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原発再稼働、感情論はどちらだろうか? 

経団連中西会長は、原発再稼働に関して国民的議論を呼びかけたが、実際民間から議論の申し出が出ると、原発再稼働反対論の人々は「感情的だ」として議論を受け入れなかった。

要するに、原発再稼働が最初にありきの発想なのだ。コスト・安全性の面から客観的な議論をすれば、原発再稼働派は圧倒的に不利な立場にいる。

エネルギー政策の世界の趨勢は、再生可能エネルギー。原発はエネルギー源として斜陽。経産省・関連業界と一緒になって原発に固執していると、日立も第二の東芝になる。再生可能エネルギー開発の競争で、わが国は立ち遅れている。

英国での原発建設計画がとん挫して、日立はすでに2000億円超の損失を出している。中西氏は、その責任を取って辞任すべきだろう。

経産省の原発ルネッサンス政策は、ことごとく失敗している。経産省にエネルギー政策を主導させたら、経済が持たない。

以下、朝日新聞デジタルから引用~~~

経団連会長「感情的な人と議論意味ない」原発巡る議論に
加藤裕則 2019年3月11日21時08分

 経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は11日、自ら必要性を訴えていたエネルギー・原発政策に関する国民的な議論をめぐり、「エモーショナル(感情的)な反対をする人たちと議論をしても意味がない。絶対いやだという方を説得する力はない」と語った。

 原発の早期再稼働を求める立場から国民的議論を呼びかけた中西氏は2月、脱原発を求める民間団体から公開討論を求められたのに対し、「反原発を通す団体で議論にならない。水と油だ」などとして断った。「原発と原爆が結びついている人に『違う』ということは難しい」とも発言し、釈明に追われている。

 11日の定例会見で中西氏は、記者団から「東日本大震災以降、原発に関する国民の意識が変わったのでは」と問われたのに対し、「再生エネルギーだけで日本の産業競争力を高めることができればいいが、技術開発が失敗したらどうするのか。いろんな手を打つのがリーダーの役目だ」と指摘。「多様なエネルギー源を確保しなければ日本は立ちゆかなくなる。福島の事故から何年たとうが変わらない」と話し、電力業界への積極的な投資を呼びかけた。(加藤裕則)

東海第二原発再稼働 

原電が東海第二原発再稼働に向けて動き出した。この原発は、とりわけ問題が大きい。こちら。古いこと、それに周辺の住民の数が多いことが、主要な問題だ。

以前から何度も記しているが、原発は中性子照射を浴び続け、徐々に構造体が脆化する。そして、ある時点で構造体が破断し、それが稼働中であれば、爆発的な破壊に至る。その場合は、福島第一原発等に比較できないほど大規模な放射能汚染が生じる。

さらに、30km圏内に96万人が住むこの原発地域では、深刻事故の場合、避難は困難になることは明らか。おそらく、千葉、東京等の人口過密地域も汚染されることになり、日本という国家が成立し難くなる。

使用済み核燃料の問題が全く解決していないことは言うまでもない。

今国会での衆院予算委質疑を視聴していると、政府は原発が安価であるという原発再稼働モデル試算を打ち出している。それは設備利用率が80%を超えるという前提で、さらに深刻事故の際の補償等社会的費用と言われるものを除いている。これまでの設備利用率は70%程度だったので、このモデルの数値は高すぎ。こちら。現在の設備利用率は10%を割っており、原子力規制が厳しくなった現在、80%の設備利用率は実現できる可能性はない。福島第一原発の廃炉・復旧コストは、どれほど多くなるかまだ予測がつかない。すでに10兆円以上のコストがかかっている。深刻事故は確率的に必ず起きるのであるから、そのコストも重大な因子である。

経産省の原発再稼働モデルは、非現実的である。

また、経産省を中心とする原子力ムラが、カネを求めて蠢き始めた。

再稼働を許してはならない。再稼働は、わが国を立ち行かなくさせるリスクをもたらす。

以下、引用~~~

東海第2「再稼働」表明=原電、茨城県知事に意向

2019年02月22日 09時54分 時事通信

 日本原子力発電の村松衛社長は22日、大井川和彦茨城県知事と面会し、東海第2原発(同県東海村)を再稼働する意向を伝えた。再稼働には県と東海村に加え、周辺5市の事前了解が必要で、同意を得られるかが焦点となる。

 東海第2原発をめぐっては、原子力規制委員会が昨年9月、新規制基準を満たすとした審査書を決定。同11月には20年間の運転期間延長も認め、主要な審査を終えたが、原電は再稼働させるかどうか明言を避けていた。 【時事通信社】

原発ルネッサンスは、暗黒時代へ突入 

経産省主導で進めてきた安倍政権の原発輸出計画は、ことごとく失敗に帰した。東芝は、あの通り実質潰れた。

この責任をだれがとるのだろうか。経産省官僚時代に「原発ルネッサンス」とぶち上げた、元安倍首相秘書官柳瀬氏は、加計学園疑惑で首相擁護の例のウソを付きとおし、めでたく東芝の関連会社に天下り、幹部に収まった。誰も責任を取らない。

原発政策の見直しを言及したかに見えた、経団連の会長かつ日立会長の中西宏明は、舌の乾かぬうちに、原発再稼働どころか、新規建設まで主張し始めた。これだけの損失を自社に与えたならば、まず率先して会長職から退くべきだ。

現政権、財界の原子力推進派は無責任を通り越して、気がふれたかのようだ。福島第一原発の原因究明、廃炉、復旧が何も見通せない時点で、これだけ原発推進策を推し進めるのは、正気の沙汰ではない。彼らに原発を再び推進させたら、第二の福島原発事故が起き、わが国が立ち行かなくなる。

以下、引用~~~

日立、3千億円の損失計上へ…英原発計画凍結で

2019年01月17日 07時38分 読売新聞

 日立製作所は、英国で進めている原子力発電所の建設計画を凍結するのに伴い、2019年3月期連結決算(国際会計基準)で、3000億円弱の損失を計上する方針を固めた。17日にも取締役会を開いて決定する。最終利益の予想は4000億円から下方修正するが、黒字は確保できる見込みだ。

 英国の原発建設に関連し、日立は設備や人員、調査費用などに2960億円(昨年9月末時点)を投じている。建設計画の凍結に伴って、事業収益を見込めなくなったため、資産価値を大幅に切り下げて損失を計上する。

 日立は英中西部に原発2基を建設し、20年代前半の運転開始を目指していた。総事業費3兆円超のうち2兆円を英国政府が融資し、9000億円を日英の企業などが出資する計画だった。

原発推進・再稼働というロシアンルーレット 

このコストは、最低の見積もりだろう。福島第一原発の廃炉・復旧費用は、この二倍以上かかるのではないだろうか。これらのコストは、すべて税金と電気代によって賄われる。

以下、引用~~~

民間原子力施設廃止に12兆円 国民負担、さらに膨張も

2018年12月30日 20時15分

 国内にある原発や核燃料サイクル工場など主な商業用原子力関連の全73施設を廃止した場合、費用が少なくとも計12兆8千億円に上ることが30日、分かった。電力11社を含む民間事業者計19社が公表した廃止措置実施方針の見積額を共同通信が集計し、69施設の廃止費用が4兆8千億円と判明。これに、事故を起こした東京電力福島第1原発1~4号機の政府試算8兆円を加えた。

 半世紀以上にわたり日本の電力需要を支えてきた民間原子力施設廃止に巨費が必要なことが明らかになった。昨年の原子炉等規制法改正で事業者には18年12月末までの実施方針公表が義務付けられ30日までに出そろった。

(共同)


ところが、こうしたコストがかかることを知りながら、電力業者は、原発をさらに開発し、再稼働すると言っている。下記の記事は再稼働を睨んだ中部電力社長の言葉。とくに、深刻事故を起こしても、経営者の責任は問われず、廃炉・復旧コストが税金で賄われるとなったら、莫大な利益を生む原子力発電に投資しない手はない、というモラルハザードを経営者にもたらすことになる。

繰り返し述べている通り、日本の原発は、近傍で大きな地震が起きたら耐えられない。日本の原発は、基準地震動最大加速度が600から800ガルで設計されている(柏崎刈羽だけは1200から2300ガル)。わが国で生じた最大加速度は4022ガルなのだ。地震に耐えられない家屋に強制的に国民は住まわせられているに等しい。原発事故は、一時的なものではなく、半永久的に故郷を失わせる。国民は、原子力ムラの利権のために、ロシアンルーレットを行うことを強制されている。

この社長の述べる「安全性の追求」というのは言葉の遊び。安全性などありえない。経済性の追求だけしか眼目にない。それも、国民負担の上に立っての経済性追求だ。中部電力は浜岡原発の防潮壁を高くする計画を打ち出している。浜岡原発再稼働に向かって、やる気満々である。

以下、引用~~~

中部電、原子力提携を他電力にも
勝野社長、安全性追求

2019/1/4 03:00
©一般社団法人共同通信社

 中部電力の勝野哲社長(64)は3日までに共同通信のインタビューに応じ、東京電力ホールディングスや日立製作所、東芝と協議している原子力事業の提携を他の大手電力にも将来的に拡大したいとの考えを示した。「安全性と経済性の追求は、どの事業者もやっていかなければならない」と述べた。

 4社は原発の安全対策や保守点検で協力を模索している。提携が進展すれば「(他電力に)声を掛けていく」と話した。4社が手掛ける沸騰水型軽水炉(BWR)の原発を持つ大手電力が候補とした。東北電力、北陸電力、中国電力、日本原子力発電がBWRを採用している。

原子力規制委、東海第二原発稼働延長を認可 

見切り発車だ。

原子力規制委員会は、東海第二原発の運転延長を認可した。

以前から繰り返し述べている通り、この運転延長には大きな問題がいくつもある。

一つは、40年を超える長期の運転。原発は、元来16年間の稼働を考えて設計・建設された。ところが、もっぱら経済的理由により、稼働期間の延長が繰り返されてきた。原発は、古いものほど、安全基準が緩い。さらに、中性子照射により圧力容器の隔壁が突然破壊される可能性が高まっている。中性子の長期間の照射により、金属が脆くなるのだ。稼働中に、その破壊が起きると、爆発となり、汚染は想像を絶するほどに広がる。

第二に、地震対策の問題。この原発は、基準地震動最大加速度が600ガルである。一方、近隣の栃木県では、過去記録された最大加速度は1300ガルを超えている(こちら)。これは、原発周辺からの避難を困難にする可能性の問題だけでなく、原発が耐えられぬほどの地震に見舞われる可能性を示している。ちなみに、我が国で過去に記録された同加速度の最大値は4000ガルを超えている。この原発は、他の原発同様、地震に対して脆弱だ。

第三に、深刻事故の際の周辺自治体市民の避難が危ぶまれている。東海第二原発から半径30km以内に96万人が住んでいる。避難は、車になるが、幹線道路は混雑し、かつ地震による被害もあり、避難はスムースに行えない。また、この30kmという距離も、かなり甘い見積もりであり、関東全域が汚染される可能性が高い。福島第一原発で汚染があの程度で済んだのは、当時たまたま風が太平洋側に向かって吹いていたからだ。96万人が避難する事態もきわめて深刻だが、それが関東全域に及べば、我が国が機能しなくなる。

第四に、業者と政治家・官僚の無責任がある。福島第一原発事故の関連死は1000名を超えた。数万人の方が、故郷を失い社会的に抹殺されようとしている。その責任をだれも取ろうとしない。東電の会長は責任を現場に丸投げした。福島第一原発で全電源喪失のような深刻事故が起きることはないと国会答弁で断言していた安倍首相は何も責任を取ろうとしない。それなのに、福島第一原発事故の復旧作業にはすでに10兆円前後の税金が投入されている。これは、モラルハザードを引き起こす。原子力規制委員会は、安全を保障するとは一言も言っていない。安全基準に適合するかどうかだけを示す、としか言わない。新たな原子力ムラの無責任体制である。

こうした状態で、後20年間、原発設計時の使用期限の4倍弱の期間、東海第二原発を稼働させようとしている。

以下、引用~~~

「廃炉」迫る中…東海第2原発、運転延長を認可

2018年11月07日 11時30分 読売新聞

 原子力規制委員会は7日、今月末に運転開始から40年を迎える日本原子力発電の東海第二原子力発電所(茨城県東海村、電気出力110万キロ・ワット)について、20年間の運転延長を認可した。

 原子炉等規制法は原発の運転期間を40年と定めているが、規制委が認めれば一度だけ最長20年間延長できる。1978年に運転を始めた東海第二原発は、今月28日に運転開始から40年となるため、前日の27日までに運転延長が認可されなければ廃炉になるところだった。

 運転延長の認可は、関西電力高浜1、2号機、同電力美浜3号機(いずれも福井県)に続いて4基目。2011年の東日本大震災で被災した原発では初めてで、事故が起きた東京電力福島第一原発と同じ「沸騰水型」でも初となる。規制委が原子炉圧力容器の劣化状況などを確認し、運転延長しても問題ないと判断した。

 再稼働に向けた安全審査には既に合格しており、原電は21年3月までに、防潮堤の建設などの安全対策工事を終える予定。工事費1740億円は、電力供給先の東電と東北電力から支援を受けるという。

 首都圏唯一の原発である東海第二原発は、半径30キロ・メートル圏内に約96万人が住んでいる。再稼働する場合は東海村と茨城県に加え、水戸、日立、ひたちなか、常陸太田、那珂の周辺5市の同意が必要となる。このうち那珂市の市長は再稼働反対を表明しており、早期に再稼働できるかどうかは不透明だ。

伊方原発再稼働は危険 

かって、福島の悲劇が起こる前、様々なシンポジウム等で原子力ムラの学者側代弁者を演じていた、大橋弘忠東大教授という方がいた。プルトニウムは飲んでも毒ではない、原発事故は隕石が衝突する程度の低い確率だ、といったことを、繰り返し述べていた。福島第一原発事故後、彼は大学にこもっているか、または研究者という立場から去ったのではないか、と漠然と思っていた。

彼のその後をググってみた・・・すると、原発事故の翌年からぞろぞろと原発推進の民間、公的な集まりで諮問委員をしたり発言をし続けていたようだ。彼は、今年春東大を定年退官した。きっと、その後も天下り先が、原子力ムラによって準備されているのだろう。

原子力ムラは、かように勢力を衰えさせることなく、さらに原発再稼働に向けて突き進んでいる。福島第一原発事故直後には、原発はすべて廃炉にする、というのがコンセンサスだったかに見えた。ドイツ等は、原発をすべて廃炉にする方針を打ち出した。ところが、政官財学の原子力ムラは、原発によってられる甘い汁を忘れられず、マスコミなども篭絡し、再稼働を着実に推し進めている。

伊方三号機の再稼働は、昨年末、広島高裁によって差し止めが命じられていた。ところが、ここにきて、広島地裁は差し止めを撤回し、その直後に、四国電力は、伊方三号機再稼働を始めた。まるで司法と業界が繋がっているかのような連携である。

阿蘇山噴火による火砕流の危険が迫っていないというのが、広島高裁の差し止め撤回の理由だ。阿蘇山噴火がいつ起きるのか、九州南部の喜界カルデラでの活火山活動がいつ再現するのか、だれにも分からない。南九州での溶岩だまりが増大していることも報告されている。こうした火山活動を正確に予測することはできないが、火山活動が活発化しており、いつ噴火が起きてもおかしくない状況にある。危険が迫っていない、という判断は誤りである。

さらに、伊方原発は、中央構造線の近傍にあり、中央構造線沿いに生じている地震活動が、その地域で起きる可能性も大きい。熊本地震では、最大加速度1600ガル程度を観測した。また、過去にわが国で観測された最大加速度は4022ガル。一方、伊方原発の最大許容加速度は620ガルに過ぎない。熊本地震程度の揺れが、伊方原発地域で起きたら、伊方原発は持たない。そして、伊方原発に深刻事故が起きた場合、佐田岬半島に住む人々の避難の手順が明らかになっていない(原発周囲の住民の避難について考慮されていないのは、どこでも同じ)。

このような事実を受け止めずに、原子力ムラの利権のために、伊方原発を稼働させることは危険すぎる。

以下、引用~~~

伊方原発3号機が再稼働

2018年10月27日 06時55分 TBS

 裁判所の仮処分を受け停止していた愛媛県の伊方原発3号機が、27日未明、およそ1年ぶりに再稼働しました。

 伊方原発3号機は、定期検査中だった去年12月、広島高裁が阿蘇山の巨大噴火のリスクを理由に、先月末までの期限付きで運転停止を命じる仮処分を出したため、停止が続いていました。

 しかし、先月25日、広島高裁の別の裁判長が仮処分を取り消し、四国電力は今月に入ってから核燃料を装てんするなど再稼働の準備を進めてきました。

 そして、3号機は27日未明、原子炉を起動し、去年10月以来、およそ1年ぶりに再稼働しました。これで国内で稼働する原発は8基になりました。(27日06:18)

原発再稼働に向けた原子力村の動き 

環境庁が将来の原発を10%程度まで縮小するという目標を掲げたが、通産省の反発で取り下げた、と報じられている。

先の北海道ブラックアウトでは、泊原発の再稼働に利するような意見が方々から聞かれた。まったくもって、ブラックアウトの原因から外れた議論で、再稼働ありきの可笑しな議論だった。泊原発では、外部電源が喪失し、非常用電源で首の皮一つでようやく冷却が維持できたのだ。

原発の許容地震動は700から800ガルである。一方、我が国がかって経験した最大地震動は4022ガルである。わが国が地震頻発国であり、どこで重大な地震が起きるか、残念ながら予測はできない。そのわが国で原発再稼働をしようという、原子力ムラ、電力会社の主張は、原発立地地点で大きな地震は起きないという根拠のないものだ。

原発再稼働は、もっぱら原子力ムラの利権のためでしかない。官邸も通産省官僚が多くおり、原子力ムラの意向をそのまま政策に取り入れている。

原発事故をもう一度経験したら、その地域のみならず、私たちの国が立ち行かなくなる。

泊原発再稼働論の誤謬 

あの地震により、北海道でブラックアウトを生じた。それをきっかけに、泊原発の再稼働をしていれば良かった、これから再稼働すべきだという声が、ネットを中心に出てきた。北電・政府は、原発再稼働は考えないと口では言っているが、「計画停電」をするしないという議論を持ち出している。これは、原発再稼働を受け入れやすい世論を醸成するためにする議論のように思えてならない。

まず、泊原発再稼働は、不可能であり、たとえ再稼働しようとしてもそれでブラックアウトは防げない、ということだ。HAROBOR BUSINESS Onlineの、この論考が参考になる。

多重防護が不十分であること、さらに出力調整余力が欠けていることが、その理由である。

多重防護の大きな柱である、原発の耐震性能に関して、新規制基準それに電力会社の判断は甘い。2014年、福井地裁裁判官として、大飯原発運転差し止め判決を下した樋口英明氏が、世界誌10月号で述べているところでは、各原発の基準地震動は、最大でも800ガル程度にとどまる。一方、実際にわが国で経験した最大の地震動は、4000ガルに達する。電力会社の原発再稼働の根拠は、想定よりも強い地震は当該原発地域にこないという消極的地震予知にある、それは無責任であることを述べている。

原発再稼働により、政官業の「原子力ムラ」は、巨大な利益を手にする。東電福島第一原発事故でその愚かさが露わになり、彼らの根拠のない安全神話プロパガンダを国民は拒否することにしたのではなかったか。残念ながら、彼らの安全神話が再び亡霊のように蘇りつつある。それは国民・国のためではなく、もっぱら「原子力ムラ」の利権のためなのだ。

東海第二原発再稼働への動き 

東海村にある東海第二原発は、都心からおよそ110キロの距離にある首都圏で唯一の原発。30キロ圏内に全国最多の96万人が住む。

原発はそもそも16年間の稼働を考えられて設計・建設された。それが、原発・電力企業の経済性優先によりずるずると40年間まで伸ばされた。以前から繰り返している通り、原発容器壁は、中性子に長期間被曝することにより、脆化が起きる。稼働中に原発が脆化により破壊されると、爆発的な放射能汚染が起きる。

東海第二原発の深刻事故時、近傍住民96万人の避難の方法はない。また、関東平野は深刻な放射能汚染に見舞われる。

福島第一原発事故の原因究明、復旧の目途は立っていない。同事故により、いまだ5万人の方が避難生活を続け、その多くが永久に故郷を失うことになる。

この状況で、再稼働を進めるのは狂っている。無責任である。

日経より引用~~~

東海第2原発、4日に合格内定へ 規制委
経済 環境エネ・素材 科学&新技術
2018/7/2 18:35

 原子力規制委員会は2日、日本原子力発電東海第2原子力発電所(茨城県)の安全審査の合格内定を示す「審査書案」を4日の定例会合で議論すると発表した。同日に審査書案を取りまとめ、合格内定を決める見通し。意見募集を経て正式に合格を決定する。再稼働の前提となる安全審査の合格は全国で8原発15基目となる。

 東海第2は事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ「沸騰水型」の原発。同型の原子炉の合格は東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)に続く2例目となる。

 ただ、東海第2原発は運転開始40年を迎える11月末までに、詳細設計を記した工事計画や運転期間延長の審査にも合格しなければならない。周辺自治体の同意も必要で、再稼働には時間がかかりそうだ。

原発再稼働は危険すぎる 

最近とあるSNSで、原子力防災の専門家(といっても原発再稼働反対の立場にはたっていない方)と議論する機会があって、以前に手にした原発、被曝関連の書籍をまた見直した。

ICRPの基準に準拠する、被曝限界の線量率設定にはやはり問題があることを改めて知った。ICRPは、被曝線量率を各臓器における平均値で出しているが、現実に起きている現象は、臓器内でばらつきのある被曝が起きている。そのために、欧州放射線リスク委員会ECRRはICRPの基準に異を唱えている。ICRPの出自は、米国で原子爆弾の被害を調査し、それによる被ばく限度を制定するために作られた団体である。従って、その基準は、核兵器産業、原発企業にとって有利に設定されている、というのだ。福島県で帰還するための基準線量率20mSv/年は、それ自体緊急時の下限であり、かなり高い設定になっている。ICRP基準に基づくことを知ると、さらにそれがリスキーであることが分かる。

原発再稼働を、電力会社と経産省は急ぐが、福島第一原発の事故原因が究明されておらず、さらに事故対応の危機管理体制に不備があったことが分かってきている。繰り返し述べている通り、原発は元来16年間の現用を想定して建設された。それが40年以上に延ばされている。これも繰り返し記している通り、中性子被曝による圧力容器壁の脆化は確実に進行している。また、福島第一原発では、全電源喪失以前に圧力系・冷却系の機械的な損傷が起きた可能性が高いと言われている。このような多くの問題を解決しないままの再稼働は極めて危険だ。

再稼働したばかりの玄海原発で蒸気漏れが起きた。放射性物質の漏洩が起きていないことは良かったが、配管の巣窟のような原発が、冷却系、圧力系でもっと重大な配管損傷が起きる可能性がある。再稼働は危険すぎる。

以下、引用~~~

関連ニュースはこちら 玄海原発
3号機の発送電停止 再稼働1週間で
毎日新聞2018年3月31日 11時24分(最終更新 3月31日 15時49分)

 九州電力は31日、前日夜に配管から微量の蒸気漏れが確認された玄海原発3号機(佐賀県玄海町)の発電と送電を停止した。九電によると、原子炉の運転に問題はなく、周辺への放射性物質の漏れもない。再稼働したばかりの3号機の今後の工程がずれ込むのは必至で、5月中を見込む4号機の再稼働の遅れも避けられそうにない。

 30日午後7時ごろ、巡回中の作業員が放射性物質を含まない2次系の配管から蒸気が漏れているのを確認した。31日午前1時から出力を下げる作業を始め、午前6時過ぎに発電と送電を停止した。核分裂を抑える制御棒は入れず、原子炉内の核分裂反応が連続する「臨界」は維持する。

 九電は玄海3号機を4月5日からフル出力運転し、同24日に営業運転に移行する予定だった。だが今回のトラブルは、再稼働工程に与える影響度合いを5段階に分けた九電のレベル分けで、発電を停止して補修などが必要になる上から2番目のレベルに当たる。3号機の再稼働にめどが立たないと4号機も動かせないため、2基とも再稼働は遅れる見込みだ。

 原子力規制委員会によると、東京電力福島第1原発事故後に再稼働した原発がトラブルで発電と送電を停止するのは、2016年2月の関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)に続き2例目となる。

 蒸気漏れを受け、佐賀県は30日午後10時過ぎ、情報連絡室を設置した。【浅川大樹】