第三次生活困難期に入った 

我が国は、右肩上がりの高度成長期は遠くに過ぎ去り、少子高齢化による内需の縮小、それによる国力の低下の時期にさしかかっている。その財政負担を、国債増発、日銀・年金資金運用による国債引き受け、株式のバブル化によりファイナンスし、状況の悪化を糊塗してきた。政府債務残高は、GDPの230%を超え、先進国中最悪の状況になった。日銀の国債保有額も400兆円を超している。この異様な経済財政政策が続くはずはない。

小松秀樹氏が、我が国の近現代史を概観して、我が国が第三次の生活困難期に入ったことを述べている。これまでの生活困難期を、「通俗道徳」によって国民は生き延び、困難を克服してきたが、この第三次の生活困難期は、それでは克服できない。政府は、軍拡に走り、対外的な緊張を高めることで、国民を統合しようとしているかのように見えるが、それは危険な賭けであり、本質的に問題を逸らすだけで解決にはならない。政府の瀬戸際外交の一方で、国民はテレビに流される「相撲」「芸能人の不倫」の話題に明け暮れる。政治は、cronysmにより腐敗をしている。

第三次の生活困難期は、小松氏が指摘する社会保障の側面から露見してくる。それから、政府も国民も目を逸らそうとしている。

以下、引用~~~

日本は第三次生活困難期に入った こちら。

過去の生活困難期を振り返る (1) こちら。

過去の生活困難期を振り返る (2) こちら。

「働き方改革」の中身 

旧日経連の「新時代の日本的経営」(1995年)によると、雇用形態を次の三つの類型にすべきであると指摘されている。グローバリズムのなかで生き残るため、というスローガンのもと、労働者、被雇用者の雇用形態が、長期雇用から有期雇用へ、そして正規雇用から非正規雇用へ変化させるという方針が示されたわけだ。

(1)「雇用柔軟型グループ」、すなわち単純作業を行うパート・契約社員・派遣社員

(2)「長期雇用を前提としない高度専門能力活用型グループ」、専門性の高い派遣社員

(3)長期雇用に立つ「長期蓄積能力活用型グループ」、すなわち管理職・総合職・技能部門の正社員

その後、この類型分類は、経団連に受け継がれ、自民党、自公政権によって着実に労働行政政策に反映されることになった。

即ち、小泉政権時代に派遣労働が大幅に解禁になり、(1)、(2)の類型の雇用が大幅に増えた。それによって、竹中平蔵等の人材派遣業が法外な利益を上げ、さらに企業の内部留保の莫大な積み上げが行われた。

それだけでは、経営者たちは飽き足らず、(3)を(1)(2)と同じ雇用形態にし、その上で、残業時間を認めぬ雇用形態に転換しようとしている。

国会で審議されるという「働き方改革」とは、残業時間をゼロにする法案を制定する動きに他ならない。

年収1075万円以上の専門職は、どれほど残業しても残業代はゼロとなる。ただ、経団連は年収の縛りを400万円にすることを主張しているので、一旦この高度プロフェッショナル制度、専門職の残業代ゼロ法案が実現すると、年収の縛りは限りなく、引き下げられることになる。

裁量労働制の拡大も行われる。対象が企画業務型労働に限定されているが、曖昧で抽象的な枠組みであり、様々な業種、業務内容が、裁量労働制の対象にされる。これには、収入額による枠はない。いかに低賃金であっても、残業代が支払われないことになる。

両者ともに、労働者の健康に配慮する条件が定められる。だが、それは緩いものでしかなく、過労死を引き起こす可能性が高い。

これら残業代ゼロに加えて、下記記事にあるように、非正規雇用の正規雇用化のために作られた「無期転換ルール」が、非正規雇用の雇止めを促進している。そうでなくても条件が劣悪で不安定な非正規雇用が、さらに不安定な立場に置かれる。

正規雇用であっても、非正規雇用であっても、このように経営者・雇用者にとって都合の良いように労働者が酷使される。その制度化を目指すのが、「働き方改革」の内実だ。

恐らく、安倍政権は美辞麗句を並べて、この労働者酷使法案を国会で通すように主張するはずだ。その詭弁をよくよく見ておこうではないか。この「改革」は、国民を疲弊させ、困窮させる。それによって、内需がさらに低迷し、企業内における技術・技能の伝承が行われにくくなる。少し長期的視野に立てば、この労働法規改変がいかに間違っているか、容易に分かるはずだが、政権と財界は長期的視野等我関せずである。

以下、引用~~~

有期雇用、雇い止め急増 4月から「無期転換ルール」

2018年1月19日 東京新聞朝刊

 有期雇用で働く人が、無期雇用への転換を求めることができる「無期転換ルール」が四月から本格的に始まるのを前に、企業から契約を打ち切られる「雇い止め」が多発している。労働組合などに突然職を失った人たちからの相談が相次いでおり、問題は深刻化している。 (木谷孝洋)

 「年末に突然、『次は更新しない』と言われた」

 「十二年間働いたのに、能力不足を理由に雇い止めになった」

 有期契約や派遣で働く人たちが加入する全国ユニオン(本部・東京)には昨年九~十二月、雇い止めに関する相談が三十二件寄せられ、前年同期の三倍に達した。連合にも昨年十二月、前年同期より十件近く多い百一件の相談があった。厚生労働省の調査でも増加しており、担当者は「四月に向け、さらに増える可能性がある」と話す。

 背景にある無期転換ルールは、有期雇用の労働者が通算五年を超えて契約を結ぶと、雇い主に無期雇用への転換を申し込める制度。企業側は拒否できない。雇用の安定化を目的に、二〇一二年に成立した改正労働契約法に盛り込まれた。

 パートや契約社員など有期雇用で働く人は約千五百万人に上り、うち約四百万人が五年を超える。これらの人たちの多くが、一三年四月の法施行から五年となる今年四月から無期雇用を申し込めるようになる。

 企業の多くは「パートナー社員」など新たな職種を設けて無期への転換を進めているが、駆け込み的に有期雇用者との契約を打ち切る企業もある。全国ユニオンの関口達矢事務局長は「無期の負担を嫌った企業が契約更新を拒否するケースが目立つ」と指摘する。

 「抜け道」もある。六カ月以上の契約空白期間(クーリング期間)を置けば通算の契約期間に数えない規定だ。自動車メーカー十社のうち七社は、これを利用して通算で五年を超えるのを防いでいたことが、厚労省の調査で分かっている。

 労働契約法は、雇い止めは「社会通念上相当であると認められないとき」は無効と定めているが、個別の案件は司法の判断に委ねられる。無期転換ルールは違反しても罰則がなく、行政は制度の周知や啓発しかできないのが実態だ。

◆使い捨て発想 脱却の時
<解説> 「無期転換ルール」は、有期契約で働く人の雇用の安定に生かすのが本来の目的だ。趣旨に反して、企業が駆け込み的に雇い止めをすることは許されない。

 無期転換は働く人だけでなく、企業にとってもメリットはある。有効求人倍率は一・五六倍と四十三年ぶりの高水準となり、労働市場は人手不足といわれる。雇用を有期から無期にすれば、企業は人材確保の見通しが立てやすくなり、社員の能力向上にもつながる。無期契約を負担ととらえるのではなく、人事や業務のあり方を考え直す契機にすべきだ。

 パートやアルバイトなどの有期労働者は、雇用の調整弁の役割を果たしてきた。だが、契約更新を繰り返し、事実上、無期雇用と同じように働く人も少なくない。経営者は、短期間で使い捨てるような発想から脱却する時期に来ている。クーリング期間規定の廃止や、違反した場合の罰則の新設も検討する必要があるだろう。 (木谷孝洋)

<無期転換ルール> 有期雇用の労働者が通算5年を超えて契約を結ぶと、企業に無期雇用への転換を申し込める制度。1年契約は6年目に、2年や3年契約の場合は5年を超えることが確定した時点で申し込みの権利が発生する。企業は拒否できない。改正労働契約法には「無期と有期の待遇に不合理な格差を設けてはならない」とも明記した。


食料安全保障が破壊される 

何時からかfacebookに時々モンサントの広告が載るようになった。学術的な広報といった体の広告。大学の研究機関などにも、モンサントは、おそらく研究費をばら撒いて食い込んでいるらしい。政治に対しても、同じように賄賂すれすれの政治献金を行っているのではないか。

食料自給は、安全保障のもっとも大切な要素の一つ。それが、モンサントのようなグローバル企業によって脅かされている。モンサントは、発展途上国であくどい商売を続け、人々から批判され続けている。遺伝子組み換え植物というリスクのありうる商品を展開し、モンサントの発売する農薬にしか効かないように遺伝子操作する、一代限りの遺伝子操作を加えられ、種を再利用することができない、といったことを繰り返し、それによって莫大な利益をグローバルに上げている。

我が国の政権は、国民の食糧安全保障の大きな要であった、種子法を廃止することに決めた。モンサントのような種子・農薬会社を日本の農業に入り込ませるための決定だ。そこには、国民の食の安全を守る意志は見られない。農業は大切な社会的共通資本であることを、政権は理解していない。

以下、岩上安身氏のIWJのMLから引用~~~

 日頃、口にしている食物が一体どこからきているのか、僕たちはあまりに無関心で、気づけば取り返しのつかない事態に直面しています。

 岩上さんは昨日、山田正彦・元農水相にインタビューしました。元農水相の山田さんは現在、「日本の種子(たね)を守る会」の顧問として、種子法が廃止されることに強い警鐘を鳴らしています。

 昨日の日刊IWJガイドでもお知らせしましたが、種子法は1952年、日本の主権回復とほぼ同時に成立された法律で、この法律こそが食糧難にあえぐ戦後日本の食料安全保障を支えてきました。

 種子法は、米、麦、大豆といった「基礎食料」について、その良質な種子の安定的な生産と普及は「国が果たすべき役割だ」と義務づけ、品質向上のための農業試験場の運営など、国が責任をもって予算を配分してきました。その結果、長い期間をかけてコシヒカリのような美味しいお米が全国で誕生し、今日の食卓に並んでいます。

 しかし、TPP協定と日米2国間合意に伴い設置された「規制改革推進会議」が種子法の廃止案を取りまとめ、状況は急展開を迎えます。

 TPP日米2国間合意文書は、「日本政府は(略)外国投資家その他利害関係者からの意見および提言を求める。意見及び提言は(略)定期的に規制改革会議に付託する。日本国政府は規制改革会議の提言に従って必要な措置を取る」と規定。規制改革推進会議は、まさにモンサントのような多国籍企業に日本の農地を売り渡す「多国籍企業の要求受け入れ窓口」という役割を担っています。

 「規制改革推進会議の提言に政府が従う」とは、すごい文言ですよね。IWJは、日米地位協定をどう運用するかを協議する「日米合同委員会」の存在を問題視してきましたが、岩上さんは山田氏インタビューの中で、規制改革推進会議について、「経済版・日米合同委員会だ」と指摘しています。

 その規定どおり、政府与党は種子法廃止法案を今年4月に可決・成立させ、種子法は来年3月いっぱいで廃止されることが決まりました。

 種子法の廃止によって、さまざまな悪影響が懸念されます。中でもF1種子(ハイブリッド種=異なる性質の種を人工的にまぜ合わせてつくった雑種の一代目)や遺伝子組換え作物が広く出回ることは間違いありません。山田さんは、F1種の危険性を次のように指摘しています。

 「日本で出回っている野菜のほとんどがF1種。F1種は無精子の種で、これを食べた蜜蜂の雄が不妊症になったんです」

 日本ではすでに、日本モンサントの米「とねのめぐみ」や「つくばSD」が出回っていますが、これらはまさにF1種です。

 山田さんによると、モンサントと農家の交わした契約では、化学肥料も農薬もモンサント指定のものを使わなければならず、できたお米もセブンイレブンや吉野家など、全量指定したところに売らなければいけません。

 「つくばSD」の契約者は、もし収量が事前の予想よりも落ちた場合、悪天候などの影響を生産者側が立証しなければ、その不足分を賠償しなければいけない、という契約になっていることいいます。農家にとってこんな理不尽な契約があるでしょうか。また、F1種はノーマルな種と違い、1度きりしか収穫できず、毎年モンサントなどの種子会社から種を購入しなければなりません。

 農薬から肥料まで指定され、収穫量まで規定され、翌年以降も毎年種を買い続けなければならない――これでは、農家が種子会社の支配化に置かれたも同然です。

 山田さんによると、現時点で37%しかない日本の食料自給率は、種子法廃止で14%にまで下がってしまう可能性があり、もし、この状態で日米間に亀裂でもできたりすれば、自力で種から作物を育てる力を失った日本が国民の生命を守れるはずもありません。安倍政権はあれだけ「安全保障」と声高に叫びながら、生命を保障する「食料安全保障」を多国籍企業に売り渡してしまおうとしているんですね。

 山田さんによると、EUでは農家の収入の8割が所得補償されており、農業は産業ではなく食糧であり、安全保障であるという認識が共有されているようです。インタビューでは、憲法に「食料安全保障」の規定を盛り込んだスイスの国民投票の事例も紹介してくださいました。

10月にはイタリアも視察した山田さんは、既成政党批判で若者の支持を集める政党「五つ星運動」の大幹部・リカルド・フラカーロ議員と会談しました。「五つ星」は、「大事な法案は国民が直接投票によって決めよう」と、住民投票の条例づくり運動からスタートした政党で、イタリアのコメディアン、ベッペ=グリッロ氏が設立。現在は下院で与党に続く第二党にまで急成長を遂げています。

 山田さんの呼びかけで、リカルド議員が11月28日には来日し、講演することが決定。IWJも中継しますので、改めて告知します。

 また、山田さんはインタビューで、やがて日本でも遺伝子組換えの表示義務がなくなり、「日本は遺伝子組換えの氾濫国になるだろう」とも懸念を示されています。インタビューを見逃した方は、ぜひアーカイブでご覧ください。

社会保障における、不幸の均霑 

知り合いの精神科医から聞いたところでは、精神障害者・・・多くが、長い経過のうつ病や統合失調症の患者達・・・の障害年金が、ばさばさと切られている由。社会保障は「合理化」しなければならない面があるのは分かるが、だが、障害年金をほぼ機械的に「切る」という形で、社会保障を抑制するのは頂けない。彼らにとって、その年金が生きるために必要なものであることが多いからだ。

行政の立場からは、生活保護等との平等性を確保するといった理由づけが行われるのかもしれない。だが、それは、不幸の均霑だ。下のレベルに合わせようという、行政に特有の論理だ。

所得控除を、高所得者、高齢者を中心に下げることも議論されている。低所得者の所得税減税と抱き合わせにするらしいが、力点は前者にあるのは当然だろう。高所得者という縛りも、徐々に引き下げられて、国民全般の所得控除の引き下げになって行くのは目に見えている。ここにも、不幸の均霑の論理がある。

以前のポストで、第二次世界大戦中、徴兵制がなぜ広く行われるようになったかを、ある本から学んだことを記した。こちら。不幸の均霑という論理は、大衆に受け入れやすい。だが、それを用いて、国民生活や、国民の生命自体を危機に晒す策動を、行政と政権が画策するのだ。

本音を言えば、国家財政を考えると、増税は今後不可避だと思っている。だが、「不幸の均霑」から小賢しく逃れている連中がいる。また、不幸の均霑の論理で社会保障を切り下げることには反対だ。社会のセーフティネットが破壊されると、社会の安定が損なわれる。目に見えぬところで進められる、社会保障の切り下げに注目してゆく必要がある。

日本の製造業の劣化 

最近、日本の製造業の劣化が著しい。というか、以前から劣化していたことが明るみに出始めている。

最近、一年間で明らかになった製造業の不祥事。twitterから・・・

三菱重工→大型客船撤退
三菱航空機→MRJの相次ぐ納期延期
東芝→米国の原発事情で巨額損失
タカタ→不良エアバッグで経営破綻
日産→不正検査発覚
神戸製鋼→データ改竄発覚
日立→英高速鉄道で初日から故障

これは、独立した別な問題がたまたま同時に表面化したということなのか。おそらく、根は深い。日本企業、その従業員、経営者は、一つの方向にまとまって進む時には強いが、社内で行われる不正を正す等流れに抗して行動しなければならないことは苦手なのではないか。右肩上がりの成長期には、この同じ方向に向いて突っ走る国民性というかエートスは、成長を助けた。だが、グローバリズムの競争がわが国を襲い、コスト削減の嵐が吹き荒れ、それまで吹き溜まっていた闇の部分が表面に出てきた、ということなのではないか。神戸製鋼のように、政治家・行政・防衛省と強く結びついたことが、不正の発覚を遅らせた可能性のある企業もある。これも、高度成長期に処理されずに残った残渣なのだろう。具体的に問題とその原因が検討されるのを待ちたい。日本の製造業の転換点にあるような気がする。

神戸製鋼の不正は、取引会社6000社、製品の納入先は全世界500社以上に上ると言われている。不正は40年前から行われており、何度かそれの一端が明らかになったが、今回のことで、会社全体が不正に関与していたことが明るみに出た。米国関係政府部門が、神戸製鋼に情報提供を求め、本格的な調査に乗り出すようだ。この規模からすると、神戸製鋼は存立するのが困難になることだろう。

ところが、「おっとっとの」報道が入ってきた。神戸製鋼の社債を日銀が買い支えている、というのだ。社債総額1500億円の約1/3を日銀が購入したらしい。社債は、不正発覚後、暴落していたのだが、日銀の買いオペのおかげか、価格が持ち直しているとも言われている。日銀は、一体何を考えているのだろうか。

神戸製鋼は、安倍首相が政治家になる前に勤めていた会社だそうだ。神戸製鋼と、安倍首相、原発、防衛省などとの密接な関係をリテラが報じている。こちら。

BOC会長逮捕 

リオオリンピック招致をしたBOC会長が、賄賂を贈ったことで、逮捕された。こちら。

贈収賄の相手、金額まで、JOCとそっくりではないか。

さて、東京オリンピック招致にJOCによる贈収賄があったと、フランス・ブラジル当局が認めた。この疑惑をきちんと解明するかどうか、我が国が法治国家であるかどうかが問われる。そして、この贈収賄によって、誰が利権を得ているのか徹底して解明されるか、が問題になる。

電通は、独占禁止法違反のブラック企業 

電通の違法残業事件、検察の求刑は罰金50万円だそうだ。労災自殺せざるを得なかった高橋まつりさん。それに1700名に及ぶ違法労働条件を受け入れざるをえなかった社員は、このようなかるい求刑にはとても満足できまい。これでは、労基法違反を奨励するようなものだ。

電通は、広告業界の50%を占め、マスコミに穏然たる影響力を行使し、政治権力とも密接な関係を築いてきた。明らかに、独占禁止法の精神に悖る企業である。

独占禁止法は(1)私的独占、(2)不当な取引制限、(3)不公正な取引方法を禁止している。

広告業界の50%のシェアを占め、二位の博報堂の20%に大きな差をつけている。これが、不当な取引制限、不公正な取引方法を生み出している。マスコミは、電通の闇を報じられない。広告業界にこれだけの独占シェアを持つ企業だからだ。最近、フランスとブラジルの検察当局は、東京オリンピック招致に際して、電通関連会社を介して巨額の賄賂が渡ったと認定した。その事実も、マスコミではほとんど報じられない。電通は、政治権力とも密接な関係を結び、政治権力に有利になるように世論形成している。きたるべき国民投票でも、時の政治権力に有利に働くように電通が動くと言われている。東京オリンピックの招致、情報、広報等で、電通は巨額の利益を挙げている。その背後には、政治家・財界人が蠢く。

そんな企業が、労基法を完全に無視した過重労働を、社員に課してきた。それに対する求刑がたったの50万円なのだ。

電通は、解体し、幾つかの会社に分けるべきだろう。また、社会的不公正を行うことに対するぺナルティは、会社が存続しえないほどに大きくすべきである。

以下、引用~~~

過労死、日本全体で意識変えて=高橋さん母-電通初公判

2017年09月22日 16時51分 時事通信

電通の違法残業事件で、労災自殺が認定された高橋まつりさん。写真は大学4年だった2015年3月、卒業旅行で米国を訪れた際に撮影したもの(遺族提供)

 広告大手電通の違法残業事件で、2015年末に過労自殺した元新入社員高橋まつりさん=当時(24)=の母幸美さん(54)が22日、厚生労働省で記者会見し、「電通の職場改善に全ての社員が強い意思で取り組んでほしい。そのためには株主や顧客、日本全体の意識が変わらなければならないと思う」と訴えた。

 電通の初公判は同日東京簡裁で開かれ、幸美さんは息子と共に傍聴。会見にはまつりさんの遺影と一緒に臨み、「公の裁判で裁かれ、感慨深いものがあった」などと涙ながらに語った。

 度重なる是正勧告にも従わず、検察側に顧客最優先と指摘された企業体質は「本当にその通りだ」と述べ、「社員、顧客、全てが狂った常識の中で回っていたのではないか」とも問い掛けた。

 同社の山本敏博社長は法廷で起訴内容を認めて謝罪し、改善を誓った。しかし、幸美さんは「まつりは生前、残業するなと言われながら、新入社員は死ぬほど働けと理不尽なことを言われ、この会社はおかしいと語っていた。にわかには信じがたいという思いでいっぱいだ」と述べた。 

オリンピック招致に、賄賂とタックスヘイブンが絡む 

電通・政財界が、一体となって、東京オリンピック招致を実現した。そこには大きな闇の部分がある。こちら。

オフショア金融機関の問題も、その後一向に対処したという話が聞こえてこない。タックスヘイブンの口座は、ほとんどが偽名で、捜査は難しいのだろう。が、国家的犯罪、政治経済犯罪の隠れ蓑になっている可能性が極めて高い。電通もパナマ文書に名が載っていた。オフショア金融機関を通して、電通が、こうした賄賂を国際オリンピック委員会の担当者に渡るように手配した可能性がある。

賄賂を贈るのは、何かを期待してのことだ。オリンピック開催で、誰かが、大きな利権を得ようとしている。誰が、どのような利権を得るのか、国民は知らされていない。賄賂の原資は、税金だ。

このような賄賂絡みの催し、巨額の税金を使う催しは、もう止めるべきではないだろうか。

以下、引用~~~

東京、リオ五輪で買収と結論
英紙報道、招致不正疑惑

2017/9/14 18:59

 【ロンドン共同】2016年リオデジャネイロ五輪と20年東京五輪招致の不正疑惑を巡り、ブラジル司法当局が両五輪の招致委員会から、当時国際オリンピック委員会(IOC)委員で国際陸連会長だったラミン・ディアク氏(セネガル)を父に持つパパマッサタ・ディアク氏に対し、多額の金銭が渡った可能性があると結論づけたことが分かった。英紙ガーディアン(電子版)が13日、報じた。

 フランス当局の捜査を基に書類をまとめたブラジルの当局は、IOC内で特別な影響力があったラミン・ディアク氏を買収する意図があったとしている。

経済的不平等の進行 

昨年は、8名だったが、今年は5名だ・・・全世界の富の半分を保有している、富裕層の人数である。経済的不平等の凄まじい進行だ。

そうした富裕層の人間、ビル ゲイツやズッカーバーグが、競合者と如何に競い合って、その富を築いたか。彼らは、既存の技術や自ら所属する大学の名前に助けられてたまたま成功を収めたに過ぎない。そして、彼らの社会貢献が如何に偏ったものであるかを、この論文が述べている。

マイクロソフトがこれほど世界を支配できたのは、グローバリズムが存在したためなのだ。米国の経済を成長させた理由は、グローバリズムという戦略を取ったためだ。だが、それは、上記の通りの格差を生み出した。

わが国でも、実質賃金は1990年代半ばをピークとして、右肩下がりに下がってきている。その一方、企業収益(当期純利益)は2000年以降、2008年のリーマンショックの時期を除き、右肩上がりに上がっている。企業の内部留保は、昨年過去最高を記録した。一方、生活保護受給者数が上昇を続けている。

それに対する反発が、現在進行中のナショナリズムの形を取った、反グローバリズムの動きだ。だが、トランプはラストベルトの人々の声に応えることなく、ウォールストリートの声の代弁者になっている。わが国も同じだ。自己責任を強調するリバタリアン的な浅薄な思潮が支配的だ。それが自らの権利を奪い、経済的に簒奪されることになるのを分からずに、愛国主義の外見をまとったグローバリズムの醜い政治的な妖怪が社会を支配するに任せている。破滅への道を進んでいるのだ。

『愛国的リバタリアン』 

内田樹氏の評論。いつもながら鋭い。こちら。

愛国的リバタリアンの先頭に立つのは、安倍首相である。