「電鍵が壊れている」 

昨夜遅く寝る前に、7メガを一通りワッチし、一度CQを出した。すると、Benny K5KVからコールがあった。午後11時過ぎていたが、まだ結構強い。夏至から2か月近く経ったことを改めて思った。

彼は、Don WB6BEEが14メガでドイツの局と交信しているのをワッチしていたらしい。で、そのドイツの局曰く、「あなたの電鍵が故障している」。Donはご存知の通り、バグキーマニアで、毎月コレクションのなかから異なるバグキーを取り出して運用している・・・これはあからさまにはDonに言えないのだが、バグキーによる差異は余りない。

そのドイツの局にとっては、バグキーによるキーイングが乱れており、親切心から「電鍵が故障している」とDonに注意したのだろう。Donが、どのように答えたかは分からないが、Bennyが聞いた限りでは、その後Donはできるだけ整った符号を打つようにしている様子だったとのこと。

Donのようにバグキーでの通信を愉しんでいる方はあまりいない。彼はバグキーが生み出す符号を愛しているのだ。そのドイツのおそらくニューカマーのコメントを聴いて、どんな感想をもったやら・・・彼らのやり取りを想像して、思わず声をあげて笑ってしまった。

だが、少し考えると、CWの世界がそれだけ縮小してきている、CWの芸術的な技を理解できるハムが減少している、ということだ。FOCの中でさえ、バグキーキーイングは、邪道だとまでは言わないが、好ましくないと堂々と述べるメンバーもいるほど。やはり、CWは廃れ行く技能なのだろうか。

W7 FOC EVENTから5年 

シアトルのFred K1NVYと会った。7メガCW。いつもの元気さ。庭仕事が一段落したから、シャックにこもってリグの改造のプロジェクトに取り掛かった由。そういえば、W7 FOC EVENTというFOCの集まりで彼に直接会ってから、もう5年が経った。直接お会いした面々でactiveに出ておられるのは(もちろん、こちらで聞く限りということだが)、彼だけ。他の面々は時々耳にするか、またはこの数年間全く聞こえなくなったかの何れか。

5年前の旅行記は「北米西海岸への旅」と題して、7回にわけて投稿した。 こちら。

当時activeだったW7QC、W7FUその他の面々はどうしていることだろうか。シアトル在住の方で時々耳にするのは、W7GKFとAC2K。EVENTに不参加だったN6TTは仕事と他の趣味に忙しくQRT状態。W9KNIもDXのパイルでさえも聞こえない。K7UQHも、7メガの夕方時折聞こえていたが、この2,3年は聞こえず・・・W6CYXは、1200回目の交信を終えた辺りからとんと聞こえなくなってしまった。AC2Kは近々ニューメキシコに転居すると言っているし、もうあの集まりの続編はないのだろうか。さまざまな事情がおありになることだろうが、ただ健康にすごしておられることを望むのみ。

ニューメキシコ、サンタフェで、来年4月、W5 FOC EVENTが開催されると、John K1JDが教えてくれた。ぜひ、来るように、と・・・。もう名所旧跡や観光地を巡る旅にはほとんど関心がないのだが、30年以上前からの知り合いに一度直接お目にかかることには心惹かれる。Johnと、奥様のBetsyは、私と同じ1949年生まれ。49ersと称しているらしい。同年配の連中と会える貴重な、おそらく最後の機会だ・・・さて、どうするか思案の為所だ。

インフレを起こしたコンテスト 

FOCのMLで、コンテスターによる通常交信への妨害を訴えた方がいた。それを、コンテスター対アンチコンテスターの議論に変えた方がいた。そこに、ある人物がコンテストが多すぎるという議論を投げかけた。

その最後の人物は、Karl DJ5ILである。二番目は、Roger G3SXW他、最初の問題提起は、Don WB0BEEだ。

このすれ違いの議論自体にあまり深入りする積りはないが、コンテストが多すぎというKarlの意見には大いに頷かせられる。彼はSM3CERのコンテスト予定表4月分を引っ張ってきた(下記の一覧表)。

凄まじい数だ。目立つのは、平日に行われるコンテスト、短時間のコンテストが多いこと。これにJAだけのコンテストを含めると、年がら年中コンテストである。

コンテストを頻繁に平日に行う慣習を持ち込んだのは、CWopsの”功績”だろう。また、短時間のコンテストは、それだけ普通の交信をする方に配慮しているかというと、決してそんなことはない。意図してか意図せざるうちにか、コンテストの始まりに、コンテスターが非コンテスト局に妨害を与えることになる。Donの訴えも、それであった。短時間のコンテストを繰り返し行えば、その可能性がそれだけ増える。

何故、このコンテストのインフレが起きたのか、それをよく考える必要がありそうだ。コンテストの主催者は、コンテストによってアマチュア無線を活性化したいという思いがあって、当該コンテストを主催しているのだろう。活性化したいという希望の背景には、不活化している、という事態があるのではないか。いわば、質が劣化してきたので、量でカバーしようという発想なのではないだろうか。その発想は、分からぬでもないのだが、その発想「だけ」では問題は全く解決しない。それが、分かっているのだろうか。量的拡大はそろそろやめにして、質的な改善を考える時期に来ているのではないだろうか。

------- (From-to) --------- -----------------------------------------
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DATE WEEKDAY - TIME UTC CONTEST NAME - MODE
------- ------------------- -----------------------------------------
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1-31 Sun 0000 - Sun 2359 CQ DX Marathon - All
Jan-Dec

1- 2 Sat 0000 - Sun 2359 15-Meter SSTV Dash Contest - SSTV
1 Sat 0400 - 0800 LZ Open 40 m Sprint Contest - CW
1- 2 Sat 1000 - Sun 0400 PODXS 070 Club 31 Flavors Cont. (20 m) -
PSK
(Choose any 6 hour block)
1 Sat 1400 - 2200 Florida State Parks on the Air - CW/SSB
1- 2 Sat 1400 - Sun 0200 Mississippi QSO Party - CW/Digital/Phone
1- 2 Sat 1400 - Sun 0400 Missouri QSO Party (1) - CW/Digital/Phon
e
1- 2 Sat 1500 - Sun 1500 SP DX Contest - CW/SSB
1- 2 Sat 1600 - Sun 1600 EA RTTY Contest - RTTY
2 Sun 0000 - 0400 North American Sprint - SSB
2 Sun 1400 - 2000 Missouri QSO Party (2) - CW/Digital/Phon
e
2 Sun 1900 - 2030 RSGB RoLo Contest (3600-3650 kHz) - SSB

3 Mon 1600 - 1900 CZ-EPC Activity - PSK31/PSK63/PSK125
3 Mon 1630 - 1729 OK1WC Memorial Activity 1 (80/40 m) - CW
/SSB
3 Mon 1900 - 2030 RSGB 80 m Club Championship - CW
4 Tue 0100 - 0300 ARS Spartan Sprint - CW
5 Wed 0230 - 0300 Phone Fray (1) - SSB
5 Wed 1300 - 1400 CWops Mini-CWT Test (1) - CW
5 Wed 1700 - 1859 Mini-Contest (1) (40/80 m) - CW
5 Wed 1900 - 2000 CWops Mini-CWT Test (2) - CW
5 Wed 2000 - 2100 UKEICC 80 m Contest (3700-3775 kHz) - SS
B
6 Thu 0300 - 0400 CWops Mini-CWT Test (3) - CW
6 Thu 1700 - 2100 10 meter NAC - CW/SSB/FM/Digital
6 Thu 1700 - 2000 SARL 80 m QSO Party - SSB
6 Thu 1945 - 2215 SKCC Straight Key Sprint Europe (SKSE) -
CW

8 Sat 0600 - 0659 PGA-TEST (80 m) - CW/SSB
8- 9 Sat 0700 - Sun 1300 Japan International DX Contest - CW
8 Sat 1200 - 1700 DIG QSO Party (10/15/20 m) - CW
8- 9 Sat 1200 - Sun 1200 OK-OM DX SSB Contest - SSB
8- 9 Sat 1200 - Sun 2359 QRP ARCI Spring QSO Party - CW
8- 9 Sat 1200 - Sun 2359 SKCC Weekend Sprintathon - CW
8- 9 Sat 1400 - Sun 0200 New Mexico QSO Party - CW/Digital/SSB
8- 9 Sat 1400 - Sun 0200 Texas State Parks On The Air (1) - CW/Di
gi/Phone
8- 9 Sat 1800 - Sun 0359 Georgia QSO Party (1) - CW/SSB
8- 9 Sat 2100 - Sun 2100 Yuri Gagarin International DX Contest -
CW
9 Sun 0700 - 0900 DIG QSO Party (80 m) - CW
9 Sun 0700 - 1100 Int. Vintage Cont. (1) (80/40/20 m) - AM
/CW/SSB
9 Sun 0900 - 1100 DIG QSO Party (40 m) - CW
9 Sun 1300 - 1900 Int. Vintage Cont. (2) (20/40/80 m) - AM
/CW/SSB
9 Sun 1400 - 1600 FISTS Ladder Activity 1 - CW
9 Sun 1400 - 2359 Georgia QSO Party (2) - CW/SSB
9 Sun 1400 - 2000 Texas State Parks On The Air (2) - CW/Di
gi/Phone
9 Sun 1500 - 1700 Hungarian Straight Key Cont. (3520-3570
kHz) - CW
9 Sun 1800 - 2000 FISTS Ladder Activity 2 - CW

10 Mon 0000 - 0200 Four States QRP Group 2nd Sunday Spr. -
CW/SSB
10 Mon 1630 - 1729 OK1WC Memorial Activity 2 (80/40 m) - CW
/SSB
12 Wed 0030 - 0230 NAQCC Straight Key/Bug QRP Sprint - CW
12 Wed 0230 - 0300 Phone Fray (2) - SSB
12 Wed 1300 - 1400 CWops Mini-CWT Test (4) - CW
12 Wed 1700 - 1859 Mini-Contest (2) (40/80 m) - CW
12 Wed 1900 - 2000 CWops Mini-CWT Test (5) - CW
12 Wed 1900 - 2030 RSGB 80 m Club Championship - SSB
13 Thu 0300 - 0400 CWops Mini-CWT Test (6) - CW
13 Thu 1700 - 2100 NAC 50 MHz (Aktivitetstest) - All
13 Thu 1900 - 2130 RSGB 50 MHz UKAC - CW/SSB

14-15 Fri 2100 - Sat 2100 *?* Holyland DX Contest - CW/Digital/SSB
15 Sat 0500 - 0859 ES Open HF Championship (80/40 m) - CW/S
SB
15-16 Sat 0600 - Sun 0559 WAPC DX Contest - CW/SSB
15-16 Sat 0700 - Sun 1700 France BPSK Contest - BPSK31/BPSK63/BPSK
125
15-16 Sat 1200 - Sun 2359 CQMM DX Contest - CW
15-16 Sat 1200 - Sun 1159 YU DX Contest - CW/SSB
15-16 Sat 1600 - Sun 0400 Michigan QSO Party - CW/SSB
15 Sat 1700 - 2000 EA-QRP CW Contest (1) (10/15/20 m) - CW
15 Sat 1800 - 2159 Feld-Hell Club Sprint - Feld-Hell
15-16 Sat 1800 - Sun 1800 *?* North Dakota QSO Party - CW/Digital/
Phone
15-16 Sat 1800 - Sun 0500 Ontario QSO Party (1) - CW/SSB
15 Sat 2000 - 2300 EA-QRP CW Contest (2) (40/80 m) - CW
16 Sun 0700 - 0900 EA-QRP CW Contest (3) (40 m) - CW
16 Sun 0900 - 1200 EA-QRP CW Contest (4) (20/15/10 m) - CW
16 Sun 1200 - 1800 Ontario QSO Party (2) - CW/SSB
16 Sun 1200 - 1400 WAB Contest (1) (20/40/80 m) - RTTY
16 Sun 1400 - 1500 SSA Månadstest nr 4 (40/80 m) - SSB
16 Sun 1400 - 1600 WAB Contest (1) (20/40/80 m) - PSK
16 Sun 1515 - 1615 SSA Månadstest nr 4 (40/80 m) - CW
16 Sun 1800 - 2359 ARRL Rookie Roundup - SSB
16 Sun 1800 - 2000 WAB Contest (2) (20/40/80 m) - RTTY
16 Sun 2000 - 2200 WAB Contest (2) (20/40/80 m) - PSK

17 Mon 0100 - 0300 Run For The Bacon QRP Contest - CW
17 Mon 1400 - 2000 Low Power Spring Sprint - CW
17 Mon 1630 - 1729 OK1WC Memorial Activity 3 (80/40 m) - CW
/SSB
19 Wed 0230 - 0300 Phone Fray (3) - SSB
19 Wed 1300 - 1400 CWops Mini-CWT Test (7) - CW
19 Wed 1700 - 1859 Mini-Contest (3) (40/80 m) - CW
19 Wed 1800 - 2000 MOON Contest (6 m) - CW/Digital/SSB
19 Wed 1900 - 2000 CWops Mini-CWT Test (8) - CW
20 Thu 0300 - 0400 CWops Mini-CWT Test (9) - CW

22 Sat 0600 - 0659 PGA-DIGI (80 m) - PSK63/RTTY
22 Sat 0800 - 1800 QRP To the Field - CW/SSB (NOT UTC)
- Your LOCAL time!
22-23 Sat 1200 - Sun 1200 SP DX RTTY Contest - RTTY
22-23 Sat 1200 - Sun 1200 UK/EI DX Contest - CW
22-23 Sat 1300 - Sun 0100 Nebraska QSO Party (1) - CW/Digital/Phon
e
23 Sun 1300 - 2200 Nebraska QSO Party (2) - CW/Digital/Phon
e
23 Sun 1300 - 1859 UA1DZ Memorial Cup - CW/SSB
23 Sun 1400 - 1600 FISTS Ladder Activity 3 - CW
23 Sun 1700 - 2059 BARTG Sprint 75 - RTTY 75 Bd
23 Sun 1800 - 2000 FISTS Ladder Activity 4 - CW

24-28 Mon 0000 - Fri 2359 EUCW QRS Activity Week - CW
24 Mon 1630 - 1729 OK1WC Memorial Activity 4 (80/40 m) - CW
/SSB
25 Tue 1700 - 2100 50 MHz Open Cumulative Contest - CW/SSB
26 Wed 0000 - 0200 SKCC Straight Key Sprint - CW
26 Wed 0230 - 0300 Phone Fray (4) - SSB
26 Wed 1300 - 1400 CWops Mini-CWT Test (10) - CW
26 Wed 1700 - 1859 Mini-Contest (4) (40/80 m) - CW
26 Wed 1900 - 2000 CWops Mini-CWT Test (11) - CW
26 Wed 2000 - 2100 UKEICC 80 m Contest (3510-3560 kHz) - CW
27 Thu 0300 - 0400 CWops Mini-CWT Test (12) - CW
27 Thu 1900 - 2030 RSGB 80 m Club Championship - PSK/RTTY

29 Sat 0000 - 2359 Feld-Hell Club Sprint - Feld-Hell
29-30 Sat 0001 - Sun 2359 10-10 Int. Spring QSO Party - Digital
29-30 Sat 1300 - Sun 1259 Helvetia Contest - CW/Digital/SSB
29-30 Sat 1600 - Sun 0159 Florida QSO Party (1) - CW/Phone
30 Sun 1200 - 2159 Florida QSO Party (2) - CW/Phone
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暗記受信の訓練方法;単語間スペースの重要性 

暗記受信の訓練方法について、このブログでも何度か取り上げた。試しに、暗記受信、訓練でこのブログ内の検索をしてみると、いくつかヒットする。こちら。このなかでも、2014/8/23の「如何にしてCWを読むか」が、今のところの私の考えのまとめだ。ワーキングメモリーセオリーを当てはめて、そこからより深く分析し、進展させるのが、現在の課題だ。

ある方から、実際の訓練方法について質問を頂き、上記に記したことと、「モールス通信」(CQ出版)に記したことを合わせて回答とさせて頂いた。実践的な訓練で、強調すべきことは、単語の間のスペースを大きく取ることが重要だということだ。

受信するプロセスを改めて考えてみると・・・

文字・・・これは符号とアルファベットの一対一対応であり、符号を覚えることにつきる。実際の受信では、この段階は無意識に近い状態でなされる。  

単語・・・問題はここだ。単語を正確にコピーし、その意味を把握することが以下のプロセスを進める上で大切になる。単語単位で意味を取るわけだから、単語と単語の間を十分空けてもらうことが、受信練習では有効だ。単語のスペルを把握し、その意味を考えているうちに、次の単語が送られてきてしまうことが、ビギナーの時代には必ず起きる。従って、単語間のスペースを空けてもらうことにより、単語の意味の把握がより容易になる。

英語の知識が増えてくると、単語のスペルの一部分を聞いただけで、その後のスペルが予測でき、したがってその単語を早く把握することができるようになる。英語の最低限の知識が必要になるのは、一つにはこれによる。

少し上達してくると、文脈上次に来るであろう単語の予測もつくようになる。

文章・・・意味の理解できた単語の羅列と、その時制、疑問形・仮定法の有無などから、文章の意味を理解することになる。これは、次の文脈の理解とも関係してくる。過去に送られてきた文章、文脈から、現在受信している文章の意味の把握がより強固になる。逆に、現在の文章から、過去の文脈の理解の妥当性が検証されることになる。

文脈・・・最終的には、過去の文脈と、現在送られているメッセージの文脈を総合して理解することになる。この際に、キーワードをメモすることも大切だろう。

ヒトの記憶力のバッファーは、限られている。だが、こうして「意味を理解する」ことによって、記憶のバッファーは大きく増えるわけだ。

以上、当たり前と言えば当たり前の受信の解析をしてみた。単語間を空けてもらうことで、受信能力は飛躍的に増大し、それが将来の高速CW受信につながる。

老化と電信 

先日、Ben AA6BKと14メガでお会いした。この2,3年、しばしばお目にかかる方だ。80歳を超した年齢だが、海外旅行によく出かける。来月には、息子さん家族の住むロンドンに出かけるのを楽しみにしている、とのことだった。知的にもしっかりしておられる。

彼は、イスラエルから1960年代に米国に移住なさった方で、一頃、商船の無線通信士をしておられたようだ。受信はいくらでも早くできるのだが、送信がどうもままならないと不満な様子。確かに、短点が多すぎたり、少なすぎたり、また短長点の移行がスムースにいかないこともある。だが、送られる内容自体は問題なく了解できる。その旨、申し上げたが、やはり昔テキパキと送信できていたころがあっただけに、忸怩たるところがある様子だった。

電鍵操作は、手、指、それに一部腕の筋緊張(のコントロール)と俊敏な動きが維持されないと難しい。加齢とともに、筋緊張が増し、筋緊張のコントロールと俊敏な動き両者が難しくなるのは事実だろう。筋肉自体よりも、中枢神経系の老化がその原因だろうから、若い時代の能力を維持し続けるのは難しいのかもしれない。だが、電鍵操作も一種の運動だ。運動を続けることによって、老化の進展を防ぐ、ないし遅くすることはできるのではないだろうか。楽器の演奏も運動の側面がある。昔、チェロの名手ロストロポーヴィッチが、ナショナル交響楽団の指揮者に就任する際に、チェリストとしての技量が落ちるのではないかというニュアンスの質問をされ、「いや、毎日2時間ほど練習を続けるから大丈夫だ」と答えていた。この2時間という練習量に驚かされたものだが、練習を続けることの大切さにこそ目を向けるべきなのだろう。我々が皆ロストロポーヴィッチにならねばならないわけではないのだから。

問題は、老化に伴い、モノローグの一方通行が増えることだ。送信内容が画一化され、自分語りだけになってしまうこと。これは、かなり意識していないと、誰でも歳をとるに従い、生じる問題のような気がする。電信の知的な側面がかかわることであり、常に様々なことに興味を持ち、他者へ関心を抱き続けることが重要なのだろう。老化による知的側面の退行は、将来への関心を抱かなくなること、周囲への興味の喪失、そして自分の殻のなかに閉じこもることとして出現するのではないだろうか。これを完全に防ぐことは難しい。だが、そうならぬようにと意識すること、普段の交信のなかでそうした退行がないか自らチェックすることが大切なのではないか。

運動・知的活動両面から、立派な電信を聞かせてくれる高齢の方にお目にかかると、自分自身願わくばそうありたいと思うものだ。私自身への戒め、目標として記してみた。

でも、意味のある交信自体が少なくなってきているのは繰り返し述べている通りだ。このポストの内容も、何回となく述べたことがある…老化か。

暗記受信を試みる方へ 

CWの暗記受信をものにしようとチャレンジする方が少なくなってきているように感じる。暗記受信をしない選択もある。コンテストや、ラバスタの交信を楽しむこともできるし、いざとなればdecoderの出番である。

しかし、やはり暗記受信によって、丁々発止の会話を楽しむことは、やはり魅力的であり、永続的に楽しむには必須のことだ。

すでに、暗記受信の方法論については、何度も記した。が、ここでもう一度まとめておきたい。

〇英語の問題で尻込みする方も多いのではないだろうか。ただ、繰り返し述べている通り、リスニングとスピーチは必要ない。もっぱら、書くことと読むことと相似の能力だけが必要だ。そして、構文、単語ともに中学生レベル程度で十分間に合う。ただし、綴りは正確な知識が必要になる。簡単な文章を定期的に読み続けること。簡単なことがらを英訳してみること。その際に、スペルは正確さが必要だ。私は、いまでもノートを時々つけている。繰り返すことと、正確なスペルを把握するためだ。とくに送信する英語については、単語の羅列でも通じることが多いが、相手の送信内容を読むことは会話が成立するために必須である。

〇単語単位で意味を把握すること。暗記受信とは、聞いた英文をすべて暗記することではない。また、単語の一部を音として覚えることでもない。単語の一つ一つの意味を理解し、それを記憶に留めることが、暗記受信の本態だ。このためには、単語の間のスペースが十分あることが望ましい。もし、単語の羅列で意味がとれないとしたら、単語間のスペースが不十分なこともある。その場合は、相手に単語間のスペースを空けてくれるように依頼すべきだ。文字間のスペースを不必要に空けられると、かえって取りにくくなることが多い。文字間と、単語間のスペースの総体的な比率で、単語を単語として認識するからだ。例えば、

1)I AM A RETIRED PEDIATRICIAN

2)I A M A R E T I R E D P E D I A T R I C I A N

単語間スペースは同じでも、文字間のスペースが大きい 2)は読みづらいことが分かるだろう。受信でも事情は全く同じである。単語間スペースを十分に空ければ、最初からある程度の速度のCWでも受信できることが多い。

単語単位で意味を取ることにより、文章の構造、さらには、その後に来るであろう単語を予測できることも多い。さらに、以前に送られた内容の理解を振り返り訂正することもできる。ある瞬間において、その先の予測、過去の反省を繰り返しつつ進める。これが暗記受信の本態だ。

〇暗記受信がある程度できるようになったら、ぜひ双方向性の会話、というか会話そのものを楽しんでいただきたい。こちらの言いたいことを述べる、相手の反応を聞く、それに対する意見を述べる、という一連のプロセスが、まがりなりにも進行するようになれば、楽しみは大いに増す。残念ながら、CWの世界では、nativeの方であっても、モノローグになってしまい、モノローグの応酬で終わることが結構多い。JA同士の間では猶更その傾向がある。そこから一歩抜け出すと、さらに広やかな世界が目の前に広がる。

と偉そうに述べたが、私もまだ学習途上というか、劣化防止途上である。相手をして下さる方がいれば、7メガで暗記受信での交信をお願いしたい。きっちりとしたスケジュールは無理だが、ある程度の融通を効かせる約束であれば、実行できる。交信内容の検討をメールで、交信終了後に行うことも可能だ(というか、それが学習を進めるために必要だろう)。もし希望者がいらっしゃったら、このブログの私宛の秘匿コメントで一言頂きたい。その際に、返信メールアドレスをお忘れなく。

最後の光芒 

陽が落ちる2,3時間前から、7メガは北米に開け始める。これまで何度も記してきたことだが、このバンド、パスが私の一番の好みだ。無線を始めて、海外からの信号を初めて聞いたのが、この時間帯の7メガだ。ラグチューに目覚めて、西海岸や、オーストラリアの局に相手をしていただいたのも、このバンドだ。これも繰り返しているが、最近は、この時間帯に7メガに出てくる西海岸のOM達がめっきり、というか絶滅近くまで減少している。本当に時折、Ellen W1YLや、限られたOM・YLが出てくるだけだ。

この愚痴を、無線関係者の多いSNSで記すと、北米のハムからのリスポンスは二種類。一つは、その時間帯には寝ちゃっているよ、という至極当然なもの。もう一つは、ラグチュワーは3.5メガに移っているというもの。

あの時間帯に西海岸のOMが聞こえなくなった本当の理由、それはハム人口の高齢化だろう。1960年代、1980年代、まだあの時間帯に7メガに出没していた、ラグチュワーの多くは、60から80歳台。そして、昔、プロの通信士だったという方も多かった。そうしたOMが夜な夜な出てきては、日本の若いCWオタクを相手にしてくれていたわけだ。W6JAL、W4BW、K5BGB、W6VIJ、K6NB、K6PA、K6RA、K7UQH等々・・・これ以外にも多くのコールが脳裏に浮かぶ。彼らの多くは、すでにサイレントキーになったか、activityを落としたかのいずれかだ。プロの通信士上がりの方の楽しみ方は、CWを用いての会話だけである。年齢とCW能力の豊かさから、遠い極東からCWで話しかける若者の相手をするだけの余裕を持っていたのだろう。彼らの大多数がバンドから姿を消したことは事実だ。

寝っちゃっているという方は、仕事をしているか、少なくともリタイアで悠々たる生活を送っていない方が多いのかもしれない。もう一つの理由、3.5メガに移ってしまったというのが少し気になる。ラグチュワーは、ワイアーアンテナでベアフット、場合によってはリニアを炊くという設備の方が多い。CONDXのためなのか、はたまたJAでラグチューを楽しむ方が皆無になってしまったためなのか、WのそうしたOM連中は、国内同士での交信を楽しむために、国内CONDXの安定している3.5メガに移ったということなのかもしれない。JAのラグチュワーが減ったことが直接の理由ではないにしても、国内同士の交信に軸足を移している、ということなのだろう。Wのラグチュー好きなOMがゆっくりと相手をしてくれることが、JAのラグチュワーが育つ大きな要因だったような気がするので、この現象、一種のモンロー主義(!)は、JAのラグチュー志向のCWマンにとっては憂慮すべきことではなかろうか。

14メガも、大同小異のような印象がある。はてさて、我々はCWで会話を楽しむ時代の最後の光芒が消えつつある時代を生きているということか。

太陽活動サイクル最低期に突入 

バンドは、高い方はほぼ全滅、低い方も聞こえていても何かベールを通して聞くような具合だ。午後早く、7メガでは西海岸が安定してはいるはずなのだが(それが私のもっともお気に入りのパスだった)、聞こえても弱い。そして、西海岸の夜更かし組が出てこない。

それを某SNSでぼやいたら、某ポピュリスト大統領の任期と同じ期間、バンドは低調になるね、とW6の某氏がコメントをくれた。また、別な私と同世代のWのOMは、私信で、あと何回solar cycleを経験できるか、と書いてよこした。太陽黒点数はゼロが続き、太陽活動サイクルの底が始まったことを意味していると、こちらにはある。

無線をあきらめるか、ネット上のバーチャル電離層を利用するか、それとも冬ごもりよろしく細々と続けるか。考えどころではある。

と、ここで愚痴を書いていたら、今夜は少し持ち直したようだ。今週末は、北米のNAQP。

CW Fix 

最近はあまり聞こえないが、14メガで朝方、米国では午後遅く、N7RC Dickが時折出てくる。以前にこのブログでも紹介したが、リタイアして、北カリフォルニアで農場を営んでいる方だ。家畜相手の仕事や、農場の作業で疲れて、CW fixを楽しみに出てきた、というのが常である。CW fixとは、一服のCW交信といった意味なのだろう。

一服するというと、お茶がつきものだが、お茶にはカフェインが入っており、意識レベルを高め脳の機能を活発にする作用がある。疲れた体に、そうした刺激が心地よいのだ。CWにも同じような効果があるのかもしれないと、最近つとに思うようになってきた。人間の知的作業は、working memory WMという機能が中心的な役割を果たしていることが分かっている。WMは、short term memoryとlong term memoryを橋渡しし、両者の統合を行う場ということらしい。言い換えれば、直近の記憶と、以前からの記憶を統合して、何事かの知的作業を行う、ということだろうか。

毎朝、私は、目を覚ますと朝食とコーヒーを作り、シャックにこもる。今日はどのようなCW fixがあるか楽しみにスイッチをオンにする。だが、残念なことに、何も聞こえないか、まるで仕事をするかのようにナンバーの交換をしている局が聞こえるだけ、ということが多い。これでは、CW fixにはならないなとつぶやきながら、スイッチをオフにすることが多い。

昨夜7メガで会った、Ken N7KMによると、ラグチュワー達は3.5メガにたくさん出ているらしい。現在、7メガは近場にはスキップすることが多いので、米国同士の交信だと3.5メガが好都合なのかもしれない。でも、東アジアのこちらからは、3.5メガでラグチューするのはちとつらい。 こちらの夕方早い時間帯に7メガが全世界に開け、それを利用して、ラグチューを楽しむ、という習慣は廃れてしまったのか。小規模の内輪の集団で楽しくやるのも良いのだが、やはり電離層を利用して遠くの友人とCW fixをするよりも刺激的で、楽しいことはないように思うのだが・・・。

DXとDXぺディションの問題 

先日、Lou VK5EEEから同胞メールがあり、DXCC、DXについてかなり過激な内容が記されていた。

フィジーでは、Conway Reef とかRotumaでの運用許可を得るために、DXぺディショナー達が免許発行当局者に露骨な賄賂・饗応を行っている、というのだ。そうした海外から短期間運用するためにやってくるハムにより、現地のハムが迷惑をこうむっている、という。そして、短期間の運用者達は、バンド中を混乱させる。これだったら、DXCCには現地のハムの運用だけを認めることにすべきではないか、というのがLouの提言だ。

私が、友人たちとXUに出かて無線をした経験、そのご某有名DXぺディショナーがXUを訪れて様々な無理難題を当局に押し付け、その結果XU8DXが閉局に追いやられた経緯からすると、彼の言うことに一理はある。アマチュア無線が国際親善に寄与すべきだという目的からすると、DXぺディションが現地のハムに迷惑になったり、当局に不味い印象を与えて同地のアマチュア無線事情を悪化させることはあってはいけない。

また、それ以前に、DXとは何かという問題もある。本来は自分の通信環境と通信技術を試すためにあった。その建前はすでにほぼ過去のことになってしまっている。現在は、大多数のDXerは、既製品のリグとアンテナでただただ一番乗り、相手を蹴落として交信することだけを目的としている。あのバカでかいアンテナと高価なリグに莫大な投資をして、皆よりも先に応答を得る刹那的な快感だけを求めている。彼らの大多数は60歳かそれ以上の年配者だ。昔、小さな設備で苦労していた記憶を、現在の大きな設備で塗り替えたいと思っているのか。だが、そうした一時的な楽しみは長く続かない。また、若い人は、そうした一時的な快感に共感しない。やがて、年配者のDXerが現役引退すると、DXというカテゴリーが成立しがたくなることだろう。

DX、DXぺディションの現実には大きな問題がある、ということだ。