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訃報 W6NLK 

Tom W6NLKの奥様から、一昨日彼が逝去なさったとの知らせ。Tomとは昨年後半によく交信させて頂いていた。ブログでも紹介した。こちら

奥様の知らせのなかに、私には重たい言葉があった。私と交信するようになってから、他の方と交信することはなくなった、という。私の存在に対してお礼を言いたいと、ことあるごとに彼が交信のなかで言ってくださったことを思い出した。当時は、それは一種の外交辞令ではないかと思っていた。だが、どうそうではなかったらしい。私が価値のある特別な存在だったということではなく、彼の現状に関して、医療と、趣味を通して、同世代の人間としての関心を同じくしていたので、彼が私との交信を貴重なものと考えてくださったのだろう。決して私に何か優れたものがあったわけではない。

残念なことに、昨年末手術を受けてから、彼は徐々に弱って、二階の無線室に上ってゆくことができなくなってしまった。私も、メールで連絡を取らなければ、と思いつつ、この半年ほどご無沙汰をしてしまった。彼の苦しみ・・・それを端的に口に出す方ではなかったが・・・に対面することを、私が避けてしまっていたのではなかったか、とこころが痛む。

私の後悔の念など覆い尽くすように、彼はまだ見ぬ世界に旅立ってしまった。残されたご家族が感じるであろう空虚さに対して、天与の慰めがあることを祈りつつ、彼が、この世でのわずらいと苦痛から解放されたことを喜びたい。徐々に様々な機能が冒される病いと気丈に戦い、それと和解し、そして逝ってしまったTom。改めて、安らかに永遠の眠りにつかれることを祈りたい。

友人たちの回復を祈って 

私は、特定の宗教を信じているわけではないが、今日、明日と、友人、知り合いのために祈るような気持ちだ。

その対象のお一人は、今日ある臓器の悪性疾患のために手術を受けられたKemp K7UQHの奥様だ。彼女は、北海道出身の方で、Kempとは無線を通してのロマンスで結ばれた。1980年代にお二人の結婚式の写真を送って頂いたことがあった。2年前、半世紀近くの無線の付き合いをへて、シアトルで開かれたFOCの集まりでお目にかかってきた。奥様は可愛らしく、優しそうな方だった。2時間ほど時間をかけて、愛犬Luckyともども私たち夫婦に会いに来てくださったのだった。あの光り輝く結婚式から時間が経ったものだと、Kempとメールで話しをしたものだ。早期の病変らしいので、恐らく確実に回復なさることだろう。Kempは、毎週火曜日の夜遅く(こちらでは水曜日の夕方)、ジャズバンドの練習終了後、7メガにモービルから出てくるとのことだったので、今夕ワッチしようかと思ったが、考えてみれば、奥様の手術直後であり、まずお出にはならないだろうと、リグのスイッチは切った。

もう一方は、最近、このブログでも紹介した、Tom W6NLK。今朝、たまたま21メガでお目にかかった。彼は、明日脳のグリオーマの手術を受ける。グリオーマはたいてい浸潤性であり、彼の場合も治癒ではなく、腫瘍マスの剔出、減圧が主たる目的のようだ。それでも、彼はこの冒険にかけてみる、と言う。自らの人生に感謝している、そして(これはあまりに過分な言葉なのだが)私の存在に感謝すると言ってくださった。明日早朝、奥様に付き添われて入院、朝8時から4時間の予定の大手術を受けられる。彼は謙遜な人柄で、「CWを少し遅くしてくれないか」と率直に依頼してくるような方だ。こちらの時間で今夜遅く、彼の手術の成功とできるだけの回復を改めて祈りたいと思った。今日は彼の74回目の誕生日。誕生祝は、手術が終わってからですね、と申し上げた。

しんしんと冷え込むなか、友人たちのことを思いつつ過ごす。 

我が家の銀杏。かなり落葉している。

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W6NLK KC0VKN 

朝、大分冷えるようになってきた。今日は珍しく8時過ぎまで寝床から出られなかった。もう霜が降り出しているのかもしれない。起きて、朝飯を食べつつ(笑、21メガを覗く。北米全体が聞こえるが、東海岸、特にニューイングランドが弱い。

CQを出すと、NUT NUTと呼ぶ局あり・・・それだけで、Tom W6NLKと分かる。サフィックスの連呼で呼ばれると、あまり良い気分がしなくて、無視することが多いのだが、彼は別。ゆっくりしたCWで応答する。近所からクレームが入り、現在55ftの高さのInverted Veeを20ftほど下げなくてはならなくなったと少し残念そうだ。短いバーチカルを、フローティングで張ってみたらと勧めてみた。来月三日の手術に向けて、MRIやら術前検査を進めている由。そう、彼は、グリオーマでpalliativeな手術を受けることになっている。平静な気持ちでいる、とのこと。何時かは直接お目にかかってみたい方のお一人だ。

その後、踊る様なバグキーで呼んできてくれたのが、アイオワのJoe KC0VKN。彼は、CWopsやDXでも活躍している方で、確か若手に属する方だ。バグキーに噛みつかれて、いよいよラグチュー派の仲間入りか、なんとなれば、バグキーなぞというものはパイルアップでは非力だからね、と半分本気で吹っかけてみた。いや、バグキーのように特徴のあるキーイングは、パイルでも有効なことがあると彼は言う。だったら、いっそのこと、電源のレギュレーションの悪いアナログVFOを作り、それで送信してみたらどうか、音がチャピって尚更効果がでるのではないか・・・云々とバカ話。そういえば、私の自作の送信機は、CWの音が濁っていて、それでDXの応答が良かったのだとローカルから揶揄されたことを思い出した。いやぁ、美しい符号には憧れたのだが、貧乏ハム故あんな自作のリグしか作れなかったのだ、と言い返したかったのだったが・・・それも遠い過去の話になった。Joeは、Jim N3JTと親しいらしく、デイトンではいつも会って話をする由。私も、80年代以来の約束を果たして、東京で初めてお目にかかったと申し上げた。Joeのような若手には、ますます頑張ってもらって、CWの良い伝道者になってもらいたいものだ。JoeはまだDXにも関心があるようだが、このようにバグキーに手を染めるということは、CWの本道たるラグチューに回帰してきたということだ。めでたい。

こんな交信をして、週末の朝の時間が過ぎてゆく。明日、Joe AJ2Yが来訪されるので、少しシャックを掃除しなきゃ・・・。無線漬けだな・・・。

CONDXの良い21メガで 

今朝の21メガ、北米全体に開けている。東海岸はフラッターはあるが、QSBもなく入感している・・・だが、CQを出しても、あまり応答がない。

W6NLK Tomが呼んでくれた。San Diegoに住む方で、以前紹介した通り、脳腫瘍の加療中である。最近のPETでは、腫瘍内部の壊死と、腫瘍の縮小が認められたとのこと。治癒的ではないが、手術を受ける方向で検討する様子。その際に、ウイルスをベクターにした遺伝子治療を受けられるかどうか、医師の検討結果を待っているとのことだった。小生のブログを奥様が読んで楽しんでくださっている由。詩的な表現と言われるので、下手な英語の散文ですと返事。彼は、交信の初めに、少し遅く打ってくれと要望してこられた。これは実に嬉しいことだ。取れないのに、取れたかのように交信を進められるのは苦痛に近い。取れないならば、そうと、そして遅くしてもらいたいならそのように要望する、これが交信を実りあるものにする秘訣だろう。そのように表明するのは、恥ずかしいと思われるのは良く分かるのだが、実りのあるCW交信を希望している人間からすると、そうした要望は、大歓迎なのだ。Tomとは、彼の病状報告が主だが、いつも印象に残る交信である。

彼との交信を終えて、二三ラバスタをこなしているうちに、バンドが騒がしくなった。CQAPと打っている。アジアパシフィックのスプリントの開幕だ。その後もしばらく粘ったが、交信らしい交信はできず。7メガで二度ほどCQを出すが、誰からも呼ばれず。

CWの楽しさ、意味は、一つには、読み書きと同等のプロセスであることに由来する知的な楽しみにある。これは繰り返し、記してきた。もう一つは、じっくり話をすることによって相手を深く理解することにある。コンテストは、いずれの点でも、対極にある。ビッグコンテスターと言われる人々の大多数は、数年もすると無線から去って行くことが多い。飽きるのだろう。このあたりの事情を、さらにブログや、無線雑誌等への投稿を通じて、発信してゆきたいものだ・・と思いつつ、ついつい後回しになっている 苦笑。コンテスト、パイルごっこだけだと、すぐ飽きる、ということを言い続けなければならない・・・。

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