警察国家への道 

官邸の意向を受けて警察刑事部長がレイプ疑惑をもみ消した疑惑は、一頃マスメディアも盛んに取り上げたが、その後追及がとんと聞かれなくなってしまった。こちらのポストで扱った事件。

かって菅官房長官の秘書官だった、その刑事部長は、秘書官在職当時、安倍首相に批判的な古賀茂明氏のテレビ朝日報道番組からの降板に関わった。降板をテレビ朝日に働きかけたことは事実だ。

政治権力と、警察がつながり、政治権力に不都合な事件・人物をもみ消したのが本当だとすると、警察の存在意義自体に疑念が生じかねない。文字通りの「警察国家」である。こうした疑惑は、共謀罪法が国民一般を監視し強権的に取り締まるものであることを予表する。

山口某の準強姦容疑疑惑問題について、元検察官の若狭勝衆議院議員が、警察刑事部長の関与を批判している。こちら。

レイプという女性に対する精神的殺人に等しい事件に、現政権に近い人物が関与したことを警察権力を用いて握りつぶした、現政権の深刻な疑惑。同じ警察官僚による、政権に批判的な人物のマスメディアからの引きずり下し。これらが本当だとすると、我が国は、法治国家であることを止め、人治による警察国家になり下がったことを意味する。これほど深刻な事件を追及しない政治、そしてマスメディアは、責任を放棄している。この安倍政権を支持している方々も、警察国家による人権蹂躙の被害者にご自身、家族が何時なるかもしれないと考えておくべきだろう。自分は大丈夫だと思い込んでいると、「マルチンニーメラー牧師の悔い」を痛切な形で追体験することになる。

被害者として名乗りを上げた女性は、山口某の不起訴を不服として検察審査会に申し立てをしている。その結果を注目して行きたい。

以下、引用~~~

安倍政権と警察の闇--元TBS政治部記者のレイプ疑惑をもみ消した?「中村格刑事部長」とは何者なのか

2017年06月17日 06時00分 週プレNEWS

「新聞やテレビに、この疑惑を本気で追及しようとする姿勢が見られないことが何より問題」と訴える古賀茂明氏
被害女性が会見を開いて話題となった、元TBS政治部記者、山口敬之(のりゆき)氏のレイプ疑惑。

『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、山口氏の逮捕をもみ消したとされる人物の闇に迫る!

* * *

このほど上梓(じょうし) した『日本中枢の狂謀』(講談社)の刊行に際し、6月5日、日本外国特派員協会で記者会見を行なった。

武器輸出三原則の撤廃、安保法制や秘密保護法のゴリ押し、メディアコントロール―ここ数年の安倍「一強」政治を見るにつけ、日本は後戻りできない危機的状況に陥っているのではないかと危惧してきた。本書ではその権力中枢による“狂ったはかりごと”と、危機からの脱出の方法を書いたつもりだ。

この会見では、やはり加計(かけ)学園に関する質問が多かったが、私が驚いたのは、会見後も多くの記者から取材の電話がかかってきたことだ。その内容は、「中村格(いたる)とは何者なのか?」。そして、「中村格氏の圧力メールはどんな内容か」というものだ。

2015年3月いっぱいで、私はテレビ朝日の『報道ステーション』のコメンテーターを降板した。その2ヵ月前の1月23日のオンエアで、安倍首相が外遊中、「イスラム国と戦う周辺国に2億ドルを出す」と表明したことを批判し、「I am not ABE」と発言したのが原因だった。

このとき、私の発言に激怒した官邸からテレビ朝日の幹部に直接、抗議のメールをしてきたのが当時、菅義偉(よしひで)官房長官の秘書官だった中村格氏だった。後にテレビ朝日関係者からそのメール内容を知らされたが、相当に激烈な言葉で私への非難がつづられていたという。

この抗議がテレビ朝日を萎縮させた。オンエア直後、報道局長や政治部長など、局幹部が集まり対応策を協議。その後、私の降板が決まった。

外国人記者らは、この中村格という名前に強く反応した。

つい最近、「安倍首相と昵懇(じっこん)」とされる元TBS政治部記者、山口敬之(のりゆき)氏のレイプ疑惑が話題となった。被害に遭った女性が「逮捕状が出ながら、警視庁刑事部長の指示で、山口氏の逮捕がもみ消された」と告発したのだ。

この刑事部長こそ、中村格秘書官その人だった。警察庁から出向していた中村秘書官は、私が『報道ステーション』を降板する4日前の15年3月23日付で、警視庁刑事部長へと異動になっていたのだ。

15年6月、山口氏の逮捕状を請求したのは警視庁高輪(たかなわ)署だった。逮捕状は犯罪の証拠などを検察がチェックし、了解をした後、所轄からの請求を受け、裁判所が交付する。それを執行直前に所轄の“雲の上”の存在である警視庁本部の刑事部長が止めたのだ。警察幹部OBに聞いてもよっぽどの事情がなければありえないという回答が返ってきた。

私の『報道ステーション』からの降板と、この事件はつながっている―つまり政権の意を受けた中村氏が、メディアへの圧力や逮捕状の取り消しに暗躍しているのではないか、という疑惑である。

真相はまだわからない。ただ、私が何よりも問題だと思うのは、新聞やテレビに、この疑惑を本気で追及しようとする姿勢が見られないことだ。事実を証明するのが難しいからか、あるいは官邸の意向を忖度(そんたく)したのか、手を引いてしまっている。

言うまでもなく、メディアの役目は権力の監視である。安倍官邸の強権を背景にした警察の腐敗疑惑から目を背けるようなことがあってはならない。徹底した調査報道を望む。

●古賀茂明(こが・しげあき)

1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。新著は『日本中枢の狂謀』(講談社)。ウェブサイト『Synapse』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中

『望月記者の身辺調査』を官房長官が警察に命じた?! 

東京新聞の望月衣塑子記者について、菅官房長官が「身辺調査」を警察に命じたと週刊文春が報じるらしい。ことの真相は分からないが、大いにありそうなことではある。

前川前文科省事務次官についての似非スキャンダル記事が読売新聞に出る二日前に、読売新聞から前川氏にその記事に関連してインタビューしたいと連絡があり、その次の日に内閣官房から彼に「会う気があるか」と電話があったらしい。内閣官房からの連絡は、「何だったら、読売の記事を差し止めさせてやっても良い」というニュアンスであったと、前川氏は語っている。内閣官房からこの似非スキャンダル情報が読売に流され、それをネタに内閣官房が、前川氏に「総理の意向です」文書について証言しないように脅したということだ。

前川氏は、内閣官房からの脅しには乗らずに、決然として「行政が歪められた」ことを証言した。

同じ手法を、この政権は、多用することになる。というか、以前から敵対勢力を挫くために用いていたのだろうが、それを大っぴらに行うようになるだろう。

そのようなスキャンダルでの脅しによって、マスメディアの記者たちまたは野党政治家を萎縮させる効果が出る前に、我々が行動すべきだろう。やがて、同じ手法で、モノを言う国民に彼らは対応してくることになる。そうならない前に、こうした陰湿な攻撃をする政権に否を言うべきだろう。

共謀罪の対象がさらに拡大されている 

衆議院から参議院に審議が移り、「法案の曖昧さ」が浮き彫りになってきた。というか、「捜査当局の判断でどうにでもなる」という本質が明らかになってきた。

このように、捜査当局にフリーハンドを与える杜撰な内容の共謀罪。成立して、施行されるようになると、その暴虐性が明らかになることだろう。

金田法相は、戦前の治安維持法は適法に制定され、その捜査手法なども適法であったと答弁している。恐らく、それは法務官僚が作った答弁だろう。そうした法務官僚が、自らが広大な権力を得るためにこの法案を作ったのだろう。彼らの意識には治安維持法があるに違いない。実際に犯罪行為を行って初めて処罰されるという一般的な刑法の理念は破棄され、準備段階で処罰されるようになる。一つの国の形を変える、この法案を、こんな審議で成立させて良いものだろうか。

一応、マスメディアがあり、ネットで情報がたちまちのうちに拡散する現代社会にあって、この法案が成立したとしても、すぐさま治安維持法と同じように運用されることはないだろう。だが、公安警察が日陰で用いてきた捜査手法が表で堂々と用いられるようになることだろう。まずは、マスメディア、政治家達が監視され、ついで声を挙げる国民に厳しい監視の目が向けられることになる。

きわめて危険な法案だ。

以下、引用~~~

「共謀罪」の「歯止め」答弁 次々変わる 一般人対象外→処罰あり得る

2017年6月14日東京新聞朝刊

 「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案について、与党幹部は十三日午後の参院法務委員会での採決に言及したが、野党から金田勝年法相の問責決議案が出てこの日の審議は打ち切りとなった。与党側は参院での審議時間が二十時間に達することを採決の理由にしようとしているが、政府は国会の最終盤になって当初の答弁を次々と変えている。 (山田祐一郎)

 「共謀罪とは別物」「一般人は対象にならない」といった「歯止め」の根拠は、審議の中で逆に曖昧になってきている。

 法案は約三十時間の審議を経て五月二十三日に衆院を通過した。衆院では通過後も法案に対する質疑があり、今月二日には計画内容の具体性について、法務省の林真琴刑事局長が「犯行の日時、役割の詳細まで定まっている必要はない」とこれまでとは異なる答弁をした。

 四月時点で林氏は、計画した日時や場所、方法などについて「できる限り特定する必要がある」と説明し、逮捕や起訴のハードルが過去の法案よりも高いことを強調。計画内容も「指揮命令や分担なども含めて合意が必要」と述べていた。計画内容の詳細は不要とする二日の答弁は、捜査機関が計画と判断できる範囲が限定されず、計画に基づく準備行為の範囲も広がることを意味する。

 「犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定したので一般人は処罰対象にならない」としていた点も今月に入って説明が変わった。一日の参院法務委で金田勝年法相は「組織的犯罪集団と関わりがある周辺者が処罰されることもあり得る」と答弁を一転。林氏も「構成員以外を一般人というのなら、一般人が計画に参画することはあり得る」と認めた。

 十三日の参院法務委で、民進党の福山哲郎氏がこの点を厳しく追及した。金田氏は「全体の中で同じことを言っている。限定したという説明に訂正はない」と答弁。林氏も「衆院から同じように説明してきた」と述べたが、福山氏は「国民をだまそうとしているのではないか」と政府の姿勢を批判した。

 「組織的犯罪集団はテロリズム集団のほか暴力団、麻薬密売組織などに限られる」との説明も金田氏が八日に参院法務委で「限定されない」と翻した。五月二十九日の参院本会議で「対外的に環境保護や人権保護を標榜(ひょうぼう)していたとしても、それが隠れみのであれば処罰されうる」と初めて言及。隠れみのかどうかを判断するのは捜査機関であり、処罰対象に限定がないことがあらためて浮き彫りとなった。

異例尽くしの最高裁判事任命 

昨年、安倍内閣が最高裁判事に任命した木澤克之氏。

木澤氏は、弁護士出身の最高裁判事である。弁護士出身の最高裁判事は、通例、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、大阪弁護士会の会長経験者であったが、彼は、wikiの情報で見る限り、そのポストについたことはなく、また最高裁判事に任官するに足る、弁護士としての目立った業績を上げていないように思える。

史上初の立教大学の卒業生の最高裁判事でもある。別に最高裁判事にふさわしい方であるなら、学歴は関係ないのだが・・・。

木澤氏は、加計学園理事長と同窓、加計学園の役員を務めていた。安倍・加計グループのお一人なのだろう。

安倍首相は、官僚をそのポストで縛り上げ、さらには司法も直接「親しい間柄」の人物を任命して自らの配下にする積りなのだろうか。三権分立などは、安倍首相にとっては邪魔な古臭い原則に違いない。憲法も邪魔。行政は思いのままに動かせる自分の手足。我が国の体制は、かくして独裁へ確実に進んでいる。

警視庁刑事部長が、逮捕をもみ消した 

元検察官の若狭氏ならではの憤りだ。

若狭氏の批判する、この中村格元刑事部長は、現在、共謀罪を取り扱うことになる警視庁組織犯罪対策部長の職にある。古賀茂明氏の報道ステーション降板を画策した人物でもある。現政権と近い関係にいる警察官僚だ。

これは政権に近い人物のスキャンダル隠蔽だが、同じ発想で、政権に批判的な者、不都合な者のスキャンダル情報のリークも権力側によって行われる。この手法は、独裁国家にしばしばみられる。ロシアのプーチン政権は、この手法で政敵を潰してきた。

そして、権力による同じ監視が国民全員に及ぶことになる。共謀罪の対象は、一般国民なのだ。ネット等でしばしば見られるネトウヨの主張「何も身にやましいことがなければ心配することはない」というのは、ナチスの宣伝相が、共謀罪を導入した際に述べた言葉だ。共謀罪の組織犯罪集団等の定義が曖昧であり、この犯罪類型は、一般国民に適用される。法治ではなく、人治の横行する社会になる。

若狭氏の憤りが、他の与党議員から全く聞かれないのは異常なことだ。

若狭勝衆議院議員・弁護士の発言を引用~~~

元TBS 記者山口敬之氏に係る準強姦罪の被疑事件につき、所轄警察署が告訴状を受理した上、カメラ映像の分析などの捜査をした結果、その疑いが相当程度にあるとして、裁判官に逮捕状を請求した。
所轄警察署の現場警察官も、昨今のえん罪事件に留意し、記者という身分にかんがみて逮捕時の影響も考慮しながら、慎重な判断のもとで、逮捕状の請求に至ったと思われる。
その上で、裁判官も逮捕の理由と必要性を認定し、逮捕状を発付した。
しかし、山口氏が空港に到着次第逮捕するべく、所轄の警察官が態勢を整えていたところ、こともあろうに、なんと、警視庁本部中村格刑事部長(当時)からの突然の指示で逮捕状の執行が見送られた。
私は、逮捕状とその執行実務に精通している。その私の目からすると、通常ではあり得ない事態。この種の犯罪で、所轄警察署が入手した逮捕状につき、警視庁本部刑事部長がその逮捕状の執行をストップすることは通常絶対にあり得ない。
裁判官の判断は何だったのか。そもそも、裁判官は、逮捕する理由も相当ではなく、逮捕の必要もない、ひいては、逮捕するに適さない案件に逮捕状を発付したということなのか。
私は、珍しく怒りを抑えきれない。
中村刑事部長(当時)に問い質したい。
裁判官の逮捕を許可した判断と、何がどう変わったのか。逮捕状の発付後に、裁判官の判断を覆す特殊な事情が生じたとでもいうのか。
逮捕状の執行を阻止した説明を納得のいく形でしない限り、私は中村刑事部長(当時)を許せない。
これまで多くの人が、何にも代え難い法治主義を守るため、我が国の刑事司法の適正に向けて努力してきたのに、警察内部からその適正を崩壊させることは絶対に容認できない。
ちなみに、昨日、国会において、性犯罪については、被害女性の心情に配慮して捜査などを行なうべきと議決した。この精神にも甚だもとる。
現在、アメリカ大統領が、FBI長官に対する捜査妨害をした疑いで窮地に追い込まれている。捜査ないし刑事司法への不当な圧力は、どの国でも法治主義を危うくするものとして由々しき問題となる。

まだ遅くない、共謀罪法案へ否の意思表示を! 

共謀罪法案への反対が、国民の間で盛り上がっていない、という話も時々耳にする。が、そのようなことはない。

共謀罪法案に反対する意思表明を、真宗大谷派が行った。下記の通り、カソリック正義と平和協議会も反対声明を公にした。最大の歴史学会である、日本歴史学研究会も最近同法案への反対表明を行った。こちら。

(5月24日時点)ネット検索で引っかかった反対を意思表示している団体・組織は以下の通り。弁護士会の半数以上が反対声明を出しているという。これはGoogleで検索したものの一部であり、これ以外にも多数の団体・組織そして個人が反対していると思われる。

【法曹関係】

日本弁護士連合会 東北弁護士会連合会 大阪弁護士会 愛知県弁護士会 岩手弁護士会 岡山弁護士会 長野県弁護士会 滋賀弁護士会 神奈川県弁護士会 千葉県弁護士会 北海道弁護士会連合会 徳島弁護士会 山口県弁護士会 香川県弁護士会 仙台弁護士会 富山県弁護士会 和歌山弁護士会 島根県弁護士会 福岡県弁護士会 栃木県弁護士会 兵庫県弁護士会 宮崎県弁護士会 長崎県弁護士会 高知弁護士会 青森県弁護士会 新潟県弁護士会 静岡県弁護士会 茨城県弁護士会 東京弁護士会 佐賀県弁護士会 秋田弁護士会 奈良弁護士会 鹿児島県弁護士会 共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会 立憲デモクラシーの会 憲法会議 共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者 社会文化法律センター 自由法曹団 青年法律家協会弁護士学者合同部会 日本国際法律家協会 日本民主法律家協会 日本労働弁護団  

【法曹関係以外】

日本書籍出版協会 日本雑誌協会 日本ペンクラブ 日本科学者会議 アムネスティインターナショナル日本 グリーンピースジャパン 生活クラブ生協連合会 図書館問題研究会 改革派教会中部中会 「世と教会に関する委員会」 ヒューマンライツナウ 日本マスコミ文化情報労組会議 新聞労連 市民連合 世界文学会 兵庫県保険医協会 コンシューマーズ京都 市民ネットワーク千葉県 婦人民主クラブ 映演労連 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会 全労連 奈良県保険医協会 日本ジャーナリスト会議 日本国民救援会  民主主義科学者協会 全国市民オンブズマン会議 自由人権協会 『大逆事件』の犠牲者を顕彰する会 映画人九条の会 日本劇作家協会 放送局キャスター・ジャーナリスト・漫画家有志 平和をつくり出す宗教者ネット
 
【地方自治体】

全国57の地方自治体も、反対ないし慎重審議の要望を表明している。

【国外】

国連人権理事会特別報告者からも深刻な懸念が表明されたのは既報の通り。
先ほど、国際ペンクラブ会長も、共謀罪法案への反対を表明した。これは、きわめて異例なことだという。。

【反対の意思表示】

これからであっても、参議院法務委員会与党メンバーに、共謀罪法案の問題点を指摘・質問し、反対の意思表示をしよう。メンバー一覧はこちら。

以下、日本カソリック教会の共謀罪法案への反対声明を引用~~

2017年5月24日、日本カトリック正義と平和協議会は、「組織犯罪処罰法」改正案の衆議院強行採決( 2017年5月23日)に抗議し、法案の撤回、廃案を求め、安倍晋三内閣総理大臣宛、金田勝年法務大臣あて反対声明を発表いたします。

内閣総理大臣 安倍晋三様
法務大臣 金田勝年様

日本カトリック正義と平和協議会会長
勝谷太治司教

反対声明
 「共謀罪」を盛り込んだ「組織犯罪処罰法」の改正案が、2017年5月23日、衆議院本会議において強行採決され、可決されました。私たちカトリック正義と平和協議会は、以下の理由から、「組織犯罪処罰法」改正案の衆議院強行採決に抗議し、法案の撤回、廃案を求めます。

1)「組織犯罪処罰法」改正案は、実際に行なわれ、法益の侵害をもたらした犯罪のみを処罰し、市民の内心には立ち入らないとする行為原理、および、刑罰を科す犯罪の範囲をあらかじめ法律で明確に定めておかねばならないという罪刑法定主義を破壊します。近代刑法を支えるこれらの原則が破壊されてしまえば、犯罪の範囲はいっきに拡大し、犯罪の「共謀」「計画」をはかったという理由で、犯罪を実行していない人間の意思や内心が処罰の対象となり、国家による恣意的な処罰、自白の強要によるえん罪の危険が高まります。
2)「組織犯罪処罰法」改正案が承認されれば、捜査機関による任意の捜査と情報収取の幅は拡大します。その結果、プライバシーの侵害が頻発し、市民生活のあらゆる面での監視が強化され、監視社会が作り出されます。
3)自首による免罪を含む「組織犯罪処罰法」改正案は、仲間うちでの密告を奨励し、社会の中に深刻な相互不信を作り出します。
4)恣意的な捜査や逮捕が可能になった監視社会では、実際の監視行動がなくとも市民活動の萎縮が生じ、憲法が保障する思想、信条、信教の自由、集会・結社の自由が破壊されかねません。

 第2次世界大戦下の日本社会にも、治安維持法による監視と処罰の網の目が張られ、多くの宗教弾圧が行われました。カトリック教会でも、大勢の司祭、修道者が逮捕・勾留され、シルベン・ブスケ神父(パリ外国宣教会)は、天皇への不敬言動やスパイ活動など、事実とは異なる不当な容疑で憲兵隊に連行され、拷問によって命を落としました。私たちの信仰するカトリックの教義が、権力にとって都合の悪い危険思想と見なされたからです。こうした事件が起きたことで、信徒は萎縮し、警察への密告が行われ、教会は分断されました。教会に、私たちが希求する愛と信頼に基づいた世界と正反対の出来事が起こりました。このようなことは、いかなる場所においても、もう二度と繰り返されてはなりません。
 私たちカトリック正義と平和協議会は、「人間相互の信頼に基づく連帯」という民主主義の土台を壊す「組織犯罪処罰法」改正案の国会承認に断固反対し、法案の撤回、廃案を強く求めます。

PDFはこちらからダウンロードをお願いいたします。
http://www.jccjp.org/…/home_…/170524%20kyobozai%20seimei.pdf

警察国家へ進んでいる 

今月5日、前釜山総領事 森本康敬氏が、任期を大幅に残して突然更迭された。森本氏が、政府の慰安婦少女像対応に不満を漏らしたためだ、という。驚くべきは、不満を漏らしたのが、私的な会合であった、ということだ。私的な会合の発言がもとで更迭されるのは、内閣にいる二人の警察官僚が情報を内閣にもたらしたためではないか、と言われている。これでは、秘密警察の所業と言われても仕方あるまい。現に上級官僚や(少なくとも野党の)国会議員の業務外の行動が、公安警察により把握されている、ということのようだ。

前川前文科省事務次官も、事務次官在職中に、突然杉田和博官房副長官に「出会い系バー通い」を注意されたという。この前後で、前川氏は内閣からとくに睨まれるような言動をしていたわけではない。ということは、高級官僚の私的な行動をも含めてプライバシーをすべて内閣の「秘密警察」が把握している、ということではないだろうか。

私的行動で弱みを握り、それを政権にとって都合よく利用する、という警察国家がすでに実現しているのかもしれない。共謀罪法案を成立させることによって、秘密警察たる公安警察が捜査をしやすくすることを、政権は目指しているのだろう。共謀罪法案では、確かに選挙関連の犯罪等政治家が関わる犯罪は対象から除外されているが、それ以外の罪状の疑いを公安警察が抱けば、プライバシーを踏み越えて捜査を政治家にも行うのだ。

そうした文脈で、前川氏の『「醜聞」でっち上げ』事件を見ると、背筋が寒くなる。AERAが経緯を報じている。こちら。警察国家は、時の権力に少しでも歯向かうものを容赦しない。もちろん、監視対象は国民である。北朝鮮の保衛部のことを笑っていられなくなる。

国連立法ガイド著者、共謀罪法案の立法事実を否定 

政府は

テロ対策>TOC条約加盟>共謀罪法案制定

という理由づけを止めていない。

TOC条約はテロ対策のためでない、TOC条約は批准国の事情により新たな法整備は必要ない、プライバシー権の侵害につながる法整備をTOC条約加盟にかこつけて行うべきではない、と国連の立法ガイド著者が述べた。

政府の主張は、否定された。

さて、また国連批判、ないしこの立法ガイド著者の誹謗を、政府はするのだろうか。

政府の主張が間違っていることは、明白になった。

以下、引用~~~

「共謀罪」崩れる政府根拠 「条約はテロ防止目的でない」

2017年6月5日 07時07分

 国際組織犯罪防止条約(TOC条約)締結のため、政府が必要であるとしている「共謀罪」法案をめぐり、各国が立法作業をする際の指針とする国連の「立法ガイド」を執筆した刑事司法学者のニコス・パッサス氏(58)が本紙の取材に、「条約はテロ防止を目的としたものではない」と明言した。三日にロンドン中心部で起きたテロなどを指し、「英国は長年TOC条約のメンバーだが、条約を締結するだけでは、テロの防止にはならない」と語った。さらに「新たな法案などの導入を正当化するために条約を利用してはならない」と警鐘を鳴らした。
 
 政府は東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策として、共謀罪の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案を成立させ、条約を締結しなければならないと主張。法案を参院で審議している。

 パッサス氏は条約を締結する国が、国内の法律や制度を整備する際の指針を示した国連の立法ガイドを執筆した。

 同氏はテロ対策に関して、それぞれの国に異なった事情があり、まずは刑法など国内の制度や政策を活用するものだと主張。条約はあくまで各国の捜査協力を容易にするためのものという認識を示した。

 また、TOC条約については「組織的犯罪集団による金銭的な利益を目的とした国際犯罪が対象」で、「テロは対象から除外されている」と指摘。「非民主的な国では、政府への抗議活動を犯罪とみなす場合がある。だからイデオロギーに由来する犯罪は除外された」と、条約の起草過程を振り返りつつ説明した。
 
TOC条約を締結するため新法の導入が必要かとの問いには、「現行法で条約締結の条件を満たさなければ、既存法の改正か、新法の導入で対応しなければならない」と指摘。一方で「条約はプライバシーの侵害につながるような捜査手法の導入を求めていない」と述べ、条約を新たな施策導入の口実にしないよう注意喚起した。

 さらに、当局に過剰な権力を与え、プライバシー侵害につながる捜査ができるようにすることを懸念するのは「理解できる」と発言。捜査の主体や手法、それらを監督する仕組みを明確にするよう助言した。

<Nikos Passas> 1959年2月、ギリシャ・アテネ生まれ。アテネ大やパリ第二大で法学などを学び、欧米各地の大学で犯罪学や刑事司法を研究。現在は米ボストンにあるノースイースタン大犯罪学・刑事司法学科教授。
<国際組織犯罪防止条約(TOC条約)> 「国際的で組織的な犯罪集団」の対策に向け、2000年11月の国連総会で採択。組織による重大事件の合意を犯罪とみなし、マネーロンダリング(資金洗浄)などによる犯罪収益の没収や、犯人引き渡しなどでも相互協力するよう定める。「金銭的な利益その他の物質的利益」を目的とする集団を対象とし、テロについては全く触れられていない。今年4月時点で187の国・地域が締結しているが、日本は「条約を実施するための国内法が未成立」との理由で締結していない。
(東京新聞)

共謀罪と犯罪もみ消しの親和性 

共謀罪と犯罪もみ消しに親和性があるということを、弁護士の方が述べておられる。

共謀罪の対象に、環境・人権問題を扱う団体がなりうることを、参議院の法務委員会審議で法務大臣が明らかにした。共謀罪の対象になるかどうかは、専ら捜査機関の判断による。下記の引用記事で語られている「偽証の共謀罪」は、権力側にとって権力の犯罪もみけしに格好の法的手段となることだろう。

共謀罪の対象が国家安全保障に関わると捜査機関が判断したら、特別秘密保護法も援用されて、秘密裏に捜査、裁判が行われる可能性がある。

共謀罪は、権力の犯罪を隠蔽する強力な法的手段を権力側に提供する。

以下、引用~~~

東京弁護士事務所ブログ

017年05月30日

「共謀罪」と「犯罪のもみ消し」の親和性~権力犯罪の隠蔽も容易となる共謀罪~
弁護士の今泉義竜です。

著名ジャーナリスト・山口敬之氏の不起訴に対し、被害者である女性が検察審査会に不服申立をしたという記事がありました。
「私はレイプされた」。著名ジャーナリストからの被害を、女性が実名で告白
被害者が実名で声をあげるというのは大変勇気のいる、貴重なことだと思います。
検察審査会は真摯に受け止めて公正な判断を下してほしいと思います。

ところで、週刊新潮などの報道によると、
この準強姦罪もみ消しの疑惑がもたれているのが中村格氏という方で、
共謀罪摘発を統括する予定の警察庁組織犯罪対策部長とのことです。(当時、警視庁刑事部長であった;ブログ主注)

(高山佳奈子先生のフェイスブックからの情報)
警察庁人事

実は、「共謀罪」と「もみ消し」というのは親和性があります。

というのも、共謀罪(テロ等準備罪)法案には、「偽証の共謀罪」も含まれています。
捜査機関の見立てと異なる証言をしようとする者とその支援者(弁護士含む)を
「偽証の共謀容疑」で逮捕とすることも不可能ではありません。

冤罪を晴らすための第三者の証言についても、証言する前に偽証の共謀で摘発される危険が指摘されています。実際、真実を述べようとする第三者に対する捜査機関による圧力はこれまでにも多く報告されています。

加害者が政権と関係する重要人物である場合にも、
事件をもみ消す目的でこの偽証の共謀罪が濫用される危険は非常に高いと思われます。


共謀罪というのは捜査機関による事件もみ消し、権力の不正隠蔽にも好都合なツールなのです。

山口敬之氏の準強姦罪疑惑から見えてくること 

安倍首相のシンパである山口敬之が、準強姦罪で訴えられ、逮捕寸前まで行ったが、当時の警視庁刑事部長中村格が逮捕状執行を止めさせた一件。

山口敬之が、本当にこの犯罪を犯したのかは、分からない。が、被害者の女性の供述、防犯カメラ、ホテルの監視カメラ映像、山口敬之と女性、ならびに内閣情報調査室の北村滋審議官とのメールでのやり取り、この一件が表面沙汰になった途端に山口敬之は外国に逃れ、テレビに出演することをパッタリ止めたこと、性犯罪ではきわめてハードルの高い被害者の公開での記者会見等を見ると、限りなく黒に近いように思える。だからこそ、被害届を受けた所轄の高輪警察署は逮捕状を請求したのだろう。

犯罪の有無は、今後明らかになると思われるが、大きな問題は、当時の刑事部長が、逮捕状執行を停めさせたということだ。中村格刑事部長は、かって第二次安倍政権が成立したときに、菅官房長官の秘書官をしていた人物で、菅官房長官とはきわめて近い関係にあると言われている。また、被害女性から山口敬之へ送られたメールを、山口敬之は誤って週刊新潮に転送した。そのメールの本来のあて先は、上記の北村滋だったと言われている。北村滋と山口敬之は、親しい関係にあると言われている。

要するに、官邸の中枢部、ないしその近傍にいる複数の人間と、山口敬之が極めて近い間柄であった。そして、その内の一人の警察官僚が、山口敬之の逮捕状執行を握りつぶしたということだ。これは、官邸が刑事犯容疑者の逮捕を握りつぶしたことを強く示唆する。

中村格は、現在警視庁の組織犯罪対策部長であり、その役職は共謀罪法案の執行の担当である。

共謀罪法案が成立すると、こうした権力による刑事犯罪のもみ消し、さらには刑事犯罪のでっち上げが横行する可能性が高い。

この事件の時系列を示すと

2015年4月3日 事件発生
直後に被害女性は原宿署に告訴
2015年6月8日 逮捕状が執行されるはずが、「上層部からの指示=中村格刑事部長の指示」で執行停止
2015年8月26日 書類送検
2016年5月 山口敬之 TBS退社
2016年6月 安倍首相を持ち上げる著書『総理』を山口敬之が出版
2016年7月22日 嫌疑不十分で不起訴
2017年 山口敬之は、盛んにテレビ出演し、森友学園疑惑等で安倍首相擁護の発言を繰り返す
現在 被害女性は、検察審査会に不起訴に対して不服申し立て 公開で記者会見

(以上、敬称略)

以下、リテラを引用~~~

2017年05月29日 22時30分 リテラ

安倍御用記者・山口敬之のレイプ被害女性が会見で語った捜査への圧力とマスコミ批判!「この国の言論の自由とはなんでしょうか」

司法記者クラブで会見にのぞんだ詩織さん(左から2番目)
「この2年間、なぜ生かされているのか疑問に思うこともありました。レイプという行為は私を内側から殺しました」
「レイプがどれだけ恐ろしくその後の人生に大きな影響を与えるか、伝えなければならないと思いました」

 本サイトでもお伝えしてきた、"安倍官邸御用達"ジャーナリスト・山口敬之氏の「準強姦疑惑」。本日夕方、そのレイプ被害を「週刊新潮」(新潮社)で告発した女性が、霞が関の司法記者クラブで会見を行なった。

 女性の名前は詩織さん(苗字はご家族の意向で非公開)。彼女は主に海外でジャーナリズム活動を行なっている28歳だ。「『被害女性』と言われるのが嫌だった」という詩織さんは、本名と顔を公表して会見にのぞんだ。本日午後には「捜査で不審に思う点もあった」として、検察審査会に不服申し立ても行なっている。

 詩織さんは、性犯罪の被害者にとって非常に不利に働いている法的・社会的状況を少しでも変えたいとの思いから記者会見を決意したとしたうえで、このように語った。

「警察は当初、被害届を受け取ることすら拒んでいました。理由は、いまの法律では性犯罪を捜査するのは難しいから。また、相手方の山口敬之氏が当時TBSのワシントン支局長で、著名人だからでした」

 事件があったのは2015年4月。もともとアメリカでジャーナリズムを学んでいた詩織さんは、山口氏と2度、簡単な面識があったが、それまで2人きりで会ったことはなかったという。詩織さんが日本へ帰国すると、山口氏もこの時期に一時帰国し、そのとき、仕事のためのビザについて話をしようと誘われて、食事に行った。

 ところが、アルコールに強いはずの彼女が、2軒目の寿司屋で突然目眩を起こし、記憶が途絶えてしまう。そして明け方、身体に痛みを感じて目がさめると、ホテルの一室で裸にされた仰向けの自分の体のうえに山口氏がまたがっていた。彼女は、自分の意思とは無関係にレイプされていたのだ。しかも山口氏は避妊具すらつけていなかった。

 被害を警察に訴えた詩織さんだが、警察は当初、「この先この業界で働けなくなる」などと言って、被害届を出すことを考え直すよう繰り返し説得してきたという。しかしその後、ホテルの防犯カメラに山口氏が詩織さんを抱えて引きずる模様が収められていたこともあり、本格的に事件として捜査が始まる。

 逮捕状も発布された。2015年6月8日、複数の捜査員が、アメリカから成田空港に帰国する山口氏を準強姦罪容疑で逮捕するため、空港で待ち構えていた。ところが、不可解にも山口氏は逮捕を免れた。詩織さんは会見でこう語っている。

「そのとき、私は仕事でドイツにいました。直前に捜査員の方から(山口氏を)『逮捕します。すぐ帰国してください』と言われ、日本へ帰る準備をしていました。いまでも、捜査員の方が私に電話をくださったときのことを鮮明に憶えています。『いま、目の前を通過していきましたが、上からの指示があり、逮捕をすることはできませんでした』『私も捜査を離れます』という内容のものでした」

 逮捕状まで持って捜査員が空港で待機していたにもかかわらず、直前で、上から「逮捕取りやめ」の号令がかかった。当時の捜査員が、詩織さんにそう告げたというのだ。会見の質疑応答で詩織さんはこう語っている。

「『警察のトップの方からストップがかかった』という話が当時の捜査員の方からありました。『これは異例なことだ』と。当時の捜査員の方ですら、何が起こっているのかわからない、と」

 その後、山口氏は準強姦罪で書類送検こそされたものの、16年7月に不起訴処分にされた。検察側はただ「嫌疑不十分」と言うだけで、詩織さん側に詳しい説明はまったくなかったという。また「準強姦罪では第三者の目撃やビデオなど直接的証拠がないと起訴は難しい」と言われたというが、詩織さんの代理人弁護士は「ありえない。否認事件でも起訴されて有罪になったケースはたくさんある」と、明らかに捜査が不適切であると指摘している。

 このあまりに不自然な捜査当局の動きのなかで、疑われているのが安倍官邸による介入だ。

「週刊新潮」の直撃取材で、このとき山口氏の逮捕取りやめを指示したのは、当時の警視庁刑事部長の中村格氏であることがわかっている。中村氏は現在、警察庁の組織犯罪対策部長の職にあるが、第二次安倍政権発足時に菅義偉官房長官の秘書官をつとめて絶大な信頼を得ており、いまも「菅官房長官の片腕」として有名な警察官僚だ。

 さらに「週刊新潮」の第二弾記事では、山口氏が首相官邸、内閣情報調査室幹部に事後対応について直接相談までしていた可能性が浮上。山口氏が「新潮」からの取材メールに対して誤送信したメールには、〈北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。〇〇の件です。取り急ぎ転送します。〉(〇〇は詩織さんの苗字)と記載されていたのだ。「週刊新潮」はこの「北村さま」が、"官邸のアインヒマン"の異名をもつ安倍首相の片腕、北村滋内閣情報官のことだと指摘している(山口氏は否定)。会見のなかで、詩織さんは質問に対してこう話していた。

「私の知りえない何か上のパワーがあったと思っています」
「やはり、捜査にあたるべき警察が『不起訴できないので示談をしたほうがいい』と話をもちかけて、彼らの紹介する(現在の代理人とは別の)弁護士の先生に連れて行かれたというのは、何かしらの意図があったのではと思います」

 明らかに不自然にもみ消された山口氏のレイプ事件。今後も、官邸の息のかかった捜査介入疑惑を徹底追及していかねばならないのは言うまでもないが、もうひとつ強調しておきたいのはマスメディアの態度だ。いくつかのマスコミは、詩織さんの実名・顔出し会見を受けてこの事実をようやく報じ始めたが、この間、「週刊新潮」の報道に対して、山口氏を盛んに起用してきたテレビ局は完全に無視を決め込んでいた。

今回、この件について取り上げてくださったメディアはどのくらいありましたでしょうか? 山口氏が権力者側で大きな声を発信し続けている姿を見たときは、胸を締め付けられました。この国の言論の自由とはなんでしょうか? 法律やメディアは何から何を守ろうとしているのか、と私は問いたいです」(詩織さん)

 山口氏は「新潮」の報道後、マスコミから姿を消し、会見を開くこともなければ、ちゃんと世間に説明することも放棄している。テレビ局は山口氏の責任を問うこともなく、「新潮」が報じた官邸と事件の"接点"についても見て見ぬ振りをした。詩織さんの言うように、この国のメディアはいったい、誰を守ろうとしているのか。いま、その真価が問われている。
(編集部)