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国は、社会的共通資本を破壊する 

種子法の意義、廃止の影響について、こちらの論考にくわしい。この論考では、種子法廃止の悪影響に関して玉虫色の表現になっているが、実際は、民間企業が種子産業、ことにコメの種子産業に算入しやすくするために種子法が廃止されたということだ。

グローバル企業がわが国の種子産業に参入したら、これまでわが国の風土に根差した優良品種を維持してきたシステムが持続できなくなる。また、遺伝子組み換え技術を用いた種子が売られることになる。

それを抑止するために、東日本の幾つかの県・道で、地方自治体が種子法の内容を確保するための条例を新たに制定している。西日本では、この鳥取県の条例制定が初めて。

本来は、国が率先して種子法の再制定をやるべきなのだが、国はグローバル企業への利便提供だけを考え、国民・地方自治体のことを考慮していない。国は、社会的共通資本を破壊する。

以下、引用~~~

種子法廃止で条例制定へ
04月22日 12時33分

コメなどの種子の生産を都道府県に義務づけた、いわゆる「種子法」が廃止されたことを受けて、鳥取県は行政が高い品質の種子を守る仕組みを維持するための県独自の条例案を早ければ6月の定例県議会に提案する方針を固めました。

「種子法」は、コメや大豆の高品質の種子を守り食糧増産につなげる目的で昭和27年に制定され、都道府県がこれらの種子を生産することを義務づけた法律ですが去年4月に廃止されました。

国は技術の向上で種子の品質が安定したことや民間企業の参入を促すため廃止したとしていますが、県内の農業団体などからは種子の生産に行政が関与する根拠が失われ、安定供給に支障が出るのではないかという懸念も出されていました。

このため県は「種子法」に代わる独自の条例を制定し、引き続き県が管理して種子の生産などを行い品質を守る仕組みを維持する方針を固めました。

県では来月、農業団体からの意見も聞いたうえで早ければ6月の定例県議会に条例案を提案することにしています。
県によりますとこうした条例は9つの道と県が制定してますが、鳥取県で制定されれば中国地方では初めてです。

漁業権を企業に開放 

安倍政権による、社会的共通資本の破壊は留まるところを知らない。

引用~~~

漁業権を企業に開放 70年ぶり大改正案 臨時国会の焦点に 政府、水産業の成長狙う 漁業者危惧、野党も反発
2018年11月26日 06時00分

 漁業への企業参入を促す漁業法改正案が、入管難民法改正案と並ぶ臨時国会の焦点に浮上している。地元漁協に漁業権を優先付与する規定を廃止し、沿岸水域の利用を企業に「開放」するもので、成立すれば約70年ぶりの大改正となる。だが「水産業の成長産業化に不可欠」と成立を急ぐ政府に漁業者は反発。野党も「沿岸漁業のあり方を根本から崩す法案だ」と批判を強める。

 「漁業者が将来に向けて安心して漁業に取り組めるよう所得を向上し、若者に魅力ある産業にしたい」。吉川貴盛農相は22日の衆院農林水産委員会で、改革の目的を説明した。

 漁業を取り巻く状況は厳しい。資源の減少で漁獲量は減少。世界的に増加傾向の海面養殖の生産量も日本は約98万5千トン(2017年)と振るわず、この10年で2番目に低かった。後継者不足も深刻で、就業者は九州7県で約4万5千人(13年)と10年間で3割近く減った。

 改正案は、こうした状況に歯止めをかけるのが狙いだ。都道府県が漁業権を付与する際の優先規定を廃止。漁場を「適切かつ有効に活用している」場合は漁協の継続利用を優先させるが、漁協が適切・有効に管理していない場合や、既存の漁業権がない場合は「地域水産業の発展に最も寄与」する企業などに漁業権を与える。

 政府が想定するのは養殖業への企業参入だ。企業の投資でマグロ養殖などが大規模化すれば、水産業が成長産業になり、従事する漁業者が増え、所得も上がる-とシナリオを描く。

 漁協からは懸念の声が上がる。ノリ養殖が盛んな有明海では、色落ちなどを防ぐため、一部の漁場を使わないなど漁協が生産調整をしてきた。佐賀県有明海漁協の徳永重昭組合長は「漁業者が共同管理し、生産調整してきたが、新規参入企業が空いた区画で勝手に作られると困る」と話す。

   ◇    ◇

 改革のもう一つの柱は資源管理の強化だ。魚種ごとに漁獲上限を定める漁獲可能量(TAC)制度は現在、サンマやクロマグロなど8魚種が対象だが、これを他の魚種にも広げる。漁船のトン数や隻数を制限してきた管理制度も、実効性を高めるため個別の漁船ごとに漁獲枠を割り当てる方式に改める。

 この方式では、資金力のある企業が多数の漁船を確保し、漁獲枠が集約される恐れもある。小規模漁業者でつくる全国沿岸漁民連絡協議会の二平章事務局長は「大きな事業者を有利にする制度変更だ。小規模事業者が淘汰(とうた)されかねない」と危ぶむ。

 野党は反発を強めている。5日の参院予算委員会で、国民民主党の徳永エリ氏は「空き漁場をつくり、企業や外資を参入させる。水産資源の利用による利益が、地域から外に持ち出されてしまう」と批判した。

 政府、与党は臨時国会での成立を目指すが、野党4党派は改正案が審議入りした22日の衆院農水委を欠席。入管難民法と並ぶ対決法案と位置付け、政府を追及する構えだ。

=2018/11/26付 西日本新聞朝刊=