介護を食い物にするのか? 

介護福祉士は、専門教育を受けるか、実地で経験を積み試験を受けて初めて取得できる資格だ。高齢者・障害者のケアをする、とても大切な仕事だ。

下記のニュースに記されている通り、過酷な労働と低賃金の負のスパイラルで、介護福祉士が現場で不足している。これから、高齢化社会がますます進行するのに、満足な介護を得ることが難しくなっている。何人か介護福祉士として仕事をしている方が知り合いにいるが、中にはうつ病を発症した方もおられた。

この問題を解決するために、「専門介護福祉士」制度をつくり、キャリアアップする道を示し、介護職離れを食い止めると、厚生労働省は決めたらしい。

介護職離れは、低賃金と過酷な労働条件からくるということが分かっているのであれば、その原因、とりわけ低賃金を改善することがまず第一に行うべきことではないのか。介護福祉士がより良い労働条件で仕事をし、介護を受ける方々にとっても良いことのはずだ。

それが、公的資格を新たに設けて、そこに向けて、さらに励めという。それが問題の解決になるのか。この公的資格取得に絡んで、何らかの天下り特殊法人が甘い汁を吸う段取りになるのではないか。だとしたら、二重の意味で許せないことだ。

以下、共同通信より引用~~~

厚生労働省は29日、高齢者施設などでケアに当たる介護福祉士について、認知症患者への対応など分野ごとに、上級資格である「専門介護福祉士」の制度を創設する方針を固めた。

 介護福祉士は「仕事がきつい割に給料が安い」とされ、人手不足に陥っており、厚労省はキャリアアップの道を示すことで介護職離れを食い止めたい考え。有識者研究会で今秋にも制度の詳細を詰める。

 介護福祉士は国家資格だが、新設の上級資格は日本介護福祉士会などの全国組織が認定する仕組みとなる見通し。認知症患者や障害者へのケア、サービス管理など複数の認定分野を設け、一定の実務経験と研修を条件とする方向だ。

 研修のメニューづくりなどに時間がかかるため、導入時期は2009年度以降とみられる。

 05年の厚労省の調査では、福祉施設で働く介護職員の平均月給は21万1000円で、勤続年数の違いはあるものの、全労働者の33万1000円を大きく下回っていた。離職率も高く、厚労省は仕事のマンネリ化を防ぐため、事業者間での人事交流なども検討する。

判事補研修 

司法研修を終え、判事補になって3年目にに、実務研修というプログラムが組まれているらしい。その一つに、医療コースがあり、病院研修が組まれているようだ。

医療事故が、民事裁判はおろか、刑事裁判で判断されることが多くなってきた現在、未来の判事に、医療現場の状況を理解してもらうことは大切なことだ。

私の出身校の同窓会誌に、その研修のことを後輩の教授が紹介していた。この病院研修は、2004年から行われるようになったようだ。医療コース自体、120名の判事補中50名前後が受講する、人気のコース。問題は、その内容だ。以前は3日間だったものが、今年はたったの2日間だったらしい。その内一日は、講義で、実務の研修はたった一日だけのようだ。これでは、小中学校の職場見学と同じだろう。

彼ら受講者は、CPC(clinico-pathological conference)の存在を知らなかったらしい。CPCとは、亡くなられた患者さんの臨床経過を、病理所見とつき合わせて、より深く理解し、場合によっては反省し、将来の診療に生かすという作業である。こうした作業を医師が行っていることに大いに驚いていたと、紹介文の筆者は記している。

法律の論理とは、別な論理・思考過程で行われる医療を、裁判で取り上げ、裁くのであれば、是非こうした研修を充実させていただきたいものだ。2,3日の研修では、ないよりはマシといった程度だ。できれば、医療問題を専門に扱う裁判官を養成するために、数ヶ月程度、産科・外科・救急医療の現場を中心に研修をしてほしいものだ。

新聞報道の問題・・・毎日新聞の大淀事件報道 

このブログの記事、新聞・マスコミ取材の問題を鋭く突いている。毎日新聞は、大淀事件報道の検証を是非行って欲しい。外部識者に、批判を多少させてお茶を濁してもらっては困る。信頼すべき新聞報道が、信頼に足らざるものになってしまうからだ。是非、自ら検証し、自己批判すべき点を明らかにして欲しい。

ここにお立ち寄りくださった方にも、是非、お読み頂きたい。「新小児科医のつぶやき」から情報を頂いた。

John W8FJ 

先週末はWPX CWだったので、無線機のスイッチは入れず仕舞いだった。週末無線から離れたこともあって、昨夜は、少しうきうきしながら、リグのダイアルを回した。

7メガは、S6,7程度のノイズ。25、26KHz付近で国内交信が聞こえるのみ。

それとは対照的に、14メガでは、ノイズが少なく、ヨーロッパと北米が同時に開けていた。太陽黒点数の多い時期とはさすがに違う。信号が頼りない。総体として、信号は強くなく、早い周期のQSBを伴っている。

John W8FJが、コールしてきてくれた。ペンシルバニアに住む62歳の獣医。あちらでのFOCメンバー達の活動振りを尋ねた。近くに住むFOCメンバーが、月に一度顔を合わせて、食事会をしている、それが楽しいとのことだ。N3RS、N3RD、W3NZ等々、10名近く集まるらしい。名目は、ワシントンDCでのFOCの集まりの準備のためのようだ。来月は、Fritz W3NZ 96歳の誕生祝いを兼ねて集まる予定らしい。96歳でハムを楽しみ、こうした社会的な活動をしているのは、素晴らしいこと。私からの祝いの言葉を伝えて欲しいと依頼する。

Johnのお嬢様が、最近獣医になられたようで、彼のオフィスで一緒に仕事をしている、とのことだった。彼女と、オフィスで、仕事のことを話したり、一緒に休憩を取ったり、とても楽しそう。お子さんが、同じ仕事を志し、一緒に働くほど楽しいことはあるまい。これからも一緒に仕事を続けて、オフィスを彼女に譲るのか尋ねたら、彼女は近々フィアンセと半年間の世界旅行に出かける予定で、その後のことは分からない、とのことだった。

私の子どものことを覚えていてくれて、具体的に質問してくれた・・・いつそんなことを話したか・・・オンエアーで・・・。

私の仕事のことに関して、「医療崩壊」の問題を手短に話し、近い将来、リタイアすることも視野に入れていると申し上げた。こちらの政府は、米国型の医療システムにすることを目指しているようだとお話した。それはよくない、あちらでも医師がManaged Careでの保険会社との交渉にうんざりして、若い時期にリタイアする傾向がある、状況を良く見極めて、決断することだろうね、と言っていた。彼は、お嬢様が戻ってこなければ、一緒に働く獣医を探そうと思っているとのことだった。

昨日は、米国では、MEMORIAL DAYの休日。朝食を摂ってから、奥様と出かけるとのことだったので、30分ほどで交信を終えた。

福島県立大野病院事件第五回公判 

下記の記述を読んで、臨床医の方は、どのような感想をもたれるだろうか。

他の新聞社等の報道を読んでも、多少内容は異なるが、私の感想は、基本的に変わらない・・・

一つには、これはCPCの報告なのではないか。死亡症例の病理所見と、臨床経過をつき合わせて議論し、臨床経過をよる深く理解する学問的な検討会そのものではないか、というのが第一の感想だ。これは、法廷にあって、法曹の方々が行なうべきことではない。

第二に、この事件で問題にされるべきことは、経過中に各々の時点で主治医が行なった判断が、刑事事件として扱われるべきかどうか、ということなのではないか。CPCのように、全ての情報が出揃ってからレトロスペクティブに行なう検討とは、質的に異なる問題なのではないか。

産科および救急医療を根幹から揺るがしたこの事件の行く末に、注目をし続けてゆきたい。

以下、共同通信より引用~~~

【2007年5月26日】
大野病院医療事故:鑑定医を証人尋問 癒着範囲めぐり攻防----公判 /福島

 県立大野病院で04年、帝王切開手術中に女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた同病院の産婦人科医、加藤克彦被告(39)の第5回公判が25日、福島地裁(鈴木信行裁判長)であり、死亡女性の子宮を病理鑑定した医師への証人尋問が行われた。当時の女性の胎盤の状況について、鑑定医は「胎盤が子宮の前壁部分にまで癒着していた」と、胎盤の癒着が広い範囲に及んでいたと証言した。

 鑑定医は、子宮の一部を採取したプレパラートを顕微鏡で観察し、子宮の前壁部分にも癒着の跡が認められたと証言。また「子宮筋層の2分の1程度まで胎盤が癒着していた」とし、弁護側が主張する「5分の1程度」を否定する見解を示した。

 一方、弁護側は鑑定書の補足説明の中で「プレパラートの一部で癒着が認められたら、その標本の採取部位全体に癒着胎盤があるとみなして範囲を推定した」という記述があることを指摘し、鑑定の信用性に疑問を投げかけた。鑑定医はこの日、「同じ標本の中でも癒着胎盤がある部分とない部分がある」とも証言した。【松本惇】

日本の医師数、OECD加盟30ヶ国中27番目 

上記タイトルの通りのデータが、出された。絶対数はすでに数年前から同じようなレベルにあり、医師数の増加率が低いために、他の国々と比べて、ますます少なくなっていることが示された。2020年には、30ヶ国中最低になる予想だ。この将来予想が、このニュースのポイントだ。

厚生労働省は、医師数は足りている、地域・専門の偏在だけが問題だといい続けてきた。彼らは、医師を増やすと、医療費が増えるというドグマに長年侵されてきた。『「改革」のための医療経済学』(Yoo ByungーKwang著、MCメディカ出版、2006年)に記されている通り、このドグマは誤りであることが、医療経済学的に実証されている。

医師数を増やすことに積極的でなかったのは、日本医師会も同罪だろう。彼らは、競争の激化を嫌って、医師を増やすことを強く主張してこなかった。地域医療の崩壊を、研修医の地方への配置で乗り切ろうという提言にもそれが表れている。

双方共に、優秀な官僚やシンクタンクがいる(ある)ので、医療費増加に占める医師数の役割が大きくないこと、医師数が先進国のレベルより格段に少ないことは分かっているはずだ。おそらく過去のドグマに引き攣られて、判断を変えようとしないように思える。

最近、政権与党が、参議院選挙対策として医師「不足」対策を公表している。なし崩し的に「不足」の文字が、入っているが、内実は「偏在」だと官僚は言い続けているようだ。こうした政策上の判断の誤りは、厳しく追及しなければならない。いつの間にか、「偏在」が「不足」に置き換わったということでは、官僚・政治家の無為無策を根本的に糾すことにならないからだ。

人口1000人当たり医師数が日本では2.0、OECD平均では2.9と大差ないように見えるかもしれないが、実際上、この差は大きい。3人で行う仕事を、2人で行うという問題ではない。ベースにある仕事上の要求が、2人でようやくカバーできるかできないか、という状況にあるのと、それ以外に、ほぼ一人分のマンパワーがある状況とでは、雲泥の差になる。また、米国等先進諸国では、メディカルクラーク等のコメディカルが充実しており、医師に雑用の負担がない、という点も大きな違いだ。日本の特に若手医師は、医療機関で雑用の山と格闘を余儀なくされている。

さつき 無伴奏1番プレリュード 

仕事場の花壇、さつきが咲き誇っている。

バッハの無伴奏1番プレリュードを、仕事の合間に、ちょこっと弾く。こころ落ち着く時間。

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名曲喫茶ミニヨンの室内楽演奏会 

昨日は、以前のエントリーでご紹介した、名曲喫茶ミニヨンに室内楽を聴きに出かけた。荻窪駅の近くらかったので、電車で出かけようかとも思ったが、ついつい車での移動の誘惑に勝てず、常磐道から首都高へ。開演数分前にようやく到着した。

幹線道路から少し入ったところにある、ありふれたビルの2階。せいぜい20坪程の広さ。左手にカウンター、右手前が演奏スペースになっており、小さなグランドピアノが設置されていた。到着したときには、その室内に、数十名の聴衆がひしめく様に並べられた折りたたみ椅子に座り、開演を待っていた。その最前列に、エキストラの座席を用意して頂いた。年配の聴衆が多いことが目に付いた。

演奏者は、東京ベートーベンクワルテットという団体のメンバーと、招待ピアニストによるピアノトリオ。主宰されているチェロの奈切敏郎氏は、この春、日フィルを定年退団し、室内楽の演奏活動や指揮活動に専念されるようになったらしい。今回の演奏会、月一回行なわれる314回目の定期演奏会ということなので、既に30年前後続けておられるようだ。比較的高齢の聴衆は、きっと昔から聴いてこられた常連の方々なのだろう。

演奏曲目は、ベートーベンとメンデルスゾーン各々のピアノトリオ1番。
ベートーベンは、若々しい力があふれた作品。メンデルスゾーンの方は、ピアノトリオの定番、彼特有の感傷と、かろやかな曲想に満ちた佳品。メンデルスゾーンは、大学時代から何度か弾いたことのある作品だったので、懐かしかった。

室内楽の生の演奏を聴くことは、しばらく振りのことだった。ピアノトリオという、特に弦の奏者にとって、ソリスティックな力量が求められるジャンルだったからかもしれないが、力のあふれた演奏だった。弱奏の指示のある部分でも、決して音量を落とすのではなく、音をやわらかくすることで表現しようとする。

音楽の生命というべきものを、演奏者が紡ぎだしてゆく様は、荘観ともいえるものだった。やはり音源で聴く演奏とは異なり、生演奏の与える刺激は深く、強い。音楽には、それ自体生命というべきものが確かにあることを、改めて感じさせてくれた。演奏者の息吹が感じられる、室内楽の演奏に接することができるのは幸せなことだ。

ルツェルン祝祭管弦楽団による「復活」 

アバドが、ルツェルン祝祭管弦楽団を指揮した、マーラーの「復活」をDVDで観た。

ルツェルン音楽祭は1930年代に始まったもののようだ。学生時代、FMでクラシックをエアーチェック(死語(笑))していたころ、この祝祭管弦楽団の名称は良く耳にした。

「復活」は、文字通り、復活を求める精神的な遍歴を音楽で表現した音楽だ。マーラーの後の交響曲に比べると、病的な部分があまり表に出ていないような気がする。しかし、このテーマは、マーラーが生涯追究したもの。死からの救済を求めて彷徨う様子が描かれている。

メッツォソプラノが、お前が無駄に生まれたのではないことを信じなさいと謳い、その後ソプラノが、いたずらに生き苦しんだのではないことをと歌い継ぐ下りでは、あまりに直裁な表現に驚きつつも、大いに慰められるところだ。マーラーは、音楽の美しさのなかに、自らの救いを求め、表現したのだろう。

オケの演奏は、素晴らしく、アバドも奇を衒うことなく、マーラーの不安と救済の物語を、このオケに謳わせている。2003年夏、アバドが、病を得る前のことだったのか。それと、演奏終了後、舞台上で演奏者達が、演奏の成功を互いに祝福しあうように抱擁しあっている姿にも、ぐっとくるものがあった(こんな所にこころを動かされる私って、単純・・・笑)。管弦ともに、名の通ったソリスト達がいて、熱心に演奏していた。

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自治体立優良病院の表彰 

地域医療に重要な役割を果たし、経営が健全な自治体立優良病院を、総務省が表彰したようだ。

これらの病院の昨年の経営状態諸指数は、総務省のデーターベースで検索できるが、経年変化は分からない。昨年の経営状態をざっと見たところでは、経常指数が105から107%程度であり、驚くほど良好とは言えないようだ。

きっと、経常指数だけではなく、地域医療に果たした功績が大であるとして表彰されるのだろう。それはそれで結構なことだ。

昨年も、五つの病院が同様に表彰されていたが、今回の表彰病院とは一つも重なっていないように記憶している。昨年の表彰病院の、富士市立病院の経営状態は、そのサイトのデータからすると、年々右肩下がりに下がってきていた。即ち、この2,3年の内に、赤字に転落する状況だったのだ。今回の表彰病院は、過去5年間黒字経営を続けてきているとのことだが、多くはかなり厳しい状況なのではないかと推測される。

黒字を確保することが、表彰の一つの条件になっているということは、黒字確保が自治体立病院にとって如何に厳しいハードルなのかが分かる。病院経営の問題だけなのだろうか。

以下、共同通信から引用~~~

【2007年5月24日】

 総務省は23日、地域医療に重要な役割を果たし経営が健全な2007年度の自治体立優良病院として、山梨県の都留市立病院、愛知県の豊川市民病院、香川県の土庄町国民健康保険土庄中央病院、福岡県の町立芦屋中央病院を大臣表彰すると発表した。

 4病院は過去5年間、黒字決算。表彰式は24日午後、東京都千代田区の日本都市センター会館で行われる。

研修制度は、誰のためにあるのか? 

新研修制度が、手直しされるようだ。

研修条件の良い都市部に、研修医が集中するのは、当然のことだ。医師になって、最初の数年間は、その後の医師としての技量を左右する大切な期間。その期間、研修効果の上がる研修施設で研修をしたいと、誰でも思うだろう。

ところが、地域医療が崩壊しつつあるから、研修医を地方の研修施設に強制的に行かせるために、都市部の研修定員を制限するのだという。

これは発想が逆ではないのか。地方の研修施設での研修を魅力的なものにすることがまず第一に行うべきことではないのか。研修施設で中堅どころの医師が、懇切丁寧に研修医を指導できる余力を持たせること、様々な雑用を研修医のみならず指導医も含めた医師に押し付けぬシステム・人員を配置することをまず行うべきではないのか。

地方の基幹病院・大学病院を、研修医が魅力的と考える施設に変えることを、行政当局は考えるべきではないのか。都市部での研修人数を制限するというのは、安易過ぎる。

以下、共同通信から引用~~~

地方の医師不足の一因になっていると指摘されている臨床研修制度をめぐり、政府、与党が受け入れ病院の総定員を削減する方向で検討していることが24日分かった。研修医が集中している大都市圏の定員を減らすことで、研修医を地方へ誘導する狙い。地方も削減される可能性はあるが、現在でもかなりの定員割れの状態で問題は生じない見込み。

 現在、受け入れ先の定員の合計は研修を予定する医学生らの約1.3倍と多め。このため大都市圏では定員通り確保している病院が少なくないが、研修医が1人もいない地方の指定病院もある。定員減で大都市部での受け入れ数が減れば、その分地方に研修医が回るためで、併せて研修後も定着することを目指す。

 2004年に現在の形となった臨床研修制度では、研修予定者、厚生労働相が指定した受け入れ病院双方の希望を擦り合わせて研修先が決まる(マッチング)。ことし4月からの研修先を決めた昨年10月のマッチングでは、病院の受け入れ定員計1万1306人に対し、登録した医学生は8402人、研修先が決まったのは8094人だった。

 定員のうち配置が決まった割合(充足率)を都道府県別にみると、高いのは東京90・1%、京都88・8%など。一方、低いのは新潟39・8%、鳥取40・0%などだった。

 定員は、医師数や患者数に応じて厚労省が上限の基準を設定。これに基づき各病院の診療科やコースごとに決める仕組みで、基準の見直しなどで削減は可能だ。

 日本医師会は、医師不足の原因について「臨床研修制度が一番大きな問題だ」と指摘し、定員の3割削減を提案している。

 厚労省が昨年春に臨床研修を終えた医師を対象に実施した調査では、大都市圏に多い市中病院は「雰囲気がよい」「症例が十分」などの理由で満足度が高かったが、大学病院は「雑用が多い」「待遇が悪い」など不満の方が多く、大都市部に集中する傾向を裏付けた。

▽医師臨床研修制度

 医師臨床研修制度 医学生が医師免許を取得した後の2年間、医療の現場で診療経験を積む制度。将来の専門分野にかかわらず一般的な負傷や病気に対し適切に対応できるよう基本的な能力を身に付けることを目指す。厚生労働省は2004年度から義務化。従来の制度では出身大学の医局に残る例が多かったが、臨床研修制度導入に際し学生と病院の希望に応じて研修先を決める制度「マッチング」を導入した。

Drew and Loren 

今夜の7メガは、とても静かだった。これは、ノイズが少ないための静けさではなく、CONDXが悪いために何も聴こえぬ静けさだ。何度か繰り返したCQにようやく応答してくれた、Drew VK3XUは、SSBの混信さえも無いと言って、笑っていた。確かに、いつもはS9のDrewなのだが、今夜は、せいぜいS8までしか振らず、QSBの底では、ノイズレベルにまで落ちてしまう。

Drewによると、Loren Hollanderというピアニストが、ニューヨークから7メガに出てくるらしい。コールは、WA1PGBだったかな・・・とうろ覚えの様子。

ググッてみてくれと、Drewが言うので、交信終了後、早速検索をかけると、結構ヒットする。プロのピアニストが、ハムをやっている、それもCWという旧いモードに出てくるとは面白い。Starker等、錚々たる音楽家と肩を並べて、名前が記されているので、かなり名の通ったピアニストなのだろう。

Lorenが、Drewに、最近コンサートの聴衆が少なくなったとぼやいていたと、Drewから聞いて、可笑しいような、笑ってはいけないような、複雑な気持ちであった。是非、お空でお目にかかりたいものだ。

総合科、標榜科目 

厚生労働省という役所は、医療現場を右往左往させることをするのを、本領としているかのようだ。開業して、行政と直接あい見えることになってから、特にその感を強くする。

彼らの施策には、しばらく前は、医療システムを保持する、改善するという視点があったように思うが、小泉政権以降は医療費削減が彼らにとっても至上命題だ。

【総合医導入の思惑】

入院病床を減らすために、患者さんを病院から自宅に送り返し、在宅でケアする必要が出てきた。それを担当する開業医に、総合医という資格を行政が与え、その診療報酬を手厚くしよう、というのが、厚生労働省の今回の発案だ。患者さんが病院に殺到し、勤務医が疲弊しているのを、開業医に24時間診療させることにより、改善するというのが、もう一つの、この制度の目的らしい。

開業医を、勤務医の労働条件に「下げる」という発想自体が、誤りであることは既に述べた。また、総合医が生まれたら、勤務医が天国のように楽になるかは大いに疑問。むしろ、勤務医が開業する道を閉ざすことが真の目的であるように思える。勤務医のことを考えたら、これまでも他に出来ることは沢山あったのだが、何一つ手を打ってこなかったのだから、こう思われても仕方あるまい。

【総合医資格認定の問題】

総合医という資格の導入は、専門的な医療を望む国民の志向から外れている。また、本当に各科に渡る専門知識・技術を持つ医師を育てるのは、一つの専門領域をマスターさせることよりも難しい。時間もかかる。この資格導入の一番の問題は、厚生労働省が資格認定をするという点だ。厚生労働省の医系技官は、臨床経験を殆ど持たない医師が多い(臨床経験が短い医師を募集している)。その厚生労働省が、どうやってこの最も臨床に関わる資格の認定を行えるのか、大いに疑問だ。恐らく、手を挙げた従来の開業医に、形式的で簡単な研修を受けさせて、総合医資格を与えることになるのではないか。もっと勘ぐれば、その認定のための特殊法人を立ち上げて、そこで甘い汁を官僚とそのOBが吸おうとしているのではないか。日本医療機能評価機構の出鱈目さを見るにつけ、そうした疑いを持つ。

また、この総合医制度も、出発点は、医療費削減だ。家族に介護看護を担当させ、それにかかる医療費を削減する。出発点では、総合医に、わずかな収入の上乗せをしたとしても、在宅医療が受け入れられたら、その上乗せをピンはねすることは、官僚の常套手段である。患者・家族のこと、それに医療従事者のことを考えてのプランでは決してない。

【標榜科目の整理?】

標榜科目の整理と言えば聞こえが良いが、何をしたいのかさっぱり分からぬ。

一般的なものと専門性の高い診療科が混在しており、患者・国民にとって分かりやすいものとなっていない」

から・・・

いわゆる基本的な領域と専門性の高い領域を組み合わせることを提案した。

そうだが、どこが違うのだろう。確かに、科目数は減らされた。しかし、多く標榜されていた心療内科といった科目を、思いつきで無くして良いものか。九大等には心療内科という講座もあったのではないか(大学院大学になって、長ったらしい講座名に変更されたのか・・・)。総合科という良く分からぬ標榜科目を新設するに当たって、それだけでは格好がつかないからと、既存の科目名を弄ったというのが本当のところなのではないだろうか。

標榜科目を弄ってみたところで、専門性の内容が変わるわけではない。

以下、じほうから引用~~~

【2007年5月23日】
 厚生労働省は21日、医道審議会医道分科会診療科名標榜部会を開き、標榜科目の表記方法の見直しと、総合的な診療能力を備える医師が標榜できる「総合科」の新設に向け、議論を開始した。
  この日の部会に厚労省が示した「たたき台」では、現行で医科33の標榜科目を、内科など20の「基本的な診療領域」に整理、それと「専門性の高い診療科領域」とを組み合わせる仕組みを提案した。さらに、厚生労働相が許可する診療科目として、現行の「麻酔科」に加え、「総合科」の新設も盛り込んだ。たたき台では総合科について、「一般概念が幅広いため、“当面”は厚労省が標榜できる医師の資格を個別認定することとする」と明記した。
  たたき台では現行の標榜診療科名について、「一般的なものと専門性の高い診療科が混在しており、患者・国民にとって分かりやすいものとなっていない」と問題視。適切な医療機関の選択につなげるため、現行の標榜科目を、いわゆる基本的な領域と専門性の高い領域を組み合わせることを提案した。
  総合科については、「狭い専門領域の専門ではなく、内科、小児科などの幅広い領域について、総合的かつ高度な診断能力を有する診療科」と明記。いわゆる総合医には、<1>内科、小児科を中心に診療科全般に高い診療能力<2>基本的な予防、治療、リハビリテーションまでの過程で、継続的に地域の医療資源を活用する能力-を求めた。

大淀病院事件民事提訴 

奈良県立大淀病院の事件で、遺族は、町と主治医を民事提訴した。

母体を救命できなかったことは、残念なことだったが、これまで明らかにされた情報では脳幹部の大出血であり、救命はもともと難しかったケースのようだ。当初、子癇との鑑別の問題もあったが、大淀病院で対処し難い症例だった。

また、19の医療機関に受け入れを「断られた」と報道されているが、これも正確さを欠く。産婦人科・新生児集中治療・麻酔科等のスタッフが十分いて、このように母児ともに深刻な状況にあるケースを対応できる施設が、国立循環器センターしかなかった、他の施設では「受け入れることが不可能だった」ということだ。「断った」のは事実だろうが、それだけでは、正確な報道と言えない。

町と主治医を提訴したらしいが、何故病院ではないのだろうか。病院の管理体制・産婦人科の診療体制が問題になるはずで、提訴するならば、病院相手にすべきではないのか。

このケースが、民事提訴されることだけでも大きな衝撃だが、万一、被告側が負ければ、地域医療の産科医療は文字通り不可能になるだろう。この事件の毎日新聞のスクープが、この病院のみならず、奈良県南部の産科医療を「ゼロ」にしたことを忘れてはなるまい。

この裁判に注目をし続けて行きたい。

以下、NHKニュースより引用~~~

この問題は去年8月、奈良県大淀町の町立大淀病院で、高崎実香さん(当時32歳)が出産中に脳内出血で意識不明となり、ほかの19の病院に受け入れを断られて大阪の病院まで運ばれた末、8日後、死亡したものです。訴えを起こしたのは、夫の晋輔さん(25)と、実香さんが意識を失った中で出産した長男で生後9か月の奏太ちゃんです。訴えによりますと、実香さんには頭痛やおう吐に続いて突然、意識を失うなど脳内出血を疑わせる兆候があったのに、産婦人科の主治医は詳しい検査を行わず、転院を決めるまで少なくとも1時間半、放置したと主張しています。そして、医師の対応の遅れが容体を悪化させ、死亡につながったとして、病院を運営する町と主治医に損害賠償を求めています。原告の晋輔さんは、請求した金額は明らかにしませんでしたが、記者会見で「今一度、真実をはっきりさせてミスを認めていただき、謝罪してほしい」と話しました。訴えについて、町立大淀病院の原育史院長は「今後、司法の場で明らかにしていきたいと考えています」というコメントを出しました。

思い遣り予算・・・沖縄 

在日米軍への思い遣り予算は、Wikipediaの記述によると、年額2300から2400億円でこの10年間程度一定している。バブルの時期よりも、むしろ増えていることに驚かされる。実際は、外務省のODA予算と同じく、沖縄の米軍基地日本人従業員給与の他、日本企業が引き受ける米軍関係の仕事への支払いに用いられているようだ。財政再建を唱える政府が、なぜこの予算の削減に手をつけないのか、大きな疑問だ。

今現在、沖縄の辺野古では、普天間飛行場の移転先の滑走路建設のために防衛施設庁が調査に入り、大きな反対運動が起きているようだ。政府は、5000トンクラスの海上自衛隊艦船を派遣して、威圧しているらしい(久間防衛大臣の国会答弁では、いかなる事態にも備えるためらしい・・・それにしても、5000トンの軍艦を、自国民に対して派遣するのが自衛隊の職務なのか)。政府は、米軍への思い遣り予算という札束で、沖縄の人々の頬をひっぱたくようなことは止めるべきだ。第二次世界大戦以来、戦場となり、その後占領され、軍事基地で酷い生活を強いられてきた沖縄の人々に、思いを馳せ、政府の愚行を止めさせなければならない。

財務省は、社会福祉予算をさらに1兆1千億円削減する方針を打ち出した。公的保険の制限と、公平な負担も、予算案に盛り込む積りらしい。この思い遣り予算とは対照的に、社会福祉への思い遣りは、持ち合わせていない様子だ。

思い遣り住宅一戸8000万円! 

先ほど、テレビ中継されていた参議院外交委員会の討論でちょっと耳にしたことだが、グアム島の米軍家族住宅の一戸当りの見積もりが、8000万円ということらしい。日本からグアムに移転する米軍家族のために建てる費用を、一旦日本政府が立て替え、その後「50年間」かけて返済をしてもらうものらしい。

米軍が移転する費用も勿論日本が出し、その上に、この大盤振る舞いである。

その同じ政府は、自然災害で家屋を失った国民に、一戸8000万円する家を、50年融資で建てたか?狭苦しいプレハブに、被災市民を押し込み、数年間でそこを追い出す政策を取っているのではないか。

社会福祉が、高コスト構造だなどと、同じ政府が言っている。何かがおかしい。

ブラームス チェロソナタ1番 

最近、睡眠薬代わりの音楽が、この曲。バルトロメイというウィーンフィルの奏者と、乾さんという日本人ピアニストの演奏。

この曲は、数あるチェロソナタのなかでもとりわけ思い出深い曲だ。学生時代、オケに入って早々の夏合宿。合宿の打ち上げの部内演奏会。上手なチェロの先輩が、この曲の1楽章を弾いたのだった。

初秋を感じさせるやわらかな日差しが、レースのカーテン越しに差し込むホール。第一楽章は、低弦でモノローグのような第一主題で始まる。ピアノが後打ちの和音を刻むなか、高弦に移り、Cの音まで上り詰める。が、鬱屈したエネルギーは、そこで解放されることなく、下降音型に移行し、主題提示を終える。第二主題は、一転して、激しく何かを希求するような旋律。大規模な展開部を経て、同じ調性・音域で第一主題が再現される。ピアノが美しいアルペジオで、その主題に彩を添える。木漏れ日の日差しが、揺れ動くように、玉のようになって、演奏者達に降り注ぐ。

といった具合に、この曲を聴くたびに、まるで昨日の出来事であるかのように、その部内演奏会の情景を思い起こす。音楽は、情動の最も奥深いところに作用する、と音楽療法のテキストに記されていた。だからこそ、こうした記憶をまざまざと蘇らせてくれるのだろう。この音楽は、青春時代の彷徨する精神を表現しているような気がする。だから、あの時に、私のこころに深く静かに入り込んできたのではないだろうか。

その後、大学の高学年になって、この曲を必死でさらい、某女子大(笑)の学園祭で全楽章を弾いたことがあった。単に弾いただけで、音楽的な達成度は、何とも言えない・・・無謀なことをしたものだ。

バルトロメイの演奏は、派手さがなく、所謂ソリスティックな表現力には欠けるきらいがあるが、この渋い音楽には、適切な奏者といえるのかもしれない。聴き返すほどに、滋養に富んだ深い味わいを聞くことができるような気がする。

この曲の演奏は、いろいろと聴いたが、ヤーノシュ シュタルケルが、シェベックと共演した録音が、私にとって一番の演奏だ。素晴らしい技巧に支えられて、この曲の緊張感と歌心を弾き切っている。

誕生日 

恥ずかしながら、今日が、50ウン歳の私の誕生日。

昨日、Boston近郊に住むBill K1YTから、誕生祝いのメールが届いていた。祝いの言葉に添えて、彼と彼の家族の近況が記されていた。障害を抱えた息子さんの教育に奔走しているらしい。無線は、アクティビティが少し落ちたが、7メガの2エレ等アンテナを建てて、また活発に楽しむ積りだとあった。ニューイングランドの清々とした微風を運んできてくれたようなメールだった。

家族からは、ゴルフの入門書・エクササイズの本・お茶の本の贈り物だった。ゴルフをやってみようかと、思いつきで言ったものを覚えていてくれたらしい。ウォーキングも続かないほど不精だし、わざわざゴルフコースまで出かけてゆくこともないのではないか・・・と思ったが、ありがたく本を読ませて頂こう。

永六輔氏が、ラジオ番組などでよく言っておられることだが、誕生日は、母親に感謝すべき日なのだろうと思う。10ヶ月、重たいお腹を抱え、さらに文字通り危険を伴う分娩出産という事業を成し遂げてくれたことに思いを馳せるべきなのだろうと思う。お産による母体死亡率は、確か10万出生中6人程度(アフリカの開発途上国では、現在でも10万出生中1000人以上の母親が命を落としている)。さらに、250人のお産の内一人は、命に関わる合併症等を経験するという(これは、最近学会から報告されたわが国の数値)。生まれてくる子どもを、いとおしみ、産むという事業を引き受けてくれる母親は偉大だと、本当に思う。

付け加えるようになって申し訳ないが、その母親の分娩出産という事業を、サポートする産科医・産科医療機関のスタッフにも感謝の気持ちを抱く。産科の医療システムは、社会が守ってゆかなければならない、社会的なインフラストラクチャなのだ。

今日は、帰ったら、老母と話をしてみよう。

研修医再奴隷化計画 

官僚・政治家諸氏よ、地域医療が何故崩壊しているのか考えようとしないのか。強制的に義務化して確保して供給するって、家畜か奴隷を扱うような発想だ。研修医に対する人権の意識・教育的な配慮はないのか。医療崩壊の現状を直視し、根本的な対策をとろうとする見識はないのか。

研修医・医学生諸君、君達は、政府与党の選挙対策に利用されようとしている。何故怒らないのか。昔の大学病院での奴隷のような生活が、再び訪れようとしている。

地域医療を受ける皆さん、研修終了直後の経験のきわめて乏しい医師から医療を受けることになるそうだ。これで良いのだろうか。


以下、引用~~~

研修医、拠点病院に集約 修了後へき地に 政府与党検討
asahi.com 2007年05月19日
http://www.asahi.com/health/news/TKY200705180326.html


 政府・与党は18日、医師の不足や地域間の偏在を解消するため、大学卒業後の研修医の受け入れ先を地域の拠点病院に限定し、拠点病院にへき地への若手医師派遣を義務づける方向で検討に入った。従来、医師を割り振る役割を担ってきた大学医学部が、04年度の新しい臨床研修制度の導入をきっかけに機能しなくなってきたため、地域医療の中心になる拠点病院に代替させる狙いだ。

 政府・与党は同日、医師不足対策のための協議会を発足。100人程度の医師を国立病院機構などにプールし不足地域に緊急派遣する対策とともに、拠点病院からの派遣策について具体的な検討を進め、6月の骨太方針に盛り込む方針だ。

 これまで新卒医師の7割以上は大学医学部の医局に在籍して研修を受け、強い人事権を持つ教授と地元病院などとの話し合いで決められた医療機関に派遣されることが多かった。

 だが、新臨床研修制度の導入で原則として医師が自分で研修先を決められるようになり、実践的な技術を学べる一般病院を選ぶ医師が急増。都市部の病院に研修医が集中する一方、地方では定員割れの病院が続出し、へき地に医師を派遣するゆとりがなくなった。

 政府・与党は、現在年1万1300人分ある研修医の定員総枠を、研修医の総数8600人程度に削減することを検討。都市部を中心に定員枠を大幅に削減することで、地方への研修医の流入を促進するとともに、受け入れ先を地域の拠点病院に限定する。

 そのうえで、拠点病院に対して、研修の終わった若手医師を医師不足が深刻な地域に派遣することを義務づける。勤務を終えた医師には拠点病院でのポストを約束することで、若手医師の理解を得たい考えだ。都道府県が条例などで拠点病院に医師派遣を義務づけられるようにし、医師の供給を確実にすることを目指す。

 このほか、長期的な対策として、一定規模以上の医療機関の院長(管理者)になる条件にへき地勤務の経験を盛り込むことや、都道府県が地元出身の医学部生に出す奨学金に国が財政支援する案も浮上。卒業後、地域医療に10年程度携われば、奨学金の返済を免除することなども検討する。

政府の「選挙用」医師不足対策 

安倍首相の美しい国を実現するために、医師不足・偏在対策を政府与党は打ち出すらしい。繰り返しの内容になるが、批評を・・・


【2007年5月18日】

 地方や小児科、産科で深刻化している医師不足問題に関する政府・与党協議会の初会合が18日午前、安倍晋三首相が出席して首相官邸で開かれた。首相は「医師の不足、偏在を訴える声が地方に強い。どこに住んでいても安心して生活できる基盤をつくっていくことが政府、与党の重大な使命だ」と強調した。

どこに住んでいても安心して生活できる基盤を作るとはよく言ったものだ。市場原理主義に魂を売り渡し、中央(官僚と政治家)・大企業が潤えばこと垂れりとする政策を次々に打ち出しておいて、この言い草はない。医師不足の原因を、なぜ追究しないのだ?

 与党は今月末を目標に新たな重点対策の取りまとめを急いでおり、政府、与党として6月上旬に結論を出し、同月策定の政府の「骨太の方針」に盛り込む方針。参院選で公約の「目玉」として打ち出す。

これほど深刻な医療危機になるまで放っておいて、1,2週間で取りまとめて「骨太の方針」に盛り込むのか。どこが骨太なのだろうか。思いつきのごまかし策ではないのか。今朝、マスコミが、政府の医師不足対策・医師「確保」策の概要を報道していた。研修医募集枠を都市部で限定する、研修終了後の僻地勤務の義務化といったことのようだ。研修医をターゲットにして、研修が十分できない地方に強制的に追いやり、たった2年間の研修を終え次第、僻地に一人で放り込む、何でもやらせるという新たな研修医哀史の始まりである。そして、何も出来ない、何も経験していない研修医を送り込まれる僻地の人々がもっとも不幸になる。

政府が行うべきことは、何故地方医療が崩壊したのかを検討し、それにたいする抜本的な対策を講じることではないのか。後期研修医を、神風特攻隊のように僻地に送り込むことは許されない。

 会合では、厚生労働省が、医師の不足、偏在の背景には、病院勤務医の過重労働や、女性医師の出産、育児による辞職があることなどを説明した。県庁所在地など都市部では医師数が多く、郡部では少ない偏在傾向が明らかになっている。

まだ、偏在と言い続けるのか(不足という言葉も、併用するようになっている・・・偏在だけでは説明しきれない、と観念したのか。ずるいやり方だ)。OECDの統計で、単位人口当たりの医師数が、先進国の平均の2/3であることは無視するのか。女性医師が、退職してゆくのは、勤務が過酷だからではないか。病院勤務医が過重労働しているのが分かっていたら、なぜそれを根本的に解決しようとしないのか。開業医を勤務医と同等の過酷な労働条件に置く、新しい政策を取り、勤務医を開業させぬように企んでいるらしい。年配の医師が多い開業医は、恐らく、リタイアを早める。すると、勤務医はさらに過重な労働を強いられることになり、地域医療はより疲弊する・・・このような道筋がはっきり見えるのに、官僚と政治家はお構いなしだ。

 協議会メンバーは、柳沢伯夫厚労相、伊吹文明文部科学相ら関係閣僚のほか、自民党の中川秀直幹事長や公明党の太田昭宏代表ら与党幹部と、自民党の鈴木俊一、公明党の福島豊の両社会保障制度調査会長ら担当者。

国立病院機構の地域への医師派遣が、半年で破綻したと、昨日報道されている。このプランも、選挙までの見せ掛け公約だろう。実現しないことは確実だ。選挙が終われば、地方重視政策・医療危機への対策など忘れ去れらることだろう。選挙の直前に甘いことを言う政治家共には、苦い水を飲んでいただくことが一番だ。

天下りの弊害 その2 

とある顔見知りの製薬会社の営業マンが、自社の製品(いわゆる後発品)が、この夏にようやく認可されて発売されることになったと嬉しそうに報告に来た。彼の会社は、中規模の後発品をメインに製造・販売している会社だ。

他社から、全く同じ内容の薬がすでに1年前に販売されている。実は、その製品も、上記の営業マンの会社の今度認可された製品と同じ製造元なのだ。昨年、同時に販売認可を申請したのだが、同じ製造元の同じ製品なのに、他社の方が1年先に認可されたというわけだ。

どうしてそんなことになるのか彼に尋ねた。「厚生労働省からの天下りを受け入れているかどうかの違いです。」という返事。

そういえば、インフルエンザ薬でも同じ話があったなと思い出した。有名なタミフルと同様の作用機序の薬にリレンザという薬がある。タミフル販売元の製薬会社は、新薬発売認可申請担当の重役に、厚生労働省の天下り官僚を受け入れていたために、異例の速さで発売の認可が下りたという専らの噂だ。

こうした事例は、明らかに天下り官僚による、製薬会社への利益誘導ではないだろうか。

同じ問題が、薬価の設定にもあると彼は言っていた。同じ後発品でも、価格が異なるものがある。その価格設定に、天下りを受け入れているかどうかが関わってくるということのようだ。

薬害の問題が生じた時に、監督官庁の厚生労働省から、製薬企業への天下りは好ましくないというコンセンサスが得られたはずだが、実態は変わっていない。官僚は、天下りによる個人的な利益を得、製薬企業は薬価設定や発売許可で便宜を得て大きな利益を得る。これによって、薬価が高止まりし、医療費の無駄を生んでいる可能性が高い。また、必要な薬の認可に時間がかかり、それを使うことができない不便さも患者には押し付けられているのではないか。

今冬、タミフル問題が出現したときの、厚生労働省のおかしな対応は、製薬企業と裏で繋がっているため、と考えれば納得がいく。官僚の天下り、ことに監督していた業種への天下りは絶対やめてもらわなければならない。

デイトンへの道 

一昨日、夜、14メガが北米に開けていた。今週末、オハイオのデイトンで開かれるハムの集まりに向かっている方、お二方と交信した。

一人は、Ron W4/G3KTZ。強力。ケンタッキーのBill N4AR宅に滞在中の様子だ。二人ともFOCのメンバー。Billの信号をしばらく聞いていなかったので、様子を伺う。乗馬の趣味に、まだ没頭しているらしい。7と3.5のビームは、降ろしたまま。タワーが沢山建っている(10本近く?)ので、見上げていて、首が痛くなってしまったとRonは冗談混じりに言っていた。英国の自宅では、恐らくベアフットにワイアーアンテナだろうから、Billの設備に興奮されるのも分かる気がする。Ronは、既にW4CK宅を訪れ、N4AR経由でデイトンに向かうらしい。Billは、内科医で、昔は出勤前に7メガに出現し、しばしお話をさせていただくことがあった。私の母親を、当時自分で診ていたので、ジギタリス剤の用い方などを、オンエアーで教えていただいたものだった・・・また、カムバックしてきて欲しいものだ。Ronには、旅の安全を祈ると申し上げて、お別れした。

その後、少し上のほうで、Jim N3BB/Mから呼ばれた。テキサスの彼の自宅からの信号は、いつもビッグガンのそれなので、弱い信号の彼を聞くのは初めてだ。デイトンに向かって、W0を走行中らしい。彼は、リタイアしたエンジニアで、奥様とテキサスで過ごしておられる。10年以上前、東京のハムフェスティバルにお連れしたことが一度あった。とても気さくな方で、コンテスト・ラグチュー共にアクティブ。奥様は、無線だけの旅行は厭だといって、一緒に来られなかった由。車の中では、/M、デイトンに着いたら、無線の友達とジャンクに囲まれることが分かっていたら、奥様の気持ちも理解できる。テキサスから、オハイオまで車で一人旅。羨ましいような、大変そうな・・・。キーイングはきびきびして、お元気そうだった。段々信号が弱くなるので、早々に失礼した。

今週末は、デイトンでOT達が、若い頃に戻って、わいわいがやがやと旧交を温めているのだろうな、と想像している。

高知医療センターの経験 

東日本税理士法人グループが、高知医療センターの運営を厳しく批判している。ここ

高知医療センターは、建設から運営まで私企業に委託するPFIという方式で建設・運営されている地域の中核病院だ。経済財政諮問会議の中核メンバーだった、宮内氏の率いるオリックスグループが、大きく関わっている。

同センターは、毎年、8から20億円程度の赤字を出しており、高知県から財政支出を受けているらしい。昨年、病院長が辞任、今年決算前に、最高責任者も辞任したようだ。

同センターの経営は、オリックス等少数の企業が独占しているために、競争原理が働かない(建設・維持運営コストが高い)、元来、市立病院・県立病院を統合した医療機関であるために(?)人件費が高い、といった問題があるようだ。

一方、まだオリックスが影響力を持っている、経済財政諮問会議は、公的病院の民営化により効率を上げると言い続けている。オリックスの宮内氏には、高知での経験を基に、どうしたらこうした諮問会議の提言が出来るのか、是非教えていただきたいものだ。オリックスは、医療を草刈場として利潤を上げて、後は知らん顔するつもりなのではないか。

m3 BBS閉鎖を、毎日新聞が報じる 

先のエントリーでも言及した、医師用ネットモコミュニティ、m3、のBBSが、閉鎖されたことを、(かの)毎日新聞が報じている。私も以前から、ここに出入りして、ニュースや他の医師の考えを得ていた場所だった。ブログも一時閉鎖されていたようだったが、そちらは回復した様子。

この奈良の大淀病院事件は、昨年2月の福島県立大野病院事件についで、産科・救急医療を崩壊に追いやった事件だ。事件当初は、どのような事件なのか詳細が分からないので、コメントしようがないという雰囲気だったが、関係者からの情報がBBSで出されて、脳出血が、極めて重症であったこと、子癇との鑑別が難しかったこと、大淀病院で対処できるケースではなく、主治医の行うべきことは転送を図ることであったこと、転送を以来された医療機関は、最終的に受け入れた国立循環器病センター以外、満床などやむを得ぬ事情で受け入れられなかったことなどが、明らかになった。主治医は、深夜に呼び出され、処置を行う一方、転送先を求めて電話をかけ続けていたらしい。

こうした状況が、BBS上で分かると、このケースでは主治医は責められるべきではない、むしろ故意に主治医や転送依頼先を貶めようとした、「この」毎日新聞を初めとするマスコミ報道への批判が相次いだ。また、早々に主治医に責任を押し付けるような会見を行った、病院長にも批判の発言があった。毎日新聞の意図的な誤報への批判の声が一番強かった。

私の知る限り、多少尖鋭な表現や考えの発言が見られたが、患者や遺族への中傷に溢れていたことは「全く無い」。むしろ、何が起きたのか、何が問題なのかを追究しようとする発言が多かった。

このBBSでの医学的な議論は、カルテ内容が、それ以前にマスコミに流された後での出来事だ。これが、個人情報の漏洩にあたるとは考えられない。もし、個人情報の漏洩を問題にするなら、遺族が公表しなかったとされるカルテ内容を、何らかの方法で入手し、勝手に公表したマスコミだろう。

m3は、ネットコミュニティの主宰者として、自ら生命を絶ったも同然だ。

以下、(かの)毎日新聞から引用~~~

奈良・妊婦転送死亡:診療情報流出 中傷削除のため医師掲示板を閉鎖

 奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、搬送先探しが難航した末に死亡した高崎実香さん(当時32歳)=奈良県五條市=の診療情報がインターネット上に流出した問題で、流出元とみられる国内最大級の医師専用掲示板が閉鎖されたことが16日、分かった。中傷などの書き込みがあったためで、閉鎖期間は削除が終わるまでの今後2、3週間に及ぶ見通し。

 掲示板は、ソニーグループの「ソネット・エムスリー」(東京都港区)が運営する「m3.com Community」。登録医師は約14万6000人に上る。規約では中傷やプライバシーの侵害など不適切な書き込みを禁じているが、遺族や病院長らを不当に攻撃する書き込みがあった。書き込みは登録した医師しかできない。掲示板について遺族は「患者や遺族への中傷があふれている」と問題視していた。【中村敦茂】

ネットの不安定さ・不確実さ 

44444の切番を自分で踏んでしまった・・・ことは置いておいて・・・。

昨夜のネット不通状態は、当初それと分からず、PCの通信設定を変えたり、大変だった。

数日前、医師専用という触れ込みのm3で、BBSさらにブログが突然閉鎖状態になった。奈良の大淀事件の患者情報を、m3のBBSで、公表されたとして、患者家族代理人が、個人情報保護に関する、大淀町の条例違反で告訴することを「検討」すると表明、それを受けた対応らしい。「新小児科医のつぶやき」での詳細な検討等から、カルテ情報は事前にマスコミに流されていた様子で、m3での情報公開は問題にならないということのようだ。いずれにせよ、ネットのこうしたBBS・ブログが、いとも簡単に、プロバイダーないし主宰する企業によって閉鎖されることには、いささか驚いた。m3には、どのようなところから、どのような圧力がかかったことやら。

ネットに依存していると、いつかしっぺ返しを食らうぞという警告だろうか。

低レベルのマスコミ記事 

先日のエントリーで議論された、読売新聞の記事。

マスコミは、どの投稿を載せるかによって、自らの見解を間接的に表明しようとする。この記事などもその典型だ。疲弊する勤務医に投げかけられる罵声に近い投稿に、いちいち反応するのも馬鹿馬鹿しい。

マスコミは、もっと全体をみた議論をすべきではないのか。医療達成度が世界一位とWHOにより評価されたわが国の医療。それを担ってきたことを、我々医療人は、誇りに思っている。きわめて低コストで、質が均一で比較的高く、さらに患者の希望に応じて受診が可能であった、医療のレベル。これが、今、壊されようとしている、ということこそ、マスコミは指摘し、その原因を分析しなければならないのではないか。

医師・患者関係の信頼が失われたなどと他人事のように、マスコミ人は言っていられるのか。その信頼を破壊し続けてきたマスコミに責任はないのか。

取り上げるに足らない記事だが、記録として残しておこう。あと数年後に、医療が崩壊し、現在の医療のレベルが失われたときに、この記事を記した記者は何と言うのだろうか。

読売新聞より引用~~~

信頼関係希薄に/プロ意識が欠如
 病院勤務医の労働環境の実態を追った連載「医の現場 疲弊する勤務医」に対し、多くの反響がメールやファクスで寄せられた。医師側からは、医師不足の解消や医療提供体制の改革を求める声が上がったほか、「不信感をむき出しにする患者が多くなった」との指摘も多かった。患者側からも「よい医師ばかりではない」などと手厳しい意見が相次いだが、一方で「(医師と患者の)相互理解を進めるべきだ」とする声もあった。

 「感謝という日本のよき伝統はもはや失われた」

 そう記し、患者との信頼関係が希薄になったと嘆くのは、40代の心臓外科医。高齢の患者の心臓手術を行い、手術後の容体にも特に問題はなかったが、帰宅した患者が数日後に突然死すると、医療ミスを疑う家族から何度も責められた。

 「治療に自信があっても『裁判を起こされるかも』と不安にかられる。こんな状況なら、開業医になって面倒な患者は病院に送りたいと思ってしまうのも当然」と医師はつづった。

 病院に勤務する50代の整形外科医も、救急外来の85歳の男性が帰宅後に急死したケースで、家族から訴訟を前提に怒りをぶつけられた体験を記した。「昔は家族からあれほど一方的に責められることはなかった」とこの医師は振り返る。

 一方、患者側からは医師の「プロ意識」について疑問の声が上がった。

 医学生の息子を持つ東京都の塾経営、木下茂樹さん(57)は「連載を読んで医療上の過失で医師が逮捕されたケースが4件しかないと知り、驚いた。過酷な勤務状況は分かるが、プロである以上、『精いっぱいやりました』ではすまないはず」と主張する。

 連載では、小児科や産婦人科の医師不足にも触れたが、都内の女性(52)は「多額の税金を使って医師として社会に育てられているのに、困っている患者が多い診療科を選ばないのは疑問」と記した。

 「月6回の当直程度で(大変だからと)医師をやめてしまうのか」「『ありがとう』の言葉がないからくじけそうになるというのは、ひ弱すぎる」などの声も目立った。

 医師からの提案もあった。「医師免許更新制度により国民の信頼を得る」「国立大を卒業した医師には診療科の選択に制限をつけ、不足がないよう定員枠を設けるべきだ」などの指摘のほか、「(国が計画する)『総合医』を支援し、夜間休日の診療を担う人材を育てよ」という意見もあった。

 「信頼関係を築く努力を、患者側も医療従事者側も怠ってきた。双方の怠慢だ」。札幌市の主婦(37)は今の医療不信の根をそう分析する。神奈川県の病院勤務医(36)は、専門分化された病院で患者がたらい回しされる現状や、すさんだ医師と患者の関係を嘆きつつ、こうつづった。「今必要なのは他者への思いやり。まず自分が、できることから実行していきたい」

(2007年5月12日 読売新聞)

国民投票法案成立 

昨日、この法案が国会で成立した。様々な問題点が残っていることは、メディアで指摘されている。

○住民基本台帳登録されている国民だけが投票できる。所謂、ホームレスの方等は、投票できない。在宅投票の規定もないようだ。在宅療養をしている方々も投票できぬ。

○最低投票率の規定がない。さらに、○、×のみを投票とみなし、白票をカウントしない。投票する対象、政権与党は憲法改正を念頭においているわけだが、それを出来る限り可決させ易いようにしている。憲法96条では、「国民の過半数」が賛成したときに、憲法改正ができると規定している。それに明らかに反する。

小泉は、米国の意向を受けて、郵政民営化をし、国民の蓄えを米国金融機関に委ねる道を開いた。安倍は、同じく米国の意向を受けて、日本を米国に追随して戦争をする国にしようとしている

現政権と官僚は、若い医師を、制度と金で縛って、僻地医療に放り投げる医療制度を構築しようとしている。

それと全く同じ発想で、彼らは、若い人々を、奨学金等を与えると約束して戦争に駆り立てる制度を作ることだろう。米国では、貧しい階層の青年が、奨学金を求めてイラクに赴いている。

戦争が本格化すれば、やがては徴兵制を敷くことだろう。

彼らの意図を見据えて、それを打破する戦いをしようと、静かな意志を改めて固めた。どれだけのことが出来るか分からないが、こうした策謀は絶対許せない。かわいい幼子を持つ親御さんであれば、分かるはずだ。強い意志を持って、この策謀に反対し続けるつもりだ。

Turina 

自分のお気に入りの音楽について記すのは、なかなか難しい。音楽と言う、言語の世界とはまた別な芸術を言葉で表現することに無理があるし、個人的な思い入れがあると、その音楽について記すことは、自分のこころのなかを表白することになるからなのかもしれない。

と言いつつ、最近特に気に入っているものを紹介すると、以前にも少し記したTurinaの室内楽作品。とりわけ、現在はピアノ四重奏曲イ短調作品67を良く聴く。夜、寝るときに、ベッドサイドに置いたCDプレーヤーでこれを聴くことが多い。

19世紀末から20世紀にかけて、活躍したスペインの作曲家である。フランスで教育を受けダンディやフランクの影響を受けたらしい。音楽の語法はフランス近代音楽のそれだが、中身はアンダルシアの澄んだ空気と温暖な気候を思わせる。それ以上に、繊細な心理表現が見事だ。このピアノ四重奏曲、3楽章からなり、循環技法が援用されている。この作曲家のこの作品に特に感じるのだが、フレーズがことごとくTurinaがつぶやいているかのように聞こえる。そのつぶやきが、聴くもののこころに直裁に入り込んでくる。そのつぶやきは、色彩豊かに、心地よく、時に荒れた風にのって、聴くもののこころに直接入ってくるのだ。Turinaの作品を、おしゃれ、洒脱と評する人もいるが、それだけではない。音楽が、直接こころに響くことが、この作曲家・作品の得がたい美点なのではないかと常々思っている。

演奏は、Menuhin Festival Piano Quartet。この団体は、1980年代に組まれたもので、各奏者の出身国が違うと記されている。表現力、アンサンブルともに素晴らしい。最初聴いたときには、テンポを揺らしすぎかと思ったが、聴きこむと、そのルバート振りが、音楽の必然性として理解できる。そうした曲想の変化を緻密なアンサンブルが可能にしている。特に1stバイオリン奏者の力量が優れているように思える。3楽章冒頭のソロなど、この作品への集中が良く伝わってくる。この作品のCDを聴くまで知らなかった団体だが、こうした知られていない(私が知らないだけ?)力量のある団体は、まだまだ沢山あるのだろう。いろいろと音源に当たることが楽しみだ。

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政府の医師不足対策 

政府の医師不足対策は、自治医大と同じ地域医療への縛りをつけた入学枠を各地の国公立大学医学部に設けるという案のようだ。奨学金を貸与、義務年限を勤め上げたら、返済免除。自治医大の全国版だ。

これでは、医師不足を解決しない。

その理由は・・・

○以前から繰り返し言ってきたが、医師が一人前になるのには大学入学後10年以上はかかる。これから先、10年間は、どうしようというのか?

○学生の主体性を、制限することになり、制度として成り立つか疑問だ。大学入学前に、一生の決定をするのは無理がある。医学を学ぶ過程で、基礎医学・社会医学に興味を持つかもしれない。また、基礎と臨床を結ぶ研究職にモチベーションを抱くかもしれない。そうした、学生の主体的な自己決定権を、制度上縛ることは、学生・社会双方にとって好ましくない。「入学前からへき地勤務を前提条件とし、在学中に学費貸与などで支援すれば、問題ない」というのは、行政の勝手な論理だ。

○このプランは、医師不足を起した原因・理由を検討したうえで作られたプランではない。これまで医師の増員に関する、行政当局の誤った施策を自己批判していない。ということは、医師数を僅かに増やす方向になし崩し的に実質上方向転換しても、医療費削減は継続するということになる。また、うやむやの内に無責任な朝令暮改を繰り返す可能性が高い。行政当局、それを支持し協同してきた政治家には、まずこれまでの政策の誤りを認め、それの反省から、より根本的な対策を採ってもらいたい。それが、翻って、この医師不足対策に多少なりとも意味を与えることになる。

・・・・・・・

自治医大が出来て、既に30年以上経った。卒業生を何人も知っているが、皆優秀な方々だった。自治医大卒業生が実際に僻地勤務するのは、義務年限9年間の内、2年ほどだと聞く。若い医師が、医師として成長するためには、基幹病院などで教育指導を受け続けることが必要なことを示しているのだろう。

また一方では、自治医大卒業生が各自治体での義務年限を終えた後のポストが用意されていないといった噂も聞いたことがある。自治医大のこれまでの実績・問題点を理解した上で、このプランを作ったのだろうか。私には、どうしてもそうは思えない・・・思い付きの机上の空論のような気がしてならない。


以下、引用~~~

医学部に地域勤務枠…全国250人、授業料を免除

政府・与党方針、卒業後へき地で10年

 政府・与党は12日、へき地や離島など地域の医師不足・偏在を解消するため、全国の大学の医学部に、卒業後10年程度はへき地など地域医療に従事することを条件とした「地域医療枠(仮称)」の新設を認める方針を固めた。

 地域枠は、47都道府県ごとに年5人程度、全国で約250人の定員増を想定している。地域枠の学生には、授業料の免除といった優遇措置を設ける。政府・与党が週明けにも開く、医師不足に関する協議会がまとめる新たな医師確保対策の中心となる見通しだ。

医師確保対策 医師の不足や偏在を改善するための対策。厚生労働、文部科学両省などは2006年8月に新たな「総合対策」を策定。医師不足で悩む県にある大学医学部の定員増を暫定的に認めたことが柱。医師数は1982年の閣議で「過剰を招かないよう、適正な水準を保つ」と決定しており、新対策は事実上の方向転換となった。

 地域枠のモデルとなるのは、1972年に全国の都道府県が共同で設立した自治医科大学(高久史麿学長、栃木県下野市)だ。同大では、在学中の学費などは大学側が貸与し、学生は、卒業後、自分の出身都道府県でのへき地などの地域医療に9年間従事すれば、学費返済などが全額免除される。事実上、へき地勤務を義務づけている形だ。

 新たな医師確保対策で、政府・与党は、この“自治医大方式”を全国に拡大することを想定している。全国には医学部を持つ国公立と私立大学が計80大学ある。このうち、地域枠を設けた大学に対し、政府・与党は、交付金などによる財政支援を検討している。

 医療行政に影響力を持つ自民党の丹羽総務会長は12日、新潟市内での講演で、「自治医大の制度を全国47都道府県の国公立大などに拡大したらどうか。5人ずつ増やせば、へき地での医師不足は間違いなく解消する」と述べ、“自治医大方式”の拡大を提案した。

 医学部を卒業した学生にへき地勤務を義務づけることは当初、「職業選択の自由に抵触する恐れがある」との指摘もあった。だが、「入学前からへき地勤務を前提条件とし、在学中に学費貸与などで支援すれば、問題ない」と判断した。

 政府は昨年8月、「医師確保総合対策」を策定し、医師不足で悩む県にある大学医学部の定員増を暫定的に認め、2008年度から最大110人を認めた。しかし、医師不足解消の見通しは立たず、来年度予算編成に向け、追加対策が必要だとの声が政府・与党内から出ていた。

 今回、新たに地域医療を強化するのは、現在の医師不足問題が、医師の絶対数不足よりも、都市と地方の医師の偏在に、より問題があるとみているためだ。

 厚労省によると、人口10万人当たりの医師数は、全国平均の211・7人(2004年)に対し、青森(173・7人)、岩手(179・1人)、岐阜(171・3人)などと東北を中心に平均を大きく下回る。東京(278・4人)など大都市との格差が大きい。また、02年度の立ち入り検査では、全国の4分の1の病院で医師数が医療法の基準を下回った。

 政府・与党は、医師不足問題に関する協議会で、「新たな医師確保対策」をまとめ、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)2007」にも新たな医師確保対策を盛り込む方針だ。


(読売新聞、2007年5月13日)

K7HK 

今夕、結局オケには行かなかったので、庭仕事をしたり、無線をしたりしてのんびり過ごした。周囲の水田には、一面稲の苗が植えられ、庭木は枝を大きく伸ばし始めている。欅の枝が、周りを日の光から守るかのように、大きく伸びている。先日植えた、とうもろこしも小さな芽を出し始めた。

14メガは、CQMで五月蝿く、普通の交信は出来ない。それに、CONDXももう一つの模様だ。7メガは、ウッドペッカーも目立たず、北米に良く開けている。

Harry K7HKが呼んできてくれた。数年ぶりだろうか。退職して2年半になったようだ。前回交信した時には、もうすぐリタイアするということを彼が言っていたはずだ。奥様のWB7DZXや、彼とよく交していたのは1980年代初めだった。当時、生まれた双子の息子さんは、もう22歳になったらしい。

両親の住むユタに滞在しているようだ。そこで、年老いた両親の面倒を見ていたようだ。父上が89歳、母上が85歳。父上は元気なのだが、母上は健康が万全ではなく、車椅子で生活しているようだ。母上は、心疾患と喘息があり、さらに股関節の問題があるらしい。しばらく前に、病院に入院していたが、1ヶ月で5000ドルの医療費がかかった。レンタルベッドが、月600ドルもしたと言って、嘆いておられた。保険が一応カバーするが、これほど費用がかかるのだったら、自宅で療養するということで、帰宅したらしい。この程度の医療費は、あちらでは、ありふれた額なのだろう。

彼は、退職しても、朝4時には起床し、無線をして一日を始める生活を送っているらしい。TS900にアストロのアンプという、クラシックなリグのコレクションを用いているとのことだった。コーヒーカップが空になったので、もう一杯入れるために家の中に入ると言って、去っていった。1980年代に彼や奥様とよく交信していたころと同じだ・・・。

しかし、1時間も無線をしていると、根気が失せる。歳だなぁ・・・。