トランプと安倍の好戦性 

米国、バージニア州シャーロットビルでは、ナチズムを信奉する白人至上主義者達がデモを行い、それに対抗する反ナチズムの人々との間で衝突を起こし、死傷者が出る騒ぎになっている。その状況に対して、トランプ大統領は、暴力を非難したものの、大元の問題であるネオナチの人種差別主義への批判は行わなかった。トランプが、この地域から所謂ラストベルトにかけての没落しつつある白人労働者層を支持者に持つためなのだろう。

その白人労働者層は、元来民主党を強く支持してきた。だが、鉄鋼産業、自動車産業の衰退により、彼らの豊かな生活は脅かされている。それらの産業の衰退は、元来、鉄鋼産業が技術革新に乗り遅れ、オートメーション化が遅れたためで、国内問題なのだ。だが、トランプは、自由貿易と不法移民が、その白人労働者の中間層の仕事を奪いつつあると宣伝して、大統領選を戦い、彼らの圧倒的な支持を得た。特定企業を名指しして、生産を国内に戻させても、オートメーション化・合理化は止まらない。トランプを支持してきた白人労働者層は、徐々にトランプ政権では何も解決しないことを知り始める。

その事実が、社会的に表面化したのが、この暴動ということなのではないだろうか。

ここからが本題なのだが・・・

そのトランプは、アフガニスタンへのMOAB爆撃、シリアへの空爆等のような対外軍事行動に打って出る可能性がある。政権浮揚をもたらすためだ。前二者は、確かに劇的ではなかったが、多少の支持率の上昇をもたらした。現在、マスコミが盛んに喧伝し、米国世論が強い関心を示しているのが、北朝鮮問題だ。この問題は、繰り返しここで述べている通り、米国の長年にわたる北朝鮮への軍事的圧力が原因であり、また中国等の経済制裁の不徹底が悪化させてきた。北朝鮮の体制は、非人道的であり、支持することは決してないが、軍事的圧力を強めるだけでは解決しない。また、軍事的攻撃になると莫大な人的、物的損害を韓国、我が国にも生じる。

独、仏、露、中、韓などの首脳は、トランプの北朝鮮への軍事的な威嚇、軍事行動の自制を呼びかけている。当然のことだ。たとえ、トランプが威嚇だけだったとしても、偶発的な戦争の勃発のリスクは高まっている。一方、我が国の安倍首相、小野田防衛大臣は、米国の軍事行動に批判的にならないばかりか、集団的自衛権の行使によって、北朝鮮ミサイルを打ち落とすこと、さらには北朝鮮ミサイル基地への先制攻撃まで考慮すると述べている。

この軍事行動、すなわち戦争への前のめりな態度は一体何で起きているのか。これは、一つには、安倍政権の元来の性格だろう。国家主義的な政権であり、軍事行動によって国家をまとめ、憲法も戦争のできるものに変える、ということだ。そうしたレジーム、彼らの二世代、三世代前の保守政治家のレジームに、わが国を導くのだ。もう一つは、安倍政権の支持の低下を食い止めるためだろう。軍事行動をとれば、大きな被害がでるが、それは自分たちの政権を維持することに寄与すると、一か八かの賭けに出ている。戦争は、政治も経済もご破算にする出来事だ。そのご破算は、国民の財産・生命の莫大な喪失を招く。

このトランプと安倍の好戦性は、異様だ。国民は、戦争が起きたらどのような事態になるのか、よく考えるべきだろう。

「民間人に扮した」米国兵士の救助訓練 

安保法制に基づき、自衛隊が米国人救助訓練をする。この記事では、「民間人に扮した」米国兵士となっているが、この訓練は、米国兵士救助訓練である可能性が高い。というか、それしか考えられない。

米軍は、国外での有事の際に、他国の民間人を救助することはない。日米が対等な関係であるとすると、自衛隊も国外で米国人だけでなく外国民間人の救助を行うことはないはずだ。とすると、この訓練が、米国民間人救助のためというのは、誤り、否国民を欺く報道だ。

安保法制が、日米ガイドラインの改定で、自衛隊が米国の世界戦略を補佐することになったために作られた法律であることが、徐々に明らかになってゆく。そもそも、日米安保条約の密約では、有事の際には、自衛隊は米軍指揮下に入ることになっている。

日本は戦争をする国に、いつの間にか変えられた。安倍首相は、それを後から追認するための改憲を行うといよいよ表明した。

以下、引用~~~

自衛隊 初の米国人保護の訓練、防衛省が発表

2017年01月18日 02時20分 TBS

 防衛省は、自衛隊が安全保障関連法に基づく邦人救出の訓練を来月、タイで行い、このなかで日本人とともに初めてアメリカ人を保護する訓練を行うと発表しました。
 海外での邦人救出は安全保障関連法に基づく自衛隊の新しい任務で、日本人以外の外国人も一定の条件の下、保護することが可能となっています。

 今回の邦人救出訓練は来月15日から自衛隊が毎年参加しているタイでの多国間訓練=コブラゴールドの中で行われます。海外の国で災害が起き、治安が悪化したことを想定して、陸上自衛隊や、航空自衛隊が参加し日本から運んだ軽装甲機動車やC130輸送機などで日本人を退避させます。この訓練には、民間人に扮した数名のアメリカ兵も参加し、保護の依頼を受けて、日本人とともに自衛隊が救出します。

 邦人救出訓練は昨年12月、国内では行われていますが、アメリカ人の救出訓練は初めてのことです。(17日19:22)

「死んでいい隊員を用意しておく」 

IWJ主催の講演会「元自衛隊の立場から戦争法について」で、昨年11月に、元自衛官の井筒高雄氏が自衛官の雇用について語っている。

それによると、自衛隊は「死んでいい隊員を用意しておく」ということだ。現在、自衛隊員の年齢構成は、前線には立たず指揮命令だけを担当する中高年の隊員は、ほぼ充足しているが、前線で実際に戦う兵士相当の若い隊員が不足しているらしい。そのために、最近は、年季制の非正規雇用を増やしており、彼らが前線に立つことになる。階級が下で、就業年数が少ない方が、戦死した際の自衛隊側の経済的負担が少なくて済むという判断だ。それは、「セオリー」である由。

現在、少子化と、リスクが増えたことにより、学生に「予備自衛官補」という制度での入隊を促しており、さらに奨学金を学生に与えることも検討しているらしい。まさに、経済徴兵そのものではないだろうか。

現実に、自衛隊隊員が戦死した場合の、家族への補償はどうなるのか。また、戦争を行わない前提の自衛隊隊員は、外国で「敵」を殺害した場合、外国の法律で裁かれる可能性がある。また、捕虜になったとしても戦時捕虜として扱われない。さらに、場合によっては、帰国してから刑事事件として立件される可能性もある。

そのように不安定かつ危険極まりない条件で、自衛隊を南スーダンに送り出す、政府・防衛省は一体何を考えているのだろうか。前のパラグラフで述べたような問題があるからとして、憲法改正に持ち込む可能性が極めて高い。交戦権を認め、自衛隊を軍隊にするのだ。そうすれば、自衛隊に米軍の世界戦略の一翼を担わせ、世界の紛争地域、大国の利権が絡む地域に自衛隊を派遣することができるようになる。わが国の人的、経済的損失は莫大なものになる。これまで、武力を海外で決して行使しなかったわが国の平和国家として立場は崩壊する海外邦人はより多くの危険にさらされ、わが国もテロリズムの対象になる。

安倍首相が国会で自衛隊員に万歳三唱した光景が、近未来に悲劇的な状況で再現される、うすら寒いものとして迫ってくる。

経済的徴兵 

米国では、大学の学費が高い。年500万円などありふれた額だ。それで、奨学金を得るために、若い者が軍隊に入るのだ。裕福な者の子弟は、軍務につかない者が多い。建前は、自由意志による志願だが、実質は経済的な理由による徴兵に近い。

今夕、TBS TVの報道番組で放映していたのだが、わが国でも、平均所得と大学進学率が低い地方自治体ほど、自衛隊への入隊率が高いと報じられていた。以前から、そうした統計があるのではないかと思っていたが、それは、教え子が自衛隊に多く入隊しているという高校の教師の方が自分で調べたものらしい。その方は、青森県の方だ。青森では、地場産業が少なく、経済的に厳しい家庭が多いために、高校を卒業すると、自衛隊入隊が一つの選択肢になっているようだ。

最初に、「駆けつけ警護」の任務を命令されたのは、青森県の自衛隊部隊である。

かって、稲田防衛庁長官は、女性セブンのインタビュー記事でこのように語っていた。

──母親の中にはこの先、徴兵制が復活して子供が戦争に巻き込まれると心配する人もいる。徴兵制が復活しないと断言できるか。

稲田:私にも大学生の息子がいますが、赤紙で徴兵されるのは絶対に嫌です。憲法は徴兵制を認めていないし、今のハイテク化した軍隊に素人を入れても使いものにならず、徴兵撤廃が世界の流れ。日本で徴兵制の復活はありえません。

※女性セブン2016年5月26日号


彼女の論旨は、徴兵制が日本ではありえないこと、自分の息子が徴兵されるのは拒否することである。

しかし、上記の通り、青森等では、経済的理由と関連する自衛隊入隊が多い。いわば、米国と同様の、経済的な徴兵である。そのことを、稲田防衛大臣はどのように受け止めるのだろうか。自らの家族は「徴兵される」のは嫌だと言いつつ、この現実を放置し、さらに南スーダンで自衛隊員が亡くなったら責任を取るというは整合性があるのか。自衛隊のトップに立つ政治家として許されるのだろうか。

稲田防衛大臣「駆けつけ警護」発令 

稲田防衛大臣が、「駆けつけ警護」を南スーダンに派遣する自衛隊に対して命令した。

繰り返し述べている通り、「駆けつけ警護」とは、単なる警察活動ではない。内戦状態のなかで戦闘行為に積極的に加わることになる。自衛隊員は、殺し、殺されることになる。

これで、わが国の平和国家としての歩みは終わりを迎えた。

稲田防衛大臣は、この自衛隊の新業務で何か起きた時には、全責任を取ると語った。自衛隊員が亡くなったときにどのように責任を取るつもりなのだろうか。責任を取れるものなのか。

わが国へのテロ攻撃が現実のものとなる。アフガン・イラク戦争以降、米国・ヨーロッパで起きたテロがわが国で起きる可能性が出てきた。さらに逼迫しているのが、海外在留邦人へのテロ攻撃だ。医療分野などで紛争地域で活躍する民間人が標的になる可能性が高まる。

南スーダンで自衛隊が戦闘行為に巻き込まれる 

昨日の衆議院予算委員会を少し視聴した。

○まず、安倍首相は、憲法改正問題について表面上柔軟姿勢を見せているが、結局は機会を見て一気呵成にやるつもりだろう。国会審議では、逐条審議を行わない、すべて憲法審査会で行う、憲法改正の是非は前の参議院選挙で国民に問い、自民党が支持を得た、というのである。自民党の国民主権を蔑ろにする憲法草案を、憲法審査会での議論の「ベースに据える」らしい。

憲法を一括して、「改正」するということは、国の形を根本的に変えることだ。先進国では行われていない。これは一種のクーデターになる。

○自衛隊の南スーダンでの活動について。現地では、今年7月から政府軍と反政府軍の戦闘が激化しており、ソースによっても違うが、300から1000人程度の死者が出ている。中国軍PKOにも2名の死者が出た。自衛隊宿営地そのものには攻撃はないが、6km程度離れたところには、着弾がある由。政府は、これを「内戦状態とはとらえない」ばかりか、「戦闘でもない」と言い張っている。その目的は、自衛隊のPKO活動をあくまで続けさせることにある。

○自衛隊に下される「駆けつけ警護」の命令によって、自衛隊は政府軍、反政府軍と直接戦闘することになる。上記の通りの状況なので、負傷者、戦死者が出る可能性が極めて高い。安倍首相の意向は、そうした自衛隊の活動は、危険を伴う自衛隊職務の一環であり、たとえ戦死者が出たとしても、安保法制に基づく命令を下す安倍首相自身が責任を取る積りはない、ということのようだ。

○南スーダンには、3名の医官が派遣されているが、外科手術はできない。外科手術が必要になったら、負傷者を別な地域に送らなければならない。6mmの銃で銃撃を受けた場合、2分以内に止血処置をしないと、失命する危険が高くなる。が、南スーダンでは、そうした処置を負傷した自衛隊員が受けられる可能性は低い。(しばらく前の当ブログのポストで言及した)救命処置のできる自衛隊員の教育は、これからカリキュラム、教材をそろえ、来年には開始したい、という防衛省幹部の意向だ(遅すぎる!)

ここからは、南スーダンでの自衛隊による安保法制による業務についての私の感想になる・・・やはり、ここで自衛隊が戦闘に巻き込まれ、戦死者がでることを、政府は見込んでいる、というか、それを一種「期待している」のではないか。もちろん、戦死者が出ることを彼らが望んでいるとは思わないが、今後、米国とのガイドライン改定に沿って自衛隊を世界各地で米軍の補完軍隊として戦闘に加えさせるための「予行演習」をしているのではないか、と強く感じた。予行演習とは何か。国民がそうした自衛隊による戦争行為を受け入れ、戦死者が出れば、それはわが国の防衛に寄与したとして奉るように持ってゆくための予行である

国内有事・離島防衛のためと繰り返すが・・・ 

集団的自衛権、安保法制が、米国の世界戦略へ自衛隊を加担させるための法制度であることは確実である。日米ガイドラインでの日米の軍事的な共同の範囲が徐々に広げられてきたことを考えれば明白である。

自衛隊を海外に派遣し、米国の世界戦略の一端を担わせることが、すでに決められ、平時から米軍と自衛隊は共同することになっている。

その手始めが、国連PKOとして派遣された南スーダンでの、自衛隊の実戦への配備である。駆けつけ警護とは、内戦状態の一方に加担することであり、当然、自衛隊員に戦闘による負傷者・戦死者が出る。小規模の軍隊であれば、医療環境は良くない。この報道における、戦場での救命行為の議論は、そうした前提でしか、理解できない。

何度も「国内有事、離島防衛」と繰り返しているところが、きわめて怪しい。本音は、これからどんどん拡大する、自衛隊の海外での戦闘行為に対しての準備なのだ。

安保法制という法律の適用の最初が、南スーダンでの内戦への軍事的な加担である。それは、安保法制の性格が、戦争法制であることを端的に物語っている。

以下、引用~~~

戦場で救命行為、防衛省が隊員養成 国内の離島など想定
16/09/22記事:朝日新聞

 防衛省は21日、医師がおらず連絡も困難な戦場の最前線でも、緊急の救命行為を自衛隊員が行えるようにする新たな制度を創設することを明らかにした。国内の有事で、医療拠点まで時間がかかる離島などでの戦闘を想定。約800人いる准看護師と救急救命士両方の資格を持つ自衛隊員から選抜し、来年度から養成を始める。
 対象にするのは、砲撃を受けて口や鼻がふさがれた場合に首から気道を確保する▽腹を撃たれて肺から漏れだした空気が胸にたまらないよう針を刺す▽地雷で四肢が吹き飛ばされ大量に出血した際に輸液や輸血を行って出血性ショック死を防ぐ、といった救命行為。
 同省によると、米軍がイラク戦争やアフガン戦争の最前線で取り入れ、救命率が向上。2010年から全軍に広げた。英豪軍なども導入しているという。自衛隊が南西諸島の防衛を強化する戦略を進めるなかで、昨年4月から有識者による検討会で協議を続けていた。
 自衛隊はここ数年、離島防衛を想定した日米共同訓練やPKO訓練の際に、最前線での隊員の救護や野戦病院への搬送といった訓練に本格的に取り組み始めた。ただ、今回の新制度について同省の担当者は「日本国内での有事を前提に検討したもので、PKOなどの海外任務は対象にしていない。海外任務では、自衛隊の医官の指示の下に、医療行為ができる環境を基本的に整えている」と説明している。(福井悠介)

孫崎亨著「21世紀の戦争と平和」 

「孫崎亨著、21世紀の戦争と平和」こちら

外交官、および外務省情報局長を歴任し、日本の安全保障問題、国際関係に詳しい、孫崎氏の最新刊である。歪んだ日米関係から、わが国の安全保障がいかに誤った方向に向かっているかを、彼の豊富な経験と知識から分かりやすく教えてくれる。彼の名は、以前から知っていたが、彼の著作に接するのは初めてだった。入り組んだ外交問題を、平明に解き明かしてくれる好著だ。彼の基本的なスタンスは、少しでも平和に近づく選択をすること、マスコミ等に流れる情報を疑い、真実に迫ろうとすることにある。

わが国の安全保障問題、中国・北朝鮮等との関係、中東問題、ミサイル防衛問題等、およびすべての事柄の背景にある日米関係につき目から鱗の情報が満ちている。ということは、これまで私自身が、マスコミの一方的な情報にどれだけ毒されていたか、ということだ。すべからくマスコミ、政府の発表することには疑いの目で接してきたつもりの私でさえ、このありさまなのだから、マスコミ・政府の情報操作にマインドコントロールされている方々にも、驚くべき内容になるのではないだろうか。

一つ、この著作で学んだことを挙げておく。アルカイダが9・11の米国へのテロを行う際に、アルカイダが主張していたことをどれだけの人々が知っているだろうか。彼らの主張は、ムスリムの聖地のあるサウジから米軍が撤退すべきである、という主張だった。だが、米国は、その主張に表面上対応することなく、「テロとの戦い」と称して、大義のないイラク戦争に突入する。驚くべきことに、当初、サウジ駐留米軍を動かそうとしなかった米国は、2003年に静かにサウジから米軍を撤退させている。その後の「テロとの戦い」は泥沼化の様相を呈している。テロによる死者は、減るどころか大幅に増え続けている・・・ということなのだ。この「テロとの戦い」を続ける背後には、軍産複合体の利益追求の影が見える。その中東での「テロとの戦い」に、安倍政権は積極的に関与し、米国の肩代わりをしようとしている。それは、わが国と国民を、さらなるテロのリスクに晒す、ということだ。なぜ、これまでして、安倍政権は米国のネオコンの言うなりなのかも、この書籍には明快に説明されている。

自国の外交政策、防衛政策は、政治家に任せておけばよいということでは大きく道を誤る。次の世代に過酷な運命を背負わせることになる。この孫崎氏の著作を通して、その現実と、それへの対応の仕方を学びたいものだ。

南スーダンで自衛隊が武力紛争の当事者になる 

南スーダンに派遣される自衛隊に、安保法制に基づく駆けつけ警護等の任務が命令されると報じられた。南スーダンが、安保法制適用の最初のケースになるのは、予測していた通り。

南スーダンでは石油が産出し、ほかの鉱物資源も豊かだ。スーダンから独立を果たしたが、南スーダン内部で大統領派と、副大統領派の武力衝突が起きている。ガーディアン誌のこの記事によると、武装ヘリが爆撃をするような事態になっており、実質上内戦状態になっている。だが、中谷 元防衛大臣は、この事態を内戦状態とは認めようとしなかった。内戦状態だと認めると、自衛隊派遣ができなくなるからだ。

この南スーダン内部の武力衝突は、部族の違い等様々な要因があるようだが、何といっても、石油資源をめぐる争いなのだろう。各派の背後に石油利権を狙う石油メジャー、各国の思惑、直接間接の関与があることは容易に想像がつく。武力衝突をする両派は、スーダンとの内戦のときに得た武器を用いているという話しだが、現在も武器を入手している可能性が高い。

そのようなところで、自衛隊がなぜ武力で直接介入するのか?

わが国の安全保障にどのような関係があるのか?

南スーダンでは、170万人の難民が生まれ、うち70万人が外国に逃れているらしい。また、放棄された石油産生施設により環境汚染がひどく多くの市民が生命の危険にさらされている。そこでなぜ武力介入なのか?武力介入以外のことでやるべきことが多くあるのではないか?

駆けつけ警護というと、あたかも警察活動であるかのように聞こえるが、争う両派何れかに対して銃撃をすることを意味する。自衛隊が、武力衝突のなかで当事者になる。自衛隊員に必ず犠牲者が出る。また、自衛隊員が現地の方を殺傷することになる。戦後、営々として築き上げた平和国家としてのわが国の存在意義を根底から破壊する方針転換だ。

もう一度、問いたい、これのどこが安保法制の目的に合致するのだろうか?

米国は、その世界戦略に自衛隊を利用することをもくろみ、まずは国連のPKO活動からはじめさせ、武力衝突への日本国民の忌避意識を弱める、という計画を持っている。国民が知らない間に、日本が戦争をする国家にさせられつつある。


以下、引用~~~

南スーダンPKO、「駆けつけ警護」任務付与へ

2016年08月07日 12時33分 読売新聞
 政府は6日、11月に南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣する陸上自衛隊の部隊に、3月に施行された安全保障関連法で実施可能になった「駆けつけ警護」と「宿営地の共同警護」の任務を付与する方針を固めた。

 複数の政府関係者が明らかにした。近く、新任務実施のための訓練開始を正式に発表する方向だ。

 安保関連法の施行により、現地で国連職員や民間人、他国軍兵士らが武装集団などに襲われた場合に陸自部隊が救援に行く「駆けつけ警護」ができるようになったほか、宿営地を他国軍と共同で警護することが可能となった。だが、政府は、7月の参院選で争点化されるのを避けるため、新任務を実施する上で必要な訓練をこれまで行わず、武器使用の範囲などを定める部隊行動基準といった内部規則の作成やその周知徹底などにとどめてきた。

自衛隊が、安保法施行後初めて南スーダンに派遣 

自衛隊が、安保法施行後初めて、南スーダンに派遣される。

南スーダンは、オイル利権でぐちゃぐちゃの内戦状態にある。そこに、安保法という我が国の安全保障のための法律を根拠に、なぜ自衛隊を派遣するのか、が意味不明だ。安保法は、世界中どこにでも自衛隊を派遣する根拠となる、ということではないのか。武力で、平和を実現するというのか。様々な利権のからむ地域紛争地で、特定の利権を確保するために武力行使をすることになるのではないか。

駆けつけ警護とは、まるで警察行動のように聞こえるが、実質は内戦に武力行使で関与する任務だ。この任務では、死傷者が自衛隊、また現地の人々に出ることは必定と言われている。政府が、人を殺せという命令を自衛隊に出すことに等しい。その任務は、夏の参議院選挙の後に自衛隊に課せられるらしい。自衛隊が、隊員、他の武装グループに死傷者が出る事態は、選挙の前にあってはまずいという政府の判断だ。何という自己中心的な判断なのだろうか。

派遣される自衛隊員は、命がけになる。そして、我が国がテロの対象になる危険が増すことになる。


以下、引用~~~

PKO:安保法の施行後、初の派遣…南スーダンへ
2016年5月21日(土)20時34分配信 毎日新聞

 陸上自衛隊第7師団(北海道千歳市)を中心とする南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)第10次隊約350人の壮行行事が21日、同市の東千歳駐屯地であった。3月の安全保障関連法施行後、初の派遣で、22日から順次出発する。

 同法により攻撃を受けた他国軍部隊を武器を使って救出する「駆け付け警護」などが可能になったが、今回の派遣では任務対象外。首都ジュバやその周辺で、他国部隊の宿営地整備や避難民保護区域の外壁構築、道路整備などをする。

 壮行行事には隊員や家族ら約850人が参加。田浦正人第7師団長は「任務を完遂し、みんなが笑顔で無事帰ることを祈念する」と訓示した。中力修派遣隊長は記者会見で「今までと同様に淡々と任務を遂行する」と説明。「国連南スーダン派遣団(UNMISS)の司令部や外務省とも連携し、安全確保に留意していきたい」と述べた。【日下部元美】