大きな決断、小さな一歩
2009年07月03日
昨夜、10時過ぎにBob W7BVにお会いした。昨年、春に我が家を訪ねられた、アリゾナ大学の生理学の教授だった方だ。数ヶ月ぶりだね、と再会を互いに喜び合った。彼は、つい最近、ノールウェイへの研究がらみの最後の旅行を終えたばかりだとのことだ。学問領域では、あと二つ論文を仕上げると、すべての仕事が終了するとのこと。
研究生活を終えるのは、どのような気持ちか尋ねた。後ろ髪を引かれる思いなのか・・・それとも、きれいさっぱりという気分なのか。研究生活を終えることで、本当にホッとしているという返事だった。これは以前お会いしたときにも伺ったことだったが、丁度研究室を離れる時期に経済不況の波が押し寄せ、研究資金を手に入れることが難しくなってきたのだった、ということだ。
日本にもまた来てみたいとのことで、大きなハムの集まりはないのかと尋ねられた。ハムフェアが8月中旬に開かれることをお教えした。8月は暑いのでは、というので、その通り、しかし、室内で開催されるから、大丈夫とお答えした。どうも暑さを避けて、秋以降に来日したそうな様子だった。研究上知り合った研究者達との再会も望んでおられる様子だった。
Bobに刺激されたわけではないが、私もいよいよリタイアへの小さな一歩を歩みだす決断を下した・・・というと、いささかオーバーなのだが、毎週水曜日午後を休診にすることにしたのだ。これは、1年くらい前から考えに考え抜いたことだ。たかが半日の休診でオーバーではないかと言われそうだが、開院以来、休みは殆ど取ってこなかった。開院後数年間は、文字通り365日仕事場に足を運ばない日はなかった。が、そろそろ、ソフトランディングか、または離陸か分からないが、仕事の規模を小さくする方に舵を切るべき時が来たと思った。スタッフのこと、患者さんのことを考えつつ、来るべきリタイアに向けた一歩だ。
そのように決断すると、とても気がラクになるもの。水曜日の午後には、庭仕事をしたり、買い物に出かけたり、またアンサンブルも出来るかもしれない。Bobが、ホッとしたという気持ちを僅かながら分かったような気がする・・・しかし、先は長いなぁ・・・。
研究生活を終えるのは、どのような気持ちか尋ねた。後ろ髪を引かれる思いなのか・・・それとも、きれいさっぱりという気分なのか。研究生活を終えることで、本当にホッとしているという返事だった。これは以前お会いしたときにも伺ったことだったが、丁度研究室を離れる時期に経済不況の波が押し寄せ、研究資金を手に入れることが難しくなってきたのだった、ということだ。
日本にもまた来てみたいとのことで、大きなハムの集まりはないのかと尋ねられた。ハムフェアが8月中旬に開かれることをお教えした。8月は暑いのでは、というので、その通り、しかし、室内で開催されるから、大丈夫とお答えした。どうも暑さを避けて、秋以降に来日したそうな様子だった。研究上知り合った研究者達との再会も望んでおられる様子だった。
Bobに刺激されたわけではないが、私もいよいよリタイアへの小さな一歩を歩みだす決断を下した・・・というと、いささかオーバーなのだが、毎週水曜日午後を休診にすることにしたのだ。これは、1年くらい前から考えに考え抜いたことだ。たかが半日の休診でオーバーではないかと言われそうだが、開院以来、休みは殆ど取ってこなかった。開院後数年間は、文字通り365日仕事場に足を運ばない日はなかった。が、そろそろ、ソフトランディングか、または離陸か分からないが、仕事の規模を小さくする方に舵を切るべき時が来たと思った。スタッフのこと、患者さんのことを考えつつ、来るべきリタイアに向けた一歩だ。
そのように決断すると、とても気がラクになるもの。水曜日の午後には、庭仕事をしたり、買い物に出かけたり、またアンサンブルも出来るかもしれない。Bobが、ホッとしたという気持ちを僅かながら分かったような気がする・・・しかし、先は長いなぁ・・・。
厚生労働省の資料はすべからく・・・
2009年07月02日
昨年の診療報酬改定で、医療機関とりわけ診療所の多くは大きな減収に見舞われた。
厚生労働省が、その結果を公表したのだが・・・診療所の入院外一件当たり点数(すなわち、外来患者さん一人当たりの売り上げ)が16%増とのこと。これは実態と大きくかけ離れている。
それもそのはず、『抽出された』医療機関で人工透析専門のクリニックなどが多かったと厚生労働省自身が言っている。要するに、元来点数の高い人工透析専門クリニックを意図的に多く含めた、と告白しているのである。抽出されたのではなく、意図的に抽出したのである。もし、偶然そうなったのなら、統計として意味がないので、統計を取り直すべきはず。それをしないで公表しているのは、意図的な操作をしたということだ。
これを、来年の診療報酬改訂で、診療所の収入を減らすための基礎データとする積りなのだろう。医師の労働時間といい、外来診療時間のデータといい、厚生労働省官僚のやることは、すべてこの調子だ。結論先にありきの諮問会議で、その結論に沿うデータをそろえて、予め決めた方向に行政を持ってゆく。彼等の頭の中には、統計の「と」の字も無いのである。数値は、国民をごまかすための道具にしか過ぎないのだ。
以下、引用〜〜〜
外来の初再診、1日当たり6.3%減 08年診療行為別調査
09/07/01
記事:Japan Medicine
提供:じほう
厚生労働省が6月25日に発表した「2008年社会医療診療行為別調査の結果概況」で、入院外の「初・再診」が1件当たり前年比5.9%減、1日当たりで同6.3%減だったことが分かった。厚労省統計情報部社会統計課は08年度診療報酬改定での外来管理加算の見直しの影響が大きいと見ており、特に診療所への影響が顕著としている。
入院外の「初・再診」点数は1件当たり215.5点、1日当たり119.0点。このうち再診料の外来管理加算の1件当たり点数は前年より10.5点減り、診療所に限ると10.2点減少となった。また診療所の同加算の算定回数は、前年より約1700万回減少していた。
ただ、診療所の入院外の1件当たり総点数は1289.6点(前年比16.0%増)、1日当たり総点数は672.7点(同14.5%増)と増加傾向がみられた。特に「処置」の伸びが大きく、厚労省は「抽出された医療機関で人工透析専門のクリニックなどが多かったことが要因の可能性がある」と分析している。
厚生労働省が、その結果を公表したのだが・・・診療所の入院外一件当たり点数(すなわち、外来患者さん一人当たりの売り上げ)が16%増とのこと。これは実態と大きくかけ離れている。
それもそのはず、『抽出された』医療機関で人工透析専門のクリニックなどが多かったと厚生労働省自身が言っている。要するに、元来点数の高い人工透析専門クリニックを意図的に多く含めた、と告白しているのである。抽出されたのではなく、意図的に抽出したのである。もし、偶然そうなったのなら、統計として意味がないので、統計を取り直すべきはず。それをしないで公表しているのは、意図的な操作をしたということだ。
これを、来年の診療報酬改訂で、診療所の収入を減らすための基礎データとする積りなのだろう。医師の労働時間といい、外来診療時間のデータといい、厚生労働省官僚のやることは、すべてこの調子だ。結論先にありきの諮問会議で、その結論に沿うデータをそろえて、予め決めた方向に行政を持ってゆく。彼等の頭の中には、統計の「と」の字も無いのである。数値は、国民をごまかすための道具にしか過ぎないのだ。
以下、引用〜〜〜
外来の初再診、1日当たり6.3%減 08年診療行為別調査
09/07/01
記事:Japan Medicine
提供:じほう
厚生労働省が6月25日に発表した「2008年社会医療診療行為別調査の結果概況」で、入院外の「初・再診」が1件当たり前年比5.9%減、1日当たりで同6.3%減だったことが分かった。厚労省統計情報部社会統計課は08年度診療報酬改定での外来管理加算の見直しの影響が大きいと見ており、特に診療所への影響が顕著としている。
入院外の「初・再診」点数は1件当たり215.5点、1日当たり119.0点。このうち再診料の外来管理加算の1件当たり点数は前年より10.5点減り、診療所に限ると10.2点減少となった。また診療所の同加算の算定回数は、前年より約1700万回減少していた。
ただ、診療所の入院外の1件当たり総点数は1289.6点(前年比16.0%増)、1日当たり総点数は672.7点(同14.5%増)と増加傾向がみられた。特に「処置」の伸びが大きく、厚労省は「抽出された医療機関で人工透析専門のクリニックなどが多かったことが要因の可能性がある」と分析している。
救急診療所の疲労と、鮭釣り旅行の楽しみと・・・
2009年07月01日
仕事を終えて、夜間救急診療所に出かけた。コンビニで、おにぎり等を買い込み、出陣。6,7名の急患。喘息発作の幼児が来院した。月に一回程度コンスタントに発作を起しているらしい。吸入で一応良くなったが、完璧ではない。この救急診療所には、一次小児救急に必要な薬が揃えられていない。何度か助言したことがあったのだが、改善されず。まともな救急診療所にしたくないという意向なのかと疑ってしまう・・・ま、ガタガタ言っても何も変わらないし、この医師会との付き合いもこれからそれほど長くはないだろうと思い、黙っていることにした。
救急診療所の医局のソファーに腰をかけ、テレビでプロ野球を見るともなく、観ていると、疲労感が湧き上がってくる。
自宅に帰り、自分の部屋に落ち着く。7027辺りで、Steve W7QCがFred K1NVYとラグチューをしていた。Steveは、Bill W7GKFそれに現地のJohn KL2AXと、アラスカ南東部のプリンスオブウェールズ島に旅行に来て滞在している様子。Fredが、行きたくないが仕事にでかけなければならないと引っ込もうとすると、Steveは、しっかり仕事をして、自分達のために社会保障の金を稼いでくれよと突っ込んでいた。思わず、苦笑。
彼等の交信終了後に声をかけた。鮭を採って、アスパラと一緒に食べるのだと言って楽しそうであった。ついで、Billがパドルを握り出てきた。昨日、Steveが鮭を捕まえたときの笑顔を見せたかった、とのこと。Billは17歳の時から、毎年夏当地にやってきて、鮭加工業の仕事をしていたそうだ。当地が、第二の故郷のようだとのこと。金曜日に、WA州への帰るとのことだった。
救急診療所の医局のソファーに腰をかけ、テレビでプロ野球を見るともなく、観ていると、疲労感が湧き上がってくる。
自宅に帰り、自分の部屋に落ち着く。7027辺りで、Steve W7QCがFred K1NVYとラグチューをしていた。Steveは、Bill W7GKFそれに現地のJohn KL2AXと、アラスカ南東部のプリンスオブウェールズ島に旅行に来て滞在している様子。Fredが、行きたくないが仕事にでかけなければならないと引っ込もうとすると、Steveは、しっかり仕事をして、自分達のために社会保障の金を稼いでくれよと突っ込んでいた。思わず、苦笑。
彼等の交信終了後に声をかけた。鮭を採って、アスパラと一緒に食べるのだと言って楽しそうであった。ついで、Billがパドルを握り出てきた。昨日、Steveが鮭を捕まえたときの笑顔を見せたかった、とのこと。Billは17歳の時から、毎年夏当地にやってきて、鮭加工業の仕事をしていたそうだ。当地が、第二の故郷のようだとのこと。金曜日に、WA州への帰るとのことだった。
米国公的医療保健導入の苦闘
2009年06月30日
米国で、公的医療保険を導入しようと政治的なせめぎ合いが行われている。幾度も試みられてきたが、尽く失敗した国民皆保険政策。自助努力をうたい、小さな政府を目指す共和党と、民間保険資本等利権を握る当事者が、公的保険導入に強烈に反対している。民間保険に医療を委ねている米国では、富裕層は優れた医療を享受できるが、そうでない国民にとっては、重病になると破産する危機が待ち受けている。医療費の総額、または対GDP比の数値は、全世界でトップだ。
一方、日本では、公的保険が疎かにされ、さらに低医療費政策で医療システムそのものが疲弊している。官僚は、補助金行政を行い権益を増やすことを目指し、低医療費により公的医療機関を中心に現在の医療システムを破壊しようとしている。政官業の三者が目指すのは、混合診療の導入だ。いわば、医療の米国化である。特に、高年齢層の貯蓄を狙って、民間保険を導入する動きが盛んだ。現在の医療制度下では、ほころびが目立ってきているとは言え、低医療費下で医療の質と医療へのアクセスは一応確保されている(これはこれで改革が必要なことなのだが・・・)。
わが国では、医療が米国化される方向に動いている。さらに米国よりも悪いことには、強大な官僚システムが医療を支配し、利権を得ようとしている。一旦、そのようなシステムが出来上がったら、容易なことでは後戻りはできない。オバマ政権が、公的保険導入でどれだけ苦労しているかよく見ておく必要がある。
以下、引用〜〜〜
米医療改革、総力戦に オバマ氏「最大の試練」
09/06/29
記事:共同通信社
提供:共同通信社
オバマ米大統領が10月の法案成立を目指す医療保険改革を阻止しようと、政財界の「抵抗勢力」が一斉に動きだし、経済危機の克服に代わって米政局の焦点に浮上してきた。歴代政権が挫折を繰り返した改革議論は来年の中間選挙も左右しかねず、大統領自身が「最大の試練」と認める政治問題と化している。
▽政局の中心
「実現不可能と思い込んでいる人たちに、大統領選の合言葉を贈りたい。イエス・ウィー・キャン」。改革実現は「危機」に陥ったとする米メディアの論調が強まった21日、大統領はホワイトハウスで「われわれは成し遂げてみせる」と強調、改革への熱意が冷めていないことを強調した。
今の米政局を動かすのは経済危機ではなく、イランでも北朝鮮でもない。オバマ氏の支持組織オーガナイジング・フォー・アメリカは「大統領の最優先課題は医療保険改革法案の成立」と言い切り、メンバーに臨戦態勢を取るよう呼び掛けた。
約3億600万人の米国民のうち医療保険に入っていないのは4570万人。高額の医療費が払えず破産する無保険者、急騰して家計を圧迫する保険料、従業員向けの医療保険を維持できず破綻(はたん)する企業-。いびつな医療制度が「超大国」の福祉と経済を脅かしてきた。
▽身内も異論
大統領は「すべての国民への手ごろな医療保険」の提供を公約した。事実上の国民皆保険だ。しかし法案作成に向けた上下両院での審議が各論に入るにつれ、共和党だけでなく身内の民主党からも異論が出始めた。
最大の対立点は新たな公的保険制度の導入。オバマ政権は、民間の保険料に値下げ圧力をかけて「健全な市場」を作るには新しい公的保険が必要と訴える。一方の共和党は民間企業が駆逐され、肥大化した公的保険が財政を圧迫して、つけを国民が払うことになるとの論陣を張る。1兆ドル(約96兆円)を上回るコストの財源確保も、大型景気対策などで財政が窮迫する中で深刻な問題だ。
「国民は際限のない支出が始まることに気付き始めた」(キャンプ下院議員)と攻勢をかける共和党に、財政規律を重視する民主党の一部穏健派グループが同調。様子見だった保険業界も、政府の役割拡大は「破滅的な結末」を招くとする意見書を議会に出すなど、巻き返しに動き始めた。
▽国民は支持
「小さい政府」を志向する共和党にとって、公的保険の肥大は「欧州型の福祉国家」(ローブ元大統領次席補佐官)への変質につながり、受け入れがたい。ローブ氏は「共和党はこの計画をつぶすことを今年の最優先目標とすべきだ。さもなくば米国は取り返しがつかない打撃を受ける」と徹底抗戦を促す。
議会や業界との調整不足で失敗したクリントン政権時代の反省に立ち、議会の折衝に委ねる姿勢を示していた大統領も危機感を募らせ、国民との対話集会を重ねるなど自ら腰を上げ始めた。
大統領の頼みの綱は国民の支持。ニューヨーク・タイムズ紙の世論調査では、72%が新たな公的医療保険の導入に賛意を示している。大統領は15日に全米医師会総会の演説で「就任後最も長い」(NBCテレビ)約1時間の熱弁を振るい、改革実現に理解を求めた。
夏休み前に上下両院がそれぞれ法案を可決、9月に法案を一本化し、10月の成立を図るのがオバマ政権の描くシナリオだが、見通しは日増しに厳しくなっている。(ワシントン共同)
一方、日本では、公的保険が疎かにされ、さらに低医療費政策で医療システムそのものが疲弊している。官僚は、補助金行政を行い権益を増やすことを目指し、低医療費により公的医療機関を中心に現在の医療システムを破壊しようとしている。政官業の三者が目指すのは、混合診療の導入だ。いわば、医療の米国化である。特に、高年齢層の貯蓄を狙って、民間保険を導入する動きが盛んだ。現在の医療制度下では、ほころびが目立ってきているとは言え、低医療費下で医療の質と医療へのアクセスは一応確保されている(これはこれで改革が必要なことなのだが・・・)。
わが国では、医療が米国化される方向に動いている。さらに米国よりも悪いことには、強大な官僚システムが医療を支配し、利権を得ようとしている。一旦、そのようなシステムが出来上がったら、容易なことでは後戻りはできない。オバマ政権が、公的保険導入でどれだけ苦労しているかよく見ておく必要がある。
以下、引用〜〜〜
米医療改革、総力戦に オバマ氏「最大の試練」
09/06/29
記事:共同通信社
提供:共同通信社
オバマ米大統領が10月の法案成立を目指す医療保険改革を阻止しようと、政財界の「抵抗勢力」が一斉に動きだし、経済危機の克服に代わって米政局の焦点に浮上してきた。歴代政権が挫折を繰り返した改革議論は来年の中間選挙も左右しかねず、大統領自身が「最大の試練」と認める政治問題と化している。
▽政局の中心
「実現不可能と思い込んでいる人たちに、大統領選の合言葉を贈りたい。イエス・ウィー・キャン」。改革実現は「危機」に陥ったとする米メディアの論調が強まった21日、大統領はホワイトハウスで「われわれは成し遂げてみせる」と強調、改革への熱意が冷めていないことを強調した。
今の米政局を動かすのは経済危機ではなく、イランでも北朝鮮でもない。オバマ氏の支持組織オーガナイジング・フォー・アメリカは「大統領の最優先課題は医療保険改革法案の成立」と言い切り、メンバーに臨戦態勢を取るよう呼び掛けた。
約3億600万人の米国民のうち医療保険に入っていないのは4570万人。高額の医療費が払えず破産する無保険者、急騰して家計を圧迫する保険料、従業員向けの医療保険を維持できず破綻(はたん)する企業-。いびつな医療制度が「超大国」の福祉と経済を脅かしてきた。
▽身内も異論
大統領は「すべての国民への手ごろな医療保険」の提供を公約した。事実上の国民皆保険だ。しかし法案作成に向けた上下両院での審議が各論に入るにつれ、共和党だけでなく身内の民主党からも異論が出始めた。
最大の対立点は新たな公的保険制度の導入。オバマ政権は、民間の保険料に値下げ圧力をかけて「健全な市場」を作るには新しい公的保険が必要と訴える。一方の共和党は民間企業が駆逐され、肥大化した公的保険が財政を圧迫して、つけを国民が払うことになるとの論陣を張る。1兆ドル(約96兆円)を上回るコストの財源確保も、大型景気対策などで財政が窮迫する中で深刻な問題だ。
「国民は際限のない支出が始まることに気付き始めた」(キャンプ下院議員)と攻勢をかける共和党に、財政規律を重視する民主党の一部穏健派グループが同調。様子見だった保険業界も、政府の役割拡大は「破滅的な結末」を招くとする意見書を議会に出すなど、巻き返しに動き始めた。
▽国民は支持
「小さい政府」を志向する共和党にとって、公的保険の肥大は「欧州型の福祉国家」(ローブ元大統領次席補佐官)への変質につながり、受け入れがたい。ローブ氏は「共和党はこの計画をつぶすことを今年の最優先目標とすべきだ。さもなくば米国は取り返しがつかない打撃を受ける」と徹底抗戦を促す。
議会や業界との調整不足で失敗したクリントン政権時代の反省に立ち、議会の折衝に委ねる姿勢を示していた大統領も危機感を募らせ、国民との対話集会を重ねるなど自ら腰を上げ始めた。
大統領の頼みの綱は国民の支持。ニューヨーク・タイムズ紙の世論調査では、72%が新たな公的医療保険の導入に賛意を示している。大統領は15日に全米医師会総会の演説で「就任後最も長い」(NBCテレビ)約1時間の熱弁を振るい、改革実現に理解を求めた。
夏休み前に上下両院がそれぞれ法案を可決、9月に法案を一本化し、10月の成立を図るのがオバマ政権の描くシナリオだが、見通しは日増しに厳しくなっている。(ワシントン共同)
人生は旅
2009年06月29日
昨日は、朝ゆっくりできるかと思ったが、患者の一人から電話があり、草むしりや、野菜の世話をそこそこに仕事場に向かった。いつもは車で1時間ほど離れた場所に住むお孫さんを、祖父母にあたる方が連れてこられた。お孫さんを大切そうに扱うお二人に思わず微笑んでしまう。祖母にあたる方は、かるい片麻痺がある様子だった。
昼食をとり、車で30分ほどかけて、Tさんのお宅に伺う。数週間前からお願いしていた、室内楽を合わせるためだ。小奇麗に整頓され、ピアノが二台置かれたレッスン室。譜面台もすでに準備されていた。ピアニストが到着するまでの小一時間、弦だけで合わせた。ピアノの方が、演奏の仕事を終えて駆けつけ、1楽章だけ合わせた。少しゆっくり目のテンポ。最後に、二度ほど通し、それを録音した。
Tさんのことは何度か記した記憶があるが、娘がバイオリンを習っていた頃、同じ先生の門下生で優秀なバイオリニストであった。今回、しばらくぶりに室内楽の相手を引き受けてくださり、また来年1月に地元で行われるアマチュア奏者の発表会に、この曲を持って参加してみないかと声をかけて頂いた。仕事のお邪魔かなと思っていたが、とても快くお引き受けいただき、その上、このような申し出も頂戴し、恐縮至極。
最初にお目にかかった頃、まだ高校生だったTさんは、専門教育を受けられ、充実した20代を過ごしておられる。いろいろなことに関心を抱き、周囲に気配りをし、生きるエネルギーに満ちておられる。生きることは、自分の成長と、事業の充実そのものなのではないだろうか。
一方、入院し寛解導入療法を受けている白血病の友人Nさんと時々電話で話をする。50歳代半ばで、人生の先行きの見えぬ状況に置かれている。1クール目の化学療法の効果が、もう一つだったそうで、骨髄移植も視野に入れて置くように主治医に言われたらしい。
彼とは、もともと冗談ばかりを言い合うような仲だったので、病状を訊く以外は、いつもと同じ調子で話しをするようにしている。が、彼のこころの葛藤はいかばかりかと何時も思う。これからの見通し、それに無菌室に隔離されていることへのストレスが、彼を苛んでいるのだろう。心理面のフォローをしてくださるスタッフもいて、精神安定剤の助けも借りている様子だ。しかし、人生の終末を迎えるかもしれぬという、人生から彼への根本的な問いかけは変わらない。
生命が輝き、自分を伸ばす時期を生きるTさん。Nさんは、人生の終末を見据えて生きることを余儀なくされている。
人生の二つの異なる相を、彼等の生に見る思いがする。人生は旅なのだ。願わくば、Tさんの輝きに満ちた人生にはこころからの祝福の気持ちを抱くことができるように、そしてNさんには、できるだけ寄り添うことの出来るように・・・。私も同じように歩んできた。そして、人生の終末に向けて歩いているから。
昼食をとり、車で30分ほどかけて、Tさんのお宅に伺う。数週間前からお願いしていた、室内楽を合わせるためだ。小奇麗に整頓され、ピアノが二台置かれたレッスン室。譜面台もすでに準備されていた。ピアニストが到着するまでの小一時間、弦だけで合わせた。ピアノの方が、演奏の仕事を終えて駆けつけ、1楽章だけ合わせた。少しゆっくり目のテンポ。最後に、二度ほど通し、それを録音した。
Tさんのことは何度か記した記憶があるが、娘がバイオリンを習っていた頃、同じ先生の門下生で優秀なバイオリニストであった。今回、しばらくぶりに室内楽の相手を引き受けてくださり、また来年1月に地元で行われるアマチュア奏者の発表会に、この曲を持って参加してみないかと声をかけて頂いた。仕事のお邪魔かなと思っていたが、とても快くお引き受けいただき、その上、このような申し出も頂戴し、恐縮至極。
最初にお目にかかった頃、まだ高校生だったTさんは、専門教育を受けられ、充実した20代を過ごしておられる。いろいろなことに関心を抱き、周囲に気配りをし、生きるエネルギーに満ちておられる。生きることは、自分の成長と、事業の充実そのものなのではないだろうか。
一方、入院し寛解導入療法を受けている白血病の友人Nさんと時々電話で話をする。50歳代半ばで、人生の先行きの見えぬ状況に置かれている。1クール目の化学療法の効果が、もう一つだったそうで、骨髄移植も視野に入れて置くように主治医に言われたらしい。
彼とは、もともと冗談ばかりを言い合うような仲だったので、病状を訊く以外は、いつもと同じ調子で話しをするようにしている。が、彼のこころの葛藤はいかばかりかと何時も思う。これからの見通し、それに無菌室に隔離されていることへのストレスが、彼を苛んでいるのだろう。心理面のフォローをしてくださるスタッフもいて、精神安定剤の助けも借りている様子だ。しかし、人生の終末を迎えるかもしれぬという、人生から彼への根本的な問いかけは変わらない。
生命が輝き、自分を伸ばす時期を生きるTさん。Nさんは、人生の終末を見据えて生きることを余儀なくされている。
人生の二つの異なる相を、彼等の生に見る思いがする。人生は旅なのだ。願わくば、Tさんの輝きに満ちた人生にはこころからの祝福の気持ちを抱くことができるように、そしてNさんには、できるだけ寄り添うことの出来るように・・・。私も同じように歩んできた。そして、人生の終末に向けて歩いているから。
呼ぶほうも、呼ばれるほうも・・・
2009年06月26日
今夜の7メガは、凄まじいノイズに覆われていた。14メガに移り、JAのパイルを発見。グリーンランドのOX3YYだ。2、3局のJAとの交信を聞いていたが、JR7某局との交信の際に、なかなかコールが取れなかった様子。
「JR7オンリーだ」と、ゆっくり繰り返しても、呼び倒すJAがいる。それを、1,2度繰り返すと、OX3YYは、「JAがこちらの指定を守らずに、呼び続け混信を引き起こすので、QRTする」とアナウンスして、いなくなってしまった。昔、こうした情景を何度か聞いたことがあるのだが、あまり後味のよろしいものではない。
7メガ同様、ノイズが多少あった、このOXの局の信号が余り強くない、それにスプレッドアウトしている気安さから、JAの連中は呼び続けたのかもしれない。また、OXの局は、もっとスプレッドアウトをするように誘導できたような気がする。2,3KHzの幅に、せいぜい10局程度が呼んでいただけだからだ。
しかし、呼ぶ側の指定無視は、頂けない。よく聞こえなければ、呼ぶべきではない。相手が何かメッセージを打っているのが全く分からないのだろうか。まさか、クラスターに上がったOXを見つけて、メモリーキーヤーで呼び続けてたなどということはないだろうか。
OX3YYは、QRTすると言って引っ込んだのだが、数分後、その近辺で私がCQを出したのに応答してきたOZの局と私が交信を終えると、OX3YYが、そのOZを呼ぶのが聞こえた。私が動くからと、周波数をOZの局に譲って、彼等が交信を成立させるのを聞いた。OX3YYは、QRTするといったのは、もうJAと交信したくないという意思表示だったのだ。
呼ぶ側も呼ばれる側も、それなりにテクニックを持ち、パイルに参加することだけで楽しめた時代は、遠くになってしまったのかもしれない・・・てなことを書くと、自分が歳をとったと感じるものだ。
この週末は、日曜日の室内楽の練習に向けて最後の練習だ・・・。無線機のスイッチは、オフにしたまま・・・になるか。
「JR7オンリーだ」と、ゆっくり繰り返しても、呼び倒すJAがいる。それを、1,2度繰り返すと、OX3YYは、「JAがこちらの指定を守らずに、呼び続け混信を引き起こすので、QRTする」とアナウンスして、いなくなってしまった。昔、こうした情景を何度か聞いたことがあるのだが、あまり後味のよろしいものではない。
7メガ同様、ノイズが多少あった、このOXの局の信号が余り強くない、それにスプレッドアウトしている気安さから、JAの連中は呼び続けたのかもしれない。また、OXの局は、もっとスプレッドアウトをするように誘導できたような気がする。2,3KHzの幅に、せいぜい10局程度が呼んでいただけだからだ。
しかし、呼ぶ側の指定無視は、頂けない。よく聞こえなければ、呼ぶべきではない。相手が何かメッセージを打っているのが全く分からないのだろうか。まさか、クラスターに上がったOXを見つけて、メモリーキーヤーで呼び続けてたなどということはないだろうか。
OX3YYは、QRTすると言って引っ込んだのだが、数分後、その近辺で私がCQを出したのに応答してきたOZの局と私が交信を終えると、OX3YYが、そのOZを呼ぶのが聞こえた。私が動くからと、周波数をOZの局に譲って、彼等が交信を成立させるのを聞いた。OX3YYは、QRTするといったのは、もうJAと交信したくないという意思表示だったのだ。
呼ぶ側も呼ばれる側も、それなりにテクニックを持ち、パイルに参加することだけで楽しめた時代は、遠くになってしまったのかもしれない・・・てなことを書くと、自分が歳をとったと感じるものだ。
この週末は、日曜日の室内楽の練習に向けて最後の練習だ・・・。無線機のスイッチは、オフにしたまま・・・になるか。
蘇った槿
2009年06月26日
仕事場の東側に、開院時、父が植えてくれた槿。自宅から移植したもの。以前にもアップしたが、この木は、恐らくスタッフが除草剤を誤ってかけてしまったために、一旦枯れたのが、昨年生き返った。今年は、白い可憐な花をいくつか咲かせている。
枝があまりに多くなったので、少し切り落とした。その切り枝を、駄目だろうと思いながら、地面に差し込み、水を与えた置いた(その背後にあるのが、蘇った槿)。徐々に、枯れて行き、やはり駄目だったかと思っていたのだが・・・

先日、その挿した枝に、芽が出ているのを見つけた。恐らく根付いたのだろう。槿の生命力に、改めて驚かされた。

10数年前、仕事場の周囲に木を植えてくれた父が、亡くなって、もうすぐ5年。
雑草を抜かなくては・・・。
枝があまりに多くなったので、少し切り落とした。その切り枝を、駄目だろうと思いながら、地面に差し込み、水を与えた置いた(その背後にあるのが、蘇った槿)。徐々に、枯れて行き、やはり駄目だったかと思っていたのだが・・・

先日、その挿した枝に、芽が出ているのを見つけた。恐らく根付いたのだろう。槿の生命力に、改めて驚かされた。

10数年前、仕事場の周囲に木を植えてくれた父が、亡くなって、もうすぐ5年。
雑草を抜かなくては・・・。
バグキーと戯れながら
2009年06月25日
昨日、比較的早く自宅に戻れた。チェロを弾く元気がイマイチなく、無線機の前に座った。バグキーを使おうとしたが、短点が乱れる。ベストなセッティングから、ずれている感じだ。レバーのストローク間隔、短点の接点間隔、錘の位置、さらにはレバーの回転軸の圧まで弄くるが、安定した状態になっても、しばらくするとずれる。レバーストロークを大きくとって、振動部分が大きな振幅幅で動くようにして、多少安定したが、まだ不確実。これまで安定に動作していたものが、どうしてこのようになったのだろう。色々と調整していて、だらだらと交信を続け、時間を費やしてしまった。
バイブロのこのバグキー、しげしげと見ると、作りが大分いい加減であることに気づいた。レバーが、どうしてもベースの前後の辺と平行にならない。また、回転軸の軸受けにかなりのガタがある、等等。歴史のあるバグキーだが、このようなものかと改めて感じた。
エレキーとバグキー、それに時にはストレートキーを持ち出して、様々な方々と交信した。
Tommy W6IJは、彼が4月に甲状腺がんの手術を受ける前に交信して以来だったか。この3週間ほど、さ声が出てきてしまい、抗生物質の投与などを受けたが、良くならないので、近いうちに耳鼻科医の診察を受けることになっている、とのこと。今週末にミシガンからお孫さん達3人がやってくることになっており、にぎやかになりそうな様子だ。釣りにでかけているのか訪ねたら、サーモンを釣って満面の笑みを浮かべている画像を、すぐに送ってきてくれた。
Dave W8FGXは、結構な強さなのだが、フラッターとQRNで少し取りづらい。彼の古くからの友人Bob W8KICが、すい臓がんで亡くなったことを知らせてきた。時間が過ぎてゆき、親しい友人が去ってゆく、と。私の記録では、Bobとは1981年に交信していた。コールは聞き覚えがある程度で、頻繁にお目にかかったことはなかった。Bobは、Johns Hopkins出身だとことだったので、同窓の内科医Bill N4ARとも知り合いだったのか尋ねた。その通り、知り合いだったとの返答だった。
Chuck W7MAPが、ダラス近郊から呼んで来てくれた。ブログつながりの友人。先日、強風でアンテナが落ちてしまい、ダイポールを上げ直したらしい。彼のブログをみると、アンテナポールを固定していた大きな木が、見事に倒されている。友人との毎日のCWでのスケジュールも続けている様子。そのスケジュールはCW訓練、特に送信の訓練のためらしいが、もう訓練する必要はなさそうだけれどと言うと、いや集中力の訓練が必要なのだとのことだった。彼のブログの記事、それに交信内容ともに、何か文学的な香りが漂っている。
すでに夏至を過ぎ、あと2ヶ月もすると、空の上では秋めいてくる。
バイブロのこのバグキー、しげしげと見ると、作りが大分いい加減であることに気づいた。レバーが、どうしてもベースの前後の辺と平行にならない。また、回転軸の軸受けにかなりのガタがある、等等。歴史のあるバグキーだが、このようなものかと改めて感じた。
エレキーとバグキー、それに時にはストレートキーを持ち出して、様々な方々と交信した。
Tommy W6IJは、彼が4月に甲状腺がんの手術を受ける前に交信して以来だったか。この3週間ほど、さ声が出てきてしまい、抗生物質の投与などを受けたが、良くならないので、近いうちに耳鼻科医の診察を受けることになっている、とのこと。今週末にミシガンからお孫さん達3人がやってくることになっており、にぎやかになりそうな様子だ。釣りにでかけているのか訪ねたら、サーモンを釣って満面の笑みを浮かべている画像を、すぐに送ってきてくれた。
Dave W8FGXは、結構な強さなのだが、フラッターとQRNで少し取りづらい。彼の古くからの友人Bob W8KICが、すい臓がんで亡くなったことを知らせてきた。時間が過ぎてゆき、親しい友人が去ってゆく、と。私の記録では、Bobとは1981年に交信していた。コールは聞き覚えがある程度で、頻繁にお目にかかったことはなかった。Bobは、Johns Hopkins出身だとことだったので、同窓の内科医Bill N4ARとも知り合いだったのか尋ねた。その通り、知り合いだったとの返答だった。
Chuck W7MAPが、ダラス近郊から呼んで来てくれた。ブログつながりの友人。先日、強風でアンテナが落ちてしまい、ダイポールを上げ直したらしい。彼のブログをみると、アンテナポールを固定していた大きな木が、見事に倒されている。友人との毎日のCWでのスケジュールも続けている様子。そのスケジュールはCW訓練、特に送信の訓練のためらしいが、もう訓練する必要はなさそうだけれどと言うと、いや集中力の訓練が必要なのだとのことだった。彼のブログの記事、それに交信内容ともに、何か文学的な香りが漂っている。
すでに夏至を過ぎ、あと2ヶ月もすると、空の上では秋めいてくる。
医療行政の問題が、医療事故の背景にあることが多い
2009年06月25日
医療事故調について、本質的な議論がされぬままに、厚生労働省はなし崩し的に法案上程の機会を狙っているようすだ。
原因究明と責任追及は別な枠組みで別な組織が行うべき、即ち原因究明のための医療事故調では、原則的に責任追及は行わないこと。業務上過失(致死)罪を医療に適用するのかどうかを検討すること。故意に近い医療過誤とか、標準的治療から大きく外れた治療といった抽象的な文言で、刑事罰の対象にするかどうかを分けることはできない。これらを、当事者が徹底して議論し、医療事故調を立ち上げるべきなのだが、実際は、官僚主導の検討会(研究班)のなかだけで議論しているだけだ。
医療事故の当事者になる可能性が高く、厚生労働省案に強く反対している、麻酔学会と救急医学会の医師が、この検討会に加えられていない。また、警察・検察の方も入っていない。これでは、医療事故調が、本当に、原因究明のための組織になることは難しい。
さらに、大きな問題であるのは、あくまで厚生労働省が主導して、組織を立ち上げようとしていることだ。医療事故の背景には、システムエラーのあることが多い。医療のシステムは結局厚生労働省の作る枠組みと規則によって成立している。医療事故の本当の問題を追究するとなると、行政の問題に必ずぶつかる。厚生労働省管轄下の組織では、自らの組織の問題を究明することはできない。
この会合で挨拶してる厚生労働省担当者の佐原氏は、医療のプロであれば、医療事故の責任は逃れられないと述べているが、それはそっくりそのまま厚生労働省の行政官に当てはまるのだ。医療崩壊の現状では、システムエラーを明らかにすることが重要で、それはこうした厚生労働省の医療行政の問題を明らかにすることでなければならない。
以下、m3より引用〜〜〜
まず佐原氏の挨拶を紹介する。
「厚労省では昨年4月に第3次試案、6月に大綱案を作成して、国民の皆様の意見を幅広く聞いて、議論していただいているところだ。賛否両論があり、まだ残念ながら意見集約には至っていないように思う。第3次試案、大綱案に批判的な意見の中には、医療事故の調査と責任追及は完全に切り離すべきだというものがある。今日はこのことについて述べさせていただきたい。
例えば、病院で退院間近の患者が予期せずに急に亡くなったとする。なぜ予期せず亡くなったのか、原因究明や再発防止のために、調査委員会を立ち上げて、いろいろと調べ、結果として生理食塩水と間違えて、消毒薬を静脈内に注入していることが明らかになったという場合を想定してみる。
医療事故の調査と責任追及を完全に切り離すべきという意見は、このような場合でも、この調査結果と医療者の責任は無関係であるべきという主張のようにも聞こえる。医師や看護師などは医療のプロとして、実施した医療に対する責任というものから完全に逃れることはできないのではないか。プロとしての責任からいたずらに逃れようとすれば、社会は逆にそれを医療界の無責任だと思うだろう。これでは医療界は社会からの信頼を失ってしまうのではないだろうか。
ただ一方で、プロとしての責任が理不尽な方法で追及されることは適切ではないと思う。妊婦が出産中に死亡したからと言って、医療内容が不適切だったと一律に論じられるのか。そうではないと思う。高度で専門的かつ日常的に死と隣り合わせの医療において、死亡事故の調査や評価は医療者が中心となって、専門的かつ科学的に、また個々の医療現場の状況を十分に踏まえた上で行われなければならない。何より個人の責任追及を目的とするのではなく、医療の質や安全の向上に主眼を置いた調査や評価でなければならないと思う。そのような新しい社会システムを日本に作っていく必要がある。
現在、大綱案まで来たが、制度設計にはまだ課題がある。第三者機関が調査すべき死亡事故とはどんなケースなのか、あるいは事故調査の具体的な方法や調査結果報告書の記載内容はどうあるべきなのか。また(第三者機関から捜査機関に通知する事故例である)『標準的医療から著しく逸脱している』と考えられる場合とは、具体的にはいったい何なのか。厚生労働科学研究である木村班には昨年1年間、精力的な議論をしていただいた。今日はその一部を発表していただくが、第三次試案や大綱案を補強するものもあれば、その修正を迫るものもある。国民の皆様にも研究班の内容を知っていただき、理解あるいは議論を深めていただければと思う。
最後に、『法案はいつ国会に提出されるのか』と聞かれれば、厚労省では今、『関係者の理解が得られ次第』と答えている。実際の評価や調査を担当するのは私のような役人ではなく、医療者の皆様だ。患者や遺族をはじめ、国民の皆様の幅広い支持とともに、医療者の皆様の幅広い理解と協力がなければ、残念ながらこの制度は前には進まない。医療者、患者、法律関係者、様々な立場の方がその垣根を越えて議論し、相互の信頼の上に新しいシステムができるよう、厚労省としても引き続き努力していきたいと考えている」
原因究明と責任追及は別な枠組みで別な組織が行うべき、即ち原因究明のための医療事故調では、原則的に責任追及は行わないこと。業務上過失(致死)罪を医療に適用するのかどうかを検討すること。故意に近い医療過誤とか、標準的治療から大きく外れた治療といった抽象的な文言で、刑事罰の対象にするかどうかを分けることはできない。これらを、当事者が徹底して議論し、医療事故調を立ち上げるべきなのだが、実際は、官僚主導の検討会(研究班)のなかだけで議論しているだけだ。
医療事故の当事者になる可能性が高く、厚生労働省案に強く反対している、麻酔学会と救急医学会の医師が、この検討会に加えられていない。また、警察・検察の方も入っていない。これでは、医療事故調が、本当に、原因究明のための組織になることは難しい。
さらに、大きな問題であるのは、あくまで厚生労働省が主導して、組織を立ち上げようとしていることだ。医療事故の背景には、システムエラーのあることが多い。医療のシステムは結局厚生労働省の作る枠組みと規則によって成立している。医療事故の本当の問題を追究するとなると、行政の問題に必ずぶつかる。厚生労働省管轄下の組織では、自らの組織の問題を究明することはできない。
この会合で挨拶してる厚生労働省担当者の佐原氏は、医療のプロであれば、医療事故の責任は逃れられないと述べているが、それはそっくりそのまま厚生労働省の行政官に当てはまるのだ。医療崩壊の現状では、システムエラーを明らかにすることが重要で、それはこうした厚生労働省の医療行政の問題を明らかにすることでなければならない。
以下、m3より引用〜〜〜
まず佐原氏の挨拶を紹介する。
「厚労省では昨年4月に第3次試案、6月に大綱案を作成して、国民の皆様の意見を幅広く聞いて、議論していただいているところだ。賛否両論があり、まだ残念ながら意見集約には至っていないように思う。第3次試案、大綱案に批判的な意見の中には、医療事故の調査と責任追及は完全に切り離すべきだというものがある。今日はこのことについて述べさせていただきたい。
例えば、病院で退院間近の患者が予期せずに急に亡くなったとする。なぜ予期せず亡くなったのか、原因究明や再発防止のために、調査委員会を立ち上げて、いろいろと調べ、結果として生理食塩水と間違えて、消毒薬を静脈内に注入していることが明らかになったという場合を想定してみる。
医療事故の調査と責任追及を完全に切り離すべきという意見は、このような場合でも、この調査結果と医療者の責任は無関係であるべきという主張のようにも聞こえる。医師や看護師などは医療のプロとして、実施した医療に対する責任というものから完全に逃れることはできないのではないか。プロとしての責任からいたずらに逃れようとすれば、社会は逆にそれを医療界の無責任だと思うだろう。これでは医療界は社会からの信頼を失ってしまうのではないだろうか。
ただ一方で、プロとしての責任が理不尽な方法で追及されることは適切ではないと思う。妊婦が出産中に死亡したからと言って、医療内容が不適切だったと一律に論じられるのか。そうではないと思う。高度で専門的かつ日常的に死と隣り合わせの医療において、死亡事故の調査や評価は医療者が中心となって、専門的かつ科学的に、また個々の医療現場の状況を十分に踏まえた上で行われなければならない。何より個人の責任追及を目的とするのではなく、医療の質や安全の向上に主眼を置いた調査や評価でなければならないと思う。そのような新しい社会システムを日本に作っていく必要がある。
現在、大綱案まで来たが、制度設計にはまだ課題がある。第三者機関が調査すべき死亡事故とはどんなケースなのか、あるいは事故調査の具体的な方法や調査結果報告書の記載内容はどうあるべきなのか。また(第三者機関から捜査機関に通知する事故例である)『標準的医療から著しく逸脱している』と考えられる場合とは、具体的にはいったい何なのか。厚生労働科学研究である木村班には昨年1年間、精力的な議論をしていただいた。今日はその一部を発表していただくが、第三次試案や大綱案を補強するものもあれば、その修正を迫るものもある。国民の皆様にも研究班の内容を知っていただき、理解あるいは議論を深めていただければと思う。
最後に、『法案はいつ国会に提出されるのか』と聞かれれば、厚労省では今、『関係者の理解が得られ次第』と答えている。実際の評価や調査を担当するのは私のような役人ではなく、医療者の皆様だ。患者や遺族をはじめ、国民の皆様の幅広い支持とともに、医療者の皆様の幅広い理解と協力がなければ、残念ながらこの制度は前には進まない。医療者、患者、法律関係者、様々な立場の方がその垣根を越えて議論し、相互の信頼の上に新しいシステムができるよう、厚労省としても引き続き努力していきたいと考えている」









