改憲への動きが進められている 

来月下旬には、自民党の改憲案が出来上がる。これまでの安倍政権の強引な政権運営をみても分かる通り、国民投票には、その改憲案がそのまま憲法草案として出される可能性が高い。

今のところ、安倍政権下での改憲には否定的な世論調査結果が出ているが、国民投票では、与党の潤沢な資金と、財界・電通の支援を得た政権が自らの案を強引に押し通そうとするものと思われる。それまでは、株式市場に日銀・GPIFから莫大な公金が投下され続け、資産バブルが破裂するのを抑え込もうとする。

自民党の改憲案は、まだ明らかになっていない。国民に議論を深めてもらうというが、深まっているとは到底思えない。さらに、現憲法に首相・政府には憲法擁護規定がある。だが、首相は改憲に突っ走る。どうも自らの業績として改憲をやり遂げたいという野望がその動機ではないかと言われている。

彼らの主張する改憲のポイントは、自衛隊を憲法に書き込むかどうかという点だが、自ら、自らの正当に有利なように選挙制度について、こそこそと書き加えようとしている。参院選合区解消問題である。こちら。具体的な選挙制度について憲法に記すなぞ聞いたことがない。改憲を自らの利権のために利用しようとしている。

改憲のもっとも重大な問題は、緊急事態条項である。これは、首相に三権の全権限を与えるもので、首相がその必要性を宣言できる。ナチスがワイマール憲法を実質なきものにしてヒットラー独裁を実現した、国家授権法と同じ構図であり、その内実は戦前の国家総動員法と同じである。政府は、自然災害時の対応としてこの条項が必要だというが、既存の法律、さらに参議院の存続によって、自然災害時の対応は十分可能であることが分かっている。この条項の導入について、マスコミは取りあげず、国民の間で議論されている様子はない。

オリンピックは楽しい催しだが、その背後で、国の形を決める改憲への動きが進められている。

「知らしむべからず、拠らしむべし」 

改憲議論は、あまり深く行うと、国民に疑念が生じるから、手早く済まそうという自民党憲法推進本部長の言葉。

名護市長選で、基地移設問題には全く触れなかった自公候補と同じ発想だ。選挙が勝利に終われば、結果がすべてと言い、やりたい放題である。

「知らしむべからず、拠らしむべし」という方針なのだ。国民投票さえ通せば、後はどうにでもなる、ということなのだろう。

国民は、バカにされている。

憲法ほど国民が慎重に考えるべきものはない。権力にタガをはめるべき憲法を、権力者が勝手に変えてはならない。

朝日新聞digitalより引用~~~

国民投票「『恐れがある』議論起こると…」自民・細田氏
2018年2月11日17時10分

細田博之・自民党憲法改正推進本部長(発言録)
 (参院選の選挙区をまたぐ「合区」について)今の制度は大きな矛盾があるから、党憲法改正推進本部として(改憲原案の)案文をつくる。まもなく条文化をする。(9条改正については)自衛隊(の存在)をきちっと書く案を今、考えているところだ。もう少し経って、(党内の)議論を収束させたい。

 憲法改正案は、できるだけ早く整理して、みなさんの納得が得られる案に充実させる。そして国会で審議し、最終的には国民投票にかける。あんまり、「国民投票のときにこういう恐れがある」「ああいう恐れがある」という議論が起こると、反対論が多くなる。そうならないように誘導していくことが必要だ。(松江市内の会合で)

安倍政権の目指すもの;軍拡と改憲 

安倍政権は、北朝鮮問題を梃にして、軍拡を進め、改憲を推し進めようとしている。彼らの目指すのは、現憲法の精神を否定し、大日本帝国憲法の体制を再現することだ。安倍首相は、米国には隷従しつつ、戦前に回帰しようとする矛盾に気づいていない。愚かである。

国家予算では、社会保障が切り捨てられ、防衛予算という軍事費が突出して増額される。同時に、基本的人権、国民主権、平和主義を否定する憲法が制定されようとしている。自民党内部では、憲法草案に緊急事態条項を入れ、緊急時に私権(人権)の制限を行うことを検討している。緊急事態は、自然災害だけではなく、首相が判断することによって決まる。そこでは、首相に権限が集中する。

以下、IWJから引用~~~

 安倍晋三総理は1月22日の衆院本会議で施政方針演説をおこない、防衛力の強化に関して「専守防衛は当然の大前提としながら、従来の延長線上ではなく国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めてまいります」と述べました。総理は日本の安全保障政策の基本方針を定めた防衛大綱を年内に見直すと表明するなど、この国の防衛政策を大きく変えようとしています。

 国会では現在、主に来年度予算案が審議されていますが、最大の争点のひとつが5兆円を超えた史上最大の防衛予算です。防衛関係費は2003年度から10年連続で減少していましたが、第二次安倍政権となって以降、6年連続で増加し続けています。防衛省は昨年末になって、長射程の巡航ミサイル関連経費約22億円を追加要求しました。

 防衛予算の内訳を見ると、攻撃型兵器と超高額兵器がずらりと並びます。自衛隊の次期戦闘機「F35」は搭載すべきソフトが未完成のポンコツですが、にもかかわらず、1機147億円で42機を配備します。対空型無人機「グローバルホーク」が189億円で3機、輸送機「V22オスプレイ」は114億円で17機を導入します。

・「ポンコツ戦闘機」F35、こんなに買っちゃって本当に大丈夫?(現代ビジネス、2017年11月11日)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53473

 極めつきは、ミサイルをミサイルで撃ち落とすという「イージス・アショア」。そんなことができるかどうかはともかく、2基で総額1600億円。これら主要兵器の調達先のほとんどは米国で、しかも米国の言い値になることが多く、時とともに値上げされることもしばしばです。日本政府や防衛当局は、米国から兵器を購入することで日米同盟が強化されると考えています。

・防衛費って何?アメリカから兵器を買い続ける理由「4881億円」の内訳(withnews、2017年12月2日)
https://withnews.jp/article/f0171202001qq000000000000000G00110101qq000016349A

 安倍総理は施政方針演説で、「国のかたち、理想の姿を語るのは憲法です。各党が憲法の具体的な案を国会に持ち寄り、憲法審査会において、議論を深め、前に進めていくことを期待しています」とも語りました。こうした攻撃型兵器調達を含めた防衛予算には、「現実に憲法を合わせる」という改憲派の狙いが透けて見えます。

 来年度の防衛予算は5兆2000億円あまり。「国民の生命を守る」というなら、73年間一度も起こったことのない戦争ではなく、毎年必ず日本列島のどこかで起こる災害にも税金を投入すべきでしょう。しかし、内閣府の防災対策予算はわずか62億円です。(これに加えれば、生活保護の母子加算削減等で3年間に減らす予算は、160億円。この防衛予算の増額が如何に国民生活を圧迫するものかが分かろうというものだ。;ブログ主)

 災害を口実に、自民党は緊急事態条項を導入しようとしていますが、腹の中で被災民の苦難を思いやっているとは到底思われません。災害時に、なぜ、全国一斉に国民の私権を制限しなければいけないのか。導入の目的が別のところにあるのは明らかです。

首相が改憲を主導することは憲法違反 

日本国憲法99条
「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」


安倍首相は、この憲法条文を侵している。

とくに彼のような全体主義的傾向の強い政治家が、自らの政治行動に枠をはめる憲法を変えるというのは、国民にとって災危以外のなにものでもない。

自民党は、3月下旬までに党の改憲案をまとめるとしている。もう2か月を切っている。国会で多数を占める彼らの改憲発議が通る可能性が高い。自民党の改憲案がそのまま憲法となる可能性もある。

安倍首相は、国民的議論を起こし、改憲について議論しろ、というが、安倍首相のもとでの改憲は極めて危険だ。首相は、行政の長として、憲法を守るべき立場にある。憲法は権力の乱用を戒める。その戒めらるはずの首相が、憲法を変える、というか憲法を無くすことを提案している。危険極まる。

以下、引用~~~

首相「改憲議論は義務」
国会での与野党協議促す

2018/1/31 18:21
©一般社団法人共同通信社

 安倍晋三首相は31日の参院予算委員会で、憲法改正について「国民が(改憲の)権利を実行するために、国会で真摯な議論を深めることが必要であり、私たちにはその義務がある」と述べ、与野党協議を促した。「義務」という強い表現を使って議論を加速させる狙いがあるとみられるが、行政府の長である首相が国会での議論を主導することには野党から反発も出そうだ。

 首相は「党利党略や党が割れるからとかではなく、前向きに取り組んで良い案が出ることに期待したい」とも強調。安倍政権下での改憲議論に反対の立憲民主党や、9条改憲に対する賛否が混在している希望の党を念頭に置いているとみられる。

教育無償化にも不幸の均霑の原則 

教育無償化は、憲法改正しなくてもできる。

憲法改正を国民から受け入れやすくするために、教育無償化を自民党は言いだした。

そして、高等教育無償化は、高卒で働く者と公平を考えて、無償化への異論が自民党内部で多勢を占めている、と下記の報道にはある。まさしく、「不幸の均霑」である。

自衛隊を国軍と位置づけ、海外派兵を自民党は目論んでいる。すると、徴兵制ないし奨学金等をからめた徴兵制に近い制度が実施される可能性が高い。

徴兵制の対象は、「不幸の均霑」で徐々に広げられてゆく。それが、第二次世界大戦末期のわが国の状況だった。同じことが、この教育費だけでなく、徴兵制で再び行われる。

以下、引用~~~

憲法改正案「教育無償」明記せず…自民方針

2017年11月25日 06時00分 読売新聞

 自民党は、大学などの高等教育を含めた「教育無償化」について、憲法改正案に「無償」という表現自体は盛り込まない方針を固めた。

 代わりに、国に教育費負担を軽減するよう努力義務を課す条項を設ける案が有力だ。大学などの無償化には、党内に異論が多いことを踏まえた。

 憲法26条2項は義務教育を「無償」と定めており、教育基本法などに基づき、国公立の小中学校(9年間)の授業料は徴収されない。党憲法改正推進本部は高等教育を中心に、無償の範囲を広げるべきか検討してきた。

 憲法に「無償」と明記すれば、国公立の大学や幼稚園での授業料徴収は憲法違反になる。だが、推進本部の議論では、大学の無償化には「高卒の労働者との公平性が保てない」と反対論が大勢を占め、幼児教育の無償化明記を求める意見もなかった。