昨夜の7メガ 

0時前に寝るように努力をしているのだが、ついつい遅くなってしまうことが多い。昨夜も、ちょっとだけ無線を聞いてからと思って、リグのスイッチを入れた。大分春らしくなってきているようだ。14メガは、まだ夜間のパスは開いていないが、7メガの北米が遅くまで良く入っている。

バグキーでゆっくりとCQを出していると、Bert W5ZRが呼んで来てくれた。呼ぶ途中で、こちらの速度に落としてきたので、それは無用だというと、いつもの速度に戻った。メキシコ湾沿いに住む彼の住処で、小さな(といっても、かなりのサイズのようだが)竜巻が起きて、タワー二基が曲がってしまい、10メガ、それにその上のバンドのトライバンダーが壊れてしまった様子。奥様は、家の中で友人とトランプをしていたようだが、物凄い音でとても怖い思いをなさったらしい。7メガのビームは、被害を受けず、家にも損害がなかった、被害を受けたものは、保険ですべて補償されるらしい。普段あまり竜巻は起きないのだが、今年は、温度の日内変動が激しく、天候が不安定になることが多いとのことだった。

すでに、midnightになりつつあったので、もう寝ようと思ったが、Steve W7QCに呼ばれた。いつもの快調な踊るようなCW。この冬は、晴れた日が多かったので良かったとのことだった。K3は、よく動作しているが、いくつか問題点が見つかり、トラブルシューティングをしたとのこと。もうエレクラフトのMLで情報が流れているのかもしれないが・・・

一つは、CW送信時の立ち上がりがmushyであった。立ち上がりの角が丸くなりすぎていたらしい。「ある」コンデンサーの定数が、合っていなかったので、それを交換して、所期のキーイング波形になった様子。

もう一つ、CWが少しチャピッていたことがあった。結局、シンセサイザーボードの交換が必要になった、とのことだった。

2日前の朝、14メガを覗くと、弱いが東海岸が入感していた。週末に、東海岸の友人を見つけてみよう・・・。

地場産の野菜は旨い 

例の農薬入り餃子の問題、日中の捜査当局の見解が、正面からぶつかっているようだ。どう考えても、日本の捜査当局の見解の方が正しそうだ。検証を進めれば、中国国内で農薬が混入された可能性が高いことがすぐに分かることだろう。それは、捜査当局に任せるとして、中国のあの本音を隠して、事実を押し曲げているかのような言い分、どこかで見聞きしたことがあるように感じた。そうそう、社会保障・医療について、財務・厚生労働官僚が、いい加減なでっち上げデータに基ずいて、様々な言いがかりを医療界につけ、本音の目標、医療・社会保障予算の削減を実施する姿に、そっくりなのだ。そうだ、日本の官僚は、こと社会保障・医療に関しては、悪しき社会主義体制下の官僚そのものだ。

食の問題は、中国産の食物にばかり光が当たっているが、実は、米国等他の国からの輸入産物でも、残留農薬の問題等は、同様の頻度で起きているとのデータを、ネット上で見たことがある。つい数週間前、米国のカリフォルニアで、「へたれ牛」の肉が、市場に出回っていたことも、報道の片隅で小さく扱われていた。1万トンといったレベルの大規模な汚染の問題だったようだ。へたれ牛の中には、BSEの牛もいたはずである。日本政府としては、米国産牛肉の禁輸処置を求める世論が盛り上がるのは、どうしても避けたいところだったのだろう。マスコミは、殆どこの問題を扱わなかった。

日本の食糧自給率は、40%程度だったかと思う。食料の輸入がストップすると、国民の半数以上が飢餓に陥ることになるのだ。食料を輸入に頼っていると、上記の汚染された、安全でない食物を知らず知らずの内に食べさせられている可能性が高い。米国産の牛を食べなければ済むという話ではすまない。牛肉・牛油等が加工されて、様々な食品に入っているのだ。もう一つは、最初に述べた、輸入が様々な理由でストップされた場合に、すぐに国民が飢餓に陥るという安全の問題がある。米国が世界に「自由貿易」を要求し、その一方では、米国内で農家への助成を行っている。それで、開発途上国の農業が壊滅的な打撃を受けている、ということを、スティグリッツは、「世界に格差をばらまいたグローバリズムを正す」で繰り返し述べている。自国の農業問題は、大きな安全保障の問題でもある。農業に、効率化だけを求めてはいけない。医療と同じだ。

そこで・・・規模は、大分小さな話になるのだが・・・私は、仕事からの帰り道、食料の買出しをすることが度々あるのだが、そこのスーパーには、地場産の農産物を販売するコーナーがあるのだ。生産者の実名入りで、おいしそうな野菜が並んでいる。大きさが少し不ぞろいだったりするが、食べてみると、新鮮そのもの、美味しいのである。こうした農産物が、輸入品よりも農薬などの点で勝っているかどうかは分からないが、生産者の実名入りというところに賭けてみたいと思って、せっせと買っている。住む場所で取れる、旬の食べ物を摂ることが、経済的にも、食の安全のためにも良いことではないかと考えている。

退職したら、野菜作りにも挑戦だな・・・。

福田政権の本音 

福田政権の立ち上げた社会保障国民会議が、最初から、本音をぶつけてきた。公的医療費範囲を議論する、即ち、国が出す医療費を制限する、という議論をしよう、ということである。

混合診療の本格導入である。混合診療になると、国は、医療関連予算を徹底して減らせる、一方財界には、大きなビジネスチャンスが訪れる。財界の背後には、米国の保険資本が控えている。

医療を利潤追求の場にすると、対GDP医療費は、うなぎのぼりに上昇する。

それを支払わせられるのは、国民である

以下、引用~~~

公的医療費範囲「議論する必要」 社会保障国民会議、座長
08/02/27
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


社会保障国民会議:座長、公的医療費範囲「議論する必要」


 政府の社会保障国民会議の吉川洋座長は26日の同会議分科会で、国民医療費が伸びていくことは認める一方、公的医療費(同28兆円)については「範囲をどう見極めるか議論しなくてはいけない」と述べた。【吉田啓志】

マスコミの力が落ちている 

最近おかしいなと思うこと。

20年前の殺人事件で無罪になった元被告が、サイパン滞在中に、米国で20年前請求された逮捕状で逮捕というニュースが、報道を駆け巡り・・・いい加減にしてくれ・・・、その一方、直前に沖縄で起きた、米軍兵士による女子中学生暴行事件について全く報道されなくなったこと。つい、両者の報道を関連付けて考えてしまう。

現財務大臣が、防衛庁長官時代に賄賂を貰ったとか、貰わなかったとかいうスキャンダルの追及も、すぐに萎んでしまった。

それより前に、マンション偽装に、国交省官僚や政治家が絡んでいた話も、うやむやに立ち消えになった。

マスコミには、こうした問題を、根気強く追及して欲しいのだが、記者クラブで受け取った官製情報をただ垂れ流すだけしかできくなっているような気がする。体よく、お上の情報操作に加担させられている、ないし、率先して加担している。権力を監視する力が、マスコミから失せたようだ。

最近の医療報道の傾向 

「噛み付き評論」という、マスコミに対して批判的な論陣を張るブログがある。以前、このブログでご紹介した。2月14日のエントリーに、NHKの報道に対する批判が展開されている。医療関係ではない方が、このように的確に物事を見ているのを知ると、勇気付けられる思いがする。

そのエントリーのコメントにも記させていただいたが、今年になってからの医療に関わる様々な動きは、医療を一旦崩壊させることに収斂してゆくような気がする。官僚は、それを意図しているのではないかと思うが、もしかしたら、意図せずに、動物が海に走りこみ自殺するように、医療崩壊への道を突き進むのかもしれない。

前エントリーの毎日新聞の評論(とまで、とても言えない内容)、経済財政諮問会議メンバーたる産経新聞の論説委員の発言、さらにNHKの最近の報道・論説等々、すべて開業医を中心とする医師叩きに終止している。

上記ブログで紹介されている、NHKのニュース内での記者氏の発言「医療訴訟が増加しているのは、医師の説明が足りないためである」は、二重の意味で誤りである。横浜市大の医療事故以降、医療事故に対する関心が高まっているが、医療訴訟の数が劇的に増えている事実はない。さらに、上記ブログの筆者が記しているように、医師の説明責任が強く問われる現在、説明が疎かになっているとはとても言えない。もし説明が疎かになっているという事実があるなら、具体的に示すべきである。

これらのNHKの報道を始めとする、マスコミの最近の報道姿勢は、医療に関わる様々な不幸な事象をすべて医師の責任に帰そうという、官僚の意向、隠れたものであれ、意識されたものであれ、その意向に阿るもののような気がしてならない。

2000年過ぎに、WHOにより、日本の医療は、様々な点で世界トップクラスにあると認定された。医療従事者として、それを誇りに思って仕事を続けてきた。しかし、官僚・マスコミは、医療の内容、とりわけ、医療従事者の士気をぶち壊しつつある

毎日新聞、稲葉康生様 

From60:稲葉康生の目 「医は算術」では困る /東海
 「医師会員の3分の1は欲張り村の村長」。25年もの間日本医師会(日医)の会長として君臨した故・武見太郎氏はこう嘆いたという。「医は算術」という風潮を根付かせてしまったところに、日本の医療の根本的な問題がある。医療制度の分かりにくさ、診療報酬決定に至る不透明さが、国民から不信をもたれている理由だ。

武見太郎さんの時代・・・高度成長の旧きよき時代、25年前のことですな。医師は、欲張り村の村長で、医は算術、金の勘定ばっかりしていると仰りたいのですね。それが、日本の医療の根本問題である、と。・・・一体何のことやら、さっぱりわかりません。意味不明の文章なので、つい「ですます調」になってしまいました。

日本の医療費が、先進国中最低であることはまさか御存知ですよね。その低い医療費のなかでも、医師の技術料も、元々低かったのですが、武見さんの時代には、いわゆる「薬価差益」でそれを補充していました。しかし、バブル崩壊、その後、小泉政権で市場原理主義的「改革」が実行されるとともに、医療費は抑制され続け、診療報酬は下げ続けられてきました。勿論、薬価差益等と言うものは既にゼロです。

経済的な面を言えば、生涯年収は、勤務医の場合、普通の大卒のそれよりも若干多いだけと言われています。開業医は、大きな投資をして事業を起すのであり、リスクに見合った収入が無ければおかしいでしょう。中には、大きな借金を抱えて、閉院する方もいます。共に、生命と相対する責任の重さを考えると、決して経済的に恵まれているとは思えません。現在は、金融・マスコミの方々の生涯年収が飛び切り高いのではないでしょうか(毎日は、朝日などに比べると・・・以下、略)。

これだけ説明申し上げても、医師は、欲張り村の村長だとおっしゃるのでしょうか。

医療制度の分かりにくさは、医師の責任ではありません。代々の官僚の皆様が、何もポリシーを持たずに、その場限りの朝令暮改を繰り返してこられた結果なのではありませんか。

診療報酬の決定プロセスは、米国の年次改革要求書を元に、経済財政諮問会議から、財務省に要求が突きつけられ、それに基き、厚生労働省の官僚諸氏が、中医協をお膳立てして、形だけパブコメを募り、元々の筋書き通りに決定!というものではないのでしょうか。中医協も、最近は、支払い側と官僚の声だけが大きく、診療側の話は聴いてももらえないと伺っております。保険診療とは、本来、支払い側と診療側は、対等の契約関係にあるのに拘わらず、支払い側の主張が殆ど変更なく通っているのです。診療報酬決定の時期になると、マスコミの皆さんが、一斉に官僚からの情報を垂れ流して、診療側に不利な「世論」を醸成されますし、ね。

診療報酬の決定プロセスほど明らかなものは、私どもにはないのですが、マスコミで社会保障の論説委員をなさっていたことのある貴兄には、不透明極まりないものなのでしょうか。稲葉さんは、医療・社会保障について、全くの素人ということはないですよね。


 いま、医療の仕組み、財政、そして医療機関や医師の不足、偏在など問題が山積している。政治家や厚生労働省の官僚だけでは、難局は乗り切れない。やはり医師が医療改革の中心にいなくてはならない。

その通り、時には良いことを仰る。

 だが、現実はお寒い状況だ。日医は診療報酬引き上げに懸命となり、医療費抑制を図りたい官僚とのバトルが続いている。その舞台裏は国民不在そのもの。取材でこの光景を目の当たりにすると、医療改革の道険し、との思いをもってしまう。

医療費抑制先にありきの官僚に対して、限度近くまで切り下げられた医療費を上げてくれと主張することはいけないことなのでしょうか。医療費はどこまで下げたら気が済むのでしょうか。低医療費政策によって、地域医療が崩壊し始めている現実を御存知ないのでしょうか。これからも、毎年、医療社会保障予算が、2200億円づつ切り下げられることが「骨太の方針」で示されています。この経済財政諮問会議という、政商の連中がぶち上げた医療崩壊策を、貴兄も賛同されるのでしょうか。失礼ながら、お寒いのは、こんな明らかなことを理解しない、社会保障の専門家を自認される貴兄のほうではないでしょうか。

 「医療の専門家でもないのに、口を出すな」。医師からこんな投書が何回も届いた。だが、専門家だけでやってきたことが、今の混迷を招いたのではないか。医療を国民に近づけるために、皆で意見を出すべきなのだ。(中部本社代表室長=前社会保障担当論説委員・57歳)

医師が、医療政策の決定にどこで関わってこれたのでしょうか。現場の医師は、仕事に忙殺されて、今まであまり発言できませんでした。しかし、これからは、崩壊しつつある医療への餞の言葉として、問題点を指摘し続けて行きたいと考えています。

貴兄のような、自称専門家がマスコミで、官僚の提灯記事と、医療バッシングを続けてきたのが、現在の医療の混迷の大きな理由ではありませんか。この貴兄の論説も、根拠不十分、論旨不明確で、ただただ医師を叩くためだけの発言としか読めません。


毎日新聞 2008年2月24日

国家規模のジェノサイド 

今日は、69歳の女性の患者さんに、後期高齢者医療制度のことを話した。全く知らないということだった。

高齢者の方を中心に、財界・財務省・政権与党の意図を、しっかりと話してゆこう。

結局、20年前のミッチーの本音トークが、しっかり受け継がれているのだろう。

m3のBBSでの発言から引用~~~

渡辺美智雄元蔵相の発言(1983.11.24)
「乳牛は乳が出なくなったら屠殺場へ送る。豚は八カ月たったら殺す。人間も、働けなくなったら死んでいただくと大蔵省は大変助かる。経済的に言えば一番効率がいい」

この発言を、現代に当てはめて、敷衍すると・・・

官僚・政治家の無為無策のまま、極端な少子高齢化が進み、また年金行政の滅茶苦茶で年金は殆ど破綻状態。

年金を減らす必要があるが、額を大きく減らせない。だとすると、受給者を減らせばよい

高齢者には、十分な医療を受けずに、死んでいただこう。高齢者には、新しく健康保険を作って、新たに保険料を徴収。さらに、その内容は、受診の機会・医療内容ともに制限を加えよう。

医療全般にも、低医療費を徹底して進め、医療制度は朝令暮改をむねとし、法曹界やマスコミにも反医療キャンペーンの一翼をになってもらおう。それで、医療は崩壊させる。医療崩壊の責任は、医師に負わせればよい。某国営放送でも言っていた、医療訴訟が増えているのは、医師が十分な説明責任を果たしていないからである、と。また、開業医が認知症の診断を誤っているから、研修を受けさせるべきだ・・・等々。

こうして、持てるものだけが医療を受けられる社会、選ばれたものだけが生き残る社会を現出させるのだ。壮大な国家規模の大量殺戮である。

リズム感 

人間の体には、時計がある。地球の自転に呼応して、24時間単位で時を刻んでいる。その本体も最近明らかにされつつある。視交叉上核という中枢神経の深い部分にある細胞群が、その役目を担っている。ある種の蛋白を産生し、その蛋白が、ネガティブフィードバックをかけることにより、蛋白産生を抑える。このリズミカルな変化を、毎日繰り返しているのだ。

所謂宵っ張りで、朝起きられない人がいるが、中には、この生体内時計が上手く動作していない人もいる。また、睡眠が浅くなる、眠りに就きにくいという状態も、頻繁に見られる。現象としては、生体内時計が関係している問題なのだろう。いずれも、原因を突き止めて、それへの対処が必要だ。

老化によって、この生体内時計が上手く働かなくなることも多い。睡眠が浅くなり、朝早く目が覚めてしまう、その一方日中に眠気を催す、即ち覚醒時の意識レベルが低くなるということが、結構な頻度でおきるのだ。私にも、そのような傾向がある。思い返せば、今は亡き父親もそうだった。父親は、私が開業後しばらく、診療所を手伝いに来てくれていたのだが、昼休みに眠たくなるらしかった。朝起きた時に、日の光を浴びると良い(生体内時計がリセットされる)などと、少し見当はずれなことを、彼に言ったのを覚えている。スタッフルームにソファーベッドを入れて、早めに昼寝をしてもらったものだった。今は、そのソファーは、別なスタッフが昼休みに使っている様子だ。

とここまでは、前置きみたいなものなのだが・・・生体内時計は、24時間のスパンのもの以外にもあるのではないかと私は考えている。それは、所謂、音楽のリズム感を生むものだ。リズムは音楽の大切な要素だが、リズムを内発的に感じる基は、恐らく拍動なのだろう。毎分、60から80程度の人の心拍に一致するリズムは、多くの場合、心地よさをもたらす。母親の胎内にある時に感じる、母親の拍動のリズムだ。生理的な基礎は、良く分からないが、心拍に基づくリズム感は、恐らく先天的に組み込まれているか、母親の胎内ではぐくまれるものなのかもしれない。メトロノームを用いて、リズムを感じ取ることもある程度有用かもしれないが、それがどこまで内発的なリズム感を育むことになるのだろうか。

音楽を演奏するときに、身体のなかに、その音楽に共鳴する、内発的なリズム感を必要とする。先天的な才能と、恐らく幼小児期に音楽の訓練を受けたかどうかで、その能力はある程度決められてしまっているような気がする。私は、元来その点で劣っていることを自覚している。さらに、年齢を加えて、さらに酷くなってきたような気がする。それでも、メトロノームをカチカチいわせ、足で床を小刻みに叩きながら、リズムをとる。音楽の壮大で完璧な世界に少しでも近づき、垣間見ようとする努力だ。はてさて、どこまでその努力が通用するものなのか・・・それでも、メトロノームをカチカチ・・・。

近況 

オケに本格参加するようになってからと言うもの、日曜日も朝遅くではあるが、午前中に家を出て、急患対応し、その後は、仕事場でチェロを弾いたり、文献読んだり・・・夕方、埼玉に向けて南下を始める、オケ錬を終え自宅に戻ると、すぐに寝る時間、というスケジュールだ。オケも楽しいが、この生活は、そろそろ還暦の声を聞こうかと言う私には、少しハードだ。

行く道すがら、太陽が西の地平線(といっても建物はあることが多いが)に沈むのを、眺めたり、帰宅途中に、NHK第一のラジオでやっている、小説の朗読を楽しんだり、それなりに楽しんではいる。南西の方向遥かに、富士山のシルエットが、沈む太陽の光のなかに浮かび上がって見えることもある。そのような時に、人生が有限であることを想起したりもする。

無線の方も少しご無沙汰気味。バンドは、ノイズが少ないのだが、北米方面へのパスがもう一つ。南北およびインド洋方面には良く開けている。アフリカ南部は、初秋に入っているので、ノイズも少なくなっているはずだ。しかし、ZSのアクティビティは、少なくなってきている。日本の深夜帯に良く出ていた、Roy ZS6QUも既に亡くなり、寂しくなった。

一昨日だったか、John 9V1VVが呼んできてくれた。以前よりも、少し短点を長めに取った、バグキーモードのエレキー。(某BBSで、ウェイトと、長短点比を混同して議論されていたことを、ちょっと思い出した。)彼のキーイングは、いかにも暖かな彼の人柄を反映しているかのようだ。あと2週間で、VK4に向けた旅行に出発の由。仕事に追われているそうだ。私のバグキーを褒めてくださるので、機械的なバグキーを入手されたらどうか、ゴールドコーストの海岸で拾ってきたら、と申し上げたら、いやeBayで手に入れるよ、とのお返事。海岸に引っ掛けた駄洒落か(笑。VK4では、無線はなしだが、昔の無線通信士時代の仲間と会うことになっていて、毎晩宴会になるだろうと、楽しそうだった。

今夜も、無線はあまりできず仕舞いか・・・さて、1.5時間のドライブにそろそろ出発する。

内面の声 

自費診療が、じわじわと市中で行なわれるようになってきていることを耳にした。例えば、脊柱の手術に、ウン十万円を必要とするといったことらしい。公的保険を用いた診療では、医療が行ないがたくなってきていることは事実。それに、官僚が、机上の空論で作り上げた、入り組んだ複雑怪奇な診療報酬体系にしばられることに嫌気を指している医師も少なからずいるだろう。

この4月からは、75歳以上の方は、年金から天引きで新しい保険料を徴収される(半年だったか、移行期間もあるようだが・・・選挙で政権与党が不利にならぬための処置だろう)。その医療内容といえば、原則主治医一人にしかかかれず、さらにその検査などに用いられる医療費が月6000円と限定されている。これは、高齢者には医療費をかけない、と政府が公言したようなものだ。

政府・官僚は、医療への支出を限りなく抑え、医療人・患者から、悲鳴があがり、混合診療を求める声が上がるのを、じっと待っているように思える。この医療制度では、医療側も、患者側も立ち行かなくなる。医療の市場化を、米国は以前から要求し続けてきた。その要求に応えるために、政府・官僚は、医療を一旦崩壊させる道を選択したのだ。

おぉ、この議論は、このブログで繰り返し、繰り返し行なってきた。だが、それが現実のものとなるのを目の当たりにすると、改めて気分が悪くなる。これで良いのか、という疑問の声と、もうこのまま行き着くまで行くしかない、自分と家族を守ればよいのだという声が、私のこころのなかで、交錯する。

医療事故報告制度、WHOガイドラインと厚生省案 

2005年、WHOは、「情報から行動へ」と題して、WHO DRAFT GUIDELINES FOR ADVERSE EVENT REPORTING AND LEARNING SYSTEMS(以下、ガイドラインと略す)という報告を出した。医療事故報告と、それによる学習を確立し、患者をより安全にするために、このガイドラインが作られたとある。

現在、厚生労働省が遮二無に成立させようとしている、医療事故(安全)調は、医療にかかわる死亡事例だけを対象にしている。死亡事例は、医療事故のなかで、最悪の結果となったケースであり、上記WHOのガイドラインの対象の一部である。また、厚生労働省は、立ち上げる組織名から分かるとおり、将来は医療事故全般を対象とすることを想定しているように思える。

そこで、ガイドライン第六章に示された、報告制度が上手く機能する条件を、厚生労働省案に照らし合わせてみたい。

Non-punitive

報告制度が上手く機能するための最も重要な条件は、制度が懲罰を与えるものであってはならないということである。即ち、報告者も、他の関与している医療従事者も、報告の結果罰せられてはならない。世論は、医療事故の責任を個人に帰し、「被告人」を罰する方向に圧力をかけるものなので、この条件を実現させるのは最も難しい。報告の個別内容を、秘匿することが、最も良い解決方法である。

一方、厚生労働省案では、調査は、行政処分に直結し、民事・刑事裁判にも情報を渡すことになっている。個別内容の秘匿性も、全く保証されていない。

Confidential

患者と報告者の個別情報は、第三者には秘匿されねばならない。組織レベルでは、訴訟に利用しうる情報を出すべきではない。

一方、厚生労働省案では、患者側代表も調査に加わることになっており、また上に述べたとおり、訴訟にも情報を提供するとされている。場合によっては、警察への通報もされる、となっている。

Independent

報告制度は、懲罰を行なう権力を持ついかなる公的機関からも、また調査結果に利害関係を有する組織からも、独立していなければならない。政府機関のなかでは、報告を受ける組織と、処分を下す組織を峻別することは難しいかもしれないが、報告制度への信頼性を確保するためには、それは必須のことだ。

一方、厚生労働省案では、調査組織と処罰組織は、同一の省内におかれることになる。特に、行政処分を下す権限を有する厚生労働省に、調査組織を無理矢理置こうとしていることにはお起きね疑念を持たざるをえない。

Expert analysis

医療事故が起きた臨床的な状況をよく理解し、さらにその根底にあるシステムの問題を把握する能力のある、熟練研究者によって、報告は解析される必要がある。政府が運営する報告制度が陥りやすい最大の失敗は、報告を強制するが、それらを解析する人的・物的資源を準備しないことである。専門家の知識・技術が、どのような報告制度であっても、最大の本質的な条件である。

一方、厚生労働省案では、中央に20名、地方に5から10名の調査委員を置くとされている。その身分は、実に非常勤公務員である。予算規模などへの言及はないが、人的資源に関してだけでも、いかにお手軽に考えているのか、浅はかさが露呈されている。

Credible

組織が独立し、さらに十分な専門家が解析に従事することが、この組織の発する改善勧告が受け入れられ、実効性を持つために必要である。

Timely

報告は、迅速に解析され、改善勧告がそれを必要とする医療現場に早急に送付されなければならない。

一方、厚生労働省案の陣容では、はなはだ心もとない。これだけ専門分化した医療のなかで頻繁に調査委に上げられる報告内容を、たかだか5から10名の非常勤の調査委員(その中には、法曹関係者・患者側代表なども加わる)が解析できるのか。

System-oriented

調査組織が発する改善勧告は、医療従事者個人の行為よりも、医療システム・医療の手技過程・医療機器などに焦点を当てるべきである。これは、一見とんでもない個人的な過誤であっても、医療システムの欠陥によって起きるという考えに基いている。このシステムの欠陥が改善されなければ、別な時に、別な人間によって、同じ問題が再発するのだ。

一方、厚生労働省も、当初、医療従事者個人の問題を扱う論調であったが、最近は、盛んに個人の責任ではなく、医療システムの問題を追及するといい始めた。医師の労働法を侵した過酷な労働の実態、低医療費から来る多忙さなどが、医療システムの問題として浮かび上がる可能性は高い。そうすると、罰せられるべきは、それを放置・悪化させている厚生労働省そのものということになるはずだ。ところが、メディアの報じるところでは、医療機関のその責任を取らせ、最悪の場合、医療機関を取り潰すつもりらしい。

Responsive

調査組織は、広範な医療制度の変更を求める改善勧告を効果的に発する必要がある。勧告された医療機関は、その改善勧告に従わなければならない。

一方、厚生労働省案の人員配置では、そうした勧告をだせるのかどうか、極めて疑わしい。さらに、医療機関にシステムの改変を、財政的な根拠なしに、厚生労働省が要求するとしたら、この改善勧告は実現しないだろう。医療機関は、医療安全に対して投資をする余裕がないし、新たにそうした措置をとっても、経営に全く寄与しないのだ。これも、大きな医療システムの問題である。




と、ざっと検討してみただけでも、厚生労働省案が、如何にいい加減な内容であるか、よく分かる。厚生労働省は、WHOと直接接触する省庁である。それなのに、WHOのガイドラインとここまで相容れない、貧弱な調査組織をあわてて立ち上げようとしている。彼等は、医療機関を行政処分する、より強い権限と、この組織を立ち上げるための行政の人員と予算を得ることを目的にしているとしか考えられない。

この行政の暴走を許せば、急性期医療は成立しがたくなる。今でも、急性期医療は、様々な圧力によって、貧困化し続けているのだが、その息の根を止める決定打になる。



冤罪の構図 

官僚は、行政を行なうために、権力を付与されている。官僚が、物事の正・不正を判断し、同時に、それに対する罰則を科するのは、冤罪を作り出す可能性が高い。権力が暴走を起す可能性は常に念頭に置く必要がある。

公認会計士の方が、冤罪に陥れられ、行政・検察と戦った経緯が、ここに記録されている。例のホリエモンの粉飾を、明快に明らかにした方であり、この冤罪が彼のデッチ上げとは信じがたい・・・本当のことなのだろうと思う。

福島県立大野病院事件も、少なくとも刑事事件としては冤罪である。医療事故がらみの刑事事件に、そのような例が少なからず見られる。

ところが、医療事故調(医療安全調と呼称を変えるそうであるが、この変更も実体隠しだ)では、厚生労働省下の一つの組織が、医療事故であるかどうか判断し、行政処分を下す。さらには、民事・刑事訴訟への橋渡しをする。医療事故は、大きく言えば、医療制度そのものの瑕疵から生じている可能性もあり、医療制度の枠組みを作る官庁が、その制度の問題を判断することになるのだ。厚生労働省が、自らの過失を認めることなど、これまでの薬害の歴史や、医療制度の度重なる改変とそれに伴う混乱への対応をみて、到底考えられない。恐らく、医療現場にすべての責任を取らせることになる。上記の公認会計士氏に冤罪が被せられたのと、同じ事象が、あちこちで起きることになるのではないだろうか。

こうした医療の根幹にかかわる制度は一旦できると、一人歩きを始める。官僚は、こうした制度をすぐに改変することはないだろう。いくら善意で作られた制度であっても、権力装置のなかに組み込まれると、暴走を起こす可能性がある。その時になって、制度の問題を訴えても始まらない。医療事故調が、法制化される前に、より慎重に時間をかけて検討すること、そして医療現場の声も反映されるべきことを強く訴えてゆかねばならないと思う。

地方の医療の衰退 

北関東には、厚生連の経営する基幹病院がいくつもある。塩谷総合病院もその一つ。

しかし、厚生連の病院の経営が、あちこちで厳しくなっていることは、風の便りに時々耳にする。

塩谷総合病院の経営問題について、全く知らないのだが、医療費削減の煽りを受けていることだけは確かだろう。

とすれば、知事に陳情したところで、何も解決はしない。ましてや、署名を集めても無意味だ。

こうして、地方の医療が衰退してゆくのは、国の既定方針なのだから



以下、引用~~~

栃木・塩谷総合病院の機能存続要望
08/02/21
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社



行政ファイル:塩谷総合病院の機能存続要望 /栃木



 矢板市など2市2町で構成する塩谷広域行政組合と同議会は20日、JA栃木厚生連が08年度中の経営撤退を表明した塩谷総合病院(矢板市)について、基幹病院としての機能存続に協力を求める要望書を福田富一知事らに提出した。「塩谷広域圏の救急医療体制の崩壊につながりかねない」と訴えている。

 塩谷郡市医師会と矢板市区長会も同日、それぞれ3万人超の署名を添えて、福田知事らに機能存続を要望した。

医療事故調、厚生労働省の本音 

厚生労働省が本音をマスコミに流し始めた。

医療事故調は、罰則強化によって、医療事故の「再発を防ぐ」、ということのようだ。

医療システムのエラーの責任を、医師個人だけでなく、医療機関にも負わせる。場合によっては、医療機関を取り潰すという方針のようである。

厚生労働省の官僚に是非お聞きしたいのだが、医療システムの問題の多くは、厚生労働省の医療政策、または財務省の医療費削減策によって生じている、もしその医療システムのエラーが実際の医療事故の原因と明らかにされたら、貴方方はどうやって責任を取る積りなのだろうか。36時間連続労働の常態化している勤務医が、単純な誤りによって重大な結果を生じたとする、それが、システムエラーとしての過重労働の常態化によると結論されたら、一体、諸君等はどうするつもりなのだろうか。

中には、まれに、官僚の言う「悪質な医療事故」もあるには違いない。しかし、医療システムのエラーによって起きる医療事故の方が、圧倒的に多いというのが、今までの私の見聞・経験から言えることだ。

もう一つの問題。医療政策を立案実行する。それに伴う事故や不幸な結果を検証する。さらには、それに対して罰則を課す。この三つの機能を担当する組織が、同じ厚生労働省にある、ということも大きな問題だ。これらの組織は、互いに独立し、相互を監視するのでなければ、暴走をきたす可能性がある。

厚生労働省の言い分、この施策によって事故の再発を防げるかどうかも根本的な疑問だが、また稿を改める。

日本の急性期医療は、これで終焉を迎えることになる。


以下、引用~~~

厚労省:医療機関に改善命令 死亡事故で法改正へ

重大なミスなどで患者を死亡させた医療機関に対し、行政が業務改善命令を出す制度の創設を、厚生労働省が検討していることが分かった。医療事故に対する行政処分は、これま で刑事罰を受けた医師個人にしか実質的に行われておらず、厚労省は「医療機関全体の安全体制をチェックすることで、システムエラーの改善につながる」と期待する。今国会で 必要な医療法改正を目指す。

過失による医療死亡事故が起きた場合、現行では行政が医療機関の責任を追及することはなく、医師個人への医業停止処分なども刑事事件化されたケースにほぼ限られている。し かし「個人の処分だけでは、複合的な要因で起きる事故に対応できない」との指摘もあり、厚労省は再発防止を主眼に行政処分の見直しを急いでいた。

新設する業務改善命令は、10年度にも発足する死因究明の第三者機関「医療安全調査委員会(仮称)」と連動。調査の結果、▽故意や重大な過失▽事故の繰り返し▽カルテの改 ざん--などが判明した場合、国か自治体が安全確保の計画書と再発防止策を出させる制度を想定している。命令に従わない場合は、管理者の変更や施設閉鎖を命じる。

また、医師個人に対しても、調査委で重大な過失などが認定されれば、刑事処分を待たずに処分する方針だ。【清水健二】

毎日新聞 2008年2月21日 15時00分

東京湾口道路 大失敗の繰り返し 

今日午後、国会の予算委員会を、仕事の合間にチラチラと観た。

道路特定財源の問題がしばしば議論になっていた。道路建設が、いかに酷い無駄遣いになっているのか、ちょっと議論を聞くだけで明らかであった。

東京アクアラインは、1兆4400億円かけて建設された。バブル期の終末を祝うかのような大規模プロジェクトだった。当初、30年程度で費用の償還をするはずだったが、当初の利用見込みは大甘で、現在、ほぼ毎日1億円の赤字を垂れ流しているらしい。費用償還期間は、計画見直しのたびに延長され、50年かけて行う・・・即ち、返す目処は立たない、ということらしい。

さらに、である。東京湾のより太平洋側に、三浦半島と千葉県の館山近くを結ぶ、第二の東京アクアライン、東京湾口道路というトンネル道路を作る計画があるらしい。それを含めて、同様な大規模な海峡横断プロジェクトが、日本全国で六つあるとのことだ。

それらの建設調査を、天下り団体、海洋架橋橋梁調査会に丸投げしているそうだ。国交省の天下り役人と、ジェネコンの元経営者が、その財団法人の役員をしている。要するに、官業による公共工事計画団体だ。その費用、しめて数百億円。新しい道路の「必要性」「採算性」は調査しないらしい。それらは度外視、政治家が決めた路線を作るための調査をしているのだろう。政官業が、こうして不要な土木道路工事を続け、将来の不良資産を生み出しているのだ。東京アクアラインの教訓を全く学んでいない

東京湾口道路は、さすがにすぐには着工されることはなさそうだが、日本の公共工事全般が、こうしたいい加減な見通し、というか見通しなどたてずに、政官業の利益のためだけに行われている可能性が高いことを露呈して議論だった。

医療がどうのこうの言う前に、このような政治と行政を許していては、日本が立ち行かなくなる。特に、政治がしっかりしなければならないのだが、その政治家を選出しているのは、日本の国民なのだ。日本が、ゆっくり沈没してゆくような光景が、目の前に浮かぶ。

病気の児から光を受けて・・・ 

もう一年以上、私の職場に通ってくれている、可愛い兄弟がいる。いたずら盛りの幼稚園児だ。しかし、歩けるが、倒れやすい・精神発達が遅れているといった問題があって、近くの大学病院を受診、筋ジストロフィーであることが分かった。ドゥシェンヌ型という、伴性遺伝をする型だ。徐々に筋力が失われ、10歳代20歳代で、生涯を閉じることの多い、病型である。

そのお母さんは、いつも笑顔を湛えている優しそうな方だ。子供達を決して頭ごなしにしかりつけたりしない。先に診断のついた兄の方だけではなく、弟も同病であることが判明したときには、むしろ私の方が、ショックを受けたのだが、お母さんは、いつもの笑顔で、そのことを淡々と報告してくださった。笑顔と言っても、ただ上辺だけの笑顔ではない。凛とした内面から、直裁に生まれる、優しさの表出とでも言うべきだろうか。お母さんの内面で、どのような葛藤があり、それをどのように乗り越えられたのか、または乗り越えようとされているのか、その消息までは伺ったことがない・・・そのようなことを、お話しすることは、外来の場では憚られるような気がするし、尋ねるべきことではないように思える。

小児科医を、30年以上してきて、重たい病気、重たい障害を抱えたお子さんを持つ、ご両親、とくにお母さんと多く接してきた。勿論、例外はあるが、多くのお母さん方は、実にしっかりしている・・・いや、そのような、ありふれた形容では不十分な、内的な美しさを湛えて、しっかりと生きておられる方々だった。この子供達のお母さんも、そうした方のお一人である。

母親にとって、子供は自分の分身であり、生命を受け継ぐ対象なのだと思う。母親は、子供の成長と発達を一番の喜びにして生きておられる。しかし、その子供に、重い障害や病気が生じるのは、常識からすると、絶望であり、絶対の不条理なのではないか。ところが、そうした母親の多くが、凛々しく、光り輝いている。私には、まだ大きな謎だ。

もしかしたら、我々の常識では、不幸のはずの、この親ごさんとお子さん達は、人生のもっとも光り輝く瞬間を日々生きておられるのかもしれない。障害を持ったお子さんが、恰も光を放つようにして、お母さんを輝かせているのかもしれない。勿論、病気や障害のない人生の方が良かったに違いない。しかし、このお母さんは、人生をしっかりとありのままに受容し、日々を光り輝いて生きておられる。その姿に、人生の不思議な深い消息を教えられるような気がする。

プライマリーケア医に、うつ病患者を診させる?! 

日本の自殺率は、1998年頃を境にして跳ね上がり、このところ毎年3万人を越えている。毎年、3、4千人に一人自殺をしていることになる。所謂、リストラ・失業等経済生活問題が大きな原因と考えられている。これは、G8の中で、ロシアに次いで高い率であり、英国・米国等に比べて、2から3倍の高さだ。

自殺者の9割は、精神的な問題を抱えているといわれている。その面での対策は必須だが、精神科医療についての政策はお寒い。うつ病は、自殺企図を起こしやすい病態だが、その患者の多くは、身体的な訴えを抱き、精神科ではなく内科を受診することが多いという。そのために、プライマリーケア医が、うつ病の診断を的確に下せるかどうか、が大きなポイントになる。

厚生労働省は、地方自治体がプライマリーケア医にうつ病研修を行なった場合に、助成金を出すことにしたようだ。しかし、そのプランをよく読むと、プライマリーケア医に、うつ病の「治療」まで行なわせようとしている。自殺企図のある、重症のうつ病の治療を、全くの門外漢のプライマリーケア医にさせることには、同じく門外漢の私でも首をかしげる。うつ病の初期に疑いを持ち、専門家に紹介するのであればまだしも、治療を行なうことは、患者にとっても、医師にとってもリスクが大きすぎないのだろうか。

今回の、診療報酬の改訂で、通院精神療法指導料が、5分以内の診察時間では、完全にカットされることになったのは既に記した。(その代わりの指導料が、わずかにつくらしいが、通院精神療法指導料に比べると、1/7程度。)精神科診療は時間がかかるのが常だが、状態が安定すれば、手短な面接だけで済む場合もある。それを一律5分以上という時間制限をかけたのは、精神科医療の充実よりも、医療費削減が主眼目であることを伺わせる。恐らく、外来だけの精神科診療所では、経済的に大きな痛手になるはずだ。

そうした精神科医療政策の文脈で見ると、プライマリーケア医によるうつ病患者の診断・治療促進計画も、医療費削減を意図したものであることが推測される。精神科医が足りない現状はあるが、それにしても、自殺企図のあるうつ病の患者を、プライマリーケア医に任せるのは、極めて危険なことだ。

私も、身体症状の訴えで来院した、大人のうつ病の患者さんを何人か診断したことがあるが、結局専門家に治療を依頼した。うつ病が、こころの風邪だといったキャッチコピーがあったが、あれは人を欺く大嘘である。このような官僚の策謀に乗って、プライマリーケア医が、うつ病の診療に積極的に乗り出さないことを祈るのみだ。

政府・官僚は、格差の問題を真剣に解決しようとしない。それと同じく、自殺の問題も、小手先の政策、ないしは羊頭狗肉の政策で対応している振りをしているように思える(この自殺対策の主要な部分になるはずの政策に、たった1億円弱の予算しか組んでいない!)。毎日、90人の方が、自ら命を絶っている現実を、彼等はどのように考えているのだろうか。


以下、引用~~~

厚生労働省の自殺対策 プライマリケア医のうつ病研修事業を導入 都道府県や政令指定都市に補助金助成
08/02/18
記事:Japan Medicine
提供:じほう

 厚生労働省は、2008年度から自殺対策の一環として、プライマリケア医がうつ病の診断・治療を適切に行えるようにするための研修事業を開始する。都道府県や政令指定都市などの自治体がプライマリケア医向けのうつ病研修を独自に行った場合、必要な費用の半分を国が補助金で助成する。うつ病を早期に発見できる医療体制をつくり、自殺者数を減少させたい考え。自治体の応募要項は3月までに公表する予定だ。

 いまや政府の重要課題に位置付けられる自殺対策。医療問題としてだけでなく、いじめ問題、職場のメンタルヘルス、多重債務問題、そして自殺の再発防止といった具合に、幅広い問題点を抱えている。
  自殺対策を精神医療の観点から考えると、自殺のハイリスク因子であるうつ病の存在を医療関係者が早期に発見し、適切な治療を行うことが重要だ。しかし実際には、うつ病患者の大半は医療機関を受診していない。また、患者が内科など精神科以外の診療科を受診したとしても、多くの場合、うつ病の存在が見過ごされているといわれている。
  総合病院の内科では、実際にはほとんどうつ病の診断を下せないというデータもある。長崎で実施された調査では、総合病院の内科外来を受診した患者1555人のうち、のちに精神科医がうつ病と判断した人について、内科医がどの程度正確にうつ病を診断できていたかを検証したところ、内科医がうつ病を見極められていたケースは全体の19.3%に過ぎなかった。つまり内科医は、うつ病患者の5分の4を見逃している可能性があることを表している。
  患者を最初に診療することが多いプライマリケア医のうつ病診断・治療技術を向上できれば、早期に治療を始められる患者が増え、自殺者数を抑制できると見られている
  このため厚生労働省は、2008年度から、プライマリケア医向けのうつ病研修事業に補助金を付けることにした。08年度予算には、「かかりつけ医うつ病対応力向上研修事業」(約9800万円)が組み込まれている。都道府県などが独自にうつ病研修事業を実施した場合、国に補助金を要求できるという内容だ。

研修費など自治体費用の上限1/2助成

 現在は、厚労省内部で、補助金助成事業の応募要項を作成中だ。自治体が必要とする経費の半分まで助成する方向。うつ病研修を企画する委員会の開催経費や、プライマリケア医の養成研修にかかる実施費用などを要求できることになりそう。要求費用の上限額はまだ決まっていない。厚労省は本紙の取材に対し、「3月中には応募要項を発表したい」とコメントしている。


3回目の2月18日 

亡くなられた方のご家族のこころが癒されますように。医学によって救い得ない命があることを受け入れ、こころの安らぎを取り戻すことができますように。

検察には、真実を見ることなく、ただ裁判に勝つことだけを目指すことのないように。権力が付与されていることの背後にある、社会的な使命を忘れないで頂きたい。

被告席に座る加藤先生には、多くの医療従事者、それ以外の方が背後にいることを確信し、先生の行った医療がベストを尽くしたものであったことを淡々と主張し続けていただきたい。司法による医療の破壊に対して、断固として対峙し続けていただきたい。2年前から変わらぬ気持ちで、支援を続けます。

昨年2月18日の記事

経済財政諮問会議に奉仕する内閣 

11年度までのプライマリーバランス黒字化の達成は、困難になったと
内閣府が公表した。これは、消費税増税をするための見通しの変更
である。

疑問の一つ。経済財政諮問会議に、内閣府が試算を提出するとは、ど
ちらが「諮問会議」なのだろうか。政府は、経済財政諮問会議に隷属
しているのか。福田首相は、消費者の視点を尊重すると言うが、政府
は、どちらを向いているのだろうか。商売人達が、
自分に利益を誘導する政策を提言し、
社会保障予算を徹底的に削ろうとしている。

フェアではない。この諮問会議は、合法的かつ大規模な政権与党への
収賄を行う組織であり、国民からも大規模な収奪を行っている。この
諮問会議を即刻排除すべきである。


こうした見通しの変更は、幾らでもできる。輸出産業を中心に、大企業
は好決算を引き続き続けている。内需の落ち込みと、地方経済の凋落
が、甘い見通しを覆させたのではないのか。その政策の失敗、それに
経済見通しの誤りの総括をすべきである。

安易な増税は許されない。公務員のためのマッサージチェア、アロマセ
ラピー器具、野球道具などに化けた、道路特定財源の徹底した見直しを
せよ。一般財源化して、社会福祉・医療にその財源を回せ。

政権与党は、どこを向いているのだ。


以下、京都保険医団体連合会のサイトから引用~~~

内閣府は1月17日の経済財政諮問会議に、2011年度までの国と
地方の財政状況の試算を提出した。試算によると、「骨太の方
針2006」に示された通りに07年度からの5年間で最大限の歳出
削減(14兆3000億円)を行った場合でも、11年度の国と地方の
プライマリーバランス(基礎的財政収支)は7000億円の赤字と
なり、財政再建目標である11年度の黒字化は達成できない。

14兆3000億円の歳出削減の中には、社会保障費1兆6000億円
(国の一般会計ベースで1兆1000億円)の削減も含まれている。
つまり、今後も毎年のように社会保障費を2200億円ずつ削減し
たとしても、11年度のプライマリーバランスの黒字化は達成で
きないことになる。

07年の内閣府の試算では、最大限の歳出削減を行うことで11年
度には基礎的財政収支が1兆4000億円の黒字になると見込んで
いた。当初の試算から2兆1000億円のマイナスとなった要因に
ついて内閣府は、「税収見込みと成長率が下方修正されたこと
が影響した」(計量分析室)としている。

同日は、経済財政運営の中期方針を示した「日本経済の進路と
戦略」を了承した。夏の骨太方針と対をなすもので、医療・
介護では、勤務医の負担軽減や医師・看護師の役割分担の見直
し、社会保障カードの導入などが盛り込まれた。18日に閣議決
定する。

一方、民間議員は「諮問会議の課題について」と題する資料を
提出。社会保障費の圧縮については、「11年度までに増加を抑
制すべき社会保障費(残り約6600億円)の改革の道筋を検討し、
明確にする」と明記した。さらに、4月からの高齢者医療制度
の患者負担増凍結については、「負担の裏付けのないまま、再
延長するようなことはあってはならない」と指摘した。

救急医療の崩壊 

救急医療は、三重の困難さに直面している。第二、第三の問題が、第一に挙げた人手不足を悪化させている。

一つは、人手不足。救急医療を担当する医師が、加速度的に減少している。これは、高次救急だけでなく、最初に軽症の急患を診る一次救急でも同様だ。もともと、当直医は、入院患者の急変に備えるために当直するのであり、救急外来は、例外的に診ればよいことのなっている。しかし、その官僚の通達は、全く反故にされている。36時間連続労働が、横行しているのである。そのような現場から、医師は立ち去っている。

第二に、救急医療が、生命が救われるかどうかの剣が峰にかかわる医療であり、結果が悪いと、訴追されることが多くなってきた。過失致死罪の適用によって、数多くの事例が、訴追されている。民事裁判についても同様だ。それを避けるために、救急を扱わぬ医療機関が増え、救急を扱うとしても、責任をもって医療を出来ない場合は、急患を受け入れぬケースが増えている。福島地検が、大野病院の加藤医師を訴追したときに言った言葉「一か八かでやってもらっては困る」を、現場の医師達は深刻に受け止めているのだ。

第三に、救急医療が、採算が合わない赤字部門である。重症患者を収容するICUでは、一ベッドあたり、年に1500万円程度の赤字になるらしい。一次救急でも、採算は全く成り立たない。救急病院を引き受けることによる地方自治体等からの助成など殆ど足しにはならないのだ。

ここで報道されている救急搬送の問題は、大阪だけの問題ではない。今後、全国的にさらに悪化して行くだろう。特に、休日が続く時期に、重篤な急性疾患にかかると、深刻な問題になりうる。救急の情報システムを充実させることによって、この危機を乗り切ろうという行政・マスコミのキャンペーンにはあきれるばかりだ。

救急医療だけではない。一般の医療も、診察・検査・手術などの待ち時間は長くなることだろう。英国のサッチャーが犯した過ちを、日本の官僚もそのまま犯している。英国の医療崩壊から何も学んでいない。マスコミも、それを全く報道しない。



以下、引用~~~

20回以上の要請320件 3倍増、大阪市の救急搬送
08/02/15
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 大阪市内の救急搬送で病院に患者の受け入れを20回以上要請したケースが2007年に320件あり、06年の104件の3倍以上に上ったことが14日、大阪市消防局のまとめで分かった。

 最も多い要請回数は63回。現場到着から病院到着までにかかった時間は最長で5時間13分だった。

 急増の原因について市消防局は「不明」としているが、比較的重い症状の患者や負傷者を扱う救急病院の減少が背景にあると見ている。

 消防局によると07年の出動件数は20万4373件で、20万5036件だった06年より微減。20回以上要請したのは午前零-3時が101件と最も多く、午後9時-午前零時が76件と、病院の態勢が手薄な夜間から早朝に集中。

 患者の状況では、飲酒や薬物多量服用、内科と脳神経外科といった異なる分野にわたる診療が必要な症状があるなどした場合、搬送先確保が特に困難になったという。

 昨年4月、80代の女性が市内の自宅で吐血。26回の要請を繰り返す間に、女性は救急車内で意識を失い、約54分後に病院に到着したが、間もなく死亡した。

 6月には30代男性がマンションから転落、受け入れ先が見つからず計40回要請。1時間19分後に病院に到着し、死亡が確認された。いずれも死亡と搬送先選定に手間取ったこととの因果関係は不明という。

 市消防局は「救急医療体制を所管する府や、国に改善を働き掛けていきたい」としている。

全国医学部長病院長会議、医療事故調に反対の声明 

全国医学部長病院長会議が、厚生労働省の「医療事故調」に明確に反対する声明を出した。極めて明快に、厚生労働省の粗雑な案を否定している。医療が、低医療費、少ない医師数にかかわらず、世界有数と評価されてきたことにも言及し、医療現場にいる者として胸のすく思いだ。

官僚の代弁を続けているマスコミが、この声明をどのように伝えるのだろうか。同業者の庇い合いといった、ステレオタイプの批判を浴びせるのだろうか。マスコミは、事実を良く見極めてもらいたい。官僚の意図と、医療現場の困惑とをしっかり理解してもらいたい。もしここで官僚の代弁者に成り下がるなら、医療事故調が、医療を破壊し尽くしたときに、マスコミの責任も強く問われることになる。

この拙いブログをご覧の、医療関係以外の皆さん、この問題は、急性期医療が生き残るかどうかを決める重大な問題です。是非、関心を持ってください。よく理解なさり、発言をしてください。国民が、きちんとした医療を受けられるかどうかの瀬戸際にあります。



以下、m3より引用~~~


全国医学部長病院長会議・大学病院の医療事故対策に関する委員会委員長
嘉山孝正氏(山形大学医学部長)に聞く
「外科医、産科医絶滅法案」に断固反対する
厚労省の“医療事故調”案は患者の利益にならず
橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医学部長病院長会議が本日(2月15日)、記者会見を開き、厚生労働省の“医療事故調”案に対する反対声明を出す。同案については賛否が分かれているものの、公の場で反対姿勢を打ち出した団体は少ない。それだけに、この声明の影響力は大きい。全国医学部長病院長会議で「大学病院の医療事故対策に関する委員会」の委員長を務める嘉山孝正氏(山形大学医学部長)に、反対理由などを聞いた。(2008年2月14日にインタビュー)


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「遺族の代表が調査に入ること、刑事手続との連動があること、この2点が問題」と語る嘉山孝正氏。

――厚生労働省は、昨年10月の「第二次試案」以降、議論が進んでおり、試案は変わっていると説明していますが、それでも反対ということですか。

 はい。基本は、第二次試案から変わっていません。厚労省案は、「外科医、産科医絶滅法案」であると捉えています。理由は2つあります。第一は、事故の原因究明を行う調査委員会に遺族代表が入る点です。遺族と利害関係のある人が委員になったのでは、科学的な調査はできません。科学的調査ができなければ、事故の再発防止にもつながりません。これは欧米での共通認識であり、2005年の日本学術会議の提言でも打ち出されていることです。

――「遺族の立場を代表する者」は、遺族を知る人に限らないということですが。

 それでも、医療側とは利益相反の立場の人ですから、問題であることは変わりません。

 第二の理由は、調査委員会の報告書を刑事手続に使うことができるとしている点です。刑事手続と連動するのであれば、調査に必要な情報も出てこなくなるのは分かりきっていることです。その上、行政処分ならいいですが、「患者さんを助けよう」と思って医療をやっているのに、結果が悪ければ刑事で訴えられ、「犯罪者」として扱われるのならば、若い人たちは、医師はもちろん、看護師なども含めて医療職を選ばなくなります。

 例えば、薬剤の取り違えなどは、やろうとしてやるわけではなく、病院のシステムに問題がある場合もあるわけです。もちろん、すべてについて刑事免責を求めているわけではなく、犯罪行為などは刑事処分すべきですが、医療事故には人間工学的な問題が複雑に絡み合っているのですから、これを刑事処分することは問題です。

 その上、刑事処分との連動は、萎縮医療を招き、ひいては医療の質低下につながります。つまり、厚労省案では医療はよくならず、何より患者さんのためにならないのが最も問題です。今、一番に取り組むべきことは、患者さんと医療者の信頼関係を再構築することですが、患者側と医療者側の対立をかえって強めるだけです。

――厚労省は、調査委員会の報告書を刑事手続に使うのは、「故意や重大な過失」などに限るとしています。

 そもそも「重大な過失」とは、いったい誰が決めるのでしょうか。確かに厚労省は、「刑事手続になる事例はそんなにありません」「刑事手続を恐れる必要はありません」などと説明していますが、「刑事手続に使える」との文章があれば、「誠意に基づいた医療行為であっても、結果が悪ければいつでも刑事処分される可能性がある案」と言うことができます。仮に法律の99%は正しくても、1%に問題があれば、それは正しい法律とは言えません。「運用」に委ねてはいけないのです。また、法律は1回作ってしまえば、容易には変わりません。

――厚労省の方針で進むとしたら、医療はどうなるとお考えなのでしょうか。

 そもそも、こうした問題のある案が出てくるのは、当局が正確な情報を理解していないからと思います。

 今、日本の医療費の対GDP比はOECD諸国で22位、人口当たりの医師数もOECD平均より少ないのですから、「偏在」ではなく医師の絶対数が不足しています。それにもかかわらず、日本の医療は世界でもトップレベルです。まさに医師、医療者の善意に基づき、医療レベルが保たれているわけです。こうした現状で、厚労省案がこのまま実施されたら、医療は本当に崩壊してしまいます。

――厚労省案を支持する立場の方は、その理由として「異状死の届け出を定める医師法21条の問題を解決する必要がある」という点を挙げています。

  医師法21条は、日本法医学会が解釈を変えただけの問題です。そもそも「異状死」とは何でしょうか。「では、21条はこのままでいいのか」と21条を“人質”にしたような議論はやめるべきであり、21条については今回の“医療事故調”問題とは別に議論すべきです。

――では、先生方はどんな仕組みを提案されているのでしょうか。調査委員会を作ること自体にも反対されているのでしょうか。

 事故原因を調査すること自体は賛成です。医療事故を隠蔽するのは問題外ですから、情報を集め、分析すべきです。さらにその結果は公表すべきであり、全国医学部長病院長会議では昨年、その指針をまとめています。また医療事故の情報収集自体は、日本医療機能評価機構で既に実施しており、原因分析・再発防止に取り組んでいるのですから、この仕組みも活用できるでしょう。

 また医師の中には技術が未熟で事故を起こすケースもありますが、これらは医師による自律的処分制度を作って対応したり、行政処分の対象にすべきだと思います。

 皆が納得する条文になれば、われわれは反対しません。しかし、「1%」でも問題があれば、反対します。拙速を避けて、改めて議論すべきだと思います。

 「不作為」は罪です。われわれの世代はいいですが、若い世代のために、この“医療事故調”の問題に取り組んでいかないと、医療、そして日本はダメになります。今後、われわれは政治家などに正しい情報を伝え、働きかけていきます

Bob W7BV 

Bob W7BV in the shack.

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冬の夜 

寒いや・・・くっついて寝ようね・・・

IMG_0494-1.jpg

決意 

先日、コメントにも記したことだが、最近の官僚・政治家、それにその背後に控える経済界の動きを見ると、絶望的な気分に陥る。

医師の不足を、あの手この手を使って認めなかった政府・官僚、それが一転医師不足を認めた、この無様さは一体何なのだ。自分達は泥がかぶらぬように、不正なデータをでっち上げ、トンでもない結論を導き出し、世論を誘導してきた官僚達の愚かな言動。それは、すべて医療費を削減し、現在の医療制度を破壊し、その後に医療を市場化し経済界に売り渡すためであった。彼等の策動によって、自分と自分の患者さん達が痛みを直接かぶってきたことは置いておくとしても、このような連中に、日本の行政・政治を任せておいて良いのだろうか、と強い不信を抱いた。いや、不信というより、絶望に近い思いだ。

で、私自身は、近い将来にリタイアをする腹積もりを固めた。官僚により、操作され、搾取される対象であり続けることは断固拒絶する。自分の存在自体を徐々に侵食されるかのような根源的な不快感から逃れる積りだ。その決心をして、黒い雲に覆われていた気持ちは、少し晴れ晴れした。社会に公平を実現すべき官僚は、自らの権益を追い求め、権力あるものに尻尾を振る存在に成り下がっている。彼等は、医療と、医療人を支配下におき、彼等の背後にいる経済界と、自らを利するように行動している。自分が、彼等の直接支配下にいると考えると、虫唾が走る。それを、きっぱり拒絶する。

それにしても、まるで開業医が勤務医の厳しさを知らず、自らが安逸を貪っているかのような、官僚・マスコミの世論誘導には、怒りがこみ上げてくる。国民は、医療が崩壊し、経済界の草刈場になるまで、彼等の姦計には気がつかない、気付かされないのだろう。

今後、リタイア後の生活設計をすることと合わせて、こうした官僚の行状を暴き、彼等の不正を追及することは決して止めない。

医師不足を政府が認めた意味 

政府が公式に医師の不足を認めた意味は大きい。

医師の不足が、低医療費と両輪のようになって、医療を崩壊させている。

今回の診療報酬は、厚生労働省から勤務医へのエールだという官僚の言い分だ。が、元々少ない医療予算のなかでの、これぽっちの医療費の移転では、エールにも何にもなりはしないだろう。いい加減に、小さな医療予算のなかで、ちょこまかちょこまか朝令暮改を行い、政策誘導を行うのは止めるべきだ。医療現場で踏みとどまる者の苦労を考えて欲しい。政府が認めた医師不足、さらに官僚が進めてきた低医療費状況に、抜本的な対策を打たないと、医療は完全に崩壊する。

官僚は、今春給与のベースアップをするそうだ。あれだけの不祥事を出した、厚生労働省の役人達も、そのベースアップに与る。さらに、新臨床研修制度・医療機能評価・レセプトオンライン化等々に伴い、多くの特殊法人を立ち上げている。更には、医療事故調と、産科無過失補償制度に関わる組織も立ち上げられそうだ。これらの特殊法人・組織は、すべて厚生労働省の天下り団体である。官僚は、自らの組織を拡大温存している。医療の現場に痛みを課しておいて、自分達は、このようにやりたい放題をすることは、決して許されない。

政府が、医師の不足を認めた意味は、大きい。それを、具体的な医療政策に、どのように反映させるのかが、厳しく問われている。すぐにでも、根本的な医療政策の変更を行わないのであれば、政権与党には退陣をしてもらわなければならない。

官僚・政府の無責任さ 

厚生労働省は、これまで医師の総数は不足していない、偏在しているだけだと言い続けてきた。ここになって、それではどうにも現状を説明しきれぬと考えたのか、「総数としても充足している状況にはないと認識している」と何とも間抜けな表現で、総数が不足していることを、政府答弁書に記した。

ついこの前まで、医師総数は足りているとしてきた、その責任、さらにその仮定に基づいて施行されてきた医療政策の責任はどうなるのだろうか。官僚は、医師は足りており、その就業時間は、最も忙しいはずの20歳代の勤務医でさえ、週50時間、50歳代の開業医に至っては、週30時間台という滅茶苦茶なデータを出していた。厚生労働省の医師のデータベースには、とっくに仕事を辞めた医師、中には故人も含まれていると、笑いものになっている。官僚の目的は、ただ一つ、医療関連予算を徹底的に削ることにあった。

これまでの公共事業の規模を保持し、特殊法人への助成金を確保するためには、医療関連予算を切り詰める、と正直に言えばよかったのだ。ところが、現実離れをしたデータをでっち上げ、さらには、医師の診療のイロハにまで素人に口を挟ませ、奇奇怪怪複雑な診療報酬をこねくり回し、医療関連予算を引き下げようとしてきた。

突然、このような一枚の政府答弁書によって、これまでの認識を変更するということは許されない。行政の責任は、どうなるのだろうか

今回の診療報酬でも、外来管理加算の5分間の縛りはまだしも、精神科の精神通院療法の加算が、5分間以内の場合、3600円からゼロに落とされることになっている。これでは、精神科の外来診療が成立し難くなる。官僚は、それを精神科外来診療が立ち行かなくなることを見越して、こうしたドラスティックな変更を加えているのだ。しかし、それが社会に及ぼす影響・・・医師患者治療関係の破壊、精神科外来の減少といったことへの考慮が果たしてなされているのだろうか。結果として、精神疾患患者の増加・悪化を招来した時に、誰が責任を取るのだろうか。数年してから、この精神科外来診療の破壊を招来したかもしれないと認識していると、他人事のように公表するのだろうか。この類の恣意的な医療政策の変更は、目に余るものがある。官僚・政府は、あまりに無責任だ


以下、引用~~~

医師「総数として不足」 政府答弁書
08/02/12
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 政府は12日午前の閣議で、医師の現状について「総数としても充足している状況にはないと認識している」と全国的な医師不足を認める答弁書を決定した。

 地方や産科、小児科などでの医師不足について、厚生労働省はこれまで「医師の偏在が理由で、医師の総数は増えている」と説明してきたが、政府、与党が昨年5月に緊急医師確保対策をまとめるなど、軌道修正を迫られていた。

 民主党の山井和則衆院議員が質問主意書で「政府は現在も数的には基本的に足りているとの認識か」とただしたことに対する回答。

産科無過失補償制度を弄ぶな 

m3という医師向けのサイトで、m3編集部の方が、産科医療補償制度について、その制度を立ち上げようとしている、日本医療機能評価機構の河北理事にインタビューをしている。

医療に無過失の分娩出生の結果、脳性まひになる児が、確実に存在する。そうした児に対する支援は、医療ではなく、社会保障制度として行うべきではないだろうか。

さらに、日本医療機能評価機構という、医療に寄生して肥大化してきた官僚の天下り団体が、この事業に当たるのはきわめて不適切である。対象の審査は、産婦人科・周産期の専門家が行い、補償の給付は、官僚機構とは別な組織が行うべきだ。さらに、民事訴訟の抑制策も、必要となる。

以下、引用とコメント~~~

――2006年11月の自民党の「医療紛争処理のあり方検討会」の報告書を受けて、議論がスタートしたとお聞きしています。

 自民党の「医療紛争処理のあり方検討会」は様々な検討を行っていますが、われわれはそのうち、11月29日の報告書「産科医療における無過失補償制度の枠組みについて」を基に、検討を進めました。委員会には様々な立場のメンバーがおり、まずはフリーディスカッションから始めました。しかし、あくまで自民党の報告書で示された枠組みを前提に、われわれの報告書をまとめています。

自民党の報告書は、医師の責任追及をするものではないと謳っているが、内実は、刑事訴追・民事訴訟に際して、調査結果を渡すものであり、医師の責任追及に加担するものだ。自民党の報告書の枠組みを前提にしている段階で、この制度の危うさが分かる。

――改めて産科医療補償制度の目的をお教えください。

 目的は二つあります。分娩は病気ではありませんが、分娩をきっかけに、一定数の脳性麻痺の子供が生まれるため、医療者の過失の有無を問わず、子供およびその家族を社会的に支援するのが目的の一つです。国の福祉政策につなげるための制度であり、一定期間、子供の介護などにかかわる経済的支援をすることが第一です。 

脳性まひは、1000出生に対して、1から2の頻度で生じる。その大半(9割)は、胎内での問題で生じる、即ち、分娩と直接の因果関係がないとされている。とすると、脳性まひ児の養育支援は、医療ではなく、社会福祉が担うべきである。

 その一方で、分娩は医療行為であることも確かです。脳死麻痺の子供が生まれた場合、産婦側と、医療機関・医師・助産婦の間で、意見の食い違いが生じることがあります。こうした場合、特に明らかな過失がない場合に、両者の溝を埋めるのが、もう一つの目的です。裁判になれば、両者の時間的・精神的負担は大きいので、この産科医療補償制度で両者の負担軽減を目指しています。同時に、産科医が、いたずらに紛争に巻き込まれることなく、安心して分娩に取り組める体制作りにつながることも期待しています。

医療側に過失がないのであれば、医療が負担を強いられるのは間違っている。ここでのロジックは、患児家族サイドに偏っている。医療側に過失がないのであれば、それに対して、紛争を起こすこと自体が誤りである。

 補償の対象になるのは、年間800件前後、多くても1000件程度だと考えています。

年間出生が、100万件として、脳性まひの頻度が、1/1000出生とすると、少なくとも、1000人の脳性まひ児が生まれている。現実は、恐らくこの2倍程度。補償の対象は、後にこの理事が語っているように、「先天的な要因、一部の未熟児などを除いた、分娩を機に生じた」脳性まひなので、この数字の1/10程度になる。即ち、実際のところ年間100から200名程度ではないか。民事訴訟を起こされ、医療機関が敗訴すると、この補償は出なくなるので、補償対象はさらに少なくなる可能性が大きい。

――制度は、分娩の際の医療事故(過失の有無を問わず)により脳性麻痺となった子供および家族への補償と、事故原因の分析・再発防止策の検討という、二つの柱から成っています。

 まず申し上げておきたいのですが、この制度では医師などの責任を問うことは一切考えていません。この点は安心してほしいと思います。

 本制度では、日本医療機能評価機構が主体となり、運営組織を設置し、その下に各種委員会を設け、補償のための審査や、原因分析、再発防止策の検討などを行います。

 補償の対象は原則、出生体重2000kg以上かつ在胎週数33週以上で脳性麻痺になった場合で、重症度が身体障害者等級の1級および2級に該当する子供です。つまり、「分娩を機に」というのが前提なので、先天的な要因で脳性麻痺になった場合などは対象外になります。

 まず補償対象に該当するか否かを審査し、該当すればこの時点で補償金を支払います。ここでは、医療側に過失があるか否かは問いません。その後に、原因分析に入ります。その結果は、当事者にフィードバックするほか、再発防止策の検討を行い、産科医療の質向上に役立てます。原因分析の過程で過失が明らかになった場合には、それ以外の補償制度との調整を行います。

――「過失が明らかになった場合」に、「調整する」とはどのような意味なのでしょうか。

 脳性麻痺の原因を分析した結果は、医療機関と産婦側の双方に連絡します。何らかの過失が認められた場合、当然、双方が知るところになるわけです。提訴するか否かは当事者の判断ですが、例えば、産婦側が提訴し、分娩機関の過失が認定され、損害賠償責任があるとされた場合、既に支払った産科医療補償制度による補償金は本来、分娩機関が負担すべきものなので、求償してもらうことになります。したがって、補償のための審査、原因分析・再発防止、求償は、時期が少しずつずれることになります。

  本制度は、結果として「無過失」、つまり誰の責任でもない脳性麻痺の子供を、社会の責任として支えようという仕組みです。これまでは仮に裁判になっても、分娩機関の損害賠償責任が認定されなかった場合、子供の介護費用などはすべて親の負担になっていました。この負担を軽減するのがこの制度です。

――例えば、この補償制度で2000万円を産婦側に支払い、後に民事裁判で医療機関に8000万円の賠償責任が確定した場合はどうなりますか。

 2000万円も医療機関に負担してもらうことになります(編集部注:産婦側が受け取るのは、2000万円+8000万円ではなく、8000万円)。

――報告書には、「医学的観点から原因分析を行った場合、分娩機関に重大な過失が明らかであると思料されるケースについては、専門委員会に諮る」とあります。

 この制度は、分娩機関から保険料を徴収して運営する准公的な仕組みですから、「重大な過失が明らかである」場合は、その過失責任までは負う必要はありません。当事者が示談や裁判などのアクションを起こさない場合、われわれが「分娩機関が過失の責任を負うべきである」ことを働きかけます。

日本医療機能評価機構が、過失の有無を判断するのか。できるのか。結局、責任追及をしているではないか。

――無過失補償制度の創設で、現場の医師の間には、「補償金という形で経済的な支援を受けるため、それを基に産婦側が提訴するケースが増えるのでは」という懸念があります。

 もしあるとしても、それは一時的な現象でしょう。確かに、この制度からの支払いが経済的な支援となるため、訴訟が増えるかもしれません。だからといって、本制度が、裁判における過失の認定基準を左右するわけではありませんので、原告側が勝訴する確率は今と変わりません。ですので、われわれは心配していませんし、分娩機関も心配しないでいただきたいと考えています。

民事・刑事訴訟で、医学的には認めがたい判決が、多く出されている。訴訟の頻度が増えるのであれば、そうした医学的にみて間違った判決を下される医療機関・医師が増えることを意味する。近年の民事訴訟では、億単位の賠償判決が下されることが多い。とすると、この補償金を、民事訴訟の訴訟費用に当てて、より多くの賠償金を得ようとする動きが出ることが、当然予測される。心配するなと、気安く言ってもらっては困る。

――行政には、事例の報告などは行うのでしょうか。

 統計処理したデータは報告しますが、個別の事例を報告することはありません。

――ところで、補償のための審査や原因分析はどのような形で行うのでしょうか。

 審査は、書類審査が基本です。フォーマットを用意し、記入してもらいます。ほとんどが書類審査で終わるでしょう。必要に応じて現地に赴く場合もあるでしょうが、わずかでしょう。また原因分析のために、分娩時の診療録・分娩監視記録も併せて提出してもらうことを想定しています。原因分析に当たっては、可能な限り、当事者の意見もお聞きします。

審査する能力があるのかどうかが大きな問題。さらに根本的に、補償を行う者と、審査する者が同一であると、補償を少なくする動機付けが必ず起こる。両者は、別組織にすることが絶対必要である。

――これは強制ではなく、民間保険で運用する形になるのでしょうか。

 はい。立法措置は伴いませんので、加入を強制することはできません。前述のように準公的な仕組みですが、任意の保険です。日本医療機能評価機構が主体となり、損害保険会社などに参加してもらい運営していく形になります。当事者である医療機関が加入しない限り、制度としては成り立ちませんので、90%以上は加入していただきたいと考えています。

日本医療機能評価機構は、病院の機能評価を一件300万円何がしかで引き受け、潤沢な資金を得てきた。その機能評価たるや、形式的なもので、ただただ会議とペーパーワークを増やすものであるらしい。機能評価を、高額の更新料を支払い、更新することを求められた病院が、更新をしなくなってきている、とも聞く。そのような状況の、日本医療機能評価機構は、この補償事業を、新たなビジネスチャンスと捉えたように思える。

この補償制度で、同機構に入る収入の額・・・
一件の出生につき、5万円の保険料納付が求められるようだ。100万出生の90%が加入するとすると、90万出生。同機構の保険料収入は、450億円となる。

一方、同機構が補償金として支払う額・・・
同機構が推測している1000名が対象になるとして、200億円。ただし、、「先天的な要因、一部の未熟児などを除いた、分娩を機に生じた」脳性まひであり、民事訴訟で医療機関が敗訴したものを除く、という厳しい条件を課せば、対象数はこの1/10以下になる。即ち、20億円以下になるはずだ。

上記の通り、同機構は、この補償制度で大幅な黒字になるはず。どうしてこんな制度設計が許されるのだろうか。

もっと根本的な疑念として、無過失のケースに対する補償をするために、何故医療機関が保険金を支払わなければならないのか、という大きな疑問が残る(健康保険の出産一時金を上げて、実質医療機関の負担がないようにする、といった議論も聞こえるが、これも官僚お得意のはしご外しで、容易に外される可能性が高い)。こうした問題は、本来、社会保障が扱うべき問題ではないのだろうか。


 この3月21日に予定されている機構の理事会で正式決定します。2008年10月からは妊婦の登録をしてもらい、2009年1月くらいに、遅くても2009年度中に実際に事業を始めたいと考えています。

運動の抗加齢効果(?) 

昔、母校に戻って試験管を振っていた頃、リンパ球の培養を行なったことがあった。ヒト型の単クローン抗体を産生するハイブリドーマを作成するプロジェクトだった。正常リンパ球は、どのように培養条件を良くしても、ある一定期間が来ると、必ず死滅する。これは当然のことだが、人の正常細胞は、細胞分裂をする度に、染色体の最後の部分、テロメア、が短くなって行く。20数回分裂したところで、テロメアの消滅とともに自ら死滅する・・・その当時は、まだアポトーシスという言葉が一般化していなかったのだった・・・アポトーシスを起こすのだ。よく出来たシステムだなと感心するのと、生命が有限であることが、細胞レベルで確定しているという厳粛な事実を知って、何か気持ちが引き締まったのを覚えている。今となっては、常識レベルのことだが、当時の私には新鮮な驚きだった。

下記は、運動をしている人のテロメアが長い、という論文(の解説)。これが即長生きにつながるかどうかは別として、運動が身体に良いことを示唆しているのだろう。過剰な運動は、身体にとって不利になるが、適度な運動は、身体を若返らせる、否抗加齢効果を示す。それに、精神的にもリフレッシュし、鬱々とした気分を取り去る効果もありそうだ・・・経験的にそのように感じる。

あぁ、運動しなくてはいかんなぁ・・・。


以下、引用~~~

加齢を遅らせるには、身体を動かすこと
08/02/05
記事:
提供:WebMD


よく身体を動かす人はあまり身体を動かさない人に比べて生物学的に10歳若いかもしれない

Miranda Hitti

WebMD Medical News



【1月29日】新しい研究によれば、身体をよく動かすことによって、生物学的年齢を10歳若くできるかもしれないという。

著者らは、この知見は定期的な運動のアンチエイジング効果についての「強力なメッセージである」と記述し、次のCDCガイドラインを支持している:

・週5日以上の1回30分以上の中強度の運動(早歩き等)または週3回以上の1回20分以上の激しい運動(ジョギング等)を行う。

Kings College LondonのLynn Cherkas, PhDらの研究者は、その知見を『Archives of Internal Medicine』に報告している。

(年をとってから活動的であり続けるために何をしていますか? WebMDのActive Aging: Support Group掲示板で情報を交換しましょう)

加齢に関する試験

Cherkasらは、英国の成人の双生児2,400例を対象とした試験を実施した。これらの双生児は血液検体を提供し、身体活動、喫煙、病歴に関する調査票への記入を行った。

研究者らは血液検体を用いて被験者の全血球におけるテロメア(染色体の末端部)の長さを測定した。

テロメアは細胞が分裂するたびに少しずつ短くなることから、加齢のマーカーとなる可能性がある。

この試験から、年齢、性別、喫煙、BMI(肥満度指数)または社会経済的地位にかかわりなく、よく身体を動かす人はあまり身体を動かさない人よりもテロメアが長いことが明らかになっている。

10歳若い?

テロメアの長さの差から「活動的でない被験者は、活動的な被験者と比べて生物学的に10年老けていることが示唆される」と研究者らは記述している。

しかし、本試験はこのことを証明しているわけではない。被験者の長期追跡調査は行われていないため、最も長生きした人がどのような人であったのかは明らかになっていない。

「運動をする人は、活動的でない人と様々な点で異なる」と本試験に付随する論説においてNational Institute on Aging のJack Guralnik, MD, PhDは記述している。

テロメアの長さの重要性については意見が分かれており、有益である可能性があるが、「人の最終的な寿命を1つの数字で正しく計測するような、奇跡のツールではない」とGuralnikは記述している。

テロメアは別として、多くの研究で身体活動と良好な健康状態との関連が示されている。例えば、最近、身体活動は14年長く生きるための4つの方法のうちの1つにあげられた。もっと身体を動かす準備が整ったら、まずは医師の診察を受けるべきである。



Cherkas, L. Archives of Internal Medicine, Jan. 28, 2008; vol 168: pp 154-158.
CDC: "Physical Activity: Recommendations."
CDC: "Physical Activity for Everyone: Physical Activity Terms."
Guralnik, J. Archives of Internal Medicine, Jan. 28, 2008; vol 168: pp 131-132.
News release, JAMA/Archives.
WebMD Medical News: "Life Span: What Does Dad Have to Do With It?"
WebMD Medical News: "4 Steps to Living 14 Years Longer."


地方の医療費給付を減らす 

医療費給付を下げるには、適切な医療を行う限り、単価を下げるか、受診人数を下げる以外に方法はない。診療報酬で決まる単価は、もう下げようがないほどまで下げられている。この先は、患者の受診を抑制する、または医療の質を落とすことだけが残されている。いずれにせよ、患者にしわ寄せの来ることだ。

厚生労働省は、医療費給付の多い地方自治体に、給付を減らすことを義務付けた。全国平均の1.14倍を超える給付が、大幅に上回ったとされている。医療機関へのアクセスが良くなくて、入院になることの多い地域や、高齢化率の高い地域等、医療費が増える要因のあるなしに関わらず、機械的に平均を0.14倍上回ると、医療費給付減額が命じられるのである。

平均を0.14倍上回るものを下げると、平均は当然下がる。すると、新しい平均を、また0.14倍上回るところが出てくる。さらに、そのような地方自治体に下げることを義務付ける。すると、平均は下がる。という、無限のスパイラルに陥る。当然、ある程度下がると、医療が成立しなくなるので、その時点で、その地方自治体はアウトとなる。

医療で機械的な「効率化」を求めると、このような事態になる。厚生労働省とは、好い気なものである。彼等のすることは、平均から、多少逸脱した地方自治体に、減らすように命じるだけだ。

しかし、これも国民の選択した政治に基づく、官僚の行政なのだから、仕方のないことなのだろう。粛々と、完全な医療崩壊、それに基づく、地方の崩壊に向かっている。

以下、引用~~~

84市町村に医療費抑制計画 給付多過ぎると厚労省
08/02/05
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 厚生労働省は4日、市町村が運営する国民健康保険(市町村国保)で、2006年度の医療給付費が全国平均を大幅に上回った20道府県の84市町村に対し、医療費抑制計画の策定を義務付けたと発表した。

 医療費の地域格差を是正し、国保の運営を安定させる目的。義務付けられたのは「安定化計画指定市町村」に指定された自治体で、3月末までに具体的な目標を定め、計画を提出する。指定は1月31日付。

 道府県別では北海道が22市町村で最多、次いで福岡県が14市町村、佐賀、鹿児島両県が各7市町-など。市町村合併の影響で11自治体分減ったが、全国の市町村数に占める割合は約5%で横ばい。

 市町村ごとの住民の年齢構成を勘案して基準給付費を算出、給付実績がこの1.14倍を超えると指定対象となる。

An eyeball with Bob W7BV 

今日は、Bob W7BVが、やって来る日。仕事を早く終えてと思ったが、お昼近くなって、どっと患者が来院し、悪戦苦闘した。12時過ぎに携帯をチェックすると、彼から留守電が入っていた。12時40分に最寄り駅着とのこと。雪のちらつきだした、畑道を駅に急いだ。

駅前の広場に、大柄のBobが、コートの襟を立てて待っていた。声をかけると、にこっと笑って、旧知の友人のように挨拶。

近くの寿司屋で、少し遅い昼食。後で聞くと、今夜も、教え子達と新宿の寿司屋で夕食を共にする予定だったようだ。別なものを食べさせてあげれば良かった・・・。それでも、おいしそうに寿司を頬張っていた。海栗が苦手な模様。

我が家までの道筋、雪が降っていたこともあって、いかにも人里はなれた田舎に思えたのだろう。日本で、このような場所にくるのは初めてだと言っていた。我が家に着くと、アンテナを興味深げに見上げる。高さや、種類を尋ねられた。コーヒーを煎れるまでの間、バンドをワッチしていた。残念ながら、北米には、どのバンドも開いていなかった。

専門の話・・・ラット等の肝臓などを、開腹した状態で、顕微鏡や蛍光物質でマークした物質を用いて、in vivoの観察をすることが、主要な研究方法だった様子。細胞生物学とはいっても、彼自身、ケースウェウターンリザーヴ大学の医学部の3年まで在学したこともあり、臨床と関連したテーマを扱ってきたようだ。日本からポストドクトラルフェローを何人も受け入れてきたとのこと。慶応や北里の研究者に素晴らしい業績を出している教え子がいると言っていた。私の母校の解剖学教授だった方だけでなく、他の先輩とも近しい関係にあったことが分かり、世界は狭いものだね、と言い合った。

驚いたことに、米国の医学研究では、定年という制度がないらしく、希望すれば、何歳までも働けるようだ。多くの場合、65歳程度で退職するが、中には70歳過ぎても研究を続けている研究者もいるとのことだった。彼は、大学当局とも方針で対立することもあり、2年前に退職をしたが、今でも研究室に出入りし、今年の夏で全てのプロジェクトに終止符を打つことにしている、ということだった。仕事を終えるのは難しくないかと尋ねると、徐々にスローダウンして行く事だと言っていた。

米国でグラントを取る場合、内容の審査が厳しく行なわれる。最近は、経済状態が良くなくなってきているので、研究資金を調達することがなかなか大変になってきた、とのことだ。論文のインパクトファクターも、職を得たり、昇進したりする際に、審査の対象になるが、研究領域が専門的で狭い場合、メジャーな雑誌に投稿し難く、インパクトファクターだけで研究成果を評価しがたいとも言っていた。日本では、インパクトファクターがとても重視されているのを知っているが、と。

リタイアした今後は、アイルランド出身の一族の歴史を研究するつもりだ、とのことだった。この25年間は、年に1,2回日本を研究のために訪れていたそうだが、何時も忙しいスケジュールだったので、無線の友人・知り合いと会うことは一度も無かった様子。奥様ともども日本をゆっくり訪れるようにお勧めした。

無線にも活発に出ていたらしい。10代の頃、父上の影響を受けて、オハイオで無線を始めた。最初に父上から貰った機械は、2球の再生式受信機だったそうだ。父上は天文学者で、1930年台に、アマチュア無線で天文観測のデータの送受を行なっていたとか・・・勿論、CWで。Bobは、1990年前後、転職などでQRTしていた以外は、大変アクティブに出続けていた様子だ。昔は、DXばかり追いかけてばかりいたが、最近は、のんびりCWでラグチューすることが楽しみだ、とのこと。QCWAに所属し、年に数回アリゾナ支部で場所を替えて、集まりをもっているらしい。デイトンにもできるだけ出かけていると言っていた。

最近、イリノイのアンテナ会社(名前を失念)から、15m程の高さのバーチカルを手に入れた。ラジアルを30本程張ってあって、どれだけ良く動作するか楽しみだと言っていた。彼の住まいの敷地は、2エーカー程あるのだが、地域の法規でアンテナを建てられない建前になっているので、アンテナの両側にある、パームツリーに似せて、アンテナに色を塗った。今のところ、近所からクレームは来ていない、と笑っていた。リグは、テンテック、アンプはアルファ99を用いている。

日本には持ってこないが、ヨーロッパに出張の時には、小さなYAESUのリグ、817だったか、と簡単なバーチカルを持参し、無線をするのだとのことであった。

帰りの列車を気にし始めたので、早めに自宅を後にして、最寄の駅にお連れした。彼の研究生活の話を聞いて、正直な感想として、私も彼のように新しいことを見出す研究生活をしてみたかったとボソリと言うと、いやいや、患者さんにとってかけがえの無い貴重な仕事をしているではないかと慰めてくださった。「医療崩壊」についても、一頻りお話をしておいた。気がついたら、お互いにこんな歳になっている、若い年月は何処に行ってしまった、という点では、意見がキッパリ一致(笑)。

彼は、無線の話をする時には、目を輝かして、まるで少年のよう・・・無線と、自宅の庭の手入れ、それに上記のファミリーヒストリーの研究などで充実したリタイアメントを過ごされることだろう。また、米国か日本でお目にかかることを約束して、迎えに上がった、同じ駅でお別れした。帰りの切符も購入し、乗る電車も決めているあたり、さすがに基礎の研究者らしいなと思ったことだった。