馬脚を現し始めた安倍政権「働き方改革」の正体 

安倍政権の掲げる「働き方改革」は、羊頭狗肉である。

残業時間上限規制があるが、それとて毎日5時間の残業までは例外的に認める。現在の労働基準法よりも労働側にとって厳しい。

高度プロフェッショナル制度、裁量労働制対象拡大により、実質上、残業時間規制はないに等しいものになる。

それに加えて、正規雇用者の労働条件の非正規雇用化、サラリーマンの控除縮小等、労働側にとって厳しい内容になっている。

こうした「働き方改革」を、なぜ連合は認めてしまったのだろうか。連合役員の労働貴族化、経営陣への取り込み等があるのではないか。連合は、野党共闘を徹底して潰してきた。それも、この「働き方改革」肯定と頸木を一にしている。連合の役員は総退陣すべきだ。

この「働き方改革」の提案は、滅茶苦茶なデータ、ないし捏造データをもとに行われてきたことが判明した。政府は、この法改正をすぐに取り下げるべきだろう。そして、国民を騙そうとした責任をとるべきだ。

国民は、政府により相当バカにされている。

以下、引用~~~

馬脚を現し始めた安倍政権「働き方改革」の正体/上西充子氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)
2/17(土) 21:26配信 ビデオニュース・ドットコム

(C) ビデオニュース・ドットコム

 安倍政権が目指す「働き方改革」の危険性については、この番組でもかねがね指摘してきた。
(マル激トーク・オン・ディマンド第843回(2017年6月3日)『安倍政権の「働き方改革」が危険な理由』ゲスト:竹信三恵子氏(和光大学現代人間学部教授))

 安倍政権は一貫して労働者を保護するための労働法制の規制緩和を目指してきた。2015年にも「高度プロフェッショナル制度」の導入や「裁量労働制」の拡大などを目指して法案を提出したが、野党から「残業ゼロ法案」と叩かれ、世論の反発を受けるなどしたため、成立を断念している。

 しかし、今国会に提出された「働き方改革」関連法案は、過去に実現を目指しながら挫折してきた労働者保護法制の規制緩和はそのまま踏襲しておきながら、労働側の長年の「悲願」ともいうべき残業時間の上限規制という「アメ」を含んでいるため、過去の「残業ゼロ法案」や「ホワイトカラー・エグゼンプション」のような一方的な規制緩和という批判を巧みにかわすような立て付けになっている。

 実際、安倍首相も今国会を「働き方改革国会」と位置づけた上で、所信表明演説で、「戦後の労働基準法制定以来、70年ぶりの大改革」、「我が国に染みついた長時間労働の慣行を打ち破る」などと大見得を切っている。

 確かに今回一括審議されている8法案の中には、残業時間の上限を設ける労働基準法改正が含まれている。現行の労働基準法にも残業の上限は設けられてはいるが、労使で合意した上で、いわゆる「36(サブロク)協定」を結べば上限を引き上げることができる抜け穴があるほか、サービス残業による長時間労働が常態化していることも否めない。

 しかし、労働法制に詳しい法政大学の上西充子教授は、「上限規制」という言葉に騙されてはならないと警鐘を鳴らす。

 確かに今回の法改正には残業について罰則つきの上限が設けられているが、残業の上限を基本的には月45時間と定めておきながら、例外的に月100時間までの残業が認められ、年間の残業時間の上限も720時間まで認められる。月100時間の残業をするためには、毎日平均して5時間残業することになる。抜け穴が多いとされる現行法でも、残業が年360時間を超える場合には36協定が必要とされていることを考えると、毎日最低でも5時間の残業を前提とするこの上限値で長時間労働の打破と言えるかどうかも、よく考える必要があるだろう。

 しかし、今回の法改正の最大の問題点は「残業時間に上限を設ける」ことで労働側に一定の配慮を見せるかのような体を繕いながら、実際は「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の導入や「裁量労働制」の対象拡大によって、事実上、残業時間の上限自体を無力化させる制度変更が含まれている点だと上西氏は指摘する。高プロや裁量労働は、事実上勤務時間自体に定めがないため、残業が無制限に許容される恐れがある。この対象が拡大されれば、労働基準法上の残業の上限規制など何の意味も持たなくなる。

 しかも、今回、労働組合側は長年の悲願だった「上限規制」が導入されることと引き換えに、事実上の上限規制の抜け穴となる高プロの導入や裁量労働の拡大を含む法改正に同意してしまっている。

 他にも、今回の働き方改革は「同一労働同一賃金」「働き方に左右されない税制」などの文字が並ぶが、その中身は「同一労働同一賃金」の方は非正規雇用者の雇用条件の改善よりも正規雇用者の待遇の低下を、「働き方に左右されない税制」はサラリーマンの所得控除の縮小を意味しているなど、見出しと内実がかみ合わない両義性を含んでいることを、上西氏は指摘する。

 正社員と非正規労働者の待遇に不合理な格差があったり、過労死自殺が後を絶たないような現在の日本の労働環境に改革は必須だ。しかし、その問題意識を逆手に取るような形で、一見労働者の側に立っているかのようなスローガンを掲げながら、実際は労働者の待遇をより厳しいものに変えていこうとする現在の政権のやり方には問題が多い。目くらましのための「アメ」をまぶすことで、その実態を意図的に見えにくくしているようにさえ見える。

 そもそも首相が戦後の大改革と胸を張る「働き方改革」は誰のための改革なのか。今国会の審議で明らかになってきた安倍政権の「働き方改革」の実態と、それが働く者にとってどんな意味を持つのかなどについて、上西氏とともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

-----
上西 充子(うえにし みつこ)
法政大学キャリアデザイン学部教授
1988年東京大学経済学部卒業。95年同学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、労働政策研究・研修機構研究員などを経て2003年より法政大学キャリアデザイン学部専任講師。13年より現職。共著に『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』、『ブラック企業のない社会へ―教育・福祉・医療・企業にできること』など。
-----

国による、国民の財産の簒奪 戦後の預金封鎖の実態 

対GDP比の政府債務が、第二次世界大戦中と同程度に悪化し、直近の数値では240%前後になっている。安倍政権のGDPかさ上げがあることを考えると、もっと悪化している可能性が強い。これは、先進国中で最悪の値である。これは6年前のデータに基づくものだが、図1を見ると、戦慄が走る。こちら。

安倍政権になってから、政府債務は160兆円膨らんだ。日銀に莫大な金を発行させ、政府は財政規律が緩みっぱなしである。

その後始末をさせられるのは、国民である。以前から記している通り、何らかの方法でハイパーインフレを起こす、または/かつ、債務不履行を行うという方法しか、この債務からは逃れられない。いずれにせよ、国家が国民の財を奪うことになる。戦後、預金封鎖が行われた。その記録がこちらである。

預金封鎖

これと同じことが行われるかどうか分からないが。国民の財、将来の財が、国によって強制的に簒奪されることだけは確かである。

改憲により、自民党は、緊急事態条項を憲法に記載することを予定しているらしい。もしかすると、それが改憲の一番の目的なのかもしれない。この2、3年の間に、必ず日本経済は落ち込む。それを突破するのに、この預金封鎖、それに等しい政策を取らざるを得なくなる。その危機的状況を突破するために、首相に全権力を付与する緊急事態条項を成立させようとしているのかもしれない。緊急事態条項は、戒厳令と等価だ。

自民党による、その改憲の方針が、来月下旬にも決まる。

異次元金融緩和は失敗 

異次元金融緩和は、円安をもたらし、大企業の一部輸出企業だけは潤した。だが、マネタリーベースが伸びただけで、経済活動にかかわるマネタリーストックは殆ど伸びていない。日銀の当座預金に積みあがったままだ。また、貸出金利低下により銀行の財政に打撃を与えている。わが国のGDPの6割は内需によるものとされており、金融緩和は景気を回復させたとはとても言えない。政府の公表するGDPは、「かさ上げされたもの」だった。

かの日経新聞でさえも、金融緩和が失敗であるという論調で書き始めた。

この金融緩和は、物価値上がり、バブル惹起と崩壊により、一般国民を直撃する。

以下、引用~~~

金利ゼロ%台融資、6割超 揺らぐ銀行ビジネスモデル
【イブニングスクープ】
経済 金融機関
2018/2/15 18:00日本経済新聞 電子版

 日銀がマイナス金利政策を導入して2年、銀行を起点にした金融システムのひずみが目立っている。銀行の貸出金利は下がり続け、2017年末の貸出金残高のうち金利0%台の融資は全体の62%に拡大。金融緩和が景気を下支えする効果は大きいものの、企業の資金需要を引き出すには至らず、銀行業績を下押しする面が目立つ。利ざやで稼ぐ伝統的な銀行のビジネスモデルは抜本見直しを迫られている。

安倍首相は、フェイクを垂れ流す 

裁量労働制の拡大の根拠としていたデータのでっち上げだけでなく、他にもこの政権はフェークを量産している。

〇まず重大なフェイクとしてあげられるのは、安保法制導入時に安倍首相が、その必要性を説明した事案。邦人が海外(おそらく朝鮮半島を想定している)で有事に巻き込まれたときに、米軍が助けてくれる。その米軍を援護するために自衛隊が出動する。それに集団的自衛権の行使が必要になる、という漫画での説明だ。米軍は、そのような状況では他国の市民を助けることはない。実際、この法制を根拠に行われたことは、北朝鮮に展開する米軍艦船の防護であった・・・これは、北朝鮮と米国に軍事衝突が起きたら、我が国を紛争当事国にする危険な軍事行動であった。こうした軍事行動関連のフェイクは、安倍政権にはゴマンとある。

〇GDPの「かさ上げ」も、その一つ。2015年度までの実質GDP成長率は、平均年2.5%との触れ込みだったが、それがGDPのかさ上げを毎年繰り返してきたことによる事実が、明石順平氏の仕事で明らかにされた。

直近の四半期GDP成長率から年の成長率を計算すると、0.5%とガタッと落ちている。この極端な低下を説明できる経済事象はない。あまりに不自然な動きで、当局が批判された「かさ上げ」をこっそりと縮小した可能性が高い。

〇最近明らかになった「下町ボブスレー」騒ぎなども同様の事象だ。内閣府は、「クールジャパン」という扇動的国家主義の宣伝に数百億円の予算を費やしている。その多くが、この「下町ボブスレー」と同じような惨めなことになっている。そもそもクールかどうか判断するのは、外国の方のはず。それを政府が中心になってやるところが、おかしく、哀しい。

〇つい先日、自公推薦候補が当選した名護市長選挙でも、その候補の応援に入った小泉進次郎・山本一太等によってフェークニュースが流された。こちら。小泉進次郎や、河野外務大臣等、二世、三世の政治家は、本当のことを言う見識も度胸もない。これまた世継ぎ政治家たる安倍首相にベッタリである。

フェイクを垂れ流す政治は、posttruth政治である。ブライトバートによって大統領選挙を勝ち上がったトランプがその代表格の政治家だ。安倍晋三首相もフェイク度合いに関しては、トランプに負けてはいない。

裁量労働制を敷いた方が、労働者の労働時間が短くなる? 

昨日の衆院予算委員会の中継をテレビ、ラジオでできる範囲で聴いた。

裁量労働制を敷いた方が、労働者の労働時間が短くなる(データもある)という首相の説明は、下記の記事の通りデタラメである。制度の趣旨からして、労働時間が長くなるのは明らか。

「データもある」として、安倍首相・厚労省は逃げを打っていたが、どうも議論からは、この裁量労働制拡大を検討していた審議会で、この可笑しなデータが裁量労働制拡大の論拠として独り歩きしていた様子が見えてくる。

この議論で思い出したのは、10年以上前に優勢だった「医師過剰論」である。論拠が不十分な医師過剰論を、厚労省審議会は結論として出させていた。その後、医師不足の現実が明らかになり、極端な医学部定員増により医師が過剰になる可能性がきわめて高くなった今も、「医師不足論」は独り歩きしている。時々の政権・行政にとって都合の良い「データ」が政権・行政から出されるのだ。

誰がこんなバカげた「データ」を出したのかはまだ分からないが、裁量労働制の拡大を望む経営者側の要望に沿ったものであることだけは間違いないだろう。

国会中継を視聴していると、政権与党が如何に能力に乏しいかが良く分かる。マスコミ(特にテレビ)の報道では、様々な問題点に関して、政権与党の回答・説明で締めくくられるので、その劣化が見えてこない。

以下、引用~~~

首相答弁のデータに疑問符=残業1日1時間、週に計2時間? ―野党
2/13(火) 17:55配信 時事通信

 野党は13日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相が先の国会答弁で基にした厚生労働省の労働時間に関する調査データにおかしな点があるとして、疑問符を付けた。

 首相は「私が答弁した段階では確かにそういうデータがあった」とし、加藤勝信厚労相は「(内容を)精査している」と述べるにとどめた。

 野党が取り上げたのは、厚労省の2013年度労働時間等総合実態調査。立憲民主党の長妻昭代表代行は、この調査によると平均的な労働者の残業時間は1日当たり「1時間37分」なのに、1週間の合計が「2時間47分」になっていると指摘。「おかしい。週5日(の労働)で5倍ぐらいにならなければいけない」と疑念を示した。

 さらに、平均的な労働者の残業時間が1日に15時間超となったケースもあるとして「(法定労働時間の)8時間を足すと1日23時間(働いていたこと)になる。あり得ない」と付け加えた。

 希望の党の今井雅人氏も「不思議な資料だ。(首相は)答弁を訂正、撤回し、もう一度答弁したらいい」と迫った。これに対し首相は「厚労相が精査すると答弁している」と応じなかった。

 首相は1月29日、この調査結果を基に「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁した。 

アベノミクスなる金融財政政策の将来 

昨日、所用で上京する際に、文化放送を流していた。ある番組に、「アベノミクスによろしく」の著者 明石順平氏がゲスト出演していた。かなり長時間をかけて、「アベノミクス・・・」の内容の紹介がされていた。司会者は、盛んにアベノミクスへの批判ではないと繰り返していたが、この本で取り上げらた事実は、大多数の国民にとってアベノミクスが壮大な失敗であることを示している。

アベノミクスとは、天文学的な額の金融緩和と、莫大な財政支出であり、これまで自民党政権が失敗を繰り返してきたことの壮大な焼き返しに過ぎない。潤ったのは、ごく一部の輸出企業だけである。国民の大多数は貧しくなり、GDPの6割を占めるという内需も冷え切っている。残されたのは、過去最大の政府債務残高、日銀の財政バランスの悪化、日銀とGPIFによる株式投資の拡大(おそらく、これは大きな損失を残す)である。

日銀の金融緩和政策は実質失敗しているが、それからの脱却もきわめて困難な道のりとなる。ダイアモンドオンラインで、出口戦略の困難な見通しが記されている。こちら。株式市場は、日銀・GPIFによる巨大投資によって健全性を失っている。資産バブルである。バブルは、米国から破裂し始めている。これによって、年金給付・銀行経営・株式市場への悪影響は計り知れない。長期金利が上昇すれば、政府の債務残高がさらに積みあがる。

上記番組で、明石氏が将来の見通しを語っていた。一言、「暗い」ということだ。年金・社会保障の切り下げ、さらに大幅増税が待ち受けている。その被害を被るのは、今の若い世代だ。

この政権を、若い世代が支持している、という理由が分からない。状況を理解していないのか、目の前が良ければよし、ということなのか。でも、民放とはいえ、全国放送で、明石氏の書籍が取り上げられるようになった。足元に忍び寄る、大きな危機を、マスコミも無視できなくなりつつあるのだろう。若い人々よ、目を覚ませと言いたい。


働き方改革とは、残業代ゼロと同義 

やはり「働き方改革は、残業代ゼロと同義である」ことを政府が明言した。凄まじいやり口だ・・・。

以下、引用~~~

契約社員も裁量労働に
「適用可能」と政府答弁書

2018/2/6 12:19
©一般社団法人共同通信社

 政府は6日の閣議で、今国会に提出予定の働き方改革関連法案に盛り込まれる裁量労働制について、雇用形態や年収に関する要件はなく「契約社員や最低賃金で働く労働者にも適用が可能だ」とする答弁書を決定した。

 裁量労働制は実際に働いた時間にかかわらず、事前に労使で取り決めた分だけ働いたと見なす。指示を受けずに仕事の進め方を決めることができる人を対象としているが、長時間労働を助長するとの批判もある。実際に裁量がない人にも拡大される恐れがあるとして、野党は反発している。

 政府はこの制度のうち、事業運営の企画などを担う「企画業務型」の対象業種拡大を法案に明記する考えだ。

資産バブル はじける? 

株式に莫大な投資をしていた日銀・GPIFの財務の悪化が懸念される。日銀は、国債を400兆円以上引き受けており、国債価格下落、利率高騰で、財務が悪化し、円の信認が失われかねない。GPIFの財務悪化は、年金の支払いに支障を来す。

案の定、午前中だけで、日経株価は1100円以上の値下げ、GPIFは今日だけで3兆円以上を失ったのではないだろうか。日銀も大きな損失を被っているはず。官製相場を主導してきた、政府の責任は重たい。

以下、引用~~~

NYダウ終値1175ドル安…史上最大の下げ幅
2/6(火) 6:44配信 読売新聞

 【ニューヨーク=有光裕】週明け5日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価(30種)は暴落し、前週末比1175・21ドル安の2万4345・75ドルで取引を終了した。

 この日の下げ幅は、世界的な金融危機の渦中だった2008年9月29日(約776ドル安)を上回り、史上最大となる。一時、下げ幅が1597ドルを超える場面があった。終値は、2017年12月8日以来、約2か月ぶりの水準に下がった。

 また、情報技術(IT)企業の銘柄が多いナスダック店頭市場の総合指数の終値も、273・42ポイント安の6967・53だった。

エンゲル係数上昇はアベノミクスの成果と胸を張る安倍首相 

国会で、アベノミクス開始後エンゲル係数が著るしく上昇していると指摘された安倍首相が、あたかもアベノミクスで豊かになったためという珍妙な答弁をして話題になった。エンゲル係数は、総収入に占める食費支出の割合であり、これが上昇することは、貧しくなっていることを意味するということは、経済学の初歩だ。内閣府の分析でも、エンゲル係数上昇の半分は、食品の値上がりによるとされている。分母となる実質収入も減っている。

一方、国民の実質収入は減少し、消費が低迷していることも分かっている。

ニッセイ基礎研究所の論文。こちら。家計収入が減少したことにより、貯蓄率が減り、消費が低迷していることを述べている。

明石順平著「アベノミクスによろしく」では、実質民間最終消費支出がリーマンショック後右肩上がりだったものが、2013年を316.2兆円をピークとして、2014年 307.2兆円、2015年 306.7兆円と減少している。別なソースでは、2016年には308.5兆円とやや持ち直したが、アベノミクス開始前のレベルには戻っていない。

GDPの6割は、内需によると言われている。国民が貧しくなり、消費が低迷する現状は、アベノミクスとやらが完全な失敗であることを意味している。芸能人たちと一晩に100万円の会食を繰り返している安倍首相には、エンゲル係数の上昇を肌で感じることはできないのだろう。

以下、引用~~~

 2月3日付東京新聞 エンゲル係数 国民の暮らしを見よ

アベノミクスによって国民生活は苦しくなった-。国会論戦で「エンゲル係数」を基にした追及があった。所得の伸び悩みや節約志向、生活苦が表れた指標だ。首相は国民の暮らしを見ているのか。

 家計の消費支出全体に占める食費の割合が「エンゲル係数」である。高いほど生活水準が苦しい。

 直近の二〇一六年は25・8%(総務省調べ)と二十九年ぶりの高水準だった。四年連続の上昇だが、最近三年の伸びが著しい。G7(先進七カ国)の中ではトップのイタリアに肉薄している。

 先月末の参院予算委員会で民進党の小川敏夫氏が「アベノミクスが始まって五年たつが、エンゲル係数は顕著に上昇している。国民生活は苦しくなったのではないか」と質(ただ)した。

 安倍晋三首相は「エンゲル係数は上昇傾向にあるが、物価変動のほか、食生活や生活スタイルの変化が含まれている」とかわし、むしろ雇用の改善を強調してアベノミクスを正当化した。だが、これは論理のすり替えでしかない。

 エンゲル係数の中身をつぶさに見ると、三十〜五十九歳は25%程度だが、六十代は約29%、七十代以上は約31%と、高齢者層の上昇が目立つ。

 これはアベノミクスの円安誘導により肉など食品の価格が上昇した影響をまともに受けたためだ。

 年金生活者にとっては雇用の改善はほとんど意味を持たない。超低金利で利息収入は増えず、物価が上昇すれば生活は苦しくなるばかりである。

 首相の一日の動静を記す新聞欄を見れば、安倍首相が一流の料亭やレストランで家族や芸能人、財界関係者らと頻繁に会食している事実を窺(うかが)い知ることができる。

 その生活ぶりとエンゲル係数に対する認識は無関係ではあるまい、などと言うつもりはない。だが国民の目にはどう映るだろうか。

 厳然たる事実はアベノミクスが五年続いても賃金は伸び悩み、税金や社会保険料の負担増で多くの国民は疲弊した。一方で株や土地などの資産を増やす富裕層との間で二極化が進んだ。

 首相が述べた「食生活や生活スタイルの変化」とは総務省の分析結果であろう。すなわち節約志向が強まって食費以外への出費を抑えたり、急増する共働き世帯は調理済み食品や外食など時間節約の出費がかさんだことを指す。

 つまり国民は総じて貧しくなった。アベノミクスをやめ国民の幸せを考えた政策に転換すべきだ。

無責任な政府・日銀 

日銀の国債買い入れが際限なく続けられている。現在、政府の新規に発行される国債をすべて買い入れているに等しい。もうすぐ、GDP総額に匹敵する額に達する。先進国の中では、圧倒的に多い。さらに、多額のETF、REITも日銀は購入し続け、市場を支え見せかけの好景気を演出し続けている。

2%というインフレ目標を達成するための国債買い入れという表向きの理由づけだったが、インフレ目標は、過去6年間達成できず仕舞い。結局、国の借金を日銀が肩代わりしているだけに過ぎないのではないかと疑われている。政府の財政規律は、その放漫な軍備への投資等や外国への経済援助等からして、明らかに緩んでいる。ペジー社への融資、リニア新幹線への財政投融資、それに森友学園、加計学園のようなお友達企業への助成金等(森友学園は、松山市への助成金という形で国税が投入されている)も、放漫財政そのものだ。

NHK NEWS WEBで、日銀のこの問題、そして出口戦略の難しさについて記している。こちら。

問題は、日銀が国債買い入れを減らし始めると、国債価格の暴落、利率の上昇が起き、国の財政を破綻させる可能性、それに日銀自体も、積みあがった当座預金の利息支出と国債の利息収入の差額がマイナスとなり、債務超過に陥る可能性がある。いや、可能性に留まらず、必発だろう。

さらに、ETF・REIT買い入れを減らすと、株式、REITの大幅な価格下落を生じる。現在のバブルがはじけることになる。その影響は、リーマンショックを大きく超えるものになる。

政府は、一体何を考えているのか。基本的に、無責任体制だ。景気が良くなったと見せかける操作を行い、それを国民に信じさせようとしているが、それは永続しない。米国の資産バブルも陰りが見え始めている。この状況で、出口戦略をとるわけには行かず、このバブルを崩壊させぬために、政府・日銀はバブルを拡大させ続けようとするのではないか。繰り返すが、それは将来の世代に対して無責任極まる。

ここまで財政規律が緩むと、政府が採りうる政策は、円の価値を下げ、借金を実質目減りさせること。具体的には、一つは、財産課税を行い国民の財を国が取り上げること。もう一つは、戦争を引き起こし、それによってハイパーインフレを起こすことだ。円の信認が失われる、ないし・かつ、政府が財政破綻する、という結末になるのではないだろうか。

無責任な政権である。・・・それを支持し続ける国民に責任がある。