FC2ブログ

アベバブルノミクス 

来年度の予算案、金額が過去最高になっている。

金子勝教授が、その内容を批判的に紹介している。歳入を、あの手この手で大きく見せかけ、その一方損失を日銀に付け替え、さらに日銀は当座預金を株式投資に回している、ということだ。

故意に作り出されたバブルである。安倍首相は、かって経済を高度成長期のようにしたいと述べていた。結局、彼は国の経済財政をバブル化したかったのだ。

そのツケは、国民に回される。

以下、引用~~~

金子勝の「天下の逆襲」

政権と一体化 日銀のインチキ信用創造とバブル経営の顛末
(日刊ゲンダイ)

当初予算としては過去最大の約101.5兆円に上る2019年度予算案が閣議決定された。安倍首相は「経済再生と財政健全化を両立する予算だ」と大宣伝しているが、この予算案にはカラクリが隠されている。

まず、税収は過去最高の62.5兆円を見込んでいるが、この間の景気はアベノミクスの成果ではなく、先端産業育成政策「中国製造2025」に乗った中国への設備備品の輸出好調が大きい。

それが、米中貿易戦争のあおりで対中輸出が大きく落ち込むと、今年7~9月期の実質GDPは年率換算で2.5%減のマイナス成長に陥った。米国のリセッション入りを示す兆候も表れている中で、大甘の税収見込みは相当に怪しい。

つぎに、新規国債発行額が7年連続で縮減するともいっているが、これも一種の粉飾だ。日銀の「営業毎旬報告」(12日公表)によると、日銀は国債を約471兆円保有。これは購入価格で簿価だ。「日本銀行が保有する国債の銘柄別残高」(同日公表)は額面金額ベースで約459兆円。

この差額の12兆円は何か。

日銀がマイナス金利下で10年債未満の国債を額面よりも高値で引き受けることで生じたものだ。満期になれば、日銀の赤字となる。これによって、政府は国債の利払いから逃れ、日銀に赤字を付け替えることができる。

一方で、実は銀行はマイナス金利をほとんど適用されていない。日銀の当座預金には基礎残高、マクロ加算残高、政策金利残高の3階層がある。このうち政策金利残高からは手数料(金利0.1%)を徴収することになっているが、日銀が基準を操作して適用されないようにしているのだ。

国債離れが進んでいるのに、大手銀は当座預金残高を積み上げている。そして日銀はこの当座預金をテコにETFを買いまくり、株価をつり上げているのだ。

日銀の含み益は7兆円ほどになる。天下の中央銀行が当座預金を増やし、株価をつり上げる独特の「信用創造」でバブル経営を行っている。

こんなインチキ手法は株価下落局面では通用しない。

すべては安倍政権が来夏の参院選を乗り切るため、大盤振る舞いを演出するためだ。このツケは結局、国民が払わされることになる。

「カサアゲノミクス」バブルの終焉 

内閣府のウェブサイトから、「アベノミクス」のページがそろっと消えているらしい。

「アベノミクス」なる放埓かつ無節操な金融緩和政策が、完全な失敗であることが判明した。だが、金融緩和を中止すると、国家財政破綻が表面化するために、止めるにやめられないねずみ講のような状況になっている。

このところの株価の急激な下落は、世界経済の悪化局面の一部として論評されることが多いが、その下落幅は、欧米の株式市場を大幅に超える。国内経済財政政策の失敗を反映している。

我々が関心を当面持つべきなのは、日銀の財政と、年金資金がどれだけ毀損するか、ということだ。もう安倍政権はお仕舞にしないといけない。

為替協議=金融緩和協議 

日銀による金融緩和政策は、インフレ期待に働きかけて「安定した物価上昇」を起こすこと目的とすると、黒田総裁が繰り返し述べているところだ・・・だが、それは実現せず、デフレ脱却とは言えない。

金融緩和は、円安をもたらし、輸出大企業に大きな利益をもたらしただけ。

その日銀の金融緩和策をどうにかしろと米側が要求し始めた。外からの認識では、金融緩和は円安誘導策でしかない。

金融緩和は止めようがないねずみ講のようなことになっている。さて、政府・日銀はどう対処するのだろうか。

読売新聞も、TAGじゃなくて実質FTAだと米国側が繰り返しアナウンスしているだろうに、まだ安倍首相の造語TAGを繰り返している。

以下、引用~~~

日本のレート操作防ぐ…不満の米、為替協議要求

2018年12月22日 12時21分 読売新聞

 【ワシントン=山本貴徳】米通商代表部(USTR)は21日、日米両政府が新たに始める「物品貿易協定(TAG)」について、22項目の交渉方針を公表した。通貨安誘導を制限する「為替条項」のほか、農産品、自動車の市場開放などを日本に求めるとした。日本政府は為替を議題としない考えで、両国の思惑の違いが改めて鮮明になった。

 米国の貿易関連法では、実際に交渉を始める30日前までに具体的な方針を公表することを義務づけている。公表を受け、来年1月下旬からTAG交渉を始めることが可能になった。方針には、モノの貿易やデジタル貿易、投資なども列挙した。

 為替では、「不公正な競争上の優位性を得るために、日本が為替レートを操作するのを防ぐ」と明記した。USTRが10日に開いた公聴会では、米国の労働組合などから日本銀行による金融緩和で円安が進み、日本製品の価格競争力が高まったことへの不満が出ていた。

目が当てられぬ国家財政 

安倍政権による国家財政規律の低下、日銀の政治従属が止まらない。

安倍第二政権になってから、金融緩和された額は、400兆円を超えた。日銀の株買い支えは20兆円を超えた。
金融緩和の金額を国民一人当たりに単純に当てはめると、400万円弱になる。日銀は、マネタイゼーションを行っていることになる。その中央銀行機能が冒され、いざというときに資金を市場に投入することは、もはやできない。

GPIFは今年第二四半期の時点で、年金資金160兆円の25%を超える額、即ち40兆円以上を株式投資に回している。このところの株価下落で、さらに積み増しているに違いない。

このところ、株式市場は暴落状態。海外勢の売り越しは今年5兆円を超え、過去の経済危機時と同じかそれを超えるレベル。日銀・GPIFその他の公的資金がどれだけ毀損されたか、戦慄を覚える。

この政権、政権に奉仕する日銀・GPIFの財政政策は、国民のためではない。政権の維持と、大企業の利潤のためだけ、だ。

予算案が100兆円を超えた 

2018年3月末の国債発行残高は約1088兆円。地方債を合わせると国民一人当たり約1000万円の借金を抱えている事になる。
私は、この借金残高を減らしてゆくには、歳出カットは仕方がないことだと思っている。社会保障、それに公務員人件費が、劇的に引き下げられることも近い将来現実のものになるのではないか、と思っている。国民の貯蓄が徐々に食いつぶされ、国家財政の赤字幅が、それを超えるときに、決定的な財政破綻が出現するのではないだろうか。

だが、財政規律を喪失し、軍拡に進んでいる現政権の下では、それは絶対に認められない。というか、財政再建をできるはずがない。

成長戦略とは一体何だったのか。ことごとく失敗しているではないか。原発輸出を経産省と一緒になって進めた東芝は、手ひどい失敗をし、会社が存続しえなくなり、成長部門を外資に切り売りしている。それだけでなく、成長のあと、財政再建をという路線は成立しない。根本的に政策が間違っている。

自民党は、野党時代に、民主党政権下の予算案を「バラマキ」だと言って手ひどく批判したが、少なくとも民主党政権下では、弱者を大切にしようという視点があった。自民党政権では、大企業に利益が回れば良いという方針だ。この政権下では、国家財政の立て直しは無理であるばかりか、国家そのものを消滅させることをしかねない。消費税増税対策として導入されるポイント還元政策等の財源は、社会保障から回すとのこと・・・これが、この政権の実態だ。「バラマキ」を社会保障を切り捨てて行うやり方だ。

この政権が続けば続くほど、その後にくる財政の破たんは酷いものになる。

以下、引用~~~

来年度予算案を閣議決定、初の100兆円突破

2018年12月21日 11時09分 読売新聞

来年度予算案を閣議決定、初の100兆円突破

 政府は21日午前の閣議で、2019年度予算案を決定した。一般会計の総額は18年度当初予算比3・8%増の101兆4564億円となった。7年連続で過去最大を更新し、当初予算として初めて100兆円を突破した。税収は、62兆4950億円とバブル期のピーク(1990年度の60・1兆円)を抜き、29年ぶりに過去最高を更新すると見込んだ。

 一般会計の総額が100兆円を突破したのは、19年10月の消費税率10%への引き上げに伴う経済対策に2兆280億円を計上したことが主因だ。

 対策の目玉であるポイント還元制度には2798億円を計上した。20年6月までの9か月間、クレジットカードなどで買い物をした消費者に、次の買い物で使えるポイントを付与する。還元率は中小店で5%、コンビニなどフランチャイズチェーン加盟店で2%。

 最大2万円の支払いで2万5000円分の買い物ができる「プレミアム付き商品券」の発行には、1723億円を充てる。



「アベノミクス」は弛緩しきった財政規律をもたらしただけ 

「アベノミクス」とは一体何だったのか、政府当局からその総括は聞こえてこない。

2%物価上昇目標は、少なくとも無節操な金融緩和からは生まれなかった。その先にある、経済成長も、もちろん無しである。

国の予算規模が100兆円を超えた。財政規律を失った、バラマキ政策だ。それも、大企業を中心とする法人に対するバラマキ、それに軍備拡張というバラマキ。

成長戦略の要と位置付けた原発輸出はことごとく失敗している。それはそうだろう、福島第一原発事故を受けて、原発が危険で高コストであることが、世界各国の共通認識になったのだから。第一次安倍政権で、福島第一原発事故を未然に防ぐことを拒否した安倍首相の原発セールスが上手くゆくわけがない。

安倍政権は、「アベノミクス」を反省することなく、無節操な金融緩和をさらに続ける積りらしい。金融緩和を引き締めると言ったとたんに、わが国の経済・財政はハードランディングをすることになる。国民は、まだ騙されている。「アベノミクス改」等あり得ないのだ。

~~~

以下、facebookにあった経済学者久保田博幸氏の発言。

久保田博幸2018年12月20日 08:30
そっと更新されていたアベノミクス

先日、ツイッターで興味深いツイートがあった。首相官邸のアベノミクス「3本の矢」というページが更新されなくなっていたというのである。そのページを確認してみると、下記のようになっていた。

「このページは現在更新しておりません。「日本再興戦略」改訂2014(成長戦略2014)の内容をわかりやすく解説したページです。最新の情報は、こちらをご覧ください。」

アベノミクス「3本の矢」

この表現を見る限り、すでにアベノミクスは一定の役割を終えて、次のステージに移行しているかのような記述となっている。更新されなくなったアベノミクス「3本の矢」の成果については下記の表現があった。

「すでに第1の矢と第2の矢は放たれ、アベノミクス効果もあって、株価、経済成長率、企業業績、雇用等、多くの経済指標は、著しい改善を見せています。また、アベノミクスの本丸となる「成長戦略」の施策が順次実行され、その効果も表れつつあります。」

肝心の「物価」はどこに行ったのか。日銀による非常時対応というべき異次元緩和は2%という物価目標達成のために、政府の意向を組んで行われたものであった。2本目の経済政策についても具体的な成果は見えないなか、金融政策の異常さだけが際立っている。そしていつのまにか本丸が「成長戦略」になっていた。

その異常な金融政策を行っても、目標とした物価上昇はなかったが、結果として株価、経済成長率、企業業績、雇用等が改善したと結論づけるのはおかしくはないか。仮にそうであったとして、その具体的な経路についての説明が求められよう。

そして、「最新の情報は、こちらをご覧ください。」とのリンク先にあるのは、「アベノミクス成長戦略で明るい日本に!」というページである。

「平成30年6月15日、「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革に向けて、未来投資戦略2018を閣議決定しました。「未来投資戦略2018」では、IoT、ビッグデータ、AI、ロボッ トなどの第4次産業革命の技術革新を存分に取り込み、「Society 5.0」を本格的に実現するため、各種の施策の着実な実施を図りつつ、これまでの取組の再構築、新たな仕組みの導入を図ります。」

どうやらこれが「アベノミクス改」であるようである。もし当初のアベノミクス「3本の矢」が期待された成果が得られ、このため次のステージに移行したというのであれば、日銀の異常な金融緩和政策をより柔軟化させても問題はないということであろうか。そうであれば、その副作用を早めに軽減させるために日銀が動いても政府は干渉しないということで良いのであろうか。

ローン地獄 

先送りではないという防衛省の言い訳は苦しい。コスト削減という財務省は、FMSによって価格設定が米国政府の支払いを言い値であることを知らないのか、知らないふりをしているのか、いずれにせよコスト削減ではない。ローン地獄まっしぐらである。

FMSは、米国政府の言い値で武器を購入し、納入等はあちらまかせ。輸入する側にとって、きわめて不利な条件を押し付けられる制度だ。

安倍政権は、財政再建等様々な負の遺産を後の世代に先送りしている。これも、その一つ。

FMSによって米国製武器を爆買いしている状況なのか。

以下、引用~~~

米兵器ローン急増 来年度予算圧迫 防衛省、支払い延期要請

2018年11月29日 07時00分東京新聞

 防衛省が今月初め、国内の防衛関連企業六十二社に対し、二〇一九年度に納品を受ける防衛装備品代金の二~四年延期してほしいと要請したことが関係者への取材で分かった。高額な米国製兵器の輸入拡大で「後年度負担」と呼ばれる兵器ローンの支払いが急増。編成中の一九年度予算の概算要求では、要求基準を事実上二千億円超過しており、国内企業に「返済猶予」を求めるという異例の事態となっている。 (「税を追う」取材班)

 要請を受けた企業は「資金繰りに影響が出る」などと反発。企業側の同意がなければ支払いの先送りはできず、年末の一九年度予算案の作成までに、どれだけ削減できるかは不透明だ。

 複数の関係者によると、防衛省は今月二日と五日の二回に分け、航空機や艦船の部品を扱う企業などを同省に呼んで説明会を開催。一九年度に納品予定の部品の契約を変更して追加の発注を行う代わりに、代金の支払いは追加分が納入される二一~二三年度に一括して行うと提案した。今後、個別に各社と交渉したい考えを示したという。

 輸送機オスプレイや早期警戒機E2Dなど、安倍政権になってから米国政府の「対外有償軍事援助(FMS)」に基づく高額兵器の輸入が急増し、FMSのローン残高は本年度一兆一千三百七十七億円と五年前の約六倍に拡大している。

 一九年度に支払時期を迎えるローンは、国内産兵器分と合わせて二兆六百四十七億円。同時に支払額より四千四百億円多い二兆五千百億円の新たなローンが発生する「自転車操業」の状態になっている。

 防衛省は一九年度予算で、本年度当初予算の2・1%増となる過去最大の五兆二千九百八十六億円を要求しているが、ローン返済額(歳出化経費)と人件費・糧食費を合わせると要求の八割を固定経費が占める。

 そのため、例年は二千億円程度を盛り込む米軍再編関連経費の額を概算要求に盛り込まなかった。防衛省の幹部はこれまでの取材に「要求額を小さくしていると批判が来ることは分かっていたが、そうせざるを得ないほど後年度負担(兵器ローン)がのしかかっている」と証言していた。

 本年度二千二百億円を計上した米軍再編関連経費は、年末に作成する一九年度予算案にも計上する必要があり、その分を削減する必要に迫られている。そのため今回、装備品代金の支払い延期という異例の要請に踏み切ったとみられる。

 防衛省の幹部は「歳出化経費(ローン返済額)が膨らみ、予算内に収まらなくなっている。それを削減するため、単なる支払い延長では企業側に受け入れてもらえないから、追加発注を含めて依頼している」と話している。

◆返済先送りでない

<防衛省会計課の話> 契約変更の説明会で、装備品の部品不足に備えて在庫を確保するため、追加で発注する仕組みを提案した。発注規模や金額は、まだ検討段階で分からない。支払いを後ろに延ばすのは、いろいろな契約の方法の一つで、歳出化経費の先送りではない。

◆調達改革の一環

<財務省主計局の話> 防衛省には歳出の抑制に取り組んでもらっている。調達改革の一環として、防衛省が部品の大量発注によるコスト抑制を図ろうとしているのは一定の評価ができる。

(東京新聞)

国家財政の危機を、安倍首相・日銀総裁はまともに考えていない 

国会パブリックヴューィングという運動が、法政大の上西教授を中心として行われている。国会中継を録画したものを、街中で再生し、人々に観てもらうという試みだ。マスコミの政権寄りの報道と異なり、政治の世界で実際何が行われているのか、政権が如何にいい加減な国会運営をしているのかが良く分かる。良い試みだ。

私は、国会中継をできるだけリアルタイムで視聴し、さらに衆院・参院の国会議論のアーカイブを観るようにしている。

さる26日の参院予算委員会、終りの方で、日本維新の会の藤巻健史議員が質疑を行っている。こちら。

新自由主義経済と保守主義の日本維新の会の綱領、政治行動には承服しかねるのだが、藤巻議員はエコノミストとしてしっかりとした見識を持っておられる。

彼は、国の財政問題について質問した。藤巻氏の質疑の要点は、以下の通り。8月の日経新聞に、プリンストン大学の高名な経済学の清武教授の発言が載っていた。日本の財政は持続可能かどうか問われて、問題があり、突然デフォルトに陥った際の対応計画contingency planを練っておく必要がある、と清武教授は答えた。イタリアの国家財政で国の借金が対GDP比130%あり、それがEUでは大きな問題となっている。一方、わが国の国の借金は240%。それなのに、国債価格の低下、金利上昇が起きていない。それは、日銀による国債買い入れが原因なのではないか、本当の問題を日銀が隠しているのではないか、と藤巻氏は、安倍首相・黒田日銀総裁に尋ねた。

安倍首相は、GDPは伸びており、2025年までにプライマリーバランスを黒字化する、対GDPの国の赤字も安定的に引き下げると答えた。だが、GDPの伸びは、カサアゲされたものであることが明確になっている上、このPB黒字化の道筋も、あり得ない経済成長を仮定してのこと。この危機的な財政状況をまじめに考えているとはとても思えぬ返答だった。

黒田総裁は、いつものごとく、異次元金融緩和は、2%というインフレ目標を達成するため、とだけしか答えない。目標を掲げてすでに7年、最近は日銀もいつまでに達成できるという見通しを言わなくなった。藤巻氏が尋ねているのは、この滅茶苦茶な金融緩和からの出口政策だ。ここまで日銀が国債を買い込むと、一旦国債価格が下がる事態になれば、日銀のバランスシートが酷く毀損される。それは、日銀への、したがって円への信頼を失墜させることになる。その危機意識が乏しい。インフレ目標は、この金融緩和で達成できないことが明らかになっており、金融緩和の副作用が目立ち始め、その出口戦略が何もないのに、黒田総裁はその問題意識を持っていない(少なくとも、こうした国会討論の場で議論しようとしない)。これは、中央銀行の長として見識を欠くとしか言えない。恐らく、何が進行しているか、彼は知っているのだろう。だが、日銀総裁の立場としてはそれについて述べられない、ということなのだ。

国家財政は、火の車だということを政権・日銀がまともに考えない。これこそが国難だ。

日銀が、内閣府にGDPデータの開示を求める異様な光景 

内閣府のGDPデータに疑念を抱いた日銀が、GDPの基礎データを出すように内閣府に迫っているが、内閣府が応じないという驚くべき記事が日経に載った。

日経は、統計担当者の不足が、この問題の原因だと論じているが・・・そうした面がないとは言えないかもしれないが、それだけではあるまい。「GDPが伸び、給与水準が上がった」という内閣府・厚労省発のデータは、政府に忖度してデッチあげられたものである可能性が極めて高い。このブログでも、両者について取り上げている。

GDPについては、こちら。

給与水準については、こちら。

日銀がどのような問題意識をもって、これを追及しようとしているのか、それが日銀の独立を維持するための象徴的な行動なのか、「アベノミクス」にさんざん奉仕させられてきた日銀が政府に一矢を報いることになるのか、予断は許せないが、何かが動き始めた予感はある。

日銀の方々にあっては、国の将来を左右する問題なので、徹底して追及してもらいたいものだ。

それにしても、公文書改ざんという犯罪を行い、のうのうとしている現政権、そのトップにいる安倍首相、彼らがこの国を統治し続けていることは異常なことだ。国民は、その異常さに気づくべきだ。

以下、日経新聞から一部引用~~~

「基礎データの提供を求めます」。10月11日、政府統計の改善策などを話し合う統計委員会の下部会合で、日銀の関根敏隆調査統計局長は内閣府の統計担当者に迫った。

統計委のGDPに関する会合は喧々囂々(けんけんごうごう)の議論が続く。中心テーマは内閣府が発表するGDPの精度だ。GDPは様々な統計を合成して作る「2次統計」で、元データの合成方法は非常に複雑だ。

日銀はこうした統計への不信を募らせ、原データなどを確認して自ら合成を試みたいと訴えている。だが、内閣府は「業務負担が大きい」などと反論。要請に応じて一部データを提供したものの決着は付いていない。

現政権の無謬性のロジック 

この無謬性のロジックは、経済財政政策だけではない。原子力行政もそうだった。原発深刻事故を起こしてはならない、起きるはずがない、起きた場合を想定してはならない、という論理。

国の財政経済政策については、最悪の想定を行っていない。国の財政破綻を生じさせてはならない、生じるはずがない、生じた場合を仮定してはならない、という、根拠なき楽観論・無責任論が現政権を主導している。

小林慶一郎慶大教授が、この無謬性のロジックについて週刊文春で述べている。

こちら。

繰り返すが、今の資産バブルは長続きはしない。すでに、破たんの序章が株価下落という形で始まっている。米国の孤立主義、自国利益優先で、世界経済が乱調になり、それによってわが国の財政が破たんする可能性が極めて高い。

この政権は長続きしない。その後を受けて政権を引き継ぐであろう、野党には、この財政危機をどのように乗り切るのか、今から是非議論を深め、同一歩調を取ってもらいたい。現在の金融緩和は続けられるはずがない。中央銀行たる日銀も、破たんの危機を迎える。そのなかで、何を行うのか、国民にとって痛みを伴う政策であっても、それを提示する責任が出てくる。

もちろん、ここまで国の財政をひっ迫させた現政権、現与党政権には退場してもらわねばならない。