政権による内部告発者への脅し 

善意の内部告発者を保護する、公益通報者保護制度は、内部告発の対象となる、自らの所属する組織が何らかの法令違反を犯した場合に適用される。行政システム全体を私的に利用する行為等は、確かに、前提とされていない。

現に進行しつつある状況は、行政システム、政治の私物化以外の何物でもない。それは、公益を深刻な形で侵害する。国家制度を超える犯罪だ。現行の公益通報者保護制度では、それを通報しようとする公務員を保護しえないというのは事実かもしれない。が、そのような公務員の内部告発者を、何らかの形で保護する制度が必要だ。

公務員には確かに守秘義務がある。が、それは国民のプライバシーと基本的人権を守り、それに関わる行政情報を秘匿することが求められているに過ぎない。公益を侵す政治、行政に関しては、守秘義務は発生しないはずだ。守秘義務は、政権を維持するために存在するのではない。

義家副大臣は、政権中枢から、このような脅しを文科省官僚に行うように命じられているのだろう。加計学園疑惑では、文科省は、最後まで筋を通していた。力づくで制度を破壊したのは、内閣府であり、その背後にいる政権中枢だ。罰せられるべきは、内閣府・政権中枢にいる人物だ。決して、文科省の内部告発者ではない。

以下、朝日デジタルより引用~~~

加計問題の内部告発者、処分の可能性 義家副大臣が示唆
南彰2017年6月13日15時59分

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設問題で、「総理のご意向」と書かれた文書の存在などを告発した文部科学省の内部告発者について、義家弘介文科副大臣は13日の参院農林水産委員会で、国家公務員法違反(守秘義務違反)での処分を示唆した。

特集:加計学園問題
 自由党の森ゆうこ氏は、「文科省の文書再調査は(文書の存在をあると告発した)犯人捜しのためにやっているという話も出ている。今回告発した人は公益通報者にあたると思うが、権利を守る意識はあるか」と尋ねた。

 これに対し、義家氏は「文科省の現職職員が公益通報制度の対象になるには、告発の内容が具体的にどのような法令違反に該当するのか明らかにすることが必要だ」と説明。さらに森氏が「『(告発者を)守る』と言えないのか。勇気を持って告発した人たちの権利を守ると言って欲しい」と求めると、義家氏は「一般論」と断った上で、「告発内容が法令違反に該当しない場合、非公知の行政運営上のプロセスを上司の許可無く外部に流出されることは、国家公務員法(違反)になる可能性がある」と述べた。

 森氏は「残念な発言だ。この件に関して報復の動きがあったら許さない」と述べた。(南彰)

文科省の再調査に注目 

文科省が、「総理のご意向です」文書を再調査することにしたようだ。これまで、出所不明の文書は調査しないと言い続けてきたが、前川前事務次官の証言から始まり、文書自体がマスメディアで公開され、さらに省内からその文書の存在を証言する現役官僚が出現したこと、さらには世論の強い批判が文科省に届いたからだろう。

だが、昨日、文科大臣は、現役官僚が「実名で」証言したら、それを受け入れる旨発言していた。これは、内部告発をさせぬための発言だ。実名で内部告発ができるわけないではないか。公益通報者保護制度が、今回の問題に適用されるかどうか分からないが、この内部告発は公益通報そのものだ。政府、文科大臣の対応は、内部からの証言を徹底して抑圧する姿勢だ。

文科省よりも酷い情報隠蔽は、内閣府である。昨日の国会審議を視聴していると、内閣府は、今治市にまで手を伸ばして、情報隠蔽を行っている。加計学園に獣医学部新設が決まるはるか前から、内閣府は、今治市を加計学園による新設に向けて動かしていた。加計ありきで最初から動いていたのだ。今治市とのやり取り、昨年4月今治市職員が急きょ官邸を訪れることになった経緯等の情報を隠蔽し続けている。

行政の情報公開は、行政が公正・公平に行われているかどうかを判断するうえで必須の事柄だ。とくに今回のように行政の私物化が問題にされる場合は、情報公開はきわめて重要だ。政府、各省庁(とくに内閣府)の今後の対応を注視しよう。おそらく、情報をさらに隠蔽し、情報を公開しようとする官僚を潰しにかかるはずだ。それは、民主主義への挑戦であり、断固として否を言うべきだろう。

財務省官僚の独り言 

ビール値上げの首謀者、財務官僚の独り言・・・

酒税を増税して、税収を上げよう・・・これまで酒税が低かった発泡酒の類は大幅に上げて、ビールはちょっと下げる。すると、発泡酒に比べると割安になるビールが売れるようになって、増税のうま味が減るから、ビールも値上げさせよう。ビールの違法値引きはまかりならん、とすればよいわけだ。何が違法か・・・人件費やら必要経費を上乗せするわけだが、うやむやなところが良いわけだ。新たな規制は、監督官庁の意向次第でどうにでもなる曖昧なところが味噌なのだよ。そうすれば、新たな規制で我々が得られる旨みはます、というものだ。

ビール値上げの理由をどうするか、だ・・・「町の酒屋さん」が潰れないようにする、ということで良かろう。ま、「町の酒屋さん」がどれほど酒類流通の割合を占めるかかを考えると、理由にはならないのだが、弱い者に味方する財務省というスキームは上出来だ。大規模小売店と競合するコンビニは喜ぶだろうな。

で、ビールメーカーの希望通り、大規模小売店へのリベートを止めさせる。彼らは、リベートの支出を抑えたいと考えていたわけだ。ビール・発泡酒の値上げで消費が冷え込んでも、ま、リベートがなくなれば、なんとかなるだろうて。

「違法値引き」を監視するためのポジション「酒類取引専門官」を国税庁に置くことに決まった。これで、また我々の利権を延ばすこともできたわけだ。公正取引委員会の仕事とダブルが、まぁ、いいではないか。我々の利権を少しばかり増やしても悪いことはなかろう。小売店が企業努力で値下げするのもしっかり取り締まらんといかんな。何せ酒類販売業の許認可権はこちらにあるのだから、医療機関の個別指導と同じで、何とでもできる立場だ。

この酒類値上げに加えて、他の物品・サービスの怒涛の値上げで、消費者物価が上がれば、お上も喜ぶだろう。何せ、あのアベノリスクじゃなかった、アベノミクスをぶちかましても、デフレが止まらなかったわけだからな。供給サイドを弄ってデフレ状態を脱却しようという議論が可笑しいのは分かっているよ。でもお上の言うことには従うしかないだろ。何かお上の方針に逆らうことを言うと、唇寒しだからね。少しでも物価が上がるのは、お上にしてみると願ってもないことだ。2割に届こうという値上げだ、アベノリスクの優等生ではないか。

これで、皆がハッピー!

あ、国民・消費者をわすれてた!!

安倍首相の行政私物化 

またまた裏の真実が顕わになった。

早稲田大学教授への「天下り」を問題にされた吉田前高等教育局長が、加計学園による獣医学部新設に強硬に反対し、官邸と対立していた。彼が首を切られたことが、文科省と内閣との対立の発端だった、とtogetter.comにある。こちら。官僚人事を一手に握ることになる内閣人事局も、この文科省との軋轢の後に生まれた。

「官僚対政府の軋轢」と一般化してしまうと、一筋縄ではいかない問題になるが、このケースでいけば、文科省官僚に正義はあるだろう。安倍首相の行政私物化は許されない。

9億円の土地に、13億円の値引き? 

森友学園疑惑は終わっていない。

この報道、私には分かりにくいのだが、財務省が9億円の国の土地を売る際に、8+5億円の値引きをするということか?

財務省は、こうした交渉経緯を示す文書を公開すべきだろう。でなければ、財務省が国の資産を蔑ろにしたか、とある筋からの圧力に諾々と従ったか、いずれかということになる。

財務省は情報を公開する責任がある。

以下、引用~~~

森友用地売却 財務局、5億円減額要請 ごみ撤去に加え地盤を理由に

2017年5月22日 毎日新聞夕刊

 大阪市の学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、財務省近畿財務局が昨年四月に土地の評価額算定を不動産鑑定士事務所(同市)に頼んだ際、ごみ撤去費八億円余りのほかに、軟弱地盤を理由に「地盤改良費」として約五億円を差し引くことも検討するよう要請していたことが二十二日、関係者の話で分かった。
 鑑定士は「財務局から五億円を引いてくれ、と強要された事実はないが、土地の値段を十億円ぐらいと想定していたので、論外だなと思った」と話している。
 学園が小学校開設を目指していた大阪府豊中市の土地は当時、既に二階建て一部三階建ての校舎が着工済みだった。財務局は、昨年三月に地下深くでごみが出たとの学園側の申告を受け、鑑定士事務所に評価額算定を依頼。その際、高層の建築物を想定して地盤改良費を約五億円と見積もったが、鑑定士事務所は「正常価格は低層の建物を前提にしている」として受け入れなかった。
 結局、事務所が認定した数千万円程度の地盤改良費を差し引き、土地の評価額を九億五千六百万円とはじき出した。
 また、ごみ撤去費用については国土交通省の算定基準に基づいて算出したと説明を受けたため、一定の合理性があると判断。そのまま八億円余りを差し引いて、実際の売却額となった約一億三千四百万円を評価額として出したという。
 地盤改良費は、軟弱地盤に建物を建設する際、支持層までくいを打つなどの基礎工事が必要となるために認められる。

加計学園疑惑で安倍首相の直接関与を示す事実が出てきた 

行政の出鱈目を示すメールについて究明されなければ、法治国家とは言えなくなると、森友学園疑惑についての最近のポストに記したが、やはりすでに法治国家ではなくなってしまっている、のだ。官邸の最高レベルの言葉、総理のご意向を、今の官僚が無視できるはずはない。安倍首相は、やはりアウトだ。安倍首相は、金正恩並みの領主気分でいるのだろう。我が国は、すでに法治国家ではなく、人治国家に成り下がっている。

朝日新聞デジタルより引用~~~

 安倍晋三首相の知人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画について、文部科学省が、特区を担当する内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと言われたとする記録を文書にしていたことがわかった。

 野党は「首相の友人が利益を受けている」などと国会で追及しているが、首相は「加計学園から私に相談があったことや圧力がはたらいたということは一切ない」などと答弁し、関与を強く否定している。

 朝日新聞が入手した一連の文書には、「10/4」といった具体的な日付や、文科省や首相官邸の幹部の実名、「加計学園」という具体名が記されたものもある。加計学園による獣医学部計画の経緯を知る文科省関係者は取材に対し、いずれも昨年9~10月に文科省が作ったことを認めた。また、文書の内容は同省の一部の幹部らで共有されているという。

財務省官僚の嘘は、誰を庇うためか? 

籠池氏が公表したというこのメールが、真正なものであることが確認されたら、財務省はアウトだろう。

財務省の幹部官僚、一体、誰のことを庇って、ここまで嘘をついているのだろうか。

これが事実かどうか検討され、背景にどのような事情があったのか究明されないならば、我が国が法治国家であるとは言えなくなる。

壮大な共謀罪が隠れていそうな気がする。

TBSニュースより引用~~~

籠池氏、ごみの一部がそもそもなかったとするメールを公開

 学校法人「森友学園」をめぐる問題で新たな展開です。前理事長の籠池泰典氏が、国有地が値引きされる根拠となった地中のごみの一部がそもそも存在しなかったとするメールのやりとりを公開しました。

 「今回皆さんに提出するのは、その当時のメールのコピーです」(森友学園 籠池泰典前理事長)

 籠池氏は16日、また新たな資料を公開しました。国有地の取得をめぐり、小学校の設計業者と籠池氏の顧問弁護士らが交わしたメールです。

 「私にとってもこのメールは驚きです。真実が明らかになることを期待します」(森友学園 籠池泰典前理事長)

 森友学園に対する国有地売却をめぐっては、少なくとも地下3.8メートルまでゴミがあるという前提で、その撤去費用として8億1900万円を値引きしたと説明されてきました。ところが、このメールには、地下3メートルより下には「そもそもゴミが存在しなかった」ということが記されているのです。

 「添付にボーリング調査の資料をつけております。約3m以深には、廃棄物がないことを証明しております」(設計業者)

 16日、森友学園の籠池前理事長が新たに公開したメールのやりとり。およそ8億円の値引きの根拠とされていた地中のごみの一部が、そもそも存在しなかったということを示しています。

 Q.3メートルより深い所にごみがないのになぜ8億円も値引きされた?

 「それは分かりません」(森友学園 籠池泰典前理事長)

 Q.これまでの国会答弁が全て覆る?

 「おっしゃるとおりですね」(森友学園 籠池泰典前理事長)

 また、財務省側から籠池氏側に送られたとされるメールには、こんな文言がありました。

 「瑞穂の國記念小学校開校に向けご協力いただきありがとうございます」(財務省の担当者)

 Q.国を代表してよろしくお願いしますと言っている?

 「そのように受け取れますね」(森友学園 籠池泰典前理事長)

 Q.なぜこうなった?いつごろからこうなった?

 「安倍昭恵夫人が私どもの小学校の名誉校長になられた後。ご意向がここまで伝わったかという感じ」(森友学園 籠池泰典前理事長)

 財務省は今回のメールについて、「資料を確認していないので現時点では回答できない」としています。

 民進党は、このメールのやりとりが事実だとすれば、財務省が地下のゴミの存在を詳しく確認しないまま、8億円もの値引きに応じたことになるとして、引き続きこの問題を追及していく方針です。

政府・行政の隠蔽体質 

公務員が公務で作成した文書を、私的文書としたり、保存しておくべき文書を「破棄」したり、公開した文書はすべて黒塗りにしたり、政府・行政はやりたい放題だ。

政府関係者・公務員が作成した文書はすべて保存し、要求があれば公開すべきだ。それが、政治・行政の透明性を確保するためのもっとも基本的な社会的な要請だろう。でなければ、政治や行政が私物化され、腐敗する。文書を残さないと、歴史的な検証が受けられない。

森友学園関連の行政文書を公にしない、または公になったら私文書だと言い張る現政権を見ていて、敗戦直後の政府・軍部を思い起こした。彼らは、残された公文書をすべて焼却・廃棄処分にした。戦争責任を逃れるための行動だった。こちら。

その同じメンタリティが、今回の森友学園疑惑でも発揮されている。さて、政府・行政が必死に隠ぺいしようとしていることは何なのか。これほど必死に隠ぺいするからには、彼らにとってよほど深刻な事実が隠されているに違いない。

この隠蔽する体質は、根本的に変えないと、政治・行政の私物化・腐敗によって国民主権の原則が踏みにじられることになる。隠蔽体質は、国民主権を否定することと等価だ。

以下、引用~~~

黒塗り・1年未満の廃棄…森友関連文書、政府対応に批判
岡戸佑樹2017年5月11日07時14分

文書を巡る政府の主張と識者らの指摘
 疑惑解明の手がかりになる記録は捨て、公開した文書も大半が黒塗り――。森友学園(大阪市)への国有地売却問題の発覚から3カ月。国会論戦では、政府の文書の取り扱いが問題視され続けている。政府職員が作った文書も「行政文書に該当しない」と閣議決定するなど、政府の対応が恣意(しい)的との指摘が野党や識者から出ている。

 8日にあった衆院予算委員会の集中審議で問題になったのは、国の情報開示のあり方だ。

 「全部のページ、真っ黒黒塗り」。民進党の福島伸享氏は「非開示」部分だらけの文書を掲げた。

 文書は、学園が国有地に新設予定だった小学校の設立趣意書。2013年に国に提出された。今回、福島氏の求めで財務省が開示したが、タイトルも内容もほとんどが隠されていた。

 福島氏は学園の籠池泰典前理事長らが開示に同意していると主張したが、財務省の佐川宣寿(のぶひさ)理財局長は「学校運営の手法に該当し、公にすると学校法人の利益を害する恐れがある」「学園は民事再生手続きが開始された。開示する場合、管財人への確認が必要」と突っぱねた。

 福島氏は、タイトルに安倍晋三首相の名を冠した校名が書かれている可能性に触れ、「それを出したくないから黒塗りじゃないですか」と政府の思惑で非開示とした疑念を口にした。

■保存は「1年未満」

 野党は2月の問題発覚直後から、文書の扱いが恣意的と指摘してきた。一連の取引に関する学園との面会記録の保存期間が「1年未満」としてすべて廃棄されたためだ。

 ログイン前の続き財務省の規則では、国有財産処分の決裁文書は保存期間が30年。でも面会記録は、規則に保存期間が明記されていないから1年未満――。これが財務省の言い分だ。学園側との面会記録は、昨年6月の売買契約成立で「事案終了」と判断し、廃棄したという。

 ただ、学園との契約は10年間の分割払い。会計検査院の戸田直行・第3局長は4月25日の国会で、「一般論で言うと、支払いが完了していないケースについては、事案自体が完全に終了したと認めることはなかなか難しい」と述べた。

 公文書制度に詳しい長野県短大の瀬畑源(せばたはじめ)助教は「面会記録が決裁文書よりも先に廃棄されれば、取引の公平性や経過などを十分に説明できない。短期間で廃棄できる財務省の規則は恣意的なルール。決裁文書と同じ保存期間にするよう規則を変えるべきだ」と話す。

■「私文書」対象外に

 安倍首相の妻、昭恵氏付の政府職員が15年11月に学園側に送ったファクスをめぐっては、公文書のあり方そのものが問われた。

 ファクスは、土地取引に関して職員が財務省に問い合わせた結果をまとめたもの。政府は4月4日、職員の行為を「職務ではない」とし、行政文書に該当しないと閣議決定した。

 NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「首相夫人付職員という公的な立場の人が特定の省庁に問い合わせた結果が記されており、単なる個人的メモの枠を超えている」と疑問を呈し、こう指摘する。「私文書とされれば情報公開の対象にならず、説明責任を果たす義務がなくなる。行政文書なら、『保存期間を過ぎたのですべて廃棄した』とする従来の主張と食い違うことになる。私文書だという政府の判断は政治的に守りたいものありきで、極めてご都合主義だ」(岡戸佑樹)

医師の労働時間調査 当直はカウントせず 

厚労省が、医師の労働時間調査を行った。平均が週60時間程度という結果。結果はこちら。内閣府の行う世論調査の類とは異なり、一応調査対象は無作為で選ばれ、母集団とは相違しない(傾向がある)ということを示している。

だが、この調査には決定的な欠点がある。

当直勤務は、実働時間だけを労働時間に算定している。当直は、夜間勤務であり、すべてが労働時間にカウントされるべきなのだ。そうしないと、実態を反映しない。当直では、仕事場に泊まり込んで、いつ起こされるか分からぬ状況で、心身ともに休まることはない。当直が夜間労働であることは明らかだ。当直勤務こそが、医師の労働条件を左右するのであり、それを労働時間に入れないことは、労働行政統計上明らかな誤りである。

回答率も問題だ。10万人の医師に質問を行ったらしいが、回答者は1.5万人程度。特に若手医師の回答率が悪い。これで意味のある統計が出せるのだろうか。母集団と回答者群とがいくつかの属性に関して異ならない、と報告書は述べているが、圧倒的に回答者が少ないことは、それ自体ある種のバイアスになっている可能性が高い。例えば、忙しい医師は、こんな面倒な質問には答えていられない、というようなことだ。これでは意味のある統計とは言えない。

先日の内閣府の社会への満足度調査でも言えるが、母集団をもっと代表するサンプルを得る努力を何故しないのだろうか。当直を労働時間にカウントしない等、行政にとって都合の良い結果を導くための統計は必要がない。

「社会に満足」過去最高65%・・・という「統計」データ 

社会に満足している国民が65%という世論調査の結果が内閣府から公表された。結果はこちら。

層化二段無作為抽出によって10000人を選び出し、個別面接法によってデータを得たらしい。中央調査社という組織は、かなり大きな調査会社であり、歴史もある。ただ、設立当初から行政との関係は深かったようだ。

データをみて疑問に思ったこと;

○高齢者層の回答率が若年者層に比べて高い。

○回答を得られなかった群に、一時的不在という理由のケースが多い。

この二つの事象から見えてくることは、調査者は平日の日中に被調査対象の方を居宅に訪れているのではないか、ということだ。すると、若年層は少なく、一時不在ということも説明がつく。

母集団と、この有効回答群の間に、年齢構成、収入、その他の点で統計的な差異がなかったのか。統計は、調査対象の取り方で結果が大きく変わる。

この「社会に満足している」という項目は、2009年度が30%台だったものが、毎年右肩上がりだそうだ。それも、何か人為的な要因があることを想定させる。

このようなデータで、世論を誘導しようとしている何者かがいるのかもしれない。

その何者かが誘導しようとした世論の方向は・・・医療介護・社会保障を始めとして社会全般に大いに満足しているが、どうも安全保障の面で危機的になりつつある、軍備はこれまで以上に拡充し、集団的自衛権は米国と共同して世界中で大いに行使し、隣国の敵基地に対して先制攻撃を行ってもらいたい・・・かな・・・。財政危機もあるので、消費税のさらなる引き上げは止む無しという基調もありそう。

公表の日時は、4月1日。でも、内閣府は大真面目である。

以下、引用~~~あまり真剣に読まない方が良いかもしれない~~~

 4月1日付朝日新聞デジタル 「社会に満足」過去最高65% 2割は外交に不安という記事をご紹介します。
 内閣府は1日、「社会意識に関する世論調査」の結果を発表した。日本の外交が「悪い方向に向かっている」と思う人が26・7%で、1年前より8・1ポイント増えた。内閣府の担当者は「北朝鮮のミサイル発射や米国のトランプ政権発足などが影響した可能性がある」と分析している。
 内閣府はこの調査を毎年実施しているが、今回から対象者を20歳以上から18歳以上に引き下げた。1月19日~2月5日に面接で行い、5993人から回答を得た(回答率59・9%)。
 「日本で悪い方向に向かっている分野」について26項目を挙げ、複数回答で聞いた。「国の財政」が37・1%(前回比0・9ポイント減)で最も多く、「地域格差」28・5%(0・6ポイント増)、「防衛」28・2%(4・0ポイント増)、「景気」27・4%(2・1ポイント減)と続いた。「外交」は5番目で、増加幅が大きかった。
 「良い方向に向かっている分野」は「医療・福祉」31・4%(2・2ポイント増)、「科学技術」25・8%(3・3ポイント減)、「治安」22・0%(2・2ポイント増)など。
 「現在の社会に満足しているか」との質問では、「満足している」が65・9%(3・9ポイント増)で過去最高となり、「満足していない」は33・3%(3・9ポイント減)だった。(大久保貴裕)