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特別会計の闇 再び 

特別会計に関して、以前に一度記したが、この問題は、何度でも繰り返し、ネットさらに世論に訴えて行くべきことのように思える。

特別会計という、官僚だけが自由にし、国会の予算承認等を必要としない国家予算が、300兆円あり、一般会計との重複を除いても、200兆円前後あるというのだ。一般会計単独の2,3倍の規模である。

この特別会計の中には、官僚の天下り先である特殊法人への補助金などが含まれている。会計検査院が、特別会計の監査を行なっているとしても、それは所詮身内の監査でしかない。会計検査院の人間も、官僚だからだ。政治が、こうした国家財政の闇を公にし、国会で議論するようにすべきなのだが、それが出来ていない。恐らくは、特別会計の生む巨大な利権に、政権与党が絡んでおり、特別会計に光を当てる作業を怠らせているのではないだろうか。

財務省が、医療費や社会福祉の予算について議論するときに、国家予算のなかで占める割合の高低を持ち出すのだが、それは一般会計に占める割合だ。

是非、特別会計の内容を、国民に示すように要求してゆくべきだ。その上で、医療・社会福祉関連予算について議論すべきだろう。ネットでも是非この議論を盛んにして欲しいものだ。日本医師会も、政権与党に擦り寄ることはきっぱり止めて、こうした論点で、政府・財務省に迫っていってほしい。さらに、政治に変わってもらわねばならない。こうした、明らかにアンフェアな事象が、長年にわたりまかり通ってきたことに対して、政治家の責任は重たい。

特別会計が、これまで官僚にだけ委ねられてきたことは間違っていると、ことあるごとに声を挙げ続けなければならないと、切実に思う。

勤務医の叫び 

勤務医の要望アンケートが、ネット上で公表されている。

ここ

財務省の官僚の方々は、これを読んでも、「医師の業務には合理化する余地がある」と言うのだろうか。勿論、彼等は聞く耳を持たないだろうが・・・。

インフルエンザ流行の兆し? 

インフルエンザが、流行し始めているようだ。今日、田舎にある私の仕事場でも、初めて、親子がインフルエンザA型と確定診断された。例年に比べ、少し早い。

インフルエンザには、ニューラミニデース阻害剤という新しい薬があるが、基本的に有熱期間を短縮する効果しか証明されていない。また、昨年、思春期症例を主体に意識障害を生じた(かもしれない)症例があった(現在のところ、薬との因果関係はない、とされている)、現在、現実的な対応としては予防ということになる。

予防接種は、成人でも7割程度の効果。小児、特に乳幼児では、その効果は落ちる。一方、高齢者の場合、肺炎を起こしたりする可能性、死亡率共に抑制することが、証明されているようだ。高齢の方、重い喘息など基礎疾患を持つ方、乳幼児を家族に持つ方で、多くの人と接触する方等には予防接種を勧めている。

最も大切なことは、インフルエンザ流行中は、人ごみに出ないことだ。

以下、引用~~~

インフルエンザ流行兆し? 首都圏で患者急増 過去10年で最多 「医療ニッポン」
07/11/09
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 10月下旬に全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、1施設当たり0.2人と、この時期としては過去10年で最多だったことが国立感染症研究所のまとめで9日分かった。東京、神奈川など首都圏で報告が急増。今シーズンの全国流行の立ち上がりは早い可能性がある。

 感染研感染症情報センターの安井良則(やすい・よしのり)主任研究官は「首都圏で患者が増えると、他の地域にも感染を広げる恐れがあり要注意だ」と指摘。「予防にはワクチン接種や手洗い、うがいなどを心掛け、発熱や倦怠(けんたい)感があるときは無理に会社や学校へ行かず、医療機関で受診を」と呼び掛けている。

 感染研は、定点当たりの報告数が1.0人を超えると、全国的な流行開始と判断している。流行開始は例年、12月中―下旬だが、昨シーズンは1月中旬と過去10年で2番目の遅さだった。

 先月22―28日の1週間に全国約4600の内科、小児科から報告された患者数は931人で、定点当たり0.20人。過去10年の同時期は0.00―0.09人で今年は特に多い。

 都道府県別では、夏からの流行が治まっていない沖縄県が274人と最多だが、これまで報告が少なかった東京が112人、神奈川が163人、北海道が110人などと急増した。

 厚生労働省が集計している全国の学校、学級閉鎖数も、11月3日までの1週間でみると21施設と、例年の同時期に比べ多いという。

▽インフルエンザ

 インフルエンザ インフルエンザウイルスによる感染症。国内で毎年1000万人前後がかかるとされる。通常の風邪は、のどの痛み、鼻水、くしゃみ、せきなどが中心で全身症状はあまりみられないが、インフルエンザは38度以上の高熱や頭痛のほか、関節痛や筋肉痛など全身の症状が突然現れるのが特徴。安静にしていれば通常、1週間程度で回復する。発症後3―7日はほかの人に感染させる恐れがあるとされる。

Unfair events 

最近、フェアじゃないなと思うことがら・・・

○経済財政諮問会議に、そこで検討する政策で直接利益を得る面々が連なっていること。

○新聞等マスコミが、意図的であれ、意図せずであれ、間違った報道をしても、訂正したり、謝罪しないこと。

○所謂エコノミストの多くが、大企業・官僚に利する発言を繰り返していること。

○米国が、年次改革要望書(というか、日本の施政方針命令書)というあからさまな内政干渉を行っていること。

○医療費を決める際に、いい加減なでっち上げデータを用いている、即ち、結論が先にありきであること。さらに、臨床現場の声に耳を傾けぬこと。

○新聞社のオーナーが、政治に口を挟む、挟むどころか、政治体制を恣意的に動かそうとしているのに、何もペナルティのないこと。この新聞社は、このことだけで、潰されてもおかしくない。

○医師達のかなりの数が、医療費削減が問答無用に進むので、混合診療導入止む無しという考えに傾いていること・・・これはアンフェアということではないが、内実を国民に知らせることなく、混合診療導入がなし崩しに行われるのはアンフェア!

ローバンドは最盛期 

昨夜は、7メガが大分持ち直していた。北米が、よく入るようになっていた。ただ、あちらの夜明け前の時間帯はあまり良くない。あちらの夜明けから、1,2時間の間に、グレイラインに乗っていることを実感できる。

まずは、W7FF Bob。アリゾナのフェニックス近くの「冬の家」に移動してきたところだと言う。夏の間は、海抜2500mもある山の上で生活しているらしい。渡り鳥のようだね、と申し上げた。84歳だが、かくしゃくとしている。かくしゃくとしているから無線が出来るのか、その逆なのか・・・。彼とは、14年前に最初に交信している。私も近いうちにリタイアしたいというと、リタイアメントは楽しいよ、とのこと・・・実感がこもっている。

Fred K5FAが、ついで、呼んできてくれた。庭園の畑で、Pecan nutの取り入れの最盛期とのことだ。私も一緒にいれば取り入れたnutを上げられるのに、と言っていた。彼のことは以前にも記したのだが、どんな仕事をしているのか、昨夜初めて知った。家具屋さんだそうだ。65年前から一族で経営してきたが、現在は彼一人で経営しているらしい。antique、modernいずれを扱っているのか尋ねた。modernだが、売れ残った家具はその内antiqueになると言って、笑っていた。ちょっとショックだったのは、これからSKになったハムのタワーを降ろしに行くのだそうだ。そうして降ろすべきタワーが65基もあるらしい。それは仕事ではなく、友人(の奥様、ご家族)のためとのことだった。無線の世界が、高齢化しているのだ。Fredは、素晴らしいCW Opr、キーイング、内容どちらも、ピカイチのお一人である。

その後、ショートコンタクトをしたのは、Bob K5AY。Rob K0RUを、FOCメンバーに推挙したことをニュースで知ったかと尋ねてきた。勿論、Robはメンバーに相応しいと返答。

このところ、CQを出しても、応答のないことが多かったが、昨夜は違った。浮き沈みはあるのだろうが、これから1ヶ月位が、ローバンドの最盛期になる。

さて、これから、財務省の認定外の労働、救急診療所に夜間勤務をするために出かける(笑。財務省認定36時間労働「以外」のウン十時間ある労働の一つである。

財政制度等審議会 医療関係資料 

を、ネット上で読むことが出来る。ここ

結局、内容は、あらゆる手を使って、医療費削減をすることが述べられている。

ざっとみて可笑しなデータが満載であるが、一番目を引いたのは、医師の年齢別従業時間数の一覧表であった。その表は、医師は忙しいといいつつそれほど働いていない、さらに診療所では、医師は40時間労働を下回る時間数しか働いていない、という内容だ。私の年代の診療所医師は、週に36時間程度しか働いていないということだ。一番忙しい、20歳代の病院医師でさえ、週50時間台の労働時間だ。きっと、患者さんと相対している時間だけを労働時間とカウントしたといった、官僚の声が聞こえてきそうだ。


しかし、これは現実とは、全く相容れないデータだ。


医師、特に診療所の医師が、少ない労働しかしていないのに、高額の収入を得ていると印象付けようという、官僚の意図的な捏造データ。

この資料集は、いかに世論を誘導して、彼等の目的を完遂するか、という観点だけで作られたものだ。現実を見ようとせず、まやかしのデータであろうが、作図上のテクニックを酷使しようが、世論を誘導できれば良いということなのだろう。

立冬 

今日は、立冬。

昨日昼過ぎ、ちょっと外出した時に、ラジオの国会中継を聴きながら、付近の田園地帯をドライブした。

米が刈り取られた畑が広がり、その先に、筑波山が見える。少し靄がかかっているが、やがて来る冬を予兆するように、明確な輪郭で暗い色調だ。

医療では、暗い話題ばかり。日本をどのような方向に導こうとしているのか。医療が破壊されている。それに、教育も、公・民いずれからも破壊されようとしている。人間を大切にしないで、この国に将来があるのだろうか。

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JA1ANG Harry 

米田さん JA1ANGが、先月亡くなられたことを、K3ZOがFOCの最近号のニュースシートで報告している。

米田さんは、FOCに1983年から約10年間入っておられたようだ。K3ZOによると、米田さんが出ておられた頃、英語を話すJAのオペは少なく、彼との交信を楽しみにしておられたようだ。米田さんが、English native speakerのために、日本語による交信の解説書のようなものを記しておられたようで、それがあると日本語でfluentに交信ができた、とのことだった。CQ誌上で長年続けられた、HOW TO QSOの逆のバージョンを書いておられたのだろう。英会話に堪能な彼だからできたことなのかもしれない。

私も、1960年代後半に、7メガで端整なCWで交信をされている米田さんを何度かお聞きしたことがある。エレキーがまだ珍しかった頃、エレキーで正確に美しい符号で送信されていた。直接お目にかかったり、交信をさせて頂いたことはなかった。その後、FOCの活動を経て、衛星通信に関心が移っていかれた様子だ。

いずれにしても、大きな星が墜ちたという思いだ。

弁護士大量増員も・・・ 

法科大学院の設置・弁護士の大量増員が、米国の要求に基づくものであることを、不明にも今まで知らなかった。米国の法律事務所に日本の法曹の門戸を開けるためのようだ。

年次改革要望書に、要求されていたことのようだ。ここにその紹介がある。

米国で医療改革を進めているから、米国の医療関係者(この場合、製薬会社の人間)を、中医協に加えろという要求があることも驚きだったが、ここまで要求するものなのか。それに対して、抵抗せず、諾々と従うのか。

日本は、米国の属国に成り下がっている。それで良いのか。

米国大使館のウェブサイトに年次改革要望書が載っているらしい。それも、日本語訳をつけて・・・。日本の首相は、施政方針演説ではなく、この年次改革要望書を国会で読み上げれば良いのではないか・・・精一杯の皮肉だ・・・。

昔、旧軍部、今、財務省 

先日の、財務省の語った診療報酬削減の理由は、医師の仕事にまだ合理化するところがあるというものだった。

今回の発表では、その理由は物価スライドらしい。理由は何でも良い、遮二無二1100億円の削減に突き進んでいる。

公務員給与は、どういうわけか、ベースアップすることに決めておいてだ。

まぁ、金の話は、こうなったらどうでも良いが、最期の医療崩壊への対策の一文には笑わせられる。「半年で、数人、3から6ヶ月間地方に医師を派遣する」ことが、地域医療対策のすべてらしい。

旧軍部の愚行を髣髴とさせる政策ではないか。

以下、引用~~~

<診療報酬>08年度に引き下げ 財務省が方針固める [ 11月05日 20時43分 ]

財務省は5日、医師の給与などに充てる診療報酬を08年度に引き下げる方針を固めた。08年度予算の概算要求基準(シーリング)では、少子高齢化に伴って増え続ける社会保 障関係費を約2200億円圧縮することを決めており、「確実に達成するには、大幅に増加が見込まれる医療分野の見直しは不可欠」と判断した。日本医師会は「過去の厳しいマ イナス改定で医療崩壊が現実化している」と大幅引き上げを求めており、改定率が決まる年末に向けて調整が難航しそうだ。

財務省が5日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で示した試算によると、デフレが始まった98年度を起点に、07年度までの人件費(人事院勧告)と物件費(消費者物価 指数)の推移をみたところ、人件費と物件費の加重平均は4.4%減になった。一方、薬価改定を除いた診療報酬本体は0.8%減にとどまっており、財務省は「近年の賃金や物 価の下落を十分反映できておらず、引き下げの余地はある」と求めた。

財政審で異論はなく、今月下旬にまとめる建議(意見書)に盛り込む。国民医療費(患者負担含む)は06年度は約33兆円で、25年度には56兆円に増加する見通しだ。医師 などの人件費はそのうち約5割を占めている。

日本医師会は10月30日、地域医療支援や医療安全対策、医療の質確保の費用として5.7%の診療報酬引き上げを求めた要望書をまとめており、今回の財務省の方針に対する 反発が予想される。診療報酬は1%引き下げると医療費ベースで約800億円の削減につながり、前回の06年度改定では過去最大の3.16%引き下げた。次は08年度が改定 期となる。

医療分野では医師不足など深刻な問題も多く、財務省は、診療報酬は引き下げるが、今年5月末にまとめた政府・与党合意の「緊急医師確保対策」に基づき、地方に必要な医師の 確保などは行う方針だ。【須佐美玲子】

医療事故調査委員会 

関連死届け出、「医療事故調」に一元化 厚労省試案
07/11/04
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

クローズアップ2007:関連死届け出、「医療事故調」に一元化----厚労省試案

 ◇医師を「身内」が追及

医師を「追及」するのではなくて、真相を究明するのだ。それに、医師集団は、医学という科学に基づいて、分かること、分からぬことをはっきりさせる行動・判断原理を持つ。「身内」が追及というと、同業者だから、甘くするというニュアンスがあるが、そんなことは決してない。医師への悪意のこもったタイトル。

 診療行為中に起きた予期せぬ死亡事故の原因究明をする「医療事故調査委員会」の試案が10月、厚生労働省から公表された。注目されるのが、死亡事故の届け出を医療機関に義務付け、届け出先を国(厚労相)にした点。これは医療事故の真相解明の主体が、警察・司法から行政へ移ることを意味する。10年度をめどに発足する医療事故調は、医師の責任追及や事故再発防止の形をどう変えるのか。関係者の思惑は交錯している。【清水健二、遠山和彦、大場あい】

 ◇被害者--隠ぺい体質を懸念

 「ご遺族から、警察に届けずに病院で原因究明してほしいとの要請があった」。東京都立広尾病院で99年2月、点滴の誤注入で妻(当時58歳)を亡くした永井裕之さん(66)は、病院側が記者会見でついた「ウソ」が忘れられない。病院は医療ミスに気付きながら、都と示し合わせて警察へ通報しなかった。その責任を遺族側に押しつけるような発言に、怒りで体が震えたという。

 この事故では院長ら5人が起訴され、うち3人が警察への通報義務を怠ったとして医師法21条違反に問われた(1人は無罪確定)。「病院を信用していたら、すべてうやむやにされた」との思いが永井さんにはある。

広尾病院事件は、確かに隠蔽体質があったとされても仕方のない事件だった。点滴の誤注入がどうして起きたのかという問題と、それを隠蔽した病院幹部・都の行政の責任の問題は、別個の問題だ。

この文脈で、広尾病院事件だけに言及するのは、片手落ちだ。医療側にとって、認めがたい訴訟が、民事でも刑事でも数多くある。


一方だけに肩入れした報道は、問題を複雑にする。

 試案によると、診療関連死に医療ミスの可能性がある場合、警察へは医療機関が直接通報するのではなく、医療事故調が事件性の有無を判断して届け出る。医療事故は事実上、医師法21条の適用外になり、警察は「通報義務違反」という捜査の切り口を失う。遺族は告訴状や被害届が出せるが「事故調が通報しない限り、警察は立件できない」というのが、関係者の一致した見方だ。

警察の立件そのものが、医学的に非常識なケースが多くなってきたから、この医療事故調査委員会(以降、事故調と省略)の必要性が叫ばれることになってきたのではないか。少なくとも、細分化され発達した医療を、たとえ1,2人の鑑定医の意見を入れたとしても、警察が立件することには無理がある。まれな故意による医療事故を立件する場合でも、事故調が調査することが必須。

 死因究明の第三者機関設置は、被害者の願いでもあった。それだけに、立件の可否も事故調に委ねる制度を、複雑な思いで受け止める。永井さんは「主に医療関係者で作る事故調が、どこまで医師を追及できるのか。理念は賛成だが、医療機関の隠ぺい体質が改まるまでは警察が介入するしかないのでは」と話す。

遺族を「被害者」と断定する、この短絡振りはどうか。遺族は、ご家族を失った悲しみにあることは同情すべきことだが、それと死因の究明とは別個に行われなければならない。この区別が、マスコミ、特に毎日新聞はとりわけ苦手らしい・・・というか、医師が加害者、遺族が被害者という固定観念に囚われている。もう少し、状況をありのままに見てほしいものだ・・・無理か。

 警察へ通報する「基準」も問題になる。日本内科学会が05年9月から始めたモデル事業では、約50件の検討例のうち、事件性が疑われ司法解剖に回されたのは1例だけだった。厚労省は「過去の事故報告を分析して基準を定める」としているが、消極的とみなされれば信頼は揺らぐ。

1例「だけ」だった、「消極的とみなされれば」、とは、警察への通報事例はもっと多いはずという思い込みの表明だ。頑迷な記者よ、目を覚ませ。

 一方で、遺族の間には「再発防止のためには刑事事件化は望ましくない」との声も強い。捜査が入ると関係書類が押収され、医療機関の自主調査は困難になる。刑事訴追を恐れ、当事者も非協力的になる。被害者側代理人を多く務める鈴木利広弁護士は「100人の犯罪者を作るより、1万件の再発防止を目指すべきだ」と、事故調が真相解明と再発防止に重きを置くよう主張している。

その通り。特に、医療事故の背景にある、医師の過重労働、少ないマンパワー等にも必ず目を向けて欲しい。一つの医療事故には、多重の原因が、長期間積み重なっていることが多いもの。現場の人間にだけ責任を負わせてお仕舞いにすることだけは止めていただきたい。

 ◇警察--「選別」が捜査の負担軽減

 警察当局は、医療事故調の設置そのものには賛成の立場だ。

 ある警察庁幹部は「事故調が刑事責任追及の必要あり、とするものを選別して届けてくれる方が、捜査上は効率的だ」と評価。その裏には、相談レベルのものも含めて届け出が警察に一点集中し、年間200件近くの医療事故絡みの捜査をしながら、起訴に至るのは「送致した事件の2割程度にとどまっている」(同庁幹部)という実態がある。立件まで1年以上かかるケースも珍しくなく、事故調による「選別」は、捜査員の負担を軽減する効果を生む。

 一方で「最初から簡単に自分のミスを認める医師はいない。事件性の有無を判断するためには、地道に証拠を集める膨大な作業が必要。事故調のメンバーにそこまでできるのか」という懸念もある。警察の介入が医師側の萎縮(いしゅく)を招くという声にも「警察は患者側の切実な訴えに応える責務がある。しゃにむに医療現場に手を突っ込んで乗り込んでいくという認識はもっていない」と厚労省の検討会で反論する場面もあった。

地道に証拠を集める膨大な作業を行えば、警察に事件性の有無を判断できると言うのであろうか。何たる楽観。患者側の切実な訴えもあるだろうが、医療側の切実な訴えもあるのだ。マスコミにならって、警察も患者側にだけ肩入れしているように見える。これでは、公平性が保たれない。

 患者側からの通報窓口を事故調に一元化することには反対だ。同庁幹部は「医療事故は患者側が声を上げなければ、埋もれてしまう。事故調と警察の複数の窓口が必要だ」と指摘した。

医療事故を警察に持ち込み、警察が判断することが、問題解決になりうると、未だ考えている様子。自らの手に負える仕事と、そうでないことの判断ができないのか、ただ自分のテリトリーを減らしたくないだけなのか。

 ◇現場・学会--「通報せず、を原則に」

 届け出対象となる「異状死」の定義を巡る混乱や議論は、90年代から続いてきた。

 広尾病院事件後の01年、外科系13学会は、医療事故の届け出義務を認めつつ「予期される合併症に伴う患者死亡は異状死に該当しない」とする声明を発表した。04年には内科系も含めた19学会が、中立的専門機関を創設し、診療行為に関係する患者の死亡例すべてを届ける制度を提案。日本産科婦人科学会も今年4月、医療事故原因究明機構などの第三者機関設置を求める提言を公表した。

 同学会の沢倫太郎・将来計画委員会副委員長は「これまでは疑問を持っても届ける窓口がなく、警察に頼らざるを得なかった患者らの気持ちも分かる」と事故調の役割に期待。一方、日本外科学会の高本真一・医療安全管理委員長は「刑事事件になったら個人に罪をなすりつけるだけで、真相究明や再発防止にはならない。警察に届けないことを原則にしてほしい」と主張した。

 「医療崩壊」などの著書がある小松秀樹・虎の門病院泌尿器科部長は「事故に対して個別に対策を求めると現場は疲弊する。必要なのは、医療のプロが被害の大きさと対策の費用対効果を考えて、優先順位を提示することだ」と事故調の役割に注文を付けた。

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 ■ことば

 ◇医師法21条

 「医師は死体を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」とする規定。違反には罰金50万円以下の罰則がある。「異状」の定義はあいまいで、かつては行き倒れや外傷のある死体を発見した際の対応を想定したものとされていた。しかし日本法医学会が94年、診療関連死でも届け出るべきだとの指針を発表。都立広尾病院事件で00年に医師らが起訴されたのを皮切りに21条違反での立件が相次ぎ、医療機関が警察に届け出るケースが急増した

異状死の定義だけでなく、医療関連死の定義も未だ曖昧なまま。準備委員会では、まだまだ議論が続いている。医師側が、この事故調を早急に立ち上げるとは主張してない。官僚は、来年になんとしてもこの事故調を立ち上げる積りらしい。(MRICの傍聴者のMLによる情報。)官僚は、既に記した通り、解体される社保庁の人間の新しいポジションを得る場として、この事故調を考えている節がある。このように大切な組織の立ち上げを、官僚の都合だけで決めては、大きな禍根を残すことになる。

本屋巡りと総代理店制度 

日曜日、次男坊とお茶の水に車ででかけて、本屋巡り・・・と言っても、二軒だけだが、してきた。昔、学生時代にほっつき歩いた街。明大が、ホテルのような建物に変貌し、主婦の友会館が、日大に変わり・・・。お茶の水駅近くの専門書店は、ほとんど姿を消していた。駿河台下で三省堂に入り、息子は論理学・哲学関係の書物、それにTime、私は、医学・音楽関係の書物を買い込んだ。その後、喫茶店でお茶・・・。ネットで自由に本が買える時代だが、こうして本屋巡りも偶には良い。

それにしても・・・というか話が変わるが、New England J Medといい、Timeといい、日本の総代理店を通してしか買えないのはどうしてなのだ?!!この総代理店制度が幅を利かせているのは日本だけなのではないのか。以前にも記したが、総代理店制度は、出版社・取次ぎ業者のみに有利な制度だ。読者から利益をむしりとる制度。フェアでない。

政治もそうだが、いたるところで、泥棒国家に成り下がっていないか。

米国の医療改革の失敗に学ぶ 

最近のNew England J Medに、「医療改革の失敗から学ぶ」と題する論文が掲載されていた。

J.Oberlander N Eng J Med 357:1677-1679 Oct 25 2007

クリントンの医療改革がどうして失敗したのかという問題について述べている。

かなり大雑把になるが、その抄録を記す。誤りがあればご指摘を頂きたい。

以下、抄録~~~

近年、医療費の再現の無い増大と、無保険者数の記録的な増加、さらに医療システム全般の悪化によって、医療全体の改革への関心が高まっている。

医療改革の歴史から学ぶ必要がある。同じく医療改革の必要性が叫ばれた1993年、クリントンが、健康保険法案を提案して1年後、それは実現されること無く葬られたのだ。

クリントンの提案した法案の内容は、混合診療から、universal coverage全般補償制度に移行することを要求した。即ち、雇用者は、被雇用者の健康保険料を支払う必要がある。国民は、競争原理の働く複数の民間保険から選択する。保険市場は、managed care制度に近いものにさらに移行する。政府は、地域で同一の保険料になるように保険業界を指導し、健康な加入者を選択的に加入させるチェリーピッキング等を禁止する。政府は、保険掛け金の上昇も制限する。

クリントンの法案は、universal coverageという自由主義的な目的と、民間保険間の統御された競争という保守的な手段を両立するものと考えられていた。それによって、医療改革の手詰まりを突破できるはずであった。最大の政治的なアピールを行なうために計画された、他の要素は、雇用者が掛け金を支払うシステム、広範な新しい増税を伴わぬシステムであり、民間保険を保持し、Medicareを残し、国民の健康と、選択権を保証するものということだった。

しかし、この法案が受け入れられることはなかった。

恐らく、このクリントンの政策の最大の誤りは、あまりに野心的であった、すべての項目をカバーしようとするものだったことのように思われる。

このクリントンの政策の失敗から、医療改革の政策に関して幾つかの広範な教訓を得られる。

第一に、いかに医療改革の機運が盛り上がっているように見えても、抵抗する政治勢力が必ず存在する。国の医療支出がは、医療産業関係者の収入であり、彼等の関心は、その支出を増やすことにある(訳者注;米国の医療費は、国際的にみても、ダントツに高く、日本の現状とはかけ離れている)。

第二に、かなりの国民が、現状の自らの医療環境に満足しており、医療改革により、自分の医療環境が、選挙民の意向と衝突し、不安定化するのではないかと危惧している。

第三に、医療システムに関わる政府の公権力が拡大することを否定的に見る立場がある。

第四に、医療改革の財政基盤を何処に求めるかが、手ごわい問題である。クリントン法案が実現しなかった大きな理由は、雇用者の義務に対して国会の賛成が得られなかったことだ。

第五に、政治的な対立が、大統領の権限を制限した。

最後に、改革の機運は、長期間継続しなかった。

クリントン政権が、政治的な誤算や戦術の誤りを犯していないということはない。しかし、彼が医療改革に失敗した最初の大統領ではないことは覚えておいて良い。彼は、ルーズベルト、トルーマン、それにニクソンの後に従ったのである。結局、クリントンの失敗は、政策の誤りというよりも、米国において全般的な医療改革を行なうことのとてつもない困難さをより多く物語っている、と言える。

抄録終わり~~~

米国のような医療システムになると、それを改革することがいかに困難であるか、改めて教えられる論文だ。

持てるものが利益を得る医療システムになると、持てるものは様々な手段を用いて、その医療システムを保持しようとする、ということだろう。

確かに、米国では、皆保険制度になった歴史がなく、自立の精神が尊ばれるという風潮はあるのかもしれないが、持てるものが政治と社会を支配し、動かしているということが、改革の芽をことごとく潰しているように思える。

これは、米国だけの特殊な状況ではない。明日の日本の状況でもあるのだ。

Burt W7IIT 

休日の朝、14メガは凪のような静けさだった。しかし、XU7MDYを呼ぶWが1,2局、ガツンと入っていた。少し上にスイープして行くと、Nigel
G3TXFがJWから運用し、盛んにCQを出している。さほど強くはないが、地磁気の状態は安定している様子。声をかける。初めてのJAだと言っていた。いつもはRoger G3SXWと一緒なのだが、今回はどうなのだろう。

仕事場に出かけなればならなかったので、少しの間だけでもとCQを出す。Burt W7IITが呼んできてくれた。数年ぶりか。彼は記録をきちんとつけているようで、最初に交信したのは、1981年2月だと教えてくれた。1980年代に盛んに交信をした記憶がある。

彼も、もう83歳。2年前に、はしごから足を滑らせて、骨折、結局、股関節の置換を受けたらしい。奥様からも、タワーに上ることは止める様に言われて、もうアンテナ作業が出来ないのが残念だと言っていた。奥様は、CARED FOR APTに入ることにしようと言うが、彼は、まだ今の家で10年間は頑張る積りだと仰る。養老院のようなところに入ったら、自由がなくなるし、無線も出来なくなるし、彼の気持ちは良く分かる。

彼は、交信記録をよく付けている様子だった。PCロギングなのかもしれない・・・いろいろと交信相手の情報を書き入れられるロギングソフトというものはあるのだろうか。上記の最初の交信日時以外にも、私がXU8DXのQSL Mgrをしていたこと、さらにチェロを楽しんでいることなども話題にしてこられた。彼の13歳の孫がチェロを始めたとのことだった。まだ1年目らしい。基礎を十分練習しておくと、後々沢山楽しめるからと伝えて欲しい、と申し上げた。記憶は、加齢とともに落ちてゆくのだろうが、彼のように記録をしっかり取ること、そうした生活態度でいることが、知的な面での老化を遅らせることに繋がるのかもしれないと思った。

80年代にしばしばお目にかかり、弱小の設備しかなかった私の相手を良くしてくださった方だ。これからも長い間、無線を元気に楽しんで欲しいものだと思った。時々、ミスキーイングはされるが、とてもかくしゃくとしている。80年代にお目にかかった頃、彼が丁度私の年齢位だったはず。私も同じように年齢を重ねることができるのだろうか。健康を祈りつつお別れした。

財務省、診療報酬削減を明言 

財務省は、医師の給与は依然高く、業務の合理化余地はあるとして、診療報酬をさらに削減する方針であるという。

医師、特に開業医の給与(収入)が「高い」というキャンペーンを張って、その直後に、この方針の発表である。医師給与が高いという、根拠は、医療法人の理事長である医師の収入をもって言っている。比較的収入の高い群の医師だけを抜き出して持ってきている。長期間の教育トレーニングを必要とする技術専門職で、経営リスクを負って経営する人間との比較をしているならまだしも、それすらしていない。また、先進国の医師との国際比較もしていない。これほどあからさまで意図的な情報操作はない。これもすべて、今回の方針を社会に受け入れさせる地ならしというわけだ。

厚生労働省は、診療報酬の改訂(抑制)を勤務医の待遇改善になるように行うと言っているが、これは、財務省のこの発言からすると、「取ってつけた」言い訳にしか過ぎないことが分かる。財務省は、勤務医の待遇改善など眼中にない。ただただ、医療費削減のために診療報酬を下げる、ということだけだ。

なぜこれほどまでに、官僚は医療費を削減しようとするのだろうか。既に、記したこともあるが、一つには、国庫からの社会保障医療への支出を何としても削減したいというきわめて明確な目的がある。しかし、この削減が、どのような社会状況をもたらすのかについて検討している様子がみられない。

さらに、進んで、官僚は、国民皆保険制度を破壊することを目論んでいるように思える。これによって、高齢者の健康状態は、悪化し、年金受給者も減ることが予測される。医療給付・年金給付ともに減らすことができるのは、官僚にとって二重で歓迎すべきことなのだ。

現在の医療制度が崩壊すると、医療は自助努力で受ける社会となる。福田首相の言う、共生はお題目だけ。社会の中で自立することが求められる。公的な医療制度がなくなると、そこには民間の大きな市場が生まれる。米国系の巨大保険資本が、この数年来日本で宣伝をしまくっているのは、それを見越してのことなのだ。民間保険は必ず利益を上げる必要がある。従って、公的保険に比べると、きわめて割高になる。特に、持てぬ層にとって、そうなることだろう。米国のグローバリズムの浸透によって、格差はさらに広がり、そこにこの医療での格差社会の到来だ。

既に何度も記してきたことだ・・・何か無力感に襲われる。しかし、何度でも記しておこう。医師としての遺言みたいなものだ。果たしてこれで良いのか・・・我々一人一人が動かなければ、何も変わらない。

以下、引用~~~

10月31日3時0分配信 時事通信

 財務省は30日、2008年度の予算編成で、医師の給与などとして医療機関に支払う診療報酬を削減する方針を固めた。医療機関側は厳しい現場の実態を挙げて増額を求めているが、同省は「医師の給与は依然高く、業務の合理化余地はある」と判断した。

ブルックナー8番の思い出 

このところ、就寝時に聴くのが、上記の交響曲だ。この曲自体に、思い入れはそれほどはない。かなり深刻な音楽という印象。どちらかと言うと、宇宙的な大きさを感じさせる同じ作曲家の9番の方が、好みではあるのだが、この8番も評判の高い交響曲ということもあり、聴いている(何たる、自主性のなさ・・・)。

この音楽を聴くと、ある後輩のことを思い出す。彼は、大学の何年か後輩にあたり、大学オケでしばらく一緒に活動した仲間である。彼の学年は、多士済々、様々なタレントを持つ者が多かった。この後輩、T君と呼ぶことにしよう、はピアノがとても上手で、音大(芸大)に進むか、医師の道を進むか迷った挙句、医学部に入ったようだ(今頃、道を誤ったなどと後悔はしていないだろうな(笑))。T君は痩身で、少し人見知りをするところのある青年だった。

大学オケの合宿で、ブラームスのピアノ協奏曲1番のサワリをさらさらと聞かせて貰ったことがある。指はころころと回り、ピアノの上手い方に特有の、かろやかな響きだったことを覚えている。その後、親しくなって、フォーレのピアノ四重奏曲2番の1・3楽章をヴァイオリン・ヴィオラ弾きを引き入れて、合わせたことがあった。1楽章冒頭の早く烈しいアルペジオを聴くと、彼や、その他の面々とこの曲を合わせたときのことを思い起こす。この曲には、T君でさえとてもまともに弾けない部分があると聞いて驚いたものだった。弦のユニゾンで出る主題、それにヴィオラのモノローグのような旋律、3楽章の教会の鐘を模したというチェロのソロ、懐かしい曲だ。いつか、全楽章を合わせてみたいと思っていたが、いろいろな意味で無理かもしれない。それだけに懐かしい。

T君の当時の下宿が、私の自宅と同じ私鉄の沿線にあって、オケの練習後など良く誘い合わせて一緒に帰ったものだった。彼の降りる駅は、私の降りる駅の2,3駅手前で、彼の下宿に泊まりに来るようにと何度か誘われ、二回ほどお邪魔したことがあった。すると、たいてい音楽談義を夜遅くまですることになるのだが、彼が絶賛していたのが、このブル8だった。彼のお気に入りのブル8を聞かせてもらいながら、眠りについたことを思い出したのだ。

大学を出てから、彼との交流はなくなってしまったが、オケではかなりブンブンいわせて、チェロのトップを長くしたことを耳にした。現在は、基礎医学の研究者として、ある研究所で頑張っているらしい。数年前に、一度だけ会って、その時にピアノを少し弾いてもらったが、昔の面影は何処へ・・・という感じであった。きっと、ピアノから試験管に完全に乗り換えてしまったのだろう。

いかん、夜遅くなると、こうした他愛も無い昔の思い出が蘇ってきてしまう・・・寝なければ・・・。今夜も、ブル8か・・・。