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原発事故作業員の労災死 原発は存在すべきではない 

事故後であると否と問わず、原発の廃炉作業には、放射能被曝のリスクが伴う。原発というシステムは、放射能被曝を強制される作業員を生み出す。

福島第一原発作業現場では、多重下請けが横行している。多重下請けにより、国から支払われる危険手当がピンハネされ、さらに放射能被曝等の労務健康管理が疎かにされる。

同原発作業員の方が肺がんを発症し亡くなった。彼に対して労災が認定された。それを伝える下記の記事には、すでに4名の方が、白血病等を発症し、労災認定されたと報じられている。今後とも、さらに多くの原発作業員の方が重篤な疾患を発症し、労災認定を受けることが予想される。

労災認定されるからそれで良いと言う話ではない。原発作業には、こうしたリスクを負う方、それにより人生を台無しにされる方がいるということが問題だ。このことだけでも、原発が社会に存在してはならないことを意味する。

こうして社会の下積みで苦労される方々のことを傍観していてはいけない。やがてその立場に我々自身が立たされることになるのだから。

多重下請け関係にある原発事故作業現場の法的問題に関して、和田肇名古屋大学教授の論考。

こちら。

以下、引用~~~

NHK NEWS WEB

福島第一原発 作業員がんで死亡 被ばくによる労災と認定
2018年9月4日 18時23分

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放射線量を測定する業務などにあたっていた50代の男性作業員が肺がんを発症して死亡し、厚生労働省は被ばくによる労災と認定しました。原発事故の収束作業をめぐって、がんで死亡したケースが労災と認定されたのは初めてです。

労災認定されたのは、福島第一原発の事故後、放射線量を測定する業務などにあたっていた東京電力の協力会社の50代の男性作業員です。

厚生労働省によりますと、男性は事故直後から収束作業の一環として放射線量の測定業務などにあたり、その後も3年前まで働いていましたが、肺がんを発症して死亡しました。

厚生労働省は遺族の意向として死亡した時期などを明らかにしていませんが、男性の被ばく線量は合わせておよそ195ミリシーベルトに上り、被ばくによってがんを発症した労災だと先月31日に認定しました。

福島第一原発では、事故以降、これまでに4人の作業員が白血病や甲状腺がんを発症して労災が認められていますが、がんで死亡したケースが労災と認定されたのは今回が初めてです。

福島第一原発では、現在も1日当たりの平均でおよそ5000人が収束作業にあたっています。

除染・廃炉作業員についての国連からの指摘に対する政府の回答 

福島第一原発事故除染作業員の健康状態・労働環境について国連人権特別報告者から厳しい指摘があった。

それに対する、外務省・政府の回答である。

「法律に基づき適切に対処している」、菅官房長官お得意のケンモホロロ、何も反省のない答弁だ。

除染・廃炉作業は、下請けから孫請け、それ以下の下請けにまで仕事が割り振られている。下請けの労務管理を東電も行政も把握していない。一方、復興バブルでそうした業者の経営幹部は暴利を得ているという情報がある。

外務省・政府は、除染・廃炉作業に従事する人々の健康状態・労働環境をしっかり把握し指導すべきだ。それが、行政の責任だ。このまま行くと、将来、除染・廃炉作業員に大きな問題が生じる可能性がある。

報道の自由・生活保護等に関しても、国連から指摘されているが、我が国の政府は何も対処しようとしない。

外務省のサイト 外交政策から引用~~~ 

国連特別報告者3名からの情報提供要請に対する回答
(福島第一原発事故除染作業員関連)​​
平成30年8月17日

1 6月28日,3名の国連特別報告者(参考参照)から国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)を通じ,我が国政府に対して,福島第一原発事故の除染作業に従事する作業員関連の情報提供要請(英文 別ウィンドウで開く/仮訳 別ウィンドウで開く)がありました。
2 これに対して,8月16日,我が国は,OHCHRを通じて当該国連特別報告者に対し,福島第一原発事故を受けた除染及び同事故からの復興に関する取組をはじめ,除染作業等について法律に基づき適切に労働者の線量管理等を実施していることについて説明する文書(英文 別ウィンドウで開く/仮訳 別ウィンドウで開く)を提出しました。
3 我が国としては,引き続き,福島第一原発事故を受けた除染及び復興を含め,政府の立場や取組について,国連を含む国際社会に対して説明していきます。
(参考)3名の国連特別報告者

バスクト・トゥンカック(Baskut Tuncak)有害物質及び廃棄物の環境面での適切な管理及び廃棄の人権への影響に関する特別報告者(有害廃棄物特別報告者)
ダニウス・プラス(Danius Puras)誰もが得られる最高水準の身体的及び精神的健康を享受する権利に関する特別報告者(健康の権利特別報告者)
ウルミラ・ボーラ(Urmila Bhoola)奴隷制度の現代的形態(その原因及び結果を含む)に関する特別報告者(現代的奴隷特別報告者)

国連人権委 廃炉作業作業員の被ばくを懸念 

原発は、結局、廃炉作業で高度に被曝する作業員を生み出すことだけからしても、建設してはならないものだと誰かが記していたような気がする。

それが、福島第一原発のように深刻事故を起こした場合、猶更だ。数万人、数十万人規模で除染や廃炉の作業に従事し、被曝する方が出てくる。

国連人権委員会は、福島第一原発除染廃炉作業従事者の被ばく・健康問題について日本政府に勧告し、日本政府と昨年から対話を続けている。

こちら。

確率的に、彼ら作業員の方々のなかから、この被曝により深刻な健康被害を生じる方が出てくる。これを忘れるべきではない。

放射能汚染土全国ばらまき計画 

放射能汚染土を全国にばら撒き始めるようだ。

これは、汚染土地域の「天地返し」を、全国的な規模で行うに等しい。いくつも問題がある。

〇放射性物質の拡散を防ぐという観点から、真逆の方針である。

〇対象を食用作物を栽培する土地を除くといっても、将来にわたって、食用作物を栽培しないとはいえない。ウヤムヤになる。

〇ストロンチウム等の重たい放射性物質の汚染を検証していない。検査しているのは、セシウムだけだ。

〇地下水汚染のリスクがある。また、雨水などにより地表に流れ出る可能性もある。

除染作業とは一体何だったのか?関連業者、そしておそらく天下りを受け入れている土木関係業者に利益を与えるためだけだったのか?

これは、無責任な政策である。

どうしてもやるなら、政府官邸、通産省・環境省の敷地でまず実施すべきだ。

以下、東京新聞から引用~~~

除染土、農地造成に再利用
環境省方針、食用作物除く

 環境省は1日、東京電力福島第1原発事故に伴う除染で生じた土を、園芸作物などを植える農地の造成にも再利用する方針を決めた。除染土の再利用に関する基本方針に、新たな用途先として追加した。食用作物の農地は想定していない。

 工事中の作業員や周辺住民の被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるよう、除染土1キログラムに含まれる放射性セシウム濃度を制限。くぼ地をならす作業に1年間継続して関わる場合は除染土1キログラム当たり5千ベクレル以下、1年のうち半年なら8千ベクレル以下とした。除染土は、最終的に厚さ50センチ以上の別の土で覆い、そこに花などを植える。

放射能汚染は続く 

福島県浜通りでも、スポッティに、高度放射線汚染地点がある、という実測の記録。こちら。放射能汚染が高度の地点では、数十mSⅴに達する。

福島第一原発事故による放射能汚染で「亡くなった方」がいない、という意見をよく目にする。

だが、原発事故の放射能汚染を恐れて避難する過程、その後に命を失った方が多数存在する。放射能汚染による間接的な犠牲者である。

また、放射能被曝による健康被害の閾値は、100mSvであると喧伝されてきたが、閾値はないという見解も学会誌で表明されている。放射能被曝の感受性に、年齢による差異だけでなく、個体差もあることが知られており、感受性の高い方は、少ない被曝であっても発がんする可能性がある。また、長期間にわたって低線量被曝が続く場合のリスクはまだ分かっていないことが多い。

除染という作業は万能では決してない。また、山野のように除染ができない広大な地域がある。

放射能汚染により、自宅への帰還が困難な地域は、浪江・双葉・大熊各町等であり、5万人以上の方が避難を続けている。コミュニティが破壊されたこともあり、この大部分の方々は、故郷に生涯戻れぬ可能性が高い。

放射能汚染は、続いている。

原子力規制委員会委員長の本音 

田中委員長も時には本音を述べる。

若狭湾沿いの10数基の原発の内、一つでもテロ攻撃なり、ミサイル攻撃を受けると、すべてがコントロール不能になる可能性がある。こちら。

すると、西日本は壊滅的に汚染される。ということは、日本が国家として立ち行かなくなることを意味している。

そうなることを田中委員長は知っていて、この発言をしたのではないだろうか。

北朝鮮がミサイル攻撃をしかけてくる可能性は極めて低いと思うが、万一、そうなることになったら、彼らは弾道ミサイルで原発を狙う。その対策は、まったくない、というか立てられない。ミサイル攻撃が予測された場合、「地面に伏せろ」等という無意味な宣伝を政府は行っている。だが、本当の危機については語らない。

以下、引用~~~

田中委員長「ミサイルは東京に落とす方がいい」


2017年07月06日 20時23分 読売新聞
田中委員長「ミサイルは東京に落とす方がいい」
意見交換会終了後、報道陣の取材に応じる規制委の田中委員長(高浜町の高浜原子力防災センターで)

 原子力規制委員会の田中俊一委員長が6日、関西電力高浜原子力発電所がある福井県高浜町での町民らとの意見交換会で、北朝鮮によるミサイル攻撃が起きた場合の原発の対策などを問われ、「(安全対策は万全だが)東京のど真ん中に落とした方がよっぽどいい」などと発言した。

 直後に「冗談です」と付け加えたが、終了後、報道陣から問題視する質問を受け、「不適切だった」と陳謝した。

 意見交換会は、高浜3、4号機が営業運転に入ったことなどを受け、町民や周辺自治体の首長ら約30人が参加して開催された。

 ミサイル攻撃に関する町民の質問に対し、田中委員長は「原発は航空機の衝突に耐えられる安全対策がなされている」と述べた後、私見として「東京への攻撃」に言及。「(北朝鮮のミサイルに)原子炉を狙う精度があるか分からないが、向こう(東京)には何十万人もいる」などとも話した。

 終了後、田中委員長は「戦争は絶対避けてほしいが、戦争になれば原子炉だけの問題ではなくなるとの意味だった」と釈明した。

福島県小児甲状腺がん検診 二巡目結果 

福島県小児甲状腺がんの検診「二巡目」で、甲状腺がん、がん疑いが68名に達した。

県民健康検査検討委員会は、放射能被曝の影響とは考えられないと述べている。

こちらに、ローデータが掲載されている。

上記検討委員会は、これらの症例は、いわゆるスクリーニング効果でたまたま見出されたものという立場のようだが、それに対して検討委員会内部でも異論があったようだ。スクリーニング効果論に対する反論は、こちらのサイトにまとめられている。

福島県の小児がん検診、治療の中心にいる、福島県立医大鈴木教授等は、この68名中44名にすでに手術を施している。もし、検診で見出された甲状腺がん症例が、スクリーニング効果によるものであるとするならば、予後が良好であるはずの症例に手術を積極的に行っていることになる。手術適応に関して問題はないのだろうか。また、鈴木教授が、症例の臨床所見を公表していないことも、大きな問題だろう。

一巡目の検診で診断されなかったものが、二巡目の検診で診断された。それは、一巡目から二巡目の間に発生したがん、がんの疑い症例ということだ。根拠なくスクリーニング効果と断定するのではなく、同様の検診を今後とも続けるべきである。

検診規模を縮小すべきという提言の問題;

小児甲状腺がんの検診を規模縮小する、即ち希望者を対象にして行うようにすべきだと、二つの組織が、福島県に対して提言した。

一つは、日本財団理事長が委員長を務めた第五回「放射線と健康についての福島国際専門家会議」である。ここでも、ヨーロッパの研究者等から異論が出たが、検診の規模縮小を提言した。先のポストに記した。

もう一つは、上記の件健康検査検討委員会である。その委員長は、星総合病院理事長星北斗氏である。星氏のその縮小論には、検討委員会でも異論が相次いだらしい。星氏は、医学部卒業後すぐに厚生省(当時)の医系技官になっている。彼の経歴からすると、臨床の経験が殆どないように思われる。行政畑出身のこのような人物が、臨床的に重大な意味のある検診縮小を提言することに、大きな違和感を感じる。被曝した子供たちのことを第一に考えていないのではないか。むしろ原発事故を引き起こした組織・当事者の立場に立っているのではないか、という懸念だ。

二巡目の検診で、これだけの甲状腺がん、その疑い症例がでたのだから、繰り返しになるが、検診は続けるべきである。そして、詳細な情報を公開すべきである。

以下、引用~~~

甲状腺がん…計44人に、2巡目検査で新たに10人 県民健康調査
16/12/29記事:福島民友新聞

 県と福島医大は27日に開かれた県民健康調査検討委員会で、原発事故発生時18歳以下の県民を対象とした甲状腺検査を巡り、2巡目の本格検査(9月末現在)で新たに10人が甲状腺がんと診断され、累計44人になったと報告した。がんの疑いは24人。
 
 「がん」や「がん疑い」は前回報告(6月末時点)から9人増の計68人で、このうち62人が1巡目の先行検査で「問題なし」と診断されていた。検討委は「現時点で放射線の影響は考えにくい」と従来と同様の見解を示している。
 
 検査では原発事故直後から3年目までの先行検査と、2014(平成26)年4月から始まった本格検査の結果を比べて放射線影響などを調べる。程度の軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定、BとCが血液や細胞を詳しく調べる2次検査に進む。本格検査は14年度に25市町村、昨年度は34市町村で行い、約27万人が受診した。
 
 「がん」や「がん疑い」と診断された68人のうち62人が先行検査でA1、A2と診断され、5人がB判定、先行検査未受診が1人だった。68人の内訳は男性31人、女性37人で腫瘍の大きさは5.3〜35.6ミリで事故当時の年齢は5〜18歳。このうち事故から4カ月間の外部被ばく線量が推計できたのは35人で最大値が2.1ミリシーベルト、15人が1ミリシーベルト未満だった(繰り返し以前から述べているが、事故直後の外部被ばく量のデータはない。さらに、それ以降は外部被ばくではなく、内部被ばく量(甲状腺等価線量)が問題になるはずだが、この検診では検討されていない;ブログ主)。
 
 約30万人が受診した先行検査と合わせ、これまでに「がん」と診断されたのは計145人、「がん疑い」は38人となった。

福島での小児甲状腺がん検診の縮小はするべきではない 

甲状腺検診について益川敏英氏等が、福島県知事に行った申し入れの文章。

政官業からなる原子力村は、福島第一原発事故による被曝の影響を過小評価させたくて仕方ないようだ。

福島では、内部被ばくがチェルノブイリに比べて少ないことは分かっているが、事故当初のI131による被曝の正確な量は分かっていない。検診の二巡目で多くの患者が見つかっていることは、新たに患者が発生していることを示唆する。陰性コントロールを立てて、しっかりした方針のもと、放射能被曝に感受性の高い小児について検診を続けるべきである。

以下、申し入れを引用~~~

福島県知事への申し入れ 

甲状腺検診は「自主参加」による縮小でなく、拡大・充実すべきです

2016年12月20日

呼びかけ人
 益川敏英 名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構長
 池内 了 総合研究大学院大学名誉教授
 沢田昭二 名古屋大学名誉教授
 島薗 進 上智大学教授
 矢ヶ崎克馬 琉球大学名誉教授
 松崎道幸 道北勤医協旭川北医院院長
 宮地正人 東京大学名誉教授
 田代真人 低線量被曝と健康プロジェクト代表(事務局)

 笹川陽平 日本財団会長(委員長)、喜多悦子 笹川記念保健協力財団理事長、丹羽太貫 放射線影響研究所理事長、山下俊一 長崎大学理事・副学長、Jacques Lochard 国際放射線防護委員会副委員長、Geraldine Anne Thomas インペリアル・カレッジ・ロンドン教授らは2016年12月9日、第 5 回放射線と健康についての福島国際専門家会議の名で、「福島における甲状腺課題の解決に向けて~チェルノブイリ 30 周年の教訓を福島原発事故 5 年に活かす~」と題する「提言」を福島県知事に提出しました。
 東日本大震災による福島第一原発事故と小児甲状腺がんの関連を検討するために行われてきた小児の甲状腺検診で、これまで170名以上の小児甲状腺がんおよびその疑い例が発見されています。
「提言」の要は、「検診プログラムについてのリスクと便益、そして費用対効果」の面から、「甲状腺検診プログラムは自主参加であるべきである」という事です。「提言」は、あれこれの理由をあげて「甲状腺異常の増加は、原発事故による放射線被ばくの影響ではなく、検診効果による」などと述べています。
 私たちは、以下に示した諸点の検討結果から、福島県民健康管理調査において発見された小児甲状腺がんが、専門家の間でも様々な意見があるものの、放射線被ばくによって発生した可能性を否定できないこと、そして、今後の推移を見る事が重要で、甲状腺検診を今まで以上にしっかりと充実・拡大して継続する必要があると考えます。
 検診は2011年10月から始まりました。発がんまでは数年かかるという前提で、事前に自然発生の甲状腺がんの有病率を把握する目的で先行調査が開始されました。その結果、予想以上に甲状腺がん有病者が発見されましたが、今後は本来の目的である事故による影響で、甲状腺がんの増加の有無を調査するために検診は継続すべきです。検査を縮小すべき医学的な根拠はありません。検診の原則の一つはハイリスクグループを対象とすることです。今回の福島原発事故による放射性ヨウ素による被曝は検診対象となるハイリスクグループの子供達を生み出したものであり、検診は継続すべきです。
 放射線誘発悪性新生物の発生は医学的には長期的に続くものと考えられており、今後も長期的な検査体制の続行が望まれます。事故後6年を経過しようとしていますが、高校を卒業し就職したり大学に進学したりして福島県外に出る18歳以上の人達も県外で甲状腺の検査が受けられるような処遇・体制の整備が必要です。こうした問題も含めて、国の責任で原発事故の放射線被曝による健康影響を最小限に抑え健康管理を促進するために、福島県とその周辺地域の住民に健康管理手帳の支給を国に申し入れるべきだと考えます。



原発作業による放射能被曝と発がん 

原発反対運動をなさっている方が、「原発作業では、必ず大量に被曝する下積みの労働者が出る。だから、原発をエネルギー源としてはならない」ということを述べておられるのを、どこかで読んだ。とくに、東電福島第一原発のように破壊された原発では、大量被ばくは必ず起きる。

被曝と発がんの因果関係を証明するのは難しいかもしれない。被曝線量と発がんの関係も、各個人の発がんしやすさも関わるので、一筋縄では行かない。が、放射線は、発がんを促すように作用することは確実だ。東電福島第一原発等では、日常的に下請け、孫請けの労働者が酷い被曝条件下で仕事をしている。将来、この記事にあるように、白血病等を発症する方が多く出てくる可能性がある。

原発労働者の被曝管理をしっかり行うこと、そして被曝する労働者が出なくて済むようにすることを考えるべきだろう。

後者の目的のためには、原発をすべて廃炉にすることだ。

以下、引用~~~

労災認定の元原発作業員、東京電力に損害賠償請求

2016年11月22日 20時04分 TBS

 福島第一原発の事故の収束作業で被ばくし、白血病になったなどとして労災認定された元作業員の男性が、東京電力などにおよそ6000万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
 訴えを起こしたのは北九州市に住む元作業員の男性(42)です。

 男性は、2011年10月から1年半にわたって、事故後の福島第一原発や九州電力玄海原発で働いていましたが、その間の被ばく量はおよそ20ミリシーベルトでその後、白血病やうつ病と診断され、労災認定を受けました。男性は、東電と九電に、あわせておよそ6000万円の損害賠償を求めています。

 「(東電は)何一つ謝ってくれていません。(他の作業員が)必要になった時に私のことが、前例として皆さんの励みになればと思い提訴を決意しました」(元作業員の男性)

 原発事故後の作業で、労災認定された元作業員が東電に損害賠償を求めて提訴するのは初めてだということです。東京電力は「適切に対応して参ります」とコメントしています。(22日18:40)

福島の小児甲状腺がん 

福島第一原発事故による放射能被曝によって、小児に甲状腺がんが発生しているかどうか、まだ断定できるだけの情報がない。この問題に関して、北海道がんセンター名誉院長 西尾正道氏による総説に教えられるところが多い。こちら

そもそも、事故から2週間程度、甲状腺がん発症にもっとも関わるとされるI131の活性が高かった期間、放射能の測定が行われていなかった、ないしその情報が公開されていない。そして、その後の内部被ばくが甲状腺がんの発症にもっとも深く関与する。

西尾氏の指摘する通り、チェルノブイリの小児甲状腺がん組織の染色体検査で、4割の症例に7q11に異常が見出されている。

下記の記事では、福島県立医大の研究チームが、外部被ばく量と小児甲状腺がん発症に相関がないとして、被ばくが小児甲状腺がんの要因ではないとしているようだが、どうも結論先にありきの報告にしか読めない。内部被ばく、ないしそのできる限り正確な推測データが必要だ。また、主要組織の染色体検査もぜひ行う必要がある。

以下、引用~~~

「外部被曝と関連なし」 福島、18歳以下の甲状腺がん 県立医科大
16/09/10記事:朝日新聞

 東京電力福島第一原発事故当時18歳以下の福島県民を対象にした甲状腺検査で、1巡目検査(先行検査)を受けた約30万人の甲状腺がんの有病率と、外部被曝(ひばく)の推計量には関連がみられなかったとする論文を福島県立医科大のグループが発表した。グループの大平哲也・同大教授(疫学)は「現時点で事故による被曝と甲状腺がんの関係は見いだせなかったが、今後も調査を続ける必要がある」としている。
 
 対象にしたのは、2011年10月〜15年6月に1巡目検査を受けた30万476人で、112人ががんかがんの疑いと診断された。
 
 被曝には、外から放射線を浴びる外部被曝と、放射性物質を体内に取り込んで起きる内部被曝がある。今回は県民健康調査に基づく外部被曝量の推計をもとに、県内市町村を(1)5ミリシーベルト以上の人が1%以上(2)1ミリシーベルト以下の人が99・9%以上(3)それ以外、の三つに分け、甲状腺がんが見つかった割合(有病率)を算出した。その結果、最も推計被曝量の高い(1)は10万人当たり48人、最も低い(2)は同41人、その中間の(3)は同36人で、違いはみられなかった。
 
 さらに30万476人のうち、外部被曝量が推計できる約13万人について、被曝量と有病率の関係を調べたが関連はみられなかった。
 
 県民健康調査検討委員会では、甲状腺がんの発生について「放射線の影響とは考えにくい」との見解を示している。同委員会の星北斗座長(福島県医師会副会長)は「論文をまだ精査していない」とした上で、「これだけで決着するようなものでなく、判断の材料の一つだと考える。しっかりとした研究だと思うので、注目していきたい」と話している。(奥村輝)