国家財政、政治資金ともに財政規律が吹っ飛んでいる 

17年度予算案、国債増発で過去最大規模になる。社会保障予算は削られ、地方交付税も抑制、防衛予算が突出して増加。防衛予算には、2000億円の新型PAC3導入が入っている。PAC3等ミサイル防衛にはすでに1兆円以上つぎ込んでいる。THAADもどうやら導入予定らしいが、それは数千億円規模になる。

高齢者医療費削減等の医療介護予算削減では350億円程度が浮くだけらしい。年金削減と合わせて、医療・介護を満足に受けられぬ高齢者が増える。医療費も大幅に削られる予定だ。防衛予算の伸びと対照的だ。

国債増発し、武器購入に充てるこのやり方は、ヒトではなく、モノ、それも武器を優先する政策だ。国債増発は、monetization of the debtそのものであり、財政規律が吹っ飛んでいる。

安倍首相も稲田防衛大臣も、政治資金管理団体の収入が昨年度は各々8千万円を超えたらしい。一回、10万円から30万円近くの飲食を政治資金で頻繁に行っていることが分かっている。その総額は、各閣僚ともに数百万円。麻生財務相は千数百万円。飲食代だけでこの支出だ。国の財政規律だけでなく、政治資金の財政規律もなきに等しい。このような政治家に、厳しいはずの国の財政を任せておいて良いのだろうか。

以下、引用~~~

17年度予算案97兆円規模=過去最大、防衛費は5.1兆円

2016年12月02日 17時03分 時事通信
 政府は2日までに、2017年度予算案について、一般会計総額を97兆円規模にする方向で調整に入った。前年度当初予算(16年度は96兆7218億円)を5年連続で上回り、過去最大を更新する見通しだ。22日にも閣議決定する。
 高齢化に伴う社会保障関係費の増加に加え、ミサイル防衛の強化などで防衛費は過去最大の5兆1000億円前後に膨らむ。一方、税収が伸び悩む中、新規国債発行額は当初予算ベースで7年ぶりに増加する可能性がある。
 17年度予算では、国債の元利払いなどに充てる国債費と地方交付税交付金を除いた国の政策経費である一般歳出が58兆円台(16年度57兆8286億円)になる見込みだ。
 このうち6割弱を占める社会保障関係費は初の32兆円台に乗る公算が大きい。高齢化に伴う「自然増」は概算要求段階で6400億円に上るが、政府・与党は医療・介護分野で一定の所得がある高齢者の自己負担を増やすなどして、5000億円程度に抑える方向で調整している。
 地方交付税交付金の概算要求額は16年度当初予算比7307億円増の約16兆円。財務省は要求から数千億円規模の抑制を目指し、総務省と本格的な調整に入る。
 編成作業が順調に進めば、17年度予算案の閣議決定は22日になる見通しだ。例年は24日で、前倒しは異例となる。 

W6CCP 重体 

Seymour W6CCPが、重症でホスピスに入所しており、この先長くはないという報告。

Seymourは、AnzaというLA近くの高原から強力な電波を、毎日のように送り出していた。もっぱら14メガ。SSBが主体だったが、CWでも何度かお目にかかった。

苦痛のない平安な日々をお祈りしたい。

Dr. Seymore, W6CCP is in a hospice facility. His housekeeper indicated that he is "in and out" and the end could be near.
She did indicate that his daughter has put his place on the market and is cleaning up odds and ends around the house.
Looks like we have reached the end of an era. No more Whiskey Six Charlie Charlie Pappa call CQ DX on The Long Path........
I am very sad hearing this news. Kim & I visited Seymour in Anza a few years ago and had a wonderful visit. Dr. Seymour is
a special person who truly cared about his friends.
Please keep him in our thoughts.....
Rick W0RIC

ポピュリスト政治 

米国のトランプ次期大統領に対して、その支持者たちは今のところ熱狂している。SNSで、その熱狂ぶりを見ていると、あたかも一種の新興宗教のごとくだ。政治的なキャンペーンではよくあることだが、トランプ支持者の発言には事実無根の宣伝があまりに多い。すぐに、その嘘がばれてしまうようなプロパガンダを平気でネット上に拡散する。トランプが、選挙運動中にマイノリティ排斥を訴えてきたことによる、国民の間の亀裂は拡大するばかりだ。その排斥のアピールの根拠も、事実とは異なる


トランプは、政府幹部に人種差別主義者を入れ、また政権移行チームにはウォールストリートのロビイストたちを入れたと批判されている。元来、彼は、ホワイトハウスからそうしたロビイストを一掃すると、選挙戦を通じて約束していた。だが、財務長官、商務長官ともにゴールドマンサックス出身の人物。政権移行チームに娘婿が入り、内紛を起こしているらしい。公務経験がなく、議会に基盤のない彼は、結局、旧来の共和党議員の力が必要になっている。

トランプは、旧来の共和党の主張を大幅に取り入れる政策をとることになりそうだ。健康保険政策では、オバマケアを撤回する。オバマケア、正しくはAffordable Care Actによって、健康保険の無保険者が国民の16,17%だったものが、10%にまで減少していた。だが、その撤回によって、2000万人が無保険に戻る可能性がある。トランプが主張する「保険会社が州境を越えて営業することを認める」政策は、保険会社にとって都合の良い州に保険会社を移動させるだけだ、と指摘されている。トランプは、選挙戦の間は、メディケイド、メディケアの予算を削減することはないと主張してきたが、当選してからは、両者に変更を加えることを明言している。これで、上記の通り、多数の国民が医療保険というセーフティネットから抜け落ちて、無保険となる。メディケイドでは、投入される国家予算が大幅に減らされ、メディケアではvoucher systemが取り入れられる、またはメディケアそのものをなくすようだ。まだ、現実の政策法案とはなっていないので、経過を見る必要があるが、トランプは結局旧来の共和党と妥協して行かざるを得ないのではないだろうか。こちら。

トランプ現象と言われる、ポピュリズムに基づく、保護主義、国家主義への回帰は、結局、こうした形を取らざるをえないのではないか。これが、支持者の失望を招くときに、一旦引っ込めたかに見えた当初の人種差別政策、マイノリティ排除政策に彼が回帰する可能性がある(と、UC BerkeleyのGerard Roland教授が指摘している)。敵や、排斥すべきマイノリティを政治的にデッチ上げ、それによって、大衆の支持を得るのは、ポピュリスト政治家の常とう手段だ。今や、世界各地で、こうしたポピュリズム政治家が台頭してきている。Brexitを先導した(扇動したというべきか)Boris Johnson、 トルコのErdogan、それにフィリッピンのDuerte等もその典型だろう。ロシアのPutin、フランスMarine Le Penも、彼らと同類だ。過去の歴史を否定し、韓国・中国の人々への一部の国粋主義者の嫌悪感情を利用し、自らの権力基盤を固め、岸信介の生きた時代へわが国を逆行させようとしている安倍晋三も、その一人なのではないだろうか。

巨悪が野放しにされ、容疑者個人がさらし者にされている 

某歌手が覚せい剤所持・使用容疑で逮捕された。尿反応は陽性だという。おそらく、再犯なのだろう。罪を償い、薬物中毒から立ち直ってもらいたい。

だが、逮捕を事前にマスコミに漏洩し、逮捕劇を公開する警察は一体何を考えているのだろうか。それに、「絵になる」映像を求めて滅茶苦茶な取材をするマスコミ。有名人だからさらし者になるべきだ、というのか。これで薬物中毒を防ぐ、減らせると考えているのか。それとも、警察の点数稼ぎか。いずれにせよ、劣悪な人権侵害以外の何物でもない。容疑者、家族の人権が蔑ろにされている。

この歌手が、麻薬に手を染めていたのは、とある企業の接待施設であった。とある企業とは、人材派遣業パソナである。パソナの問題については、以前取り上げた。こちら。竹下平蔵が、会長を務めるこの会社、政財界にこうした接待で食い込んでいる。だが、あの事件後、まったく忘れ去られたかのようだ。

パソナの会社名を、経産省主催の研究会で見かけた。「雇用関係によらない新しい働き方」を研究するするという研究会で、いわゆるフリーターという非正規雇用を奨励することがその趣旨らしい。パソナの子会社が、フリーターと企業とのマッチング、要するに非正規雇用の就職あっせんをしているらしい。その子会社の幹部が、この研究会のメンバーになっている。かって、竹下平蔵も、公的立場を利用して、パソナに莫大な公的資金を還流させた。この研究会参加は、同様に利益相反そのものである。

その歌手が火あぶりにされている一方で、巨悪を働くこうした企業が、何も批判されずに野放しにされている。

柳原病院事件 初公判 検察側の証拠開示の遅延 

柳原事件の初公判が昨日東京地裁で開かれた。

検察側の証拠開示がきわめて遅れていることが明らかになった。

検察側の主張の唯一の根拠は、被害者とされる女性から得られた唾液のDNAのようだ。医師のDNAと一致し、飛沫で生じたものとは考えられぬほどに「大量であった」とのこと。

DNA測定の方法は明らかになっていないが、現場で採取される試料からの測定だとすると、この方法しかないのではないだろうか。その説明に、唾液試料では、DNA量のバラつきが多いとある。多い、少ないを議論するのであれば、コントロールを立て、統計的な処理をすべきである。もし、ここに示した方法で測定した場合、その方法での測定結果に本来付随するバラつきをどのように除外したのだろうか。検察側がしっかりと証拠開示をする責任がある。

あきれるほど、検察側が証拠開示に手間取っており、もしそれが容疑者とされる医師の釈放が遅れている原因であるならば、許されざることだ。検察側は、起訴に持ち込んだ刑事事件容疑者を99%以上の確率で有罪に持ち込めるという、これまでの慣例に依存し、さらにそれに縛られているのではないだろうか。「事件」発生後3か月以上してから逮捕し、その後容疑者の医師を3か月以上拘留しているのは、有罪・無罪の問題以前に、人権問題でもある。釈放すれば、関係者と口裏合わせをするという検察の拘留理由は説得力を欠く。検察の遅すぎる証拠開示こそが問題だ。こうした検察のやり方には大きな疑問を感じる。

以下の江川紹子氏の報告にもある通り、この「事件」が医療界に及ぼす影響は甚大だ。ひいては、患者さんたちが不利益を被ることになる。一般市民の方々にも関心をぜひ持っていただきたい。

以下、引用~~~

検察官の証拠開示のあり方が問われる~準強制わいせつ罪に問われた医師の初公判
江川紹子 | ジャーナリスト2016年11月30日 21時25分配信

30余年様々な裁判を見てきたが、法廷で検察官が弁護人に開示していない証拠を請求し、裁判官にたしなめられる、という光景は初めて見た。手術後の女性患者にわいせつな行為をしたとして起訴され、無実を訴えている関根進医師(41)の初公判でのことである。

「乳腺外科医のプライドにかけて無罪を主張します」

この日の東京地裁
この公判は、11月30日に東京地裁(大川隆男裁判官)で行われた。関根医師は乳腺外科医。起訴状によれば、今年5月10日に非常勤で勤務していた東京都足立区の病院で30代の女性患者の右乳腺腫瘍手術を行ったが、患者を病室(4人部屋)に移した後の午後2時55分から3時12分までの間に、病室で左乳首をなめるなどしたとされている。罪名は準強制わいせつ。
関根医師は黒っぽいブレザーに白いシャツ、ベージュのズボン姿。起訴事実に対しては、はっきりした口調で述べた。
「私はやっておりません。否認します。医師として、手術を適切に行い、術後の診察をしっかり行い、私には何の落ち度もありません。乳腺外科医のプライドにかけて、無罪を主張します。わいせつ行為などありません」
さらに、8月25日に逮捕されて以来、保釈が認められないまま身柄拘束が続いている窮状を、時折声を詰まらせながら、次のように訴えた。

「私には妻と3人の幼い子どもがいます。私にはその家族を護る責任があります。しかし、長期の勾留により、その責任が果たせていません。貯金が底をつき、借金、失業、報道による被害もあり、生活は危機に陥っています。1日も早く、元の生活に戻ることを、強く願っています」

続いて弁護人が、起訴事実が捜査段階の被疑事実と大幅に変わったことを指摘。「被害者供述が、実際に捜査で確認されたことと合致しなかった」「本件は、本来、起訴に耐えないものだった」などとして、検察側の対応を批判した。さらに、被害を訴える女性の供述は、麻酔から覚める途上の半覚醒状態の時期のリアルに感じる妄想、幻覚によるものだとして、「被告人の犯行は存在しません」と主張した。

検察側は被告人のDNA型が大量に検出された、と主張
その後、検察官が冒頭陳述を行った。それによると、被告人は2度にわたって病室を訪れ、1度目に女性患者の左乳首をなめて吸う行為をし、2度目に自分の手をズボンの中に入れるなど不審な行動を行ったため、女性はカーテンの外にいた母親を呼んだ。女性は母親に被告人が自慰行為をしていたと訴え、「左乳首の臭いを確認して」と頼んだところ、母親は生臭いツバの臭いを確認した。女性は知人にLINEで状況を伝え、その知人の110番通報で警察官が急行して、女性の身体の付着物を採取した。そこから唾液と被告人のDNA型が検出され、しかもそのDNAは会話による飛沫とは考えられないほどの量だった、という。

開廷前の法廷で封筒を渡したのが事前の開示?
それに引き続いて、検察側が証拠請求をする段階で、弁護人が検察側の証拠開示についての問題を指摘した。
「(初公判の)直前に出された証拠や、まだ開示されていない証拠が含まれている。(そうした証拠は弁護人が内容を)確認していない」
検察側は59点の証拠を請求しようとしたが、そのうち5点については、事前の開示がされていなかった。
裁判官が「事前に開示していない証拠は請求できないはずですが」といぶかしむと、検察官は「先週木曜日の打ち合わせの時に、弁護側が証拠を全部不同意になる見込みと聞いて、追加で立証が必要かと思い、追加しました」などと弁明。
裁判官が「あらかじめ弁護人が閲覧する機会がなかったものを請求するのはどうか」とたしなめると、検察官はこう言った。
「さっき渡しました」
弁護人は大きな茶封筒を手に取り、「これ?」と聞く。開廷直前に法廷で検察官から、この封筒を渡されたため、弁護人は中を改めるヒマもなかったらしい。
「法廷で渡したものを、(事前の)開示とは言わないでしょ」と弁護人は呆れたように抗議した。
結局、事前の開示がなかったものは、欠番扱いに。それを除いて弁護人は証拠意見を述べたが、ほとんどが不同意で、一部は留保。そのため、この日に採用された証拠はなかった。

「迅速で充実した審理を」と裁判官
弁護人は、次回公判を年内に開くように求めたのに対し、裁判官は次のように述べた。
「迅速で充実した審理を望んでいる。準備には(検察側弁護側双方が)ご尽力いただきたい。ただ、なかなか込み入った事案で、主張は激しく対立し、検察側の証拠点数もあり、整理も容易ではない。これらを解きほぐして争点、証拠の整理をしていく必要がある」
次回公判期日は決定せず、今後三者が協議して決めていくことになった。
なお、検察官席には3人の検事のほか、被害を訴えている女性の代理人弁護士が座り、さらにその横には衝立で仕切って傍聴席から見えないようにして、その女性がいた。女性は被害者参加制度を利用して、裁判に参加している。
証拠開示を充実させる改正訴訟法が施行されるのに
それにしても、証拠開示を巡る検察の対応は、お粗末に過ぎるのではないか。
関根医師は当初から否認しており、弁護団は捜査に対しても極めて原則的な対応で、警察検察に対峙してきた。検察側が有罪立証のために請求する証拠のほとんどを、弁護側が不同意とすることは、とうに予測がついたはずだ。それを、先週になって知ったと言い、慌てて別の証拠を追加したというのは、まるで弁解になっていない。
主任弁護人の上野格弁護士は、「事前に開示された証拠でも、初公判の1週間前の開示で、弁護団が十分検討できていないものもある。検察側の証拠開示が遅すぎる」と憤る。
起訴は9月14日で、それから2ヶ月半。初公判の直前まで、証拠を準備できていない検察側のドタバタぶりは、いったい何を意味しているのだろうか。
被害を訴える女性患者の警察段階の調書などの重要証拠も、開示が遅れ、しかも未だにすべてが開示されていない可能性がある、という。
検察官の手持ち証拠の開示は、取り調べの可視化などと並んで、刑事司法改革の中でも注目されている点の一つ。今年5月の刑事訴訟法改正で、開示の範囲が拡大され、被告人や弁護人から請求があった時は、検察官の手持ち証拠の一覧表を交付も義務付けられた。これに関しては、12月1日から施行される。
証拠開示を充実させるという法改正の趣旨が、未だ検察の中に浸透していないのではないかと、心許ない。

事件の余波を防ぐためにも
この事件は、全国の医師たちに少なからぬ衝撃を与えた。支援者が身柄の早期釈放を求める署名を始めたところ、医療関係者ら3万人の署名が集まった。
初公判を傍聴に来た、関根医師とは医大時代に同級生だったという男性開業医は、こう語る。
「彼はまじめで努力家で、大学1年の時はそれほどでもなかったのに、6年生の時は学年で成績がトップだった。友人と、まさか彼がこういう事件をやるとはありえないよね、と言い合っている。この事件があって、女性の患者さんを診るのが怖くなった。若い女性の場合、看護師さんに代わって触診してもらったこともある。女性の患者さんは、できれば女性の医師のところに行ってもらいたい、と思うくらい怖い。まさか診察室にビデオカメラを設置するわけにもいかないし……」
かつて、福島県の病院の産科で患者が死亡したことについて、医師の刑事責任が問われた事件では、逮捕から無罪確定まで2年半余りを要したが、この事件が産科医不足に拍車をかけた、と指摘されている。
関根医師の件も、全国の医師たちに無用な萎縮を招きかねない。そうなれば、ひいては患者にとっても不利益となる。
それを考えると、本件はできる限り迅速で中身の濃い審理を行い、早期の事案の真相解明に努めて欲しい。そのためにも、裁判官が「準備にご尽力を」と要望したように検察官の積極的な証拠開示が求められる。

米国は、公的保険縮小・医療保険民営化に大きく舵を切る 

トランプ次期米国大統領は、厚生局長官にトム プライスを任命した。共和党の議員であるプライスは、長年、医療保険を民営化することを主張してきた人物だ。

次期政権では、すでにオバマケアは廃止されることが決まっている。オバマケアは、2000万人の無保険者を減らしたが、低保険者には恩恵がほとんどなく、多くの国民は負担増になることに批判が集まっていた。オバマケア廃止によって国民皆保険への歩みが逆行することは確実だ。さらに、低所得者のためのMedicaidは規模縮小、高齢者へのMedicareは民営化が検討されるという。

これは対岸の火事では決してない。この国会で、わが国政府は、高齢者医療費負担増、年金減額を方向づけた。財務省の本音としては、国民皆保険は無くしたいところだろう。おそらく、トランプ政権が誕生すると、予告通り、二国間自由貿易交渉が始まる。米国が、出発点にするのはTPP交渉でわが国が譲歩した条件である。以前から繰り返している通り、米国にあるグローバル保険資本は、日本の公的保険制度を貿易・参入障壁として攻撃するはずだ。上記の通りの、公的保険の最大限の縮小、医療保険の民営化に、わが国は進むはずだ。表向き、公的保険、国民皆保険を守ると言っているが、「外圧」で守れなくなったという好都合な口実を、わが国政府は手に入れるはずだ。

国民の多くは、公的保険がなくなって初めてその有難みを理解するのだろう。

ITUによる新スプリアス基準の本質 

以下に上げる文章は、ITUが1997年に決定した新たなスプリアス基準に関する説明である。

その内容から、今回わが国の当局、ならびにJARD・TSSが行っている強制的な規制が不適当であることを示唆する点を述べてみたい。別にアップする、新規制に反対する理由を合わせてお読みいただきたい。なお、この内容は拡散してくださることを希望する。

~~~

RECOMMENDATIONという条文の位置づけが、この方面の素人の私にはわからないが、強制力のある法規的な規定ではなく、推奨される規定ということなのではないか。

この規制の目的は、当該送信設備が、他の業務に支障を来さぬことにある。とくに、デジタル通信、ブロードバンド通信の出現、宇宙環境での通信の頻用などが、この新たな規制を制定するに際して、念頭にあることが分かる。

実際のスプリアス輻射は慣例上送信設備の高周波電力が送信アンテナ系に付加される場所で計測されているが、実際は、アンテナ、伝搬、そのほかの環境要因で大きく変化する。実際のスプリアス輻射の限界は、m)に示されるような条件で変化するはずであり、送信設備段階における機械的な均一の規制はなじまないのではないだろうか。

~~~

以下、ITU-R SM.329の訳;

Rec. ITU-R SM.329-7 1
RECOMMENDATION ITU-R SM.329-7
SPURIOUS EMISSIONS*
(Question ITU-R 55/1)
(1951-1953-1956-1959-1963-1966-1970-1978-1982-1986-1990-1997) Rec. ITU-R SM.329-7
The ITU Radiocommunication Assembly,
considering
a) that Recommendation ITU-R SM.328 gives definitions and explanatory notes which should be used when
dealing with bandwidth, channel spacing and interference scenarios; when distinguishing between out-of-band emissions
and spurious emissions; and when specifying limits for out-of-band emissions;

ITU-R SM.328は、以下のような定義と説明を与える。その定義と説明は、周波数占有帯域、チャンネル間隙、妨害状況等に対応する場合、帯域外輻射とスプリアス輻射とを区別する場合、帯域外輻射の制限を特定する場合に用いられるべきである。

b) that a difficulty faced in applying the limits for spurious emissions is knowing precisely the value of the
necessary bandwidth and exactly where in the spectrum the limits for spurious emissions should begin to apply,
particularly for services using broadband or digitally-modulated emissions which may have both noise-like and discrete
spurious components;

スプリアス輻射の限界を適用することが困難なのは、以下のことを理解することである。必要な周波数帯域を守ることに価値があることを正しく理解すること。スプリアス輻射の限界が最初に適用されるべき周波数帯はどこなのかを正確に理解すること、である。ことに後者については、ノイズ様および不連続のスプリアス要素を生じることのある、ブロードバンドないしデジタル変調の輻射を用いた業務に関して、である。

c) that limitation of the maximum permitted level of spurious emissions at the frequency, or frequencies, of each
spurious emission is necessary to protect all radio services;

ある単独周波数または複数の周波数における、許容される最大のスプリアス輻射レベルの限界は、すべての無線業務に妨害を与えないことが必要である。

d) that stringent limits may lead to an increase in size or in complexity of radio equipment, but will in general
increase protection of other radio services from interference;

厳格な規制は、無線設備の規模や複雑さを増す可能性がある。しかし、一般に、それによって、ほかの無線業務への妨害を与える可能性が低くなる。

e) that every effort should be made to keep limits for spurious emissions and out-of-band emissions, both for
existing and new services, at the lowest possible values taking account of the type and nature of the radio services
involved, economic factors, and technological limitations, and the difficulty of suppressing harmonic emissions from
certain high power transmitters;

現在行われている、さらに将来行われるであろう無線業務双方に対して、スプリアス輻射と帯域外輻射の限界を守る努力がなされなければならない。ただし、それは以下の点を考慮し、可能な限り低廉なコストで行われるべきである。即ち、この規制に関わる無線業務の形式・本態、経済的な要因、技術的な制限、特定の高出力送信機からの高調波輻射抑制の難しさを考慮すべきである。

f) that there is a need to define the methods, units of measurements and bandwidth, and the bandwidths to be
used for measurement of power at frequencies other than the centre frequency. This will encourage the use of rational,
simple, and effective means of reducing spurious emissions;

以下の項目を定義すべきである。即ち、測定と周波数帯域の方法、単位、中心周波数以外の周波数における電力の測定に用いられる周波数帯域である。こうすることによって、スプリアス輻射を軽減する合理的で、簡素かつ有効な方法を見出すことができる。

g) that the relation between the power of the spurious emission supplied to a transmitting antenna and the field
strength of the corresponding signals, at locations remote from the transmitter, may differ greatly, due to such factors as
antenna characteristics at the frequencies of the spurious emissions, propagation anomalies over various paths and
radiation from parts of the transmitting apparatus other than the antenna itself;

送信アンテナに供給されるスプリアス輻射の電力と、送信設備から離れた場所における当該信号の信号強度の間には大きな違いが生じうる。その違いを生む因子は、以下のような事項である。スプリアス輻射の周波数におけるアンテナの特性、様々な伝搬における変異、アンテナ以外の送信設備からの輻射である。

h) that field-strength or power flux-density (pfd) measurements of spurious emissions, at locations distant from
the transmitter, are recognized as the direct means of expressing the intensities of interfering signals due to such
emissions;

送信設備から離れた場所における、スプリアス輻射の電界強度ないし電波密度 power flux-density (pfd)の測定は、そのような輻射による妨害の強度を示す直接的な方法である。

j) that in dealing with emissions on the centre frequencies, administrations customarily establish the power
supplied to the antenna transmission line, and may alternatively or in addition measure the field strength or pfd at a
distance, to aid in determining when a spurious emission is causing interference with another authorized emission, and a
similar, consistent procedure would be helpful in dealing with spurious emissions (see Article 18(S15),
No. 1813(S15.11), of the RR);

中心周波数における輻射を扱う上で、行政は慣例的にアンテナ送出ライン(ブログ主;フィーダーのことだろう)に加えらる電力を確定する。その代わり、ないし追加として、あるスプリアス輻射が他の確立した輻射系に障害を起こしていることを確認する際に、離れた場所における電界強度ないし電波密度を測定することもできる。同様の方法が、スプリアス輻射に対処する際に有効だろう。

k) that for the most economical and efficient use of the frequency spectrum, it is necessary to establish general
maximum limits of spurious emissions, while recognizing that specific services in certain frequency bands may need
lower limits of spurious emissions from other services for technical and operational reasons as may be recommended in
other ITU-R Recommendations (see Annex 4);

周波数帯域の最も経済的で有効な利用のために、スプリアス輻射の全般的な限界を定める必要がある。一方、特定の周波数帯における特定の業務が、他の業務から受けるスプリアス輻射のより低い限界を、技術的かつ運用上の理由から設定することが必要になることもありうる。後者については、他のITU-R(付設4)で推奨値が示される。
_______________

* Note by the Editorial Committee. – The terminology used in this Recommendation is in conformity, in the three working
languages, with that of Article 1 (S1) of the Radio Regulations (RR) (No. 139 (S1.145)), namely:
– French: rayonnement non essentiel;
– English: spurious emission;
– Spanish: emisión no esencial.
2 Rec. ITU-R SM.329-7
l) that transmitters operating in space stations are increasingly employing spread-spectrum and other broadband
modulation techniques that can produce out-of-band and spurious emissions at frequencies far removed from the carrier
frequency, and that such emissions may cause interference to passive services, including the radioastronomy service,
recognizing however, that spectrum shaping techniques, which are widely used to increase the efficiency of spectral
usage, result in an attenuation of side band emissions;

宇宙ステーションで運用される送信設備は、拡散スペクトラム、他のブロードバンド変調技術を援用することが多くなってきた。それが帯域外輻射・スプリアス輻射をキャリアー周波数から離れて生じることがある。そのような輻射は、放射線天文学業務のような受動的な業務に妨害を与えることがある。ただし、周波数帯域利用をより効率化するために広く用いられている帯域形成技術は、隣接帯域での輻射減弱をもたらしている。

m) that spurious emission limits applicable to transmitters are a function of:
– the radiocommunication services involved and the minimum protection ratio determined in every frequency band;
– the type of environment where transmitters could be found (urban, suburban, rural, etc.)
– the type of transmitter;
– the minimum distance between the transmitter in question and the potential victim radio receiver;
– all possible decouplings between the antenna of the interfering transmitting antenna at the reception frequency and
the receiving antenna of the radio receiver including the propagation model, polarization decoupling and other
decoupling factors;
– the probability of occurrence of the spurious radiation of the transmitter when the receiver is active;
– the fact that a transmitter is active or idle, or that there are simultaneous active transmitters;

送信設備に適用されるスプリアス輻射の限界は、以下のような条件によって決まる。
-関係する無線通信業務、各周波数帯において決定される最小の防護比率
-送信設備の置かれた環境の違い(市街地、準市街地、郊外等々)
-送信設備の形式
-問題の送信設備と、妨害を受けている可能性のある最小の距離
-当該周波数のおける妨害の原因となる送信アンテナと、受信設備の受信アンテナの減結合。この減結合因子としては、伝搬状態、極性による減結合、他の減結合因子が含まれる。
-受信設備稼働中に送信設備に生じるスプリアス複写の可能性
-送信設備が稼働中かどうか、同時に稼働している送信設備がないかどうか

n) that some space stations have active antennas and the measurement of power as supplied to the antenna
transmission line cannot cover emissions created within the antenna. For such space stations, the determination of field
strength or power flux-density at a distance should be established by administrations to aid in determining when an
emission Is likely to cause interference to other authorized services,

宇宙ステーションにはactiveなアンテナを持つものがあるが、アンテナ送出系に加えられる電力の測定が、そのアンテナ中で生じる輻射をカバーできないことがある。そのような宇宙ステーションにあっては、ある距離離れた場所での電界強度ないし電波密度の決定は、他の確立した業務への障害を起こしていることが確かかどうかを決めるために行政が確定すべきである。

改めて、新スプリアス規制に反対する 

スプリアス新規制がアマチュア無線局免許に導入され、JARD・TSSがその保証認定を開始した。この規制をアマチュア無線局免許に課すこと自体の問題、JARD・TSSが書面上の保証認定を行うことの問題を改めてここで指摘したい。

法の不遡及の原則 

新たな法律が制定施行される場合、その制定時点以降に法が効力を持つ、という原則。こちらに説明がある。もちろん、例外も生じうるが、例外の場合に国民(アマチュア無線家)に大きな経済的負担、事務手続き上の負担を課すことは不適切である。

ITUの新規制の説明

次に掲載するポストにアップした通り、この規制は、デジタル通信、ブロードバンド通信を主要な対象としたもので、既存の無線通信業務に障害を与えぬことを目的としている。スプリアス輻射は、本来、送信設備から離れた受信アンテナ・受信設備で計測されるべきであって、送信設備の送信アンテナ系への出力段階で計測されるのは、あくまで慣例である。したがって、現に他無線業務への障害を生じていないアマチュア無線の総体的に低い高周波電力送信設備そのもののスプリアス輻射の規制は、この規制の本質から外れる。

JARD・TSSの問題

この両者は、「書面上の審査」によって、アマチュア無線局新規免許ないし再免許申請の必須事項を保障する、という制度を公表、実施している。スプリアス輻射、バンド外輻射という極めて技術的、かつ個別的な事項を、「書面上の審査」だけで判断することは不可能である。JARD・TSSは民間組織にすぎず、その経営内容も十分開示されていない。JARDは、7000万円の「投資活動」を行っていると、そのウェブサイトで公表している。アマチュア無線免許に直接関与するこうした団体が、経営、財務状況を公表せず、余剰資金を投資活動に回すことは、その公益性から許されない。言い換えれば、公的な組織が、情報開示を行って初めて、アマチュア無線免許制度に関与すべきである。

諸外国の規制状況

私の調べた限りでは、米国、シンガポール、ドイツでは、新たな規制がアマチュア無線免許の条件になっていない。わが国の新規制は、国際標準から著しく逸脱している。

以上から、アマチュア無線局免許に対するスプリアス新規制は、撤回すべきである。

TPP参加交渉からの即時脱退を求める 

TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会が、このサイトでアピールを公開している。

すべてもっともなことだ。

米国次期政権がTPPを批准しない以上、現在のTPPは、批准されないことは明らか。それなのに、わが国では、TPP批准を国会決議しようとしている。それは、TPPの代わりに二国間交渉をすると言っているトランプ次期米国政権に、言質を与えることになる。国益に著しく反する。

安倍政権は、「成長戦略」に事欠き、このTPPに期待を寄せているのかもしれないが、TPPないしそれに準じた二国間自由貿易協定は、過去のNAFTA、米韓自由貿易協定等を見れば明らかなとおり、国益を大きく阻害する。

それとも、もっぱらグローバル企業の利益だけを優先させるつもりなのだろうか。国民の財と、国の制度を、グローバル企業に売り渡す積りなのか。

柳原病院事件 続報 

柳原病院事件に関して、稲門医師会・稲門法曹会という早稲田大学出身者の医師・弁護士等が共同でシンポジウムを開催した。柳原病院事件について過去のポストはこちら

逮捕された医師は、まだ拘留されているらしい。今月30日・・・ということは明日、東京地裁で初公判が開かれるらしい。

医師が万一有罪であったとしても、3か月以上にわたり長期拘留されるのはおかしい。無罪だとすると、警察・検察は容疑の段階で、彼をマスコミに晒し、個人を特定する情報を漏らしたことは許されるべきことではない。

上記シンポジウムのシンポジストのお一人、坂根みち子氏の発言が、もっとも的を得ている。この事件を受けて、医療現場で問題の起こりそうな医療行為では、スタッフ増員をするとか、監視カメラを設置するとかいう動きがあることを批判して、彼女はこのように述べた。

「現場の医師たちは、今回の事件はあり得ないと思っており、この問題を医療の現場に投げ返さないでもらいたい。これは司法の問題であり、警察、検察、裁判官の想像力のなさが医療を滅ぼしかねない。もっと現場の医療を学びに来てもらいたい。」

引き続き、注意深く見守ってゆきたい。