流れる電流は、格段に多いはず。その電流が、キーイングの度に、接点に生じる酸化被膜を破壊している、焼いているのではあるまいか。それで、キーイングの劣化がないのではないか、ということだ。

私のシェブロンパドルに時に起きる接触不良も、製作者のKevinに言わせると、一時代前のリグでは起きない。キーイング電流が大きいため、だそうだ。

さて、私の推測があっているかどうか・・・もっとも、私は65年前のバイブロのバグキーを、FT2000につないで不都合は少しも感じていない。もしかすると、コリンズのSラインにつなぐともっと美しい符号が送れるのか、想像の翼は広がる。

N3JT歓迎会 

英文ブログにはすでに記したことだが、昨日、Jim N3JT ・Nina夫妻の歓迎会に参加するために、状況をした。歓迎する側は、私を含めて五名。赤坂のこじんまりとした寿司屋での会だった。Jimと会うまでの顛末が一波瀾だったのだが、それは英語ブログに譲る。

Jimとは、1980年代後半、特に私がFOCに入ってから、頻繁に交信した。剃刀のように切れ味鋭いキーイングで、キーボードと同じように聴こえたものだった・・・最近は、さすがに少し衰えが見られるが、それでも一流の電信マンである。残念ながら、この10年間ほどは、一年に二、三度お目にかかる程度になってはいたが、ことあるごとにメールを下さったり、差し上げたりしていた。3年前の大震災のときには、いち早くメールで安否を尋ねてくださったのも彼だった。ユダヤ系のアメリカ人で、工学、法律の学校を出ており、好奇心旺盛、社交性の豊かな方である。政府系の官庁に勤めていたが、50歳で早期退職の機会があったときに、2ナノセカンドで退職を決断したと言って、皆を笑わせていた。CWopsを立ち上げた創設メンバーである。私は、彼から、同クラブ創設時入会を勧められ、理事の一人として参加した。 その後、すったもんだがあり、私は一度退会したが、今は幽霊会員として戻っている。彼は寿司を好物としており、日本に一度訪ねたいと1980年代から繰り返し語っていた。今年の夏、奥様とともに、日本に旅行するから会いたいと連絡があり、JE1TRV Atsuさんに歓迎会の世話をお願いして、お迎えすることになった。彼らが出発する1週間前に、21メガで交信したのが久しぶりのことだった。

彼と奥様の姿は、様々な機会に雑誌等で目にしていたので、何か初めてお会いするような気持ちにはならなかった。毎朝水泳をし、週ごとに数十キロ自転車を走らせるトレーニングを続けており、若々しかった。奥様は1年前にやはり軍の情報関係の政府系機関を退職なさったようだった。宴会場に向かう途中、私が20数年前にお送りした写真のことを話題になさっておられた。暖かい人柄の方のようだった。

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Jimとの会話で興味深かったこと、一つは、CWopsを立ち上げた理由についてである。もう4年前になるか、当時ヨーロッパのとあるFOCメンバーが、FOCのMLで反ユダヤ系の発言、人種差別に類するような発言を繰り返していた。FOCの委員会は、政治的なことがらにタッチしないという方針で、そうした発言に何も対処しようとしなかった。それで、アメリカのユダヤ系のFOCメンバーが主体になってCWopsを立ち上げた、という事情のようだった。この話は、大まかなところを聞いていたのだが、創設メンバーであるJimから直接伺うことができて、やはりそうだったのか、と納得した。これ以外の裏の事情はなさそうである。

CWのactivityで、コンテストやDXは盛んだが、ラグチューが衰退している、という認識を、Jimも抱いている様子だった。その理由は、彼によれば、簡単なこと。ネットでいくらでもやり取りができる。CWを用いたラグチューをする必要がなくなったからだ、というのが彼の見解であった。このブログでも繰り返し述べている通り、私はそれだけではない、またはそれは現象論に過ぎないのではないか、と考えている。宴会の場では、びしっと彼に述べることができなかったが、コンテストのような交信と、会話を行う交信は、今や並立せず、むしろお互いに排除しあう関係にあるように思えるのだ。具体的な根拠は、CWopsのCWTという毎週行われるスプリントスタイルのコンテストにactiveな局が、「普通の交信」をしているところを殆ど聞かない、ということが挙げられる。CWは、本来何らかの意思疎通を行う手段として生まれてきたものであり、また意思疎通がCWでできた時の楽しみは、独特のものがあるのだ。一方、コンテストスタイルの交信は、一種の無意味な記号のやり取りにしか過ぎない。CWを送受信する際の、読む、書く喜びが欠けているのだ。Jimのように考えている方が、少なくともCWopsでは多数なのだろう。彼らとの意見の違いを、文章にして公表してみることが必要なのかもしれない。

Jimは好奇心旺盛で、日本語には漢字、ひらがな、カタカナ等があるのはどうしてか、どのように使い分けているのか、といったことや、様々な食材のこと、日本での無線免許制度のこと等も盛んに質問し、知識を吸収しようとなさっていた。もう70歳に届きそうな年齢なのに、その向学の姿勢はすごい。

何時かは、東海岸で行われる電信マンの集まりに出てみたいものだ。そこでJimや、他の旧知の方々にお目にかかりたいものだ、と思った。K3ZO、W3LPL、N3AM等々、知り合いの方々からよろしくとの伝言を彼が携えてきてくれた。何時かはそうした人々とアイボールをという気持ちが改めて大きくなった。

TPP交渉を進展させるという、抽象的な報道が繰り返されている 

TPPに関しては、しつっこい位に、こうした抽象的な報道が繰り返されている。交渉の結論の枠組みはすでに決まっているのではないだろうか。どれだけ困難な交渉を行ったかの見せかけの交渉の途中経過報告なのではないか、と疑われるようなやり方だ。

先日お目にかかった、兼業農家の方が、コメの値段が急に下がったと言って、嘆いておられた。一頃の半分近くまで、安くなったらしい。今のところ、補助金が出るので、何とかなるが、先は全く見通せなくなったと暗い顔をしていた。

医療、教育それに農業は、社会的共通資本であるから、国際的な市場にゆだねるべきではない、と繰り返し述べておられたのが、東大名誉教授だった宇沢弘文氏だった。その彼も最近亡くなった。

TPPは、農業分野の完全な市場化をもたらす。消費者は、価格の低下を喜ぶかもしれないが、それは社会の隅々までグローバリズムが及ぶことを意味する。持てる者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しくなる社会の出現である。


以下、引用~~~

甘利氏、TPP「方向性つける」

2014年10月25日(土)10時42分配信 共同通信 

 【シドニー共同】日米など12カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が25日、オーストラリアのシドニーで始まった。27日までの日程で、目標とする年内の大筋合意に向け、事務レベル協議で難航している知的財産などの分野を政治判断で進展させることを目指す。

 甘利TPP担当相は25日、記者団に「難航分野をどう処理するかの方向性はつけなければならない」と話した。

 閣僚会合はシンガポールで開催された5月以来。参加国は11月の中国・北京でのAPEC首脳会議に合わせ、TPP首脳会合を開くことを検討している。各国がどこまで歩み寄れるかが焦点になる。

「増税」に際しては、「社会保障の充実」と唱えればよい? 

消費税増税分は、すべて社会保障の充実に回すと、安倍首相がはっきり言っていたわけだが?消費税の10%への増税ができないと、社会保障への手当てが十分できない、と言う財務大臣。社会保障の充実といえば、増税が受け入れられると考えているわけだ。国民もバカにされたものだ。

景気の好循環とは、何時になったら実現するのか?

確かに、増税をすることは仕方ないと思うのだが、空前絶後の金融緩和政策を続けて、それで市場の信認を得られるのか?金融緩和によって市場に出回るはずの金は、日銀の東西預金に積み増しされるだけになっているようだが、景気の「回復」等ありうるのかね。安倍首相は、高度経済成長の時代の経済を再び実現すると考えているようだが、現実認識、それにマネタリスト流の考えが甘いのではないのか?

疑問だらけの経済財政政策ではある。


以下、引用~~~


消費税10%先送りは少子化対策「困難に」 麻生財務相

記事:朝日新聞
14/10/20

 麻生太郎財務相は17日、来年10月と法律で定めた消費税率10%への引き上げを見送った場合は、再増税を前提にしている待機児童解消など少子化対策の実行が「極めて困難になる」との見方を示した。来年度予算案に、再増税の影響を和らげる対策を盛り込むことを検討していることも明らかにした。

 衆院財務金融委員会で古川元久氏(民主)の質問に答えた。消費税率5%から10%への引き上げで増える税収(年間14兆円)のうち2・8兆円を子育てや医療など社会保障の充実に回す方針が決まっている。麻生氏は「仮に(税率)8%にとどまった場合、社会保障の充実に振り向けられるのは1・3兆円ぐらいになり、予定した充実案の実行は極めて困難になる」と述べた

 また、再増税の先送りで「政府の財政健全化の意思に疑念を持たれると市場の反応は予測しがたく、(政府としての対応は)極めて困難」と強調し、再増税を前提に「経済の好循環を確かなものにする対策を来年度予算に盛り込むことを鋭意検討中だ」とした。日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁も「(再増税の)先送りで財政運営に対する市場の信認が失われると、(日銀としても)対応が極めて困難になる」と答弁した。

CONDXの良い21メガで 

今朝の21メガ、北米全体に開けている。東海岸はフラッターはあるが、QSBもなく入感している・・・だが、CQを出しても、あまり応答がない。

W6NLK Tomが呼んでくれた。San Diegoに住む方で、以前紹介した通り、脳腫瘍の加療中である。最近のPETでは、腫瘍内部の壊死と、腫瘍の縮小が認められたとのこと。治癒的ではないが、手術を受ける方向で検討する様子。その際に、ウイルスをベクターにした遺伝子治療を受けられるかどうか、医師の検討結果を待っているとのことだった。小生のブログを奥様が読んで楽しんでくださっている由。詩的な表現と言われるので、下手な英語の散文ですと返事。彼は、交信の初めに、少し遅く打ってくれと要望してこられた。これは実に嬉しいことだ。取れないのに、取れたかのように交信を進められるのは苦痛に近い。取れないならば、そうと、そして遅くしてもらいたいならそのように要望する、これが交信を実りあるものにする秘訣だろう。そのように表明するのは、恥ずかしいと思われるのは良く分かるのだが、実りのあるCW交信を希望している人間からすると、そうした要望は、大歓迎なのだ。Tomとは、彼の病状報告が主だが、いつも印象に残る交信である。

彼との交信を終えて、二三ラバスタをこなしているうちに、バンドが騒がしくなった。CQAPと打っている。アジアパシフィックのスプリントの開幕だ。その後もしばらく粘ったが、交信らしい交信はできず。7メガで二度ほどCQを出すが、誰からも呼ばれず。

CWの楽しさ、意味は、一つには、読み書きと同等のプロセスであることに由来する知的な楽しみにある。これは繰り返し、記してきた。もう一つは、じっくり話をすることによって相手を深く理解することにある。コンテストは、いずれの点でも、対極にある。ビッグコンテスターと言われる人々の大多数は、数年もすると無線から去って行くことが多い。飽きるのだろう。このあたりの事情を、さらにブログや、無線雑誌等への投稿を通じて、発信してゆきたいものだ・・と思いつつ、ついつい後回しになっている 苦笑。コンテスト、パイルごっこだけだと、すぐ飽きる、ということを言い続けなければならない・・・。

マリーゴールドから種を採取 

マリーゴールドは、私のお気に入りの花の一つ。寒さ、暑さに強く、春早い時期から、晩秋まで咲き続けてくれるからだ。鼻の大きさ、色合いもほどほどで、私の地味な庭に丁度合う。家人によると、防虫効果もあるらしい。この画像は、庭の一角に集めたマリーゴールドを真夏に撮ったもの。昨年植えたものから落ちた種で自然に発芽したものと、今年種から育てたものを集めてみた。

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大分、枯れかかってきたマリーゴールドを廃棄しようと触れると、花が枯れた部分に種ができているのを見つけた。鼻を育てている方には当たり前のことかもしれないが、花頭の部分に種がびっしり詰まっているのを知り、あっと驚いた。一つ一つの花頭を集めて、中の種を取り出した。

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種をビニール袋に詰めてみた。このような袋が三つ四つ。冷蔵庫に入れて、来年まで越冬である。来年は、もっと広やかな場所に植えてあげることにしよう。

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綿々と生命の流れがこうやって続いて行くのだなと改めて感心した。人の声明の流れも同じように、平和に何人にも差別がなくなされてほしいものだ。

原発の国有化問題、電力業界の責任の問題 

昨日のポストに対するmasaさんのコメントへの返答を以下に掲げる;

まず、東電の賠償の問題です。国有化すると、賠償等は全部税金になるではないか、というご意見ですが、では国有化しないままではどうなるでしょうか。原発事故損害賠償機構からの資金で今は賠償しているわけですが、それは各電力会社の電気料金に上乗せされています。当初5兆円までと言われた賠償金額も、東電は、10兆円に達すると示唆しており、同機構への電力会社からの負担金拠出も怪しくなってきています。結局、電気料金への上乗せと、税金の投入になることでしょう。ですから、国有化するかしないかは関係ありません。岩波新書「電気料金はなぜ上がるのか」朝日新聞社経済部をご覧になってください。

>もっとも原発法作った当時、リスクがある原発参入を嫌がる電力業界を天災等による免責条項を入れてねじ伏せ、国主導でこれまで進めてきた原子力政策、

というのはあまりに簡略化し、かつ事実認定の誤りがあるように思えます。1955年の原子力三法を受けて、1957年日本原電が成立し、英国からの原発導入の受け入れ主体となります。その出資比率が、政府20%、民間80%でした。通産省・電力業界が、商用原子炉の利権を握ったのです。吉岡斉著「新盤 原子力の社会史」にその当時の状況、その後、科学技術庁グループと、上記の二者のグループとが車の両輪のようになって、原子力行政・実務を進めたことが記されています。

原発事故の被害の予測は、1960年科学技術庁の委託を受けて、日本原子力産業会議が報告書を提出しています。もっとも大きな被害額の想定は、3兆4300億円、当時の国家予算が、1兆7000億円でした。このように国家が破たんするほど甚大な被害が予測されたのに、電力業界が入っていた事故への保険は1200億円。電力業界は、いやいやながら原発に加担させられたのではなく、自らそこに身を投じ、そこで多大な利益を上げてきたわけです。そして、深刻事故への対処は真剣に取り組んでいなかった、ということです。、無責任極まります。

>原発による利益や地域振興を甘受してきた国民にも責任がある

これは具体的に何を言っておられるのでしょうか。原発のせいで、電気料金がとびきり低廉だったと仰りたいのですか。国民は原発の安全神話を信じ込まされ、さらに深刻事故の際に、どれほどの問題が起きるかを知らされておりませんでした。それにもかかわらず、国民に責任があるというのは、言いがかりというべきでしょう。国民に何らかの責任があるとすれば、原発の危険性について知る努力をしなかったことがありますが、それとて、産官学の強力な安全神話で芽を摘まれていたというのが実態ではないでしょうか。

また、福島の人々は、原発関連交付金を得ていたのだから、自業自得だという議論も良く耳にしますが、原発交付金がどの自治体にどれだけ交付され、それがどのように用いられてきたかということを調べた上で、仰っているのでしょうか。原発交付金の大部分は、原発立地自治体に交付され、その用途は箱もの、それもひも付きの箱もの建設でした。周辺自治体にはほとんど交付されていません。住む場所と、仕事と、さらにコミュニティを奪われた方々が、この交付金で甘い汁を吸った云々の言説を目にした時に、どのように感じられることでしょうか。この問題については、岩波新書「原発を終わらせる」石橋克彦編をご参照ください。