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金融財政政策の誤魔化し 

日本金融・経済の状況を、金子勝氏が的確に述べている。

現在、もっとも憂慮すべき問題は、銀行がハイリスクのCLOを大量に買い込んでいることではないだろうか。CLOは、リーマンショック時のサブプライムローンに匹敵する問題の債権。格付けAAAのものが主体と言えども、まったく安心はできない。リーマンブラザース自体、破たん直前まで格付けがAAAだった。

銀行金融システムが機能しなくなるということは、国際金融資本にわが国国民の蓄えが奪い去られるということ。そして、経済活動に大きな支障をきたし、円に対する信認が失われる。

銀行がハイリスク金融商品に手を出さざるを得ないのは、政府・日銀の低金利政策のため。

国民が何時になったら、政府・日銀の金融経済政策の誤魔化しに気づくのだろうか。

日刊ゲンダイより~~~

もう弾切れ 出口なきネズミ講に陥ったアベノミクスの末路
公開日:2020/01/01 06:00 更新日:2020/01/02 10:13

立教大特任教授(財政学)の金子勝氏(C)日刊ゲンダイ

 アベノミクスの3本の矢が放たれてから7年。デフレ脱却はいまだ実現せず、トリクルダウンも起きず、地方創生はほど遠い。景気回復どころか、国民生活は痛めつけられっぱなしだ。批判の急先鋒に立つ立教大特任教授の金子勝氏(財政学)が斬る。

  ◇  ◇  ◇

■薄商いの官製相場が常態化

 アベノミクスは限界にきています。「2年で2%」とした当初の物価目標をズルズル先延ばし、日銀の黒田総裁は国会で9年間は未達だと事実上認めた。目標も目的もないまま、財政赤字を垂れ流して金融緩和を続けている状態。ひと言でいえば、出口のないネズミ講です。日銀は国債市場の半分ほどを買い付け、最大の買い手になっている。株式市場にしてもETF(上場投資信託)の8割近くを買い占めています。買いを止めた途端に国債も株価も暴落し、金利が上昇して日本経済は壊れてしまう。破綻を避けるためには買い続けなければなりませんが、もはや弾切れです。

 国債買い入れは2013年が年間60兆円。17年49兆円、18年33兆円、19年は30兆円に届かない。ETF保有は28兆円ほどに上ります。市場から一般投資家が離れ、薄商いの官製相場が常態化。アベノミクスの副作用は凄まじく、市場は歪んでしまった。安倍首相は資本主義を否定するような経済失策をいまだに成果だと強弁しているのです。

 7年間のアベノミクスの果てにどんな悲劇が待ち受けているのか。実体経済を無視して国債や株価、不動産価格が上昇するのは非常に危ない傾向です。銀行危機とバブル崩壊に襲われれば、日銀の政策はマヒ状態になるでしょう。日銀が16年2月にマイナス金利を導入以降、超低金利で銀行の収益は猛烈に悪化している。中でも地域経済が疲弊している地銀や信金などは体力がさらに衰え、貸家建設などに貸し込んでいる。高齢者の資産運用先としての貸家建設や東京五輪需要も重なり、不動産バブルが出現していますが、五輪前後には外国人投資家が逃げ出す兆候が表れるでしょう。

産業創造、賃金上昇無くして経済再生なし
 米中貿易戦争の影響も深刻です。頼みの中国需要が細り、18年後半から輸出額はマイナスに転じてしまった。

 もっとも、輸出がダメになっている背景には、日本の産業が先端分野で負け始めているせいでもあります。超低金利のアベノミクスでゾンビ企業が生き残り、東電や東芝などの問題企業は日銀が社債を買って延命させる。こんなやり方では産業の新陳代謝が起きず、衰退を加速させます。産業衰退をごまかし、経済の屋台骨である輸出企業を支えるため、金融緩和で円安に誘導し、企業は賃下げに走る。このパターンが20年間続いています。

 OECD(経済協力開発機構)統計によると、日本人の時間当たりの名目賃金は過去21年間で8・2%も下がり、先進国で唯一のマイナス。実質賃金では10%減。中間層が解体され、貧困層を増大し、格差が広がっている。やがて年金財政も破綻させていきます。

 実質賃金の継続上昇にカジを切らないと、日本経済は再生できない。ですが、大企業の経営者は円安の恩恵で得た儲けを内部留保としてため込み、自社株買いや配当に回して株価をつり上げる。彼らの多くは高額報酬に加えてストックオプションも得ています。自社株が上がれば、実入りが増える。まさに今だけ、カネだけ、自分だけ。寂しい資本主義が蔓延してしまったこの国は、遠からずダメになっていくでしょう。 

(聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)

▽かねこ・まさる 1952年、東京都生まれ。東大大学院経済学研究科博士課程修了。東大社会科学研究所助手、法大教授、慶大教授などを経て現職。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。

CLO問題 

邦銀は、日銀の低金利政策と景気低迷で利益を上げにくくなっており、CLOという債権商品を大量に購入している。黒川あつひこ氏によれば、「国際金融資本が、CLOを邦銀に押し付け、わが国の財を簒奪しようとしている」ということだ。わが国の金融機関は、リーマンショック時にはそれほどサブプライムローンを保持していなかったのに拘わらず、大きな影響を受け、経営破たんした銀行が出現した。CLOを大量に買い込んでいる現在の邦銀は、同様の世界金融危機が訪れると、CLOの価格低下、流通不能により、深刻な影響を受けることが懸念されている。邦銀は、格付けの高いCLOに投資をしているので問題はないというスタンスだが、リーマンショック時のサブプライムローンと同様に、格付け会社自体がCLO投資に関わっている可能性があり、格付けだけで信頼することはできない。CLOの裏付け債権となっているレバレッジドローンLLは基本的に投資不適格企業への融資であることに注意すべきだ。

以下、邦銀とCLOについての論考を三つほど紹介したい。

今年5月の記事。週間金融財政事情による、CLO、邦銀のCLO投資に関する論考。CLOは、投機的投資対象である企業へのローンLLを組み合わせた証券化商品であること、邦銀の所有するCLOはトリプルA以上の格付けであること等から、金融危機に際しても大きな損失にはならない可能性が高いという趣旨で論じている。ただ、LL市場が過熱しており、リーマンショック時のサブプライムローンの格付けの急激な低下等から、CLO投資に警鐘を鳴らす向きもある。

こちら。

ブルームバーグでも、CLO問題が頻繁に取り上げられている。邦銀に関係する論考を二つ。

今年2月の報告。3メガバンク、農林中金、ゆうちょ銀行に対する金融庁のCLO保有状況に関する検査を報告している。とりわけ、農林中金とゆうちょ銀行が、2018年度内でCLO保有を1.8から2倍に増やしていることが目立つ。CLOのリスクについても述べられている。

こちら。

今年10月の報告。CLO市場がこの数年急拡大しており、低い格付けのLLが組み込まれている問題を指摘している。

こちら。

金融緩和からの出口 

国債バブル・際限のない金融緩和は終わらざるを得ない。このままで行くと、近い将来見込まれるバブル破裂に金融面から対処できなくなる。その行き着く先は、信用不安による金融システムの崩壊だ。

世界各国の中央銀行のなかで、もっとも脆弱な状況にある日銀は、どのようにこの金融緩和から抜け出す積りなのだろうか。

以下、日経から引用~~~

超金融緩和時代の終焉、国債バブルは弾けるのか
久保田博幸 | 金融アナリスト
12/7(土) 10:05

 日本銀行の原田泰審議委員は5日、大分市内での講演後の記者会見で、政府が策定中の経済対策に合わせ、日銀が特に追加緩和を考える必要はないとの見解を示した(ブルームバーグ)。

 これはある意味、興味深い発言といえる。原田委員はいわゆるリフレ派である。今回の講演でも、現在の低金利の要因の一部が、過去のデフレ的な金融政策によるものであることを考えれば、といったリフレ派的見解がちりばめられていた。しかし、会見ではなぜか、追加緩和について否定していたのである。

 政府の経済対策について、原田委員は「現在の金融緩和政策との相乗効果で、政府の経済対策の効果も日銀の金融緩和政策の効果も高まる」と説明した。それはその通りであるのだが、原田氏の発言だけにむしろ「何で」となってしまう。

 今回の政府の経済対策に合わせて、量的緩和策を拡充するのではとの観測も一部にあったが、国債の需給バランスや超長期の金利のある程度の上昇を意識しているとみられる日銀が、いまさら国債の買入を財政政策に呼応して増加させることは考えられない。今回はカレンダーベースで国債発行量が増えるわけでもないはずである。ETFにしても現状の買入がすでに問題視されている。それ以前に、現在の金融政策の調整手段は「金利」としていることで、なにをいまさら「量」なのか。

 たしかに黒田総裁は緩和手段として金利だけでなく、量なども挙げている。しかし、量を動かすことはあまり現実的ではない。さらに金利にしても深掘りという行動を見せたい気持ちはわからなくもないが、その結果を考えれば、やらない方が良い。あくまでそのような手段があることを示唆しておけば良い。

 それだけ日銀の金融緩和には限界が来ているとの見方もできよう。また、政策手段はあったとしても、それは効果よりも副作用を大きくさせかねない。これは日銀だけでなくECBなども同様となっているようである。

 6日付けのブルームバーグの「ECB、マイナス金利への信念に揺らぎか」との記事に、「ECBのドラギ前総裁の置き土産とも言えるマイナス金利を手放しで支持する勢力を見つけるのは、ドラギ氏引退から5週間をへて一段と難しくなった」とあった。

 ドラギ総裁はいわゆるハト派というかリフレ的な考え方に共感を持つ人物であったと思う。このため、半ば強引に自らの引き際にも追加緩和を決定した。しかし、これに対してはあまり共感は得られていなかった。むしろドイツなどの委員との対立色を深めることになった。

 これに対して、ラガルド新総裁はこの溝を埋める必要がある。ブルームバーグの記事によると、「これまでのドイツとオランダに加え、スペインとイタリアの中銀総裁もマイナス金利に懐疑的な認識を示し始めている」とある。

 ECBについてもこれ以上の緩和策は不要との認識を今後強めてくることも予想される。

 FRBも利下げは打ち止めとの認識を強めている。トランプ大統領による利下げ圧力が続こうが、ひとまずFRBは独立性を維持し、その要求ははねつけよう。

 今後の日米欧の金融政策は景気や物価、さらには地政学的なリスクを含めたもの次第ということにもなるが、超金融緩和政策はさすがにそろそろ終焉を迎えつつあるとの見方もできる。そうであれば、異常な水準に下がり過ぎた長期金利が多少なり戻ってきてもおかしくはない。ここにきて日米欧の長期金利の戻りはそれを示唆したものとの見方もできるのではなかろうか。国債の利回りと価格は反対に動く。つまりそれは裏返せば、異常に上がりすぎた国債価格の調整、いわゆる国債バブルが弾けることにもなりうる。

タックスヘイブン 金融資産バブル  

世界の財の8%は、タックスヘイブンにあるという。アフリカ、アジア諸国からのタックスヘイブンへの投資は、それを超える率だそうだ。数十兆円の規模になる。現在、タックスヘイブンへ資金を移動し、税を逃れることに対して、先進国では監視と取り締まりが厳しくなっている。だが、超富裕層はスイス経由でタックスヘイブンへの資産の移動をまだ自由に行なっている。タックスヘイブンは、第一次世界大戦後生まれ、今も成長し続けている。(Pikettyの弟子G.Zucmanの”The Hidden Wealth of Nations"による。)

前に記した通り、日本でも、パナマペーパーが表ざたになったときに、一時、タックスヘイブン問題が盛んに取り上げられたが、すぐに下火になってしまった。タックスヘイブンへの投資は、偽の口座経由で行われ、口座名から資金の持主はなかなか特定できないらしい。しかし、NHKや、電通が確かにパナマペーパーに投資者として挙がっていた。タックスヘイブン問題を取り上げぬことが、彼らマスコミ・広告業の人々にとって利益になる。それは、政治家にとっても好都合なのだろう。国民に、こうしたタックスヘイブンの情報がもたらされることはない。

現在、世界の金融資産は、実体経済に必要な資産の「数倍」に上がっていると言われている。明らかなバブル状態にある。そのバーチャルな資産は、レバレッジを効かせたマネーゲームに投資され、それによって得た資産がタックスヘイブン等に蓄えられているのだろう。

一方、銀行金融界は、このバブルの負の側面を負わされている。低金利による収益悪化をカバーするために、デリバテイブ取引のようなリスキーな投資を行っているのだ。ドイツ銀行は、レバレッジ投資デリバティブ取引によって5500兆円以上といわれる負債を抱えている。今年3月には、みずほ銀行が6800億円の特別損失を計上した。新たなコンピューターシステムの導入・経営改善のためと言われているが、一部はデリバテイブ取引の損失穴埋め。後者がメインの損失だった可能性も取りざたされている。日本の銀行、とくに地銀はこうしたリスクの高い取引に手を染めている可能性が高い。

私は経済の専門家ではないし、変な陰謀論に加担するべきではないと思っているが、しかし、現在の世界経済はかなり歪になっている。かのリーマンショック時点よりも、バブルの度合いが強まっている。リーマンショックでも、信用取引が行われ難くなり、金融制度が行き詰まる直前まで行ったが、今回のバブルが破たんすると、その影響は計り知れない。結局、一番痛みを負わせられるのは、一般庶民ということになる。

国債発行、買い替えでようやく回っている、わが国の国家財政がバブル崩壊によって破たんする可能性もある。「金融政策に未来はあるか」岩村充著によると、政府が借金を踏み倒すようなことをしないと国民が信じている限りにおいて、ハイパーインフレが起きることはない。だが、国民が政府の金融財政政策に信頼が置けぬと判断した時点で、ハイパーインフレは不可避なのだ。インフレの急速な進行は、貧しいもの、高齢者を直撃する。異次元の金融緩和を続けて来た日銀に、インフレを抑える手立てはない。

現在、こうしたきわめて不安定な世界金融の上に我々は生活していること、日本の金融財政はとりわけ金融バブル破裂に対して脆弱であることを知るべきだ。こうした金融の上で、甘い汁を吸っているごく少数の人々がいる。彼らが政治社会を「牛耳っている」。国民は、それに殆ど気づかない・・・。

世界経済後退の足音 

リーマンショック以降の世界的金融緩和をうけて低金利の負債を抱え込んだが、それに見合うだけの利益を上げられずに格付けを引き下げられる企業が増えている。

格付け会社の格付けそのものに問題があることが、リーマンショック時に判明しているが、金融緩和バブルの悪影響が出始めていることは、確実だろう。

わが国でも、この問題は例外ではない。

日経新聞より引用~~~

企業の信用格付けの低下が世界的に目立ち始めている。米格付け大手S&Pグローバル・レーティングスによると、格付け変更全体に占める格下げの比率が2018年10~12月は64%にのぼり、10四半期ぶりの高い水準となった。低金利下で負債を膨らませた企業の財務が悪化しているためだ。格付けが大幅に低下すると資金調達が難しくなるため、債務不履行(デフォルト)への警戒感も高まっている。

次のバブル崩壊への足音 

リーマンショックからそう時間が経っていなかった2010年の時点で、世界を駆け巡る投機的資金は、全世界GDPの約15倍に上っていた。実体経済とかけ離れた天文学的な金額の投機資金が、さらなる利益を求めて、バーチャルの世界を駆け巡っているわけだ。

恐らく、現時点では、その額はもっと増えている可能性が大きい。

その投機資金の横溢は、各国のバブルを反映している。

バブルが米国で進行していることを下記の記事が示している。

リーマンショックでは、信用不安が拡大し、それを除くために、天文学的な額の金融緩和が行われた。それが次のバブルを準備する。

次のバブル崩壊では、金融秩序の信用が保たれるのか。

さらに、株式市場に大幅にコミットした、日銀と年金基金が、どれだけの損害を受けるのか。わが国の経済、国民の生活にどれだけの影響をもたらすのか、戦慄が走る。

以下、朝日新聞デジタルから引用~~~

(波聞風問)世界経済 バブル崩壊の足音が聞こえる 原真人
2018年7月17日05時00分

 バブルというのは渦中では往々にしてそうと気づかず、崩壊して初めてわかる。それが歴史の教訓だった。

 2006年まで18年余、米国の中央銀行FRBの議長を務めたアラン・グリーンスパン氏も例外ではない。現役時代は米国経済の繁栄を演出するマエストロ(巨匠)とたたえられたが、住宅バブルがはじけた07年のサブプライム・ショック、翌08年のリーマン・ショックの後にはA級戦犯と批判されることになった。

 グリーンスパン氏は危機後の著書で、自分はもともとリスクを認めていたし、示唆もしていたと主張。「政府と中央銀行はブームの進路を大きく変えることはできない」と言い訳した。たとえ氏が危険をにおわせていたとしても、大衆が知ることができなければ無意味だし、バブルをふくらませた金融政策を正当化できるわけでもなかろう。

 それにしても、あれだけのバブル相場を目の前にしながら危機前に崩壊リスクを指摘する声は驚くほどなかった。

 数少ない「予言者」がヌリエル・ルービニ米ニューヨーク大教授だ。06年秋、国際通貨基金総会の講演で「米住宅バブルが崩壊する」と警告した。ただ、当時はほとんど相手にされなかったらしい。

 さて現在の米国経済はどうだろうか。株価は、このところ多少の調整はあったものの、歴史的な高値圏にあることに変わりはない。これに警鐘を鳴らすのは中前国際経済研究所の中前忠代表である。

 「いまの米国は史上まれに見る大バブル。崩壊は時間の問題。いつ起きてもおかしくない」と言う。

 中前氏は1990年代初頭の日本のバブル崩壊をいち早く見抜いたエコノミストだ。バブルという言葉がまだ定着していなかった90年3月、日本経済が好調とされるのは「実はバブルにすぎない」「日没は時間の問題」と本紙インタビューに答えている。

 その氏がいま着目するのは米国の家計がもつ株や不動産など純資産額の異常な跳ね上がりだ。90年代までその総額は可処分所得総額の5倍ほどだった。いまは7倍近い。

 この倍率が6倍を超えたのは2000年代のITバブルと住宅バブルのときだった。どちらもその後、価格は急落した。今回の山は、そのいずれのバブル時より高い。

 山高ければ谷深し。これもまた歴史の必然だろう。

 これまでバブルが崩壊したら政府・中央銀行が手厚い経済対策を打ち、空前の金融緩和に乗り出した。結果として資産価格は回復し、市場や投資家は窮地から救われた。

 ただ、それはまるでバブルの傷を新たなバブルをつくって癒やすような試みとも言える。次のバブル崩壊でも同じことを繰り返すのだろうか。果たしてこれを永遠に続けていけるものなのか。

 米国バブルが崩壊すれば、世界も日本も道連れになる。同じ問いは、日本政府と日本銀行にも突きつけられる。

 (はらまこと 編集委員)

発展途上国の通貨下落、金利上昇が止まらない 

発展途上国の通貨下落、そして金利上昇が止まらない。アルゼンチン、トルコ、インドネシア、南アフリカ、ブラジル等。各国の経済状況の問題もあるのかもしれないが、この同時の通貨下落は、投資資金がこれらの国々から、利上げが行われようとしている米国に向かったためだといわれている。アルゼンチンでは、金利は40%に達したと報道されている。

水野和夫氏の説によると、電脳空間における投資資金のグローバルな移動の副作用が大きくなっているはずだが、まだそうした短期資金による世界中への投機的な投資が活発に行われているのだろう。そうした短期の投機的な投資資金は、実体経済の必要量の数倍に上ると言われている。この投機資金の移動による、世界経済の混乱は、新たな信用不安を引き起こす。

その混乱のなかで、普通に生活している人々が、どれほど困窮することか。物価が、短期間に急上昇する。それでも、彼らは生活をし続けなければならない。一方、この投機的な資金の移動により巨利を貪る人々、金融機関がある。経済格差はますます広がる。世界金融が、きわめて不安定な状況に陥る。最終的に、金融不安が生じるのではないだろうか。あたかもタコが自分の足を食いちぎるようなものだ。

この投機資金による短期投資は、実質経済とは遊離しており、世界を不安定化させるだけだ。自律的な取引き・投資に任せていると、破綻する。世界金融・経済を、こうしたバーチャルな世界からリアルの世界に引き戻し、適切なコントロール下に置くべきなのだが・・・現在の資本主義グローバリズムは、そうした行動を起こさない。