文大統領が安倍首相に不快感表明 

1950年代、我が国の米軍による占領体制が終わるときに、巧妙な仕組みで、その占領体制が存続させられることになった。

後の自衛隊の指揮権が有事の際に米国に移る、米国の世界戦略に従って自衛隊をどこにでも派遣するシステムががっちりとわが国に課せられたのだ。安倍首相が無理やり作りあげた安保法制は、そのシステムの一部を公にしたに過ぎない。この歴史と現実の検証は、矢部宏治氏の『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったか』(集英社インターナショナル)等が詳しい。

問題は、我が国の政治を司る政治家、それに官僚(特に外務官僚)に、この米国支配体制を支持し、それによって利権に預かっている人々がいることだ。彼らにしたら、日米安保条約、日米ガイドラインさらに公にされぬ日米合同委員会(その下での密約)が、憲法以上に重要だということになる。そのシステムが、米軍によるわが国の支配を保証し、彼らに利権をもたらすからだ。

安倍首相が、安保法制の成立を、国会審議の前に米国議会で約束したこと、沖縄への基地の集中・永続化を続けること、沖縄で米軍機が墜落しても我が国は飛行禁止を実質求めないこと等は、すべてこの体制で説明がつく。

この体制の実務を担当する日米合同委員会の米側の代表が殆どすべて米軍関係者であることが、この体制維持の米側の当事者が米軍であり、米軍がわが国の占領によって利権を得ていることを示している。日米安保体制は、我が国の安全保障のために必要だ、だから米軍への思いやり予算も出し、兵站を準備し、今後は自衛隊も差し出すという論理を良く聞く。だが、日米安保体制でわが国の安全保障に米軍が直接関与することは述べていない。

日米安保体制の利権は、米軍が「国連軍」として朝鮮戦争を戦い、朝鮮戦争は休戦状態にあり続けることにある。米軍の権益維持のためには朝鮮半島でのたえざる危機を演出しなければならないのだ。米軍が1980年代から、米韓軍事演習を続け、北朝鮮の金王朝に圧力をかけ続けた理由の一つは、そこにある。

米国に隷従し、日米安保体制を自らの利権の源とする安倍首相は、米軍のそうした意向に忠実である。韓国が、北朝鮮の「ほほえみ外交」に惑わされぬようにと主張して、オリンピック直後に延期された米韓軍事演習をすぐに行うように、安倍首相は文大統領に注文を付けた。北朝鮮の「ほほえみ外交」は、冷徹な計算のもとに行われている可能性が高い。だが、米朝開戦となれば、百万の単位で犠牲者を出すであろう韓国にとっては、そこに一縷の望みをかけるのは当然のことだ。米朝開戦は、我が国にも未曽有の被害をもたらす。

緊張緩和の芽を一生懸命摘もうと、内政干渉まがいのことを述べる安倍首相は、韓国とわが国の人々を戦争の危険に曝す。文大統領が、安倍首相に不快感を表明するのは、当然のことなのだ。

以下、引用~~~

大統領が安倍首相に不快感表明
2018/2/10 16:53
©一般社団法人共同通信社

 【ソウル共同】韓国大統領府高官は10日、安倍晋三首相が9日の日韓首脳会談の際、米韓合同軍事演習を延期すべきではないと主張したのに対し、文在寅大統領が「わが国の主権の問題だ」と不快感を示していたと明らかにした。

「予防的限定的」攻撃が、全面的な戦争を惹起する 

ダニエル スナイダー教授による、米国の北朝鮮攻撃に関する論考。こちら。

いますぐにではないが、予防的限定的攻撃が行われる可能性がある、ということのようだ。米国市民の朝鮮半島からの退避、米軍の増強等が行われるまでは、攻撃が行われることはないだろう、という推測。だが、現実問題として予防的攻撃を米軍部・政権は検討している。

それに対するわが国の見解は、河野外相が述べたところでは、限定的攻撃によって北朝鮮が大規模な反撃に出ることはないだろう、という予測のようだ。

これは、オオアマなのではないだろうか。北朝鮮は、金一族の支配するカルト的な独裁国家だ。攻撃されたままでは、国内の統制が取れなくなる、また戦前のわが国と同様に、政権上層部が理性的な判断ができない状況になっている可能性が高い。限定的な攻撃であろうが、ピンポイントであろうが、攻撃されたら、一斉に反撃に出る可能性は極めて大きい。予防的限定的という形容は、攻撃を加える米国にとってのものであり、北朝鮮にしてみると最終的な攻撃と同じなのだ。

以前から繰り返している通り、全面戦争になれば、北朝鮮が瞬く間に敗北するのは目に見えている。だが、そうなるまでの短期間の間に、韓国・我が国に甚大な被害が出る。米国の研究者によると、100万人のオーダーでの犠牲者が出る。さらに、破壊された北朝鮮からの難民、北朝鮮国内の混乱は、国際社会が担えぬほどに大きなものになる。アフガンやイラクでの米軍の行動を見ていると、そうした戦後への対処を事前に考えていない、またはきわめて楽観視している可能性が高い。トランプは、戦後処理を、我が国に背負わせる可能性が高い。その経済的負担は、東アジアで負えぬほどに大きなものになることが予測されている。

この論考にもある通り、北朝鮮の核武装化、軍拡は、米国との交渉を求めてのことである。わが国や近隣諸国をすぐに攻撃、侵略しようという意図は彼らにはない。一方、米国は自国への北朝鮮による核攻撃の可能性が出てきたために、北朝鮮を軍事的にたたくことを計画し始めた。この現実を冷静に判断すべきだ。少なくとも、我が国が当事国になるべくしゃしゃり出て行く必要はない。むしろ緊張緩和をもたらすために行動すべきなのだ。

我が国が、米国の属領であることを示す事実 

以前から繰り返し記しているが、我が国の当局は、我が国に何名の米国人が入国しているか把握していない。

横田基地に軍用機で入管を通らずに入国し、ヘリで六本木にある「赤坂プレスセンター」に直接はいる米国要人がいるためである。

この「赤坂プレスセンター」は、プレスセンターという呼称であるが、実質は基地の一部で、その入り口には銃を持った係員が警護している。中では、米国のインテリジェンスを担当する人物などが活動している。まさに治外法権の軍事基地なのだ。

この入国経路で、ペンス副大統領が入国した。これには明らかに、我が国が米国の属領であることを示す意図がある。そこに防衛副大臣が出向き、歓迎の意を表明する等、悲劇を通り越して喜劇だ。

都会のど真ん中に、こうした軍事基地があることを、政権は異常だと思わないのだろうか。

「赤坂プレスセンター」の返還を要望する港区に対する防衛省の回答は、まるで米国の手先の言い分である。独立国の防衛を担当する役所の言うことではない。隷属根性、極まれりである。

以下、東京新聞から引用~~~

米軍ヘリ基地、実は六本木ヒルズそばに 港区が返還要請
向井宏樹2018年2月8日19時19分

米軍のヘリポートがある「赤坂プレスセンター」。後方は青山霊園(市民団体「麻布米軍ヘリ基地撤去実行委員会」提供)

 首都のど真ん中、東京都港区六本木にある米軍のヘリポート基地について、港区と港区議会は8日、早期返還の実現を防衛省と都に要請した。毎年この時期に要請しているが、沖縄で米軍ヘリによるトラブルが相次いでいることから、近隣住民の懸念を改めて伝えた。

 ヘリポートは米軍基地「赤坂プレスセンター」(港区六本木、広さ約2万6900平方メートル)にあり、ヘリポートのほか、宿舎や米軍の準機関紙「星条旗新聞」社などからなる。もともと旧日本陸軍の駐屯地だった場所で、周辺を青山霊園や国立新美術館に囲まれ、約400メートル南には六本木ヒルズが立つ。

 ヘリポートの周辺には市街地が広がっていることから、要請書では「近隣住民は騒音に悩まされ、事故発生の不安を常に抱えている」と指摘。昨年10月にあった沖縄県東村での米軍ヘリ不時着炎上事故のほか、窓枠の落下や不時着などのトラブルが相次いでいることを踏まえて「いつ同様の事故が発生するかもしれないという不安を区民に与えている」と訴えている。

 このため、防衛省に対して改めてヘリポートの早期撤去や米国に事故の再発防止を求めるよう要請したほか、都には早期撤去に向けて協力を求めた。

 防衛省は「在日米軍にとって都心で唯一、ヘリコプターによる迅速な要人等の輸送が可能な施設であり、現に米軍が活用していることから現時点において返還は困難であることをご理解願いたい。運用にあたっては周辺住民への影響が最小限になるよう、米側に対し今後とも働きかけを続けるなど適切に対応していく」とコメントした。(向井宏樹)

戦慄を覚える、米国トランプ政権「核体制の見直し」 

米国の核体制見直し。これでは、北朝鮮と同程度、否、それ以上に危険。非核兵器による攻撃に対して核兵器を用いる、先制核攻撃も行い得る、という内容。小型核兵器は、テロリズムを誘発し、テロリストの核武装化を促す。核兵器の通常兵器化である。一旦核兵器が使われると、核戦争が際限なく進行する。

あのトランプ大統領が、核戦争開始の大きなボタンを握っている現状に、戦慄を覚える。彼は、自分をジョージワシントンや
リンカーンに並ぶ宰相だと自認している。ものごとの認識機能に問題があり、自己愛的傾向が強い。自国第一とし、人種差別を行い、さらに軍拡を進めたのは、ナチスである。それと同類の指導者だ。その一方、有能な官僚が政府から去り続けている。

トランプ政権にベッタリの安倍首相も、同種の臭いがする。

以下、引用~~~

米、核なき世界の理想放棄 トランプ政権指針 通常兵器に核で報復も

2018年2月3日 東京新聞夕刊

 【ワシントン=石川智規】トランプ米政権は二日、核戦略の中期指針「核体制の見直し」(NPR)を発表した。相手国の核攻撃抑止や反撃に限らず、通常兵器に対する反撃にも核兵器の使用を排除しない新方針を追加。爆発力を抑えた小型核弾頭などの新たな核兵器の開発にも道を開くなど、核兵器への依存拡大を鮮明にした。「核なき世界」を目指したオバマ前政権が二〇一〇年にまとめたNPRからの大きな方針転換となる。

 新たなNPRでは、ロシアや中国の核戦力増強や、北朝鮮やイランの核開発などを踏まえ、「過去のいかなる時よりも多様で高度な核の脅威に直面している」と指摘。予測不能の脅威に対応するために「柔軟な核オプションを拡大する」として、米国が保有する核兵器の近代化や新たな核戦力の開発を宣言した。

 具体的には、敵国の重要施設などへのピンポイント攻撃を想定し、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に用いる小型核の開発に近く取り組むと明記。長期的には核を装備した海洋発射巡航ミサイル(SLCM)を開発する方針も示した。前政権のNPRでは新たな核弾頭の開発を否定していた。

 核兵器の使用基準は「米国や同盟国の利益を守るための極限の状況に限る」との前政権を踏襲しながら、「極限の状況は米国や同盟国の国民、インフラ、核施設、警戒システムに対する重大な戦略的非核攻撃も含む」とも追記した。通常兵器での攻撃にも核兵器で報復する余地を持たせたほか、核兵器による先制攻撃をしない「先制不使用」を否定するなど、核兵器の役割を拡大した。

 トランプ氏は声明で、「他の核保有国は保有量を増やし、新たな兵器を開発してきた」と他国を批判。今回のNPRにより「二十一世紀の脅威に対処する」と新方針を正当化した。

河野外務大臣の浅薄きわまる発言 

河野太郎外務大臣、もう少しましな政治家だと思っていたら、シアトルの外相会談で、北朝鮮との国交断絶を各国に働きかけたと報じられている。国交断絶とは、戦争の一歩手前の状況だ。おそらく、各国が国交断絶をすることが一番の圧力になると考えての発言かもしれないが、危険極まる。日本の政治が、好戦的になっていることを世界に吹聴したようなもので、日本の国際的な地位を貶めることでもある。

タカ派と言われる、米国のマティス国防長官でさえ、北朝鮮に対して、戦争の準備もしているが、外交的な努力も続けると述べている。米国の北朝鮮への対応から、さらに一歩先を行く、好戦的な態度を、河野大臣は示したことになる。前のポストにも記したが、米朝戦争になると被害を受けるのは、韓国・日本だ。数十万から数百万の規模の犠牲者が出る。さらに、崩壊した北朝鮮の戦後処理という難題が残る。それを考慮しての国交断絶発言とはとても思えない。

恐らく、戦争になることはないと、河野大臣はタカをくくっている。安倍首相が主導する、改憲を援護するための、瀬戸際外交発言なのではないだろうか。北朝鮮危機を煽ることで、改憲の国民世論が高まる、そして緊急事態条項を憲法に書き込むことができると、読んでいるのではないだろうか。これでは、北朝鮮の金正恩といい勝負だ。何たる無責任、見識のなさなのだろうか。

北朝鮮との国交断絶は、中国・ロシアが乗ってくることはありえない。だが、米国・西側諸国と、中国・ロシアの間にくさびを打ち込むためのスタンドプレーだとしたら、あまりに未熟な発想だ。対北朝鮮武力行使を主張しているのは、米国、我が国以外にはない。皆、外交交渉を重視する立場なのだ。

北朝鮮は、米国に対して自らの政治体制を認める平和交渉を望んで、瀬戸際外交を行っている。どこかに侵略しようという意図を示したものではない。もちろん、北朝鮮の政治体制は非人道的な独裁だが、それを軍事力で破壊するのは、リスクが大きすぎる。それが、どうして河野大臣には分からないのだろうか。米朝間の交渉が冷静に行えるように、見守ることをすべきなのだ。それが、あたかも自らがこの外交問題の主役であるかのように振る舞い、外交問題をさらに危ういものにしている。

米朝戦争が起きると、我が国が戦場になる。場合によっては、核兵器による攻撃を受ける。その覚悟があるのか、ということだ。

米朝戦争を支持する愚かさ 

米国による北朝鮮攻撃を支持する日本国民は、47%に上るという。

その驚くべき数字は、攻撃、防御両面で、安易な思い込みと、メンタルなタカ派感情が表に立ち、現実を国民が見ていない、ないし現実から国民の目がそらされているためだ、というのが、下記の論考の趣旨だ。完璧に北朝鮮の核攻撃システムを破壊することはできず、また飛来するミサイルからわが国を完璧に防衛することもできない。ところが、平和ボケのタカ派の思考に、国民も毒されている。北朝鮮も独裁制で現実を見きわめられぬ状況にあるが、こちらでも平和ボケタカ派の安易な見通しが支配している。

米国は、米国へのICBM攻撃を避けられすればよい、とだけ考えている。史上最低の支持率であるトランプ大統領は、自らの政治的立場の挽回のために開戦を決断する可能性がある。わが国の政権は、北朝鮮危機を煽って軍拡・戦前レジームへの復帰を果たすことだけを考えている。

ペリー元国防長官が述べる危惧、もし米朝戦争が起これば、日韓両国も莫大な被害を免れない、第二次世界大戦で失われた人命に匹敵する人的被害が出る、という予想は、誤りではない。現政権は、米朝戦争による被害予測は、北朝鮮の戦略にのるから公表しないとしているが、国民に都合の悪い予測も伝えるべきだ。

北朝鮮は、米韓の軍事力により、ひとたまりもなく壊滅されるだろう。だが、独裁国家の指導者が、殲滅されるときに、常識では考えられぬ行動、すなわち核兵器による攻撃を行う可能性が極めて高い。それを防ぐ術はない。

この現実を良く知るべきだ。

田岡俊次氏の論考、必読である。こちら。

日本には、リスクとコストが押し付けられる 

古賀茂明氏による、米中密約説に関する論説。

密約などというと根拠のない陰謀説のように思えるかもしれないが、昨年末国務長官ティラーソンが「漏らした」発言とも符合する内容で、陰謀として片づけることはできない。

安倍首相は、北朝鮮問題を奇貨として、改憲を進めることしか頭にないのかもしれない。米国の北朝鮮政策に不用意に乗ることが、いかにわが国にリスクをもたらすかを、彼は考えていない。米国による北朝鮮先制攻撃に伴い、我が国の自衛隊員、市民の人命が失われる、膨大な戦費・朝鮮半島の復興費用の負担を求められる、さらに朝鮮半島からの難民への対処を求められる、といった負担がわが国に負わされる。伊勢崎賢治氏の説明では、米軍攻撃により統治機構・インフラを破壊された国々の占領統治に要するコスト、人員からして、北朝鮮を破壊することは国際社会が引き受けられぬほどの負担をもたらす、とのことだ。安倍首相は、それでも、認知症ではないかといわれるトランプに平身低頭して付き従う。

AERA.dotより「米中密約説 」こちら。

日米合同委員会の問題 

日米安保条約の具体的な事項の規定は、日米地位協定に記されている。

日米地位協定の運用について議論する場が、日米合同委員会である。同委員会には様々な問題があるが、一番は、米側の委員の大多数が軍関係者であるということだ。その構造自体から、米軍の意向が優先さることが分かる。

下記の記事は、米国の国務省、大使館側から、同委員会の在り方を見直すべきだとの意見が出たが、潰された経緯を記している。

この異常な関係を是正することが、戦後を本当に終わらせることになる。だが、日米安保利権集団がそれを阻害する。

以下、引用~~~

軍主導の日米合同委見直し提起 72年に米大使、米軍抵抗で頓挫
2018年1月3日 06:30

 1972年5月の沖縄の日本復帰を節目として、在日米大使館が同月、「占領期に築かれた異常な関係が存在する」として、日米合同委員会の体制見直しを米国務省に提起していたことが、機密指定を解禁された米公文書で分かった。日米合同委は米軍駐留の条件を定めた日米地位協定の運用を協議する機関。国務省側も提案を支持したが、米軍の抵抗に遭い、軍部主導の枠組みは温存された。大使館の提案は、在日米軍副司令官が合同委の米側代表を務める枠組みを変える内容。日本側は全ての委員を文民が占めていることから、米側も代表権を大使館の公使に移し、米軍は技術的見地から大使館側を「補佐」する内容を提起していた。

沖縄の日本復帰を機に日米合同委員会の米側代表者を軍部から大使館に移すべきだと米国務省に報告する在日米大使館発の「秘密」扱いの公電

 合同委では現在、米側が代表者をはじめ委員6人のうち5人を軍人が占めている。日米間の協議の場で「軍の論理」が最優先されていると指摘されてきたが、米政府の内部からも軍部主導の運営に批判が上がっていたことになる。

 在日米軍の2002年7月31日付の通知は、在日米軍副司令官は合同委で「米国防総省や米軍のみならず、米政府全体を代表する立場にある」と明記している。さらに合同委の場で「米側を代表する発言または行動を認められた唯一の人物」と位置付けており、現在も米軍が強大な権限を持っていることを示している。

 72年5月にインガソル駐日米大使が国務省に宛てた秘密扱いの公電は「沖縄返還を機に合同委の在り方を再検討する必要がある。制服の軍人が日本政府と直接やりとりし、大使館は対応方針に異論を唱える余地がない状況になるまで素通りされている」と不満を示し、見直しを提起した。

 これを受けた同じ5月の国務省の秘密扱いの返信は「合同委員会の枠組みは他の多くの国におけるものと整合せず、現在の日本の状況下では正当化できない」と大使館に賛同した。

 だが米太平洋軍や在日米軍が「軍の柔軟性や即応性を維持する必要がある」「合同委員会はうまく機能しており、日本側から変更を求める兆候もない」などと抵抗したことが、72年6月の米大使館発「秘密」公電に記録されている。

 これに対し大使館は72年6月の「関係者限り」の文書で「占領期に築かれた、軍部と背広組が直接やりとりする異常な関係だ」と現行の枠組みを批判した。その上で「安全保障を巡る日本との関係は経済や政治的側面に影響されるようになった」とし、大使館への代表権の移管を求めた。

 だが72年8月の米大使館発公文書は、大使館の公使を在日米軍副司令官に次ぐ「代表代理」に任命し、また政治的に敏感な問題に関する情報を早めに提供するなど、米側内部の運用を変更する形で大使館と米軍の交渉が最終的に決着した経緯を記している。

 在日米大使館発の公電は米国立公文書館所蔵。(座波幸代本紙ワシントン特派員、島袋良太)

「米朝戦争戦後」の問題 

今年、米国では中間選挙が行われ、高い確率で民主党が勝利すると予測されている。トランプによる、健康保険制度改悪、富裕層優遇税制や、マイノリティへの排斥の動きを考えると、当然の予測だ。

その結果、民主党がトランプの弾劾に動く可能性がある。その際に、トランプが、国民の支持を得んがために、戦争を起こす可能性がある。中東、そして朝鮮半島が、そのターゲットとなる。中東では、エルサレム首都認定問題ですでに武力衝突が起き始めている。トランプは、北朝鮮を先制攻撃する選択肢を行使するかもしれない。

先のポストに記した通り、米朝戦争は、米国が勝つことは分かっているが、朝鮮半島およびわが国に甚大な被害をもたらす。100万人の単位での犠牲者が生まれると予測されている。

重大な問題はそれだけではない。「戦争後の問題」だ。米朝開戦の結果何が起きるか?という問題の検討を米国のトランプ政権が十分行っている気配はない。200万人といわれる北朝鮮軍兵士の処遇、百万人規模で生じるであろう難民、北朝鮮の黒いビジネスを巡る覇権争い等が生じる。そして、米軍ないし多国籍軍が北朝鮮の統治機構を破壊し、占領を始めるときに、長期にわたるきわめて困難な状況が生じる。何が起きるのかという予測を、中東で同じような状況を経験なさった伊勢崎賢治氏が述べている。

こちら。

この問題に関しても、我が国は傍観者ではいられない。自衛隊が米軍とともに戦闘に参加するとなれば、なおさらのことだ。

自民党のミリオタたちは、先制攻撃をしかけるとか言っているが、その結果生じることをどれだけ考え、責任をとる積りなのだろうか。

安倍首相は、本当に対北朝鮮軍事行動に出る覚悟があるのか? 

北朝鮮問題が国難とであるとし、先の選挙を戦った安倍首相は、年末年始は千葉でゴルフ三昧らしい。国難と言う強烈な言葉を弄んでいるのではないか。

その一方、お正月明けにも都内で、例のミサイル防空訓練が行われるらしい。子供たちに頭を手で覆わせて、地べたに這いつくばらせるのだ。政府の指示によるものだろう。

安倍首相は、どこまで本気なのだろうか。権力維持のための、ショーとして、ミサイル防空訓練を行うのか。それとも、敵基地先制攻撃の武器と空母を揃え、実際に先制攻撃をしかけるのだろうか。

トランプは、まだ北朝鮮攻撃を行う可能性を残している。その際には、安倍首相は諾々としてその攻撃の一翼を自衛隊に担わせるのだろう。

戦争による死者の数を、軍人・民間人で比べてみると、第二次世界大戦までは、半々だったらしい。だが、その後の朝鮮戦争では、死者の8割、ベトナム戦争、イラク戦争では9割以上が民間人となった。都内にミサイル攻撃を受けたとすると、頭を手で覆った子供たちも虐殺される。そして、ミサイルが人口密集地域を攻撃する。それによる死者は、数十万から数百万のオーダーに乗る。

北朝鮮や他の国が、我が国を侵略するという事態になれば、銃を取り、戦うべきだ。だが、北朝鮮は対米国への平和条約締結を要求しているだけなのだ。ミサイル・核武装は、そのための脅しに過ぎない。リビヤやイラクの独裁政権が、米国によって倒されたことから、彼らは核武装を含む軍拡しか生き延びるすべはないと考えている。少なくとも、我が国を侵略する等とは言っていない。そこで、北朝鮮にわが国から先制攻撃を仕掛けることは、甚大な被害と数百万単位の犠牲者を出すことを意味する。

安倍首相は、それを覚悟して、軍拡とあの幼稚極まるミサイル防空訓練を国民に課しているのだろうか。どうしてもそうは思えない。トランプが暴走したり、米朝間で不測の戦闘が始まった時には、我が国は確実に巻き込まれる。それで良いのだろうか。

さらに、「戦後」の問題がある。伊勢崎賢治氏は、戦後の問題こそがより深刻であると指摘する。アフガン・イラクの状況を見るにつけ、伊勢崎氏の指摘は正しい。それについては、稿を変えてポストする。