地震活動の活発化と、原発再稼働 

カムチャッカ半島の火山が、大噴火を起こしたと報じられている。こちら。同地では、9日にも別な二つの火山が噴火。2012年にも、三つの火山が噴火している。

環太平洋火山帯が明らかに活動期に入っており、それに伴い地震活動も活発化している。

大阪高裁は、高浜原発再稼働を認める判決を出した。再稼働が認められたのは二基ともプルサーマル発電であり、非プルサーマルに比べて、リスクが高い。高浜原発のある若狭湾沿岸には、4つの原発に計14基が存在する。すべてほぼ50km圏内に入る。一か所で深刻事故が起きたら、他の近傍原発がすべてコントロール不能になる可能性がある。京阪神まで120km前後以内だ。

福島第一原発の事故原因がまだ明らかでなく、また深刻事故の際の住民の避難、さらに事故を起こした原発への対処方法が決まっていない。再稼働を認めるのは、もっぱら関西電力の経営のことだけを考えてだ。原子力規制委員会の新規制基準は、安全を担保するものではない、と同委員会委員長が繰り返し述べている。原発再稼働を政策として推進しているのは安倍政権である。繰り返し述べている通り、2006年第一次安倍内閣当時、安倍首相は、原発での深刻事故は起きないので、それへの対策はとる必要がないと、国会答弁している。福島第一原発事故の責任を取るべき政治家として、安倍首相は筆頭に位置する。その彼が、危険な再稼働を推進しているのは無責任極まる。もう一度、同じような深刻事故が起きたら、日本という国は再び立ち上がれなくなる。

若狭湾にも地震・津波が襲ってくる可能性はある。

伊方原発再稼働 

今日、これまで何もなかったかのように、伊方原発三号基が再稼働された。

伊方原発近傍に、中央構造線の活断層がある。以下、ウィキペディアから引用~~~

1996年、高知大学などの研究グループによる、伊予灘海底にある中央構造線断層帯の調査によって、愛媛県の伊方原子力発電所の間近の海底に活動度の高い活断層2本が発見された。ここでは約2000年おきにM7前後の地震が起きると考えられており、M7.6の規模の地震も起きる可能性がある[39]。伊方原発の安全審査が不十分だとして地元住民が原子炉設置許可の取り消しを国に求めた訴訟では、2000年12月に松山地裁が原告の請求を棄却したが、その際にこの活断層について国の安全審査の判断が誤っていた可能性に言及した。原発の運転差し止めを求める訴訟は各地で起こされているが、活断層に関する国の判断の誤りについて指摘されたのはこの時が初めてであった[40][41]。伊方原発と活断層との距離は約6kmであるが、活断層調査にあたった高知大教授・岡村真によれば、もし伊方原発に最も近い活断層で、あるいは中央構造線断層帯全体が一度に動いて、予想される最大規模のM8の地震が起きた場合、原発周辺は震度7の揺れに見舞われる可能性があるという[42]。

引用、終わり~~~

伊方原発は、幅の狭い佐多岬の根元に位置しており、万一深刻事故が起きた際の、佐多岬の住民の避難方法がない。プルサーマル運転を行うことが想定されており、プルトニウムにより中性子脆化がさらに悪化し、また燃料棒への損傷が懸念されている。

大きな地震が起きるリスク、そして伊方原発固有の問題があるのに、ここで何事もなかったかのように再稼働する。

この再稼働を推進した、電力会社、政府当局、原子力規制委員会すべてに、再稼働によって生じる事故の責任がある。

PS;伊方原発のリスクに関するリテラの記事。こちら

世耕経産相が原発利権業者から賄賂を受け取っていた疑惑 

原発の利権に与る集団は、原発再稼働、はては新たな原発建設に向けて動き出している。建設後40年を経過した老朽化原発も再稼働の対象だ。前のポストで安全性の問題の一部を取り上げたが、原発利権集団が危険性を無視してなぜ再稼働に突っ走るのか。その理由は簡単だ。彼らが原発稼働によって得る金である。

政官業の原発利権集団のうち、経産相は政治の部門で原発を担当する責任者である。今回経産相になった世耕氏には、原発利権業者から迂回献金を受けた疑惑が過去にある。こうした政治家への収賄まがいの金は、依然として政治家に渡り続けているのだろう。

彼らには、日本の将来を見据えた責任感がない。


以下、リテラの記事引用~~~


リテラ > 社会 > 政治 > 新閣僚「政治と金」世耕には原発マネー
新閣僚たちは「政治と金」疑惑まみれ! 政治資金で真珠、地酒爆買い、キャバクラ…世耕経産相には原発マネー

 世耕経産相といえば、祖父の弘一氏が創立者である近畿大学の理事を務めたことでも知られるが、2014年、「週刊ポスト」(小学館)にその近大を経由した違法企業献金疑惑を報じられたことがある。他にも、人材サービス派遣会社の会長ら役員が分散して個人献金しており、その献金額の合計が政治資金規正法で定める限度額を超えることから、計画のうえでの違法献金の疑いも持ち上がっていた。
 こうした政治とカネをめぐる世耕経産相の疑惑は、後追い報道するメディアが皆無でしりすぼみに終わっていたが、そのなかでも看過されてはならないのは、毎日新聞が報じた、原発関連マネーの“分散違法献金疑惑”だ。
 2013年、世耕氏の資金管理団体「紀成会」は、関西電力の原発関連業務を受注している兵庫県の設備会社幹部5人から、個人献金の限度額である150万円ずつ計750万円を受け取っていた。献金した社長らは「会社とは関係ない」と話していたが、それぞれの献金の日付が同年2月20日と6月5日に集中。会社ぐるみで実質的な企業献金を個人献金に偽装しており、世耕氏側はそれを承知で受け取ったのではないかとの疑惑が持ち上がったのだ。
 この問題は状況から限りなくグレーであったにもかかわらず、結局、その違法性を問われることはなく終わってしまった。しかし、世耕経産相が“原発議員”であることは事実で、経産相に就任して早速、原発について「地元の理解を得ながら再稼働を進めるのが政府の一貫した方針だ」と明言している。

なし崩し的に進められる原発再稼働 

以前にも記したが、原子炉壁は、内部で発生する中性子に被曝することにより、徐々に脆化する。要するに、金属壁が固く脆くなってゆく。

中性子脆化によって、ある温度以下になると、構造体が破壊される(脆性破壊)。原発は脆性破壊は起きない建前になっているが、実際はそれを予測し、モニタリングするシステムがある。予測よりも早く、脆化が進んでいるという論文がある。こちら。金属工学の専門家の見解であり、首肯できる。行政は、原子炉再稼働に都合のよい予測、データ解釈をする。原子炉規制委員会委員長が、なぜ 「相当苦労されるだろうと思いますけど、一応間に合う方向でやるんだと思います」というコメントを出すのか。彼らは、厳格に原子炉の安全を検査する立場なのではないのか。

原発の冷却システムが動作しなくなり、ECCSが作動、原子炉が急激に冷やされることになると、この脆性破壊が現実となる。稼働中の原子炉は、爆発的に破壊され、放射能汚染が広範囲に及ぶことになる。福島第一原発では、事故の際に曲がりなりにも稼働は停止していた。福島第一原発事故の最悪のシミュレーションでは、東京まで汚染が進み、避難を余儀なくされることになっていた・・・そうしたことが、今後の事故では起きる可能性がある。それは日本という国家が立ち行かなくなることを意味する。

原発利権集団は、なし崩し的に再稼働を進めている。

以下、引用~~~

美浜原発3号機審査に合格、上関原発は県が埋め立て免許延長許可

2016年08月04日 00時15分 TBS

 福井県にある関西電力の美浜原発3号機について、原子力規制委員会は3日、「審査書」の案を了承、事実上、新基準に合格したことになります。運転中の川内原発を含めると全国で8基目。また、原則40年の運転期間を延長して再稼働を目指す原発は、高浜原発に次いで、2例目となります。
 
 「了承してよろしいでしょうか」(原子力規制委員会 田中俊一委員長)

 原子力規制委員会は、関西電力・美浜原発3号機の安全対策が、新しい基準を満たしていると判断しました。

 「何で美浜の老朽炉を認可しようとするんですか!」

 審査に事実上合格したことになる美浜原発3号機。原発の運転期間は、福島第一原発の事故後、原則40年に制限されましたが、特例で最長20年の延長が認められています。原則40年を延長して再稼働を目指す原発は、関西電力・高浜原発1、2号機に続き2例目となります。美浜原発の再稼働には、今年11月までに残る通常の審査に加え、老朽化対策の審査に合格する必要があります。

 「相当苦労されるだろうと思いますけど、一応間に合う方向でやるんだと思います」(原子力規制委員会 田中俊一委員長)

 一方、中断していた新規原発計画に動きがありました。山口県は、中国電力が申請していた上関原発の建設に必要な海の埋め立て免許の延長を許可。あわせて、原発本体の着工時期の見通しがつくまでは、工事を再開しないことも求めました。埋め立て工事は、福島第一原発事故を受け中断され、県が延長を許可するか判断を先送りしていました。県は、「上関原発が国のエネルギー政策に位置づけられていて埋め立ての必要性がある」として延長を認める判断をしましたが、反対する住民らの激しい反発が予想されます。(03日23:29)

我が国が直面する一番の脅威 

高浜原発4号機は、1月20日に一次冷却水漏れを起こした。「ボルトの締め忘れ」ということだったと報告された。だが、それだけではなかった。発電系のトラブルで緊急停止したと昨日報道された。今日の続報では、異常な出力が検出されていると報じられている。

ここまで、問題を起こしたのだから、再稼働を止めるべきだ。ボルトの締め忘れが一か所あったら、他にも締め忘れないしそれに相当する簡易なエラーが起きている可能性は高い。また、異常出力も原発本体に関係する問題だ。この原発は稼働開始後31年のようだが、高浜原発の他の一つは30年、二つの原発は40年を超えている。老朽化が進んでいる可能性が高い。これほどトラブルが続く老朽化を起こした原発は、リスクが高い。

この原発が深刻事故を起こすと、若狭湾周辺の原発14基が統御不能になる可能性が高く、すると琵琶湖の汚染、さらに関西地方全域の汚染が起こる。それは、日本という国家が成立しえないことを意味する。

これほど国家の安全保障を脅かす問題はない。すぐそこにある脅威だ。

以下、引用~~~

高浜4号機、原子炉緊急停止=発電機トラブルで-外部影響なし・関電
2016年2月29日(月)16時30分配信 時事通信

 29日午後2時ごろ、関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)で、発電開始の作業を始めた直後に発電機が止まるトラブルがあり、原子炉が緊急停止した。関電によると、外部への影響はない。関電が原因を調べている。
 4号機は26日に再稼働し、試験運転中。29日にタービンと発電機をつなぎ午後2時ごろから発電と送電を開始する予定で、営業運転は3月下旬から開始の見通しだった。高浜町内で会見した関電原子力事業本部の宮田賢司副事業本部長は「まずはしっかりと原因究明をしていく。それ以降の工程は一切ない」と語った。
 関電によると、午後2時1分、主変圧器と発電機内部の故障を伝える警報と、電圧測定用の変圧器で異常があったことを伝える警報が発信され、発電機が自動停止。その1秒後に、タービンと原子炉も同時に自動停止した。通常、これら二つの警報は、発電機内部の配線や計器などに故障があるときに鳴るという。関電は「発電機に何らかの故障がある可能性がある」と説明している。 

高浜原発再稼働は、無責任の極み 

高浜原発3,4号機の再稼働差し止め仮処分は、あっさりと関電の要求通り、福井地裁で取り消された。一昨日だったか、福井県知事が「総合的に判断し」再稼働を認める判断を行ったのとほぼ同時だ。出来レースのようだ。

以前、若狭湾周辺に計15基の原発、関連施設があり、それは直径50kmの範囲に収まっていることを示した。こちら

高浜原発は、関西の水瓶、琵琶湖から40kmほど、京都市から50kmも離れていない。さらに、数km近くに舞鶴市もある。

高浜原発で、深刻事故が起きたら、近傍の原発のコントロールが難しくなる可能性がある。高浜原発単独の事故であったとしても、琵琶湖は汚染され、関西の水道は利用不可能になる。また、日本文化のメッカの一つ、京都も放射能汚染にさらされる。若狭湾の複数の原発にメルトダウンが起きようものなら、西日本は居住不可能になるのではないだろうか。被災する人口と、地域の規模を考えると、日本は再起不能になる可能性がきわめて高い。

福島第一原発事故では、放出された放射能が、海洋に向かったこともあり、汚染は今のレベルで済んでいる(それでも、酷い汚染であるし、また汚染源を隔離することができておらず、地下水等を通して環境汚染は続いている)。あの状況を見て、タカをくくってはいけない。

原子力規制委員会は、定められた検討項目に原発が合致するかどうかを見ているだけだと何度も言明している。あの規制基準で「安全だ」とは決して言えない。彼らは、安全だとは言っていない。規制基準に適合したから安全だと言うのは、実務も何も分からぬ政府だ。安倍首相は、第一次安倍内閣当時、福島第一原発に津波が押し寄せ深刻事故になることはない、と答弁した。あの深刻事故が福島で起きても、何の責任も取らない。再稼働に向けて進むのは、それと同じ無責任な行動である。

国が再起不能になるかもしれぬリスクを押して、どうして原発の再稼働が必要になるのだろうか。


以下、引用~~~

高浜原発再稼働認める=福井地裁「新基準は合理的」-3号機、来年1月起動へ
2015年12月24日(木)15時52分配信 時事通信

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを命じた仮処分について、福井地裁は24日、関電の異議を認め、取り消す決定をした。林潤裁判長は、原発の新規制基準を合理的と判断し、「安全性に欠ける点があるとは言えない」と再稼働を事実上認めた。仮処分を申し立てた住民側は決定を不服として、名古屋高裁金沢支部に保全抗告する。
 取り消しで差し止めの効力は失われた。高浜3、4号機は原子力規制委員会の審査が終了し、福井県と高浜町は再稼働に同意している。関電は近く3号機に核燃料を搬入し、来年1月下旬に原子炉を起動させる予定で、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に続き、全国2番目の再稼働となる公算が大きくなった。
 福井地裁では樋口英明裁判長(当時)が今年4月、「新規制基準は緩やかにすぎ、合理性を欠く」と再稼働を差し止める仮処分決定を出していた。
 これに対し、林裁判長は「新規制基準の内容や、規制委の判断に不合理な点はない」と判断。想定される地震の揺れ(基準地震動)について「規制委で専門的・技術的知見に基づき、中立公正な立場で審査する枠組みが採用されており、内容は合理的だ」と認めた。耐震安全性や使用済み燃料についても、規制委の判断を合理的とした。 

原子力規制委員会委員長 田中俊一氏 

4年前のこのブログの記事、こちら、を読み返していて、田中俊一という名前に目が留まった。原子力規制委員会委員長 田中俊一氏ではないのか。

原子力規制委員会の同氏のページにも、その「提言」が載っているので、間違いない。田中俊一氏は、日本原研の主要なポストを歴任し、福島第一原発事故前には、日本原子力委員会委員長代理まで勤めた方だ。私が当該ブログ記事で引用した新聞記事にいみじくも記されている通り、「原子力推進派」の学者だったわけだ。

田中俊一氏は、あらたな規制基準で既存の原子炉を検査し始めたころ、「この審査基準は安全を担保するものではない。」と明確に述べていた。彼ら、原子力規制委員会の仕事は、新規制基準に既存原子炉が適合するかどうかを調べるだけである、というのだ。政府が、原子力規制委員会が安全性を保障してくれると言うのと対照的というか、政府の安請負にブレーキをかける対応だと思っていた。

だが、このところ、政府の原子炉再稼働の方針に沿う言動が、田中氏に目立つようになってきた。福井地裁の高浜原発再稼働差し止めを指示する訴訟判決では、真審査基準が世界の権威から認められたもので、それが認められないと言うのは残念だ、と言っていた。新規制基準に問題があることは、拙ブログのこちらの記事でも論じた。

福島第一原発事故直後に述べた国民へのお詫びの言葉を、田中氏は忘れてしまったのだろうか。あのお詫びが彼の生き方にかかわる言葉であるなら、現在の政権ににじり寄る姿勢は出てくるはずがないのではないか。やはり、田中氏は原子力村の人間に過ぎないのではないか。、

川内原発審査の問題点 

石橋克彦神戸大学名誉教授が、原子力規制委員会による川内原発審査の問題点を、世界4月号で指摘している。石橋教授は、東電福島第一原発事故直後の2011年7月に、判明した範囲での同事故の原因、背景、さらに原発廃止への展望を記した岩波新書「原発を終わらせる」を編集・記述なさった地震学の権威である。

原発施設に大きな影響を与える地震を、次の三種類にわけて検討することになっている。

1 内陸地殻内地震・・・陸のプレート内で生じる地震

2 プレート間地震・・・海・陸プレート境界に生じる地震

3 海洋プレート内地震・・・フィリッピン海プレート内に生じる地震

九州電力は、「歴史的に最大と思われる地震の記録から、2、3は考慮しなくて良い」と再稼働申請書に記して、規制委員会もそれを認めた。

即ち、2の最大規模の地震は、1662年日向・大隅地震マグニチュード7 1/2から7 3/4、3の最大規模の地震としては、1909年宮崎県西部地震 マグニチュード7.6を挙げ、両者共に、川内原発から十分離れており、原発に大きな影響を与える地震ではない、とした。ここで、大きな影響とは、震度5弱以上を指す。

過去の地震の歴史だけで、2、3を考慮しなくて良いと結論するのは誤りである。予想される南海トラフ地震マグニチュード9.0について、内閣府検討会は推計震度の分布図を作成した。それによると、川内原発は、震度5弱の範囲に入っている。南海トラフ地震は、2の例である。フィリッピン海プレートは、鹿児島県の地下にも存在するから、上記の1909年の地震と同クラスの地震が、川内原発付近で起きる可能性もあり、その場合、同原発地域で震度5弱以上の震度になる可能性がある。

以上の事実は、川内原発の新規制基準適合性審査に重大な誤りがあることを示している。

一方、石橋教授によれば、新規制適合基準そのものにも大きな瑕疵がある、という。原子力発電所の事故防止と、事故の影響緩和の国際標準の指針である「深層防護」を、新規制基準は取り入れ徹底している、というが、そうなっていない、ということだ。「深層防護」の第五層である、放射性物質大規模放出にともなう放射線影響の緩和を、原子力防災に丸投げしており、新規制基準では扱っていない。原発施設外での放射能災害を防止する対応が、国際標準では入っているのに、新規制基準には入っていないということだ。新規制基準は、その第五層を、原子力防災で対応するとしているが、原発の規制基準としては不十分である。さらに、地方自治体に丸投げされている原子力防災では、川内原発の場合、i医療機関の入院患者対応に関して、鹿児島県は半径10kmの範囲しか対応しない、対応できないと県知事が述べている。半径30km圏内の住民への対応も、地方自治体任せである。

これで、」安倍首相がことあるごとに述べている、東電福島第一原発の教訓から学んだ「世界一厳格な安全基準と、果たして言えるのか。原発再稼働がまず最初にあり、そこからすべて話が進められているように思える。新たな原発再稼働安全神話だ。

川内原発は、近々再稼働される予定である。

原子力損害賠償機構の問題 

東電が、原子力損害賠償機構から毎月1000億円以上の資金援助を得ていることは何度か記した。資金援助総額は5兆円弱である。

この機構とは一体何なのか。国と、電力会社が共同で立ち上げた組織で、福島第一原発事故処理に要する資金を援助することを直接の目的にしている。

同機構の問題点を二つ。

ますは資金繰りの問題。既に東電に支払われた5兆円弱の資金の内訳を、同機構の資本金等と示すと、Wikipediaの情報では;

引用~~~

資本金:140億円 政府出資:70億円  
原子力事業者等12社:70億円

負担金 一般負担金(原子力事業者による積立)2011度: 815億円、2012年度: 1008億円、2013年度: 1630億円
特別負担金(資金援助を受けた原子力事業者からの返済)2011年度: 0円、2012年度: 0円、2013年度: 500億円

交付国債 賠償のための資金交付の原資として国から交付される国債。現在、累計5兆円が交付されている。

借入等 市中からの政府保証付きの借り入れや政府保証債券の発行による資金調達 政府保証枠は毎年度の一般会計予算総則に規定。2014年度の政府保証枠は4兆円。

引用終わり~~~

結局、電力会社の負担は1割前後であり、大部分は国債である。国の借金、即ち国民に将来負担が来る可能性が高い。

電力会社は、あの事故以来、原発が稼働していないため、化石燃料の支出が増えたとして、電力料金を上げ続けているが、それ以外に、こうした廃炉・復旧・損害賠償費用が必要になり、それは結局国民の負担になる。原子炉の廃炉、復旧の目途は、まだ殆ど立っていない。恐らく、今後、5兆円と同じか、それ以上のコストがかかることだろう。それは社会保障費の自然増分の30年分にも相当する。これほどのコスト負担が生じうる深刻事故、それを生じうる原発を再稼働して良いのか。答えは自ずから明らかだ。

もう一点、同機構の構成メンバーに関してである。財務省、経産省の官僚が入っているのは勿論、東大の岡村孝司教授の名前が目につく。彼は、原子力村に人材を出し続けてきた同大学原子力工学科(元)の卒業生であり、自身もアカデミズムの立場から、原子力行政に深くかかわってきた。2005年から2012年まで原子力安全委員会の委員をしている。福島第一原発事故に対する責任は、少なくないはずだ。あの事故が起きた時に、NHKで事故の解説をしていた。その解説内容は、事故の深刻さを覆い隠す内容であった。現在、原子力規制委員会の委員もしているらしく、大飯原発再稼働にゴーサインを出した検討委員会のメンバーでもある。原発再稼働を推進し、一方で、原発事故の賠償スキームの実務に当たる、どこかおかしい。原発を推進し、その挙句、深刻事故が起きたら業界に深刻な影響を与えないで済むように働く。原子力村が取り仕切る、その中枢に居続ける人物である。恐らく、彼のような経歴の方が何人も他にこうした機構のメンバーになっているのだろう。原発利権から距離をしっかりおく人物が、再稼働の可否、原発事故処理にあたるようにすべきではないのか。




御嶽山の噴火に際して思う 

御嶽山の噴火には驚かされた。多くの方が外傷を負い、中には命を失った方もいるようだ。救助を山小屋で待つ方も多数。無事に救出されることを望みたい。

この噴火には、予表があったというが、それは後になって意味づけられることであって、噴火予知はできなかった。日本には、活火山が110あり、内47では観測が続けられているらしい。だが、噴火予知は、一般的にまだ困難なようだ。考えてみると、10年とか100年とかいう時間の単位は、地球の歴史からするとほんの一瞬のことであり、その短い期間に起きる地球の現象を正確に予測することは本質的に至難のことなのだと思う。

だが、その噴火予知を正確にできると言っているのが、川内原発を管理する九州電力と、それをチェックした原子力規制委員会である。始良カルデラの噴火を事前に予知し、その間に核燃料を安全な場所に移送する、ということを彼らは主張している。だが、それが現実的ではないことが、火山学者の多くから指摘されている。過去の原発安全神話は、それを述べる本人たちも信じていた形跡があるが、この噴火予知の話はいわば詐欺である。川内原発周辺に住む人々、さらには国民をも騙そうと言う明確な意図をもった詐欺的見解である。彼らの目的は、ただ原発再稼働である。

日本の火山、地殻活動は、活動期に入ったと言われている。環太平洋火山ベルトの上に位置するわが国で、原発を稼働させる危険は、さらに高まっている。

川内原発周辺の火山噴火予知に関して、こちらの記事が参考になる。