ミサイル防衛は、国を亡ぼす 

やはり、我が国政権は、ミサイル防衛をさらに強化する、軍拡に動き出した。イージスアショアから発射される、SM3 ブロック2Aは、三菱重工業も開発生産にかかわっている。一基800億円だ。1200kmの射程なので、一応二基あればわが国をカバーできるということのようだ。

だが、ミサイル防衛網については、様々な問題がある。

北朝鮮が200基以上持つと言うノドンすべて、ないし数十発を一斉に我が国に向けて発射されたらどうするのか。SM3、PAC3では対処できない。前にも記したが、PAC3は、射程が20kmであり、ごく限られた地域だけをカバーする。

SM3の射程高度は500kmらしいので、外気圏以上の高さで飛ぶICBMには対処できない。また、SM3は、核弾頭の処理能力が低いとも言われている。

ミサイル防衛網は、完全なものはなく、さらに攻撃する側は、新しいミサイル防衛網をかいくぐる攻撃手段を開発する。際限のない、軍拡競争に突入する。喫緊の問題は、宇宙での軍拡だ。早速自衛隊も宇宙軍拡に向けて動き出したようだ。大気圏外での核爆発は、すぐには地上の放射能汚染をもたらさないので、核爆弾を宇宙空間で用いることの抵抗は少ない。そして、電磁波パルスによる攻撃が、小規模な核爆弾で可能になる。電磁波パルスから防衛するために、また莫大なコストがかかるようになる。

トランプ政権は、軍産複合体と共同している。年6兆円の軍事予算を増額した。わが国にもミサイル防衛等で軍備を進め、米国の軍産複合体から武器を購入することが要求される。軍産複合体が、軍事的な緊張を高めることで暴利を得る構造になっている。

こんなことをしていて、わが国がやって行けるのか。次の世代に、大きなつけを残すことになるのではないか。

以下、引用~~~

陸上型イージス導入へ、北朝鮮ミサイル備え 概算要求
2017/8/17 11:30日本経済新聞 電子版

 【ワシントン=酒井恒平】防衛省は弾道ミサイルを大気圏外で迎撃するイージス艦搭載の迎撃ミサイルを陸上に配備する「イージス・アショア」導入を決めた。防衛省幹部が明らかにした。北朝鮮の弾道ミサイルの脅威の高まりを受け防衛網づくりを加速する。2018年度予算の概算要求に設計費を盛り込む。宇宙ごみと人工衛星の衝突などを防ぐため、自衛隊に宇宙監視部隊を新設する。

 防衛省幹部は相次ぐ北朝鮮の弾道ミサイル発射を踏まえ「一刻も早く弾道ミサイル攻撃から全国を常時、継続的に防護する能力を抜本的に向上させる必要がある」と説明。イージス・アショアの導入方針を決定したと明言した。当初、18年度は調査費を計上する予定だったが、前倒しした。

 イージス・アショアは1基あたり約800億円かかる。開発中のミサイル「SM3ブロック2A」を用いれば全国を2基でカバー可能だ。概算要求段階では米側との協議が間に合わず金額を示さない。18年度予算編成時の17年末に金額を決める。「SM3ブロック2A」は三菱重工業が開発に参画している。

 北朝鮮は国際社会の警告を無視し弾道ミサイル発射を強行する。10日には米領グアム沖への弾道ミサイル発射を予告。兆候を察知しにくい移動式発射台による攻撃や、複数のミサイルを同時発射する「飽和攻撃」を繰り返す。日本にとり迎撃の難易度が上がった。

 現在のミサイル防衛網は二段構えだ。まずイージス艦の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が大気圏外で迎撃。撃ち損ねると地上から地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)で撃ち落とす。イージス・アショアはイージス艦のSM3を陸上に配備する形式で、防衛網の厚みが増す。

 防衛省はミサイル防衛の新装備として、イージス・アショアや地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の検討を進めてきた。現在の防衛大綱や中期防衛力整備計画(中期防)にイージス・アショア導入は明記されていない。防衛省幹部は「年末までに今回の導入方針を整理する」と話した。THAADも引き続き検討課題とする。

 イージス艦に関しては、ミサイル防衛に対応するのは現在4隻で2隻が改修中だ。防衛省は18年3月までに1隻の改修を終える予定だったが、今年12月に前倒しする。

 宇宙空間を巡っては、開発進展で人工衛星を破壊しかねない宇宙ごみや国籍不明の不審衛星の存在が問題となっている。防衛省は宇宙監視レーダーの開発に18年度から着手する。18年度は設計費用を計上し設置場所も決める。

 宇宙関連部隊は1954年に発足した自衛隊にとって初めてで、航空自衛隊に置く。収集した情報は米軍、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共有する。安全保障上、宇宙空間の重要性は増しており日米連携を進める。

 中国やロシアが開発に力を入れる最新鋭ステルス機に対応した次世代レーダー開発にも着手し、18年度に約196億円の開発費を求める。電波情報の収集能力を高め、固定式ではなく運搬可能とする。24年度からの運用を目指す。

 こうした方針を日本側は17日の日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で米側に伝える見通しだ。日米防衛態勢の強化に向けた具体策に位置付ける。

「日本の独立は神話」 

残念ながら、翁長知事のこの発言は真実だ。

わが国は、日米安保条約の実務を規定した日米地位協定、さらにその実務を担当する日米の官僚、軍人による日米合同委員会が、憲法を超える機能を持っている。
こちら
こちら。

米国による占領状態が今も実質的に続いている。だから、オスプレイ事故に際して、原因究明できるまで飛行差し止めを希望しても、それは米軍によって無視される。米軍航空機の事故がわが国で起きても、我が国の当局は、何も捜査する権限がない。まさに、日本の独立は神話なのだ。

以下、引用~~~

「日本の独立は神話」=オスプレイ飛行容認を批判-沖縄知事

2017年08月12日 19時09分 時事通信
 沖縄県の翁長雄志知事は12日、那覇市で開かれた名護市辺野古での米軍基地建設に反対する集会で、米軍の輸送機オスプレイの飛行開始を政府が容認したことについて、「米軍が運用上必要と言えばすぐに引き下がる。日本の独立は神話と言わざるを得ない」と批判した。この後、翁長氏は記者団に対し、「残念ながら(日本には)自己決定権がない。大変やるせない」と語った。 

ミサイル防衛という演技 

米国では、平均株価が低下しつつあるのに、ロッキード・マーチン、ノースロップ・マーチンそれにレイセオン等の軍産複合体企業の株価が堅調だ。実際、同企業の業績は好調を保っている。その理由は、トランプ政権が軍事予算を増やしているためだ。2017年度は、540億ドルの増加だ。オバマ政権下で、軍事予算が減らされてきたことへの反発なのだろう。冷戦の終結にともない、軍縮は自然の流れであったが、トランプは逆行している。トランプ政権内部に、政治任用の軍出身者、軍産複合体企業出身者が、数多くいる。軍産複合体と政治が合体すると、政権は紛争を防ぐのではなく、紛争・戦争を起こす方向に向かう。北朝鮮危機も、この文脈で見てゆく必要がある。

我が国も、安倍第二次政権になってから防衛予算は増加の一途を辿っている。オスプレイさらにはTHAADも米国からあちらの言い値で購入することになる。安倍首相は、トランプ大統領と軍備の米国からの輸入の密約を早い時期に行った可能性がある。

そこで、北朝鮮のグアム攻撃(または周辺海域へのミサイルの打ち込み)に対するわが国政府の対応である。PAC3を四基、ミサイルの飛翔地域である中国・四国地方に配備したとある。

PAC3は、弾道射程距離20km、上昇高度15kmである。ミサイルが落下し始めたところで、ミサイルを打ち落とすのがその機能だ。従って、これは最後のミサイル防衛の手段である。グアムへ飛行するミサイルを打ち落とすことは不可能だ。さらに、おかしなことは、弾道射程距離の短さを考えると、中国四国地方を四基のPAC3でカバーすることは土台無理な話なのだ。首都圏に配備されたPAC3も、市民を守るためではなく、米軍基地・自衛隊基地を守るためだけに配備されている。PAC3を四基配備したというのは、ミサイル防衛の点では全く意味がない。

PAC3配備は、国民に危機を煽るための演技でしかない。





集団的自衛権行使によって、存立危機事態となる 

トランプ大統領は、北朝鮮に対して、軍事攻撃をしかけると脅し、数千人の死者が出るとしても、それは米国ではなく「こちら」でのことだ、と述べた。これは、北朝鮮が核兵器の小型化に成功したとの報道を受けてのコメント。北朝鮮は、それに対して、グアムを核攻撃すると煽っている。軍事的緊張を互いに煽っている。

トランプ大統領は、人的被害が出るのは数千人規模で、それがもっぱら「こちら」で起きると考えている。彼は、「こちら」ということによって、北朝鮮を意味にしているのだろうが、実際は朝鮮半島とわが国が戦場になる。死者はおそらく数十万から百万の単位で出ることになるだろう。

ドイツ等は、こうした軍事的エスカレーションに警鐘を鳴らしている。それが当然の反応だ。

で、我が国の小野寺防衛大臣は、この状況が「存立危機事態」になると述べている。確かに、我が国が核攻撃の対象になったら、我が国の存立が脅かされる。だが、小野寺防衛大臣の意味するのは、存立危機事態だから、集団的自衛権の発動が必要になる。米国と共同で戦うことになる、ということだ。

だが、よく考えてみるべきだ。上記のトランプ大統領の発言から分かる通り、我が国は米軍基地を抱える米国にとっての前線になる。米国の盾になるわけだ。トランプ大統領の考えが、米国政府全体の考えではないかもしれないが、米国は、日本という盾を構えて、北朝鮮に軍事攻撃を仕掛ける可能性はゼロではない。核戦力、通常戦力でも圧倒的に優位に立つことは、北朝鮮に対して軍事攻撃を仕掛ける閾値を低くする。集団的自衛権は、ここでは我が国をむしろ存立危機事態に陥らせることになる。

追伸:米国では、日本の防衛相が、グアム攻撃の北朝鮮核ミサイルを打ち落とすと明言したと報じられ、ネットで、やんやの喝さいを浴びている。どの高度で飛ぶミサイルを落とすのか分からないが、もし我が国国土上で破壊するとなると、少なくとも放射性物質は、国土上に飛散する。防衛省では、打ち落としたとしても起爆装置は作動しないと言っているが・・・。トランプと金正恩の脅迫合戦に付き合う理由はあるのか。防衛大臣、安倍政権は、数百万人単位の日本国民をリスクにさらしている。

以下、引用~~~

北「グアムに4発」、防衛相「存立危機事態も」

2017年08月10日 13時51分 読売新聞

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は10日、金絡謙キムラクキョム朝鮮人民軍戦略軍司令官が「米国に厳重な警告を送るため」として、中長距離弾道ミサイル「火星12」4発を米グアム島周辺に同時発射することを慎重に検討していると発表したと報じた。

 小野寺防衛相は、北朝鮮が米軍基地のあるグアムに向けてミサイルを発射した場合、集団的自衛権行使が可能となる「存立危機事態」に当たりうるとの見方を示した。

 10日午前の衆院安全保障委員会の閉会中審査で答弁した。

 小野寺氏は「(日本の防衛力と米国の打撃力の)両方があって日本の抑止力が高まることを考えると、米側の打撃力が欠如することは日本の存立の危機にあたる可能性がないとも言えない」と述べた。さらに、「具体的な想定での話をする状況ではない。総合的な事態を勘案する中で、どの事態と判断するかは政府全体で共有していきたい」とも指摘した。

もとはと言えば自衛隊「駆けつけ警護」の問題 

稲田防衛大臣が、またやった。

南スーダンPKOに関して、これだけのことをやった。

PKO日報を隠蔽。
その事実を公表しなかった。
議会で、自らは報告を受けていないと虚偽答弁した。
特別監察まで行い隠蔽の上塗りをした。


自衛隊の文民統制が綻んでいる。その綻びに自ら関与した。綻びを隠蔽し、それについて虚偽の国会答弁を行った、という何重にもわたる犯罪行為だ。PKO日報の隠蔽を知らされていなかったのだとしたら、制服組の暴走と、それを何も統制できぬ大臣ということになる。

元はと言えば、「駆けつけ警護」という珍妙な呼称の内戦への関与を南スーダンで行わせることを目的に、自衛隊を同地に派遣したことが問題だったわけだ。南スーダンに何故武力での関与をしなければならなかったのか。大きな問題であった、南スーダンへの武器輸出を禁じる国会決議に何故賛成しなかったのか。

安保法制が目指すものが、海外での自衛隊による戦闘への参加であることが明白になった。それを、稲田防衛大臣は、稚拙なやり方で隠そうとしたのだろう。安倍首相の責任も重い。

以下、毎日新聞から引用~~~

稲田防衛相

PKO日報隠蔽了承 国会で虚偽説明
毎日新聞2017年7月19日 02時00分(最終更新 7月19日 02時00分)

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が2月に行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とするとの方針を幹部から伝えられ、了承していたことが分かった。複数の政府関係者が18日、明らかにした。防衛省・自衛隊の組織的隠蔽(いんぺい)を容認した形になる。

 稲田氏はその後の国会で、一連の経緯の報告を受けていないとし「改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」と答弁。国会でも虚偽の説明をしたことになり、防衛相辞任を求める声が強まり、安倍晋三首相も任命責任を問われるのは確実だ。

 稲田氏は18日、当該の会議で非公表の方針を了承したかどうかの事実関係について、共同通信の取材に「ご指摘のような事実はありません」と書面で回答した。

 複数の関係者によると、緊急会議は2月15日、防衛省で開かれた。稲田氏や事務方トップの黒江哲郎事務次官、豊田硬官房長、岡部俊哉陸上幕僚長、湯浅悟郎陸幕副長らが出席。情報公開請求に「廃棄済み」とした日報が陸自に電子データで残されていたことについて、事実関係を公表するか対応を協議した。

 陸自は1月17日、岡部幕僚長に保管されていたことを報告し公表の準備を始めたが、会議では、陸自のデータは隊員個人が収集したもので公文書に当たらないなどとした上で、「事実を公表する必要はない」との方針を決定。稲田氏は異議を唱えず、了承したという。

 3月に入り、報道によって陸自に日報が保管されていた事実が明るみに出た。稲田氏は同月16日の衆院安全保障委員会で、民進党議員から一連の隠蔽行為の報告を受けていないのか問われ「報告はされなかったということだ」と否定した。

 日報を巡っては、情報公開請求を不開示とした後、昨年12月に統合幕僚監部で発見。その後、陸自でも見つかったが、1月27日に統幕の背広組の防衛官僚が、報告に来た陸自の担当者に「今更陸自にあったとは言えない」と伝達。2月にデータは消去された。防衛省は2月6日、統幕で見つかった事実を公表し翌7日、一部を黒塗りで公開。陸自での保管の経緯は防衛相直轄の防衛監察本部が特別防衛監察を実施中で、近く結果を公表する見通しだ。

 【ことば】南スーダンPKO日報問題

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に、政府は2012年1月~17年5月、陸上自衛隊の部隊を派遣。首都ジュバで大規模戦闘が起きた昨年7月に現地部隊が作成した日報の情報公開請求を、防衛省は昨年10月に受理した。同12月2日に「陸自は廃棄済み」として不開示決定したが、12月26日に同省統合幕僚監部に電子データで保管されていたことが判明、今年2月に公開した。3月には陸自内部にも残っていたことが発覚。日報の「戦闘」との表現を巡って「武力衝突」としてきた政府見解との落差が国会で議論になった。(共同)

軍拡に伴い、社会が内部崩壊する危機 

我が国の防衛費は、1960年代以降GDPの1%以下に抑えられてきた。これは、専守防衛を国是としてきたから可能だった。戦争の惨禍を繰り返すまいという意図の表現でもあった。1990年代以降、GDP1%以下は5兆円以下とほぼ同義だった。だが、第二次安倍政権となってから、防衛予算は年々増加、5兆円の壁をいとも容易に突破した。

そこにきて、自民党安保調査会が、防衛費をGDP2%まで増額することを提言する。実に、さらなる5兆円の増加である。NATOを参考にするとしているが、GDPの額に大きな差があるので、%での比較は不適当だろう。2016年の軍事費国際比較では、我が国は8位だが、GDP2%を実現すると、ロシアを抜いて世界3位になる。本当に専守防衛に徹するのを続けるのであれば、これほどの軍拡は必要ない。米国の意向を受け、自国の軍事産業の活性化、さらに米軍の世界戦略の肩代わりを目指しての軍事費増額なのではないだろうか。我が国は、米国から言い値で高額の軍備を購入し続けている。

これほど安易に軍事費の増額を提言する自民党だが、その一方で政府は社会保障費の抑制を推し進めている。政府、厚労省の医療の基本方針は、病床を減らし、高齢者の終末期医療は、在宅で行う、それも、地方自治体に丸投げする、というものだ。介護保険の自己負担もさらに上げられ、医療は実質混合診療が進み、国民は民間の医療保険に入る必要が出てくる。過去五年間で社会保障費は、実に3兆4500億円も削られた。社会保障の自然増分のうち毎年1500億円程度削減し続けられている。国民は、さらに高額になる医療介護を受けざるを得ず、さらに入院治療は困難となり、在宅療養を余儀なくされる。

年金も、徐々に減額されて行く。日銀と、年金資金が、株式を買い支えている。株式のバブルが破裂すると、金融システムに大きな障害が生じ、年金資金が毀損することは確定的な見通しだ。年金はさらに減らされることだろう。

こうした状況で、毎年5兆円の軍備増強を行うという自民党の提言だ。社会保障はさらに削られる。軍拡は出来たが、日本の社会保障が機能しなくなり、社会内部から崩壊する、ということになるのではないだろうか。

以下、NHKニュースより引用~~~

自民 安保調査会 防衛費はGDP2%程度に NATOを参考

6月17日 7時35分

自民党の安全保障調査会は日本の防衛費について、NATO=北大西洋条約機構がGDP=国内総生産の2%を目標としていることも参考に、厳しい安全保障環境を踏まえ、十分な規模を確保すべきだなどとする提言の案をまとめました。

提言の案は、次の中期防=中期防衛力整備計画の策定に向けた政府への提言の中間整理としてまとめられたもので、この中では、北朝鮮の核、ミサイル開発について、「新たな段階の脅威となっている」としたほか、中国の海洋進出への懸念なども指摘しています。

そのうえで、GDP=国内総生産の1%を超えない程度で推移している日本の防衛費について、「NATO=北大西洋条約機構がGDPの2%を目標としていることも参考にしつつも、あくまでも必要不可欠な装備の積み上げの結果に基づいて判断するものとし、厳しい安全保障環境を踏まえて十分な規模を確保する」としています。

そして、防衛力の強化に向けて、独自の早期警戒衛星の保有を検討することや、自衛隊がサイバー攻撃の能力を備えることなどが必要だとしています。

安全保障調査会は近く、この案を党の国防関係の会合で示したうえで、提言の取りまとめに向けて、さらに検討を進めることにしています。

自衛隊指揮権の所在 

我が国の自衛隊艦船による、米軍艦船の援護が行われるようになった。政府は、その詳細を明かそうとしない。

これは、自衛隊の指揮権にかかわる問題だ。

我が国の警察予備隊が保安隊と名を変えられ、自衛隊への歩みを始めたころ、旧日米安保条約が結ばれた。同条約の第3条では「合衆国軍隊の日本国内およびその周辺における配備の条件は行政協定で決定する」とされた。旧日米安保条約の実行細目となる、日米行政協定の交渉をする際に、この条文の具体化に関連して、米国は、以下のように主張した。

「日本区域内で、敵対行為が発生した場合、またはいずれかの当事国が敵対行為の窮迫した脅威があると認めるときは、合衆国は日本国政府と合意のうえ統合司令部を設置し、その司令官を任命することができる。この司令官は・・・すべての日本国保安組織に対して、作戦指揮を行使することができる。」

すなわち、有事に際して、自衛隊の前身、保安隊の作戦指揮を、米軍の司令官が行う、ということだ。

ところが、これでは国内に受け入れられないと当時の吉田首相は判断し、米側の担当者マーフィー駐日大使と交渉を行い、上記の有事の際の保安隊の指揮権を米軍に渡すことを、密約として提案し、米国もそれを呑んだ。表向きは、日米行政協定第24条で、わが国近辺での有事の際に、直ちに協議を行う、と定められたが、背後には、米軍の指揮下に入るという密約があったのだ。

その後、旧日米安保条約が岸内閣時代に改訂され、日米行政協定は、日米地位協定と名を変えた。日米行政協定第24条は、改訂された新日米安保条約の第5条に吸収された。が、上記の吉田・マーフィー密約は日米安保条約改訂後にも受け継がれた。沖縄密約、核密約、裁判権密約、事前協議密約とともに、自衛隊指揮権密約は、日米安保の実体の根幹をなした。1963年度、三矢研究として大きな議論を巻き起こした昭和38年度統合防衛図上研究では、有事の際には自衛隊の指揮権は米国に所属すると明言されている。

2年前の2015年度日米ガイドラインが改定された。その意味は、日本有事、周辺有事という地域概念が取り払われ、日米共同軍事行動のグローバル化が強調されたことだ。そのうえで、平時の共同司令部設置を意味する「同盟調整メカニズム」、実際の両軍の作戦策定・運用のための組織「共同計画策定メカニズム」が設置された。実質的に自衛隊が有事のみならず平時から米軍指揮下に入ることを意味している。

海上自衛隊艦船が米軍艦船を援護する、という事態は、この自衛隊指揮権の流れのなかで見ると、平時から自衛隊が米軍指揮系統下に入ったことを意味している可能性が高い。集団的自衛権容認、安保法制制定の一つの帰結がこれだ。安倍政権は、自衛隊指揮権に関わる密約を現実の政治に引き上げた、ということだ。戦後レジームの脱却を唱え、愛国心を唱道する安倍首相は、我が国を米国へ隷従させ続ける。

以下、dot.asahi.comのこの記事を参照。

以上の記載に際して、以下の記事、書籍を参考にした。
1)前田哲男 自衛隊を指揮するのは誰か 「世界」 2017年4月号 213ページから 岩波書店
2)矢部宏治 「日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか 2016年 集英社インターナショナル

テロ対策には水際対策が重要なはずなのだが・・・ 

入国管理は、テロ対策として重要だ。その業務を担う職員の待遇がこれでは、実際のところテロ対策なぞ眼中にない、と言っているようなものだ。

やはりテロ等対策法導入は、共謀罪を導入するための単なる口実ですな。

以下、引用~~~

成田空港の保安検査員が大量離職 航空連合は「テロ対策のためにも国家が責任を持って対応すべき」と訴える

2017年04月30日 12時00分 キャリコネ

成田空港の保安検査員が大量離職 航空連合は「テロ対策のためにも国家が責任を持って対応すべき」と訴える

空港スタッフの人材不足が深刻化している。つい先日も、窓口業務や機内清掃を担うスタッフの人手不足についてキャリコネニュースで報じたばかりだが、手荷物検査を受け持つ検査員までもが足りていないという。業界も人材確保のために対策に乗り出したことが25日までに明らかになった。

検査員は、搭乗客の手荷物に爆発物や搭載禁止の物品が入っていないかどうかをチェックする。テロやハイジャックの危険を防ぐ重要な仕事だ。

昨年度は900人にいた検査員のうち290人が退職
しかしその待遇は決していいとは言えない。NHKの報道では、7時から21時まで働いても新人の場合手取りは約15万円。「空港保安警備業務1級」の国家資格を取得しても手取りは22万円といった実態が紹介されていた。給与が低い上に勤務は不規則で、昨年度は900人いた検査員のうち290人が退職した。

検査員は、航空会社から検査の委託を受けた検査会社に雇用されている。検査会社は航空会社との契約料が収入になっているため、検査員の給料を上げるために契約料を引き上げるには航空会社の理解も必要になってくる。

成田国際空港の担当者は、キャリコネニュースの取材に対し、「検査会社と航空会社と一緒に人材の確保に向けて取り組む」と語った。

「まずは現場の検査員にアンケートを行い、どういった問題があるのか洗い出していく予定です。労働環境を改善したり、モチベーションをアップしたりすることで、人材が安定的に確保できるようにしたいと思います。こうした取り組みには、航空会社や検査会社と協働で取り組みます」

「東京オリンピック開催に備え、テロやハイジャックへの警戒強化を」

航空関連産業の産業別労働組合である航空連合の担当者は、「検査員の人材確保は重要な課題ととらえている」と語った。

「当組合では、残念ながら、検査員を組織することができていません。しかし航空業界にとって検査員の人材育成は重要な課題です。検査員は、資格取得に時間がかかる、厳しい時間のプレッシャーがある中で働かなければいけないといった困難を抱えています。その割には、お客様から感謝される機会も少なく、待遇も良くないのが現状なのです」

しかし今後は訪日外国人の増加や東京オリンピックに備えるためにも、検査員の人材確保と育成が重要になってくる。またこうした一連の取り組みに国家が責任を持つべきではないかと語る。

「現在は、民間の航空会社が航空保安の責任を担っています。しかしテロやハイジャックの標的は国家ですから、国家が責任を持って対応すべきではないでしょうか」

「戦争からの避難は可能だろうか」 

尊敬するブロガーのお一人、志村建世氏のブログの最近のポスト「戦争からの避難は可能だろうか」が、優れた内容だ。

政府が北朝鮮からのミサイル攻撃に対する避難訓練を行うように各地方自治体に指示した。だが、戦争からの避難は、一体可能なのか、という問いかけである。北朝鮮からの攻撃があるとすれば、全面戦争となる。一度に多くの地域が攻撃される「飽和攻撃」をうけることになるだろう。爆撃機が飛来して、空襲が行われるような攻撃ではない。ミサイルにより、極めて短時間のうちに攻撃される。避難の仕様がない。志村氏の言われる通り、一旦全面戦争が始まったら、「終わり」なのである。

さらに、この全面戦争の状況では、小泉内閣当時に制定された、「有事法制」が我々の行動を縛る。民間も政府の指示に従うことが要求され、それに従わない場合は、罰則を受けることになる。特に医療機関は、戦時対応を迫られる。

現在の北朝鮮危機は、2000年代以降繰り返されてきた米韓合同訓練への北朝鮮の反発が根底にある。同訓練は、北朝鮮体制の崩壊を想定した訓練である。直接的に金体制を倒すことは明示していないが、実質的に、金体制の打倒を目指すものになっている。それに対して、金体制が何としても体制の維持を図るべく、軍拡を続け、核武装、ICBM装備までたどり着きそうだ、ということだ。金体制は、繰り返し述べている通り、非人道的な独裁政権なので、排除されるべきだが、軍事的にそれを行うことはリスクが大きすぎる。基本は、北朝鮮危機は、米国が主導して出現したものだ、ということだ。

米国はトランプ政権の浮揚策として、北朝鮮危機を演出している側面もある。選挙戦の際の公約をことごとく反故にせざるを得なくなり、政権を固めきれていないトランプ政権の支持率は、低迷を続けている。シリア空爆という「ショー」で一応支持率が上向くという感触をトランプ大統領は得た。同じような軍事行動を、北朝鮮でも行おう、または行う状況を演出しようとトランプ大統領が考えたとしても、おかしくはない。また、東アジアの危機を煽り、高額な米国製のミサイル防衛網・武器を売り込む狙いもあるのだろう。

少なくとも、現時点では、米国の圧力を受けた中国が、北朝鮮に対して石油禁輸処置をカードに、北朝鮮の暴走を食い止めようとしており、すぐに戦火が生じるリスクは極めて低いということのようだ。だが、この「火遊び」が何時戦火に進展するか、誰も確実な予測をすることはできない・・・その可能性はゼロではない。

そうしたトランプ政権の「火遊び」に盲従しているのが、安倍政権だ。いや、有事法制を作りあげた小泉政権時代から、それは始まっていたのかもしれない。国民の生命と財産を守ると繰り返し安倍首相が述べているが、やっていることはその真逆である。戦争からの避難は不可能なのだ。安倍首相は、トランプ大統領の「火遊び」に追随し、隷従している。その代償は、国民の生命・財産の喪失となる可能性がある。

先ほど、Lee HL2DCから電話を頂いた。二日ほど前に、心配してメールを差し上げたことへの返事だった。いまのところ大きな変化はない。10年以上前には、二度ほど、大統領が放送に出演し、食料・水を蓄えるように指示されたこともあったが、今回は今のところそうしたこともない。だが、これからどのようになるのか分からない。もし戦争が起きるようなことがあれば、逃げることはしない。道は車でいっぱいになり、逃げることはできないだろう。Leeは、38度線のDMZから約20kmの距離のところに住んでいる。戦乱にならないことを祈るばかりだ。「火遊び」に興じる政治家たちは唾棄すべきである。

自民党が「先制攻撃」「MDシステムの増強」を提言 

自民党が北朝鮮を念頭に「敵基地攻撃」とミサイル防衛(MD)を提言している。敵基地反撃能力とは言葉の遊びだ。彼らの論理でミサイル攻撃に対処しようとするなら、もっぱら先制攻撃にならざるを得ない。

MDは、万能ではない。それ自身の精度の問題、おとり弾等への対処の問題、巡航ミサイルには対処できないことなど、様々な問題がある。また、コストもバカにならない。わが国は主に米国からMDを輸入し、これまで1兆円以上かけた。第三のMDとして、THAADの導入を計画しているが、それのコストは1セット1000から1500億円。最低でも日本海側に6から7セット設備しなければならないので、それだけで6000億円から1兆500億円かかる。こちら。さらに、ミサイル検知システム、定期的な更新費用を考えると、毎年数千億円以上のコストになることだろう。

「敵基地攻撃」で全面戦争を北朝鮮と始めることになると、彼らは核弾頭ミサイルをわが国の米軍基地に向けて打ち込む。北朝鮮のミサイルは、わが国の米軍基地を標的とする。それが、MDで破壊できた(そうならない可能性も高い)としても、日本海に展開する潜水艦から巡航ミサイルで、日本海沿いにある原発を攻撃することだろう。低空を飛行する巡航ミサイルにはMDは無力だから、確実に原発は破壊され、それによってわが国は壊滅的な打撃を受けることになる。

こうした軍拡の動きは、米国からの軍備輸入に結びつく。安倍首相がトランプ大統領に歓待された背景には、大量の軍備輸入の約束があったのではないか、と言われている。自民党の今回の提言は、その約束を実行するためなのではないだろうか。

これまでの専守防衛の原則を捨て去り、集団的自衛権の行使、さらに先制攻撃という戦争への歩みを進めることで、わが国は、防衛上、財政上立ち行かなくなる可能性が高い。

もっとも重大な問題は、多数の国民が犠牲になることだ。

以下、引用~~~

「敵基地攻撃」早期検討を=ミサイル防衛能力強化も―自民
時事通信 3/29(水) 17:23配信

 自民党は29日、党安全保障調査会などの合同部会で、敵のミサイル基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」保有の検討を急ぐよう政府に求める提言をまとめた。

 北朝鮮による弾道ミサイルへの対処能力を強化するため、米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」など新規装備品の導入に向けた検討も促している。30日に安倍晋三首相に手渡す。

 提言は、党安保調査会の下に設置した検討チーム(座長・小野寺五典元防衛相)が中心となってまとめた。核・ミサイル開発を進める北朝鮮について「新たな段階の脅威に突入した」と指摘。専守防衛を逸脱しない立場から「敵基地攻撃能力」の用語は避け、「巡航ミサイルをはじめ、わが国としての『敵基地反撃能力』を保有すべく、直ちに検討を開始する」よう政府に求めた。