FC2ブログ

タックスヘイブン 金融資産バブル  

世界の財の8%は、タックスヘイブンにあるという。アフリカ、アジア諸国からのタックスヘイブンへの投資は、それを超える率だそうだ。数十兆円の規模になる。現在、タックスヘイブンへ資金を移動し、税を逃れることに対して、先進国では監視と取り締まりが厳しくなっている。だが、超富裕層はスイス経由でタックスヘイブンへの資産の移動をまだ自由に行なっている。タックスヘイブンは、第一次世界大戦後生まれ、今も成長し続けている。(Pikettyの弟子G.Zucmanの”The Hidden Wealth of Nations"による。)

前に記した通り、日本でも、パナマペーパーが表ざたになったときに、一時、タックスヘイブン問題が盛んに取り上げられたが、すぐに下火になってしまった。タックスヘイブンへの投資は、偽の口座経由で行われ、口座名から資金の持主はなかなか特定できないらしい。しかし、NHKや、電通が確かにパナマペーパーに投資者として挙がっていた。タックスヘイブン問題を取り上げぬことが、彼らマスコミ・広告業の人々にとって利益になる。それは、政治家にとっても好都合なのだろう。国民に、こうしたタックスヘイブンの情報がもたらされることはない。

現在、世界の金融資産は、実体経済に必要な資産の「数倍」に上がっていると言われている。明らかなバブル状態にある。そのバーチャルな資産は、レバレッジを効かせたマネーゲームに投資され、それによって得た資産がタックスヘイブン等に蓄えられているのだろう。

一方、銀行金融界は、このバブルの負の側面を負わされている。低金利による収益悪化をカバーするために、デリバテイブ取引のようなリスキーな投資を行っているのだ。ドイツ銀行は、レバレッジ投資デリバティブ取引によって5500兆円以上といわれる負債を抱えている。今年3月には、みずほ銀行が6800億円の特別損失を計上した。新たなコンピューターシステムの導入・経営改善のためと言われているが、一部はデリバテイブ取引の損失穴埋め。後者がメインの損失だった可能性も取りざたされている。日本の銀行、とくに地銀はこうしたリスクの高い取引に手を染めている可能性が高い。

私は経済の専門家ではないし、変な陰謀論に加担するべきではないと思っているが、しかし、現在の世界経済はかなり歪になっている。かのリーマンショック時点よりも、バブルの度合いが強まっている。リーマンショックでも、信用取引が行われ難くなり、金融制度が行き詰まる直前まで行ったが、今回のバブルが破たんすると、その影響は計り知れない。結局、一番痛みを負わせられるのは、一般庶民ということになる。

国債発行、買い替えでようやく回っている、わが国の国家財政がバブル崩壊によって破たんする可能性もある。「金融政策に未来はあるか」岩村充著によると、政府が借金を踏み倒すようなことをしないと国民が信じている限りにおいて、ハイパーインフレが起きることはない。だが、国民が政府の金融財政政策に信頼が置けぬと判断した時点で、ハイパーインフレは不可避なのだ。インフレの急速な進行は、貧しいもの、高齢者を直撃する。異次元の金融緩和を続けて来た日銀に、インフレを抑える手立てはない。

現在、こうしたきわめて不安定な世界金融の上に我々は生活していること、日本の金融財政はとりわけ金融バブル破裂に対して脆弱であることを知るべきだ。こうした金融の上で、甘い汁を吸っているごく少数の人々がいる。彼らが政治社会を「牛耳っている」。国民は、それに殆ど気づかない・・・。

世界経済後退の足音 

リーマンショック以降の世界的金融緩和をうけて低金利の負債を抱え込んだが、それに見合うだけの利益を上げられずに格付けを引き下げられる企業が増えている。

格付け会社の格付けそのものに問題があることが、リーマンショック時に判明しているが、金融緩和バブルの悪影響が出始めていることは、確実だろう。

わが国でも、この問題は例外ではない。

日経新聞より引用~~~

企業の信用格付けの低下が世界的に目立ち始めている。米格付け大手S&Pグローバル・レーティングスによると、格付け変更全体に占める格下げの比率が2018年10~12月は64%にのぼり、10四半期ぶりの高い水準となった。低金利下で負債を膨らませた企業の財務が悪化しているためだ。格付けが大幅に低下すると資金調達が難しくなるため、債務不履行(デフォルト)への警戒感も高まっている。

次のバブル崩壊への足音 

リーマンショックからそう時間が経っていなかった2010年の時点で、世界を駆け巡る投機的資金は、全世界GDPの約15倍に上っていた。実体経済とかけ離れた天文学的な金額の投機資金が、さらなる利益を求めて、バーチャルの世界を駆け巡っているわけだ。

恐らく、現時点では、その額はもっと増えている可能性が大きい。

その投機資金の横溢は、各国のバブルを反映している。

バブルが米国で進行していることを下記の記事が示している。

リーマンショックでは、信用不安が拡大し、それを除くために、天文学的な額の金融緩和が行われた。それが次のバブルを準備する。

次のバブル崩壊では、金融秩序の信用が保たれるのか。

さらに、株式市場に大幅にコミットした、日銀と年金基金が、どれだけの損害を受けるのか。わが国の経済、国民の生活にどれだけの影響をもたらすのか、戦慄が走る。

以下、朝日新聞デジタルから引用~~~

(波聞風問)世界経済 バブル崩壊の足音が聞こえる 原真人
2018年7月17日05時00分

 バブルというのは渦中では往々にしてそうと気づかず、崩壊して初めてわかる。それが歴史の教訓だった。

 2006年まで18年余、米国の中央銀行FRBの議長を務めたアラン・グリーンスパン氏も例外ではない。現役時代は米国経済の繁栄を演出するマエストロ(巨匠)とたたえられたが、住宅バブルがはじけた07年のサブプライム・ショック、翌08年のリーマン・ショックの後にはA級戦犯と批判されることになった。

 グリーンスパン氏は危機後の著書で、自分はもともとリスクを認めていたし、示唆もしていたと主張。「政府と中央銀行はブームの進路を大きく変えることはできない」と言い訳した。たとえ氏が危険をにおわせていたとしても、大衆が知ることができなければ無意味だし、バブルをふくらませた金融政策を正当化できるわけでもなかろう。

 それにしても、あれだけのバブル相場を目の前にしながら危機前に崩壊リスクを指摘する声は驚くほどなかった。

 数少ない「予言者」がヌリエル・ルービニ米ニューヨーク大教授だ。06年秋、国際通貨基金総会の講演で「米住宅バブルが崩壊する」と警告した。ただ、当時はほとんど相手にされなかったらしい。

 さて現在の米国経済はどうだろうか。株価は、このところ多少の調整はあったものの、歴史的な高値圏にあることに変わりはない。これに警鐘を鳴らすのは中前国際経済研究所の中前忠代表である。

 「いまの米国は史上まれに見る大バブル。崩壊は時間の問題。いつ起きてもおかしくない」と言う。

 中前氏は1990年代初頭の日本のバブル崩壊をいち早く見抜いたエコノミストだ。バブルという言葉がまだ定着していなかった90年3月、日本経済が好調とされるのは「実はバブルにすぎない」「日没は時間の問題」と本紙インタビューに答えている。

 その氏がいま着目するのは米国の家計がもつ株や不動産など純資産額の異常な跳ね上がりだ。90年代までその総額は可処分所得総額の5倍ほどだった。いまは7倍近い。

 この倍率が6倍を超えたのは2000年代のITバブルと住宅バブルのときだった。どちらもその後、価格は急落した。今回の山は、そのいずれのバブル時より高い。

 山高ければ谷深し。これもまた歴史の必然だろう。

 これまでバブルが崩壊したら政府・中央銀行が手厚い経済対策を打ち、空前の金融緩和に乗り出した。結果として資産価格は回復し、市場や投資家は窮地から救われた。

 ただ、それはまるでバブルの傷を新たなバブルをつくって癒やすような試みとも言える。次のバブル崩壊でも同じことを繰り返すのだろうか。果たしてこれを永遠に続けていけるものなのか。

 米国バブルが崩壊すれば、世界も日本も道連れになる。同じ問いは、日本政府と日本銀行にも突きつけられる。

 (はらまこと 編集委員)

発展途上国の通貨下落、金利上昇が止まらない 

発展途上国の通貨下落、そして金利上昇が止まらない。アルゼンチン、トルコ、インドネシア、南アフリカ、ブラジル等。各国の経済状況の問題もあるのかもしれないが、この同時の通貨下落は、投資資金がこれらの国々から、利上げが行われようとしている米国に向かったためだといわれている。アルゼンチンでは、金利は40%に達したと報道されている。

水野和夫氏の説によると、電脳空間における投資資金のグローバルな移動の副作用が大きくなっているはずだが、まだそうした短期資金による世界中への投機的な投資が活発に行われているのだろう。そうした短期の投機的な投資資金は、実体経済の必要量の数倍に上ると言われている。この投機資金の移動による、世界経済の混乱は、新たな信用不安を引き起こす。

その混乱のなかで、普通に生活している人々が、どれほど困窮することか。物価が、短期間に急上昇する。それでも、彼らは生活をし続けなければならない。一方、この投機的な資金の移動により巨利を貪る人々、金融機関がある。経済格差はますます広がる。世界金融が、きわめて不安定な状況に陥る。最終的に、金融不安が生じるのではないだろうか。あたかもタコが自分の足を食いちぎるようなものだ。

この投機資金による短期投資は、実質経済とは遊離しており、世界を不安定化させるだけだ。自律的な取引き・投資に任せていると、破綻する。世界金融・経済を、こうしたバーチャルな世界からリアルの世界に引き戻し、適切なコントロール下に置くべきなのだが・・・現在の資本主義グローバリズムは、そうした行動を起こさない。