原子力規制委員会委員長の本音 

田中委員長も時には本音を述べる。

若狭湾沿いの10数基の原発の内、一つでもテロ攻撃なり、ミサイル攻撃を受けると、すべてがコントロール不能になる可能性がある。こちら。

すると、西日本は壊滅的に汚染される。ということは、日本が国家として立ち行かなくなることを意味している。

そうなることを田中委員長は知っていて、この発言をしたのではないだろうか。

北朝鮮がミサイル攻撃をしかけてくる可能性は極めて低いと思うが、万一、そうなることになったら、彼らは弾道ミサイルで原発を狙う。その対策は、まったくない、というか立てられない。ミサイル攻撃が予測された場合、「地面に伏せろ」等という無意味な宣伝を政府は行っている。だが、本当の危機については語らない。

以下、引用~~~

田中委員長「ミサイルは東京に落とす方がいい」


2017年07月06日 20時23分 読売新聞
田中委員長「ミサイルは東京に落とす方がいい」
意見交換会終了後、報道陣の取材に応じる規制委の田中委員長(高浜町の高浜原子力防災センターで)

 原子力規制委員会の田中俊一委員長が6日、関西電力高浜原子力発電所がある福井県高浜町での町民らとの意見交換会で、北朝鮮によるミサイル攻撃が起きた場合の原発の対策などを問われ、「(安全対策は万全だが)東京のど真ん中に落とした方がよっぽどいい」などと発言した。

 直後に「冗談です」と付け加えたが、終了後、報道陣から問題視する質問を受け、「不適切だった」と陳謝した。

 意見交換会は、高浜3、4号機が営業運転に入ったことなどを受け、町民や周辺自治体の首長ら約30人が参加して開催された。

 ミサイル攻撃に関する町民の質問に対し、田中委員長は「原発は航空機の衝突に耐えられる安全対策がなされている」と述べた後、私見として「東京への攻撃」に言及。「(北朝鮮のミサイルに)原子炉を狙う精度があるか分からないが、向こう(東京)には何十万人もいる」などとも話した。

 終了後、田中委員長は「戦争は絶対避けてほしいが、戦争になれば原子炉だけの問題ではなくなるとの意味だった」と釈明した。

福島県小児甲状腺がん検診 二巡目結果 

福島県小児甲状腺がんの検診「二巡目」で、甲状腺がん、がん疑いが68名に達した。

県民健康検査検討委員会は、放射能被曝の影響とは考えられないと述べている。

こちらに、ローデータが掲載されている。

上記検討委員会は、これらの症例は、いわゆるスクリーニング効果でたまたま見出されたものという立場のようだが、それに対して検討委員会内部でも異論があったようだ。スクリーニング効果論に対する反論は、こちらのサイトにまとめられている。

福島県の小児がん検診、治療の中心にいる、福島県立医大鈴木教授等は、この68名中44名にすでに手術を施している。もし、検診で見出された甲状腺がん症例が、スクリーニング効果によるものであるとするならば、予後が良好であるはずの症例に手術を積極的に行っていることになる。手術適応に関して問題はないのだろうか。また、鈴木教授が、症例の臨床所見を公表していないことも、大きな問題だろう。

一巡目の検診で診断されなかったものが、二巡目の検診で診断された。それは、一巡目から二巡目の間に発生したがん、がんの疑い症例ということだ。根拠なくスクリーニング効果と断定するのではなく、同様の検診を今後とも続けるべきである。

検診規模を縮小すべきという提言の問題;

小児甲状腺がんの検診を規模縮小する、即ち希望者を対象にして行うようにすべきだと、二つの組織が、福島県に対して提言した。

一つは、日本財団理事長が委員長を務めた第五回「放射線と健康についての福島国際専門家会議」である。ここでも、ヨーロッパの研究者等から異論が出たが、検診の規模縮小を提言した。先のポストに記した。

もう一つは、上記の件健康検査検討委員会である。その委員長は、星総合病院理事長星北斗氏である。星氏のその縮小論には、検討委員会でも異論が相次いだらしい。星氏は、医学部卒業後すぐに厚生省(当時)の医系技官になっている。彼の経歴からすると、臨床の経験が殆どないように思われる。行政畑出身のこのような人物が、臨床的に重大な意味のある検診縮小を提言することに、大きな違和感を感じる。被曝した子供たちのことを第一に考えていないのではないか。むしろ原発事故を引き起こした組織・当事者の立場に立っているのではないか、という懸念だ。

二巡目の検診で、これだけの甲状腺がん、その疑い症例がでたのだから、繰り返しになるが、検診は続けるべきである。そして、詳細な情報を公開すべきである。

以下、引用~~~

甲状腺がん…計44人に、2巡目検査で新たに10人 県民健康調査
16/12/29記事:福島民友新聞

 県と福島医大は27日に開かれた県民健康調査検討委員会で、原発事故発生時18歳以下の県民を対象とした甲状腺検査を巡り、2巡目の本格検査(9月末現在)で新たに10人が甲状腺がんと診断され、累計44人になったと報告した。がんの疑いは24人。
 
 「がん」や「がん疑い」は前回報告(6月末時点)から9人増の計68人で、このうち62人が1巡目の先行検査で「問題なし」と診断されていた。検討委は「現時点で放射線の影響は考えにくい」と従来と同様の見解を示している。
 
 検査では原発事故直後から3年目までの先行検査と、2014(平成26)年4月から始まった本格検査の結果を比べて放射線影響などを調べる。程度の軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定、BとCが血液や細胞を詳しく調べる2次検査に進む。本格検査は14年度に25市町村、昨年度は34市町村で行い、約27万人が受診した。
 
 「がん」や「がん疑い」と診断された68人のうち62人が先行検査でA1、A2と診断され、5人がB判定、先行検査未受診が1人だった。68人の内訳は男性31人、女性37人で腫瘍の大きさは5.3〜35.6ミリで事故当時の年齢は5〜18歳。このうち事故から4カ月間の外部被ばく線量が推計できたのは35人で最大値が2.1ミリシーベルト、15人が1ミリシーベルト未満だった(繰り返し以前から述べているが、事故直後の外部被ばく量のデータはない。さらに、それ以降は外部被ばくではなく、内部被ばく量(甲状腺等価線量)が問題になるはずだが、この検診では検討されていない;ブログ主)。
 
 約30万人が受診した先行検査と合わせ、これまでに「がん」と診断されたのは計145人、「がん疑い」は38人となった。

福島での小児甲状腺がん検診の縮小はするべきではない 

甲状腺検診について益川敏英氏等が、福島県知事に行った申し入れの文章。

政官業からなる原子力村は、福島第一原発事故による被曝の影響を過小評価させたくて仕方ないようだ。

福島では、内部被ばくがチェルノブイリに比べて少ないことは分かっているが、事故当初のI131による被曝の正確な量は分かっていない。検診の二巡目で多くの患者が見つかっていることは、新たに患者が発生していることを示唆する。陰性コントロールを立てて、しっかりした方針のもと、放射能被曝に感受性の高い小児について検診を続けるべきである。

以下、申し入れを引用~~~

福島県知事への申し入れ 

甲状腺検診は「自主参加」による縮小でなく、拡大・充実すべきです

2016年12月20日

呼びかけ人
 益川敏英 名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構長
 池内 了 総合研究大学院大学名誉教授
 沢田昭二 名古屋大学名誉教授
 島薗 進 上智大学教授
 矢ヶ崎克馬 琉球大学名誉教授
 松崎道幸 道北勤医協旭川北医院院長
 宮地正人 東京大学名誉教授
 田代真人 低線量被曝と健康プロジェクト代表(事務局)

 笹川陽平 日本財団会長(委員長)、喜多悦子 笹川記念保健協力財団理事長、丹羽太貫 放射線影響研究所理事長、山下俊一 長崎大学理事・副学長、Jacques Lochard 国際放射線防護委員会副委員長、Geraldine Anne Thomas インペリアル・カレッジ・ロンドン教授らは2016年12月9日、第 5 回放射線と健康についての福島国際専門家会議の名で、「福島における甲状腺課題の解決に向けて~チェルノブイリ 30 周年の教訓を福島原発事故 5 年に活かす~」と題する「提言」を福島県知事に提出しました。
 東日本大震災による福島第一原発事故と小児甲状腺がんの関連を検討するために行われてきた小児の甲状腺検診で、これまで170名以上の小児甲状腺がんおよびその疑い例が発見されています。
「提言」の要は、「検診プログラムについてのリスクと便益、そして費用対効果」の面から、「甲状腺検診プログラムは自主参加であるべきである」という事です。「提言」は、あれこれの理由をあげて「甲状腺異常の増加は、原発事故による放射線被ばくの影響ではなく、検診効果による」などと述べています。
 私たちは、以下に示した諸点の検討結果から、福島県民健康管理調査において発見された小児甲状腺がんが、専門家の間でも様々な意見があるものの、放射線被ばくによって発生した可能性を否定できないこと、そして、今後の推移を見る事が重要で、甲状腺検診を今まで以上にしっかりと充実・拡大して継続する必要があると考えます。
 検診は2011年10月から始まりました。発がんまでは数年かかるという前提で、事前に自然発生の甲状腺がんの有病率を把握する目的で先行調査が開始されました。その結果、予想以上に甲状腺がん有病者が発見されましたが、今後は本来の目的である事故による影響で、甲状腺がんの増加の有無を調査するために検診は継続すべきです。検査を縮小すべき医学的な根拠はありません。検診の原則の一つはハイリスクグループを対象とすることです。今回の福島原発事故による放射性ヨウ素による被曝は検診対象となるハイリスクグループの子供達を生み出したものであり、検診は継続すべきです。
 放射線誘発悪性新生物の発生は医学的には長期的に続くものと考えられており、今後も長期的な検査体制の続行が望まれます。事故後6年を経過しようとしていますが、高校を卒業し就職したり大学に進学したりして福島県外に出る18歳以上の人達も県外で甲状腺の検査が受けられるような処遇・体制の整備が必要です。こうした問題も含めて、国の責任で原発事故の放射線被曝による健康影響を最小限に抑え健康管理を促進するために、福島県とその周辺地域の住民に健康管理手帳の支給を国に申し入れるべきだと考えます。



原発作業による放射能被曝と発がん 

原発反対運動をなさっている方が、「原発作業では、必ず大量に被曝する下積みの労働者が出る。だから、原発をエネルギー源としてはならない」ということを述べておられるのを、どこかで読んだ。とくに、東電福島第一原発のように破壊された原発では、大量被ばくは必ず起きる。

被曝と発がんの因果関係を証明するのは難しいかもしれない。被曝線量と発がんの関係も、各個人の発がんしやすさも関わるので、一筋縄では行かない。が、放射線は、発がんを促すように作用することは確実だ。東電福島第一原発等では、日常的に下請け、孫請けの労働者が酷い被曝条件下で仕事をしている。将来、この記事にあるように、白血病等を発症する方が多く出てくる可能性がある。

原発労働者の被曝管理をしっかり行うこと、そして被曝する労働者が出なくて済むようにすることを考えるべきだろう。

後者の目的のためには、原発をすべて廃炉にすることだ。

以下、引用~~~

労災認定の元原発作業員、東京電力に損害賠償請求

2016年11月22日 20時04分 TBS

 福島第一原発の事故の収束作業で被ばくし、白血病になったなどとして労災認定された元作業員の男性が、東京電力などにおよそ6000万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
 訴えを起こしたのは北九州市に住む元作業員の男性(42)です。

 男性は、2011年10月から1年半にわたって、事故後の福島第一原発や九州電力玄海原発で働いていましたが、その間の被ばく量はおよそ20ミリシーベルトでその後、白血病やうつ病と診断され、労災認定を受けました。男性は、東電と九電に、あわせておよそ6000万円の損害賠償を求めています。

 「(東電は)何一つ謝ってくれていません。(他の作業員が)必要になった時に私のことが、前例として皆さんの励みになればと思い提訴を決意しました」(元作業員の男性)

 原発事故後の作業で、労災認定された元作業員が東電に損害賠償を求めて提訴するのは初めてだということです。東京電力は「適切に対応して参ります」とコメントしています。(22日18:40)

福島の小児甲状腺がん 

福島第一原発事故による放射能被曝によって、小児に甲状腺がんが発生しているかどうか、まだ断定できるだけの情報がない。この問題に関して、北海道がんセンター名誉院長 西尾正道氏による総説に教えられるところが多い。こちら

そもそも、事故から2週間程度、甲状腺がん発症にもっとも関わるとされるI131の活性が高かった期間、放射能の測定が行われていなかった、ないしその情報が公開されていない。そして、その後の内部被ばくが甲状腺がんの発症にもっとも深く関与する。

西尾氏の指摘する通り、チェルノブイリの小児甲状腺がん組織の染色体検査で、4割の症例に7q11に異常が見出されている。

下記の記事では、福島県立医大の研究チームが、外部被ばく量と小児甲状腺がん発症に相関がないとして、被ばくが小児甲状腺がんの要因ではないとしているようだが、どうも結論先にありきの報告にしか読めない。内部被ばく、ないしそのできる限り正確な推測データが必要だ。また、主要組織の染色体検査もぜひ行う必要がある。

以下、引用~~~

「外部被曝と関連なし」 福島、18歳以下の甲状腺がん 県立医科大
16/09/10記事:朝日新聞

 東京電力福島第一原発事故当時18歳以下の福島県民を対象にした甲状腺検査で、1巡目検査(先行検査)を受けた約30万人の甲状腺がんの有病率と、外部被曝(ひばく)の推計量には関連がみられなかったとする論文を福島県立医科大のグループが発表した。グループの大平哲也・同大教授(疫学)は「現時点で事故による被曝と甲状腺がんの関係は見いだせなかったが、今後も調査を続ける必要がある」としている。
 
 対象にしたのは、2011年10月〜15年6月に1巡目検査を受けた30万476人で、112人ががんかがんの疑いと診断された。
 
 被曝には、外から放射線を浴びる外部被曝と、放射性物質を体内に取り込んで起きる内部被曝がある。今回は県民健康調査に基づく外部被曝量の推計をもとに、県内市町村を(1)5ミリシーベルト以上の人が1%以上(2)1ミリシーベルト以下の人が99・9%以上(3)それ以外、の三つに分け、甲状腺がんが見つかった割合(有病率)を算出した。その結果、最も推計被曝量の高い(1)は10万人当たり48人、最も低い(2)は同41人、その中間の(3)は同36人で、違いはみられなかった。
 
 さらに30万476人のうち、外部被曝量が推計できる約13万人について、被曝量と有病率の関係を調べたが関連はみられなかった。
 
 県民健康調査検討委員会では、甲状腺がんの発生について「放射線の影響とは考えにくい」との見解を示している。同委員会の星北斗座長(福島県医師会副会長)は「論文をまだ精査していない」とした上で、「これだけで決着するようなものでなく、判断の材料の一つだと考える。しっかりとした研究だと思うので、注目していきたい」と話している。(奥村輝)

福島第一原発事故に伴い小児甲状腺がんが増加しているという研究成果 

福島第一原発事故により、小児に甲状腺がんが増えているという研究成果が公表されたようだ。こちら。

小児甲状腺がん一巡目の症例は、スクリーニング効果で発見されたとされた。だが、二巡目に、新たに発見された症例が無視できない数あった。それを検討し、やはり原発事故に伴う放射性ヨードによる甲状腺がんの多発と結論づけたものと思われる。原著にこれから当たってみたい。

福島では、放射能による外部ないし内部被曝が問題になるレベルにはない、という情報・検討結果が繰り返し発信されている。だが、事故直後1、2週間の放射性ヨードによる被曝のデータが欠落している。この時期に放射性ヨードの放射能活性は最大になっているはずだ。だから、その後の測定で、被曝が問題ないということは決してできない。

きちんとしたデータに基づき議論すること、データの欠けている問題では起こりうる可能性すべてを網羅して考えることが必要だ。

原発再稼働に向けて原発利権集団の強力な情報操作がある。研究者が科学的に正確な情報を出してくれることに期待したい。我々も、情報操作のバイアスがかかっていないか、すべての情報を批判的に見てゆかなくてはならない。

チェルノブイリ原発事故ロシア政府報告書と、福島第一原発事故小児甲状腺癌第二次スクリーニング 

「世界」2016年3月号に、尾松亮氏が「ロシア政府報告書」(2011年)について記している。それに基づいて、福島第一原発の放射能被曝による小児甲状腺癌スクリーニング(福島県民健康調査)の結論を考察してみる・・・というか、尾松氏の論考の記載(ロシア政府報告書の記載)を、福島県のスクリーニングの結論に当てはめてみる。

第一次、第二次(下記の新聞報道)のスクリーニングで見出された小児甲状腺癌症例は、福島第一原発事故の放射能被曝によるものとは考えにくいとされ、その根拠としてチェルノブイリ原発事故による小児甲状腺癌の以下の特徴が、福島の場合該当しないことが挙げられてきた。

1)4から5年後に甲状腺癌が増加した

2)事故当時5歳以下の年齢層に甲状腺癌が多発した

3)福島県では、チェルノブイリに比べて、被曝放射線量がはるかに少ない

しかし、ロシア政府報告書によれば、これらの特徴は、以下の通りに書き換えられるべきであり、福島県によるスクリーニングの主張するように、小児甲状腺癌が放射能被曝によるとは考えにくい、とは言えない、むしろ放射能被曝によるものと疑うに十分である、ということになる。

1)2年目から増加が始まり、4~5年後に著増

2)事故直後数年間は、事故当時5歳以下の年齢層に甲状腺癌増加はない事故当時15~19歳の年齢層では、事故直後の年から増加がみられ、事故後5年後から著名に増えている

3)比較的低い被曝線量の地域でも、甲状腺癌が増加している

さらに、今回の第二次スクリーニングで新たに見出された16例の小児甲状腺癌症例は、第一次スクリーニングでは見いだされなかったものであり、両スクリーニングの間に発生した甲状腺癌である。これは、放射能被曝によるものである可能性を示唆する。

調査チームも、第一次スクリーニング報告ではなかった「放射線の影響の可能性は小さいとはいえ完全には否定できず」という文言を書き加えており、今後の調査を注視する必要がある。

以下、引用~~~

福島第1原発事故 福島の子、甲状腺がん「数十倍」発見 放射線の影響否定的 健康調査
毎日新聞社16/02/16

東日本大震災:福島第1原発事故 福島の子、甲状腺がん「数十倍」発見 放射線の影響否定的 健康調査

 東京電力福島第1原発事故後、福島県が当時18歳以下の子供らを対象に実施している県民健康調査で、県の検討委員会は15日、甲状腺がんと確定した子どもが100人を超え、全国の甲状腺がんの罹患(りかん)率(がんと診断される人の割合)に基づいた推計を大幅に上回ることから、「数十倍多い甲状腺がんが発見されている」との中間まとめの最終案を大筋で了承した。放射線の影響については「考えにくい」と評価しながらも、「現段階で完全に否定できない」としている。

 検討委は疫学やがんの専門医ら有識者で構成。最終案は、2011年10月から昨年4月末まで対象者約37万人のうち約30万人が受診した1巡目の検査結果に基づく。全国の患者の推計によると、検査で見つかる甲状腺がんは福島県の18歳以下で2人程度とされるが、1巡目では100人ががんと確定し、15人が「がんの疑い」とされた。

 最終案では「将来的に診断されたり、死に結びつかなかったりするがんを多数診断している可能性がある」と明記。放射線の影響を考えにくいと評価した理由について、チェルノブイリ事故に比べ被ばく線量が少ない▽当時5歳以下からの発見がない▽県内の地域別発見率に大きな差がない――などを挙げた。

 ただし、放射線の影響の可能性は小さいとはいえ完全には否定できず、将来悪化しないがんを見つけて不安を患者に与えるリスクも受診者に説明した上で検査を継続して実施すべきだとした。中間まとめは3月中に正式に決める方針。14年4月から始まった2巡目の検査では、昨年末現在で1巡目で「がん」や「がんの疑い」と診断されなかった16人ががんと確定。35人ががんの疑いがあるという。

 ◇一斉検診で多く
 検討委の星北斗座長は会議後の記者会見で、数十倍の甲状腺がんの子どもが発見されたことについて、「一斉検診したことで数として多く見つかった」と述べた。【岡田英】

放射線被ばくのリスクには閾値がない 

原発事故後の作業に当たっていた方が、白血病を発症し、労災認定されたというニュース。調べたところ、放射能災害による労災認定は、比較的広く認定されるようだが、福島で労災認定された事実は重い。ソースは、ここで示せないが、この方の被曝線量は19mSvだったようだ。このほか、すでに多発性骨髄腫を発症した方も労災認定されたということだ。被曝線量も、低く見積もられている可能性がある。

以下、引用~~~

原発事故作業で白血病、労災認定=福島第1で初-厚労省
2015年10月20日(火)13時47分配信 時事通信
 東京電力福島第1原発事故後の作業に当たった元作業員が白血病を発症したのは放射線被ばくが原因だとして、厚生労働省が労災認定を決めたことが20日、関係者への取材で分かった。原発事故で白血病を含むがんが労災認定されるのは初めて。
 関係者によると、労災が認められたのは東電の協力企業に所属していた男性の元作業員。専門家でつくる厚労省の検討会が、医学的見地から被ばくと病気の因果関係を調べていた。 

以上、引用終わり~~~

労災認定基準に関する規定~~~

業務上疾病における業務起因性についていえば、業務に内在する* 危険有害因子の危険が具体化したものをいい、一般的には、労働者に発症した疾病について、(1)労働の場に危険有害因子が存在すること、(2)危険有害因子にばく露されること、(3)発症の経過及び病態が医学的に見て妥当であること、の3要件が満たされる場合には、原則として業務起因性が肯定されます。

多くの作業員の方が、労災の基準を超えた被曝をしているというニュース。

以下、引用~~~

1万人、白血病労災基準超す 福島第一で被曝の作業員
 【青木美希】福島第一原発で事故から9カ月間の緊急作業時に働いた約2万人のうち、白血病の労災認定基準「年5ミリシーベルト以上」の被曝(ひばく)をした人が約1万人にのぼることが、東京電力が7月に確定した集計から分かった。作業員の多くは労災基準を知らず、支援体制の整備が課題だ。

 原発作業員は年50ミリ超、5年で100ミリ超を被曝すると働けなくなる。これとは別にがんの労災を認定する基準があり、白血病は年5ミリ以上被曝した人が作業開始から1年過ぎた後に発病すれば認定される。原発事故後には胃がんなどの労災基準もできた。

朝日新聞
 東電の集計によると、福島第一原発で2011年3月11日の事故から同年12月末までに働いた1万9592人の累積被曝線量は平均12・18ミリで、約5割にあたる9640人が5ミリ超の被曝をした。この人たちは白血病を発病すれば労災認定される。今年6月末には累積で5ミリ超の被曝をした人は1万3667人になった。今後も汚染水対策など被曝の恐れが高い作業が予定され、白血病の「年5ミリ以上」の労災基準に該当する人は増え続けるとみられる。

以上、引用終わり~~~

放射線被ばくによる発がんリスクは、100mSvを超えると大きくなるという見解が、主流だった。閾値仮説である。だが、それ以下の被曝でも、発がん、死亡リスクが高くなるという調査結果が最近報告されている。閾値仮説は、バックグラウンドの他の要因との区別ができないということだったかと思うが、多数の調査を行えば、閾値以下でもリスクが高まるということが証明された、ということだろう。

以下、引用~~~

発作業員のがん死亡リスク増加
2015年10月21日(水)19時38分配信 共同通信
 欧米の原子力施設で働く30万人以上を対象にした疫学調査で、100ミリシーベルト以下の低線量被ばくでも線量に応じてがんによる死亡リスクが増えたとする分析結果を、国際チームが21日までに英医学誌BMJに発表した。

 国連科学委員会などは被ばく線量が100ミリシーベルトを超えると発がんリスクが高まるが、100ミリシーベルト以下では明確なリスク上昇を確認できないとの見解を示している。

 チームは100ミリシーベルト以下でも白血病のリスクが上昇するという調査結果を既に発表しているが、今回新たに肺や胃、肝臓など白血病以外のがん全体でリスクの上昇を確認したという。

引用終わり~~~

原発は、事故に際しても、そうでない状況でも、必然的に作業する方々に被曝を強いる。人々に犠牲を強いる、そのようなエネルギープラントは、あってはならないということだ。

原発事故放射能被曝による可能性のある問題 

東電福島第一原発事故に関連して二つの気になるニュースがあった。

一つは、昨年北茨城市で超音波による小児甲状腺検診の結果3名の癌が見つかったということ。北茨城市は、同原発から南に60km程度離れた太平洋岸沿いの町で、事故時、かなり放射能汚染された地域である。検査は14年7月〜15年1月に実施。事故発生当時に0〜18歳だった市民6151人(0〜4歳は13年度の未受診者)が対象で、3593人(58・4%)が受診した。主催者は、事故から期間が短いこと、甲状腺癌は潜伏性に存在しうることから、原発事故との関連は浅いと結論付けている。

例によって、正常コントロール集団との比較がないこと、3名の陽性者の年齢構成、癌の組織形等が公表されていない(少なくとも調べた範囲では、見いだせない)ことから、この調査の意味づけはすぐにはできないが、注目しておくべきデータである。甲状腺癌が小児に多発する時期になる、今後1、2年間の厳密なフォローが必要になる。

もう一つは、原発周辺の大熊町等に自生するモミの木に、生育異常が多く見出されたという、放医研から出された報告。生育すべき幹が、途中で育たなくなっている。この事象は、実験によって放射能被曝によるものかどうか確認する予定だという。原発周辺の幼木に見られた現象だとすると、放射能被曝が関係している可能性は十分あるように思える。

放射能被曝の影響が明らかになってくるのは、今後数年間だ。

放射能環境汚染は続く 

東電福島第一原発事故では、原発内の放射性物質の高々数%が、環境中に放出されたに過ぎない。それで「あの程度の」環境汚染で「済んでいる」わけだ。

もっと大規模な爆発があり、また風の向きが西側であったら、日本のかなりの部分が強烈に汚染されたはずだ。

当局の公表したストロンチウムによる土壌汚染のデータが、おかしいという話もある。ストロンチウムは、遠くに飛散しにくいといわれていたが、チェルノブイリの経験では、原発からの距離に反比例して土壌汚染を起こしていることが分かっている。が、福一のデータでは、それが見られず、測定した地点すべて低値ということになっているらしい。ストロンチウムは内部被曝を起こすと、カルシウムと同じ挙動をするために、骨に沈着し、骨の悪性腫瘍を起こしやすい。当局が、測定データを操作していることはないのか、測定をしっかりしているのか、今後とも注目する必要がある。

数%しか環境中に放出されていないという放射性物質だが、かなりの量がメルトダウンした核燃料のなかにあり、それにアクセスし、処理することはできない。環境汚染は様々なルートで続く。事故がコントロール下にある等と言うのは、嘘も良いところだ。

放射性物質の環境汚染が続くことを、この記事は示している。

以下、引用~~~

放射能濃度、30倍上昇=汚染雨水漏れ近くの地下水-福島第1

2015年3月11日(水)22時30分配信 時事通信

 東京電力は11日、福島第1原発で採取した地下水からストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり1万1000ベクレル検出されたと発表した。濃度は前回9日採取時と比べて約30倍に上昇した。
 地下水の採取場所近くでは、放射性物質に汚染された雨水約747トンがタンクのせきから流出したことが10日に判明。東電は汚染雨水によって地下水の放射性物質濃度が上昇した可能性もあるとみている。
 東電によると、地下水の採取場所近くにはタンク群があり、周囲をせきで二重に囲んでいる。せきには放射性物質が付着しており、降った雨も汚染される。10日に外側のせきから汚染された雨水が流出していることが確認され、ベータ線を出す放射性物質の濃度は最大で同8300ベクレルに上った。