参院選の争点 

事前の世論調査では、来月10日の参議院選挙では、与党が勝利を収めるとの予想が出ていた。

これだけ国民は痛めつけられ、また将来の危機にさらされようとしているのに、正直驚きだ。

アベノミクスとやらの莫大な金融緩和・財政出動の政策、これは自民党政権がこれまでも繰り返してきた政策で、現在の天文学的な国の借金を積み重ねる原因になった。株価は一時的に上がり、円安で輸出企業を中心に大企業の業績は上がった。だが、大企業の内部留保が記録的に大きくなっただけで、実質賃金は下がり続けた。さらに増えたというふれ込みの雇用も非正規雇用が増えただけだ。国内需要はむしろ収縮している。日銀は、300兆円以上を市場に突っ込んだが、その9割以上は国内経済に流通していない。日銀のバランスシートが棄損されただけだ。株価も今回の英国のEU離脱決定で暴落している。半分以上を株式に投下している我々の年金資金、おそらく記録的な減少をしているはずだ。どう考えても、アベノミクスとやらは格差拡大に寄与しただけで、国民のためにはなっていない。

東アジアの安全保障環境が飛躍的に悪化している、したがって米国との軍事同盟をさらに強化しなければならない、と政府は言う。その具体的な政権の対応が、昨年生まれた安保法制だ。立憲主義を踏みにじったという手続きの瑕疵はさておき、この軍事同盟強化は一体何のためなのか。

最近、矢部宏治著『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』を読んだ。これはイデオロギー的な書物ではなく、戦後の歴史を丹念に調べ上げ、公文書に一つ一つ当たって記された好著だ。現在の憲法9条の規定と、世界有数の米軍基地を持つ日本の不条理がどうして出現したのかを著者は問う。憲法9条は、制定当時、国連軍・安全保障理事会が存在し、機能することを前提に作られた。国民も、それを歓迎した。だが、冷戦の始まり・朝鮮戦争の勃発により、米軍軍部の意向通り、日本をいつでもどこでも米軍基地に使用させ、また米軍への兵站援助を行うことが定められた(基地権)。有事の際には、自衛隊は米軍指揮下に入ることも定められている(指揮権)。日米安保、日米地位協定で定められぬ基地権・指揮権に関する実務は、日米合同委員会・2+2という「秘密会議」で決められる。(米国の基地権は当然のこと、米軍が指揮権を持つということは驚きだ。)日米合同委員会の日本側Nr2に代々ついている法務省官房長は、事務次官から検事総長になるしきたりになっている。従って、この秘密委員会は、日本の安全保障のみならず、経済から司法の領域までカバーする。米国の要人は、いつでも直接日本に入国できるようになっており、そこに国境はない。いわば、日本には独立した主権がないわけだ。

そのような状況を、法的に固定化するのが、安保法制なのだ。日米安保には、有事の際に米軍が日本の防衛に当たるという明確な規定はない。安保法制が、わが国の安全保障のためである、というのは欺瞞だ。上記の米軍の世界戦略を補佐し、また米軍の肩代わりを自衛隊にさせるための法律である。独立国としての主権が存在するかどうか、の問題だ。

東アジアの安全保障は、専守防衛を徹底すれば良いことだ。世界有数の軍事力を持つ、自衛隊によって、自国の防衛に特化することだ。これまで冷戦の時代を含めて、それで自国防衛を果たしてきた。いたずらに近隣諸国との軋轢を増す政策を止め、専守防衛に限定した武力を持つことで十分なのだ。自国の主権を明け渡しつつ、米軍に隷属することはない。

日本は、もう一度痛い目に合わないと覚醒しないのだろうか。冷戦が終了しても、なおかつ冷戦時代の体制を維持しようと、政権は必死になっている。その必死さは、これまでわが国が歩んできた平和主義の道から大きく外れている。そこを国民が理解するかどうか、だろう。

Tony G4LFU 

例によって、早朝覚醒。14メガを聞くと、ヨーロッパがそこそこ入っていた。東ヨーロッパ勢と味気ない交信をいくつか済ませ、今日もこれでお開きかなと思う頃、Tony G4LFUが強力な信号で呼んでくれた。

彼のリグは、自作だそうで、qrz.comでその画像を見ると、LCDディスプレーのついた既製品かと見まごうばかりのリグだ。当然、CPUによってコントロールされているのだろう。アンテナはHEX。少し短点の短めのキーイング。キーヤーも新しいものだそうだ。

英国のEUからの離脱を問う投票に行ったか、尋ねた。もちろん、との返事。離脱に賛成する投票をした由。1975年のEU(当時はまだEUではなく、前身だった)加盟の投票には賛成票を投じたのだけれど、現在の状況では、EUに留まることはよくないと判断した、とのこと。ヨーロッパ諸国とFEDERALな関係になるべきだろう、とのことだ。奥様が、入国関連事例を扱う裁判所で判事をしているのだが、彼女が、自らの選びようがない法律で縛られているのは理不尽だと思う、とのこと。やはり大陸からの難民流入の問題が、離脱に票を投じた背景にはあるのだろう。あちらの時間の朝には、結果が判明しているだろうが、今夜は眠れそうにない、と言って笑っていた。

私の余暇の過ごし方、仕事を止めたのかということなども、話の合間に尋ねてくれたので、家事分担などについての話題でも盛り上がった。

そのFEDERALな関係を築くとして、関税障壁はどうなるのか。人間の移動だけを制限し、経済的な一体性を保つことを志向するのかという点を尋ねたいところだったが、時間切れ。グレーラインを超えたのだろう、すこしずつ信号が落ちてきた。そこで、再会を約して別れた。45分間程度の交信。英国相手としては長い部類だ。

政治的な話題になると、結構自説に固執することが、自分も含めて多く、かつ議論には基礎的な知識が必要になり難しいのだが、マスコミを通してではなく、現地に住む一個人の見解を伺えるのは、無線の面白さの一つだ。もっと勉強して、活発な議論を展開したいところだ。最近、武器輸出の問題についての本を読んでいる。英国のBAEという武器製造会社が、とくにサウジアラビアと賄賂の横行する汚れた取引を行っていることをその本から知った。サウジアラビアの状況は、マスコミからあまり流れてこないが、封建制のひどい体制らしい。この話題には、BAEのみならず英国政府にも批判的にならざるをえないわけだが、これを持ち出して、果たして落ち着いた議論ができるだろうか・・・。

彼はFOCのもっとも新しいメンバーの一人の様子。FOCは、コンテスト・アワード志向が強いグループになりつつあるが、それでもこうした人物がメンバーになる深さがある。

公務員の職務専念義務違反、官僚支配の構造 

地方へ出向した厚労省官僚の、民間人に対する言論抑圧の問題。

この問題の背後には、そうでなくても経営が厳しいのに、ずさんな箱もの投資で経営困難にある亀田総合病院の問題と官僚の民間支配の問題がある。

いい加減、こんな前時代的官僚支配の構造を取り払わないと、日本という国家が立ち行かなくなる。

我々には、「お上」の言うことはすべて正しいと諾々と従うことに疑問を持つことが要請されている。


以下、MRICより引用~~~

言論抑圧は地方公務員の職務専念義務違反である

医師 小松秀樹

2016年6月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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日本国憲法の下、言論抑圧は地方公務員の本来の職務たりえない。ましてや、自らの利益のための言論抑圧は、明らかな職務専念義務違反である。2016年6月19日、筆者は、森田健作千葉県知事に対し、厚生労働省から千葉県庁に健康福祉部医療整備課課長として出向中である高岡志帆氏の懲戒処分を求める申立書を送付した。高岡志帆氏の下記行為が、職務専念義務を規定する地方公務員法第35条違反に相当することから、同法第29条第1項各号に基づく処分を求めた。

職務専念義務違反は、逸脱行為をする地方公務員に対する対抗手段として汎用性があると思われるので申立書の内容を紹介する。

第1 高岡志帆氏の職務上の行為に非ざる行為-私人の言論の抑圧
高岡志帆氏は、千葉県健康福祉部医療整備課課長として、千葉県下の地域医療再生計画に基づく事業の推進等の職務を担当してきた。

筆者は、2013年度より地域医療再生計画の一環として、安房医療圏の医療人材確保のために、亀田総合病院地域医療学講座の事業を実施していたが、本事業の予算措置に関連して、高岡氏を含む千葉県職員の違法な対応を批判する文書をメールマガジンに投稿したところ、亀田総合病院院長亀田信介氏より、「厚生労働省職員から批判を止めさせるよう圧力がかかった。民間病院は抵抗できない。ついては、批判を止めてほしい」旨、要請された。

筆者は2015年7月、言論抑圧を図った厚生労働省職員が、健康局結核感染症課課長井上肇氏(当時)であるとの情報を得たため、同年、8月17日、内部調査及び厳正な対処を求める塩崎恭久厚生労働大臣あての文書の非公式な原案(本件書面)を作成し、一般に知られないよう、厚生労働省高官に送付し、提出方法ならびに窓口について相談した。

高岡氏は本件書面を遅くとも同年9月2日までに入手し、同日、これを正当な理由なく医療法人鉄蕉会理事長亀田隆明氏に送付した。これを受け、亀田隆明氏は、高岡氏を含む千葉県職員の対応を批判する言論活動を行ったこと、本件書面を厚生労働省に提出したことを懲戒処分原因事実として、筆者を2015年9月25日に懲戒解雇した。

高岡氏のかかる行為は、私人の言論活動を規制するものであり、千葉県職員としての職務上の行為とは言えないことから、地方公務員の職務専念義務を規定する地方公務員法第35条に違反するものである。

第2 上記行為が高岡志帆氏の個人的な利害・動機に基づくものであること
亀田総合病院は、国の地域医療再生臨時特例交付金の補助事業として、2013年度より3年間の計画で、安房医療圏の医療人材確保を図るため、「亀田総合病院地域医療学講座」事業を実施していた。筆者は、本講座のプログラムディレクターとして、その実施の責任者たる地位にあった。そして、筆者は本講座において、地域包括ケアについての映像と書籍、規格作成に心血をそそいできた。ところが、2015年5月1日、高岡氏が部下の医師・看護師確保対策室長を伴って亀田総合病院に来院し、当日、医師・看護師確保対策室長から、地域医療学講座の2014年度の補助金を1800万円から1500万円に削減する、2015年度の補助金を打ち切りにすると通告された。理由として、10分の5補助だったこと、予算がなくなったことが告げられた。しかし、地域医療学講座には、すでに、2015年3月30日付けの1800万円の交付決定通知(千葉県医指令2082号)が送付されてきていた。この決定を覆すのに必要な手続きがなされたという説明はなかった。

補助金の交付を受けることができなければ、出版と映像作成が頓挫し、規格作成は不可能になる。撮影はすでに進んでおり、それに対応する費用が発生していた。地域医療学講座は、外部の名だたる学者と現場の実務家が関与する公費が投入された公益目的の学術活動である。公費が投入されている以上、プログラムディレクターである筆者には、医療法人鉄蕉会のみならず社会に対する責任がすでに生じていた。そこで、筆者はプログラムディレクターとしての職責を担う者として、一方的な補助金の打ち切りに対し、高岡氏及び医師・看護師確保対策室長に猛抗議するとともに、高岡氏に対し、基金の使い道と残金を明らかにするよう求めた。この日、筆者の抗議に、亀田隆明、省吾両氏も同調した。

医師・看護師確保対策室長の通告は、虚偽によって予算削減を受け入れさせ、予算要求を阻止しようとしたものである。そもそも、地域医療再生基金管理運用要領によれば、基金事業が不適切だと認められる場合を除いて、県庁担当者の恣意で、助成金の交付を拒むことはできないし、事業を中止することもできない。筆者は、事業内容について、事前に千葉県の担当者に説明して同意を得つつ、事業を進めてきたものであり、不適切だといわれる理由はない。

筆者は、経緯を「亀田総合病院地域医療学講座の苦難と千葉県の医療行政」http://medg.jp/mt/?p=3953 http://medg.jp/mt/?p=3955 http://medg.jp/mt/?p=3957 と題する文章にまとめて、メールマガジンMRICに投稿した。

筆者の言論による批判を受けて、2015年5月27日、高岡氏は医師・看護師確保対策室長の前記通告が虚偽だったこと、すなわち、10分の10補助だったこと、交付金が残っており、出納局が管理していることを明らかにした。2014年度予算については、決定通り1800万円が交付されることになったが、2015年度予算について、態度をあいまいにした。これでは事業を実施できない。国で決まった基金の扱いとしては普通ではない。そこで、県を押し込むために「千葉県行政における虚偽の役割」http://medg.jp/mt/?p=5898 をMRICに投稿し、出来事をできるだけ正確に再現し、千葉県の対応を批判した。

これに対し、2015年6月22日、亀田総合病院院長亀田信介氏から、「厚生労働省関係から連絡があった。千葉県ではなく厚生労働省の関係者である。厚生労働省全体が前回のメールマガジンの記事に対して怒っており、感情的になっていると言われた。記事を書くのを止めさせるように言われた。亀田総合病院にガバナンスがないと言われた。行政の批判を今後も書かせるようなことがある
と、亀田の責任とみなす、そうなれば補助金が配分されなくなると言われた」と告げられ、「以後、千葉県の批判を止めてもらえないだろうか」と要請された。苦しい経営が続く亀田総合病院の経営者としては仕方のない反応である。

一方で、筆者は、亀田総合病院に入職する以前も以後も、言論人として活動してきた。これを亀田総合病院の経営者も認めてきた。経営者が、筆者の言論を利用してきた側面もあった。言論人としては、理不尽な言論抑圧に屈するわけにはいかなかった。そこで「言論を抑えるというのはひどく危険なことである。権限を持っていて、それを不適切に行使すれば非難されるのは当たり前だ」
と主張し、いずれ社会に発信すると告げた。

2015年7月15日、筆者は、不当な圧力をかけた厚生労働省職員が、健康局結核感染症課課長の井上肇氏であるとの情報を入手したため、本件書面を作成して厚生労働省高官に送付し、正式に提出する方法と窓口について相談した。

その後、本件書面は、厚生労働省内部から高岡氏のもとにわたり、高岡氏は、2015年9月2日午前11時34分、医療法人鉄蕉会理事長亀田隆明氏に対し、「すでにお耳に入っているかもしれませんが、別添情報提供させていただきます。補足のご説明でお電話いたします」として本件書面をメールに添付して送付した

筆者は、亀田総合病院で同日あわただしい動きがあったこと、亀田隆明氏が、筆者を9月中に懲戒解雇すると語っていたとの情報を得た。高岡志帆氏の電話は懲戒解雇を促すものだった蓋然性が高い。

時を置かず、亀田隆明氏は、高岡氏を含む千葉県職員の対応を批判する内容の言論活動を行ったこと、厚生労働省職員による言論抑圧について調査と厳正対処を求める厚生労働大臣あての本件書面を提出したことを懲戒処分原因事実とする懲戒処分手続を開始した。亀田隆明氏は、懲戒委員会が開かれた平成27年9月25日、解雇予告の正当な手続も踏まずに、筆者を即日懲戒解雇した。

以上の経緯からすれば、高岡氏が本件書面を亀田隆明氏に送付した動機は、自身の不適切な行為に対して批判を続ける筆者の懲戒処分を求め、筆者の言論を封じるという私利を図ろうとする点にあったというべきであり、当該行為が千葉県職員としてなすべき職務上の行為として行われたものでないことは明らかである。

第3 高岡志帆氏と井上肇氏との共謀の蓋然性
高岡氏と共謀する人物でなければ、本件書面を高岡氏に送付するというリスクの高い行為をとることは考えにくい。筆者は、厚生労働省高官に、本件書面を、ワード(文書作成ソフト)の電子情報として送付したが、高岡氏から亀田隆明氏に送られたものは画質がかなり劣化したPDFであり、ワードのデータをプリントアウトし、さらに、それをコピーしたものをPDF化したものと思われた。高岡氏が送られてきた本件書面をわざわざプリントアウトすることは考えにくい。本件書面が厚生労働省内部で問題になり、事情聴取が行われたのは想像に難くない。当然、コピーが関係者に配布されたはずである。本件書面には、井上肇氏のみならず、高岡氏の違法行為についても記載されていた。本件書面の内容は井上肇、高岡両氏にとって不利益をもたらすものだった。

井上肇氏と高岡氏はそれぞれ、鳥取大学、大阪市立大学という医系技官としては少数派の大学出身であり、千葉県の医療行政に深く関わってきた。共に、ハーバード大学公衆衛生大学院に留学した経験を有しており、以前より、接触が多かったと推測される。筆者は千葉県の医療行政について、多くの論文を書き、体系的に批判してきたが、中でも、二次医療圏まで変更して強引に設立した東千葉メディカルセンターの赤字問題は、井上肇氏や高岡氏の責任問題に発展する可能性があり、筆者の言論活動に危機感を持っていたと想像される。東千葉メディカルセンター問題については、「病床規制の問題3 誘発された看護師引き抜き合戦」http://medg.jp/mt/?p=1769、「東千葉メディカルセンター問題における千葉県の責任」http://medg.jp/mt/?p=6643 http://medg.jp/mt/?p=6641 を参照されたい。事件全体の動きから、二人は共に、自身の違法行為を告発する筆者に対し害意をもって行動していたものと思われる。厚生労働省内部にあって、本件書面のような、扱うのにリスクを伴う情報を、高岡氏に送付する動機と利害関係を持った個人は井上肇氏以外には想像しにぁ
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結語
本件では、官僚が自身の違法行為を隠蔽するために言論を抑圧し、さらに、私人である筆者の職を奪うに至った。民主主義社会ではあってはならない事件である。

官僚の思い上がり 

官僚は、自らが無謬であり、それによって国民に対して権力を行使できる、という思い込みを持っている。

政官業が一致して、国が右肩上がりの成長を続けていた間は、その弊害があまり見えてこなかった。

だが、右肩上がりの成長は過去のものとなり、超高齢化人口減少社会になり、国力が落ちてきた現在、官僚のその思い込みは、幾多の弊害をもたらしていることが明らかになってきた。

この記事で3に取り上げられている事例は、小松秀樹医師が、厚労省および千葉県に出向中の医系技官から受けた、恣意的ハラスメントの問題だ。別なポストで彼のMRICでの新たな発言を取り上げる積りだが、この医系技官の行為は行政官として許されざるものだ。

記事の著者、井上弁護士と私の見解で多少異なるのは、これは医系技官だけの問題だけではなく、法系技官にも当てはまることで、後者が制度設計で根本的なところを押さえていることが多いわけで、むしろ法系技官の在り方こそが問われる。医系技官は、臨床経験を現在よりも長く積むことをその採用条件にすべきだ。また、行政政策の「結果責任」を高級官僚は問われるべきだ。

以下、MRICより引用~~~

医系技官ガバナンス ~医系技官システムのガバナンス改革~

この原稿はMMJ6月号(6月15日発売)からの転載です。

井上法律事務所 弁護士
井上清成

2016年6月22日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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1.医系技官システムの問題性
厚生系の公務員には、その中核に、法令系事務官と医系技官とがいる。法令系事務官は、法学部出身者を核としていて、特にその中心はいわゆるキャリア官僚となって厚生行政の実務をリードしてきた。厚生労働省の事務次官をトップとし、局長・課長ポストの多くを占めている。一般的に法令に忠実だが、微細にまでこだわり過ぎるという評判もあるらしい。いわゆる規範的予期類型が徹
底しているのであろう。
他方、医師免許を持った者には公務員の別コースがあり、医系技官といわれる。医学部出身者で医師であるから、法令系事務官と比べれば、医学・医療の専門家と評してよい。ただ、実際は、熟練した医師は多くはないようである。また、当然ながら、一般に、憲法・民法・刑法をはじめとする基本法令の理解は深くないらしい。この点で、医系技官の中には、どっちつかずのダブル未熟者
が紛れ込みかねず、公務の遂行に問題が生じることもありえよう。
その種の医系技官でも結構、強大な権限をふるうポストに座り、時に問題を引き起こす。今は、そのような医系技官システムに対するガバナンスの改革が必要となっている時期のようにも思う。

2.過去の事例
かつて、保険診療報酬請求に関する個別指導や監査では、品の悪い医系技官が猛威を振るっていた。昔々の警察取調べを彷彿とさせるような暴言を、公式の席である個別指導や監査の場で吐いたりしていたらしい。さすがに余りにも酷いので、訴訟も多発した。厚労省も組織改革をし、厚生局として整備して以降は、弁護士帯同も確立する中で、そのような事例は減っているようである。徐
々に、個別指導や監査でも医系技官に代わって法令系事務官が仕切るようになった。医系技官システムに対するガバナンスの改革が順調に進行中、と評してもよいかも知れない。

医療事故調査制度の創設も、ホットな場であった。医療事故調の議論は、ともすれば直ぐに炎上してしまうほど、先鋭な利害対立・信条対立が起きやすい。
そのような中で熱血の医系技官が強腕に制度を立ち上げようとすれば、大炎上してしまう。しかし、とにもかくにも医療事故調査制度は創設されたが、当然、そのような熱血の医系技官の思惑通りには行かなかった。問題は、公務員たるにもかかわらず、自らの納得が行かないからといって、検討会取りまとめの公式結果を意図的に一部は隠して、各地で研修しに回ったことである。

一例を挙げよう。今般の医療事故調の最重要ポイントの一つは、「医療事故の範囲」では「※過誤の有無は問わない」としたことであった。公式の検討会取りまとめの図表があるにもかかわらず、当該医系技官は、公式の図表に(黒塗りの縁取りを設けるという)細工をして、「医療事故の範囲」「※過誤の有無は問わない」を削除した形でスライドを制作して、各地で研修して回ったので
ある。そのうち、上司の法令系事務官からのチェックが入り、その後は、黒い縁取りを外して研修が行われるようになったらしい。事無きを得たとはいえ、医系技官システムに対するガバナンスの改革の必要性が感じられるエピソードではあろう。

3.近時の事例―職務専念義務違反
まだ未解決の医系技官ガバナンスの事例もある。
ある病院の医師が、本省の課長であった医系技官とその配下にあってある県に出向していた医系技官とを、施策面で批判し続けていた。ある時、当該医師は本省に対して当該医系技官の調査をするなどの要請をする文書を出そうとしていたところ、当該医系技官配下の(ある県に出向中の)医系技官が当該文書を入手して、その県に所在していて当該医師の雇主たる病院の経営者に対して、メールを送付したらしい。その県に出向している医系技官は、入手した当該文書を添付して、「既にお耳に入っているかもしれませんが、別添情報提供させていただきます。補足のご説明でお電話いたします。」と、その県にある病院の経営者に送ったのである。間もなく、当該医師は病院から懲戒解雇された。

しかし、これは言論統制以外の何物でもない。つまり、言論統制は医系技官の本来の職務ではないのだから職務外のことをしていたことになり、そのメール送付をした医系技官は、職務専念義務(地方公務員法35条)に違反したのである。
職務専念義務といえば、本省の課長であった医系技官の職務専念義務(国家公務員法101条)違反は、さらに甚だしい。
行政の民事不介入は、行政の大原則である。ところが、本省の課長であった医系技官は、ある病院とある病院の医師の派遣を斡旋し、医師派遣契約の仲介を自らしていたらしい。その医系技官が自身で報酬をもらったかもらわなかったではなく、民間契約の仲介行為をしたこと自体が大問題である。本当に、民間契約の仲介や斡旋をしていたとするならば、民事介入をしていたことになり、
それだけで直ちに職務専念義務違反になってしまう。

そもそも管理職それもキャリア官僚たる公務員の職務上の行為は、過去・現在・将来そして他省庁の分野へもまたがり、直接・間接を問わず、情報の交換・議論・検討や社交儀礼上の諸行為も含み、極めて多岐にわたる。そのため、職務専念義務違反とされる行為は、極めて稀ではあろう。しかしながら、私的な動機・利害に基づく言論統制や民事介入は、明らかに公務員としての職務専念
義務に違反している。厚労省や当該県としても、医系技官へのガバナンスを効かさねばならないところであろう。

4.医系技官ガバナンスの改革を
以上、厚労省の医系技官システムの問題事例のエピソードを少し挙げてみた。
現在、厚労省は数々のガバナンス改革を試み、一定の成果を挙げてきている。
今後は、現行の医系技官システムから個別的に医系専門家に委嘱するシステムに大幅移行することも視野に入れつつ、医系技官システムのガバナンス改革にも新たに着手すべきであろう。

http://expres.umin.jp/mric/mric143.pdf

原発テロが現実になる 

原発へのテロに対する対策について、国際シンポジウムが開かれたと、最近の東洋経済が報じている。

そのシンポジウムで、原子炉格納容器の設計にかって携わった、後藤政志氏が行った発言を引用する。

以下、引用~~~

東芝で原子炉格納容器の設計にたずさわった後藤政志氏は、「日本では航空機(落下)衝突などの事故リスクが10のマイナス7乗回/炉・年以下であれば、評価する必要がないとされている。実際にはすべての原発がそれ以下で設定されている。テロの場合にはそうした計算ができないので別途検討することとなっているが、実際にどうなっているかは明らかにされていない」と指摘した。

後藤氏は新規制基準の適合性審査をパスした関西電力・高浜原発1、2号機について、「格納容器の上部は鋼鉄製の容器が剝きだしになっており、航空機落下に対して脆弱だ」と指摘。

審査の中で関電は上部に鉄筋コンクリート造の遮へい(厚さ約30センチ)を設置することを決めたが、「航空機衝突に耐えられるものではない」と述べている。

また、後藤氏は東京電力・福島第一原発などの沸騰水型原子炉(BWR)について、「建屋は機密性はあるものの耐圧性能が非常に弱く、航空機の衝突によって簡単に壊れる。建屋最上部には使用済み燃料プールがあり、安全性が懸念される」と指摘している。

引用終わり~~~

要するに、飛行機衝突といったテロで想定される事態に、わが国の原発は脆弱である、または対策が公表されていない、ということだ。

テロ対策は、国家安全保障に関係するので、秘密にされることが多いというが、わが国の場合その秘匿性が特に強い・・・実際に、有効な対策がとられているのかどうか疑わしいが、それを確認する術がない。無理に情報を得ようとすると、特定秘密保護法に引っかかり、処罰される可能性がある。

飛行機衝突事故リスクが10のマイナス7乗回/炉・年以下である(統計的に可能性がゼロに近いという、原子力村の安全神話である)として、有効な手立てを打っていない可能性がきわめて高い。テロリストが原発を標的にする事態はすでに起きている。安全法制によって自衛隊が中東で対テロ戦闘行為に巻き込まれる、ないし率先して参加する可能性が高くなっている。在外邦人へのテロだけでなく、わが国がテロの標的になる可能性が高まる。テロリストからしたら、沿岸部に数多く並ぶわが国の原発は、攻撃効果の上げやすい目標となることだろう。30、40年以上前に建設されたわが国の原発は、そうしたテロに脆弱であり、これから対策を施すことは無理だ。

わが国の原発テロに関して、原発の脆弱性がある可能性が極めて高い、その情報が公開されていない、情報を得ることができない、という状況にある。それを国民はよく知っておく必要がある。

CW交信のだいご味 

今夕は、大荒れという天気予報だったが、今のところ、静かな夕暮れだ。

7メガも、ノイズがほとんどない。コンテストの翌日は、あまり相手をしてくれる局が出てこないのだったな、と思いつつ、CQを叩く。Vern W7WHが、200ヘルツほど下がったところで呼んでくれた。以前と同じく、すこしチャピリとドリフトを伴っている。リグは、テンテックのOmni6とのこと。自分でも周波数が不安定なのは分かっているのだが、との返事だ。

西海岸のあちらでは、真夜中2時か3時頃のはず。そうそうにお開きにすることになった。

最後のかるい挨拶のつもりで、qrz.comの彼のページで見かけた、膝の上に上半身を持たれかけている犬によろしく、と言った。

すると、その犬Hankは、昨秋亡くなった、とてもつらい出来事だった、と彼が言う。

適切な言葉が見つからず・・・そのように別離を悲しんでくれるVernの家で一生を過ごせたHankは、幸せな一生を送ったのではないか、と申し上げた。

Hankは、Vernが電信を叩くのをいつも眺めていた、ということだ。きっと天国で、Vernの交信に耳を傾け続けているのではないだろうかと申し上げた。

彼は、そうだね、と少し嬉しそうな様子だった。

何気ない、こうした会話、やりとり、これがCW交信での楽しみなのではないだろうか。

華々しいDXでもなければ、アワードのための交信でもない。人生がふっと交錯するようなやり取り。それがCW交信のだいご味なのではないだろうか、と改めて感じた。

社会保障に関する政治家の本音 

なんともあからさまに本音を語る政治家であることよ。麻生財務大臣が講演で語ったという言葉。前後の文脈が分からないので、正確なところは分からないが、政府・行政の本音なのだろう。

1)高齢者には、この世から早く退場してもらいたい。それによって、社会保障費の節約ができる。

2)高齢者には、蓄えを早く吐き出して、経済活動の活性化に寄与してほしい。

ということなのだろう。1)が実現すれば、2)はついてくる、というわけだ。こうした思想の背景には、経済的な成長こそが唯一の価値だ、それを阻害するものは排除する、という考えがある。

彼のこの本音へのアンチテーゼとしては、

経済成長が今後ともに可能なのか、それをどのようにして実現するのかという疑問。

高齢者は、この世から退場する前に、またはそれに際して医療介護の世話にならなければならなくなる。そのためのコストをせっせと蓄えているわけだ。人生終末期の医療介護費用をだれが負担するというのか。

高齢者への医療にコストをかけないという方針がこっそりと実現されつつあるが、その負担を医療現場に丸投げしているのではないか。終末期医療について、政治が国民に語り掛けるべきなのではないか。

さらに、高齢者と言って線がはっきり引けるわけではない。「高齢者」という言葉は、生産に携われぬ者と一般化され、社会的弱者にまで広げられる可能性がある。

といった疑問が湧いてくる。・・・安心の医療介護、社会保障を確保すると政治が国民に保証するのを止めるべきではないだろうか。

麻生大臣の言葉は、ある意味本音なのだが、それにしても国家財政の元締めが語る言葉としてはエゲツない。


以下、引用~~~

麻生氏:いつまで生きるつもりだ…高齢者について講演会で
2016年6月17日(金)23時54分配信 毎日新聞

 麻生太郎財務相(75)は17日、北海道小樽市で開かれた自民党支部大会で講演し、「90になって老後が心配とか、訳の分からないことを言っている人がテレビに出ていたけど、『お前いつまで生きているつもりだ』と思いながら見ていました」と述べた。高齢者らの反発も予想される。

 麻生氏は講演で国内の消費拡大などが必要と指摘したうえで、「お金を何に使うかをぜひ考えてほしい。金は使わなきゃ何の意味もない。さらにためてどうするんです?」と述べた後に発言した。【一條優太】

大学教育、教科書のコスト 

私が医学部に在籍していた40年以上前でも、教科書の類は高価だった。一冊1万円以上、何分冊かをそろえると数万円なぞという教科書がざらだった。その当時は、あまり感じなかったが、裕福でなかった両親にとって、大きな出費だったことだろう。何も言わずにその費用を出してくれた親のありがたみを改めて感じる。

米国では、学費はさらに高く、そのうえ教科書も高価なようだ。無料ないし低廉な教科書をネットで学生に閲覧させるサイトがあることを、Facebookのポストで知った。自然科学から人文科学までそろっている。これには、例のビルゲイツの財団などが財政面でバックアップしている様子。こちら。米国の制度もかなり無理のあるところもあるが、学ぼうとする学生をバックアップする体制が整っている点は素晴らしい。

わが国でも、特に国立の大学学費がどんどん上がり、奨学金を得て大学に進学しても、卒業までに数百万円以上の借金を背負うことになってしまうようだ。教育は、医療とともに大切な社会的なインフラだ。大学を独法化して助成金をどんどん減らすのではなく、むしろ税金をもっと投入すべきだ。学費を安くし、学ぶ意欲のある学生には門戸を開くべきだ。同時に、教科書を無償で閲覧、DLできる体制を作るべきだろう。貧しいために教育が受けられない、または学生が、大学教育をうけたがために経済的な大きな負債を追って、社会に出るということがあってはいけない。

舛添都知事辞任 

舛添都知事が、辞任する。やれやれである。一つは、あれほどの公私混同を行った人物だから辞めるのは当然であるということだ。もう一つは、テレビやマスコミで彼の都議会での答弁等を延々と垂れ流し、それに識者たちが解説を加えるという報道がおしまいになるからだ。

後者については、バラエティ番組で盛んに彼を利用し、持ち上げていたのは、一体誰だったっけという気持ちがある。マスコミは、溺れる犬を叩くわけだ。

彼は学業優秀で東大法学部の助教授まで勤めた人物だ。だが、当然のことながら、頭が良いだけでは、良い政治家にはなれない一つの実例になった。彼ほど頭の良い人物が、このように分かりやすい公私混同、政治資金の流用を行ったのは何故だったのか、不思議に思っていた。どうも、こうした滅茶苦茶なやり方が政治の世界では一般的なのかもしれない、と思うようになった。安倍首相も、数年前の政治資金報告書の内容から、政治資金でアイスや、飲料水を購入したり、キャバクラの費用を出したりしていたことが分かっている。他の政治家も、推して知るべしだ。舛添都知事の行状を弁護するつもりは、さらさらないが、こうした政治資金が簡単に流用できるシステムも問題だ。それを何とかしないと、同じことが繰り返される。

甘利明議員の話がとんと聞こえなくなってしまった。以前にも記した通り、こちらは、政官業の癒着、それによる公金の不正支出の問題なので、舛添都知事の問題よりよほど大きいのだが。マスコミよ、しっかりしろと言いたい。

それにしても、テレビに出る芸能人を政治家に手っ取り早く持ってくるのはいい加減止めてもらいたい。参議院選挙では、またテレビで顔を売った連中がぞろぞろと立候補しそうだ。最終的な問題は、投票する我々自身にある。芸能人がすべて悪いわけではないが、選挙の際には、ただ名前と顔が分かっているからということだけで、投票することのないようにしたいものだ。しっかりと、政策、人となりを知ること。投票する我々の知性が試される。

企業内部留保が、過去最高を記録 

企業の内部留保が、さらに増大し、366兆6860億円に達し、過去最高を記録しているという記事。こちら

アベノミクスという壮大な金融緩和、財政出動は、ひとえに企業の内部留保を増大させることに寄与した。また、富裕層の収入を増大もさせた。一方、内需を増やしていない。

企業の内部留保のかなりの部分が海外への投資に回っており、租税回避されている。OECDは、租税回避によって失われている税金は、26兆円に上ると試算している。しかし、わが国の当局は、租税回避の現状を調査する様子がない。