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基幹統計の改ざんが明るみに出したもの 

昨日夜出かける用事があり、帰り道、車の中で「セッション22」を聴いていた。

話題は、厚労省の毎月勤労統計調査の改ざん問題。

労働組合関係の方が出演されて、上記の問題に関連し、雇用保険給付が減らされ続けていることを語っていた。例として挙げられていたのは、45歳男性のケース。2002年には月32万円の給付だったものが、直近では24万円にまで減らされている、というのである。25%の減である。

何故、雇用保険給付が減らされ続け、セーフティネットとしての機能を喪失しているのかは、こちらの記事に詳しくしるされている。2004年辺りまで雇用保険積立金残高は右肩下がりに減少し続けた。それに危機感をいだいた当局が、給付を絞り始め、その結果その辺りを底として、積立金残高が上昇に転じた。

雇用保険積立金残高は平成27年度末時点で、6兆4千億円にまで増えている。

この記事を読んで、はたと気が付いた。毎月勤労統計調査の改ざんが行われ始めたのが2004年である。それは、雇用保険積立金残高が減り続け、底になっていた時期である。同調査を改ざんすることによって、雇用保険給付を減らそうと、厚労省は考えたという推理は、十分成立するように思われる。

雇用保険積立金残高が、天井上がりに増えて行っても、給付条件の永続的な緩和を、厚労省は行っていない。それが増えることが、彼らにとって利権になるためなのだろう。

一方、「セッション22」では、統計業務に携わる行政現場の人数が減らされ続けていることにも言及していた。行政の現場では、非正規雇用の採用も多くなっている。国としてこれほど大切な業務が疎かになっている。戦闘機一機分で何年か分の人件費が賄えるのではないか。軍備拡張が行われる一方、国の形を維持する基本的な情報が蔑ろにされている。こうした基幹統計が疎かに扱われ、また改ざんされるとしたら、国の経営はできないことになる。

もう一点、このような国家統計に詳しい方が、その番組に出演していた。彼女が言うには、この統計改ざんが、正式な手続きを踏まずに行政内部の内輪の手続きで行われたらしい。後で記録に残らないような形で、これほど重大な統計の改ざんが行われたことは危機的だ。そして、昨年、高プロ法案や、入管法改正案のように、中身がスカスカの状態で無理やり成立した法律が、後の省令で内容を確定するとされていたこと。統計改ざんと同じ手法で、重要法律の中身がどうにでもされうるということだ。立法を完全に無視した行政の暴走が起きる。または、三権を手中にした安倍政権の暴走そのものだ。

この基幹統計の改ざんが明るみに出した問題は大きい。

基幹統計の資料紛失・廃棄! 

毎月勤労統計のような基幹統計は、国の政策を立案し、その効果を判定するために必要な重要資料。行政面からみた国の歴史でもある。

それが、杜撰に扱われ、虚偽の統計が公表された。もとになる資料は、廃棄されている。

これは、国の形が成立し難くなっていることを意味する。国が中から崩壊しつつある。恐るべき事態だ。

事務次官の首を切って済む問題ではない。過去の経緯を徹底して追及し、この改ざん・廃棄の目的、責任者を明らかにすべきだ。さもないと、同じことを繰り返す。

経産省は、福島第一原発事故を経てもなお原発再稼働に熱心だ。財務省は、公文書を改ざんする。行政がガタガタと崩れかけている。

以下、引用~~~

勤労統計の資料を廃棄 厚労省04~11年分、再集計は困難
毎日新聞2019年1月17日 20時51分(最終更新 1月17日 22時31分)

 厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査問題で、不正なデータを補正するために必要な基礎資料のうち、2004~11年分が紛失や廃棄されていたことが判明した。同省が17日の総務省統計委員会で明らかにした。統計委員会の西村清彦委員長は統計として成立しない可能性に言及。厚労省は引き続き資料を探す方針だが、政府の基幹統計に穴が開く異例の事態に発展する可能性が出てきた。【大久保昂、神足俊輔】

基幹統計の嘘 

毎月勤労統計調査のデータは、広範な行政に用いられ、外国にも報告されている。国の基幹統計といわれる由縁だ。

こちら。

この調査を、厚労省が改ざんしていたことが判明した。14年間もの間、基幹統計を改ざんしていた事実に戦慄すら覚える。

同調査に「関わる」雇用保険・労災保険の追加支払いについて、厚労省のウェブサイトでアナウンスされている。が、まるで他人事。国民への謝罪の言葉が一切ない。もしかすると、故意ではなく、偶然のミスだという積りなのだろうか。だが、14年間に及び、このデタラメな調査に関わるプログラムが作られ、明らかに厚労省の多くの職員・官僚が知っていた問題だ。雇用保険・労災保険の支払いを減らし、内部留保を増やす魂胆があったことは明白。さらに、昨年1月になって、東京都のデータのうち、500名以上の雇用のある事業所のデータを「突然」3倍にし、それによってあたかも給与水準が上がったかのように装った。政府は、それを「アベノミクス」の成果であるかのごとくに宣伝した。

この統計改ざんが何のために行われたのか、だれに責任があるのかをまずきちんと第三者が調べるべきだ。厚労省は、他人事のようにやり過ごすことは許されない。基幹統計は、政策の根拠になるもので、政策の効果を判定する際に用いられる。基幹統計が改ざんされたら、行政自体が成立しなくなる。


1月13日付田中龍作ジャーナルから引用~~~

 「賃金上昇」のウソ明らかに アベノミクスの演出と不正勤労統計

「不正な勤労統計調査は2004年に始まったもので、安倍政権の直接的な責任ではありません。この間には民主党政権もあります」・・・安倍首相が国会で虚偽答弁する姿が目に浮かぶ。

 確かに始まったのは小泉政権時だ。以来、不正統計は失業保険、労災保険の過少給付に利用されてきた。

 従業員500人以上の大規模事業所は全て調査しなければいけないのにもかかわらず、厚労省が東京都内においては抽出方式を採ったため、大規模事業所の大半は除外されてしまった。結果、失業保険、労災保険の算定の基となる賃金額は低めに出た。いや、低めに出るようにした、といった方が正確だろう。

 ところが2018年からは、抽出データに3を掛けた。厚労官僚たちは、これを「復元」と呼ぶ。一部報道にあるような復元ソフトを用いたのではない。適当に3を掛けたのである。野党議員の追及で明らかになった。

 低めに出ていた東京都内にある500人以上の事業所の給与総額は、一気に3倍となった。これが全国の給与水準を押し上げた。安倍首相やその周辺が誇らしげに語り、新聞テレビが喧伝した「賃金上昇」は、こうして捏造されたのである。

「給料が上がったので(労働者は)発泡酒がビールになり、外で飲めるようになった」と安倍首相。得意のウソで自画自賛した。=2018年3月、自民党大会 都内 撮影:田中龍作=

 勤労統計ばかりではない。GDPや消費支出などの統計についても政府内部から疑義が呈されている。

 心ある日銀職員は「こんなデタラメな数字の下ではやってゆけない」と野党議員にこぼしたそうだ。好景気であるかのような数字を捻出しなければならない。関係省庁は官邸の意向に怯えながら、鉛筆ナメナメしてきたのである。誰の指示かは明確になっていないが。

政府統計がすべてウソだと分かれば、投資家は株式市場から逃げ出してしまうだろう。日銀やGPIFがいくら公的資金を投入して買い支えたところで、市場は暴落するだろう。国債は紙屑となり、国民の老後の命綱である年金は水泡に帰す。
 
   ~終わり~

労働基幹統計のでっち上げ 誰が何のために? 

この統計のでっち上げは、雇用保険の内部留保を増すためだったに違いない。以前のポストにも記したが、雇用保険は、「加入しやすく、給付は受けにくい」制度に変えられてきた。その結果、平成27年度末の時点で、雇用保険内部留保は6兆円をはるかに超える額となっている。雇用保険は政府主管の事業だが、同保険の関連事業・能力開発事業は、独立法人 雇用能力開発事業機構が担当し、その運営資金は、雇用主の雇用保険料だけで賄われている。これ以外にも、雇用保険関係の独立・特殊法人があるかもしれない。これらの法人は、官僚の天下り先、利権そのものであり、それを維持発展するために、雇用保険内部留保を貯めこんだのではないか。

また、昨年1月に唐突に統計の取り方を「正常化」させたのは、「アベノミクス」による賃金上昇を演出するためであった可能性が高い。

要するに、この基幹統計を、行政・政府の都合によって、書き換えていたわけである。

ノーム チョムスキーの著書「メディアコントロール 正義なき民主主義と国際社会」の中に、「民主主義社会」は、一握りの支配層と、それ以外の「戸惑える群れ」愚民がおり、支配層はメディアをコントロールすることによって、愚民を都合よく支配してきたという記述がある。そのコントロールの方法の一つとして、偽りの現実を提示する、という項目がある。これはメディアレベルでの偽りの提示ではないが、そのもっと元になる行政の基幹統計の偽りだ。メディアは、それを見抜けず、行政の提示した偽りをそのまま国民に示してきた。支配層が戸惑える群れを支配するために、こうした偽りのデータを生み出した、ということなのだろう。

さて、支配層がポカをしでかして、尻尾を露わにした。国民が、戸惑える群れでなくなることができるか否かが、これからの国民の意思表示にかかっている。

以下、引用~~~

誰がなぜ、こっそり補正? 厚労省の統計、広がる不信感

2019年1月12日05時00分

 「毎月勤労統計」の不適切調査問題で、厚生労働省が11日に公表した検証結果では、なぜ不適切な調査が始まり、どうして昨年1月調査分から本来の調査手法に近づける補正がされていたのか疑問点が多く残った。ほかの政府統計への影響もまだ見通せず、野党は追及姿勢を強めている。

 「真実を統計で客観的に伝えることが使命。意図的な操作はまったくない」

 厚労省の中井雅之参事官は11日の検証結果の会見で、昨年1月調査分から補正したのは賃金の伸び率が高く出やすいやり方に変更する意図的な操作だったのではと質問されると、こう強く否定した。

 だが、誰がどんな理由で補正し始めたのかは「調査中」とした。04年に不適切な抽出調査が始まったきっかけにも、調査中との回答を繰り返した。動機が分からない状況で補正が意図的ではないかとの質問が出た背景には、安倍政権が経済政策「アベノミクス」で賃上げを重視してきたことがある。経営側に賃上げを求めつづけてきており、毎月勤労統計はその成果をみる指標として注目されてきた。

 もともと毎月勤労統計では、従業員500人以上の事業所についてはすべてを調べるルールだ。ところが2004年から、東京都の対象事業所は3分の1ほどを抽出して算入する手法で調査されていた。大規模な事業所は賃金が高い傾向にあり、通常の抽出調査ならあるはずのデータの補正もしなかったため、平均賃金額が実際より低めに算出されることになった。

 だが、昨年1月調査分から、対外的な説明もないまま、抽出した事業所数を約3倍する補正が加えられるようになった。

 その後、低めに算出されていた平均賃金額が実態に近くなった結果、前年同月比で伸び率が高く出るようになった。現金給与総額は昨年6月に前年同月比3・3%と21年5カ月ぶりの高い伸び率を示した。前から予定されていた調査見直しの影響もあるが、補正も要因とみられている。

 検証結果では、当時の厚労省内のマニュアルに、不適切な抽出調査を容認する記述があったことも判明した。不適切な調査が組織的に引き継がれた疑いもあり、調査を続けるという。

 さらに、18年6月には厚労省が、神奈川、愛知、大阪の3府県に対し、19年から東京都と同様に大規模事業所は抽出調査に切り替えると連絡していたことも判明した。「不正な調査」がさらに広がる可能性があったことになる。この方針は不正を外部から指摘された昨年12月に撤回したが、3府県へ連絡した理由も厚労省は「調査中」としている。

多方面への影響、見通せず
 不適切な調査の影響は多方面に広がっている。

 まず、過去の平均給与額が高めに修正されることになった結果、雇用保険や労災保険などで過去の支給対象者への追加給付が必要になった。厚労省は11日から専用の相談窓口を設けて、対象者に追加で給付する準備を始めた。ただ、コンピューターシステムなどの改修が必要で、給付の開始はまだ先になりそうだ。

 対象者には手紙を出して連絡を取る。だが転居者も多く、住所が不明な人も相当数いると見込まれる。厚労省幹部は「ホームページなどを通じて対象者に呼びかけていくが、大変な作業になる」と話す。

 他省庁が発表するほかの統計も、毎月勤労統計のデータを使うものがあり、やはり修正を迫られる。

 内閣府には厚労省から昨年12月19日に「不適切な調査だった可能性がある」との連絡があり、影響の有無を精査してきた。結果、国内総生産(GDP)の公表の際に参考として公表する「雇用者報酬」の修正が避けられなくなった。ただ、GDPそのものや景気判断には「影響しない」(内閣府)としている。

 だが、日頃から政府の統計を使って仕事をする経済の専門家の間では厚労省への不信感が広がっている。

 SMBC日興証券の宮前耕也・シニアエコノミストは厚労省が18年1月に「こっそり補正した」ことが信じられない様子だ。「17年まで過小評価で、18年は補正されているなら、18年が高くなるのは当たり前だ。なぜそんなことをしたのか」

 第一生命経済研究所の新家義貴・主席エコノミストは「統計の信用を毀損(きそん)した点が一番の問題だ。今後きちんとやると言われても我々に確かめるすべはなく、疑念を持たざるをえない。海外に日本の統計は恣意(しい)的とみられてしまう恐れもある」と指摘する。

 厚労省の発表を受け、昨年12月にこの問題を指摘していた総務省・統計委員会の西村清彦委員長は「厚労省の職員に重大なルール違反だという意識が無かったことも深刻な問題だ」と語った。

与党幹部も憤り「徹底的に調査、解明するべき」
 毎月勤労統計の問題については、与党幹部も憤る。公明党の斉藤鉄夫幹事長は11日、「まったく許せない事態。徹底的に調査、解明するべきだ」と記者団に語った。自民党の閣僚経験者からは「組織的隠蔽(いんぺい)じゃないとは言えない」「厚労相の首が飛ぶかもしれない」との声も上がる。

 統計や記録の取り扱いをめぐる厚労省のずさんな体質は相次いで露呈している。昨年の働き方改革関連法の国会審議では、労働時間の調査データに異常値が次々に見つかったが、厚労省の対応は後手に回り、問題はさらに拡大した。

 07年に明らかになった年金記録問題は、持ち主不明の記録が5千万件超にのぼった。厚労省は、これまでに解明されたのは3212万件で、年金額の増加につながったのは少なくとも延べ383万人、増加額は2・7兆円と推計。この問題は、第1次安倍政権を直撃し、09年の政権交代のきっかけにもなった。

 厚労省を政権の「アキレス腱(けん)」とみる野党は、春の統一地方選や夏の参院選を見据え、勤労統計問題を徹底的に追及する構えだ。

 立憲民主党は11日、予算、厚労両委員会での閉会中審査の開催を要請。長妻昭代表代行は記者団に対し、「きちっと膿(うみ)を出す。日本の国家としての信頼性を揺るがしかねない問題だ」と語った。

 共産党の小池晃書記局長は記者会見で、昨年1月からのデータ補正のためのシステム変更を取り上げ、「現場の判断だけでできるわけがない。組織的な隠蔽の可能性が高い」と指摘。さらに「偽造されたデータをもとに、賃上げをアベノミクスの成果だと発言してきた安倍首相の責任も問われる」とし、政治責任を追及する考えを示した。

行政のやりたい放題 

厚労省の不適切な統計調査により、雇用保険・労災保険などの給付が過少申告されていたと報じられている。

これは不適切という形容で済まされるものではない。このでっち上げの統計で済ませられるように、そのためのソフトも開発していたようだ。給付を減らすことを故意に行ってきたのである。それを行ってきた厚労省が調査した過少給付額をそのまま信じることはできない。第三者が厳密に調査する必要がある。その責任も問う必要がある。

雇用保険は、取得するのが難しく、手間がかかる。その一方、31日以上就業の可能性があれば、加入することになっている。以前は6か月以上の就業の場合にだけ加入することになっていた。雇用保険は入りやすいが、給付は受け辛いのだ。

入口は広く、出口は狭い。従って、雇用保険の内部留保は溜まる一方である。平成27年末現在で、実に6兆4千億円の内部留保になっているようだ。実に6兆4千億円である。それをさらに増やそうと、給付の額を意図的に減らした、というのが今回明らかになった問題だ。

何故これほどに内部留保を貯めこむのか。人口減少、労働力減少社会を見越して、給付の準備をしていたこともあるのかもしれないが、確実に保険料収入は続く制度で、これほどの内部留保は必要ないだろう。雇用保険を運用している組織は、恐らく天下り法人だと思われるが、そこで働く天下り官僚が美味しい思いをするためなのだ。>>雇用保険事業は、政府管掌であることが分かった。だが、関連二事業、すなわち雇用安定事業、能力開発事業は、政府以外に各々何らかの組織が立ち上げられているはず。雇用安定事業の支出がとても不安定な動きをしていて、不自然だ。最近のデ―タが必要。こちら。

このように法外な行政の振る舞いは、本来政治が監視し、立法により規制すべきことだ。だが、それが完全に抜けている。これ以外にも、様々な領域で官僚の権益確保の行動が目立つ。

私の見聞きする、医療関係だけでも、古くは、医療機能評価機構は、みかじめ料を医療から取るヤクザのような組織だ。専門医制度にもその同じ匂いが立ち込めている。最近気が付いたのだが、東京五輪を契機に、首都高の料金を二倍にする話が進んでいる。混雑緩和のためであり、夜間は安くするというが、夜間とは午後10時から午前6時までの深夜・早朝だけだ。東京五輪にかこつけたとんでもない値上げである。こうしたことと同じ行政・その天下り先の、国民からの搾取は、いたるところで行われている。

ちょっと前までは、こうした問題に怒り心頭になっていたのだが、もう怒っても仕方がないのと、いよいよ日本が経済的にハードランディングせざるを得ない状況が近づいてきたので、静観するのみだ。ただ、行政のこのような振る舞いを黙認する政権には、退場してもらわねばならない。

日本の行政は優れていると言われていた時代は去ってしまった。

以下、引用~~~

不適切調査、厚労相が陳謝…過少給付567億円

2019年01月11日 13時38分 読売新聞

不適切調査、厚労相が陳謝…過少給付567億円
毎月勤労統計の調査手法が誤っていた問題で、記者会見の冒頭に陳謝する根本厚労相(11日午後0時3分、厚生労働省で)=吉岡毅撮影

 根本厚生労働相は11日の閣議後記者会見で、「毎月勤労統計」の調査手法が誤っていた問題を受け、統計の平均給与額を基に算定される雇用保険、労災保険などの過少給付が計567億5000万円に上ると明らかにした。対象は延べ1973万人・30万事業所に上る。政府は不適切な調査が始まった2004年に遡り、不足分を支払う方針だ。

 根本厚労相は同日の閣議後記者会見で、「正確性が求められる政府統計で、こうした事態を引き起こしたことは極めて遺憾であり、国民に心からおわび申し上げる」と陳謝した。

 厚労省によると、過少給付の規模は、〈1〉雇用保険の失業給付が延べ約1900万人で約280億円〈2〉労災保険の年金給付・休業補償が合わせて延べ約72万人で、約241億5000万円〈3〉船員保険が約1万人で約16億円〈4〉事業者向けの雇用調整助成金などが延べ約30万事業所を対象に約30億円――となる見通しだ。

実質賃金統計の信頼性に疑い 

昨年11月の実質賃金が4か月ぶりに上昇したと公表されたが、その基礎になる調査が対象を限って行われていた。この統計は、実質賃金統計だけでなく、他の労働関係の保険給付等にも関係する国の「基幹統計」の一つ。例の高プロ制度も、このデータを元に作られた。雇用保険・労災保険の給付にも影響する。

サンプリングを恣意的に行った可能性がある。過去のデータとの連続性にも問題が生じる。・・・それに、雇用者500名以上の事業所ということは中小企業は対象外ということだ。実質賃金統計の対象として不適切ではないのか。

不適切なサンプリングであることが分かっているのに、それをもとにした実質賃金統計を公表するセンスが理解不能。

行政の公表するデータへの信頼を失墜させる。こんなことが、行政で当たり前のように行われているのだろうか。

以下、引用~~~

勤労統計、問題隠し公表
2019/1/8 15:45
©一般社団法人共同通信社

 賃金や労働時間の動向を把握する「毎月勤労統計調査」で、厚生労働省が、対象事業所の一部しか調べられていないミスを認識しながら、問題を説明せず、正しい手法で実施したかのように装って発表していたことが8日、分かった。

安倍首相による、官僚統治機構の破壊 

安倍政権、否、安倍首相自身が官僚機構を如何にして現在のように劣化させたか、ということを述べた古賀敏明氏の論考。

こちら。


安倍首相は、人事権を掌握して三権の権力を自分のものにした。彼は「やっている感」の政治を行い、虚偽を垂れ流す。戦前の体制を目標とし、国民の基本的人権を抑圧しようとしている。その一方で、表面上、時代遅れの新自由主義的な政策をとるが、本質は国家社会主義的な発想であり、cronyismである。人事権を握られた行政は、それにつき従い、むしろ率先して虚偽のデータを出し、都合の悪い書類は改ざんする。すべて安倍首相に合わせ、彼に気に入られるためである。その一方、安倍首相案件でないところでは、自らと自分の属する省庁の利権を漁る。

この統治機構の破壊は深刻で、安倍政権が終わったとしても、回復は容易ではない。無責任な安倍政権の経済財政政策で、国自体が立ち行かなくなり、行政内の自浄作用ではなく外力によって破壊を経た再生が必要になるのかもしれない。いずれにせよ、この体制が続くはずがない。回復のために、国民が痛みを負わされることになる。



「マイナンバー」は漏洩する 

個人番号は漏洩する。外国では、それによる犯罪が起きており、個人番号はできるだけ用いないことというのがコンセンサスになっている。漏洩しても、誰も責任を取らず、万一情報が悪用されても補償等はない。このマイナンバー情報漏洩は、とても重大な問題だと思うのだが、データ入力企業を切っただけで終わりというのが解せない。データ入力を外注するならば、その管理をなぜしっかりしなかったのか。これでは、また同じことが繰り返され、取り返しのつかない犯罪に国民が巻き込まれかねない。

わが国では、個人番号に様々な個人情報を紐つけようとしている。また、キャッシュレス社会化と称して、クレジットカード決済を推進し、それを個人番号で管理しようと、財務当局は考えている。我々の収入、使途すべてを国家が把握する、という社会だ。

少なくとも、現在の政権下では、それは悪夢だ。マイナンバーという愛らしい呼称だが、国家による国民の管理のための手段なのだ。

個人番号情報は、容易に漏洩する。

以下、jiji.comより引用~~~

データ入力、無断で丸投げ=69万件、マイナンバー記載分も-国税庁
2018年12月14日18時12分

 国税庁は14日、源泉徴収票などのデータ入力を委託した会社が、国内の別の業者に無断で再委託していたと発表した。再委託されたのは約69万件分で、うち少なくとも約55万人分のマイナンバー(社会保障と税の共通番号)が記載されていた可能性がある。現段階では、再委託先からの漏えいは確認されていないという。
 同庁によると、問題があったのはシステム開発会社「システムズ・デザイン」(東京都杉並区)。2017年度から源泉徴収票など約138万件のデータ入力を受注していたが、業務量が増えたことから、東京、大阪両国税局の発注分を国内の3業者に再委託したという。また、作業見本として源泉徴収票など134件の画像を各社のパソコンで保管していた。
 国税局が11月に行った定期監査で発覚。既に契約を解除しており、入札参加資格も停止する。(2018/12/14-18:12)

医大「不正入試」の背後にあるもの 

医大、医学部の不正入試(不適切ではなく不正)が続々と明らかになっている。大学側は、医師の仕事は体力が必要だとかほざいているが、二日、三日不眠不休の仕事を要求する職場が問題なのであって、そうしたブラックな職場に耐えられる人物を大学が要求することはおかしい。それも入試で手加減して、大学が望む学生を入学させる、それを非公表下で行うのは犯罪である。

それはさておき、この問題の発端は、文科省の官僚が東医大に自分の子息を不正に合格させた問題から明らかになった。行政官庁が、大学側に「紐付き」の助成金を立ち上げ、その助成金を何としても手に入れたい大学から官僚が甘い汁を吸っていたという構造的問題がある。国は、大学への既定の助成金・交付金をどんどん減らし、その一方で、こうした情実の入りやすい競争的助成金、即ち紐付き助成金を増やしている。この構造を改めなければ、同じ問題が続く。おそらく、もっと地下に潜った形、または官僚の天下り先のさらなる提供という公然とした形で、蔓延ることになる。

大学側に問題があることは事実だが、いつの間にか官僚・行政側の問題が取り上げられなくなっている。こうした行政の利権構造が、社会の活力を削ぐ。

水道民営化は、竹中平蔵と麻生太郎が主張していたこと 

水道のような公的インフラの在り方を根本的に変えようとする場合、同じことが外国で行われているのかどうか、その結果どうなったのかを詳細に調査するのが行政の役割ではないのだろうか。

水道事業の民営化に関して、そうした手続きを行政官庁が踏んでいるように思えない。結果ありきで、民営化に進んでいるようにしか見えない。世界各国で行われた水道民営化はことごとく失敗し、再公営化が世界の流れになっている、それを行政は知っていて、こうした法案を出してきているのか。

水道民営化を言いだしたのは、かの政商竹中平蔵であり、親族に水メジャーの役員を持つ麻生太郎である。彼らが、この民営化によって巨万の利益を得ようとしているからに他ならない。

フランスでは、燃料税増税を民衆の運動が阻止した。わが国では、「お上」のなすがままである。「お上」のなすがままに任せて、この国の社会は崩壊に向かう。次の世代を担う方々、その次の世代を育てている方々、これで本当に良いのか。竹中平蔵や、麻生太郎の述べ立てることをそのまま実現させて良いのか。

水道民営化法案をめぐって、厚労省の杜撰な調査を日刊ゲンダイが報じている。

こちら。