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 2008年01月 

弁財天古墳 

通勤路脇の畑の中に、小高い土盛られた土地がある。ずっと、何なのかなと思いながら、傍を通過していた。

先日、車を停めて、よく見てみた。弁財天古墳という史跡名が記された簡単な標識が建てられていた。頂に、何やら仏塔か何かがありそうだが、良く分からない。


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古墳を、昔の人々が尊び、そこに何かを祀っていたのだろうか。弁財天への信仰か。

超越的なものに依り頼み、それを大切にする昔の人々の原始的な信仰が、受け継がれ続けてきたことを思わせる。

少し調べてみたが、この古墳の情報は得られなかった。規模も小さく、きっと忘れ去られた史跡の一つなのだろう。それだけに、今も、こうして昔のまま古墳が存在しているのが、貴重なことだ。






開業医の診療報酬減となることを、朝日新聞が報じると・・・ 

再診料引き下げは取りやめることになったようだ。このニュースを報じる朝日新聞のスタンスが、「断念」との言葉から読み取れる。官僚側に立っているのだ。実質、外来管理加算という診療報酬が削減ないし廃止されることで、開業医にとっては、痛みは同じだ。

医療費は削減し、混合診療止む無しという世論を上げさせる、官僚が医師の配置を決め、「医療事故」を断罪する、医師の管理体制を強化する、研修医の研修体制を官僚が管理するという医療を窮乏化させ、管理を強める体制に、着々と進んでいる。国家財政面からは、高齢者の寿命を短くすることが得策であり、また混合診療を早く導入し、医師・医療管理を通して、官僚の権益を確保しよう、というように考えているようだ。

以下、asahi com.より引用とコメント~~~

開業医再診料、引き下げ断念 医師会の反発受け 厚労省
2008年01月30日03時01分

 厚生労働省は29日、医療機関などに支払う診療報酬の08年度改定で、焦点となっていた開業医の再診料引き下げを断念する方針を固めた。この引き下げによって勤務医不足対策の財源の一部を捻出(ねんしゅつ)する計画だったが、開業医を中心とする日本医師会が強く反発。厚労省が最終的に押し切られた。勤務医不足対策には1500億円を盛り込むものの、開業医の既得権益への切り込み不足は否めず、「勤務医との格差是正が不十分」との批判が高まるのは必至だ。

開業医の既得権益とは、再診料の病院・診療所間の格差のことをいっているのか。病院の外来診療の収入を減らし経営が成り立たないようにし、外来診療を診療所に誘導する、という官僚の方針で、病院の再診料を下げた、という経緯がある。いわば、勤務医の側の条件を、官僚が落として出来たのが、この「格差」なのだ。それを、開業医の既得権益とは、笑い種だ。事実誤認をしているか、官僚のいい草のタイコ持ちをしているのか、報道機関の論説としては、落第だ。

新聞業界で、一番高給と言われる朝日新聞の給与を、地方紙やスポーツに合わせて、「既得権益」を放棄してから言ってもらいたい。 経済財政諮問会議の方々が、正規労働者の労働条件を、非正規労働者の労働条件に合わせろと主張している論理と同じ論理を、平均生涯年収5億円超の朝日新聞の記者が語るのは、ブラックユーモアである。

 30日の中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で、中立的な立場の公益委員が引き下げ見送りを提案、了承される見通しだ。

 外来の初診料は、前回06年度改定で開業医、勤務医とも2700円に統一された。だが、同じ病気での2回目以降の診察にかかる再診料は、勤務医570円(ベッド数200床未満)に対し、開業医は710円。患者は自己負担が少なくて済む病院を選ぶ傾向が強まり、勤務医の過重労働につながっているとの批判がある。

この再診料の違いは、自己負担レベルでは、42円だ。42円の違いで、勤務医側に患者が大勢押し寄せているというデータを示してもらいたい。この「格差」を、官僚が作った理由を知っているのか。その官僚の判断への批判はないのか。

もし、再診料を病院(勤務医)のレベルに合わせるとして、果たして、どれだけ勤務医の過重労働が緩和されるのか。ここでは、その改善策を具体的に一切検証されていない。勤務医の労働条件の悪さの第一は、勤務医の減少が酷い労働環境を生み、それがまだ勤務医を減らすという悪循環にある。

厚生労働省の正式見解は、未だ医師数は足りているというドグマだ。それをまず撤回し、謝罪すること。勤務医の労働条件を、総合的に改善することが、まず第一に行うべきことではないか。


 厚労省は今回、病院の勤務医に比べ少ない労働時間で高い収入を得ているとの指摘もある開業医の再診料を引き下げ、その財源を勤務医不足が著しい産科・小児科などに重点配分する方針を打ち出していた。

産科・小児科の勤務医が少なくなっているのは、「金」のためか。ピント外れも甚だしい。少なくとも、官僚は、真実を分かっている。小児科は、夜間救急の多忙さ、産科は、医療訴訟の多さが原因であること、を。小児救急の自己負担を増やすこと(経済困窮者には、後で還付する)、産科の医療訴訟を抑制するための現場からの提言に耳を傾けることだ。わずかな診療報酬の積み増しなど実質的に何の助けにもならない。

端的に言えば、産科・小児科勤務医の窮状を出汁にして、官僚は、医療費削減を企図している。


 だが、医師会は「再診料は、地域医療を支える開業医の無形の技術を評価する重要な項目」として引き下げ案を拒否。次期総選挙を意識し、医師会の支持を取りつけたい与党も歩調を合わせた。

医師の技術料の国際比較を、してみて欲しいものだ。現在の診療所の再診料710円であっても、医師の技術料評価としては、驚くほど低いことが分かるはずだ。さらに、繰り返しになるが、病院の再診料が低いのは、病院外来を採算割れにして、患者を医療費のかかる病院での診療から、そうではない診療所に誘導しようとしたものだったという厚生労働省のお馬鹿な医療政策の一環であることを、是非報じて欲しい。今度は、格差があると言って、採算割れの再診料に、診療所を誘導しようとしている。

 厚労省は勤務医不足対策の必要財源を1500億円と試算。具体策として、リスクの高い出産、重症の子どもの治療への報酬引き上げや、勤務医の仕事を補助する事務職員の配置などを挙げている。

 財源については、「医師会と決裂するよりも、別の方策を検討した方が財源を確保しやすい」と、中医協の委員を説得。開業医の再診料下げを断念する代わりに(1)軽いやけどなど簡単な治療の診療報酬を廃止(2)再診時に検査などを行わなかった場合に再診料に上乗せ請求できる「外来管理加算」の見直しで400億円を調達。昨年末の改定率交渉で決まった医師の技術料など診療報酬の本体部分の引き上げ幅(医科で0.42%)1100億円と合わせ、1500億円を確保する方針だ。

外来管理加算という意味不明の加算を廃止にするのか。小児科のように検査を殆どしない科の診療所に、大きな痛手を与える。精神科の通院精神療法料も、時間制を取り入れて、実質大幅な削減になる、という話が聞こえてくる。声の挙がらないところからは、どんどんむしり取るのだろう。真面目に仕事を続けていても、官僚の匙加減一つで、我々の生活はどうにでもなってしまう、この不条理さに、腹が立つよりも、空しさがこみ上げてくる。

一方、厚生労働省の官僚の天下りを多く受け入れている大手製薬企業は、好決算が続いている。大手4社の昨年度経常利益だけで、1兆円を超すと聞いた。

これでよいのだろうか。


 厚労省は、軽いやけどの治療など、再診料以外の部分で開業医向けの診療報酬を削って財源を確保した。だが、1500億円で勤務医不足を十分に緩和できるかどうかは未知数だ。効果が上がらなければ、再診料引き下げ見送りへの批判が改めて高まりそうだ。

既に何度も記してきたが、サッチャー時代の英国で、医療費を削減し、医療が崩壊した。診察を受けるのに何日も待たされ、さらに検査・手術等には、何週間・何ヶ月となく待たされるような状況になった。英国人医師は、国外に流出した。日本では、恐らく、それ以上の崩壊が生じつつある。

勤務医不足が解消しないのは、開業医の責任なのか・・・あぁ、勤務医が開業できないように、開業医を経済的に成り立ちがたくさせる積りなのだね。開業医を減らせば、地方に住む高齢者の医療は成立しなくなり、後期高齢者医療制度と相俟って、高齢者の寿命を短くすることを、官僚達は本心では願っているようだ。

朝日新聞は、その崩壊が国民の痛みになったときに、踵を返して、医療費を上げる論説を、恥も外聞もなく掲げることだろう。医療崩壊への流れは、止められそうにない。私は、もう諦めている。しかし、官僚達の策謀と、朝日新聞を始めとするマスコミの提灯持ち振りは、絶対に忘れない。


PS;朝日新聞は、最近の論説で、医師不足を解消するために、医師を強制的に地方に配置するようにしたらどうかと提言している。彼等は、医療の問題の本質を理解していないのか、または医師の人権は無視してでも、官僚の提灯持ちに徹したいのか、一体どちらなのか・・・両方なのかもしれない(苦笑。

開発途上国の飢餓の問題 

お恥ずかしい話だが、世界で起こっている飢餓の具体的な状況について、あまり知らなかったし、関心を持とうとしていなかった。先日、諏訪中央病院の鎌田実さんの著書について、ラジオの番組が触れていた。そこで、毎日餓死者が2万人超出ている。その内、7割が子どもだ。という話を聞いた。震撼の事実だ。毎日、食料がなくて、一つの町にあたる人口の人々が、死んでいっている。その多くが、子ども達だということだ。

ネットでこの飢餓問題について、ユニークな視点からよくまとめてあるサイトを見つけた。FOOD FIRSTというタイトルのサイト。グローバリズムに批判的なスティグリッツの著書でも、先進国が開発途上国の農業を如何に抑圧しているかが、記されている。様々な視点から、こうした世界規模の深刻な問題に関心を持ち続けることが必要だ。

さて、この食料に満ち溢れ、戦争もないこの国で生きる私が、何をなすべきなのか・・・。

無過失補償制度 

脳性まひは、周産期医療が進んだ現代でも、1000出生に対して1から3の頻度で生じる。9割は、胎生期の問題で生じることが判明している。

脳性まひが、お産時の医療事故だとして、医療訴訟になるケースがとても多く、産科医療を困難にしている。脳性まひの症例全体に、医療訴訟で勝訴した場合の補償金の平均を支払うと、産科医療の全収入がなくなる、即ち、産科医療はそれだけでも成立しがたくなる、といわれている。その状況を改善するために、無過失補償制度が提案され、実現することになった。

この制度には、大きな問題がいくつかある。

○脳性まひの90%が胎生期に起きるとしたら、それは現代医学ではまだ対応できぬ問題だ。残りの10%の周産期の問題、とりわけ新生児仮死も、避けえぬ事態であることが多い。なのに、医療機関が、この保険料を支払わなければならない理由はない。むしろ、ハンディキャップを負って生まれてきた子ども達を、社会が支える社会福祉の一環であるべきなのではないだろうか。

○医療訴訟を抑制する狙いもあるというが、抑制するという保障は全くない。むしろ、医療訴訟を経済面から促す可能性がある。医療訴訟を減らすためであれば、この補償を受ける条件として、訴訟は起こさないという条件をつける必要が出てくる。

○日本医療機能評価機構は、病院の機能を評価し、認定を授与することを「有償」で行っている。機能評価・認定の際には、微に入り細に入り検査されるが、本質的な問題、医療スタッフの労働環境などには、殆ど触れないらしい。有償の評価には、検査官の滞在費食費なども含まれているらしい。同機構の理事達は、所謂有識者が顔を並べているが、結局は、官僚の天下り先の一つだ。このような組織が、数百億円規模になる本補償制度を運営するには大きな疑問がある。社保庁の二の舞にならなければ良いのだが・・・。私など、同機構が、本補償制度を運営すると聞いた途端、胡散臭さを感じた(苦笑。


以下、asahi.comより引用~~~

出産事故に2500万円補償 重い脳性まひ救済
2008年01月23日20時52分

 政府方針で導入される出産時の医療事故で重い脳性まひになった子の救済制度について、厚生労働省所管の財団法人・日本医療機能評価機構は23日、子1人当たりの補償額を計約2500万円とすることを決めた。事故直後の一時金と、成人するまでの分割給付金に分ける。救済対象となるには出産を扱う病院・医院が保険に加入している必要があり、同省などが加入を呼びかける。08年度中に開始する。

 救済対象は、妊娠33週以降に体重2000グラム以上で誕生するなど通常の妊娠・出産で、重い脳性まひになった子。年間500~800人程度を見込む。未熟児や先天的に脳に異常がある子らは原則対象外。医師に過失がなくても救済されるのが特徴で、産科医不足の一因とされる医療紛争を減らす狙いもある。

 補償金は、出産後の一時金(500万~600万円)と、子どもが成人するまで支払われる分割金(1カ月当たり約8万円、総額約2000万円)に分けて給付。子どもが成人前に死亡した場合は遺族に給付される。

 医療機関が支払う保険料は出産費用に転嫁されるとみられ、個人負担が3万円程度高くなる恐れがある。このため同省は、制度開始にあわせて健康保険から支払う出産育児一時金(現行35万円)を引き上げる方針。

アサヒ・コムトップ

絶滅の危機か? 

以前にも書いたような記憶があるが、かってUA(昔のソ連)では、ハムの免許を取るのに、SWLをしばらくやり、カードを集める必要があったようだ。それに、きっと免許試験も難しかったのだろう。CWでの会話はほとんど成立しないが、彼等はコピーすることにかけては完璧だった。

ところが、最近では、そのUAの連中の中に、まともにCWをコピーできない者が出現し始めている。免許が簡略化されたのだろうか。今夜も、UA3**という如何にも旧そうなコール(コールで経験は判断できぬことは良く知っているが)の局に、こちらの情報を、それほど早くない速度で一通り送り終えたあと、QRS NAME?と打たれて、ある種の感慨に襲われた。

一つは、あの速度でも取れないということは、UAのビギナーとしても、受信能力が低くなっているという感慨だ。さらに、QRSと打つ率直さにも、ある種心打たれるものがあった。

実は、この受信能力の低下は、少し大げさな言い方になるが、全世界規模で起きていることのような気がする。私も、まだまだ修行中の身だが、アマチュア無線の本場である米国のハムと話をしていて、頓珍漢な会話になることが時々あるのだ。こちらの語学力の問題のことも勿論あるが、相手方が受信できていないことが時々あるのだ。

雑誌等でCW特集を組むときに、簡単にCWでの運用ができるという「ノウハウ」の安直な記事を載せることが多い。SWLで経験を積む必要性などにはほとんど触れない。簡単に、それらしく楽しめれば、それで良しという風潮が、そうした記事の背景にはあるのだろう。CWが、通信技術としてではなく、一種のファッションみたいに扱われているのだ。しかし、本当のノウハウは、英語の簡単な読み書きを習得すること、書くことをせずに頭のなかで受信する訓練をすること、実地にノイズや混信にまみれた信号を聴いて、遠くから届くそうした一種の肉声に感動することではないか・・・こんな手間取ることに打ち込もうとする人は、めったやたら存在しないような気もするが・・・。

・・・やはり、CWは、絶滅への最後の過程に入りつつある通信モードなのだろうか。

福島県立大野病院事件第12回公判 

上記の速報が、ロハスメディカルに載っている。

御遺族が発言されたようだ。

過失が無いなら、何故亡くなったのか?亡くなった理由を明らかにして、加藤医師に責任を取ってもらいたい、という言葉。突然、家族を失った方の言葉として、理解できないではない。

しかし、お産で亡くなる方は、厳として存在するし、医療の力が及ばず亡くなられた場合に、医師にその責任を負わせることは、適切な対応ではないのではないだろうか。医師も、人間としてそのような患者さんの担当となれば、哀悼の気持ちは抱く。しかし、それはあくま人間としての気持ちの表出だ。医療を仕事とする専門家としては、患者さんの経過を見直し、どうすれば予後を改善できたかを冷静に学問的に検討することが必要となる。それによって、亡くなられた患者さんの死を意味のあるものにする、ということが、医師としての責任の取り方だ。

いずれにせよ、刑法犯として裁かれる、ということはあってはならない。もしそれが常態化するならば、産科医療・救急医療はすぐにでも立ち行かなくなる。





平成20年度診療報酬改定についての意見(一部) 

空しい気分に襲われつつも、パブコメを送った。その一部をここに掲載する。さて・・・これから、急患二人・・・。

以下、厚生労働省へのメール添付文書から引用~~~

病院・診療所間の再診料「格差」について、以下のとおり意見を申し上げます。

この骨子の文面では明らかではないが、要するに再診料のうち、診療所を引き下げ、それで捻出した財源で勤務医の労働条件を改善する、ということかと思います。診療所の再診料を引き下げることには強く反対します。

理由は、まず、この「格差」を作った元来の理由は、病院の外来診療収入を落として、病院から診療所に患者を誘導することとされておりました。それが、理由はどうあれ、この「格差」を、低い方に合わせるということでは、医療行政の一貫性に欠けると非難されてしかるべきでしょう。このような恣意的な医療行政を見過ぎすわけにはいきません。

第二に、再診料は、医師の技術料であり、医師が長い年月をかけて学習し、習得してきた技術に対する、社会的な評価です。是非、医師の同じ診察料について、海外先進国と比較してください。現状の診療所再診料でさえ、不当に低い評価であると言うことが明らかです。これをさらに引き下げることは、我々開業医の誇りを踏みにじることです。

第三に、仮に、この診療所再診料の引き下げを受け入れるとして、それがどの程度の財源になり、それによって、勤務医の労働条件の改善に具体的にどれだけ寄与するのか、定量的に示すべきでしょう。そうでなくても、赤字である病院が増えており、多少病院の診療報酬を引き上げても、勤務医の労働条件改善につながるか大いに疑問です。

飯野奈津子解説委員の虚言 

昨夜、NHKの「時論公論」で、「診療報酬改定と医師不足」と題して、飯野奈津子解説委員が、話をしたらしい(私は、大体内容の予測ができたので、観なかった)。それを観た家人の話では、勤務医の酷い労働条件を改善するために、勤務医の診療報酬を厚くしなければならない、そのためには、開業医に痛みを分かち合ってもらわなければならない、といった議論だったようだ。

これは、経済財政諮問会議委員を兼ねる産経新聞論説委員の岩崎某の言うことと全く同じだ。言ってみれば、政府・官僚の代弁者である。

報道機関の「論説委員」が、これで良いのか。政府・官僚の議論を、根本から検証し、批判的に見ることが、彼等の仕事ではないのか。

開業医の再診料を710円から、540円に下げるというが、長期間の勉学と修練を経た熟練技術者である医師の技術の評価がこれで良いのか。また、この再診料引き下げで、実際のところ勤務医の窮状が改善するのか(勤務医の待遇改善に直接結びつく提言は何もなされていない)。さらに、官僚が行っている、医師の仕事・収入の評価が正当なものなのか。20歳代の勤務医の週当たり仕事時間が50数時間、50歳代の開業医は、30数時間しか労働していないという評価だ。また、開業医と勤務医の年収を直接比較する、国民の目をごまかす議論をしている。

問題は、幾つもある。それを根本的に議論しないで、開業医に痛みをとだけ訴えるのでは、まるで政府・官僚の広告塔だ。「社会の問題を、論じて説く」論説委員の肩書きが泣くではないか。

このお方は、数年前に、米国の医療制度を取り上げて、混合診療は患者の選択肢を広げる良い医療制度であると語っていたお方でもある。米国の医療の光の部分だけではなく、陰の部分をこそ語るべきなのではないか、と当時思ったものだった。

この診療報酬改訂に関わるパブコメの締め切りが、今日だ。それに合わせて、官僚が、彼女にこうした話をするように依頼したのだろうか。官僚もおかしければ、マスコミ人もこの有様だ。

姥捨て山政策に、地方から叛旗 

後期高齢者医療制度という、一種の国家的な姥捨て山政策が、この4月から実施されることは繰り返し取り上げてきた。福島県では、大多数の地方自治体から、制度の中止、凍結、改善を求める意見書が、制度運営主体に対して提出された。下記のニュース。

今話題の道路特定財源を、今後10年間に50数兆円用いて、道路建設をする計画を国土交通省が決めている。予算規模は、関係省庁・族議員の権益そのものだ。予算は、適当な項目ごとに「積み上げ」て計上されている。この財源を一般財源化、ないし縮小する議論が出る前後で、渋滞対策といった項目の予算規模が、3倍に増やされているとも報じられている。1年以内にそれだけ予算を増やしているのだ。予算を予め多めに計上する、すなわち水増しの可能性が大きい

一方、医療社会保障費の予算削減は5年間で1兆1千億円と、まず総枠が決定されている。削減枠がまず最初にありきだ。。厚生労働省の幹部がいみじくも言っていたが、年金は減らしようがないから、減らすべきは介護医療費となる。官僚にしてみると、医師、ことに開業医は、楽をして暴利を貪っているから、開業医の収入を狙い撃ちで落とすということになる。勤務医が開業できなくなれば、官僚にとっては一石二鳥だ。もう一つは、ここで取り上げる後期高齢者医療制度。この制度の立案の根本目的は、医療費削減だ。さらに、高齢者医療を不十分なものにして、結果年金給付も減らせるとまで、官僚は考えているのかもしれない。

このニュースは、後期高齢者医療制度の医療内容が公表され始めた段階で、高齢化率の高い地方から、ようやく叛旗が上がったということを意味する。法制化する前に、もっと議論されるべきことだった。残念ながら、官僚は、この程度の地方の反抗で一旦決めたことを翻さないだろう。国民が痛みに耐えかねて、実際の行動に出ないと、変わらない。それまでに、どれだけの人々が苦しむことになるのか。

医療と道路建設の政府・官僚の扱いの違いを、我々は忘れるべきではない。国民への医療と、道路建設と、どちらを優先するのか。

以下、引用~~~

後期高齢者医療制度の中止、凍結、改善求める 福島県内34市町村で意見書可決
08/01/24
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


後期高齢者医療制度:34市町村で意見書可決 中止、凍結、改善求める /福島


 4月から始まる後期高齢者医療制度を巡り、県内市町村の半数以上の34市町村議会が、制度の中止や凍結、負担軽減などの改善措置を求める意見書を可決していることが分かった。県議会も昨年9月、国に凍結を求める意見書を可決しており、制度導入を目前に不安が広がっている。【今村茜】

 意見書はそれぞれ、国や制度の運営主体である「県広域連合」(連合長・瀬戸孝則福島市長)に対するもので、34議会のうち、郡山市など7議会は「高齢者の暮らしと健康保持に重大な悪影響を及ぼす」などと、制度凍結や中止、抜本的見直しを求めている。白河市など4議会は、制度の凍結と改善措置をそれぞれ求める意見書2件を可決した。

 南相馬、会津若松、須賀川、喜多方市など22議会は改善措置として、保険料減免制度の導入や、保険料支払いで生活保護基準を下回る高齢者から保険料を徴収しないことなどを求めた。本宮市議会の意見書は国に財政支援などを求めている。

 一方、意見書を可決していない26議会のうち、北塩原村議会は制度の中止を求める陳情を趣旨採択した。同様の請願や陳情は、10議会で不採択となり、5議会は未審査または審査中。

 意見書を受けた県広域連合の大河原正義・総務課主査は「個々の保険料の額がまだ通知されていないので、不安が高まっているのでは。市町村を通じ広報活動を重ね、意見書を踏まえた運営をしたい」と話す。

 一方、県内約40市町村議会に請願や陳情を出した県社会保障推進協議会の佐藤和久事務局長は「制度は医療サービスに差を設け、命の格差を生む。県内は高齢化が進んでいるので、市町村議会の理解が得られたと思う」と話した。会津地方の全市町村議会に提出した会津医療生活協同組合の大野重春常務理事は「家族に扶養されている高齢者も死ぬまで保険料を取られる。金の切れ目が命の切れ目になる」と制度を批判した。

 ◆意見書を可決した市町村議会

 ◇中止、凍結、見直し

 郡山、白河、桑折、川俣、飯野、大玉、浅川、古殿、矢祭、柳津、昭和(白河、飯野、大玉、柳津は改善措置の意見書も可決)

 ◇改善措置

 会津若松、須賀川、喜多方、南相馬、国見、鏡石、天栄、小野、西郷、泉崎、中島、西会津、磐梯、会津坂下、湯川、三島、会津美里、檜枝岐、只見、南会津、浪江、新地

 ◇財政支援など

 本宮

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 ■ことば

 ◇後期高齢者医療制度

 75歳以上の全員や、65-74歳で寝たきりなどの障害がある高齢者を対象にした医療保険制度。原則として年金から保険料が天引き(特別徴収)され、保険料を支払わなくても済んだ被扶養者にも保険料負担が生じる。窓口での医療費負担は原則1割で変わらない。保険料は個々に算出され、県内の平均は1人当たり年額5万6200円と試算されている。県内の対象者は約27万人。

(付け加えると、外来主治医一人を決めて、医療は原則そこでしか受けられない。また、医療費には上限枠が決められている。終末期の医療は、積極的に行わないように、誘導されている。)

いたるところで道路工事・・・ 

昨年暮れから、私の片道20km弱の通勤路で、道路工事ないし側溝工事が3箇所で行われ始めた。夏以前までは、一箇所もなかったのだ。年度末の予算消化をしているように思える。下の写真は、以前に紹介した道路で、上記3箇所の内の一つ。ネズミも通りそうにない道路を拡幅舗装している。この先に、大きな河川に新しくかけた橋に接続するものと思われる。しかし、こちら側は、農道にぶつかる・・・恐らく、ゆくゆくは、畑の真ん中を縦走する立派な「幹線」道路にする予定なのだろう。しかし、この道路の数百m北側に、立派な道路が既に存在するのだ。畑の真ん中にこうした道路が二つ並走する様子は、笑うに笑えない。


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このような、土木工事・道路工事が、この時期日本全国いたるところで行われているのだろう。小泉政権時代には、さすがに少なくなったように思うが、その後、またぞろぞろと復活だ。

日本の公共事業予算は、他の先進国に比べると、桁違いに多い。さらに、公共事業以外の名目の予算、例えば医療のための予算も病院の建物といった箱物に変わることがかなりありそうだ。最近、「たらい回し」が行われているという、産科救急医療の問題も、医療機関と消防を結ぶシステムという、一種の公共事業を推進することで解決する、と官僚・政治家は考えているらしい。

公共事業の景気浮揚効果は、昔に比べて低下していることが明らかにされている。さらに、これから人口減少社会に移行するのに、不要な箱物・道路を作り続けて、どうするつもりなのだろう。小泉さんは、自民党をぶっ壊すと豪語したが、自民党・官僚が公共事業で得る権益構造は、見事に温存したようだ。

パブコメ募集だそうだ・・・ 

今春の診療報酬改定について、パブリックコメントを求める通知が、厚生労働省から出されている。

「平成20年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」に関するご意見の募集について

ということだ。

私の関心事でもあることもあり、どのように書き送ろうか、まだ考えている。というか、中医協での「現時点の骨子」とやらを読んで、彼等のピントが根本的にずれていることを改めて知り、これではパブコメの募集は、医療人のガス抜き、または官僚のアリバイ作りにしかならないと思うようになった。

「現時点の骨子」のキーワードは、患者側の視点、効率化、勤務医と開業医の格差是正である。本音は、医療費削減をいかに進めるか、いかに「効率化するか」ということだけだ。その為に、患者の視点に立つと見せかける一種のポピュリズムと、勤務医の酷い労働環境までも医療費削減に利用しようとする詭弁とが、大手を振るっている。

医療費を削減し続けることが、国民のために必要なことなのか、医師が不足していないという大前提、医師の労働時間が、週にせいぜい50数時間であるとする「調査」は正しいのか、といったことを根本的に議論しないで、医療のあるべき姿は見えてこないのではないか。患者の視点とは一体何なのだろうか。後期高齢者医療制度という未曾有の制度の変化により、どのような医療の変動が起きるかを、官僚諸氏は考えていない。これまでの朝令暮改の繰り返しで、現場から失笑を買ってうやむやになるのとは質的に異なる。後期高齢者医療の財政面は、かなり前から議論されてきたが、医療の中身がまだまだはっきりしない。要するに、できるだけ金をかけない、終末期医療には積極的な医療を行わないということのようだ。果たして、それで良いのだろうか。患者の視点というのであれば、75歳以上の国民に分かりやすく説明し、是非を問うたら良いではないか。

金曜日がパブコメのデッドライン。パブコメが、医療人からの批判であると、あたかも自分の利益を守るための言辞であるかのように、マスコミは取り上げるのだろう。一方、この中医協の素案に賛成する一般人の意見があるとすると、世論が受け入れたと扱われるに違いない。空しい作業のような気もするが、一応、できるだけ根本の問題に目を向けた意見を送る積りでいる。

誤診は、刑事犯罪か? 

もう二昔以上前になるが、埼玉県の白岡中央総合病院で非常勤の仕事をさせて頂いていたことがある。その病院の名称が、報道に載った。報道内容を見て、おかしな内容だと思い、さらにやがて動き出す「医療事故調」が実現すると、このような問題が、どしどし刑事事件化されるのだろうと暗い気分になった。

このケースは、確かに、結果からすると、誤診である。しかし、医療、特に救急医療現場では、100%の確実性を保障した医療を施せない。マンパワー・設備・医療費の制限などもあるが、医療が、確率的な事象である人間の病態を対象とする限り、100%の確実性は得られぬことなのだ。

もし、このケースが、刑事犯罪として捉えられるのであるとすると、所謂救急医療の殆どは成立しなくなる。放射線診断専門医が常駐し、さらに緊急手術が可能な第三次救急医療機関しか、救急患者を扱うべきではないということになる。ここで業務上過失致死容疑をかけられた当直医師が、他の施設に転送するのが遅れたという意見もあるかもしれないが、もし転送しても不幸な結果になれば、確実に、転送するのが遅れたという批判、提訴が起きる。

結果論で、誤診を刑事犯罪化する警察、それを嬉々として報道するマスコミ。彼等は、自分達が、救急医療を破壊していることに気づかないのだろうか。

以下、引用とコメント~~~

内科医を書類送検 「誤診」容疑認める 白岡中央総合病院の医療過誤死亡
08/01/18
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


白岡中央総合病院の医療過誤死亡:内科医を書類送検 「誤診」容疑認める /埼玉

後から振り返って、結果としてみると誤診と言えるかもしれないが、あくまでそれは結果論にしか過ぎない。「誤診」容疑とは、誤診をすると、刑事犯罪になることを意味しているのだろうか。誤診が犯罪だとすると、救急医療どころか、医療そのものが成立しなくなる。

 白岡町の白岡中央総合病院で05年、患者の直腸に開いた穴を見落とし死亡させたとして、県警捜査1課と久喜署は17日、同院の男性内科医(42)を業務上過失致死の疑いでさいたま地検に書類送検した。内科医は「結果的に誤診だった」と容疑を認めているという。

直腸穿孔は、まれな疾患であり、診断が難しい場合があるようだ。さらに、1日の経過で腹膜炎を併発して亡くなるケースは、きわめて重症であり、手術を行っても救命できぬ場合がある、とのネット上での外科医のコメントがあった。捜査一課は、殺人事件を担当する部署である。

 調べでは、内科医は05年11月3日午後4時ごろ、腹痛を訴えていた同町の会社員の男性(当時54歳)を当直医として診察し、痛みの原因を特定する診療を怠り急性小腸炎と診断。翌4日午後1時40分ごろ、男性を直腸の穴に起因する腹膜炎で死亡させた疑い。

この日は、休日で、内科系の医師が当直を行っていたらしい。「痛みの原因を特定する診療」とは一体何なのか。結果から物事を言っているだけなのではないか。急性小腸炎とは一体どんな病気なのだろう。医学的にありえない診断名をつける、この毎日新聞記者氏には、医療問題を報道する前に、少し勉強して欲しいもの。

 同署は、早期に手術すれば死亡しなかったと判断した。内科医は男性のCTスキャン画像を撮影したが分析するよう指示せず、看護師からは約30分ごとに男性の病状悪化の報告を受けていたが、痛み止めの投薬を指示しただけだった。同病院は「遺族と和解を進めており、コメントできない」とした。【山崎征克】

早期に手術して助かると、警察がどうして判断できるのだろうか。この病院には、放射線診断医はいないはず。恐らく、内科医一人で全科当直をしていたのだ。直腸穿孔のCT所見は、穿孔部分の確認という直接所見はなく、間接的な所見で疑うことになるらしい。さらに、病状が急激に進んでいるから、来院時のCT所見で専門家がみても診断できるとは限らない。このような状況であっても、早期に手術せよと警察が判断するのだろうか。今後、救急医療は、警察にやってもらうことにしたい、という声が、救急医から出てくることだろう。

医療人を過失致死罪で告訴する、非合理性・反文明性に、いつになったら気づくのだろうか。

道路特定財源の怪 

1昨年度、6兆円弱の予算規模だった道路特定財源は、7000億円程度の余剰金を出しているらしい。

34年前、第一次オイルショック時に、ガソリン揮発税・地方道路税・軽油取引税を「暫定的に」2年間の立法処置で凡そ2倍に増税したものが、2年ごとに延長され続けている

この暫定税率を元に戻すことに、政権与党は、執拗に反対している。政官が、この特別財源から様々な利益を得ているからだ。その点について、きっこのブログ1月19日のエントリーで記されている。

政権与党は、この暫定税率を元に戻す、即ち道路特定財源を元の規模に戻すと、地方財政に影響を及ぼす、はてまたガソリンの無駄遣いを助長するといったことを主張しているが、本質的な問題は異なる。

暫定的な増税を固定化し、そこで利権を得る構造になっているものを、元に戻すだけの話だ

地方財政は、地方交付税を極端に減らし、それに対する、税制上の適切な対応を国が取らないこと、および地域格差を拡大する政策を国が進めていることによって、疲弊しきっているのだ。

エコロジーの問題は、車の問題であって、ガソリン価格を上げて、解決しようと言うのがおかしい。

この道路特定財源を道路を作る以外に湯水のように浪費し、その上、毎年7000億円の余剰を生じている。その一方で、医療社会福祉の予算は、毎年2200億円削減することを国は強行している

道路特定財源で、公務員の宿舎を建てたり、私的な公務員用の車両を購入したり、公務員の福利厚生に当てたりするのは即刻止めてもらいたい。道路工事等の公共事業で、政治家が口利きをしたら、全財産没収かつ刑事罰を与えるほどの罰則強化をしてもらいたい。そうすれば、ガソリン揮発税・地方道路税・軽油取引税を元に戻しても、お釣りが十分来るはずだ。また、是非一般財源化して、医療社会福祉分野に回すべきだ。

近況 

既述の通り、先週末から1時間半かけて、新しい小さなオケに通うことを始めた。前回は、ベートーベンのエロイカ、1,4楽章。一応練習して行ったが、4楽章はきつい。その後、少しだけ、フォーレのパヴァーヌ。この曲を弾くためだけに、このオケに参加しても良い。冒頭、弦のピッチカートにのってフルートに出る、たゆとうような甘美な旋律が、幾つもの楽器に受け継がれて行く。途中で、別なエネルギッシュなフレーズが一旦現れるが、すぐに元の旋律が復帰する。復帰した旋律に合わせて、チェロが弾く対旋律が、この上なく切なく美しい。自分で弾いていて、うっとりしてしまう(笑)。実際に出ている音は、うっとりというよりも、うっかりの類なのだろうが・・・。パヴァーヌには、合唱が含まれるものもある。パトロンの勧めにしたがって、フォーレが、合唱を入れたものだ。しかし、オケだけのものの方が私には好ましい。

明後日の日曜には、フォーレのマスク・ベルガマスク組曲と、ベートーベンのエグモント序曲を練習する。この組曲は、フォーレ晩年の作品にしては、かるく明るい曲。エグモントは、Durch Leiden zum Freudeの思想を、そのまま音楽にしたような曲。大学時代、それに数年前に弾いた曲だ。アレグロになる直前、それにアレグロの冒頭に出るチェロの旋律も単純な音型のフレーズだが、とても印象的。悲劇的でいて力強い旋律だ。

最近、John 9V1VVとメールでやり取りをしている。彼は英語のnative speakerであるが、CWの習得に関して、我々が経験するのと同じ困難さを感じることがあると言う。元々、プロの通信士でいらっしゃった方なので、彼の要求水準がとても高いのだとは思う。が、率直にそうした問題意識を表明されたことに新鮮な驚きを感じた。また、プロの無線通信士として受けた教育と、アマチュアでのCW通信にはギャップを感じることもあるらしい。とても興味深いと申し上げると、文章にまとめてみると仰ってこられた。忙しい彼のこと、時間がかかるかもしれないが、是非まとめたものを読んでみたいものだ。

このところ、CONDXは回復気味ではあるのだが、如何せん、ラグチューの相手が出てこない。英国や米国東海岸にバンドが開けることもあまり経験しない。西海岸の御大たちは、私の出ている時間帯には、まだお休みなのだろうか。これからは日曜の夜もオケで潰れるし、無線は二の次になるかな・・・。

今春の診療報酬改訂については、官僚が言いたい放題・やりたい放題をし始めている。考えるだけでも、胸糞が悪くなるのだが、当面は医療現場の末端で出来ることは、何もなしだ。医療事故調だけは何とか法案上程を阻止するように政治家をに働きかけたいが、彼等は、問題を理解しないだろうし、官僚にまかせるだけなのだろう。できるだけのことはしておこう。

医療事故調の本音は、医師の責任追及 

MRICメルマガで、下記の評論が送られてきた。厚生労働省第二次試案の目的は、医師の責任追及にあるというのが、この論者の結論である。

官僚は、一体何を目指そうとしているのだろうか。やがて混合診療に移行する時に、医療の直接の監視を行うためなのか(行政官が、医療内容を監視するなど出来ないことは、医療の現場にいるものとしては、痛いほど分かっているが、彼等官僚は出来ると考えているらしい)。ただ、単に余剰人のポストを作るためなのか(滅茶苦茶な仕事をしてきた社保庁の公務員を、医療の監視に当らせるのか・・・それだけは是非とも止めて頂きたい)。

医療事故の再発を防ぐためには、ペナルティを課す前提なしに、第三者の医療関係者によって原因を究明し、それを現場に適切にフィードバックすることだ。ペナルティを課すことを前提に、法曹関係者・患者側関係者が、原因を究明することには無理がある。

官僚は、医療制度を猫の目のごとく変えてきた。この数年は、それでも一つだけ筋は通してきている。医療費の削減という一点である。この医療事故調も、立ち上げて、うまくいかなければ変えればよい程度に安易に考えているのではないか。この制度は、医療を破壊する。それを知りつつ立ち上げるのは、国民に対して無責任だ。知らない、分からないのであれば、今からでも医療現場の声を聞くことだ。これを繰り返し言っておきたい。

以下、MRICより引用(転載可とされている)、下線は、当ブログ主がつけた~~~

Medical Research Information Center (MRIC) メルマガ 臨時 vol 4


    ■□ 診療関連死の届出義務 □■
     ―死因究明制度・厚労省第二次試案の法的「目的」は?
      (その2・再発防止?)―

                               弁護士  井上清成


1 厚労省第二次試案の「再発防止」の位置付けは?

 平成19年10月に、厚生労働省によって、「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案―第二次試案」が出された。そこでは、医療事故調査委員会を新設する目的として、「原因究明・再発防止」があげられている。ところが、MRICメルマガ臨時vol66(2007年12月25日)の「4つの原因究明―死因究明制度・厚労省第二次試案の法的『目的』は?」で既に述べたとおり、「原因究明・再発防止」にいう「原因究明」は、実は「責任追及」であった。 それでは、もう一つの目的である「再発防止」の位置付けは、どうであろうか。


2 診療関連死の届出範囲

 厚労省第二次試案には、「届出対象となる診療関連死の範囲については、現在の医療事故情報収集等事業の『医療機関における事故等の範囲』を踏まえて定める。」とある。医療事故情報収集等事業は医療法施行規則9条の23で定められ、その第1項第2号にイロハの3つが「範囲」として定められていた。なお、これらの届出の違反に対しては、刑罰などの形のペナルティはない。長いものであるが、そのまま引用する。

 イ 誤った医療又は管理を行ったことが明らかであり、その行った医療又は管理に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に心身の障害が残った事例又は予期しなかった、若しくは予期していたものを上回る処置その他の治療を要した事案

 ロ 誤った医療又は管理を行ったことは明らかでないが、行った医療又は管理に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に心身の障害が残った事例又は予期しなかった、若しくは予期していたものを上回る処置その他の治療を要した事案(行った医療又は管理に起因すると疑われるものを含み、当該事案の発生を予期しなかったものに限る。)

 ハ イ及びロに掲げるもののほか、医療機関内における事故の発生の予防及び再発の防止に資する事案

 したがって、「医療事故情報収集等事業の『…範囲』を踏まえて定める」のであるならば、診療関連死の範囲もイロハの3つとなるのが自然であろう(そして、ペナルティもない)。


3 届出範囲の合目的的な整理

 とはいっても、イロハの定義は甚だ長たらしくて、わかりにくい。簡潔に整理するのが合理的であろう。当然、医療事故情報収集等事業の目的は医療安全・再発防止であるから、その目的に沿う整理をすることになる。したがって、その本質を最もズバリと言い切っているハの条項に集約するしかない。結局、届出範囲は、イロは削除してハのみ残し、「医療機関内における事故の発生の予防及び再発の防止に資する事案」のみとなるはずである

 ところが、平成19年12月27日に開催された死因究明等検討会において、厚生労働省は全く逆の提案をした。それは、ハを削除して、イロのみを残すというものである。大要、次のとおりであったらしい。

 「医療事故情報収集等事業の届出範囲を踏まえて、届出範囲は、以下のようにしてはどうか。

 ①誤った医療を行ったことが明らかであり、その行った医療に起因して、患者が死亡した事案

 ②誤った医療を行ったことは明らかではないが、行った医療に起因して、患者が死亡した事案(行った医療に起因すると疑われるものを含み、死亡を予期しなかったものに限る。)」


4 不合理な整理をした理由は?

 厚生労働省の提案の①が医療法施行規則のイに相当し、②がロに相当することは明瞭である。つまり、ハの「事故の発生の予防及び再発の防止に資する事案」を敢えてカットした。そのような法技術的に見て不合理な整理をした理由は、何であろうか。

 憶測はどのようにもしうるが、少なくとも法技術的に見て明らかな点がある。もしもハを削除せずに残していたとするならば、ハにはペナルティを課すことができない。

 すなわち、「事故予防や再発防止に資する」などという不確定な法概念を挿入すると、届出を義務化し、しかもその違反にペナルティを課すことが著しく困難になってしまうのである

 憶測の領域を出ないが、厚生労働省は医師法21条の異状死届出制度を実質的にはそのまま維持しようと考えている、と思わざるを得ない。届出主体(検案医から医療機関へ)と届出先(警察署から医療事故調査委員会へ)という形式を変えただけで、届出対象(異状死とイロ)と制裁措置(刑罰とペナルティ)という実質は同一なのである。


5 「再発防止」は二次的なもの?

 以上の次第であるので、診療関連死の届出義務は、異状死体等の届出義務と殆んど変わるところがない。診療関連死の届出範囲では、事故予防や再発防止が軽視されている。

 したがって、厚労省第二次試案は、やはり「責任追及」が真の目的であり、これに比して「再発防止」の位置付けは低く、せいぜい二次的なものにとどまると評しえよう。

著者略歴
  昭和56年  東京大学法学部卒業
  昭和61年  弁護士登録(東京弁護士会所属)
  平成元年   井上法律事務所開設
  平成16年  医療法務弁護士グループ代表

天下りした肝炎局長が更迭される 

フィブリノーゲン製剤投与C型肝炎患者のリストを放置、患者への告知を怠った行政の責任者(医薬局長)が、退官後、薬の副作用とそれの救済を担当する特殊法人の理事長に天下っていた。問題が表面化し、その特殊法人がC型肝炎患者の国による救済を担当することになった。さすがに、不味いと思ったらしく、その理事長を更迭することにしたらしい。

知らなかったのだが、特殊法人の人事も、官庁の方で決めるようだ。これで、「独立」行政法人と言えるのか。官庁で許認可権限を持ち、そこで仕事をしていた官僚が、同じ権限を持つ特殊法人に天下る。結局、官庁の仕事の延長であり、特殊法人である意味がない。意味があるとすれば、官僚の天下り先ということだけである。今回は、C型肝炎の問題が社会問題化したからこうした責任者の更迭が行われたが、特殊法人により明らかにされるべき、行政上の不備・不正がむしろ隠蔽される可能性が高い。

この理事長の年俸は、1700万円だそうだ。きっと、この特殊法人を、何千万円かの退職金を取って辞めた後も、民間の製薬企業が幹部として迎え入れることになるのだろう。大手製薬企業は空前の利益を上げ続けている。

厚生労働省で医薬品の許認可に携わってきた人間は、その許認可を与えてきた企業に天下ってはならない。何故、そうした単純な改革ができないのだろうか。

以下、引用~~~

医薬品機構理事長を更迭 肝炎リスト問題の元局長
08/01/17
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 厚生労働省は17日、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の宮島彰(みやじま・あきら)理事長(60)が辞職する人事を発令した。宮島氏は薬害肝炎問題で製薬企業から症例が報告された2002年8月当時の厚労省医薬局長で、患者本人への事実関係の告知をしなかった点など当時の対応の責任を問う事実上の更迭。

 理事長は当面空席とし、理事が職務を代行する。

 厚労省は02年8月に製薬企業から418人分の症例一覧表の報告を受けたが、投与期間や症状だけの公表にとどめ、患者本人への告知は見送った。昨年10月、厚労省内で418人の一部の実名が記載された資料が保管されていたことが判明したのを機に「02年の時点で患者を特定し、告知をしていれば病状の悪化を防げた可能性がある」と批判が出ていた。

 医薬品医療機器総合機構は薬害肝炎救済法で、特定の血液製剤でC型肝炎に感染した被害者に給付金を支給することになっている。

 宮島氏は02年8月に厚労省を辞職、04年4月に同機構の理事長に就任した。

そっと進められる医療の市場化 

官僚・政治家・経済界の究極の目的である、医療の市場化が、目立たぬようにそっと推進されようとしている。抜き足差し足のごとくだ。

医療機関が株式会社化されると、利潤追求が、第一義的な目的となる。利潤追求のためには、利潤の上がる部門に多く投資し、利潤が上がらぬ、または赤字になるような部門からは即撤退である。介護事業に進出したコムスンの事例でも分かるように、法令違反すれすれ、または法令に違反してでも、利潤を追求することになる。米国の医療事情をみても、そのようになることははっきりしている。

すると、地域医療、特に過疎地域の医療、救急医療の多くは、切捨てとなる

民間企業の医療参入が認められると、セットにして、混合診療も導入される。現在の診療報酬では、とても利潤を生み出すことはできないからだ。混合診療が導入されれば、富裕層を相手にする医療にのみ、民間企業は投資することになるだろう。

国民皆保険を実質的に破壊し、医療の労働環境・経営状況を壊滅的な状況に陥れ、大学医局の人事権を奪い取ってきた官僚と政治家。医療を荒廃させてきた彼等の目的は、経済界の意向を受けて、この医療市場化を進めることにあったのだ。

官僚・政治家は、経済界から様々なキックバックを受けるのだろう。

これも、国民がこうした政治家を選んだこと、そして政治家が官僚をコントロールしてこなかった、むしろ官僚と一緒になって自己の利益追求をおこなってきたことの帰結だ。

国民が、その痛みを負わされることになる。


以下、引用~~~

株式会社による医業経営の全国展開について、本年度に調査・評価を行う
08/01/16
記事:WIC REPORT
提供:厚生政策情報センター

評価・調査委員会 医療・福祉・労働部会(第5回 1/10)《内閣官房》  政府が1月10日に開催した評価・調査委員会の医療・福祉・労働部会で配布された資料。この日は、規制の特例措置の全国展開に関する評価と平成19年度調査審議案件について議論が行われた。 平成19年の評価対象となる規制の特例措置の1つである「病院等開設会社による病院等開設事業」に対する評価意見(案)では、「全国展開により発生する弊害の有無について現時点では判断できない」として、平成20年度に調査等を行い、評価を行うとした(P3参照)。 その他、平成19年度調査審議案件の「地域密着型サービスの認知症対応型通所介護に係る利用者の拡大」に関する資料が掲載されている(P17-P19参照)。(医療分野以外の資料は割愛しています。)

病気腎移植に重い行政処分 

一昨年、万波医師が、二つの医療機関で、病気腎を、腎移植希望者に移植して、大きな問題になった。今になって、厚生労働省は、病気腎移植が保険適用外の治療であったとして、1億円超の診療報酬の返還を宇和島市、即ち宇和島市立病院に求め、宇和島徳洲会病院とともに、保険医療機関の指定を取り消す処分を下すかもしれないと報じられた。

病気腎移植は、すでに米国では、治療法の一つとして認知されている、または学会レベルで症例報告がされている。上記の移殖を行なった万波医師の業績を、米国の移植学会等では評価しているようだ。宇和島徳洲会病院等では、院内の調査委員会が、万波医師の移植にほとんど問題がないと結論を下している。

また、日本の生体・死体腎移植の現状は、極めて遅れており、腎移植希望者は16年待って、ようやく30%程度が移殖を受けられる実情のようだ。彼等は、毎年、日本臓器移殖ネットワークに登録を続け、登録料を支払わせられ続ける。中には、外国に出かけて、移殖を受ける患者さんも多くいるようだ。

一方、日本移植学会は、万波医師のこれらの移植に対して否定的な見解を示し、その業績を否定しようとしているようだ。また、厚生労働省も、日本移植学会の動きと歩調を合わせて、極めて重い行政処分を下そうとしている。

これで良いのだろうか。腎移植という、本来ある意味侵襲的な治療方法の中における病気腎移植の位置づけを学問的にしっかり行なうこと、それを待って、社会的な評価をすることが必要なのではないだろうか。表層だけを見て、万波医師の仕事を否定し去ることには強い疑問を感じる。

Because It's Thereというブログで、病気腎移植の妥当性に関して、詳細に議論されている。


診療報酬返還を請求 愛媛・宇和島市に1億円以上、厚労省「保険適用外」
08/01/15
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

病気腎移植:診療報酬返還を請求 愛媛・宇和島市に1億円以上、厚労省「保険適用外

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(67)らによる病気腎移植問題について、厚生労働省と愛媛社会保険事務局は11日、同医師の前任地、市立宇和島病院を立ち入り調査し、市に対し診療報酬の返還を求めた。病院関係者によると返還額は1億円を超える見込みで、会見した石橋寛久市長は「返還額を早急に確定したい」と話した。

 万波医師は宇和島病院で25件の病気腎移植を実施している。同省などは07年5月から監査に入っており「保険診療に当たらない」として診療報酬返還対象期間(02年6月から5年間)の病気腎移植3件などについて診療報酬を返還するよう求めたという。また宇和島、宇和島徳洲会の両病院について、今年3月末までに、保険医療機関指定の取り消しを含めた行政処分・措置を決める方針。

 宇和島徳洲会病院は12日夕、同病院調査委員会が審議した病気腎移植問題の最終報告書の内容を発表する。【川上展弘】

小春日和 

通勤路から、少し脇に入った、畑と道路に挟まれた一角に、一本の大きな広葉樹が生えている土地がある。100から200坪程度か。いくつかの墓もあるが、新しくない。不思議なお地蔵様のレリーフ像が、何体か置かれている。雑草も生えているが、山茶花のような常緑樹の生垣の一部と思われるものもある。荒れ放題というわけではない。きっと昔、墓地だったものが、今は殆ど利用されていないのだろう。しかし、きっとこころある人が、時に手入れをし、お参りをしているようだ。

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仏像・仏閣などについては、まるで無知なのとあまり関心もないのだが、こちら北関東には、至るところにお寺がある。昔の人々のこころの拠り所になっていたのだろう。

この写真は、今朝のような寒さの来る少し前、小春日和の日に撮ったものだ。私自身、人生の冬に向かって、現在は小春日和のなかにあるのかもしれない。暖かな日差しを受けながら、一時一時を慈しむように、大切に過ごしてゆかねばならないと改めて思った。

Bob W7BV 来日予定 

Bob W7BVは、リタイアした研究者だが、仕事関係で2月6日から11日まで来日予定だそうだ。私と会いたいとのことだが、果たしてお互い予定が合うかどうか。東京ヒルトンホテルに滞在。7,11日が空いている由。

肝臓障害、加齢現象について研究していたという。日本からポスドクの研究者も受け入れていたらしい。今回、大学での講義もある様子。

失礼とは思いつつ、MDかPhDか伺った。PhDの由。両方の学位を取る積りだったが、医学部(medical school)2年次にドロップしたとのこと。肝臓の研究が面白くなって、基礎に進んだ、と言っていた。

私のように、泣き叫ぶ子供と、話が通じないお母さん(失礼!)と年がら年中付き合うことよりも、何か基礎研究に一生をかけることの方がよほど良いと思うが、と言うと、笑っておられた・・・私、半分本気なのだ。基礎は基礎で競争が厳しく大変なことはよく分かっている。しかし、何かしらnewを見つけるためだけに全精力を費やす、というのはやはり魅力だ・・・数十人の患者の診察・治療をし、親に説明し、人事管理をし、金勘定をし、行政の下らぬ制度変更に対応し、毎年毎年下がり続ける診療報酬をじっと眺め、エアコンが壊れたと言えば、狩り出され、検査会社・銀行・その他諸々と交渉し、あぁ、なんと雑用の多いことよ・・・臨床に明け暮れる田舎医者の愚痴である・・・。

Bobと会えたら、リタイアした今、人生を振り返り、後悔はなかったか尋ねてみようか。

自民党衆議院議員 大村秀章様 

自民党厚生労働関連部会の委員長をなさっている、大村秀章衆議院議員にメールをお送りした。彼のサイトなどでは、自らが座長をしている「医療安全調査委員会」の検討会での検討内容について、何も議論や報告がない。当地の関連議員にも送付するつもりだ。

以下、送付したメール~~~

大村秀章様

日ごろ御活躍を、マスメディア等を通して、拝見させていただいています。私は、北関東で小児科の開業医をしています。このたび、医療安全調査委員会の検討が、自民党で進められおり、貴議員がその座長をされていると聞きました。その案も読ませていただきました。予期に反し、結局、厚生労働省案と殆ど違わず、この内容では、医療を萎縮させ、破綻させることが明らかです。

問題点を列挙します。

○医療事故の再発を防止するという目的からすると、調査は、純粋に医学的な視点で行なわれるべきだが、調査委員には、法曹界・患者サイドの方々が入ることになっており、それは目的遂行の障害になりうる。

○調査委への届出には、患者からの申し出によっても行なわれるようだが、現在の風潮からすると、訴訟目的で届出を主張する患者も出てくるものと思われる。

○調査委への届出の範囲が、明瞭でない。

○刑事・民事訴訟に直接つながる。刑事訴訟で被告の立場の人間に認められる黙秘権が保証されていない。

○医療行政官庁である、厚生労働省の下に、調査・行政処分を行なう組織を作ることは問題。第三者としての性格が失われる。噂では、解体される社保庁余剰人員を、この組織に回すとされているが、そのような官僚の勝手な理由は許されない。

○この組織を立ち上げたとして、病理解剖をするマンパワーも予算もない。

この問題が出なくても、医療界は、これまでの医療費抑制策・連続する官僚による恣意的行政・法曹界の医療の不確実性への無理解・医療のサービスの側面が強調されることによる患者の消費者意識の高揚等により疲弊しきっております。この度の、医療の自律性を徹底的に排除する、官僚組織の成立は、医療を最終的に崩壊させます。

政治が、官僚の暴走をコントロールすべきです。貴議員の行動・判断を、医療者は固唾をのんで見守っています。どうぞ医療現場の意見を、よくお聴きになり、この調査委員会の設立を断念なさることを期待しています。

差出人 住所・名前

世の中は狭い Serge K6UW 

Serge K6UWは、そのハンドルから分かるように、ロシア(当時ソビエト連邦)出身の、44歳。サンディエゴ近郊に住んでいるらしい。今夜、すばらしくクリーンになった7メガで、AtsuさんJE1TRV、それにRick K6VVA、Bob K5AY等と交信し終わったところで、コールしてくれた。

彼は、サハリン出身だそうで、元RA0FC。その昔、彼が無線を始めた頃、クラブ局のUK0FANで交信した初めてのJAが私だったそうだ。18年前に、米国に移住・・・ではなく、moveしてきたと言っていた。ゴルバチョフの「革命」の前後だったのだね、と言うと、あれは革命でも何でもない、ゴルバチョフの出現後、状況は悪化したのだ、と吐き捨てるかのように言っていた。

サハリンと聞くと、尋ねずにはおれない、旧い友人がいる。Ed UA0ERである。1960年代当時、北米まで飛ぶか飛ばぬかの弱々しい電波しか出せなかった私の相手を、良くしてくれて、お互いそれほど流暢でもない英語で会話を交わしていた方である。当時の共産主義国家のハムは、型にはまった所謂ラバスタしかしないのが、通例だったが、Edは、その規則を十分に破っている様子だった。Wの連中とも、よくラグチューをしていた。

Edのことを聞くと、Sergeは、随分昔の人のことを知っているねと感嘆した。驚いたことに、Edは、Sergeの父親の友人だったとのこと。Sergeの父親は、ハムではなかったようだが、無線関係の軍の仕事をしていたらしい。恐らく、仕事の関係で、Edともつながりがあったのだろう。Edは、その後、当時のUD6アゼルバイジャンに移住したことまでは知っているのだが、その後の消息を是非知りたいと言うと、調べることができるから、この次会ったときに情報をあげようと、Sergeは答えてくれた。

激動の時代を生き抜いたSerge。米国ではどのように暮らしているのだろうか。彼がサハリンで無線を始めた当時は、どのような状況だったのだろう。この次にお目にかかることが楽しみだ。

言い古された陳腐な表現だが、世の中は狭い。

医師の海外への転出 

英国では、サッチャー政権当時、医療費を徹底的に削減した。その結果、国民が医療を受け難くなった。家庭医にかかるのに、予約が必要で、それ以上に専門的な医療が必要になると、専門医に紹介されるが、その診察・検査・手術は、数週間から数ヶ月待ちであった。一方、英国人医師は、国外に流出し、開発途上国の医師によって医療が担われる側面もあった。その後、医療費を大幅に増やしているが、なかなか医師の士気は戻らないと言われている。

日本でも、救急医療の担い手である外科系を志望する医師が少なくなり、さらに一部の医師は、米国等で研修・仕事をするようになり始めたと報道されている。ここ。現在の若い医師達が、外国に出かけて仕事をすることを特別のことと捉えることはないだろう。英会話の力さえあれば、どこにでても十分力を発揮できる優秀な人材が、彼等の中には揃っている。

一方、日本国内で優秀な医師がいなくなっても、良いのだろうか。一旦失われた医師の士気は、回復するのに大きな代償と時間がかかる。再診料を700円何がしから500円何がしに減らして、勤務医が開業へ逃げるのを止めさせたり、これまで医師の士気に支えられてきた夜間救急や、時間外勤務をそのままにし、さらに多くの義務・雑務を負わせ、さらに医療「安全」調査委員会などという組織が、刑事罰をちらつかせながら、行政の言うとおりにさせようとする。そうした体制では、優秀な医師は、やがて日本からいなくなることだろう。

それでも良いのか。

医療安全調査委員会への届出範囲案 

医療安全調査委員会への届出範囲の案が、検討会で官僚側から提示されたようだ。

脱力ものの内容である。その内容は;

(1)誤った医療を行ったことが明らかであり、その行った医療に起因して、患者が死亡した事案

(2)誤った医療を行ったことは明らかではないが、行った医療に起因して、患者が死亡した事案(行った医療に起因すると疑われるものを含み、死亡を予期しなかったものに限る)

だそうだ。

誤った医療とは何か。患者・家族にとって、結果が不適切・不適切だということなのだろう。誤った医療とは、結果が出てから明らかになる。医療行為による結果が出ないと、誤りであるのかどうかが分からないからだ。

医療は不確実であり、確率的に「予期せぬ」「誤った」結果が出る。「誤った」医療も、将来へのより良い医療に向けた経験として蓄積すべきものであり、その責任を問うべきものではない。

医療の結果を、誤っている、またはその対極の正しいという形容で評価することに、臨床医としては、強い違和感を感じる。結果に依存する、誤り・正しさという価値判断は、医療を豊かにする、より確実なものに近づけることに寄与しない。むしろ障害になる。医療の結果は、科学的に検討され、将来につなげるべきことだ。

驚いたことに、誤った医療という、医療現場からすると不適当ではあるが、それでも狭い概念によって、届出範囲を規定しようとはしない。誤っているかどうかは、関係ないのである・・・だったら、誤っている、誤っていない等と何故場合分けをするのだろう。

行った医療に起因することが疑われ、予期せぬ死が生じた場合に届け出る、というのが、官僚案の骨子だ。医療機関で亡くなる患者は、すべて何らかの医療を受けている。その医療の大多数は、死因につながりうる。限られた情報の元、確率現象としての病態の進行・変化を観察・判断しつつ、生命を死へのプロセスから奪還しようとするのが、医療だ。それは、時間との争いであり、つばぜり合いだ。最終的に、結果が明らかになり、情報が出揃った段階で、時間をかけて死因を検討することと、質的に異なる。患者が不幸にも亡くなった後で、「疑う」「予期せぬ」という形容をつけて、その死因に医療関連死のレッテルを貼ることは極めて容易なことである。しかし、臨床医は、それを受け入れない。

この届出範囲の案は、極めて曖昧なものであり、結果論で議論する法曹の論理そのものである。刑法学者が、検討委員会委員長をしている、または官僚が彼を委員長に指名していることの限界だろう。

官僚諸氏は、こうした現実無視の制度設計をすることによって、医療を崩壊させる引き金を引く立場にある覚悟はあるのだろうか。

以下、引用~~~

医療安全調査委員会(仮称)への届出範囲案を提示  厚労省検討会

記事:WIC REPORT
提供:厚生政策情報センター

【2008年1月8日】
診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会(第10回 12/27)《厚労省》  厚生労働省がこのほど開催した「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」で配布された資料。この日は、医療安全調査委員会(仮称)への届出範囲等について議論された。 医療安全調査委員会(仮称)へ届け出るべき事例は、(1)誤った医療を行ったことが明らかであり、その行った医療に起因して、患者が死亡した事案(2)誤った医療を行ったことは明らかではないが、行った医療に起因して、患者が死亡した事案(行った医療に起因すると疑われるものを含み、死亡を予期しなかったものに限る)-のいずれかに該当すると医療機関で判断した場合としてはどうか、という案が示されている(P6参照)。



ようやく後期高齢者医療制度の中身公表 

4月から導入される後期高齢者医療制度のおおまかな内容が明らかに、ようやくなった。金の話は、喧々諤々この1年間程度行われてきたが、医療の中身は、置き去りにされて、制度実施まで3ヶ月を切ったこの時期にようやく明らかにされた。現場には、3ヶ月弱の猶予しかない。外来主治医になるために、これから研修を4日間受ける?4日間の研修で何を研修するのだろうか。開業医のどれだけが受けられることだろうか(一人で医院の仕事をしている医師は、4日間も空けられない)?さらに、診療する際に、煩雑な事務手続きをする必要が出てくるようだ。診断書の類で音を上げている、医師の悲鳴がさらに大きくなりそうだ。

患者が抱えさせられる問題。一人のかかりつけ医を決める。それは、それでよいことかもしれない。しかし、かかりつけ医にかからないと、他の専門的な医療を受けることが出来ない。急に具合が悪くなった場合、出先で具合が悪くなった場合はどうするのか。恐らく、専門医に紹介されても、診察を受けるのに、かなり待たされることになるはず。

下記の報道でも明らかにされている通り、この制度は、医療費を削減することだけを目的としている。定額制を取っているので、重症疾患や複数の疾患を抱えていた場合、適切な医療が受けられなく可能性が高い。定額制の医療費は、時間が経つに連れて、官僚の一存で徐々に引き下げられる。そうしたやり方は、これまでの医療行政でいやと言うほど見せ付けられている。すると、医療内容は、ますます貧困化せざるを得なくなる。

医師一人当たり、患者何人という人頭制が、まだ導入されていない点を除いて、一昔前に英国で行われていた制度に近い。英国の制度は、大失敗に終わっている。

それにしても、官僚の諸君、制度の中身の設計を公表するのが、遅い

私のところにいらっしゃっている患者さんで該当しそうなのは、Iさんお一人。お世辞かもしれないが、私のところにかかると安心すると言ってくださっている。私は、専門外であるし、この外来主治医の資格を取る積りはないので、彼女をどこかに紹介しなければならなくなる・・・。

以下、引用~~~

厚生労働省は今年4月から始まる後期高齢者医療制度で、複数の病気にかかっていることも多い75歳以上の患者の心身状態を1人の医師が総合的に診察する「外来主治医」(仮 称)制度を導入するが、5日までにその全容が固まった。

原則、患者1人に1人の主治医とし、高齢者が複数の医療機関にかからないようにすることで、医療費を抑制するのが狙いだ。資格は、お年寄りの日常生活能力を判定する機能評 価の演習など4日間程度の研修を受け、厚労省に届け出た医師に与えられる

患者は、外来主治医から1年間の治療・検査計画を記した「高齢者総合診療計画書」を示される。糖尿病や脳血管疾患などの診療には、計画書に患者の同意署名が必要となる。患 者には月初めの受診時に、検査結果や次の受診日時などを記した文書が渡される。

新制度の導入に伴い、75歳以上を対象とした診療報酬に「医学管理料」を新設し、外来主治医が請求できるようにする。財源は、75歳以上の患者の再診料を引き下げて工面す る。同管理料のほか、一部を除く検査、画像診断などについては何度実施しても一定の報酬しか払わない「定額制」を導入する

複数の医師による薬の重複投与を防ぐため、外来主治医には、毎回患者に服薬状況を確認することも義務付ける。資格取得の前提となる研修は、日本医師会と学会でつくる組織が 受け持ち、高齢者の薬物療法、認知症の診療、家族や介護者への指導方法なども習得させる。【吉田啓志】

毎日新聞 2008年1月6日 2時30分

Jim W5JAW 

先日、正月休みの過酷な(苦笑)救急対応のフラストレーションを解消しようと、無線に明け暮れていた時、Jim W5JAWにしばらく振りに会った。

彼が、FOCに入る前後でしばしば交信したのだったが、その後あまり聞くことはなかった。あちらの朝の時間は、近くの川でスカルを漕ぐのを常としているので、私に会うことがなかったのだ。テキサスのサンアントニオの市街地で、優雅な毎日を送っているようだ。

マラソンもやっているそうで、ルイジアナで行われたマラソン大会で金メダルを得たと言っていた。そうそう、彼は無線も楽しむが、ボート競技やマラソンなどアウトドア派でもある。

無線の方はというと、ハイバンドが良くないので、専らローバンド、特に160、80mでDXを追いかけているという。ローバンドでは、ベアフットとバーチカルを用いているようだ。そのバーチカルとは、3.7mの垂直部分、頂部に径10cmのエンビパイプに巻いたローディングコイル、その上から、相対する方向に、3.7mのキャパシターハットの作動をするワイアーを水平に伸ばしているらしい。コイルには、フェライトコアか何かを入れて調整しているらしい。この設備で、すでに90エンティティ交信したとのこと。ベアフット、それに大きな短縮率のバーチカルということで驚きだ。(そのアンテナについて長大な論文を書いてあるのだが、必要かと問われて、私はトップバンドに出る積りはないとお断りした。興味のある方は、彼にメールしてみたらどうだろう・・・。)

7メガ以上では、カロリナウインドムという変形ウインドムを用いている様子・・・A1CのBBSに記したような記憶・・・。

彼の話は、すべて興味深いのだが・・・話が、ともすると、とても長い(笑)・・・確かQSKにしていると聞いたので、話の途中でBKを入れてみた。すると、彼は、ぱっと送信を止める。うむ、これならば、丁々発止の会話が出来るというものだ。これからは、彼との交信では、QSKで行くことにしよう。

このような交信をたっぷり楽しんだ正月だった・・・少し、運動しないといけないな。マラソンとまでは行かなくても・・・。

救急医療崩壊への道 

救急医療の崩壊が、静かに始まっている。

この新聞報道は、かなりまともだとは思うが、残念ながら報道するのが少し遅いような気がする。今後、事態はさらに深刻化するだろう。

政府・官僚・マスコミそれに法曹、最終的には、国民が、その道を選択したのだ。マスコミは、能天気にも、「たらい回し」をしていると救急医療医療機関をたたき続けてきた。

最大の問題は、医師の士気の低下ではないか。士気を、これまでか、というまで貶めてきたことのツケを国民が支払わせられるのだ。

救急医療は、その崩壊への道を、さらに静かにしっかりと歩み続けている。

救急車のなかで息を引き取る方が、これから数多く出てくることだろう。



以下、asahi.netより引用~~~


3次救急病院、各地で苦境 患者急増、搬送拒否も相次ぐ
2008年01月05日

 救命救急センターなど生命の危機に陥った患者の治療にあたる各地の「3次救急病院」で、搬送患者の受け入れ件数が急増していることが、朝日新聞の調査でわかった。入院の必要な患者を担う2次救急病院の受け入れ態勢が、医師不足などで弱体化したことが主な要因に挙げられる。都市部の大阪でも、救命救急センターが本来は2次救急対応の患者の処置に追われて、重篤患者を受け入れられない例が相次いでおり、人命を守る救急医療態勢の立て直しが急務となっている。
  
 大阪府では05年、11の救命救急センターが救急搬送患者を受け入れた数(1万1575人)が01年比で31%の増。京都府内の3センターでも06年には1万4491人に達し、03年に比べ4割伸びた。東京都も02年の1万8127人から06年は2万3066人に上った。

 2次救急病院の減少が背景にある。大阪府内では05年10月からの2年間で272病院が260病院に。京都府では111から1カ所減り、東京都でも341から326になった。このため、急患の受け入れ拒否が常態化。大阪府医師会の昨年の調査では、2次救急医療機関の拒否件数は05年度から06年度にかけて19%増え、1施設当たり年250件に上った。

 04年度に始まった新臨床研修制度で研修先が自由に選べるようになった結果、人手不足に陥った大学の医局が主に2次救急病院に派遣していた医師を相次いで引き揚げた影響が深刻化している。

 2次救急対応の患者が救命救急センターに運び込まれ、重篤な患者の受け入れが間に合わない例は少なくない。大阪府東大阪市の男性が2日、センターから相次いで受け入れを拒まれた末、死亡した問題で、要請に応じられなかった関西医科大付属滝井病院では昨年11月にも、集中治療室が満床になり、受け入れ困難な状態になった。空床を作るには治療を終えた患者を引き受ける施設が必要だが、どのセンターも転院先探しに苦心する。

 昨年末、一部患者に転院を勧めてベッドを空けたが、今度は2次救急病院など約40カ所に断られた軽症の薬物中毒患者らを受け入れた。中谷寿男教授は「2次、3次とも勤務医が疲弊し、患者を受け入れる力が低下している」と訴える。

 救命救急センターについて、救急の専門医や他科の医師が何人必要かといった具体的な国の基準はない。厚生労働省の充実度評価では、全国の201カ所(06年末現在)すべてが最高のAランクだが、患者の受け入れ実態は反映されていない。

 昨年12月、17病院に受け入れを拒否されて男性が死亡した兵庫県姫路市。市内唯一の救命救急センター、県立姫路循環器病センターが救急対応しているのは心臓疾患だけ。医師や看護師の退職が相次いだためだ。東京都西部のある救命救急センターは07年、前年は2%だった搬送拒否率が6%に増加。担当医は「麻酔科医が確保できず、月の3分の1は時間外の手術ができなくなった」。

 日本救急医学会の05年調査では、専門医が1~2人だけのセンターが全体の3分の1に及んだ。調査に携わった島崎修次・杏林大教授は「搬送拒否問題は、診療報酬の低さや過重労働に加え、2次救急の減少で3次救急に負荷がかかりすぎるシステムの問題」とみる。

子育ての問題 

今年頂いた何通かの友人の年賀状に、子育ての苦労が記されていた。時に、友人から、子育てについて相談されることもある。自閉傾向、様々な精神的な問題、家庭内暴力、ひきこもり等々。「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」と、トルストイが語ったが、まさに現実はそのようだ。

あの友人に、あの家庭で、そうした問題が起きるのかと、不条理さを感じることもある。否、そうした場合の方が多い。親の資質・家庭環境などの表層の理解だけでは、到底理解できないことが多い。

人が、家庭を持ち、そこで子に恵まれ、育てて行くという過程が、問題なく行くことの方が、少ないように思える。親の資質、育て方等には全く関わらぬ、よく分からない条件が、子供の成長を決定付けている側面が多いように思える。教育や、躾を否定するつもりは毛頭ないが、子供の成長とは、そうした親や家族の配慮を超えた事象という側面が必ずある。思わぬ能力の発揮といった良い面もあるのだろうが、負の側面も少なからずあるように思える。

人間が有機的につながって、命の流れを形作り、遠い過去から、まだ行方の分からぬ将来に向かって、生命の連鎖を続けて行く。その過程で、さまざまな形質が現れてくるのだろう。そうした子育ての負の側面を、社会全体で支えて、親の負担だけにならぬようにして行くべきなのだろうと思う。成長の可能性を信じて、焦らずに、暖かな気持ちでいることが、とても大切なのだろう。

こうした問題を自分のこととして抱えるある友人が、「子供を育てるのは、闇ですね」と、しみじみと語った言葉が忘れられない。私自身も、未熟な親として忸怩たる思いになることもあったが、そうした「闇」をかい間見ることもあり、卒然とする思いになることもあった。様々な子育ての悩みを抱える友人に対して、できることはただ話を聴くことだけのことが多い。しかし、そうして話を聴くのは、ただ単に聞き流すのではなく、満腔の共感をもって耳を傾けるのだ。

療養病床削減幅を圧縮・・・またまた朝令暮改 

慢性疾患を持つ高齢者等が入院する場合に利用するのが、療養病床である。厚生労働省は、療養病床を半数以下に減らそうと目論んでいた。しかし、療養病床に患者のニーズがあること、それに猫の目のように変わる厚生労働省の施策に不信感を医療機関が抱いたことなどから、その削減の誘導に乗らなかった。そこで、厚生労働省は、削減幅を小さくすると、方針転換をした・・・というより、現実を追認した。

その理由が振るっている、というか呆れてしまう。「この削減計画は将来の高齢者人口の伸びを考慮していなかった」というのである。厚生労働省は、人口の高齢化に対処することが、第一に求められるのではないか。本心は、高齢者が増えることを見越した上で、療養病床を減らし、「在宅医療」にする、即ち、家族による介護看取りという彼等からするとコストのかからぬ医療に持ってゆく積りだったのだろう。その本心は、明言できないとみて、高齢者人口の伸びを考慮していなかった、とヌケヌケと言う。このような官僚に、医療政策が担当できるのだろうか。

削減幅の圧縮は、たった5万床だ。これで、将来の高齢者の慢性疾患による入院の需要をまかなえるのか。さらに、それをまかなえず、家族による介護医療も望めぬとなれば、高齢者の病人が、難民化することはないのか。厚生労働省は、財務省・経済界からの医療費削減命令だけに忠実であり、こうした国民の痛みには対応しようとはしない。そして、年金行政の滅茶苦茶振りでの分かるように、行き当たりばったりの無責任な行政を続けている。

最後に、消費税・保険料のアップをに示唆するメッセージをちゃっかり入れている。官僚の天下り先の特殊法人を廃止しそれに対する助成金を無くし、不要な公共事業を無くせ。平成の大合併で起債を認めた地方自治体の収入を、箱ものに用いるな(ある北関東の都市では、この合併による特例債で、「観覧車」を作ったそうだ)。こうしたことをまず実行し、医療介護への予算を確保するべきだ。消費税・保険料のアップを検討するのは、その先だ。


asahi.comより引用~~~

療養病床、削減幅を緩和 厚労省修正で存続5万床増
2008年01月05日

 慢性疾患の高齢者が長期入院する療養病床の削減問題で、厚生労働省は現在約36万床あるベッド数を12年度末に15万床まで減らす当初の計画を大幅に緩和し、5万床上乗せした20万床程度を存続させる方針を固めた。高齢者人口の伸びへの対応と、早期のリハビリテーションを重視する観点から計画修正に踏み切る。

療養病床の削減計画

 厚労省は、療養病床の高齢者の半分近くは専門的な治療の必要性が低い「社会的入院」とみている。退院後の介護の見通しが立たないなどの理由で入院が続き、医療費を押し上げる一因となっていると分析。06年の医療制度改革では、費用を医療保険でまかなう「医療型」の25万床を12年度末に15万床へと減らし、介護保険でまかなう「介護型」は全廃する計画を打ち出した。介護型は当時13万床で、現在11万床まで減っている。

 療養病床の廃止分は、よりコストの低い老人保健施設や有料老人ホームなどに転換し、厚労省は年間3000億円の医療・介護給付の削減を見込んでいた。これに対し、日本医師会や病院団体は「医療行為が必要な人も多く、行き場のない高齢者が続出する可能性がある」と反発していた。

 だが、この削減計画は将来の高齢者人口の伸びを考慮していなかった。06年末に公表された最新の人口推計では、75歳以上の人口は06年の1216万人から12年には1526万人へと25%増える。厚労省は各都道府県に対し、12年度末時点で存続させる療養病床数の目標を出すよう求め、全容がほぼ固まりつつある。高齢者の人口増を反映させると、全国で18万床程度が必要になる

 さらに、当初計画では医療型の削減対象に含まれていたリハビリ用の療養病床2万床も存続させることにした。脳卒中や骨折の後などの早期リハビリを充実させ、寝たきりの高齢者が増えないようにする。この分も合わせ、存続ベッド数は計20万床程度となる。

 ただ、療養病床の削減計画が大幅に緩和されることに伴い、医療費の削減効果も限定的にならざるを得ず、将来の税負担増や現役世代の保険料の引き上げにつながる可能性がある。

後期高齢者医療制度 

以前にも何度か取り上げたが、この制度が、今春から実施される。

75歳以上の高齢者だけの医療制度。保険料は、年金から天引きされる。年額平均7万2千円程度になるようだ。収めることができないと、ペナルティをかけられる。2年後とに保険料は改定される。医療費の一定割合が、保険料で賄われることに決められているから、これから高齢化が進むと、際限なく保険料が高くなる。

保険料・保険財政の議論は盛んだが、肝腎の医療の中身は、あまり検討されている気配がない。まず診察を受けるのは、特定のかかりつけ医のみ。医療費は、病気単位で決められた額しか支払われない。したがって、重たい病気を幾つも抱えていたら、十分な医療を受けられないことになる。

また、在宅での終末期医療を進めるようになる様子。これも繰り返し言っているが、これだけ核家族化し、さらに共稼ぎ家庭の多くなった現在、親の介護をすることのできる家庭がどれだけあるのだろうか。

保険医団体連合会の解説(ここ)もご覧になって頂きたい。是非、高齢の御家族のいる方々、高齢者ご自身に、この制度が開始されることをお伝えいただきたい。若い方々にとっても、すぐにご自身の問題になる。

この制度は、国による「姥捨て山」政策である。高齢者に早く亡くなることを期待する、ジェノサイドにも比せられる政策である。