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政府諮問会議の偽善 

政府の諮問会議は、もともと結論ありきの議論を繰り広げ、行政の意図通りの結論に導くもの。行政の政策に「有識者」のお墨付きを与えるお飾りの組織でしかない。政策決定過程の信頼性なぞ最初から存在しない。

その組織でさえ、政府への異論は議事録から削除する、というニュース。最後に載せた同会議の会議録で、中西宏明経団連会長が、在職老齢年金制度は財源の問題があるから慎重にと一言述べている。これは、削除がなされた後の議事録なのだろうか。だとしたら、恐らく中西氏は滔々と反対論を述べたに違いない。在職老齢年金制度について強烈な反対をしたわけだ。

在職老齢年金制度は、それを利用しない年金加入者に財政的負担を求めることになったらしい・・・だったら、企業の負担を嫌う中西氏も納得したのではないか。その上での、中西氏の発言削除だとしたら、国民に対する二重の犯罪だ。

それで、発言を削除したのか。

その経緯を明らかにすべきである。多くの政策は、こうした諮問会議を経て決定されるから、諮問会議でどのような議論がされたのかは、きわめて重要(国会を軽視するおかしなやり方であることは変わりないが)。諮問会議の議事録を勝手に改ざんするということは、政権の「独裁」が露わになったということを意味する。

それから、以前から記している通り、社会保障の枠組を決める、こうした諮問会議に、財界人・研究者の一部だけが招かれ、社会保障の中心にいるはずの労働者の代表が一人もいない。これは、政府が財界のために社会保障制度を改変する、国民のためではないと述べているに等しい。


政府への異論、議事録から削除
社保新会議、在職年金巡り

2019/11/7 20:41 (JST)11/7 21:55 (JST)updated
©一般社団法人共同通信社

 政府が9月に開いた全世代型社会保障検討会議の初会合を巡り、有識者メンバーとして政府方針と異なる意見を述べた中西宏明経団連会長の発言の一部が、公表された議事録に記載されていないことが7日分かった。政府が見直しを検討している「在職老齢年金制度」に言及した部分で、複数の会議関係者が「削除された発言がある」と明らかにした。異論を表面化させない意図が働いた可能性がある。

 社会保障の幅広い検討を行い将来にわたる制度改革を決める重要会議で、議論の透明性を担保するはずの議事録の削除があったことに、専門家からは「政策決定過程の信頼性を損ないかねない」との批判も出ている。

~~~

同会議議事録 こちら。

「社会保障制度改革推進法」 

社会保障を大きく捉えると、自助、共助、公助に分けられる。安倍政権は、自助・共助を強調し、政府の関与する公助を最小限にしようとする。

これまでの自然災害、原発事故による被災者への対応でも薄々感じられたが、今年の豪雨・台風被害に対する政府の対応で、この公助は最小限に、遅れて実施することが明らかになった。

HIDETOSHI PEPE AMEMIYAという方が、facebookにアップされた文章を以下に引用する。

この社会保障制度改革推進法という法律に沿って、社会保障における自助・共助の推進が行われている。公助は、最小限にするということだ。

実際、この文章に記されたことが着々と実行されている。

国民は、何時になったら、セーフティネットの柱になるべき公助が外されていることを知るのだろうか。

以下、引用~~~

社会保障制度改革推進法
HIDETOSHI PEPE AMEMIYA·2019年9月26日木曜日·

参議院選も終わったので、新たな搾取政策が本格的に動き出しました。その名は「社会保障制度改革推進法」。
平成24年8月22日に公布・施行されたこの法律は「日本の社会保障制度を破綻させる」ことを目的に制定されたものです。(何故だかあまり話題に上りませんが、かなり酷い内容の法律です。)

この法律の性格は第2条(基本的考え方)に集約しています。

第二条 社会保障制度改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。
 一 自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと。
 二 社会保障の機能の充実と給付の重点化及び制度の運営の効率化とを同時に行い、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ、持続可能な制度を実現すること。
 三 年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の負担は、社会保険料に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とすること。
 四 国民が広く受益する社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点等から、社会保障給付に要する費用に係る国及び地方公共団体の負担の主要な財源には、消費税及び地方消費税の収入を充てるものとすること。

すなわち、「自立・自助」を基本に、「自立した生活」を家族や国民相互の「助け合い」によって支援することが社会保障であり、国の責任や企業の責任はない、という考え方です。この法律の最大の目的は公費削減にあります。具体的には以下のようなものです。
・社会保障の給付を抑え公費を縮小する
・老後の医療・介護の備えを個人の努力で行う(自己責任、自立・自助)
・生活保護費の削減(受給世帯の96%が減額、最大10%削減)
・生活保護の引き下げ
・「安定した財源」と「持続可能な制度」(消費税と保険料以外の公費を使わない)
・「受益と負担の均衡」(負担した人だけが見返りとして給付を受けられる)

社会保障制度改革国民会議では、下記のような施策が検討されるようです。

【社会保障の削減】
・所得の格差がいのちの格差へ(医療保険の利く範囲をせばめ、保険以外の診療は自己負担)
・在宅医療を口実に、病院からの追い出し(医療費を使わない安上がりな終末期のすすめ、大幅なベッド数の削減)
・70~74際の窓口負担が倍に!(窓口負担が1割→2割へ引き上げ)
・通院のたびに100円程度の上乗せ(原則3割負担の窓口負担に毎回100円程度の上乗せ)
・風邪などは保険対象外に(軽い疾病や一定額以下の医療費は保険給付しない)
・風邪薬や湿布・漢方は自己負担(市販類似薬は窓口負担を増やすか、保険給付から外す)
・国保の保険料・税は大幅値上げ
・組合国保への定率負担の廃止、補助金の大幅削減

【介護支援の削減】
・要支援1・2の人の利用料や一定所得以上の人(年収320万円以上もしくは383万円以上)の利用料を1割→2割に引き上げ
・要支援者へのサービスのうち「予防効果のないもの」を保険から外す
・要支援1・2の人の施設利用料の引き上げ、特養ホームなどの相部屋の居住費を月8,000円引き上げ
・ケアプラン(介護計画)作成の有料化(要支援者で月500円、要介護者で月1,000円の有料化)
・資産をもつ低所得者の施設利用料を死後に精算

【年金の削減】
・最低保障年金制度の否定、年金給付は2.5%カット
・物価や賃金が上がっても年金給付は引き下げる(マクロ経済スライド)
・年金の支給年齢をさらに先延ばし(68歳~70歳に)

【少子化対策の縮小】
・子育て支援の財源はすべて消費税の増税で賄う(国の責任の縮小)
・保育所の基準を地方ごとに自由化、保育所運営は利益追求を目的とした株式会社でもOK

これらは社会保障制度の「見直し」などという生易しいものではなく、「憲法25条を無視した国の責任投げ捨て」ともいうべきものであり、これまで安倍自民党を支援してきた人に対しても容赦なく網羅的に浴びせられることになります。
ちなみに「消費税と保険料以外の公費を使わない」というこの政策を実現するためには、消費税を 16% にまで上げる必要があるという試算があります。

法律第六十四号(平成二四・八・二二)社会保障制度改革推進法

経団連から政府に命令が下った 

経団連等の提言は、実際のところ、ことごとく実現している。提言ではなく、政府に対する命令なのだ。

政権与党は、経団連等の命令に諾々と従う。それにより、大きな実入りがあるからだ。

経済界は、国民に痛みを要求するのに、なぜ自分たちの痛みを被ろうとしないのか。法人税の引き上げ、所得税・金融取引税の引き上げ等自分たちの痛みによって、国民の痛みを分かち合うべきなのに、それをやらない。

こんな団体が、社会保障の枠組みを決めるのは、不正である。

以下、引用~~~

経団連など 高齢者医療、自己負担の1割から2割負担への引き上げ提言
10/24(木) 18:26配信毎日新聞

 政府が掲げる全世代型社会保障制度改革の具体化に向けた自民党の「人生100年時代戦略本部」(本部長・岸田文雄政調会長)が24日開かれた。日本経済団体連合会、経済同友会、日本商工会議所の3団体が、高齢者の自己負担引き上げなどの社会保障改革案を提言した。

 3団体は、75歳以上の後期高齢者医療の自己負担割合を現行の原則1割から2割に引き上げるほか、医療機関を受診するすべての患者から一律100円程度の定額負担を求める制度の導入を主張。また、風邪薬や湿布薬など市販品と類似する有効成分の医薬品について、保険適用から除外するよう求めた。現在は、医療機関で処方されれば年齢に応じて1~3割の自己負担で済む。

 経済3団体は、現役世代が支払う年金や健康保険料を通じて、高齢世代への所得移転が急激に進むことによる経済成長への影響を懸念。2022年から団塊の世代が75歳になるなど、今後の現役世代の負担がさらに増える見通しのため、世代間のバランスの見直しが必要だと主張している。

 この日提言した改革案は、高齢者に一定の負担増を求めるとともに、諸外国より多い外来受診回数や急増する薬剤費の抑制につなげる狙いがある。

 これに対し、日本医師会はこれまでの会議で、受診時定額負担や薬の保険適用除外に反対姿勢を示しており、今後の議論になりそうだ。【森有正、深津誠】

 ◇経団連の主な要望事項

・原則1割になっている75歳以上の後期高齢者医療の自己負担を2割に引き上げ

・医療機関受診時の定額負担導入

・医師が処方する市販類似薬の保険給付見直し

・現在60~70歳の範囲で選択できる年金受給開始時期の拡大

・介護の2割負担対象者の拡大

社会保障制度検討会議のメンバー 

既出の話題だが、社会保障制度検討会議のメンバーに、労働者、非正規労働者、それに彼らを支援するNPOの人間等、社会保障に直接関与する当事者が全く入っていない。ここまであからさまにやるものかと驚く。

これは、政財界にとって都合の良い社会保障制度にすると言っているようなものだ。

バブル崩壊後、労働者の雇用環境は悪化し続けている。このメンバーが行う社会保障制度の改変は、それに最後のとどめを指すことになるのだろう。

いい加減、こうしたやり方をする政府に退場願わないと、労働者が奴隷化することになる。

以下、引用~~~

全世代型社会保障制度実現へ 検討会議のメンバー発表
2019年9月17日 13時34分

全世代型社会保障制度の実現に向け、政府が設置する検討会議の有識者メンバーに、経団連の中西宏明会長や慶應義塾の前塾長の清家篤氏ら9人が起用されることになりました。

急速な少子高齢化で社会保障費が増え続ける中、政府は「全世代型社会保障検討会議」を設置し、今週にも初会合を開いて抜本的な改革の議論を始めることにしていて、西村経済再生担当大臣は、閣議のあとの記者会見でメンバーを発表しました。

それによりますと安倍総理大臣を議長、みずからを進行役の議長代理とするほか、閣僚では、麻生副総理兼財務大臣、菅官房長官、高市総務大臣、加藤厚生労働大臣、菅原経済産業大臣が参加するとしています。

また、経済財政諮問会議や社会保障制度改革推進会議など関係する政府内の会議から、

▽国立社会保障・人口問題研究所所長の遠藤久夫氏
▽日本総合研究所理事長の翁百合氏
▽東洋大学名誉教授の鎌田耕一氏
▽経済同友会代表幹事の櫻田謙悟氏
▽慶應義塾の前塾長の清家篤氏
▽経団連会長の中西宏明氏
▽サントリーホールディングス社長の新浪剛史氏
▽東京大学公共政策大学院客員教授の増田寛也氏
▽東京大学大学院教授の柳川範之氏


の合わせて9人の有識者を起用するとしています。

西村大臣は「経済財政諮問会議や社会保障制度改革推進会議など、それぞれの立場からいろいろな議論をしているので、それを束ねる形で大きな方向性を示していきたい。まずは今後の進め方について、委員から意見を聞くところから始めたい」と述べました。

社会保障検討会議、中身はこれまでと同じ 

この人選は、これまでの経済諮問会議のそれと同じではないか?

社会保障の現場の人間、社会保障を受ける立場の人間が含まれないのは手落ちではないか?

結局、社会保障を切り下げる、社会保障コストを引き下げることだけを狙った会議になることが見えている。

安倍首相は、宇宙防衛の自衛隊を立ち上げると言い出した。この社会保障を何とかして引き下げようという姿勢と、軍拡を止めどなく進めようという態度は、同じ根っこから出ている。

それを、国民がいつ気づくのかということだろう。気が付く前に、国が崩壊か・・・。

以下、引用~~~

社会保障検討会議に民間9人起用
改革の司令塔、経団連会長ら

2019/9/17 12:25 (JST)9/17 12:30 (JST)updated
©一般社団法人共同通信社

 西村康稔全世代型社会保障改革担当相は17日の記者会見で、改革の司令塔となる検討会議の民間メンバーに中西宏明経団連会長や増田寛也元総務相ら9人を起用すると発表した。初会合は政府内で20日を軸に調整しているが、西村氏は「今週中に開く方向」と述べるにとどめた。

 新会議のメンバーは安倍首相や閣僚を含め計16人。民間から中西氏、増田氏のほか、新浪剛史サントリーホールディングス社長、桜田謙悟経済同友会代表幹事、翁百合日本総合研究所理事長、清家篤前慶応義塾長、柳川範之東大大学院教授、遠藤久夫国立社会保障・人口問題研究所長、鎌田耕一東洋大名誉教授が有識者として参加する。

年金財政検証隠蔽 

やはり参院選後まで公表されない様子の、年金財政検証。以前にもここに上げたが、その内容の肝は、

70歳受給開始、それであっても現在の2割減の年金額

となることが見込まれている。

どのような内容であっても、早く公表し、それに対してどのように対応してゆくのかを、選挙戦で議論してもらいたいものなのだが、政権与党は隠すことでやり過ごそうとしている。この年金の現状に関しては、現在の安倍政権にすべての責任があるわけではないのだから、公表・対応を議論するべきなのだ。

ところが、隠蔽、そしてもしかすると改ざんすることで、国民の反発をかわそう、かわすことができると、政権は睨んでいる。

これを許していたら、政権のやりたい放題、何でもありになってしまうと思うのだが・・・参院選は、与党の過半数、下手をすると改憲議席数に届くと報じられている。だが、この「世論調査」なるものもかなり胡散臭い。21日まで、とくに無関心層の方々に語り掛け続けて行きたいものだ。この問題に限らず、すべて次の世代、そして若い世代が苦労させられることになるのだから。

諦めない。

以下、引用~~~

安倍政権が選挙後まで隠す「老後2000万円」よりヤバい年金文書
WEB女性自身 / 2019年6月27日 11時0分

世間をにぎわせている金融庁の“2,000万円報告書”。多くの人が、その内容の厳しさに愕然となったが、じつはこれよりも“ヤバい”文書が隠されているのだ――。

「新しい『財政検証』をなぜ速やかに出さないのか。出てこない限りは、年金制度の安心が保たれているかどうか、判断できません」

金融庁の報告書に端を発した“老後資金2,000万円問題”。6月19日に行われた党首討論では、野党党首が年金問題について、安倍晋三首相を厳しく追及した。

冒頭の言葉は、国民民主党の玉木雄一郎代表が、安倍首相に投げかけたものだ。“年金博士”として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんが、解説する。

「『財政検証』とは、厚生労働省が作成する年金財政の“健康診断”のようなものです。年金制度が持続できるように、5年に1度、検証し、発表することが法律で定められています。財政検証の結果に従い、将来の年金の支給計画が立てられたり、法改正が行われたりする。まさに、年金制度にとって、もっとも重要な文書なのです」

話題の“2,000万円報告書”は金融庁の作成。年金だけでは不足する老後資金をどう補うべきか、金融を所有する省庁の立場から“ご提案”したものにすぎない。

一方、財政検証は、年金を所管する厚生労働省が作成する調査報告書と計画書を兼ねたようなもの。まさに、年金制度の今後を占う要といってもいい。

ところが、その公表が遅れているという。過去2回の財政検証は、内容を議論する専門委員会の最終会合から3カ月ほどで公表された。今年は3月7日に最終会合が行われたので、6月中旬までには公表されると見込まれていた。だが、いまだ公表の予定はない。

財政検証を担当する厚労省年金局数理課は、「検証中で、まだ発表時期ではないとしか申し上げられない」と繰り返すのみで、作業の進捗状況すら答えなかった。

政治ジャーナリストの角谷浩一さんは、こう分析する。

「永田町では『老後2,000万円問題で紛糾するなか、よほど悪い検証結果なので、夏の参院選が終わるまで出さないのではないか』といわれています。厚労省が安倍内閣に“忖度”している、あるいは官邸から公表しないように指示された、そんなふうに見られているのです」

今年3月に公表された「2019年財政検証の基本的枠組み」では、厚生年金の適用拡大や、受給開始年齢の選択化も「財政検証」に盛り込むことが予告されている。

「政府は、将来的に受給開始年齢を引き上げていく方針です。過去の改正を鑑みると、現在50歳以下の女性は、受給開始が68歳に引き上げられることが予想されます。いずれは65歳定年が法制化され、受給開始は70歳にされるでしょう」(北村さん)

われわれの将来を占ううえで、欠かせない「年金財政検証」。角谷さんは語気を強めた。

「参院選の前であろうと、後であろうと、財政や数字は変わりません。大事なのは、早急に公表し、この年金不安に対して、どのような対策で取り組んでいくかを議論して、選挙で信を問うことです」

経済評論家の加谷珪一さんはこんな懸念をする。

“2,000万円報告書”が批判を浴びたのを受けて、財政検証の内容が書き換えられてしまうのではないか。これまでの例を踏襲しなかったり、悲観的な試算を隠したりと、不正確な財政検証が出たら、将来的に被害を受けるのは、われわれ国民なのです

目の前の選挙や政局のために、われわれの未来がないがしろにされてはならない。

年金財政検証の公表を先延ばしする理由 

年金財政検証を公表すべきなのに、政府はそれを隠して選挙に臨もうとしている。同検証が、国民にとって厳しい内容であるからに他ならない。

下記の記事の内容以外に、70歳からの年金受給が提案されると言われている。男の健康寿命は72歳であるから、身体を壊すまで働き続けろと、政府が国民に命じているに等しい。それができるだけの体力、意思があるならば、働き続けることも良いだろう。だが、何時まで働き続けるのかを、年金制度だけから枠をはめられるのはおかしいのではないだろうか。

さらに、たとえ70歳過ぎまで働いても、年金額は、生活をし、将来受けるであろう介護・医療の出費を賄うには、大幅に少ない。あの2000万円が不足というのは、厚生年金に40年間加入し、妻は専業主婦という、昨今あり得ないモデルケース。現在、50歳以降で役職定年が多くなり、また経団連は終身雇用を続けないと言明している。非正規雇用で生きてきた方、途中から非正規雇用になる方が大幅に増える。そして、マクロ経済スライドという年金削減システムが作動し続ける。老後資金の不足額は、2000万円を大きく超える。

安倍首相は、国会を閉会するにあたり、テレビで単独インタビューを受けた(民放一社が、首相単独インタビューを行うのは放送法違反と思われる)。

安倍首相は、年金制度に関して、野党は積極的な提言を行っていないと述べている。が、それは大嘘である。参院決算委員会で共産党の小池晃議員が、年金底上げの提言を行っている。大企業への中小企業並みの課税(優遇税制の縮小)と、投資利益に対する適切な課税により計7兆円をえることができる。それによって、マクロ経済スライドという年金実質削減制度を廃止し、年金を底上げするべきだという、まともな提言である。

それに対する、安倍首相の返答は、馬鹿げた政策であるとの一言だ。年金の底上げを、彼は行う積りはない。

別な機会に、安倍首相は、「経済政策を推し進めれば、年金底上げができる」と述べた。だが、具体策は何もない。彼の「アベノミクス」によるトリクルダウンと同じ論理なのだろう。だが、この6年間で安倍政権の経済政策は何をもたらしたか、という問題だ。年金資金を株にぶち込み、官製相場を維持し、今後どれだけ年金資金が毀損されるか、身震いがするほどだ。安倍政権の経済政策は、大企業と、彼の取り巻きの人物・組織に利権をもたらした。企業の内部留保は500兆円に達する。一方、実質賃金・家計消費は低下し続けている。安倍政権の経済政策を推し進めれば、年金底上げができるというのは見え透いた嘘である。

年金財政検証公表を選挙後に伸ばした安倍政権の意図を国民は理解すべきだ。

以下、女性自身から引用~~~

参院選後まで非公表「2019年財政検証」に記載される最悪未来
記事投稿日:2019/06/27 11:00 最終更新日:2019/06/27 11:00

「新しい『財政検証』をなぜ速やかに出さないのか。出てこない限りは、年金制度の安心が保たれているかどうか、判断できません」

金融庁の報告書に端を発した“老後資金2,000万円問題”。6月19日に行われた党首討論では、野党党首が年金問題について、安倍晋三首相を厳しく追及した。

冒頭の言葉は、国民民主党の玉木雄一郎代表が、安倍首相に投げかけたものだ。“年金博士”として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんが、解説する。

「『財政検証』とは、厚生労働省が作成する年金財政の“健康診断”のようなものです。年金制度が持続できるように、5年に1度、検証し、発表することが法律で定められています。財政検証の結果に従い、将来の年金の支給計画が立てられたり、法改正が行われたりする。まさに、年金制度にとって、もっとも重要な文書なのです」

話題の“2,000万円報告書”は金融庁の作成。年金だけでは不足する老後資金をどう補うべきか、金融を所有する省庁の立場から“ご提案”したものにすぎない。

一方、財政検証は、年金を所管する厚生労働省が作成する調査報告書と計画書を兼ねたようなもの。まさに、年金制度の今後を占う要といってもいい。

ところが、その公表が遅れているという。過去2回の財政検証は、内容を議論する専門委員会の最終会合から3カ月ほどで公表された。今年は3月7日に最終会合が行われたので、6月中旬までには公表されると見込まれていた。だが、いまだ公表の予定はない。


財政検証を担当する厚労省年金局数理課は、「検証中で、まだ発表時期ではないとしか申し上げられない」と繰り返すのみで、作業の進捗状況すら答えなかった。

政治ジャーナリストの角谷浩一さんは、こう分析する。

「永田町では『老後2,000万円問題で紛糾するなか、よほど悪い検証結果なので、夏の参院選が終わるまで出さないのではないか』といわれています。厚労省が安倍内閣に“忖度”している、あるいは官邸から公表しないように指示された、そんなふうに見られているのです」

“よほど悪い検証結果”とはどんなものだろうか。そのヒントとなるのが、過去の検証結果だ。

前回の財政検証での所得代替率は62.7%。所得代替率は、現役世代の男性の平均的な賃金に対して、厚生年金を受給している夫婦2人のモデル世帯の年金受給額が何%あるかで示される。’14年財政検証では、平均賃金は月34万8,000円で、モデル世帯の年金額は21万8,000円とされたので、所得代替率は62.7%。’04年の年金改革で、この値が50%を下回らないように調整することが定められている。

「しかし、将来的に所得代替率は下がっていきます。マクロ経済スライドのために、物価が上昇しても、年金額は同じようには上昇しないためです。受け取る年金の額面はわずかに上がるか、“据え置き”なので気づきにくいのですが、年金は実質的に“減る”のです。安倍首相は国会で、今年0.1%年金受給額が増えたと豪語していましたが、物価の上昇を考えると、年金は減ったのです」(北村さん)

物価が上がると、同じものを以前とは同じ値段で買えなくなる。そのため、手元に入るお金が一定だったり、ほとんど増えなかった場合、買えるものは少なくなってしまう。つまり、お金の価値が“減る”ということだ。

もともと、年金は物価や賃金の変動に応じて、支給額も変動していた。しかし、’04年に導入された「マクロ経済スライド」によって、物価や賃金が上昇しても、年金の支給額の上昇は抑制されることになった。何%抑制するかをあらわす値を「スライド調整率」という。物価や賃金が上がっても、年金の支給額は同じように上がらないので、「所得代替率」が下がっていくことになる。

こうして、マクロ経済スライドによって、年金の価値は徐々に減る。それでも、所得代替率を50%よりは下げないことが、法令で定められている。この50%に至るのがいつごろになるか試算するのが「財政検証」の肝になる。

5年前の財政検証では、経済がもっと順調に推移していく「ケースA」から、もっとも悪化していく「ケースH」まで、8段階のシミュレーションが行われた。

「ところが、いちばん楽観的なケースAであっても、11年後の2030年には、所得代替率が57.2%と6割を割り込み、25年後の2044年には所得代替率が50.9%まで下がると、試算されているのです」(北村さん)

経済評論家の加谷珪一さんは、現状に即しているのは、もっとも悲観的なケースHだと考えている。

「政府が目標としてきた経済成長率の数値は未達成のままですし、世界経済も、不況の兆しが見えているためです。ケースHでは、所得代替率がわずか11年後の2030年に53.8%にまで落ち込み、今50歳前後の人たちが年金の受給を始める、17年後の2036年には50%に達すると試算されています」

所得代替率50%は、前回の財政検証で基準となった62.7%から2割減。現在の平均月給から計算すると月17万円ほどだ。夫婦2人、この金額での生活は困難だろう。そもそも、所得代替率の基になる“モデル世帯”の設定すら、現実を反映していない。

「’19年度のモデル世帯は、夫が40年間、平均月42.8万円の賃金でサラリーマン生活を送っていて、その間、妻がずっと専業主婦で、基礎年金は満額支給を受けられるという設定です。しかし、学生時代の年金が未納になっている人や、転勤などで国民年金だけだった時期がある人、また、これよりずっと低賃金で働いていた人もたくさんいます。すでに多くの年金受給世帯が、所得代替率は50%ほどか、それを下回っているのです。そこからさらに2割減となれば、老後破綻しかないでしょう」(北村さん)

――17年後には年金が2割減ってしまう。これだけでも驚きの試算だが、あくまでも前回の財政検証でのもの。最新の財政検証には、もっと恐ろしい未来が盛り込まれる可能性が高いという。

すでに、厚労省は今年の財政検証で、年金を試算するときに使う「経済前提」を発表している。

物価上昇率や賃金上昇率などが将来的にどう推移するか、ケース1~6まで6つの予想が提示されるが、どの数字も軒並み前回よりも悪く見積もられている。たとえば、もっとも悲観的なケース6と、前回の財政検証のケースHを比べてみると、「物価上昇率」、「賃金上昇率(実質〈対物価〉)」、「運用利回り(実質〈対物価〉)」、「経済成長率(実質〈対物価〉)」、どの数字も下がっている。


この数字を“前提”に、年金の将来が試算されるので、17年後に所得代替率50%に達するという前回のケースHを上回る、恐ろしいシミュレーションが今年の財政検証に盛り込まれる可能性は高い。

マクロ経済スライドにより基礎年金7兆円引き下げ 

安倍首相が、壊れた録音機のように繰り返す「マクロ経済スライド」は、年金を切り下げるシステム。安倍首相自身、同スライドによって、7兆円の基礎的年金が削減されることを繰り返し述べている。現在の年金基金の巨額の株式投資をみると、それだけでは収まらない可能性が高い。

現在、政府は国民各自が投資することを勧めているが、投資すべき余裕資金のない国民(全体の3,4割)はどうすべきだというのだろうか。さらに、投資しても弱小個人投資家が、現在の投資環境では「ババ」を引かされる可能性が高い。

しんぶん赤旗6月20日から引用~~~

年金給付を自動的に削減する「マクロ経済スライド」が完全実施されると、年金給付は7兆円も削減される―。高齢者のくらしを貧困に突き落とすマクロ経済スライドの恐るべき実態が、安倍晋三首相自身の口から明らかにされました。

安倍首相は22日に出演した民放テレビ番組「ウェークアップ!ぷらす」(日本テレビ系)で、日本共産党のマクロ経済スライド廃止の提案に言及し、「やめてしまってそれを保障するには7兆円の財源が必要です」と発言しました。

この問題をめぐって安倍首相は、19日の国会の党首討論で日本共産党の志位和夫委員長がマクロ経済スライドの廃止を提案した際、「ばかげた案だ」などと批判し、唐突に7兆円という数字を持ち出していました。

民放番組で安倍首相自ら、マクロ経済スライドが7兆円の年金給付削減という痛みを国民に押し付ける仕組みだと明らかにしたことで、マクロ経済スライドを続けて年金給付を7兆円削るのか、それとも廃止して「減らない年金」をつくるのかが、年金問題の最大焦点に浮上しました。

党首討論後、志位氏の求めに厚生労働省が提出した資料によれば、7兆円はマクロ経済スライドによる基礎年金(国民年金)給付の減額幅を示したもので、2040年時点で本来約25兆円になるはずの給付額は18兆円に抑制されることになっていました。

基礎年金給付の実に3分の1がマクロ経済スライドで奪われる計算で、現在でも6万5000円にすぎない基礎年金の満額はさらに約2万円も削り込まれることになります。基礎年金しか入っていない低年金者ほど打撃が大きい、最悪の「弱者いじめ」の仕組みであることが浮き彫りになりました。

日本共産党は21日に発表した参院選公約で、マクロ経済スライドを廃止するための財源として、年収1000万円を超えると保険料負担率が低くなる高所得者優遇の保険料制度の見直し、200兆円もの巨額積立金の計画的取り崩し、最低賃金引き上げや非正規雇用の正社員化による保険料収入増加を掲げています。

年金底上げの提言に対して、安倍首相「馬鹿げている!」 

6月10日参院決算委員会、小池晃議員の質疑。このクリップの20分以降の部分がネットで視聴されており、その視聴回数が実に400万回を超えている。

こちら。

低年金の底上げを図るべきだという小池議員に対して、安倍首相は「マクロ経済スライド」導入で年金が持続可能になったの一点張り。「マクロ経済スライド」は、年金を削減して行く施策に過ぎない。小池議員の底上げ具体策を、安倍首相は「馬鹿げている」と一蹴している。

この議論を視聴なさった方は、どのように受け取られただろうか。

非正規雇用労働者は存在しない? 

政府が「存在しない」といえば、無きものになるらしい。

厚労大臣によれば、非正規雇用労働者は存在しない、ということらしい。

非正規雇用を全労働者の4割まで増やしておいて、「存在しない」とはよく言えたものだ。

非正規雇用の方々は、政府・厚労大臣に怒りをぶつけるべき。彼らは、非正規雇用を存在しないものとしようとしている。

東京新聞から引用~~~

19日、国会内で「老後2000万円」に関する野党ヒアリングが行われた際、厚労省の伊沢知法年金課長が、他部局から聞いた話として明らかにした。伊沢氏は「大臣から最近、『非正規と言うな』と言われている」「非正規の『非』が、働いている人に対してどうなのかという観点だ」などと紹介した。所得や貯蓄が正規社員より大幅に低く、年金も国民年金だけのケースが多い非正規労働者は、老後資金不足が問題化する可能性が高い。