モリカケ問題に一生懸命蓋をしている 

安倍首相は、モリカケ問題に関連して殊勝に反省の言葉を述べていたが、その反省はやはり言葉だけ、うわべだけのことで、真相を明らかにするつもりは毛頭ないらしい。

昭恵夫人の秘書で、森友問題に深くかかわった谷査恵子氏をイタリア大使館に飛ばした。森友問題に蓋を一生懸命しているようだ。

以下、引用~~~

元首相夫人付の職員、伊大使館へ異動 森友問題に関与
8/15(火) 3:00配信 朝日新聞デジタル

 安倍晋三首相夫人付の政府職員だった中小企業庁の谷査恵子氏が6日付で異動し、在イタリア日本大使館1等書記官に就いていたことがわかった。谷氏をめぐっては、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題に関連して、学園側に土地取引に関するファクスを送っていたことが3月に明らかになり、経緯についての説明が政府側と学園側で食い違っていた。

 経済産業省関係者によると、谷氏は経産省のいわゆるノンキャリア官僚で、欧米の大使館への異動は異例という。

朝日新聞社

国の借金過去最大1078兆円 

リフレ派は、国の借金は、国民の債権なのだから、心配ないという。また、国には資産もあるし、国民の資産もあるから心配ないという。国債は円建てで発行されているから、いざとなれば、円を大増刷すればよい、と。

だが、借金は何時かは返すもの。国の資産も、年金基金等処分できぬものが多いし、借金をカバーしきれない。国民の資産を当てにするということは、大増税をするか、ハイパーインフレにするかしかない。借金を踏み倒す、デフォルトという選択肢もあり、か。踏み倒すということは、国債で運用する国民の資産をかすめ取るということだ。

財政再建は、もう普通の方法では無理になったのではないか。何らかのハードランディングしかないのではないか。

アベノミクス等といういかさまの政策をこれ以上続けても、借金は膨らむばかりだ。

以下、引用~~~

2017年 8月 10日 3:10 PM JST
国の借金、6月末で1078兆円 過去最大更新=財務省
 8月10日、財務省は、国債と借入金、政府短期証券の現在高が2017年6月末時点で1078兆9664億円だったと発表した。3月末からは7兆4070億円増加し、過去最大を更新した。(2017年 ロイター/Thomas White)

アル中気味なだけかもしれないが・・・ 

国会答弁では官僚の作文を読み上げると、本音をぶちかまして、あぁ、また二世議員の大臣待望組がやらかしていると思ったら、大臣の椅子には未練はなさそうで、地位協定を見直すべきだという極めて正当な主張もなさっている。以前にも何度か取り上げたが、日米地位協定、その運用を具体的に行う日米合同委員会は、とんでもない「売国的な」協定、制度なのだ。例えば、こちら。これをそのままにしておきながら、「自主憲法制定」を目指す等と言うのは、100年早いと常々思ってきた。沖縄で、米軍軍人、軍属による重大犯罪が起きても、日米地位協定を改定するのではなく、その運用改善で対処している・・・要するに何も変わらない。そうしたことを踏まえて、江崎大臣は、地位協定の見直しをと、しっかり述べておられる。江崎大臣の言うことがもっともなのだ。

ちょっとアルコール依存気味なのと、大臣の椅子に未練がないということで、本音をぶちかましているだけなのかもしれないが、これは与党大臣として極めて正当な主張だ。本当の「愛国者」の発言だ。

以下、引用~~~

8/8(火) 13:19配信 琉球新報
沖縄相「地位協定見直しを」 閣僚で異例な見解
江崎鉄磨沖縄北方担当相

 【東京】江崎鉄磨沖縄北方担当相は8日の閣議後会見で、豪東海岸で発生した米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故に関して「日米地位協定をもう少し見直さないといけない」と述べた。閣僚が地位協定見直しに言及するのは異例だ。

 江崎氏は「話し合って時間をかけてでも、沖縄県民の気持ちを政府がしっかり受け止め、米国に言うべきことは言いながら、という考えを持っている」と強調した。

 政府は地位協定について「あるべき姿を不断に追求していく」などとする見解を示してきたが、これまでの対応は運用改善にとどまり、事実上見直しに否定的な立場を取ってきた。

 地位協定を巡っては、昨年4月に発生した米軍族女性暴行殺人事件を受け、当時の島尻安伊子沖縄担当相(自民党県連会長)が「県連としても改正、改定について求めざるを得ない」と求めた経緯があるが、菅義偉官房長官は「県選出の国会議員、県連会長としての考え方を述べたのだろう」と語り、政府見解ではないとの見方を示した。【琉球新報電子版】

安倍政権の本質は変わらない 

官僚に政権への隷属を強制する内閣人事局長に、杉田和博前官房副長官が指名された。

杉田氏は、元警察官僚であり、内閣調査室長も務めた。官房副長官時代には、前川氏の個人スキャンダルを暴こうとしたり、山口某の詩織さん暴行容疑を握りつぶさせたと言われている。

官僚への強権的な支配は、国民にも同じように行われることになる。

刑事事件は減少し続けている一方、警察官数は右肩上がりに増加している。国民への共謀罪の適用により、警察の予算を確保し、利権とすることを警察官僚は目論んでいる。杉田氏は、その警察利権のために動いてきたはずだ。

安倍首相は、これまでの政治への反省を口にし、神妙な態度を見せているが、本心は何も変わっていないということだ。

以下、NHK NEWS WEBより引用~~~

内閣人事局長に杉田官房副長官を起用
8月3日 22時33分

安倍総理大臣は、これまで政務の官房副長官が務めてきた、中央省庁の幹部職員の人事を一元的に管理する内閣人事局の局長に、新たに事務の杉田官房副長官を起用する人事を決めました。

中央省庁の幹部職員の人事を一元的に管理する内閣人事局の局長は、3年前の平成26年5月の発足以来、政治主導を重視する観点から、政務を担当する衆議院議員の官房副長官が務めてきました。

こうした中、安倍総理大臣は3日に第3次安倍第3次改造内閣が発足し、前任の萩生田官房副長官が退任したことに伴い、内閣人事局の局長に、新たに事務の杉田官房副長官を起用する人事を決めました。

情報公開はしないという政権の意向 

これが安倍政権の本音だろう。陸自の日報の公開を隠蔽しようとした稲田元防衛相は、政権の意向を忠実に守っただけだ。それで、いよいよとなるまで稲田防衛相を切るわけにはいかなかったのだ。

PKO部隊が南スーダンでどのような状況に置かれているのかを、政権は国民に知らせたくない。知らせたくない状況に現にあった。同地では、PKO参加原則と相いれない戦闘が実際に行われていた。さらに「駆けつけ警護」という内戦への参加を自衛隊に行わせ、その結果として生じるであろう自衛隊の死傷者や被害について、情報操作を行いたい、という願望を政権が持っていたことは確実だ。

情報公開は、行政を透明にし、その手法・結果に問題がないかどうか、国民が判断する貴重な情報源を与えるものだ。現政権は、情報公開にきわめて消極的で、すべての行政を自らに都合の良いように行い、それを隠蔽する意向だ。国民のための行政ではなく、特定組織・集団のための行政にする積りだ。この点で、森友学園疑惑、加計学園疑惑、そして日報問題はつながっている。

以下、引用~~~

PKO日報「公開すべきでなかった」自民部会、意見続出
2017年7月31日20時19分

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の日報問題をめぐって、31日に開かれた自民党国防部会で、「そもそも日報を公開するべきではなかった」との意見が出席議員たちから続出した。非公表とした陸自の決定を情報公開法の開示義務違反と結論づけた特別防衛監察の判断とは正反対の考え方だ。

 会議は非公開。複数の関係者によると、出席議員らは相次いで「日報は国民に報告するものではなく、指揮官に報告するものだ。なぜ公開しないといけないのか」「そもそも不開示と言えなかったのか」などと発言。防衛省・自衛隊の「隠蔽(いんぺい)工作」を批判する声はほとんどなかった。

 ある議員は「海外展開中の部隊の日報について、どういう扱いにするのかルールを決めた方が良い」と述べたうえで、派遣中の部隊が作成した日報は非公表とすることも求めた。終了後、寺田稔国防部会長は記者団に「開示にふさわしくないものの判断は、適切に今後やっていく。多少取り扱いが変わるかもしれない」と述べた。

籠池元森友学園理事長逮捕のニュースに接して 

籠池元森友学園理事長逮捕のニュースに接して・・・本来ならretweetすべきなのだろうが、ブログなのでコピペ・・・。

引用;

内田樹氏twitter

逃亡も証拠隠滅のリスクもない人を逮捕というのは理解できません。籠池さんの政治思想にも教育法にも僕はまったく共感できませんが、公有地払下げ疑惑で公人ではなく「まず私人」から攻撃するというのはこの政権の道徳的危機を露呈しているように思います。


籠池元理事長は、安倍首相を侮辱したとして、国会に証人喚問された。仕事場、自宅の家宅捜索を受けた。そして、夫人ともども今日逮捕された。

一方、近畿財務局、財務省佐川元理財局長、安倍首相、同夫人等の関係者は、家宅捜索も証人喚問も受けていない。ましてや、逮捕どころか事情聴取すらされていない。

問題の本質は、国有地がなぜあれほど値引きされたのか、売買契約はどうなっていたのか、ということだ。

籠池元理事長の逮捕だけで済ませてはならない。

「政治生命をかけた冒険」 

田原総一郎が、安倍首相に会って、『「政治生命をかけた冒険」をしてみないか』と提案したと報じられている。リテラ、それに他のソースによれば、その冒険とは、北朝鮮を訪問し、北朝鮮の核・ミサイル開発を停めさせ、拉致問題を解決へ進展させることだと言う。それが、安倍首相が現在の窮状から抜け出す助けになるのではないか、ということだ。

本当にそれが実現するのであれば、リテラにも記された通り、東アジアの緊張緩和にとって良いことだろう。だが、北朝鮮の軍拡の目的は、米国からの存在承認である。米国と、北朝鮮は実質的に戦争状態にあり、米国は韓国と40年間以上北朝鮮をターゲットとする、軍事演習を重ねてきた。それを止めさせることが北朝鮮の軍拡の目的だ。

北朝鮮・米国両方を休戦から和平へ進ませることが可能かどうか、我が国は(直接的な)当事者ではないし、米国と軍事同盟を結んでいるわが国が行えることは限られているように思える。北朝鮮は、これまで核開発を止めることを六か国協議の場等で約束してきたが、それを守っていない。自らの独裁体制を維持するためにはいかなる手法も利用することだろう。その困難を乗り越えられる可能性は極めて小さい。でも、北朝鮮も、この軍拡のチキンレースには出口がないことを知っているだろうし、国内事情も厳しいはずだ。トライしてみる価値はある。

・・・のだが、安倍首相は、これまで北朝鮮の脅威を実際以上に煽り続け、それによってわが国の軍拡・国家主義化を進めてきた。他でもない彼が、その任に当たるのには大きな抵抗を感じる。特に、国内での支持率低下を回復するためという目的で、この外交の冒険を行うのは、倫理的に許されない。支持率低下を来した理由を本当に反省し、それを改めるということにはならない。また、民族分断の苦しみを味わう朝鮮民族の方々を利用することになってしまう。民族分断の遠因をもたらしたのは、戦前のわが国であることを忘れるべきではない。もし朝鮮半島の緊張緩和に安倍首相が寄与できたとしても、それと国内問題とは別な次元の問題だ。

田原総一郎は、安倍首相に何を進言したのか。単なる人気回復のための冒険を進めたのだとしたら、田原もそろそろ引き際だ。

三重苦高齢者が爆増する 

職なし貯蓄なし年金なしの三重苦高齢者が増加するという予測。現在の40歳台後半から50歳台前半の所謂団塊ジュニア世代が年金生活に入るころ、貧困高齢者世帯が500万世帯を超え、4世帯に1世帯が貧困世帯になるという。

非正規雇用、退職金のない年俸制、そして40歳台後半からの給与抑制、定年後継続雇用されても半減される給与体系。こうした条件が大量の三重苦の高齢者を生み出す、という。

この2年間ほど、裕福な高齢者も増えているが、この貧困高齢者が生活保護受給の対象になると、国の社会保障予算が大きく増え、全体として貧困化が進む。

この事態を真正面から政治が受け止めなければならないのだが、特定個人や企業に利権を与えることだけを政権は考えているようにしか見えない。こうした状況の国に我々は生きていることを自覚すべきだろう。

『完全に"詰んだ"「貧困高齢者」が爆増する 職なし貯蓄なし年金なしの三重苦』というタイトルの論考。こちら。

http://blogos.com/article/236503/?p=1

オリンピックがらみの不正事案 

オリンピックの予算がずさんなものであったことを思い起こす。数千億とか、兆という単位の金になると我々にはその大きさが感覚的に理解できない。その額の金が、政治・財界のなかで不正に動いている可能性を、この記事は教えてくれる。

オリンピック招致に関連して、電通がらみの賄賂事件があったはずだが、それもその後音沙汰がない。こんな濡れ手の栗が手に入るのであれば、賄賂の「はした金」等どうでも良いのか。

別な記事に上げる積りだが、高齢者の貧困化が急速に進行しているらしい。こんな不正を行っている一方で、国民がさらなる窮乏に陥る。おかしな社会だ。

以下、引用~~~

田中龍作2017年07月27日 11:26

【五輪選手村】 都有地をデベロッパーに1200億円値引き 住民、8月中旬に提訴

森友学園への「国有地8億円値引き」が可愛く見える。東京都は晴海の都有地を相場よりも1,200億円も安くデベロッパー(※)に売却したのである。オリンピック・パラリンピックの選手村用地として、だ。

オリパラが終わればデベロッパーは選手村を高層マンション群として相場で販売する。デベロッパーには1,200億円の差益が転がり込む。絵に描いたような「濡れ手で粟」だ。

自分たちの財産を叩き売られたのではたまったものではない。都民58人が東京都に対して監査請求を行ったが、19日、斥けられた。

都民たちは「本件売買は違法である」として8月中旬、損害賠償請求の訴訟を起こす。直接的な被告は小池百合子都知事だが、請求の趣旨は①小池知事は舛添要一前知事に損害賠償を請求せよ②小池知事はデベロッパーに損害賠償請求せよ。

監査請求などによると事件の概要はこうである―

東京都は2016年5月、晴海の都有地13.4ヘクタールを総額126億円でデベロッパーに譲渡する契約を締結した。

1㎡あたり9万6,700円という破格の安さだった。相場の10分の1である。

銀座から車でわずか10分の湾岸エリア。交通は至便だ。適正価格で件の土地を売却すれば1,340億円となる。都は1,214億円の損失を被ったのだ。

どうして議会はチェックできなかったのか? 都民は「公衆縦覧」ができなかったのか?

壮大なペテンの核心は、東京都が本件再開発を「一民間人」による「個人施行」にしたことである。個人の事業であるから公の判断を仰ぐ必要がないという理屈である。

事業者を公募したが、名乗りをあげたのは当該デベロッパーだけ。期間はわずか10日間だった。国家戦略特区の指定業者となった加計学園のケースとよく似ている。

「名ばかり公募」をして他社の参入を排除した。公共工事で原則とされている一般競争入札も行われなかった。議会の議決もない。

原告は上記が「官製談合防止法2条」「地方自治法第237条2項」「地方自治法234条」などに違反するとしている。

住民訴訟に詳しい弁護士は「これが まかり通る ようになったら、公共用地が業者に二足三文で投げ売られるようになる」と危機感を強める。

この事件ではさらに驚くことがある。東京都はデベロッパーが建てた高層マンションをオリパラ期間中、38億円で借りるというのだ。「泥棒に追い銭」としか言いようがない。

常識に背いても正当化され、違法行為が罪に問われない・・・「オリパラ狂奏曲」の前奏が始まったようだ。

※デベロッパー
「2020晴海cityグループ」(三井不動産レジデンシャル、エヌ・ティ・ティ都市開発、新日鉄興和不動産、住友商事、住友不動産、大和ハウス工業、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井物産、三井不動産、三菱地所、三菱地所レジデンス)

   〜終わり~

劣化した自民党議員たちが国民をどこに導くのか 

憲法学者の小林節氏が、最近の自民党議員の劣化振りについて、世襲議員が増えたことと関連付けて論じていた。世襲議員は、生まれながらにして、ぼっちゃん、お嬢ちゃんと育てられ、周囲は彼らを持ち上げる。特権階級意識を生まれながらにして持つ、持たされるのだ。そこから生まれる政治は、国民を支配し、特権階級の権力を強固にすることを目指す。そのためであれば、「嘘」も平気でつく。もちろん、例外はあるかもしれないが、なるほどと思った。小林氏は、長く自民党の改憲に関与してきて、自民党議員をよく観察してきた。それによって得た結論なのだ。

安倍首相は、歴史修正主義に立ち、戦前の制度、政治体制に戻ることを目指している。そのレジームでは、世襲議員の先祖が権力と栄華を独占してきた。その「輝かしい時代」に戻ることが、彼らにとって至上命題なのだ。安倍首相が、現天皇が国民と接するやり方を、裏で笑いものにしているということはよく知られている。天皇制を持ち上げるのは、天皇への崇敬のなせる業ではない。天皇制という国家制度に戻ることで、自らの利権と権力がさらに強固なものになるからだ。そのためには、明らかな嘘も平気でつく。彼らの信念は一種の疑似宗教であり、下々の国民を領導するためには嘘も方便ということになる。

彼らの主張は、歴史修正主義に立ち、周辺国への偏見に満ちている。これまでの歴史をありのままに語ることを、自虐史観だとして否定する。武力には、武力で立ち向かう、それが可能かどうかは見極めない。こうした一見「歯切れよく見える」政治姿勢に、とくに若い世代は共感するのだろう。だが、この青白い歴史修正主義者たちは、国民を新たな隷従へと導こうとしている。それを、安倍政権支持者たちは理解しない。

昨日、衆議院で行われた閉会中審査を全部ではないが、見ることができた。下記の日刊ゲンダイに掲載された白井聡氏の記事と同じ感想だ

以下、引用~~~

安倍政権、改憲こそ究極の「権力の私物化」である
白井聡 | 京都精華大学人文学部専任講師(政治学・社会思想)
7/24(月) 15:10

 安倍政権をめぐって「権力の私物化」が批判の焦点となってきた。森友学園問題は国有資産の払い下げに、加計学園問題は省庁の許認可権限に関係するものである。その意味で、疑獄事件としては古典的な構図を見て取ることができるのであり、長期政権化や、いわゆる「一強」体制となっているといった、政治腐敗を生む典型的な要因が作用している。

 安倍氏の主観としては、「戦後レジームからの脱却」をめざして、憲法改正の大業を「天命」と心得ているというのに、実につまらない事柄が足を引っ張っている、と感じているのかもしれない。しかし、安倍氏が目指す憲法改正こそ、「権力の私物化」の最たるものにほかならない。

 というのも、第2次安倍政権の発足以来、改憲の内容をめぐる総理のスタンスはぶれ続けてきた。2014年初め頃までは、憲法改正手続きに関わる96条の改正を盛んに唱えていたが、やがてそれは封印され、15年末頃からは国家緊急事態条項の盛り込みを唱え始めた。さらには、今年の憲法記念日には、9条に自衛隊の存在を明文化する3項を追加する(しかも、20年施行という期限を定めて)という主張を唐突に打ち出した。また、大学教育無償化を憲法に書き込むという話もいつの間にか加わってきた。

 つまり、一貫しているのは「とにかく憲法を変えたい」ということだけである。この執念の根源には、安倍氏の祖父であり、熱心な改憲論者であった岸信介氏の後継者であるという自負があると思われる。しかしながら、この自負は岸氏に対して失礼である。「昭和の妖怪」とも呼ばれた岸氏は、その功罪について論争含みの存在でありつつも、知的意欲に富んだ、広い視野の持ち主であった。

 これに対して安倍氏は、ポツダム宣言を読んだことがなく、同宣言と原爆投下の時系列も理解していない(『Voice』、2005年7月号)という事例に見られるように、その知的貧困は一国の指導者として許容し得ない悲惨な水準にある。自らの知的不能性を観念的に解消するために、「偉大な祖父」がやり残した仕事(=改憲)をわけもわからないまま受け継ぐと称する行為は、究極の「権力の私物化」である。

 こうした行為を恥ずかし気もなくやれるのは、安倍氏の特権階級意識のなせる業であろう。名門政治家一族の一員として、生まれながらの指導的地位を自明視しているわけである。特権は、それが社会に貢献するもの足りうるには、特権者としての自己に対する厳しい義務意識(ノブレス・オブリージュ)に裏づけられていなければならないが、泥沼のような無知に安住する安倍氏には、このような意識も見出すことができない。

 ただし、右のごとき状況が不正であるのは、日本が近代国家であると仮定する限りにおいてである。かつてのフランスがブルボン家の、ロシアがロマノフ家の持ち物であったのと同様に、戦後日本が、岸家や佐藤家、安倍家の持ち物であるのならば、安倍晋三個人の欲求のために、国家や国民が奉仕させられることに何の矛盾もない。いま問われているのは、この国の民衆に自尊心はあるのか、ということだ。

※本稿は、「京都新聞」7月21日夕刊に寄稿したものです。