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産科無過失補償制度 

産科無過失補償制度について、日本医療機能評価機構内の委員会が議論している。

この委員会の提案する制度には反対だ。

理由は、

○脳性麻痺は周産期の問題以外に由来することが大半であることが分かっている。それなのに、「補償」という、あたかも医療側が過失を犯したかのような表現は間違い。この発想では、根本的な問題解決にならない。社会が、脳性麻痺を持って生まれてきた子を支えるという視点が必要だ。

○日本医療機能評価機構は、以前のエントリーにも記したように、高額の評価認定料金を医療機関に要求して、殆ど意味のない機能評価なるゴミ箱の隅をつつくような認定作業をしている。驚くべきことに、評価する人間を、医療機関が飲み食いさせることを公然と要求する。そのように酷い天下り法人なのだ。医療を食い物にする、こうした存在自体を決して許すべきでない。

○この「補償」を受けたからといって、患者側がその後民事訴訟を提起することが可能のようだ。この「補償金」を用いて、民事訴訟に訴える可能性もあり、そうなれば産科医療の崩壊を加速させる可能性がある。


以下、引用~~~

日本医療機能評価機構 補償金支払いで信託案も 産科無過失制度で意見
07/10/12
記事:Japan Medicine
提供:じほう

 日本医療機能評価機構は9日、産科での無過失補償制度創設に向けた「産科医療補償制度運営組織準備委員会」を開き、脳性麻痺児に対する補償や審査、原因分析・再発防止の在り方について議論した。事務局は補償額の支払いについて、一時金のみの支給と、一時金と定期的な支払いの組み合わせなどが想定されると説明したが、それぞれ問題点があるとして、意見がまとまらなかった。ただ折衷案として、患者の看護、介護に適切に使われるよう、「一時金をどこかに信託してはどうか」との提案もあった。

 補償金の支払いについて委員会では、脳性麻痺児の看護・介護負担の継続的な軽減や、養育までを考慮すると「一時金だけでなく定期支払いを組み合わせるべき」との認識が大勢を占めた。ただ損保会社側は、組み合わせは保険商品としての設計が難しくなるほかランニングコストもかかり、補償金の支払いに充てる財源が不足する可能性があるなどと懸念を示した。野田愛子委員(野田・相原・石黒法律事務所)は、交通事故の事例を引き合いに「一時金を親と親せきで使い込んでしまったケースを見てきた」として、一時金のみの支払いを不安視。損保会社側の指摘も踏まえた上で、「一時金をどこかに信託することはできないのか」と提案した。
  審査、原因分析・再発防止の在り方については、飯田修平委員(全日本病院協会常任理事)が「それぞれ別の組織が行うべきで、同じ組織での審査、原因分析・再発防止はいけない」と強調した。ただ、原因分析については明らかに過失が認められた場合、病院などに賠償を求める「求償」と密接にかかわるとの意見もあり、結論は持ち越した。


発言削除のお知らせ 

「小浜救急医療センター」と題するエントリーには、事実誤認がありましたので、削除させていただきました。それに対するコメントも削除されます。お詫び申し上げます。

電信送信練習で忘れがちなこと 

電信の送信操作を、姿勢や、身体各部の動きといった極めて技術的な側面だけから教授する雑誌記事やら、ネットでの情報をよく目にする。初心者の方には参考になる情報なのだろう。

しかし、そうした運動という側面からのアプローチとは異なるものが、送信を会得する際に必要になるように思う。それは、運動面の理解よりも大切なものかもしれない。

電鍵操作は、身体の一部の運動機能を用いて、あるリズムの連続する音を作り出す。その点で、楽器の演奏と比較される。勿論、電鍵操作は、楽器演奏に比べて、単純な運動であり、生まれる音も、単純だ。しかし、本質的なところで、両者は似ている。

存じ上げているチェロ奏者の方が、自分のネット上のサイトで、レートスターター(大人になってから楽器を始めた方)が正しい音感を持つようにするためのトレーニング法を紹介していた。正しい音感は、楽器演奏には必須の感性と言ってよい。彼によれば、そのプロセスは以下のようになる。まず、正確な音程の楽器で、正確な音程を取る。次に、それを歌ってみる。その後、チェロでその音程で弾いてみる。これを繰り返すことによって、徐々に音感が養われる、ということだ。

これを、電鍵操作による送信の習得に比較してみると、美しく、正確な符号を、まず記憶することが大切ということになるだろう。ここで、正確さとは、短点・長点・スペースが初期の比率をなしているということ以外に、オンエアーで取りやすく、また美的な個性の感じられる符号ということになる。そうした符号を、繰り返し聞き、頭に叩き込む作業だ。

ついで、そうした符号を口に出してみる。スペースを意識して、聞いた符号を再現してみるのだ。それが出来たら、サイドトーンを用いて、実際に電鍵で打ってみる。この場合も、電鍵というメカニズムを操作する運動にだけ意識が集中してはまずい。必ず、自分の作り出している符号を聞くことが必要だ。

その後、実際にオンエアーで送信する、ということになる。

電鍵操作の運動の側面だけに意識を集中していると、一番大切な符号の正確さ・美しさが二の次になるという言ってみれば当たり前のことだ。ただ、楽器の演奏と同じく、頭の中では、プロ並の音(符号)が鳴っていても、実際に出している音(符号)はお粗末極まるという悲喜劇が、結構ありそうである。美しく正確な符号を、イメージし、それに沿った符号を送出しているか、自分の耳で聞くこと・・・まずは、自戒しなきゃならないかな(笑。

Bill Windle QSO Party upcoming tomorrow! 

明日、0から24Zまで、FOC主催のBill Windle QSO Partyが開催される。FOCのサイト、FOC activityのBW QSO Partyのルール説明をコピーしておく。FOCだけが、CWで幅を利かせているクラブというわけでもないが、世界的なクラブであり、アクティブなCWオペは殆ど入っているのは確かだ。これを機会に、FOCメンバーに知己を得られたら如何?

私は、明日夜、それに日曜の早朝に開けているバンドに出てみるつもり。普通のコンテストとは違い、ラグチューにすぐ発展する催しである。アジアでは、5Bとか、4Xがヨーロッパに近いので圧倒的に有利。JAは、参加することに意義があるという精神での参加となる。

以下、引用~~~

Objective
FOC members
To make as many different Windle QSOs as possible. VHF bands are included but WARC bands are excluded. Members are encouraged to work non-members to encourage the practice of operating on CW. This provides an opportunity to hear other operating practices of others who may be considered for nomination in the future.

Non-members
To contact as many FOC members as possible. VHF bands are included but WARC bands are excluded.

Exchange
All participants call CQ BW. FOC members are asked to add FOC to their CQ calls and their FOC number in QSO exchanges.
FOC members - RST, Name, & FOC Number.
Non-members - RST & Name.

Frequencies
CW portions of the six main HF bands, between 015 and 045. Top Band: avoid the DX Window. The WARC bands are not used for the QSO party.

Activity Report
FOC members
Please send a report of your activity for the event to Art, KZ5D preferably via e-mail. No logs necessary. Just report the total number of QSOs with both FOC members and non-members. Then provide a second number that is the total of FOC member QSOs. Use a format similar to the monthly Windle report in the news sheet. For example: 300/225 where the first number is the total QSOs, followed by the total FOC member QSOs. In this example, the station reports 300 total QSOs, of which 225 were with FOC members. Each FOC member or non-member can be contacted only once per band. Each band QSO counts separately, so if you work someone on 3 bands, you count 3 QSOs.

Non-members
Please report total number of QSOs with FOC members. Each FOC member can be contacted only once per band. Each band QSO counts separately, so if you work a member on 3 bands, you count 3 QSOs.

The report can be sent by e-mail or snail mail. No logs, no verification, only the honour system. Your report should be submitted to Art, KZ5D preferably via e-mail. Please ensure that your report is sent within one week of the event.

Results
An alphabetical listing by call signs of the activity reports will be listed on the FOC web page and printed in either the News Sheet or Focus. No awards will be given as this is not a contest. QSOs with members may count towards the annual Windle award where they meet the Windle award rules (i.e. where the QSO is on a band that has not been claimed for, in any other month of the year). This is the primary intent of the activity. The secondary intent is to foster better relationships with non-members and encourage the use of CW by all.

Awards
New for 2007, the FOC Committee has decided to award certificates to the highest scoring member and non-member on each continent. Certificates will be issued automatically and at no cost to participants.

Questions
Please contact Art, KZ5D preferably via e-mail.

神戸市立医療センター中央市民病院移転整備事業入札に関わる怪 

○あの高知で散々な結果を残しているPFI方式

○入札業者が二組しかおらず、それも入札直前に一方が降りた

○入札価格は、予定価格の99・998%

これだけで、何か臭ってくる。医療を食い物にする輩がいないのか、検察には是非捜査をしてもらいたいものだ。


以下、引用~~~

無競争で高値落札、予定価格99% 議会から疑問の声 神戸市入札
07/10/11
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

神戸市入札:無競争で高値落札、予定価格99% 議会から疑問の声

 神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)の移転・整備事業で、建設と運営を担う事業者に応募した業者が最終的に1グループしかなく、事実上の無競争状態で落札していたことが分かった。落札額は予定価格の99・998%にあたる1023億7815万円。無競争で上限すれすれの高額で落札したことに、市議会からも疑問の声が上がっている。

 市によると、現在の中央市民病院が老朽化したため、1・3キロ南への移転を決め、民間資金を活用する「PFI方式」を導入。事業者は2010年度内に施設を整備し、翌春に開院後、30年間運営する。施設や事業内容と入札金額を総合判断して業者を決める総合評価一般競争入札方式で、昨年11月に公募した。

 今年1月の資格審査書類の受け付けには2グループが参加を表明。しかし、5月の最終的な書類の受け付け前日になり、1グループが突然辞退。結局、「神戸製鋼・伊藤忠商事グループ」が単独で入札した。

 10日の市議会決算特別委では一部委員が落札率の高さなどを指摘。これに対し市側は「手続き、落札率ともに問題ない」と答弁した。【内田幸一】


10月5日規制改革会議 

上記の会議で、医療には更なる効率化と質の向上を求めると提言されている。

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/2007/1005_02/item07100502_01.pdf

彼等にとって、効率化とは、医療費の削減を意味する。一方、質の向上は、イノベーションによってなされる、即ち、所謂IT化によって実現する、というのが、この会議の面々の念頭にあることだろう。

すでに数年前のことになるが、WHOは、日本の医療の総合評価を世界一であると認定した。一方、医療費は、先進国の中で最低レベルにある。この上、何を効率化し、質の向上をしようというのか。

この会議のメンバーの多くは、経済界の人間、または経済界と密接な関係にある人間だ。医療に関して取りまとめる責任者は、なんと松井証券の社長である。会議に医療関係者は一人も入っていない。規制改革といえば聞こえが良いが、経済界が潤うように政策決定を導くのが、この会議の基本方針だ。経済界が潤うことによって、政治家・官僚に様々なキックバックがあることは言を待たない。何と言うアンフェアな組織であることか。

このような諮問会議によって、経済界だけが潤うような、医療・社会福祉政策の方向付けが行なわれて良いものだろうか。証券会社の経営者が、医療を観る視点は、「儲け」があるかどうかだけだろう。こうした諮問会議が、主導する政策決定を許してはならない。

99%完璧 

昨夜会ったJohn 9V1VV、最近、送信時の打ち間違いについて考えている、と言う。書かれた文章を打つのであれば、間違わないのだが、頭で考えたことを打つと、間違えてしまうというのだ。

彼は、英語を母語とする、もともとR/Oだった方だ。書かれた文章を打つことに元来慣れているのだと思う。頭で考えながら打つ場合、考える方に意識が行ってしまい、間違えを犯し易いのかとも思った。しかし、彼が考えるのは母国語である。この可能性は低い。

すると、用いているキーに問題があるのではないか。エレキーをバグキーモードにして用いているとのことなので、そのキーのコントロールに神経を用いてしまうのではないだろうか、と申し上げた。是非、メカニカルなバグを手に入れて使ってみて欲しい、その方が、コントロールしやすいからと言った。メカニカルなバグキーは、キーイングが重たいが、レバーのストロークによって、丁度良い短点・長点間のスペースを生み出すことが出来るため、キーイングし易いのだ。

ふむ、では手に入れることを考えてみよう、とのご返事。

いや、今のままでも、99%は完璧なのだが(これはちょっと余分なコメントだったかも(笑))、貴方は完ぺき主義者だから、完全な送信を求めているのだろうね、と申し上げた。

私にとっては、日本語で考えて、それを英語に翻訳、それをすぐさま送信するのだから、大変なのだよと愚痴ると、良く分かるとのこと。

99%完璧なんて言われて、Johnは苦笑していたことだろう。

茨城県ドクターヘリ導入か? 

茨城県は、南北に長く、県北部は医療過疎が進行している。それを改善するために、ドクターヘリを導入する計画が立てられたようだ。

最近、各地でドクターヘリ導入が盛んだが、これで救急医療の問題が解決するとは到底考えられない。

スタッフの確保、基地病院の選定・対応、費用といった問題とともに、気象条件や日照の有無によって生じる有視界飛行の限界の問題が大きい。久留米大学付属病院のドクターヘリの運用実績では、一年間でドクターヘリがカバーする全地域に運行可能だったのは275日間、午前8時半から日没30分前までということだ。霧・強風等が生じると運行不可能となる。これは、日中飛行可能時間を10時間とすると、一年を通して考えて、約31%の時間しか飛べないことを意味する。

ヘリコプターは、かなり事故の多い移動手段である。安全運行を確保するとなると、飛行制限がかなりかかる可能性が高い。

それを押して、導入するのかどうか、必要とする経費の問題と考え合わせて、慎重に検討してもらいたい。

現在の救急医療の最も深刻な問題は、マンパワーの問題であることをくれぐれも忘れないでもらいたい。


以下、引用~~~

茨城県、ドクターヘリ導入検討 県北の「医療過疎」改善狙う
07/10/09
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


ドクターヘリ:県、導入検討 県北の「医療過疎」改善狙う /茨城

 ◇基地病院や人材確保課題

 救急医療の機動力向上を目指して県は緊急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)導入の検討を始めた。県南・鹿行地域は千葉県内の医療機関が運営するドクターヘリが活躍しているが、県は独自に導入することで、全県をカバーし、特に県北の「医療過疎」の改善を狙う。ただ、ヘリの基地病院の選定や医師、看護師の確保、費用負担など、導入までにクリアすべき課題も多い。

 ■3年で153回出動

 利根町から南へ約10キロにある日本医科大千葉北総病院(千葉県印旛村)は、交通事故や労働災害など一刻を争う重症患者を対象にヘリを飛ばす。消防本部の要請を受け、医師、看護師が乗り込んで離陸するまで3分。午前8時半から日没30分前まで、50キロ圏内をエリアに15分以内に治療が開始できる態勢を取る。

 同病院のドクターヘリは千葉県の委託事業で、茨城県は04年7月から費用を一部負担する形で参加。07年3月までの3年弱の間に茨城県内で153回の出動実績がある。

 ただ県内のエリアは県南・鹿行地域の3消防本部管内に限られる。同病院から50キロ圏内で、重篤な患者を扱う県内4カ所の救命救急センターからも距離のあるエリアだからだ。

 だが、県内の救命救急センターは水戸市内にあるものが最北で、県北だけがセンターからもヘリからも離れ、緊急医療の空白地域として残された形。県は「(県独自ヘリの)導入で県北の状況は改善できる」(医療対策課)と強調する。

 ■負担

 最大の課題は運用費用だ。国が都道府県と折半して、基地病院になっている医療機関に年間1億7000万円を補助する制度はあるものの、財政難の自治体には手を出しにくく、今年3月末時点で千葉県を含む10道県が導入しているに過ぎない。ヘリを待機させる基地病院の選定でも、救急専任の医師や看護師の増員、ヘリポートの新設などが必要になる可能性があり、自治体の負担が膨らむ可能性がある。

 今年6月にドクターヘリ確保に関する特別措置法が成立した。将来的な基金による自治体の財政負担の軽減や保険の適用もうたっており、実際の施策の内容次第で全国で一気に増える可能性もある。県はこうした動きをにらみ、今月下旬にも市町村、消防、医療関係者による検討会議を発足させるが、同法に基づく具体策はまだ出ていないため、慎重に議論を進める考えだ。【若井耕司】

FOC加入に関わるobjection問題 

FOCというCWマンのクラブは、英国に本拠を置く世界的なクラブである。そのメンバーは、500名に限定されており、加入するのには、5名以上のメンバーから推薦される必要がある。

最近、あるWの局が、推薦の条件を満たし、メンバーの空きができるのを待つ「starred list」に名を連ねた。ところが、あるメンバーが、それに対して、objectionを提起した模様だ。そのobjectionの内容は、私のところには流されてこなかった。どうも、この候補がDX専門で、599 73式の交信しかしない、なのでメンバーには相応しくない、というのがobjectionの内容の様子。それに対する反論が、新メンバー候補を推薦したメンバーから続々と私のもとに同報メールで送られてきた。私も、推薦人の一人だからだろう。

反論は、長文で、この新メンバー候補を擁護し、改めてメンバーに推する文章であった。そのメンバー候補が長年にわたりアクティブであったこと、DXも行っているが(DXCC HONOR ROLL Nr1らしい)、CWによるラグチューにも熱心であったこと、すばらしい人柄の主であること等々。彼がメンバーになれば、クラブにとって大いに有益であるというのが結論だ。滔々と熱い名文が続く。

推薦人の多くは、無線で新メンバー候補を知っているに過ぎない。それなのに、これほど熱く擁護する熱心さに感動した。友人として強く結びついていなければ、これだけの手間をかけてメールをすることもないだろう。さらに、こうして、正々堂々と議論が世界規模で繰り広げられる様は圧巻だ。基本的に、FOCは英国のクラブだ。英国人が要職を占め(といっても、全くの名誉職だが)、英国流のルールで運営されている。しかし、メンバーに対して、その運営について議論する窓は大きく開かれている。それを改めて教えてくれた出来事だった。

奈良県産科医療救急対策を毎日新聞が報じている 

奈良県の産科救急対策が、行政から提起され、それを「かの」毎日新聞が報じている。

以下、引用とコメント~~~

妊婦搬送中死産:調査委、輪番制充実案を提示 開業医らの了承得られず /奈良
07/10/06
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

妊婦搬送中死産:調査委、輪番制充実案を提示 開業医らの了承得られず /奈良

 橿原市の妊婦(38)が救急搬送中に死産した問題で、県の第3回調査委員会(委員長、荒井正吾知事)が5日、奈良市内で開かれた。産科の夜間・休日の1次救急体制の充実を巡り議論。県は主要病院や開業医の協力で輪番制を完成させる対策案を示したが、了承を得られなかった。

了承を得る、得ないの問題ではない。県下で産婦人科医は、72名前後しかいない。その内、お産を扱っている産婦人科医は、その一部。また、開業医の多くは、60歳前後、それ以上のオールドタイマーである。この陣容で、県内の輪番制を回せるのかどうか、大きな疑問だ。了承を得られなかったではなく、下記の通り「出来ない」というのが、奈良県産婦人科医の答えなのだ。

 県は、県北部の輪番で空白となっている金曜と日曜を埋めるため、天理よろづ相談所、県立奈良、県立三室の3病院に参加してもらうか、開業医に出診・在宅当番を依頼する案を提示。輪番がない中南部でも体制整備を求めた。しかし病院側の委員から「医師が少なく対応できない」。開業医の委員からも「高齢化で夜間診療はつらい」と難色を示す声があり、まとまらなかった。

これは、当然の答えだ。夜間診療というが、36時間以上の連続勤務になるのである。50歳、60歳になって、こうした勤務は、「つらい」ではなく「出来ない」ことなのだ。毎日新聞の記者諸氏には、適切な言葉を用いることを学習して欲しいもの。

 県立医科大学で夜間・休日のハイリスク妊婦の受け入れ調整にあたる「周産期コーディネーター」の公募開始も報告された。産科医か実務経験5年以上の助産師、看護師を対象に10人程度を5日から募集する。問い合わせは県医務課(0742・27・8935)。【中村敦茂】

こうした役割の人間がいても、悪いことはないが、根本的な問題解決には全くならない小手先の施策だ。


奈良県と毎日新聞が行うべきこと・・・

○産婦人科医の大幅な待遇改善
○医療崩壊を来たす諸々の国の医療政策を撤回するように国に強く要求すること
○大淀事件における、毎日新聞の意図的とも思える誤報を訂正、謝罪すること
○県立病院医師から提起されている、時間外労働への適正な給与支払いにかかわる訴訟において、原告の言い分を認め支払いに応じること

ゆめゆめ、母子医療センターなどと言う、箱物を作ることが、行政の行うべきことなどとは、考えないことだ。

旅を終えて 

四国には、新幹線と在来線を乗りついて向かった。列車に乗るのは、数年ぶりだ。

車窓からみる、走り去る景色をぼんやり眺めながら、10代の頃、豊橋で一人で生活している伯母を、毎年夏休みに訪ねたことを思い出した。当時は、新幹線ではなく、在来線の「準急」で東京から豊橋に向かうことが多かった。見慣れぬ景色を見るうちに、非日常の世界に入り込み、いつもは考えないことに思い巡らすようになったことを、思い出した。見知らぬ町で、様々な人生が繰り広げられている。その傍を、さっと通り過ぎて行く自分。そして、その非日常の感覚は、自分に向けられることになるのだ。

昔、東海道線を走っていた、オレンジ色を緑が挟むように色づけられた旧い車体の列車が、まだ待機線路に停車しているのを見かけた。昔は、この車両がメインに走っていたものだ。東海何号という名称の準急、はては、最後まで残った遠距離の大垣行き普通夜行列車等も、この車体だった。こうした旧い車両も、近い将来、姿を消すのだろう。

四国の義理の両親はともに80歳を越えたのだが、思いのほか元気そうだった。無沙汰を続けたことを詫びたいと思っていたのだが、それを言葉にすることはなかなか出来ない。これからは、機会を見つけて、訪ねたいものと思った。岳父が、幾つか健康上の問題を抱えていて、近くの大きな医療機関にかかっているのだが、毎日診療をしていない専門科目もある様子だった。医療崩壊について話すと無用な不安を与えると思って控えた。後期高齢者医療制度が、来春から始まり、アクセス制限がかけられ、さらに定額制というコスト面からの医療の質の低下を余儀なくされた時に、こうした老夫婦が安心して生活できるのだろうか、と正直心配になる。衆議院選挙対策のために、老人の医療費負担を「一時」だけ軽減することを、現政権は考えている様子だが、そのようなことにだまされてはいけない。

少し忙しない旅行だったが、義理の両親の元気な顔を見ることができ、一応所期の目的を果たすことができた。

二日間不在にします 

家内の里帰りに、ついて行って参ります。

二十数年間、義理の両親に御無沙汰を続けてきました。長い休みの取れぬ身とはいえ、あまりのことと反省し、ささやかな親孝行です。

8日夜には戻ります・・・戻ってすぐ、仕事場に直行することになるだろうことが予測できる・・・哀しい現実。

では、行って参ります(出発は、明日午後)。皆様、良い週末を。

無伴奏2番アルマンド 

お昼休みのお稽古は、バッハの無伴奏2番アルマンド。

アルマンドとは「ドイツ風の」という意味らしい。2拍子系の舞曲。しっとりとしていて、重厚な趣もある。しかし、あくまで舞曲なので、優雅に、流れるように弾くことが必要だ。

重音が多く、少し弾きにくい。でも、バッハの息吹にやはり触れることができる。

今日は、主に前半をさらう。後半には、高い音がトリルになっている重音のところがあり、指がつりそう・・・。

ゆっくり味わいながら、繰り返し、繰り返しさらおう・・・。さらうこと自体が、目的であり、喜びでもある。


またも、朝令暮改 

またもや、厚生労働省の朝令暮改である。以前のエントリーでも触れたが、患者一人に対して、看護師七人以上配置すると、診療報酬上優遇するという施策を、06年に導入した。手厚い看護を診療報酬上評価するのが目的だったはず。

この制度が導入されると、ただでさえ足りない看護師を、都会の大病院が、なりふり構わず集めた。大学病院が、勉学の機会を与えるとか、様々な好条件を提示して、看護師の引き抜きを行なった。そのために、地方の中小病院は、看護師集めにさらに苦労することになった。私の職場のようなところでは、看護師募集をしてもまず集まらない。

公的病院の77%が、赤字であるという。このように酷い経営状態に陥った理由は、公的病院の経営に問題もあるが、何といっても、診療報酬が下げられたことが大きい。そこに、この7対1看護配置制度が導入されて、看護師集めに各病院が血眼になったのだ。

ところが、2年で、この制度を取りやめるとの決定だ。表面上の理由は色々あるのだろうが、一番は、元来の目的、7対1看護配置制度によって、所期の目的の医療費削減が十分出来なかったのだろう。

この制度を実施し、その後すぐに取りやめによって、医療現場に混乱を起こしたこと、さらなる混乱を起こすことに対する反省が微塵もない。政策の一貫性を確保しようとする意図は、全く見られない。

医療政策を思いつきでやっているのか、または、この混乱により、看護師を集められない医療機関が潰れることを陰で目論んでいるのか。恐らくは、政策立案担当者が、2,3年毎に変わるために、このような朝令暮改を繰り返すのではないか。

厚生労働省に医療政策を担当する能力が欠けている。

今回のいい加減さには、ほとほと愛想が尽きた。

また、毎日新聞は、医療機関を悪者に仕立てるのに余念がない。

故意に病床数を減らして7対1とし、軽症患者に過剰看護をする病院も現れた。

と報じているが、過剰看護とは何をもって言うのだろうか。さらに、そこまでして、診療報酬を確保しないと、病院経営が成り立たないのだ。厚生労働省の言いなりに報道するのはいい加減にして欲しいものだ。


以下、引用~~~

報酬加算「看護必要度」に転換 「7対1」一律増を廃止 厚労省方針
07/10/04
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社
ID:705599


診療報酬改定:報酬加算「看護必要度」に転換 「7対1」一律増を廃止----厚労省方針

 厚生労働省は3日、「患者7人に看護師1人」の手厚い看護配置基準(7対1)を満たす医療機関の収入を一律増としている診療報酬体系を廃止し、がんの化学治療に取り組むなど、患者にとって「看護必要度」の高い医療機関でなければ報酬加算を認めないようにする08年度診療報酬改定方針を、中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関、中医協)の小委員会に示した。

 7対1加算は手厚い看護による入院日数短縮を狙った06年度改定の目玉の一つだったが、収入増を狙う大病院が大量の看護師を抱え込むなどの問題を引き起こし、2年で見直すことになった。

 06年度改定で、厚労省は7対1を達成した医療機関の入院基本料を一律に増額。ところが、国立大病院などが看護師の大量確保に乗り出し、一部の地方、中小病院が看護師不足に陥ったほか、故意に病床数を減らして7対1とし、軽症患者に過剰看護をする病院も現れた。このため、同省は、7対1加算の対象を真に手厚い看護が必要な患者が入院する医療機関に限定することにした。

 具体的には、患者の看護必要度を点数化し、総点数が一定以上の医療機関のみ収入が増えるようにする。【大場伸也】

栃木県の救急搬送 

栃木県の救急搬送について、県議会の特別委員会で議論されたようだ。

この議論で、搬送「拒否」を限りなくゼロに近づけるという。頼もしい限りだ。

その対策とは、医療機関に理解を求めて、拒否しないようにしてもらうこと、そして15分以内に搬送先が決まらなければ、救命救急センターに問答無用で搬送してしまうことの二点。

要するに、医療機関は、受け入れ能力があるのに、恣意的に断っている、そうした我侭を許さないぞ、ということのようだ。

はてさて、これで搬送「拒否」を限りなくゼロに近づけられるのか、結果を見てみよう・・・脱力である。

以下、東京新聞より引用~~~

妊婦受け入れ拒否なくせ 県、医療体制改善へ
2007年10月3日

 二日開かれた県議会地域医療対策特別委員会で県は、昨年、救急隊が医療機関に妊婦の受け入れを求めて拒否された実態を明らかにし「関係機関と連携し(拒否を)限りなくゼロに近づけたい」などと医療体制を改善する姿勢を示した。 (佐藤あい子)

 県によると二〇〇六年に救急隊が妊婦を搬送したのは五百二十八件。九消防本部・組合が医療機関に断られたケースは少なくとも三十六件に上った。

 このうち一件は、日光市消防本部が医療機関から「専門外で処置できない」「医師がいない」などと受け入れを五回拒否され、連絡を受けてから病院到着まで七十一分かかったという。

 これに対し県は「(県や医療機関などでつくる)病院前救護体制検討部会で受け入れ態勢について検討し、医療機関に理解を求めていきたい」としている。

 また、脳卒中や心筋こうそくなど生命の危機であれば、十五分以内に搬送先が決まらなければ県内五カ所の救命救急センターにすみやかに搬送する「十五分ルール」を適用する考えを示した。

 このほか県はドクターヘリの導入についても「十分検討したい」とし、導入後は県の医療計画に盛り込み活用する方針。

権力は、必ず腐敗する 

年金の公務員による横領は、すさまじいことになっている。こんなことになっていて欲しくなかったのだが・・・。

最近、複数の関係者から聞いたところでは、スーパーなどで売られているコメの多くに、古米、古々米が2、3割混入されているらしい。かなり常態として行なわれているらしく、恐らく官僚も知りつつ放置、または官僚が業者とともに、この混入でも利権を貪っている可能性がある。私には、この推測を正しいとする確実な証拠がない。是非、関係機関・マスコミに追及して欲しい問題だ。

官僚機構の問題が大きい。官僚機構は、強制力・警察力を背景に、一種の権力を持つ。権力がチェックされずに長く一所に集中すると、必ず腐敗が生じる。

UA0FI それに昔のこと 

先日、7メガをスイープしていたら、少し濁ってドリフトする信号を見つけた、UA0FI。最近は、UAの局でも既製品のリグで、綺麗な信号の局が増えたので、こうした昔懐かしい信号を聴くことは珍しくなった。

彼が何度かCQを出し続けているので、コール。サハリンのVladimir。リグは、UW3DI、アンテナがダイポールとのことだ。UW3DI、忘れかけていたリグの名称。確か、UW3DIの設計による自作リグだったと思う。二昔以前には、UAの局が用いている定番だった。

もしかしたらと思って、60年代サハリンからアクティブだったUA0ERを知っているか尋ねた。CITYは何処かと尋ね返されたが、覚えているはずもない。それ以上会話が続かなかった。UA0ERは、後にアゼルバイジャンに移住したということを聞いたような気がするが、その後、信号を聴くことがない友人なのだ。Vladimirは、1962年から無線を始めた方で、現在60歳とのこと。残念ながら、言葉の壁でそれ以上の話をすることが出来なかった。

UW3DIと聞いて、60年代当時の私の設備についての記憶がおぼろげに蘇った(UW3DIは、80年代以降に流行したリグだったのかもしれない)。

私のリグはすべて真空管製の自作。VFOを弁当箱みたいなシャーシの中に組み込んで、バーニアダイアルで周波数を可変した。今から考えると、あの弁当箱の中は真空管のヒーターで暖められて、周波数はどんどん動いたのだろう。安定しなくて困った記憶がある。

送信機は、三段になっていて、バンドスイッチは、ファイナルのところだけ。前段のバンド切り替えは、同じく弁当箱みたいなケースにコイルをバンド毎に作り、取っ手をつけて、リグの前のパネルから出し入れして行っていた。ファイナルは、当初は6AQ5、出力はせいぜい4,5Wだったろう。その後、6DQ6Aというテレビのスイープチューブ、さらに2E26から6146に変更した。今では時効だろうが、無線から撤退する直前は、検査を受けずに6146のパラにしてみた。電源が、いい加減だったので、出力は、せいぜい60、70Wだったと思う。PAの同調マッチング回路は、いつまでもパイマッチだけだった。10Wでやっていた頃は、電流給電のダイポールをはしごフィーダーで給電し、受信機の二連バリコンを用いたアンテナチューナーもどきで同調を取っていたこともあった。

キーヤーは、カツミの初代エレキーがあまりに酷くて、12AT7のフリップフロップ回路で自作した。どこぞで書いたことがあるが、カソードキーイングをしていたので、エレキーのリレーの接点がすぐ焼きついて困ったものだった。その後、グリッドブロッキングに変更して、ようやくリレーのトラブルから解放された。パドルは、レバーの弾性を利用した単純な構造のカツミのシングルレバーのものを流用していた。

受信機は・・・。あぁ、モノローグの思い出話になってしまった。この辺にしておこう。

UW3DIという名称を聞いて、思い出したことだった。

医療の思想 

医療の根本は、病に苦しんでいる人を助けたい、苦しみをかるくしてあげたいというきわめて原初のしかし尊い思いから始まることだと思う。

構造改革とやらで、社会保障費が真っ先に削られ、とりわけ医療は削減の一番の対象にさせられた。また、患者の権利が叫ばれ、それが何にもまして優先されて扱われている。そのために、産科・小児科のみならず地域医療は、地方大学まで含めて、総崩れの日が近い。

その現実を、マスコミも部分的に報道し始めた。昨日の民放の半分バラエティの討論番組でも、平沢勝栄氏ともう一人の自民党議員が、医療崩壊の様々な話題を議論した挙句、医療費を上げることに賛成だと言っていた。先の参議院選挙の結果を受けて、政権与党は多少舵を切るのかもしれない(まだリップサービスだけかもしれないが)。

医療の崩壊を放置すれば、国は内側から崩壊するから、それはさすがにしないだろう。何年か後、またはそれ以降に、政権与党は、医療の再生に向けて大きく舵を取らざるをえなくなることだろう。昨夜の民放番組を観ていて、そう確信した。

しかし、医療の根本にある、mitleidenする思想は、容易には戻らない。患者さんのために善意で頑張ろうと思う気持ちがなくなれば、その後の医療の退廃は目を疑うばかりになるだろうことを恐れる。それは、容易なことでは回復しない。何とか機構や行政が、患者さんを「患者様」呼ばわりせよと強制したところで、そうした医療従事者のこころの問題は、元に戻らない。金銭のことだけでもない、名誉の問題だけでもない。誤解を恐れずに言えば、国の支配層、それに追随したマスコミ、一部のこころない国民が、医療従事者の善意を、踏みにじり、逆手に利用してきた歴史が容易なことでは元に戻ることはないのではないか。

郵政民営化 

郵政公社が民営化された昨日、地方の郵便局が多数閉鎖されたと報道されていた。

小泉元首相が、郵政民営化を訴えた時に、地方の郵便サービスを低下させることは決してないと絶叫していた。それが、守られていないと批判する向きもあるようだが、サービスは、儲かる領域には厚く、それ以外では落とすのは、民営化されれば当然のことなのだろう。

郵便貯金を原資とした財政投融資を削減するという触れ込みだったが、国債・特殊法人債権等を別に売却することで、特殊法人はますます元気である。

郵便局に預けられていた350兆円の預金も、民間金融機関に預けたものと同等のリスクを負うことになる。

公務員削減により、行政改革に資するといっても、民営化前には単独で黒字化されていたので、人件費の面で行政改革になるということはない。

小泉元首相が、郵政民営化すれば、景気も良くなり、国の財政状況も改善する、サービス低下は全く心配ないと豪語していた。民営化の行く末を、よくよく見据えることにしよう。

大淀事件、m3での侮辱問題報道 

大淀事件は、奈良県大淀町立病院で、ある妊婦が分娩経過中に脳出血を起こし、不幸な転帰をとった。それに対して、遺族から、民事訴訟が医師・地方自治体に対して起こされた事件だ。

深夜であったこともあり、転院を依頼された医療機関の多くが受け入れることができず、転院先を見つけることに難渋した。結局、大阪の国立循環器病センターで受け入れられたが、児は助かったものの、重たい脳出血を起こしていた妊婦がお亡くなりになったのだ。

刑事事件としての立件は見送られたが、遺族から、上記の通り、民事訴訟が起こされ、係争中である。

毎日新聞は、この事件を、昨年秋に報道した。それは、担当医が6時間も患者を放置していたといった不正確な報道であり、故意に医師を貶めるものだった。これがきっかけになり、大淀病院はじめ奈良県南部の医療機関は、産科医療から撤退した。

毎日新聞からの意図的とも思える誤報に接して、医師のサイトm3では議論が沸騰した。得られた情報から判断する限り、このケースは、救命することが極めて難しかったケースであり、担当の医師、大淀病院、それに転院を依頼された医療機関にも大きな瑕疵はなかった、という結論だった。産科救急医療の負担の大きさ、産科医マンパワーの少なさが、浮き彫りにされたのだった。何よりも、医療側を貶める不正確な報道をした毎日新聞に大きな問題がある。それに対する、同新聞の真摯な反省は未だない。

このケースの医学的な議論に際しては、かなり詳細な情報が得られていたが、その出所は明らかではない。遺族側は個人情報を漏洩した医師がいるとして、告訴をすると今春主張していたようだが、その後動きはない。

一方、m3での議論の過程で、お産が必ずしも安全なものではないことを強く主張する余り、過激な表現を用いる発言者がいたのも事実だ。それを、遺族に対する侮蔑だとして、遺族側が侮辱罪で告訴した、というのが下記の報道である。患者の個人情報漏洩問題とは別個の問題である。m3から、発言者の個人情報が、裁判所に提出された模様で、簡易裁判所から、侮辱発言をしたという発言者に対して9000円の科料が既に課せられて決着したようだ。

ここで問題なのは、本来、医師のクローズドなBBSであるはずのm3のBBSから情報漏えいが容易に起きた責任をm3が何らとらないこと、その後、安易に裁判所に会員情報を提出していること。勿論、参加者の多いBBSであり、ネットのセキュリティを万全にすることは困難なことは分かるが、医師専用というネット空間が、実際は、全くそうはなっておらず、また問題が起きたときに、会員情報をいとも簡単に外部に出すm3の姿勢は大きな問題だと思う。

それに、もともとの誤報であった事件報道について反省しない毎日新聞が、侮辱罪での起訴の問題と、個人情報漏洩の問題を、故意に混ぜこぜにして報道している点も問題だ。どのような文脈で、その「侮辱」の文言が発せられたのかまで考えて欲しいものだ。個人情報漏洩のルートについては、様々な憶測が飛んでいるが、m3に情報が載った時点で、すでに商業紙にそれが載っていた、または記者が知っていたのではないかという議論もある。現に、この問題での刑事告訴は現時点で行われていない。あたかも、m3に参加する医師が、遺族を侮辱した上に、同時に個人情報漏洩をしたかのような下記報道は、毎日新聞の誤りである。

毎日新聞の侮辱問題に関する記述は赤色文字、個人情報問題のそれは黄色文字で分けてアップしてみる。



以下、引用~~~



ネット流出:掲示板に書き込み、侮辱容疑で医師を書類送検

 奈良県大淀町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院で転送を断られた末に死亡した高崎実香さん(当時32歳)=同県五條市=の診療情報がインターネット上に流出した問題で、流出した医師専用掲示板に実香さんの夫晋輔さん(25)の名誉を傷つける書き込みをしたとして、奈良県警が東日本在住の医師を、刑法の侮辱容疑で奈良地検に書類送検したことが1日、分かった。県警は診療情報の流出についても慎重に捜査している

 県警などによると、医師は、実香さんの死亡が報道された昨年10月、医師専用掲示板「m3.com Community」に、晋輔さんを中傷する内容の書き込みをした疑い。

 掲示板はソニーグループの「ソネット・エムスリー」(本社・東京都港区)が運営する医療専門サイト内に、医師同士の率直な意見交換の場として設置された。医師会員数は今年3月末の時点で、約14万6000人にのぼる。国内最大級の医師専用インターネット掲示板で、書き込みの閲覧人数も多く、県警は晋輔さんに対する医師の中傷が不特定多数に広まったと判断したとみられる

 この掲示板を巡っては、運営会社が今年5月、利用規約に反する中傷などの書き込みがあったとして、掲示板を一時閉鎖した。同社は「全投稿のチェックシステムなど改善策を整えた」として、「Doctors Community」に掲示板の名称を変えて再開した。

 掲示板には、実香さんの病歴情報、診断内容の詳細、看護記録、医師と遺族のやり取りなどが書き込まれたことが判明している。診療情報の流出を受けて、実香さんの遺族は今年4月、県警に刑事告訴する方針を明らかにしていた。
毎日新聞 2007年10月1日 15時00分