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金融財政政策の誤魔化し 

日本金融・経済の状況を、金子勝氏が的確に述べている。

現在、もっとも憂慮すべき問題は、銀行がハイリスクのCLOを大量に買い込んでいることではないだろうか。CLOは、リーマンショック時のサブプライムローンに匹敵する問題の債権。格付けAAAのものが主体と言えども、まったく安心はできない。リーマンブラザース自体、破たん直前まで格付けがAAAだった。

銀行金融システムが機能しなくなるということは、国際金融資本にわが国国民の蓄えが奪い去られるということ。そして、経済活動に大きな支障をきたし、円に対する信認が失われる。

銀行がハイリスク金融商品に手を出さざるを得ないのは、政府・日銀の低金利政策のため。

国民が何時になったら、政府・日銀の金融経済政策の誤魔化しに気づくのだろうか。

日刊ゲンダイより~~~

もう弾切れ 出口なきネズミ講に陥ったアベノミクスの末路
公開日:2020/01/01 06:00 更新日:2020/01/02 10:13

立教大特任教授(財政学)の金子勝氏(C)日刊ゲンダイ

 アベノミクスの3本の矢が放たれてから7年。デフレ脱却はいまだ実現せず、トリクルダウンも起きず、地方創生はほど遠い。景気回復どころか、国民生活は痛めつけられっぱなしだ。批判の急先鋒に立つ立教大特任教授の金子勝氏(財政学)が斬る。

  ◇  ◇  ◇

■薄商いの官製相場が常態化

 アベノミクスは限界にきています。「2年で2%」とした当初の物価目標をズルズル先延ばし、日銀の黒田総裁は国会で9年間は未達だと事実上認めた。目標も目的もないまま、財政赤字を垂れ流して金融緩和を続けている状態。ひと言でいえば、出口のないネズミ講です。日銀は国債市場の半分ほどを買い付け、最大の買い手になっている。株式市場にしてもETF(上場投資信託)の8割近くを買い占めています。買いを止めた途端に国債も株価も暴落し、金利が上昇して日本経済は壊れてしまう。破綻を避けるためには買い続けなければなりませんが、もはや弾切れです。

 国債買い入れは2013年が年間60兆円。17年49兆円、18年33兆円、19年は30兆円に届かない。ETF保有は28兆円ほどに上ります。市場から一般投資家が離れ、薄商いの官製相場が常態化。アベノミクスの副作用は凄まじく、市場は歪んでしまった。安倍首相は資本主義を否定するような経済失策をいまだに成果だと強弁しているのです。

 7年間のアベノミクスの果てにどんな悲劇が待ち受けているのか。実体経済を無視して国債や株価、不動産価格が上昇するのは非常に危ない傾向です。銀行危機とバブル崩壊に襲われれば、日銀の政策はマヒ状態になるでしょう。日銀が16年2月にマイナス金利を導入以降、超低金利で銀行の収益は猛烈に悪化している。中でも地域経済が疲弊している地銀や信金などは体力がさらに衰え、貸家建設などに貸し込んでいる。高齢者の資産運用先としての貸家建設や東京五輪需要も重なり、不動産バブルが出現していますが、五輪前後には外国人投資家が逃げ出す兆候が表れるでしょう。

産業創造、賃金上昇無くして経済再生なし
 米中貿易戦争の影響も深刻です。頼みの中国需要が細り、18年後半から輸出額はマイナスに転じてしまった。

 もっとも、輸出がダメになっている背景には、日本の産業が先端分野で負け始めているせいでもあります。超低金利のアベノミクスでゾンビ企業が生き残り、東電や東芝などの問題企業は日銀が社債を買って延命させる。こんなやり方では産業の新陳代謝が起きず、衰退を加速させます。産業衰退をごまかし、経済の屋台骨である輸出企業を支えるため、金融緩和で円安に誘導し、企業は賃下げに走る。このパターンが20年間続いています。

 OECD(経済協力開発機構)統計によると、日本人の時間当たりの名目賃金は過去21年間で8・2%も下がり、先進国で唯一のマイナス。実質賃金では10%減。中間層が解体され、貧困層を増大し、格差が広がっている。やがて年金財政も破綻させていきます。

 実質賃金の継続上昇にカジを切らないと、日本経済は再生できない。ですが、大企業の経営者は円安の恩恵で得た儲けを内部留保としてため込み、自社株買いや配当に回して株価をつり上げる。彼らの多くは高額報酬に加えてストックオプションも得ています。自社株が上がれば、実入りが増える。まさに今だけ、カネだけ、自分だけ。寂しい資本主義が蔓延してしまったこの国は、遠からずダメになっていくでしょう。 

(聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)

▽かねこ・まさる 1952年、東京都生まれ。東大大学院経済学研究科博士課程修了。東大社会科学研究所助手、法大教授、慶大教授などを経て現職。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。

農業と食料の安全が切り捨てられている 

安倍政権は、経産省主導のもと、大企業、グローバル企業だけに利権を与えようとしている。日本の農業・食料については、二の次なのだ。

鈴木教授のインタビューが掲載された「月刊日本」は、保守系の雑誌である。心ある保守系ジャーナリストは、日本の農業・食品安全に危機意識を抱いている。

日本の農業が破壊されてからでは遅すぎる。国民は、今覚醒すべきなのだ。

以下、引用~~~

安倍政権が切り捨てる日本の食と農。日本だけが輸入する危険な食品<鈴木宣弘氏>
ハーバー・ビジネス・オンライン 2019/12/22 08:32

 安倍政権はアメリカが要求する農協改革の名のもとに、農業への企業参入、農業の大規模化・効率化を推進してきた。規制改革推進派の小泉進次郎氏が自民党農林部会長に就き、「農業が産業化し、農協が要らなくなることが理想だ」と公言する奥原正明氏が農水省事務次官に就いた。

 諮問会議で農業改革の議論をリードしたのは、農業の専門家ではなく、金丸恭文氏、新浪剛史氏といったグローバリストである。結果、農業分野への参入に成功したのは、新浪氏が社長を務めていたローソンファームや竹中平蔵氏が社外取締役を務めるオリックスである。

 安倍政権が掲げてきた「稼げる農業」というスローガンは、その実態は、グローバル企業やお仲間企業だけが稼げる農業なのである。

 こうした中で、農産物の自由化によって日本の農業は弱体化に拍車がかかっている。

『月刊日本 2020年1月号』では、第3特集として「日本の食と農が崩壊する」と銘打ち、日本の食糧自給を巡る危機的な状況に警鐘を鳴らしている。今回は同特集の中から、東京大学大学院農学生命科学研究科教授である鈴木宣弘氏の論考を転載・紹介したい。

農業を犠牲にする経産省政権

── 日米貿易協定が2020年1月に発効します。

鈴木宣弘氏(以下、鈴木): この協定について、安倍総理は「ウィン・ウィンだ」などと言っていますが、日本の完敗であることははっきりしています。自動車に追加関税をかけるというトランプ大統領の脅しに屈して、日本は農業分野を犠牲にしたのです。日本側の農産品の関税撤廃率は72%ですが、アメリカ側の関税撤廃率はわずか1%に過ぎません。日本農業は、さらに大きな打撃を受け、食料安全保障の確立や自給率向上の実現を阻むことになります。

 安倍政権は、「アメリカは自動車関税の撤廃を約束した」と述べていますが、署名後に開示されたアメリカ側の約束文書には「さらなる交渉次第」と書かれています。自動車を含まなければ、アメリカ側の関税撤廃率は51%に過ぎません。これは、少なくとも90%前後の関税撤廃率を求めた世界貿易機関(WTO)ルールに違反することになります。

 安倍政権では、経産省の力がかつてないほど強まっており、自分たちの天下り先である自動車、鉄鋼、電力などの業界の利益拡大が最優先されています。かつて、貿易交渉においては、財務、外務、経産、農林の4省の代表が並んで交渉し、農業分野の交渉では農水省が実権を持っていましたが、今や農水省は発言権が奪われています。内閣人事局制度によって官邸に人事権を握られた結果、農水官僚たちも抵抗できなくなっているのです。「農水省が要らなくなることが理想だ」と公言する人物が農水省の次官になるような時代なのです。

危機に陥る食料自給

── 協定が発効すると、アメリカ産の牛肉や豚肉の関税が一気に下がります。

鈴木:牛肉の関税は、現在の38・5%から26・6%に一気に引き下げられ、2033年度には9%となります。豚肉も、高級品については関税を段階的に下げ、最終的にゼロとなります。低価格部位については、現状の10分の1まで下がります。

 日本は、TPP11で、牛肉を低関税で輸入する限度(セーフガード)数量について、アメリカ分も含めたままの61万トンを設定しました。ところが今回、アメリカ向けに新たに24万トンを設定したのです。日本にとっては、アメリカ分の限度が「二重」になっているということです。しかも、付属文書には「セーフガードが発動されたら発動水準を一層高いものに調整するため、協議を開始する」と書かれているのです。実際にセーフガードを発動することは次第に難しくなるということです。

 政府は、牛肉や豚肉の価格が下がった分は補填するので、農家の収入は変わらず、生産量も変わらないと強弁しています。しかし、生産量が低下し、自給率がさらに下がるのは確実です。すでに牛肉の自給率は36%、豚肉の自給率は48%まで低下していますが、2035年には、牛肉、豚肉とも10%台にまで落ち込む危険性があります。農水省は平成25年度の39%だった食料自給率を、令和7年度に45%に上げるなどと言っていますが、それを実現する気などありません。

 食料自給で最も深刻なのは酪農です。所得の低迷によって国内の酪農家の廃業が相次いでいます。乳価を安定させ、個々の酪農家の利益を守るために機能してきた指定団体が改定畜安法によって廃止されたからです。これに乳製品の関税引き下げが加わり、酪農家は危機感を高めています。

 2018年には、北海道のブラックアウトの影響で東京でも牛乳が消えました。これは決して一過性の問題ではありません。さらに酪農が弱体化していけば、店頭から牛乳が消えるという事態が実際に起きます。牛乳を飲みたがっている子供に、お母さんが「ごめんね。今日は牛乳が売っていないの」と言わなければならなくなるのです。欧米諸国ならば、暴動が起きるような事態です。

 ところが、政府は「不測の事態には、バターと脱脂粉乳を追加輸入して水と混ぜて、還元乳を飲めばよい」などと言っています。安全で新鮮な国産牛乳を確保するために、国産牛乳の増産を図るのが国民の命を守る国の使命のはずです。ところが、政府はその責任を放棄しているのです。食料自給は、国家安全保障の要です。

 食料を安定的に国民に供給するために、自国の農業を守るのが、国の責任です。「日本の農業所得は補助金漬け」などと批判されることがありますが、日本は3割程度です。スイスは100%、フランス、イギリスも90%を越えています。

日本にだけ輸出される危険な食品

── アメリカ産牛肉は安全性も問題視されています。

鈴木:日本は、BSE(牛海綿状脳症)が問題となったため、アメリカ産の牛肉輸入を「20カ月齢以下」に制限していました。ところが、野田政権は2011年、TPP交渉への「入場料」として、「20カ月齢以下」から「30カ月齢以下」へ緩和してしまいました。

 実は、24カ月齢の牛のBSE発症例も確認されているのです。しかも、アメリカのBSE検査率は1パーセント程度で、発症していても検査から漏れている牛が相当程度いると疑われます。また、アメリカの食肉加工場における危険部位の除去が不十分なため、危険部位が付着した輸入牛肉が日本で頻繁に見つかっています。「20カ月齢以下」は、日本人の命を守るための最低ラインなのです。しかし、安倍政権はアメリカに配慮して、2019年5月に月齢制限を完全撤廃してしまったのです。

 また、アメリカ産の牛肉には、エストロゲンなどの成長ホルモンが使用されています。札幌の医師が調べたところ、アメリカ産牛肉からエストロゲンが通常の600倍も検出されたのです。ウナギ養殖のエサにごく微量たらすだけで、オスのウナギがメス化するほどの成長ホルモンなのです。エストロゲンは乳がんや前立腺がんとの関係が疑われており、日本では牛肉生産への使用は認可されていません。しかし、アメリカからは、エストロゲンを使用した牛肉が輸入されている疑いがあります。検査機関は「検出されていない」と言っていますが、40年前の精度の悪い検査機械をわざわざ使用し、検出されないようにしているようです。

 EUは、1989年から成長ホルモンを使用したアメリカの牛肉を輸入禁止にしています。禁輸してから7年で、乳がんの死亡率が顕著に低下したという学会誌データも出てきています。

 さらに、アメリカでは、牛や豚の餌に混ぜる成長促進剤ラクトパミンが使用されています。ラクトパミンは、発がん性だけでなく、人間に直接中毒症状を起こす危険性があり、EUだけではなく、中国やロシアでも国内使用と輸入を禁じています。日本でも国内使用は認可されていませんが、これまた輸入は素通りになっているのです。

 アメリカの乳製品も危険です。ホルスタインには、モンサントが開発した遺伝子組み換え成長ホルモンが使用されているからです。この成長ホルモンを注射すると、乳量が2~3割も増えるとされています。アメリカでは、1994年に認可されましたが、1998年に勇気ある研究者が「数年後には乳がん発症率が7倍、前立腺がん発症率が4倍になる危険性がある」と学会誌に発表したのです。

 その結果、アメリカの消費者が不買運動を展開、今ではアメリカのスターバックスやウォルマートが「当社の乳製品には成長ホルモンを使用していません」と宣言せざるを得ない状況になっているのです。ところが日本では、これほど問題になった成長ホルモンを使用した乳製品の輸入が野放しになっています。

スイスの食品流通に学べ

── 安倍政権には、日本の食の安全を守る気がありません。我々は、どのようにして食の安全を守っていけばいいのですか。

鈴木:2019年10月には、ゲノム編集食品の販売が解禁されました。しかも、表示義務もありません。2023年には遺伝子組み換えでないという食品表示も実質的にできなくなります。安倍政権は、世界に逆行するように、発がん性が指摘される除草剤成分「グリホサート」の残留基準値も大幅に緩和しました。

 そして、貿易自由化が加速することによって、危険な輸入食品がさらに氾濫し、国産品を駆逐しようとしています。しかも、表示がなくなれば、安全な食品を選択することも不可能です。まさに今、日本の食の安全は瀬戸際に来ているのです。

 我々がすべきことは、少々高くても、安全で安心なものを作ってくれる生産者と、それを支える消費者のネットワークを拡大することです。その手本となるのがスイスです。スイスでは国産卵は1個80円で、フランスから輸入しているものの6倍もしますが、国産の方が売れているのです。私の知り合いが、スイスの小学生の女の子に聞くと「これを買うことで生産者の皆さんも支えられるが、そのおかげで私たちの生活が成り立つのだから当たり前でしょ」と答えたそうです。

 生協が食品流通の5割以上を占めるスイスでは、消費者が農協などと協力して生産者サイドに働きかけ、健康、環境、生物多様性などに配慮した生産を促しています。その代わりに、消費者は農産物に込められた多様な価値が価格に反映されていることを認識し、そのコストを分担しようという意識を持っています。食の安全を守りたいならば、日本もスイスを見習うべきです。

(聞き手・構成 坪内隆彦)

すずきのぶひろ●東京大学大学院農学生命科学研究科教授。専門は農業経済学。

【月刊日本】

げっかんにっぽん●Twitter ID=@GekkanNippon。「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。

「ホルモン牛問題」 

日米FTAは、ウィンウィンの関係だと安倍首相は豪語している。が、それは事実に反する。自動車関税の引き上げを阻止するために、日本は農産物等に関して全面降伏した。トランプが交渉終了後、農業分野で大勝利したと述べたが、それが正しい。

今後安価な米国産牛肉が大量に輸入され出回る。だが、その牛肉には問題がある。成長促進剤として牛にエストロージェン等を投与されていること、さらに月齢20か月を超える牛も輸入されるためBSEのリスクが増えることである。

さらに、こうした農産品が低関税で輸入されることにより、わが国の農業に壊滅的な打撃を与える。食料自給率が40%からさらに下がる。食の安全だけでなく、食料安全保障面でも、大きな問題を背負うことになる。


女性自身より引用~~~

失うだけの「日米貿易協定」…懸念される“ホルモン牛問題”
記事投稿日:2019/10/02 06:00 最終更新日:2019/10/02 06:00

「今回の日米貿易協定は、米国が欲しいものだけを取って、日本は失うだけの結果に終わりました。トランプ大統領は日本に対し、現在2.5%の自動車の輸出関税(乗用車)を“25%まで引き上げる”と脅してきました。日本はそれを避けるために“それ以外のことはすべて受け入れます”という交渉をしてしまったのです」

こう語るのは、『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』(文藝春秋)の著者である、東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木宣弘教授だ。’15年、日本と米国を含む12カ国で合意した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)。’17年にトランプ大統領が誕生したことで、米国は一方的にTPPを離脱し、日本に2国間の貿易協定を結ぶように迫ってきた。

「すでに発表されている日米貿易協定の合意内容によると、米国産牛肉にかけられている関税を現行の38.5%から段階的に9%まで引き下げられることになります。さらに、豚肉は低価格品の従量税を現行の1キロ482円から段階的に50円まで下げ、高価格品の関税は現在の4.3%から最終的には撤廃されます」(鈴木教授)

政府は日米貿易協定の内容が「TPP水準」であることを強調しているが、TPPに盛り込まれている自動車の関税の将来的な撤廃は見送りに。さらに、中国との関係悪化で、米国内でだぶついているとうもろこし250万トンを購入させられるというオマケもついた。まさに日本は一方的に“失うだけの結果”に終わったのだ。

「貿易交渉では農林水産省は完全に排除されました。今の安倍政権を裏で動かしているのは経済産業省。自分たちの天下り先である自動車、鉄鋼などの関連産業を守り、利益を増やすためだけに、食料や農業分野を米国に差し出してしまったのです。ほかにも乳製品、小麦、大豆など、米国産農産物への市場開放が一層進むことは避けられない事態になっています」(鈴木教授)

米国産牛肉の関税が大幅に引き下げられると、これまで以上に輸入量は増え、低価格の米国産牛肉が国内市場で大量に売られることになる。そこで懸念されるのが、“ホルモン牛”問題だ。

ハーバード大学の元研究員で、ボストン在住の内科医である大西睦子さんが解説する。

「1950年代から、米国のほとんどの肉牛にエストロゲンなどのホルモン剤が投与されています。これらのホルモンが、牛肉に残留していた場合、発がん性が懸念されるのです。とくにエストロゲンの一種、エストラジオールの発がん性については、乳がん、子宮内膜がん、卵巣がんのリスクを上昇させることが、疫学的に証明されています」(大西さん)

米国ではじつに90%以上の肉牛に“肥育ホルモン剤”と呼ばれるホルモンが投与されているという。この薬剤を使うと牛は早く太り、普通に飼育した牛よりも数カ月も早く出荷できる。肥育ホルモン剤は日本国内で育てられる肉牛には使用されていないが、これを使用した牛肉はすでに米国内から輸入されており、市場に多く出回っている。

「規制緩和、自由貿易を名目に、危ない牛肉や豚肉、そして農産物がどんどん輸入されてくる。このままでは国内生産者が減り、現在も37%ほどしかない日本の食料自給率(カロリーベース)が近い将来に10%台になってしまう可能性も。そうなってからではもう手遅れなのです。自分や家族の命を守るために、国内で安全安心な農作物を作っている生産者を見つけて、買い支えていくべきでしょう」(鈴木教授)

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農民連のニュースに掲載された、鈴木教授のインタビュー記事。エストロージェンは乳がん、前立せんがん等の発症に関与している。EUでは、成長促進剤としてエストロージェンを牛に投与することは禁じられている。また、BSEも例数は少ないながら、まだ発生している。これまでBSE発症がまずないと言われていた年齢20か月以下の牛だけをわが国は輸入していたものが、月齢制限が撤廃された。すなわち、BSEの発生する可能性が出てきた。かように、食の安全の観点からは由々しき事態になっている。

こちら。

辺野古 官製談合疑惑 

関電の原発工事費還流事件、さらに5年前関電元副社長によって明らかにされた歴代首相への巨額献金は、原発工事にからみ、業者、原発立地自治体政治家、電力会社幹部、そしておそらくは国政政治家の間で、金が分配され、彼らが国・国民に大きな背任を行っていたことを示している。

同じ問題が、さまざまな公共工事、公的な事業にもあることが強く疑われる。

辺野古建設資材に関する官製談合疑惑を、しんぶん赤旗が報じている。

このままでは、日本は本当に政官業によって食い荒らされ、ますます貧しくなってゆく。

それを黙って受け入れるのか?

以下、引用~~~

辺野古 官製談合疑惑
日曜版スクープ 資材単価 入札前に示す

(写真)沖縄防衛局が岩ズリの単価を伝えた補足説明書の仕様書

 沖縄・辺野古の米軍新基地建設埋め立て工事の入札前に、発注者の沖縄防衛局が、工事費の大半を占める資材単価を入札参加希望業者に教えていました。発注機関職員が予定価格や入札に関する秘密を教示することを禁じた官製談合防止法に抵触する疑いがある、と専門家は指摘しています。(日曜版9月15日号で詳報)

 問題の工事は2018年2月8日に入札が行われた「シュワブ(H29)埋立工事(1~5工区)」。大手ゼネコンが幹事社の共同企業体などが受注しています。

 入札前の同年1月25日、沖縄防衛局は工事の主要資材である岩ズリ(規格外の砕石)の単価(1万1290円/立方メートル・運搬費込み)を記載した「補足説明書」を入札参加希望業者にファクスで送付しました。岩ズリの単価は、沖縄防衛局が予定価格を見積もるため民間会社に委託して「特別調査」したものです。

 会計検査院元局長の有川博・日本大学総合科学研究所客員教授は「官製談合防止法に抵触する疑いがある」と指摘します。「積算の過程は守秘する必要がある。しかも埋め立て工事費のなかで岩ズリ価格は大きな割合を占める。その単価を入札前に業者に伝えるのは、予定価格を教えることに匹敵する」

 工事の契約金額のうち岩ズリ価格は約4割から6割超を占めます。

 岩ズリの単価については日本共産党の小池晃書記局長が参院予算委員会(3月5日)で、新基地建設の他の工事に比べ3倍も高いことを追及しています。

ゲノム編集食品が、それと分からぬまま流通するようになる 

ゲノム編集食品が、知らぬ間にそれと分からぬまま消費者に売られることになる。

食品は、健康に直接かかわる製品だ。遺伝子操作された食品が、健康被害をもたらさない保証はない。

少なくとも、ゲノム編集食品であることを、食品に明示すべきだろう。できれば、ゲノム編集食品も、EUと同じく遺伝子組み換え食品と同様の規制をすべきだ。遺伝子操作による影響を軽視すべきではない。

沖縄タイムスより引用~~~

社説[ゲノム編集食品]表示義務なしの再考を
2019年9月24日 07:30

 口に入れる食品だけに不安が拭えない。

 消費者庁は、ゲノム編集技術を使って品種改良した農水産物の大半について、表示することを義務付けない、と発表した。

 ゲノム編集食品は特定の遺伝子を切断してつくられる。外部から遺伝子を挿入する場合は安全性審査が必要で表示を義務付ける一方で、挿入しない場合は安全性審査が不要で表示を義務付けない。開発が進む食品の大半は挿入しないタイプという。

 表示を義務付けない理由として、遺伝子の改変がゲノム編集によるものか、品種改良で起きたのか科学的に判別できないことと、表示義務に違反する商品があっても見抜けないことを挙げる。

 この説明に納得する消費者がどれだけいるだろうか。

 見抜けないことが表示しない理由にはならない。開発者や生産者を追跡すれば可能なはずだ。消費者目線に立たなければならない官庁として無責任のそしりを免れない。

 生産者や販売者らが包装やウェブ上などで表示するよう働き掛けるという。生産者や販売者の自主性に任せるもので、実効性は不透明だ。

 ゲノム編集食品は早ければ年内にも市場に出回る見通しだ。表示なしでは、消費者は遺伝子の一部が改変された食品と知らずに購入し、食べる可能性がある。消費者が商品を選択する権利を奪うことになりかねない。

 消費者庁が消費者の視点よりも、生産者や販売者らを重視しているように映ることは大きな問題だ。仮に健康に被害が出た場合には誰が責任をとるのだろうか。

    ■    ■

 厚生労働省も同じタイプのゲノム編集食品について安全性審査をせず、届け出制にすると通知した。法的に義務のない届け出である。届け出なくても罰則がない以上、これも実効性に疑問符が付く。

 厚労省が審査を求めないのは遺伝子を壊したタイプは自然の中でも起こり得る変化だからという。だがゲノム編集は新しい技術である。楽観すぎる見方というほかない。

 東京大医科学研究所の研究グループが昨年5~6月実施したインターネット調査でゲノム編集の農作物を「食べたくない」と答えた人が4割超。予期せぬ悪影響が起きないか、誰も分からないと言っても過言でない技術に不安を覚えるのは当然である。

 欧州連合(EU)の司法裁判所は昨年7月、ゲノム編集食品も遺伝子組み換え作物として規制すべきだとの判断を示している。政府は消費者の懸念に応えるのが先である。

    ■    ■

 ゲノム編集の技術を使った農水産物として肉付きのいい魚や血圧を下げる成分を増やしたトマト、芽に毒のないジャガイモなどの開発が大学などの研究機関で進む。

 ゲノム編集食品は昨年6月に政府が決定した「統合イノベーション戦略」に盛り込まれた。食品として流通させることを最優先に前のめりになっているようにみえる。

 健康に直接関わる問題である。届け出も、表示も義務化すべきである。厚労省、消費者庁に再考を求めたい。

文科省が、経産省の一部局になった 

このニュースを、前川喜平元文科省事務次官は、文科省が、経産省文科局になったと言って揶揄していた。

官僚が学問を評価すると、ロクなことはない。そうでなくても毎年大学交付金を「機械的に」削減してきたのに、そこに官僚が大学の研究を評価するシステムを導入したという記事。

研究は、あまり注目されていない部門、成果が出るまでに時間のかかる部門もある。将来、飛躍的な科学技術の発展に貢献する学問は往々にしてそうした部門から生まれる。さらに、目に見えて成果が出ないように見える人文科学の研究をどのように評価するのか。人文科学から生まれる、歴史、思想の理解が、時代を動かす原動力になるものだ。こうした学問への畏敬の念が、官僚には皆無だ。その事態を、この記事が端的に示している。

これでは、国が没落する。

以下、引用~~~

国立大4校の交付金増 文科省、論文コスト初評価
大学 社会
2019/8/9 18:23

東工大は引用回数が多い論文を低コストで生み出せた評価が最も高かった(大岡山キャンパスの本館)=東工大提供

文部科学省は9日、国立大学の教育研究や経営改革の成果を相対評価して運営費交付金を傾斜配分する新方式について、2019年度の各大学の評価結果を公表した。全86大学のうち16大学については、引用回数が多い論文をより低コストで生み出せた大学を高く評価。東京工業大が最も高い評価を受け、計4大学の交付金を上積みした。

19年度の交付金の総額は18年度と同額の1兆971億円。各大学の規模などに応じて交付するが、一定額を拠出させ、1千億円を評価に応じて再配分する。

19年度からは1千億円のうち700億円を相対評価の対象とした。「会計マネジメント改革状況」「教員1人当たりの外部資金獲得実績」「若手研究者比率」など大きく分けて5つの指標で評価。再配分率は90~110%とした。

「世界で卓越した教育研究を目指す」と位置付けられている16大学は論文生産コストでも評価。16年~18年11月までの引用回数が上位10%に入る論文の件数と、交付金や科学研究費補助金を比較。低コストで論文を生み出せた大学を評価した。

論文コストによる再配分率は東工大が110%で最も高く、東京農工大、名古屋大、京都大がそれぞれ105%。筑波大、金沢大、岡山大は最も低い90%だった。

1千億円のうち残り300億円は従来と同じ方法で、大学が自ら決めた目標に対する進捗状況で評価した。再配分率は95.1~105.0%で、100%を超えたのは86大学中25大学だった。

高等教育・研究の劣化 

我が国の科学研究の失速については、以前アップした。こちら。このポストを記した当時は、イージスアショアのコストは2000億円と見積もられていたが、それがいつの間にか6000億円に膨らんでおり、さらに増えるのではないかと言われている。効果が定かでないこのミサイル防衛システムを、北朝鮮との緊張が緩和しつつある中で、どうしても導入するのは、米国の属国として米国大統領の命ずるままに我が国の国民の資産を米国に差し出すということだ。その一方で、研究予算を削り、政官が大学に利権を要求する競争的研究資金を導入し続けている。その結果が、科学技術研究の遅れと、政官の腐敗だ。

高等教育行政が、科学研究だけでなく、全般に劣化している。経済界の要求に沿って、産業にすぐに役に立つ研究・学問が奨励され続けている。端的に言えば、ヘンテコな名称の学部・学科の誕生だ。本当のイノヴェーションを起こす基礎的な研究がなおざりにされている。研究予算削減だけでなく、こうした悪い意味での実利を追求させる教育行政が、我が国の科学技術研究・基礎的学問研究を蝕んでいる。

私の前のポストに大分ダブルが、団藤保晴氏が我が国の科学技術研究の失速・退歩についてBLOGOSに投稿している。

こちら。

科学技術力の低迷 

我が国の科学技術力が低下しているという記事。

その理由は明らかだ。大学への補助金、運営交付金が「機械的に」減らされ続けてきたことによる。とくに、文系の基礎的な学問が蔑ろにされているが、すべての学部で経済的に苦しくなっている。

国立大学運営交付金の推移は、こちら。

代わりに大学研究に、例の軍事研究のようにひも付き研究予算を多くつけるようになっている。だが、それでも特に地方大学の経営状況は悪化する一方。

その収入不足をどうやって補うか・・・産業界が非正規雇用を増やしたように、大学も任期制のポストを増やし続けている。研究者の非正規化である。すると、足を地につけた研究ができなくなる。また、人員自体が減らされており、常勤ポストも含めて、研究に割ける時間が減っている。

これで、科学研究の地盤沈下が起きているという分かりやすい構図だ。THS等の大学ランクでも、我が国の大学は軒並みランクを落としている。最高が東大の46位だったか・・・アジアでも、中国、韓国、シンガポールなどの大学に抜かれている。

現政権は、イージスアショアの導入に2000億円をポンとだすが、こうした基礎的な研究分野への予算は削りに削っている。これは、将来のわが国の国力を削ぐことになる。

以下、東京新聞から引用~~~

日本の科学技術「力が急激に弱まった」 白書を閣議決定
小宮山亮磨2018年6月13日06時29分

 政府は12日、科学技術について日本の基盤的な力が急激に弱まってきているとする、2018年版の科学技術白書を閣議決定した。引用数が多く影響力の大きい学術論文数の減少などを指摘している。

 白書によると、日本の研究者による論文数は、04年の6万8千本をピークに減り、15年は6万2千本になった。主要国で減少しているのは日本だけだという。同期間に中国は約5倍に増えて24万7千本に、米国も23%増の27万2千本になった。

 また、研究の影響力を示す論文の引用回数で見ると、上位1割に入る論文数で、日本は03~05年の5・5%(世界4位)から、13~15年は3・1%(9位)に下がった。

 海外の研究者と共同で書いた論文ほど注目を集めやすいが、日本の研究者は海外との交流が減っている。00年度に海外に派遣された研究者の数は7674人だったが、15年度は4415人に。海外から受け入れた研究者の数も、00年度以降は1万2千~1万5千人程度で横ばいを続けている。

 白書は大学に対し、会議を減らして教員らが研究に割ける時間を確保することなどを提言。政府には研究への十分な投資や、若手研究者が腰をすえて研究に取り組める「環境の整備」などを求めた。(小宮山亮磨)

軍事研究を大学から締め出す 

軍事研究、武器輸出は、倫理的に不適切であるだけでなく、ビジネスとしてもリスクが高いことを何度かアップしてきた。こちら。


最大の問題は、平和国家としてのわが国の信用を落とし、現実に世界各地で今も続く紛争を悪化させる問題だ。

だが、現政権は、安全保障技術開発推進制度を拡充し、大学・研究機関に軍備・武器関連技術の開発を促してきた。それは、武器輸出により当該企業に儲けさせるためである。

交付金を減らされ続ける大学にとっては、こうした制度で得られる資金は、研究継続のためにのどから手が出るほどに欲しいものだろう。だが、武器輸出国家への転落を食い止めるために、大学には踏ん張ってもらわねばならない。日本科学者会議が、我が国の大学で軍事研究を否定するないし制限する立場をとっている大学の一覧を公表している。こちら。だが、こうした大学は全大学の1/3程度に過ぎない。研究費が足りない若手研究者を中心に、軍事研究、軍事転用可能な民生の研究を自由化し、安全保障技術開発推進制度を利用できるようにしてもらいたいという動きもある。

現政権は、経済的な面から、科学研究を軍事に向けようと画策している。これは大きな禍根を残す。

京都大学が、軍事研究を行わない方針をサイト上で表明したという記事。社会的にこうした動きを支持し、支援することが大切だ。

以下、引用~~~

京大、軍事研究しない方針
「人類の幸福脅かす」

2018/3/28 23:16
©一般社団法人共同通信社

軍事研究を行わないとホームページで発表した京都大
 京都大は28日、軍事研究に関する基本方針をホームページで発表し、人類の幸福などを脅かすことにつながる軍事研究は行わないとした。

 方針では、京大の研究活動は平和貢献や社会の安寧、人類の幸福を目的とするものだと指摘。軍事研究はそれらを脅かすことにつながるとして、京大の研究者は、研究活動が社会に与える影響を自覚しながら、社会からの信頼に応えていくことが求められるとした。

 個別の事案に関して判断が必要な場合、学長が設置する委員会で審議するとした。



学問研究の後退 

京大の再生医科学研究所で、論文の捏造があったと話題になった。所長の山中伸弥教授をマスコミの一部は攻撃しているが、山中教授は捏造論文の直接的指導責任があるわけではなく、ちょっと的を外している。

論文を捏造した助教は、有期の任期のスタッフであり、限られた期間に業績を上げなくてはという焦りがあったのではないだろうか。勿論、捏造をした責任は重たいが、研究者の有期雇用の問題が背景にあるような気がする。再生医科研では、スタッフの9割が有期雇用であり、山中教授は仕事の半分を研究費集めに費やしているらしい。有期雇用が多いのは、もちろん人件費が潤沢とは言えないためだ。再生医科研は、それでも研究費が他の研究室と比べると多いと言われている。日本の医学研究の財政基盤が如何に貧弱であるかが分かろうというものだ。

理系の研究者はまだ恵まれているらしい。文系は、研究費のみならず、研究室・研究者のポジション自体が減らされ続けている。基礎的な学問は、特定の大学でしか研究できないように、文科省はもってゆくつもりらしい。

その一つの帰結が、この記事の内容だ。わが国から先端的な研究が、きわめて出にくい状況になっている。これは、国力の後退を意味する。

以下、引用~~~

科学論文数、日本6位に低下…米抜き中国トップ
18/01/25記事:読売新聞

 【ワシントン=三井誠】科学技術の研究論文数で中国が初めて米国を抜いて世界トップになったとする報告書を、全米科学財団(NSF)がまとめた。

 中国を始めとする新興勢力が研究開発費を大幅に増やして力をつける一方、日本はインドにも抜かれ、存在感を低下させている。

 報告書は各国の科学技術力を分析するため、科学分野への助成を担当するNSFが2年ごとにまとめている。2016年に発表された中国の論文数は約43万本で、約41万本だった米国を抜いた。日本は15年にインドに抜かれ、16年は中米印、ドイツ、英国に続く6位。昨年、文部科学省の研究機関が公表した13~15年の年平均論文数では、日本は米中独に次ぐ4位だった。

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