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TPPで輸出が爆増する? 

TPPの経済効果について、政府が、眉唾どころか明らかに国民を欺くための数値を出した。

まず、このTPP大筋合意とは、最終合意ではない。現に、米国では、共和党から最終合意は、大統領選挙以降になるとの見解が出ている。大筋合意は、二国間交渉だけの大筋合意であり、米国から知的財産権などで巻き返しが起こることがありうる。この大筋合意をもって、最終合意であるかのように喧伝するのは誤り。政府は、大筋合意の根拠のない数値で、特に農業の分野で、「バラマキ」を行うつもりのようだ。来年の参議院選挙対策である。米国のオバマ大統領が、大筋合意を急いだのも、自らの業績作りのためだと言われている。繰り返すが、大筋合意は、最終合意ではない。

で、輸出拡大によって、10数兆円の輸出拡大が起きるという予測について、である。総輸出額70兆円のおよそ半分が、TPP批准国への輸出だ。その規模は30数兆円である。そこに10数兆円の積み増しができるとは、到底思えない。正確な予測数値を見てみたいものだ。現在の輸出額、内容、対象地域別輸出額の一覧は、こちら。GDPを100兆円以上積み増しするという宣伝と同じで、単に希望的観測、いや、国民を欺くためのデッチ上げと考えるべきだろう。おそらくエコノミストから批判が出ると思うので、それを待ちたい。

輸出が多少伸びると仮定して、それでよいのか、という深刻な疑問が残る。医療社会福祉分野等にはラチェット条項を当面適用しないともされているようだが、日本の医療社会福祉分野は、米国がぜひとも参入を希望している分野だ。米国は、かねてから中医協にグロバール企業、具体的には米国の製薬企業の人間を入れさせるように要求し続けてきた。それが、TPPで可能になる。すると、日本の医療制度は、彼らの思うがままだ。思い通りにならなければ、非関税障壁として日本政府を仲裁機関に訴えることだろう。そこでの決定は、国内法よりも優先するのだ。こうして、国の形が、彼らの利益になるように思うがままに変えられてゆく。それを良しとするかどうか、を国民に尋ねるべきではないのか。

以下、引用~~~

TPP経済効果、十数兆円=農業生産減少は千数百億円-政府試算
2015年12月22日(火)23時3分配信 時事通信

 日米など12カ国が大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)について政府が、発効後に日本経済に10兆円超の経済効果をもたらすとの試算をまとめたことが22日、分かった。農産物・鉱工業品の関税撤廃・削減に加え、貿易・投資ルールの緩和を追い風に輸出が大幅に増え、国内総生産(GDP)を2~3%(十数兆円規模)押し上げると見込んだ。
 一方、TPPによる国内の農林水産業への影響額(生産減少額)は少なくとも千数百億円と試算した。全ての関税の即時撤廃を前提にした2013年3月の試算(約3兆円)に比べ大幅に減少する。政府はTPP対策の実施により、再生産の維持は可能とみている。また14年度時点で39%(カロリーベース)の食料自給率にも影響はない見通しだ。
 安倍政権はTPPの経済効果を、目標とする名目GDP600兆円達成の推進力にしたい考え。政府は試算内容を24日に開く経済財政諮問会議に報告、公表する。
 今回の経済効果の試算では、関税の撤廃・削減にとどまらず、外資参入規制の緩和によるコスト削減効果や、貿易・投資の促進を通じた輸出量の拡大、中長期的な生産性向上に伴う賃金上昇や労働力人口の増加といった波及効果も幅広く考慮。その結果、TPPの効果は、日本が交渉に参加した13年時点にまとめた試算の約3.2兆円から大きく膨らむ。
 農林水産業の影響試算は、関税率が10%以上で、国内生産額が10億円以上の主要33品目を対象に行った。TPP大筋合意直後の10月下旬の段階で政府は、関税を大幅削減する牛・豚肉などを中心に生産減少額が2400億円に上ると試算していたが、輸出の拡大効果なども加味したことで減少額は最低で千数百億円にとどまる見通しとなった。