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政権によるマスコミ報道現場支配 

NHK大阪放送局の記者が、森友学園疑惑でスクープを報じたことにより、閑職に左遷された。相沢冬樹記者である。彼はそれを良しとせず、NHKを辞し、大阪日々新聞に転職した。こちら。

スクープを報じた記者が、その内容が安倍首相にとり不利な内容だからと懲罰的な扱いを受けた、ということだ。その背後には、やはり官邸からの働きかけがあったらしい。安倍政権の今井首相秘書官から、NHK報道部長 小池氏にクレームが入り、それによって激怒した小池氏が、相沢記者を左遷させた、という流れだ。

NHKの報道現場では、同じ流れで、小池氏の叱責が飛ぶので、戦々恐々としているという。いわば、安倍政権によるNHKの私物化である。

新潮の記事を引用する。

こちら。

この政権からマスコミへの圧力は、NHKだけでなく民放でも行われているはずだ。

積極的に政権になびく上層部がいる反面、政治経済の問題をそれが政権にとって都合悪いものであってもありのままに報じようと努力している現場の人々もいるはず。我々にできることは、問題のある報道にはそれを指摘し、良好なものには褒める声を直接報道機関に送ることではないだろうか。

それにしても、政権によるマスコミ支配は凄まじい。マスコミを支配しようとするのは、独裁政権の特徴だ。

安田純平氏解放について 

安田純平氏が、シリア武装組織から解放された。

ジャーナリストが、戦地・紛争地域に入り、報道をすることは、細心の注意を払ったうえでのことであれば、止めるべき筋合いのことではない。むしろ、彼らの努力によって、正確な情報が伝わり、紛争を防いだり、縮小させたりすることができる。ダルビッシュがルワンダの例を取り、安田氏のようなジャーナリストの果たす役割について述べている通りだ。

石川智也記者の論座での記事を、望月衣塑子記者が引用し、次のように語っている。 「自衛隊サマワから撤退した大手メディア。その後サマワの自衛隊うち29人が自殺。この現実を日本の大手メディアは殆ど把握してなかった。国民の目から遠ざけられた『後方支援』の実態を監視し伝える報道があれば、安保法制の帰趨は変わっていただろうか」。これも、紛争地域での取材が重要であることを示している。

安田氏の解放を、あたかも自分たちの手柄のようにしようとしているのが安倍政権。下記の論考にある通り、安田氏は19日には実質的に解放されていたのに、政府があたふたと動き出したのは23日深夜になってから。これだけみても、政権が解放に向けて積極的に動いたというのは嘘である。嘘といって悪ければ、安倍首相のモットー「やってる感」を滲まそうとしているに過ぎない。

こちら。

無責任極まる現政権を盲目的に支持する連中が、自己責任を唱える、というのも笑える構図だ。

あるジャーナリストの殺害 

Jamal Khashoggiというサウジアラビア人ジャーナリストが、トルコ アンカラの同国領事館で斬殺されたらしい。この報道が正しいとすると、彼は生きたまま切断された、という。

こちら。

Khashoggi氏は、サウジ政府に批判的な論考を米国の新聞に掲載していた。サウジ皇太子が、彼の殺害を指示したと疑われている。

サウジ政府は、当初関与を否定していたが、領事館における尋問中に誤って死亡したという声明を出すのではないかと言われている。

トランプは、一応この事件の捜査を指示しているが、及び腰だ。その理由は、サウジが、米国軍事産業の武器を大量に輸入しており、それが中断することを恐れていること、さらにサウジがトランプの事業に大規模な投資を行っているためと言われている。だが、それだけでなく、サウジのような独裁政権とトランプは元来親和性があると言われている。

欧米では、この問題は大きく取り扱われている。わが国ではどうだろうか。安倍首相は、トランプ・プーチン等独裁者とやはり親和性がある。彼らは政府に批判的なジャーナリズムを毛嫌いし、排除しようとする点でも似ている。

このようなジャーナリストに対する犯罪は、民主主義に対する悪辣な挑戦だ。ジャーナリストの使命である、権力の監視・批判が鈍らないことを期待したい。この事件がどのように扱われるのか、解決するのかを見守りたい。

メディアへの対応 

ファシズムの常とう手段は、メディアを支配下におくこと。わが国でも、NHKを始めとするメディアが政府から直接攻撃支配され、または政府を忖度する異様な状況になりつつある。

しかし、メディア内部でも、上層部からの圧力に抗して、あるべき報道・番組を作り続けている方もいるはず。

NHKでの状況について井上伸氏が下記の通り発言している。

今後、おかしな番組にはそれを批判する声を、良い番組には評価する声をこまめに現場に届ける必要がある。マスゴミ等と一緒くたに批判することは、政権と結託するメディア上層部の思うつぼだ。

facebookでの井上伸氏のポスト~~~

昨日の永田浩三さんのお話。「NHKでは、視聴者から前日に寄せられた番組への全ての声(電話やメール等)を毎朝10時から開かれる会議に資料として配布する。100件以上の同趣旨の声が寄せられた場合は口頭でも報告され議題になる。なので、すばらしいと思った番組には評価する声を、問題があると思った番組には批判の声を、すぐさまNHKに寄せてほしい。今の状況で私たちから見てすばらしい番組を作っている仲間は多くの場合、NHK上層からの風あたりは強いので視聴者が支えることが重要。そして問題のある番組は草の根から包囲していく必要がある」

2018年度報道自由度 67位 

国境なき記者団の公表した、今年の報道自由度。わが国は67位。開発途上国のど真ん中。お隣韓国にも及ばず。

こちら。

報道の自由度が低いということは、国民が正しい情報を知る権利が阻害されているということだ。

浜尾朱美氏逝去 

浜尾朱美氏が昨日逝去したと報じられていた。57歳。まだ若い。乳がんと長く闘病なさってのことらしい。

彼女の名前からはどなたか分からなかったが、その写真ですぐに思い出した。NEWS23のキャスターを、筑紫哲也氏とともに務めておられた方だ。

1989年から8年間、その職についておられたようだ。その頃、NEWS23を見てから休むことが多かった。一本筋の通った筑紫氏が、バブル崩壊後の混乱、それに冷戦終結から米国超大国化の時代のニュースを淡々と報じていた。番組最後に筑紫氏が時の話題について意見を述べる時間があった。

あの当時私は、大学から離れ、市中病院に職を求めた。両親もまだ健在。子供たちも元気に育っていた。

その後、こうして我が国は、ゆっくりとした衰退の過程を進みつつある。

浜尾氏の美しい姿の画像を眺めながら、彼女が筑紫哲也氏とともに報道に携わっていたころからのことを思い起こした。時代は変わった。

ご冥福をお祈りしたい。

全米メディア、トランプに抗議 

自ら嘘で塗り固めた政治を行いつつ、一方で、真実を報道しようとするメディアを恫喝し攻撃する。それが、最近目立つ全体主義的指導者の特徴だ。トランプしかり、安倍晋三しかりである。彼らは、メディアを支配し、コントロールしようと執拗に行動する。

トランプのメディア攻撃に対して、全米の新聞社が一斉に抗議を行った。

これと同じことがわが国で期待できるだろうか。答えは、否だ。

その理由の一つは、記者クラブに胡坐をかく大手メディアの存在がある。彼らは政権権力と阿吽の呼吸で、政権の宣伝になることを報じる、その為の記者会見を維持する。根本的な政権批判をしようとするメディアを排除しようとする。安倍政権になって、この傾向は強まっている。

もう一つ、電通が世論操作を政権与党と組んで行い、メディアは、それに逆らえない。過日、労働者の名目賃金がバブル期以降最大の伸び幅を示した、というニュースが流れたが、それは、給与の高い母集団に変更したため、というオチがついていた。これ以外にも、いわゆる世論調査の類は、ことごとく何か操作されている可能性がある。その元凶は、政権与党と組み、広告宣伝業界で絶対的なシェアを有する電通である。電通が、広告宣伝の差配で絶対的な力を持つために、民間メディアは「パンとサーカス」を国民に配ることだけに専念し、過去の歴史・現体制の問題について何も語らない。総務省・政府に支配されるNHKもますますその傾向を強くしている。

何時も述べる通り、このような状況でも、メディアのなかで、真実を伝える努力をなさっている方がいるのだろう。だが、メディアの大勢の流れは、そうした人々を飲み込み、全体主義的政権の思う方向に国を動かすことに手を貸している。

国民の意識が変わり、本当の報道を評価し、そうでないものに否を言えるようにならねば、この傾向は変わらないのだろう。安倍による改憲等というおぞましい事態になったら、国民の側からフェークメディアへ否を言うことは難しくなる。

以下、引用~~~

全米300超の新聞社 トランプ大統領に抗議の社説を一斉に掲載
2018年8月17日 6時15分

アメリカでは各地の新聞社が、自分に批判的なメディアを「フェイク・ニュース」=うそのニュースなどと攻撃するアメリカのトランプ大統領に抗議する社説を、16日付けの紙面やウェブページに一斉に掲載しました。

アメリカのトランプ大統領は、自分に批判的なメディアについて「フェイク・ニュース」=うそのニュースや、「国民の敵」と呼んで、公の場での演説や自身のツイッターなどで繰り返し非難しています。

こうした中、全米各地で300を超える新聞社は、トランプ大統領に抗議する社説を16日付けの紙面やウェブサイトに一斉に掲載しました。

このうち、社説掲載の運動を呼びかけたボストングローブ紙は「ジャーナリストは敵ではない」と題した社説で「メディアを敵だと名指しすることは、2世紀にわたってアメリカが築いてきた市民社会を破壊する行為だ」と指摘しています。

首都ワシントンで、全国の新聞の紙面が展示されているニュースの博物館「ニュージアム」では、訪れる人が社説の一つ一つに見入っていました。

ネブラスカ州から訪れた男性は「政権とメディアは常に対立してきたが、トランプ大統領ほどメディアの評判を下げようと積極的に発言している大統領はいないと思う。この状況で、メディアがこうした社説を出すことで報道を守ろうとしているのは、当然のことだ」と話していました。

トランプ大統領「フェイクニュースメディアは反対勢力」

一方、トランプ大統領はツイッターに「フェイクニュースメディアは反対勢力だ。偉大なわが国にとってとてもよくない。だが勝つのはわれわれだ」と投稿しました。

そのうえで「私が望んでいるのは真の報道の自由だ。報道機関が書きたいことを自由に書くのはよいが、そのほとんどがフェイクニュースだ。政治的な主張をしたり、ただ単に人々を傷つけようとしたりしている」と書き込み、批判しました。

専門家「世界への悪影響を懸念」

アメリカの大手新聞社の元記者で、現在は言論の自由を守る活動を行う財団の会長を務めるジーン・ポリシンスキ氏はNHKの取材に対し、「不公平で正確でないメディアを指摘することは健全なことだが、ジャーナリストを国民の敵だと名指しして危険にさらすことは誰にとっても有益なことではない。憲法で報道の自由を守られているはずのアメリカのメディアが攻撃されていることが、世界中に悪影響として波及し、ほかの国でも権力者がメディアに介入しやすくなってしまわないか懸念している」と話しています。

マスコミの劣化 

マスコミの役割は、権力の監視。

民放の全国テレビで、不十分ながらも政権批判のスタンスを維持してきた、テレビ朝日の報道ステーション、それに昼のワイドショーが、ともに政権よりの色彩を濃くした(濃くなる予定)。前者はプロデューサーが、政権べったりの人物に代わり、後者はMCを担当する人間がネトウヨに人気の人物に代わる。久米宏が報道ステーションのMCをしていた時代から全くの様変わりだ。

政権は、テレビ報道に神経質で、テレビ局に放送内容について注文を度々入れる。今後、国政選挙、国民投票に際しては、それがあからさまになることだろう。放送局も、政府や安倍首相に問題があっても、「両論併記」しかしなくなる。国民には問題の所在が伝わらない。

これは、独裁国家の在り様だ。

(このポストを上げる前に書き加えておきたいのは、マスコミを十羽ひとからげに扱うのは、正当なことではないだろう、ということ。おそらく、右傾化する各組織のなかにあって、上からの圧力に抗しつつ、できる範囲で正しい情報を流そうとしているマスコミ人がいるはず。そうした人々によると思われる番組は、今後とも支持をして行きたいものだ。・・・残念ながら、そうした人々、番組が激減している。)

菅野完氏が、笑いを誘い、それでいて物悲しいtweetをしていた~~~。

菅野完事務所

ボクシング連盟の副会長の記者会見で「忖度が生まれたかも」って発言が出たら、どの記者も「それで許されると思ってんですか!?」と、えらい勢いよう詰めよる。

お前らなんでそれを内閣総理大臣にやれんの?なんで国有地売買での忖度にはそんなに優しいん?なんかビビってるん?それが忖度ちゃうん?

マスコミの使命は、権力の監視 

政府のスポークスマンである菅官房長官が記者会見で行う、望月衣塑子記者への応答が酷い。彼の答えは、二通り。「問題ない」か「担当部署へ聞け」の二つだけ。望月記者の質問事項は、国民として当然知りたいと思う政府見解である。それに対して、この紋切り型の意味のない返答は、応答を拒否することに他ならない。

菅官房長官は、望月記者の質問が始まると、司会者の官僚に目くばせする。すると、司会者は、「質問を簡潔に」とか「これで最後の質問にするように」と質問そのものを遮り、邪魔をする。これが、望月記者への決まった対応の仕方だ。

こんな記者会見は、ほとんど意味がない。

問題は、そうした状況を他の記者たちが、多くの場合見て見ぬふりをしていることだ。彼らは、記者クラブという同業の利益団体に護られ、それによって政府と「なぁなぁの関係」を続けている。望月記者の質問を、「跳ね上がり」とでも見ているのかもしれない。だが、それでは、記者会見は、政府の宣伝の場になってしまう。記者たちは、望月記者のように問題点に切り込むことが必要なのだ。そして、望月記者への酷い対応を批判すべきなのだ。

マスコミの人々すべてを十羽ひとからげに批判することはしまい。だが、現在、我が国のマスコミは、政府権力によって、ほぼ完全に権力監視の機能を剥奪されている。

米国のマスコミにも問題は多くあるが、政府寄りのマスコミであるか、そうでないかの違いを超えて、マスコミ活動への政府の干渉には団結して立ち向かっている。マスコミ記者、経営者が、政府と緊密な関係になることは厳格に禁じられている。マスコミ経営者が、安倍首相と定期的に会食を共にする我が国とは違う。

権力の暴走を止めるのは、マスコミの大きな使命のはずだ。奮起を期待したい。

以下、CNNのサイトから引用~~~

ホワイトハウスがCNN記者締め出し、競合他社が異例の団結
2018.07.27 Fri posted at 15:39 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米CNNのホワイトハウス担当記者が「不適切な質問」を理由に会見から締め出された出来事を受け、普段は競争の激しいホワイトハウス記者会が異例の団結姿勢を見せてこれに対抗している。

CNNのケイトリン・コリンズ記者は25日午後、主要テレビ局の代表記者として、トランプ大統領と欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長との会談を取材した。

この場でコリンズ記者は慣例に従って、ロシアのプーチン大統領やトランプ氏の顧問弁護士だったコーエン氏について質問した。トランプ大統領は答えなかった。

ところがこの後、コリンズ記者はホワイトハウスのシャイン次席補佐官に呼び出され、その後の会見には出席できないと告げられた。会談の場でのコリンズ記者の質問が「不適切」という理由だった。

CNNはこの措置について「報復的な性格」と位置付け、同業他社も深い懸念を表明した。

普段はCNNと対立する立場にあるフォックスニュースは声明を発表し、「自由で束縛されない報道の一環として、我々の記者が十分な取材をする権利のために、CNNと強く連帯する」と表明した。

NBCのケーシー・ハント記者はツイッターへの投稿で、コリンズ記者が全テレビ局を代表して取材していたことに触れ、「あれはテレビ局を代表する記者からの質問だった。つまり今回の措置は、ホワイトハウスを取材する全テレビ記者に対して向けられた」と指摘。同僚のハーリー・ジャクソン記者も「私が彼女の立場だったとしても、全く同じことをした」とコリンズ記者を支持した。

フォックスのキャスター、マーサ・マッカラム氏は「ホワイトハウス記者会のメンバーを禁止するのは間違っている」とツイートしている。

時の試練に耐えるもの 

カナダでのG7会合では、孤立するトランプ大統領と他の国々の指導者との橋渡しを安倍首相が行い、八面六臂の大活躍だったと、我が国のマスコミ(の一部)は報じた。また、米朝会談をシンガポールで行うことを安倍首相が進言したと、某国営放送の政権ベッタリ記者が述べた。どちらも虚報である。

このHboの記事が正確なところだろう。こちら。

我が国のマスコミが、さほどに事実と異なることを報じている、政権、安倍首相を持ち上げることに熱心であることは覚えておいた方が良い。マスコミの多くが、権力を監視し、批判する精神に欠けるばかりか、事実と異なることを報じている。もちろん、権力にしっかり対峙しているマスコミもある。そうしたマスコミを我々が支持して行くべきだ。

最近朝日新聞出版から刊行された『権力の「背信」』は一読に値する。森友・加計両疑惑をいかに取材したかということを、事実とともに丁寧に記載している。これらの事件は、政治行政権力の私物化、さらに公文書偽造・改ざん・廃棄という民主主義の根幹を揺るがす犯罪である。10、20年後に、何が起きたのかを正確に伝える基礎資料になることは間違いがない。こうして地道に取材活動を続け、社会正義の観点からスクープを連発してきた朝日新聞の取材は、のちのち高く評価されることになるはずだ。

虚偽を厭わず、権力の犬のように政権・安倍首相擁護の論陣を張るマスコミは、時の試練に耐えることができない。