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 2008年05月 

後期高齢者医療制度廃止法案上程 

桜井充民主党参議院議員が、後期高齢者医療制度廃止法案の発議者になり、国会で答弁の場に立つ。彼のブログ記事は、ここ(5月22日の記事)。彼が指摘するように、公的医療保険は、所得再分配機能を持つ。その観点から、こうした公的医療保険の細分化は好ましくない。年金も同様だが、現在分けられている複数の公的医療保険を一つにまとめることが望ましい。

以前にも指摘したが、この制度によって、被扶養者が少なくなることで、企業の負担が減ることになる。企業の負担を減らすという陰の目的もあるのではないだろうか。社会的な公平を欠くことであり、この点をもっと議論すべきだ。

病気になりやすい年齢層を、他の年齢層から分けて、独立した公的保険を作り、その際に、企業負担を減らすという発想は、根本的に制度設計として間違っている。

桜井充議員には、是非頑張ってもらいたい。

Bill Windle QSO Party  

FOC部内外のQSOパーティが、今週末開催される。この催しについては、以前にも記したが、改めてアップしておく。私は・・・2,3時間程度出ようと思っている・・・あまり熱心ではない・・・。深夜、14メガがヨーロッパに良く開けるようになってきた。昨夜は、DJ5IL Karlに、「お前は有名人だ、いつも出ているJAからのビーコンだ」と言われてしまった。確かに、深夜に普通の交信をしている局は多くはないのだが、ビーコンと言われると、馬鹿みたい・・・確かにそうかもしれないが・・・。

The next BWQP is 2 days away

to be held starting at: 2008-05-31 00:00:00Z

and ending at: 2008-05-31 23:59:59Z

Further details of events can be found at:

http://w4.vp9kf.com/ical/month.php?cal=FOC

芸能人に選挙運動をさせる政権与党 

沖縄県議選挙で、後期高齢者医療制度のPRを、浜田幸一氏にさせることを、自民党は決めたようだ。浜田幸一氏は、芸能人である。政権政党の責任者、ないし政策決定責任者が表に出ないで、芸能人にこの制度のPRをさせる、その発想は、国民の愚弄に他ならない。高齢者にとっては、生死に関わる制度の問題を、芸能人を起用して、ごまかそうとしている。「国民のおしかりを真剣に受け止めるという、私たちにとっての戒めでもある」とはよく言ったものだ。沖縄県民の皆さん、このPRを全国規模で流すかどうかのテストをされていることを十分認識し、政権与党に賢明な判断を突きつけていただきたい。

以下、引用~~~

ハマコーで医療制度PR 自民がテレビCM発表
08/05/28
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 自民党は27日、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)をPRするテレビCMを発表した。党OBで、政界の暴れん坊として知られた「ハマコー」こと浜田幸一元衆院議員(79)を起用。来月8日投開票の沖縄県議選に向け、告示の30日から同県内で放映する。

 CMでは、画面に大写しになった浜田氏が「自民党はおじいちゃん、おばあちゃんを大事にする政党なんだろ」と力説し「高齢者に温かい自民党」をアピール。制度への批判を踏まえてか「困ったことは直せばいい。頼むよ、自民党」とも。福田康夫首相(党総裁)ら幹部は一切登場しない。

 野田聖子党広報局長は記者会見で「国民のおしかりを真剣に受け止めるという、私たちにとっての戒めでもある」と強調。沖縄県での反応次第で、全国放映を検討する。

太陽光発電 

家の改築に伴い、改築業者が太陽光発電を勧めてきた。元々関心があることだったので、業者の提案を聞き、少し調べている。

関心事は、大きく分けて三つ。

エコロジカルな意味。特に、太陽光パネルを作る際に排出されるCO2を、埋め合わせるのにどれくらいの期間がかかるかという問題。NEDOという機関が出したデータによると、メガワットのオーダーの発電装置の場合、2年前後で、それが達成できるらしい。家庭用の発電装置は、せいぜい4KW程度であり、規模が小さくなるほどに、その期間が延びる(一桁の減で約1年間)ようなので、5,6年程度で、埋め合わせができることになるのだろうか。

第二に、減価償却の問題。大体、10数年で、購入電力を減らし、売電することによって、減価償却できるらしい。だが、これだけ長期間になると、我が家にとっても、また社会のなかでも、不確定な変化が生じ、これがそのまま実現するとは思えない。インバーターが、10年に一度交換を必要とするらしく、それに4万円程度かかると言われている。この項目は、計算できないというべきなのだろう。

第三に、アマチュア無線との関連。インバーターからのノイズがどれほどでるのか。太陽光発電回路へのHF電波の回り込みの可能性がないかどうか。メーカーに問い合わせてくださることになっているが、果たして・・・。

今後、ガスを含めて化石燃料は高騰を続けるだろうこと、それに家族構成が徐々に小さくなるだろうことを考慮して、決めなくてはならない。エコロジカルな観点から判断することが大切になるのかもしれない。

PS;第二世代の太陽光発電パネルが開発途上にあり、2011年には某社が実際に製品を作り始めるらしい。ローコスト、高効率(の可能性)という触れ込みだ。しかし、それが実際に流通し、耐用年数などのデータが出るには、10年以上かかるのだろう。

John 9V1VV 来訪 

シンガポールからのお客様John 9V1VVと、昨日お目にかかり、しばらく一緒に過ごした。午前11時頃、近くの駅前広場に立つ、長身のJohnを無事発見。旧知の友人のように笑顔で挨拶をする。笑顔を絶やさぬ、親しみやすい人柄の方だった。繊細な神経も併せ持っていらっしゃるようにお見受けした。

オケの定演が迫っていて、どうしても練習を抜けられぬために、オケの練習場にお連れし、練習を見学して頂いた。Johnが撮ってくれた写真。

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田舎のアマチュアオケということで、さぞ酷いオケを想像なさっておられたのか・・・よく訓練されているではないか、と仰ってくださった。彼が、すぐ後ろでじっと聞いているかと思うと、弾きながら緊張した。この練習会場は、周囲が田園地帯。建物に隣接して、広々とした芝の公園があり、そこを散歩して時間を潰してくださったようだった。今回のメインプログラムはブラームス2番なのだが、帰り道、これからブラ2を聴くたびに、今回の訪問のことを思い出すよと言ってくださったのが、とても嬉しかった。からっとした微風、青い空・・・ブラ2は、まさにこの季節の音楽だ。

彼は、現在55歳。南アフリカで生まれ、8歳時に英国に戻り、育ったようだ。父上が、アンプやラジオを組み立てるのが好きで、彼も一緒にラジオを組み立てたりしたらしい。当時、トップバンドのAMでのアマチュア無線の交信を聞いたことがあると仰っていた。だが、アマチュア無線の世界に引き込まれるのは、ずっと後になってから・・・。

無線の学校で、電信をみっちり叩き込まれ、船のR/Oとなり、主に極東を航海していたようだ。当時、無線電信で世界各地に電報を送っていたが、日本ではJMA、北米ではKPH等決まったコマーシャル局と電文の受け渡しをしていたらしい。相手のオペのキーイングの特徴で、誰がon keyであったか分かったようだ。相手のオペと親しくなることもあり、南アフリカの局のオペには、訪ねて来るように言われたこともあったとのことだった。

38歳のときに、船のR/Oの仕事を辞め、シンガポールでエンジニアとして仕事を始めたらしい。家庭を持ったことと、その後の人生のことを考え、船にエンジニアとして残ることもできたのだが、陸に上がることを決心したとのことだ。陸の上に上がり、無線とは離れた生活をしていたが、車を運転していて、看板の文字をCWに置き換えている自分に気づき、アマチュア無線を始めることを決心したらしい。旧き善き時代の記憶が、彼をアマチュア無線の世界に引き込んだのだろう。5年前のことだ。以来のご活躍は、周知のことだ。シンガポールのコンドの屋上に、見えぬように80mフルサイズのダイポールを上げている。リグはアイコムの小さなもの。デンマーク製のプロ用受信機とセパレートにして使っているようだ。

彼の無線での関心は、主にラグチューをすること。FISTSの面々と定期的に交信なさっている。今回、FOCについても、そっと耳元で囁いておいた。彼は、無線以外にも音楽の造詣が深く、さらに大学に定期的に通って、英文学を専攻されている。その他、ご家族へのタクシー業務もあり、忙しく毎日を過ごされているようだ。

わがシャックで、FOCメンバーリストに目をやるJohn。

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将来リタイアした暁には、シンガポール以外にオーストラリアクイーンズランドにも住居を構え、行き来する生活をしたいとのご希望だが、まだ12歳の息子さんもおり、貴方がリタイアするのは93歳よ、と奥様に言われていると、笑っておられた。

John、またお空でお目にかかりましょう!!

拙速、杜撰な法制化 

医療事故調第三次試案に、医学会や医師会の多くが賛成していると、報道されている。

しかし、それは事実と反するという記事が、MRICメルマガに掲載された。

官僚は、何故この医療破壊を齎す杜撰な試案を急いで法制化しようとしているのか。パブリックコメントを受けつけながら、一方で、法案のドラフトは出来上がっていると言われている。パブリックコメントの内容を検討する様子がみられない。何故に、これほどまでに、この組織の立ち上げを急ぐのか。

そして、マスコミは、官僚のこの拙速な法制化の背後にある、何らかの意図を明らかにしようとせず、むしろ、官僚の後押しをするのか。


以下、MRICメルマガより引用~~~

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 Medical Research Information Center (MRIC) メルマガ 臨時 vol 71

   □■ 第三次試案への報道論調に危惧を覚える ■□

                   国立病院機構 名古屋医療センター
                    産婦人科 野村麻実
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●バックナンバーはこちら=====>> http://mric.tanaka.md
●MRICの配信をご希望される方は touroku@mricj.com へ!!
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『ロハス・メディカル』は、患者と医療従事者の情報ギャップを埋めることをめざして、05年9月に創刊された月刊の無料医療情報誌です。首都圏の基幹医療施設125カ所に配置されている他、毎日新聞、山形新聞、秋田魁新報の販売店でも読者に配っております。現在の部数は21万部で、どんどん増え続けています。配置をご希望の首都圏基幹病院の方は、info@lohasmedia.co.jpまで、自宅でのご購読を希望される方は各新聞販売店(対象外の地域もあります)まで、お問い合わせください。
ロハス・メディカル発行人 川口恭
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 毎月10日20日に定期配信、月末に高久通信を配信しております。
 配信・解除依頼は touroku@mricj.com までメールをお送りください。

 今回の記事は転送歓迎します。その際にはMRICの記事である旨ご紹介いただけましたら幸いです。

                       MRIC(エムリック)田中
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■はじめに

 4月に厚生労働省から出された「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案-第三次試案-」いわゆる第三次試案への各学会からの声明や意見が続々と発表されています。司法界や医療界、国会の場でさえさまざまな制度不備の指摘や議論をうけ、現場の半数以上の医師が反対を示している(http://next-doctors.iza.ne.jp/blog/entry/563906/)試案ですが、学会のお偉方がどのような反応をされるのか、成行きを注目しているところです。

 ところが各学会の反応は芳しくありません。報道には『「日本内科学会は「賛成」を表明 死因究明制度・第3次試案」Japan Medicine 2008.5.7』(http://s03.megalodon.jp/2008-0507-2143-10/www.japan-medicine.com/news/news1.html)、『「3次試案、都道府県医師会の8割が賛成 日医が調査」日刊薬業 2008/04/28』、『「厚労省:「医療事故調」案 日病協が賛成」毎日新聞 2008年5月14日』(http://mainichi.jp/select/science/news/20080515k0000m040086000c.html)などの見出しが躍り、各学会はすっかり第三次試案を支持しているのかと絶望しきっていましたが、Japan Medicineの記事の副題に「日本産科婦人科学会 現時点で条件付き賛成へ」をみつけてようやく報道との齟齬を納得しました。「産科医療のこれから」というブログで精力的に学会の見解(http://obgy.typepad.jp/blog/2008/02/post-bb70.html)を集めていらっしゃる僻地の産科医氏より情報提供いただきましたので、報道各社との齟齬について説明していきたいとおもいます。


■内科学会は「第三次試案に賛成」しているのか

 内科学会の意見書はHP(http://www.naika.or.jp/info/info080515.html)でも公開されており、内科系13学会合同での声明となっています。その中で「賛成」という言葉が使われているのは、(引用が長くなりますが)「医療関連死を届け出る中立的第三者機関を設置すること、および警察による捜査に先行して、医療専門家が公的かつ主体的に事案を審査する体制の確立が必要である。これらの点から考慮すると、本第三次試案に述べられた中立的第三者機関は、上記1)および2)に対する方策としては意義があると考えられ、その設置に賛成する。しかしながら、運用体制をはじめとする詳細については、第三次試案には不明確な点があるため、今後、現場の意見を十分に踏まえて、検討が必要である。」という部分のみですが、実際には第三次試案によって「警察による捜査に先行して、医療専門家が公的かつ主体的に事案を審査する体制の確立」はされていないのが第三次試案の現状(前項「刑事捜査抑制の保障無し―法務省・警察庁は文書を明確に否定」参照 http://mric.tanaka.md/2008/04/28/_vol_52_1.html)であって、内科学会が賛成しているのはその設立理念だけといえます。むしろ全文を読んでいただくと、問題点の列挙の多くが的を得ており、厚生労働省の提案のほとんどが問題があると指摘、あるいは否定された意見書となっています。


■産科婦人科学会は「条件付き賛成」しているか

 Japan Medicineの報道で「日本産科婦人科学会は5月1日、第2次試案に対する見解で示した医療事故に対する刑事訴追に反対する見解は、今後も堅持していくとしている。しかし、その見解が、社会に受け入れられるには時間を要するとの現状分析を行い、現時点では、第3次試案を受け入れ、さらによい仕組み作りのために改善要望を強力に進めていく方向を選択した。」とされている産科婦人科学会についてみてみましょう。

 産科婦人科学会の意見と要望(http://www.jsog.or.jp/news/pdf/daisanjishian_20080501.pdf)にはそもそも「賛成」という言葉ははじめから入っておらず、要するに刑事事件にすべきではないという主張は変わらないが、それは今回は話も時間も長くなるから脇へおいて、第三次試案への懸念・主張をどんどん指摘させていただきます、という記述が「条件付き賛成」と解釈されたに過ぎません。意見をきかれたから専門家集団として不備を指摘するという姿勢を貫いており、試案には問題が多すぎると考
えていることは本文を読めば一目瞭然です。


■日本病院団体協議会は「賛成」しているのか

 5月14日の毎日新聞の記事で「日病協が賛成」と見出しを使われている日本病院団体協議会ですが、本文をよく読むと『「制度の趣旨・目的に賛成する」との見解を公表した。』とあり、これまでの内科学会等と同じように、文字通り「制度の趣旨・目的には賛成する」見解だったのではないかと思わせます。キャリアブレインの二つの記事「死因究明制度に「原則賛同」―日病協」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16038.html)「死因究明の新制度創設では一致―日病協」(http://news.cabrain.net/article/newsId/15767.html)も同様です。記事内容からはいくつもの問題点が指摘されていることが示唆されており、残念ながら見解については本文が手元になく推測しかできないものの、『第三次試案そのもの』に賛成しているとは言いがたい状態なのではないかと考えております。


■3次試案、都道府県医師会の8割が賛成?

 これについては兵庫県医師会の意見(http://obgy.typepad.jp/blog/2008/05/post-1341-28.html)が秀逸です。引用しますと、「日医の担当役員が、この試案でいかなければ、明日にでも福島大
野事件の再発があるかの如き発言で日医内でのとりまとめを何故か急がれているのは不可解です。

 一部報道で日医内の直近アンケートで8割が賛成などの表現には語弊があり、その他の学会意見も含めて「賛成」の中にも多数の疑問や留保点があるものであって、全面的賛同はむしろ少ないことを強調しておきたいと思います。関係学会や現場第一線の勤務医グループ等より、この第三次試案よりも遙かに具体的で有意義な提案がなされてきています。下案段階で、これ程全国から意見の集まった法制度はむしろ稀ともいえる状況を活かすべきです。」

 これ以上、私から申し上げることは何もありません。


■各学会の反応(http://obgy.typepad.jp/blog/2008/02/post-bb70.html)から
わかること

 第三次試案について、毎日新聞では『「医療死亡事故:第三者機関設立で医療者と患者「賛成」』
(http://mainichi.jp/select/science/news/20080515k0000m040086000c.html)と報道されていますが、このような目で一つ一つの見解をみてみるとかなり反対意見が多いのではないかと思われます。「すべての学会の見解を集められているわけではなく、手作業です(僻地の産科医氏)」とはいえ、この項に集められた見解の中で、はっきり反対表明しているのは日本救急医学会、日本消化器外科学会の二学会。理念は理解を示すが賛同できない日本麻酔科学会。ほぼそれに近い日本内科学会、日本産科婦人科学会、日本脳外科学会、全国医学部長病院長会議(とおそらく日本病院団体協議会)。はっきり賛成をうちだしているのは日本外科学会のみに過ぎません。

 そもそも医師が専念すべきであるのは現場での技術職としての医療であり、職能団体が臨床行為や医学研究の片手間に法律だの法案だの、不得手な分野のことを一生懸命調べ、勉強し、声明を出さざるを得ない現状は不幸以外の何者でもありません。文章のプロである報道記者にとっては隔靴掻痒の感もあるでしょうが、正しく文章を読みとり伝えていく努力はしていただきたいと要望します。


■今後への課題

 医療者にも努力が必要です。法律を決めるのは医師会でも厚生労働省でもなく、国会です。投票する国会議員にどの点が現場の意見として認められないのか、この第三次試案がそのまま通った場合にはどうなると予想されるのか、アピールしなければならないのです。残念ながらわかりやすい文章とはいいかねる見解が山のように見受けられます。またそのためにも提出した意見書がみられるようにHPで公開するなど、もっと上手に対処していくことが求められます。

 またHPで意見をアピールすることは、他にも大きな意味をもっています。今回のように誤解を誘導するような報道がなされた場合にも(医学論文検索システムではありませんが)原典にすぐいきあたることができるというメリットもあります。また最も重要なのはこの第三次試案に必死になって意見を述べねばならない団体は、残念ながらいつ疲弊しきった会員に「転科」されるかわからない状態の学会でしょう。「私たちの大将は頑張ってくれている」とわかるだけで、現場はすこしは頑張ることができるのです。外科のように「こんな試案に賛成して大丈夫なの?」と評議医員でさえいっていると聞く学会の将来はかなり心配な気がいたします。

 今回の報道にはかなり厚生労働省の意図も関係しているのではないかと邪推してしまうのですが、第三次試案のようにかなり突拍子もなく表面だけを取繕った法案を拙速に秋にも提出しようとしている意図がよく理解できません。

 また報道に携わる方々には、世界の国々の状況や、「訴訟は被害者を救済しているか」という疑問に挑んだ歴史的研究(http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2002dir/n2487dir/n2487_02.htm)、
アメリカの「Patient Safety and Quality Improvement Act of 2005」などの真の患者医療安全にむけたシステムへの試みなどについて調べて報道してほしいとまでは申しません。せめて試案に対して真摯に問題点を指摘している各学会やパブリックコメントを、賛成の反対のといった単純な字面ではなく、問題点ごとにまとめ上げ分析する視点ももった報道していただきたいと思っております。

著者ご略歴
平成4年4月 名古屋大学医学部入学、平成10年3月同卒業
平成10年 岡崎市民病院勤務
平成13年 名古屋大学附属病院勤務
平成14年 名古屋大学大学院医学研究科産婦人科学入学
平成17年 名古屋大学大学院医学研究科産婦人科学卒業
平成17年 津島市民病院勤務
平成19年 国立名古屋医療センター勤務
医学博士 産婦人科認定医

今夜は10メガで・・・ 

このところ、夜間にヨーロッパ、時に北米東海岸が14メガで開くようになってきた。昨夜、Tord SM3EVRと交信。彼との交信は、2,3年おきだ。昨年11月にエレクラフトK3を入手して以来、アクティビティが上がったとのこと。素晴らしいリグだと絶賛していた。以前にも、彼に尋ねたことだが、Erik SM0AGDの近況を尋ねた。Erikは、1980年代から90年代にかけて、アフリカや太平洋の国々から、よく無線で出ていた方だ。所謂、職業のようにDXpeditionをするのではなく、確か、国連の外郭団体の派遣員として、発展途上国のために仕事をなさっていた方なのだ。無線の上でも、誰とも分け隔てなく、交信する方であった。10数年前に、晴海のハムフェアーで一度お目にかかったことがある。とても好感の持てる方だった。Tordによると、Erikは、市内の住まいは、アパートなのでアンテナを上げられない、しかし、夏を過ごす別荘があり、そこにはタワーも建ててあるので、そちらからお空に出てくるだろう、とのことだった。

Tordとの交信を終えると、それほど強くない信号で、SV0・・・が呼んできた。少し上に移り、もう一度コールを繰り返してもらう。SV0XBM/9だった。Pete G3PDLである。一昨日この新しいコールを入手したとのことだった。彼とは、2月に、SV9/G3PDLとして交信していた。Tordと同じく、PeteもFOCメンバー。一時的な滞在なのか訪ねると、永続的に住むのだとのことだ。丘の上に土地を手にいれてあり、そこに家を建て、タワーも建てるのだとのことだった。クレテ島で過ごすリタイアメント・・・。ヨーロッパでは、寒い国の方が、南国で退職後の生活をおくるケースが結構あるようだ。スペインや、フランスに、イギリスから移住した方を知っている。決して、とりわけ裕福ということではなさそうだが、そうした移住を気安くできる様々な条件が整っているのだろうか。Peteは、同じくFOCメンバーでキプロスから強力な電波を送り出しているGeo 5B4AGCと合い並ぶような無線局を作る積りだと、楽しそうだった。

今夕、様々な雑用を終え、さて少しワッチをしようかとリグに火を入れると・・・どうもWPXコンテストの様子。正直、少しうんざり。仕方なく、10メガに写るが、3.5メガのスローパーではやはりSWRが2.3程度になってしまう。当然のことながら、共振点が上のほうにある。3.5メガにでることもあまりないし、ここは10メガ用にスローパーを改造することを思いつく。1/4波長にするのは面倒なので、3/4波長で共振させるようにすることにした・・・現在のエレメントを少し延長するだけの話だ。植木の上にある、エレメントの終端を、梯子に乗ってじっくり眺める。もう10数年上げっぱなしのエレメントなので、外皮が劣化している。当初、延長するエレメントをただ、巻きつけるだけでよいかと思った(RF高電位であるし・・・)が、風などで外れると面倒なので、半田付けをすることにした。延長コードを引き回し、手元にあった半田ごてを持って、再び梯子に乗る。30W程度の小型の半田ごてだったが、何とか接続に成功・・・。10メガのSWRが、1.5程度まで下がった。恐らく給電点のインピーダンスが高くて、ミスマッチなのだろうから、SWRはこの程度で十分だ。半田ごてを握ったのは、息子(次男)が、中学生の時に、夏休みの宿題でラジオのキットを組み立てるのを手伝ったとき以来のような気がする。たまには、半田のこげる匂いをかぐのも良いものだ。さて、今夜は10メガに出よう・・・。

医療事故調法案=急性期医療破壊、官僚利権確保法案 法案上程か 

昨日、NHKのテレビが、医療事故の問題についての番組を放映していた。全部を通して観たのではないが、結局、医療事故調を後押しする内容だった。家人の意見も含めて、感想は・・・

○医療事故が、過失であることが前提であるかのような番組構成であったことがおかしい。医療事故は、必ずしも過失で起きるものではない。奈良の大淀病院事件のご遺族も出演されたおられたが、この事件は、過失の有無が裁判で争われているケースであり、恰も医療側の過失を前提とした構成には正直違和感を感じた。

○医療事故に過失があったとしても、その背景に医療制度・医療システムに問題のある場合が多くある。コメントをしていた医師が、最後に、過重労働などが過失の背景にあるとちょっとだけコメントしていたが、全体としては、医師が正直に情報を公にし、患者側に謝罪すべきであるというトーンで貫かれていた。個人の過失だけに帰してしまっては、同じ過失が繰り返される。医療システムをこそ厳しく検証すべきだ。その視点が、この番組では希薄だった。

Yosyan先生のブログで、医療事故調法案が、上程される様子だと記されている。ここ。上記の番組も結局官僚の意向を汲んで作られたもののように思える。この試案のまま法律化されると、急性期医療は萎縮することになる。また、医療事故調を、厚生労働省内におくことにしてあり、官僚のポストを確保するために拙速に法案化しようとしているようだ。医療事故の多くが医療システムの問題から生じているのであるから、医療事故調は、医療システムを所轄する官庁である厚生労働省の外に置かねばならない。

この法案が出来てからでは、遅い。医療関係者以外の方にお願いがある。医療事故調の問題を理解してくださり、厚生労働省に疑問の声をパブコメとして送っていただきたい。パブコメの送り方についても、Yosyan先生のブログで記されている。医療は、医療費削減で破壊され、官僚のエゴで生まれようとしているこの法案で息の根を止められようとしている。

医療保険免責制度導入への動き 

財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会が、医療保険の免責1000円を提唱している。1000円までの医療費は、患者さんに支払ってもらう、それを越える医療費の3割を自己負担してもらおう、という提案である。その報道は、ここ

現在の自己負担割合、3割を超えて、自己負担を求めると、公的保険に入る意味が小さくなり、保険に入ろうとする人が少なくなる。それを見越して、免責制度という形を変えた自己負担増の提唱だ。軽症(または、一度にかかる医療費が少ないケース)で医療機関を頻j回に受診する患者さんにとっては、とても大きな負担増になる。一番のターゲットは、高齢者となることだろう。

この制度を一旦導入すると、免責金額を上げることが容易に行なわれるようになり、それによって公的保険への公的な出費は抑えられ、さらに受診も抑制することになり、行政にとっては、とても旨みのある制度である。

一方、免責制度を導入することにより、疾患の早期発見がなされなくなり、結局重症化した患者が増え、死亡率が上昇する、さらにケアする社会的な費用が高くつくという研究が、心筋梗塞について外国で行なわれたと聞く。

行政と政府は、高齢化、医療費の増大を考えて、持続可能な制度を取り入れるべきだ、また給付と負担のバランスを取らねばならないという。それにも一理あるが、国の基本的なセーフティネットをさらに狭めることで良いのか。公共事業予算は、減らされる傾向にあるが、それでも他の先進国に較べて、ダントツに高い状況にある。そうした国家予算の使い方と、医療社会保障費の削減とがバランスが取れているのか、よく見極める必要がある。

後期高齢者医療制度でよく分かる通り、国民の直接あずかり知らぬところで、こうした国の形を決める重大なことが決められていく。否という声を挙げるとしたら、今しかない

誕生日 

昨日が、59回目の誕生日。もう50歳代とも別れる時期だ・・・などと感傷に浸っている暇はない。仕事場は、それほど忙しくない、むしろ暇なのだが、それでも忙しない。一番の理由は、オケ活動。来月中旬にオケの定演があり、ブラームスの2番等を弾く。アマチュア奏者にとって・・・少なくとも、私にとって、交響曲を一曲それなりに仕上げるのは、かなり大変な作業なのだ。右手の肘、手のひらなどに鈍痛があり、根をつめて練習をできない。時間をわけて、練習をする。何が本業だか分からぬ。

この年齢になって思うこと、一つは、残された時間のこと。勿論、不治の病に倒れたときのように、切迫した具体的な思いではないが、観念的に、残された時間が有限であることを強く思うようになってきた。それをどのように過ごすのか、過ごせるのか。

もう一つ、父親と身近に接するようになったのは、彼が私の年齢になった頃だった。彼を、批判的に観ることが多かったのだが、彼が亡くなり3年経ち、彼の生き様と自分のそれを重ねてみることが多くなってきた。父の家族に対する愛情は、広やかな知性に裏付けられたものではなく、むしろ本能的なものだったような気がする・・・一種の自己愛の延長だ。しかし、それでも父は懸命に生きたのだ。私の仕事場に植えられている槿の木に、新鮮な葉が一杯になってくるのを見ると、彼が黙々と私の仕事場で雑用を引き受け、植木の世話をしてくれていたのを改めて思い出す。

そして、母親と家族への感謝の気持ちも新たにする時期でもある。

この週末は、シンガポールからアマチュア無線の友人、John Davies氏が訪ねてくれることになっている。無線の旧き善き時代の話、音楽の話題それに彼が仕事をしながら通っているという大学での勉学のこと、いろいろとお聞きすることができるだろう。オケの練習にも出なければならず、練習場に彼をお連れする・・・呆れられなければよいのだが・・・彼は、興味があるよと言ってくれているのだが・・・。

療養病床削減が何をもたらすか 

小泉元首相の下で始まった「構造改革」、それに伴う社会保障・医療費の抑制政策が、いよいよ国民に対して牙を剥き始めている。

療養病床削減策は、入院医療が必要なのに在宅医療にせざるを得ない患者を生み出している。また、急性期病床から療養病床に移されるべき患者さんが、動きが取れない事態も起きている。急性期医療の機能が落とされている。医療・介護難民は、結局生活保護等社会的コストの高騰を生む。

経済財政諮問会議が数字の上だけで社会保障の抑制を決め、それに従って、官僚が机上のプランを練って施行した政策が、この結果を生んでいる。

経済財政諮問会議と、思想の上でも、メンバーの上でも重複する社会保障国民会議は、消費税増税とからめて年金の税金からの支出を打ち出している。これは、これまでの杜撰な年金行政をチャラにし、さらに企業の年金負担を軽減する意図が透けて見えてくる。

セーフティネットの乏しい社会、それは米国の姿だが、そうなっても良いのだろうか。


以下、引用~~~

まず抑制ありきから脱却を 国の計画、早くもつまずき 「療養病床削減」
08/05/19
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 介護が必要な高齢者らが長期療養する療養病床を大幅に減らす国の計画が早くもつまずいている。6割削減の見通しに対し、計画を示した44都道府県の削減幅は4割にも満たない。

 病院をコストの安い介護施設に転換して病床数を減らせば医療費が浮く。そんな、まず医療費抑制ありきの計算が地域の事情と懸け離れていた結果だ。

 療養病床はもともと数が少ない地域もある。転換で病院の報酬は下がる。在宅での介護体制も足りない。削減するなら、在宅での医療や介護の体制整備が先だ

 国は35万床あった療養病床を2012年度に15万床まで減らす計画。共同通信がまとめた44都道府県合計では、33万床から21万床に減るが、削減幅は36%にとどまる。

 削減で見込んでいた3000億円の社会保障費抑制の実現も難しくなった。しわ寄せが他の医療費や社会保障費に向かう可能性もある。

 削減に取り組む地域の事情は深刻だ。介護が必要な高齢者は増えているのに、06年度の介護保険制度改正で、給付抑制のため在宅介護の利用は制限された。認知症などが進み、自宅介護が困難になれば、施設などに頼るしかない。

 しかし、介護施設や医療機関の療養病床はどこも満杯だ。その数を減らせば、行き先はなくなってしまう。繰り返される介護殺人などの悲劇はこうした制度の後退と無関係と言えない。

 医療機関の不満も強い。「施設に入れるのは世間体が悪いが病院なら」という風潮の中、批判を浴びつつ、退院可能な「社会的入院」を受け入れてきた。

 それが、医療費削減を狙った国の政策により一部が介護保険適用施設に移行。だが、11年度末の廃止が決まり、多くの病院がはしごをはずされた。定まらない政策への不信感もくすぶる。

 介護施設への転換も、医師数減による人件費削減ができるが、報酬が下がるため、踏み切れない。少ない医師で、夜間や緊急時にどう対応するかという課題も残る。

 行き場のない「介護難民」になりかねない利用者や家族の不安も大きい。経営悪化などを理由に閉鎖を検討する病院もあるからだ。

 受け入れ先がなくなり、介護できない事情を抱える家族が自宅で介護すれば、仕事や生活が立ち行かなくなるのは目に見えている。家族のない人はどこにも行きようがない。

 本来、医療の必要度の低い人にとっては、病院より生活環境の整った介護施設の方が暮らしやすいはずだ。医療施設から介護施設への流れは方向としては望ましい。

 しかし、転換を急ぎ、押しつけるようなことがあれば、介護や医療の受け皿がなくなるどころか、犠牲者も出かねない。

 このまま社会保障費抑制策に手をしばられたままでは、国民のニーズから離れるばかりだ。地域の声を受け止め、医療や介護など命を守る分野に重心を移すべき時だ。

地域医療の構造改革 

福田首相が、社会保障国民会議で危機的な地域医療の「改革」について述べた。この会議には、地域医療の第一線で働いている医療従事者はいない。

彼は、この記事にあるスローガンだけを述べたのではなく、何かもっと意味のあることを述べたのだろうが、彼の語った言葉からは、地域医療の再生は見えてこない・・・。

限りある資源・・・確かに、医療は、どんどん窮乏化させられてきたから、資源は極めて限定的である。一番窮乏化させられているのは、医師の士気だろう・・・英国では、サッチャーの医療「改革」で医療が崩壊した。その一番の後遺症は低下したままの医師の士気だと言われている。士気という、金で買ったり、箱物をでっち上げたりすることによっては回復させることができないものが、一番厄介なものなのだ。政治家や国民は、それをやがて痛切に知ることになるだろう。

資源の必要な分野・・・急性期医療といえるが、全分野だろう。

集中的に投入・・・広範な分野に集中して投入?意味のない政治家用語。集中的にとは、要するに潤沢に投入はできないということを意味するのだろう。

大胆な構造改革・・・何をどのように改革するのか。構造改革とは、市場原理主義者の元首相とその一派が、自らと、大企業にとって都合の良い政策を呼ぶときに用いたjargon。元首相一派にとって、「構造改革」に反対するものは、「利権に執着する抵抗勢力」。この構造改革とやらで、国民に競争自立を促し、セーフティネットをことごとく弱体化させた。が、結局はごく一部の財界を利する「改革」になっているのは、この数年間で明らかになってきている。痛みは、専ら社会的な弱者に、利権は専ら政治に取り入った財界人に、というわけだ。その「構造改革」を、地域医療対策のスローガンにも用いるとは恐れ入る・・・。

地域として一体的な医療サービス体制の構築とは一体何なのだろうか。現在のところ見えてくるのは、中小病院、特に公的病院を潰すこと。さらに、診療所も、在宅医療や一次救急に積極的にかかわらなければ不用という政策だ。残った医療機関を地域ごとに「ネットワーク化」して、地域医療を担わせるということなのだろうか。首相自身が認めているように、医師不足が根本にあるのに、ネットワークだけ作って、一体どうなるのか。地域に丸投げしようとするのか、それとも中央集権の強化なのか。

何故、「患者のたらい回し」が起きているのか、何故、地域医療を担う医師が減っているのか、その原因・理由を探ることをこそまず行なうべきだ。地域医療現場で汗を流している医療者から話を聞くべきなのではないか。手垢にまみれた「構造改革」といったスローガンを持ち出すべきではない。別な意味で、「構造改革」は、現政権・官僚にこそ必要だ。財界人や、利権に群がる人間の意向を受けて、医療政策を決めるのではなく、地域の医療の現状、その窮状の拠って来る原因を理解する、そうした「構造改革」こそが必要なのだ。


以下、引用~~~

地域医療:再生へ、首相が改革表明--社会保障国民会議
 福田康夫首相は16日、首相官邸で開かれた政府の社会保障国民会議(座長・吉川洋東大教授)で、救急患者のたらい回しや医師不足が深刻化する地域医療について、「限りある資源を必要な分野に集中的に投入できるよう大胆な構造改革を進める」と、地域医療再生に向け、早期に改革を実施する意向を表明した。

 具体的には、複数の市町村にまたがる地域の病院や、診療所がグループ化し、救急医療や高度・専門医療から外来診察、健康相談まで、地域として一体的な医療サービス体制の構築が検討されている。同会議が6月上旬にまとめる中間報告に盛り込まれる。【須佐美玲子、坂口裕彦】

毎日新聞 2008年5月17日 東京朝刊

メタボは誰のために? 

メタボリックシンドロームという病名、いな症候群名は、官僚の息のかかった学者達が唱えて、マスコミもそれにのっかり、またたく間に、世間に広まった。しかし、この呼称の対応する病態と、診断基準、治療方針にはさまざまな議論があるようだ。

最初からこの議論の底で蠢いているのは、これを期に利益にありつこうとする製薬業界・関連企業達である。

土曜日の朝日新聞に結構まともな記事が出ていたようだ。m3からの孫引き・・・。

以下、引用~~~

いま日本でいちばん売れている薬は、血圧改善薬なのだと いう。高血圧による脳出血が多かった時代は、生活環境の改善とともに過ぎ去っているはずなのに、薬の消費量は逆に増えている。これは「血圧の高い人が増えている」のではな く 、実は「血圧が高すぎ、とされる基準の数値が年々下がっているせいなのだ。最高血圧が異常とされる数値は、00年に 180mmHgから170に、04年に140に、08年には130へと引き下げられている(「Tarzan」4月9日号)。

いままで間題ない血圧だと思っていた人が、いつのまにか「異常」になってしまうわけで、そのぶん薬も売れることになる。いまメタボを巡って起きているのは、これとまったく 同じ事態だ。厚労省のメタボ基準を当てはめると、40~74歳の男性のうち94%、女性の83%がいずれかの項目で「異常」と判定されてしまうという試算も出ている。10 人のうち9人が異常って、ありえるのだろうか。

血圧、身長体重比いずれも「ちよっとメタボ気味」ぐらいのほうが長生きするという研究も出てきているようだが、いまのところメタボ健診がすぐに見直される気配はない。いま まで健康だと思っていた人が「メタボです」と言われれば、まず病院に、そして薬を買いに走るだろう。それも何千万人という単位で。

すでに薬品業界ではメタボ分野のヒット商品がいくつも出てきている。また厚労省のメタボ健診のガイドラインを作成した委員会のメンバーのうち、国公立大の医師11人全員に 02~04年の3年間で計14億円の寄付が、高血圧治療ガイドライン作成では9人の委員全員に8億2000万円の寄付が、治療薬メーカーからあったという(読売新聞3月3 0日朝刊)。やっばり、そこにはカネにおの臭いが漂うのだ。

政府は、ディスカウントでしのぐ積りか 

与党は、後期高齢者姥捨て制度への批判をかわすために、保険料を割り引くようにするつもりらしい。

この対応は、根本的な解決からは程遠い。

厚生労働省OBの阪大教授がいみじくも言っていたが、この制度の保険料は、毎年(実際は、保険料が見直される2年ごとに)確実に上げられることになる。厚生労働省の試算では、7年後には4割上げられるらしい。年金生活者が、その保険料を年金から天引きにされるのは無理であり、持続性のない制度になっているのだ。ここで保険料のディスカウントをしても、確実に高齢者、それに現役世代への負担が増える。

この制度は、高齢者への医療を窮乏化させ、一方で、彼等の医療費への公的負担を減らすことが目的である。さらに、忘れてならないのは、現役世代の扶養家族になっていた高齢者が、扶養から外れる、即ち企業の負担が減ることもポイントなのではないか。政財官すべてにとって、上手くできた制度なのだ。その点を追及しなければ、問題が明らかにならない。

それにしても、マスコミは、この制度が出来た当初、それ以降2年間もの間、この制度の問題点を議論し、国民に周知させるべきではなかったのか。制度が施行された今になって、国民の制度への批判に歩調を合わせて、批判めいたことを書くのか。恐らく、混合診療が導入される時には、マスコミは、同じような振る舞いをすることだろう。制度が既に出来上がってからでは遅い。


以下、引用~~~

保険料軽減、最大9割 与党、調整へ 低所得者に配慮 後期高齢者医療制度
08/05/16
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

後期高齢者医療制度:保険料軽減、最大9割 与党、低所得者に配慮へ

 政府・与党は15日、75歳以上が対象の後期高齢者医療制度で、低所得者の保険料(均等割り)について、最大7割減となっている軽減措置を最大9割減まで拡大する方向で調整に入った。これにより、平均的な1カ月の保険料は1050円程度から350円程度に減る見通し。収入が少ない高齢者には保険料の負担が重いとの批判を受け、早期の修正に踏み切ることにした。来月上旬にも最終的に決定する。(5面に関連記事)

 現行の負担軽減策は、被保険者の年収に応じて段階的に割り引かれる仕組み。2割、5割、7割の3種類があり、年収168万円以下では一律7割が適用されている。与党はさらに収入の少ない基礎年金の満額受給(単身世帯で月額6万6000円)以下の低所得者への軽減策を、検討してきた。【佐藤丈一】

約40年間で1033回目 

の交信を、Bob W6CYXと今夜行なった。1000回目の交信を終えてから、数週間、時によっては、数ヶ月の間隔が空くようになってしまったが、もっとも多く交信している相手だろう。

あと三日で私の誕生日だと言うと、今日(正確には昨日17日)が彼の71回目の誕生日だとのこと。最近は、ハミルトン山というサンノゼの東側にそびえる小高い山の中腹にある、自宅に設置した1.2GHzのリピーターに出ているか、バンドをワッチすることばかりしていたらしい。CWに出ていないのは、送信の間違いで分かるだろうと言うので、決してそんなことはないと、率直なところを申し上げた。最後の彼に直接お目にかかったのは、20数年前。その頃の彼のイメージしかないのだが、CWの腕前も、全く衰えていない。

若かった年月は、何処に行ってしまったのか、といつもの私の台詞が、ついて出た・・・・。

今年の夏のサンフランシスコでのFOCのミーティングには、奥様共々参加するらしい。そこでお目にかかれるかどうか・・・。

春 

五月晴れの日が、ようやく戻ってきた。昔は、秋が好みの季節だったが、最近は、生命に満ち溢れ、自然が美しさを誇るかのような春が好ましい。

通勤途上、「観音院」の境内を取り囲む木々、その手前に美しく植えられた稲の水田を見ることができる。3月下旬には、桜が、木々に囲まれて咲く。

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介護保険、梯子外し 

社会福祉・医療の公的給付を、官僚は引き続き引き下げる。後期高齢者医療制度はその一環。

介護保険も、軽度の要介護度の方を対象外にする試算を財務省が公表している。介護保険給付の半分は、国・地方自治体から支出されているから、その支出を下げるための試算であることは間違いない。

社会のセーフティネットが、どんどん取り外されている。

高齢者には、早く亡くなって欲しいとの、官僚の意向だ。そうすると、年金・介護・医療の公的な負担は減り、これまで張り巡らした特殊法人等の官僚の利権組織が温存でき、大企業の社会保障負担を減らせることができると考えているのだろう。

国全体の活力などは二の次だ。輸出産業が繁栄すれば、国民のセーフティネット等なしでよい、ということだ。折から、大企業の決算発表の時期。輸出企業は、好決算を続けている。


以下、引用~~~

「軽度」外すと2兆円超減 介護保険給付で財務省試算
08/05/14
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 財務省は13日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に、介護保険制度の対象から要介護度が「軽度」の人を外すと、介護給付にかかる費用が年約2兆900億円減少するとの試算を提示した。国と地方の財政負担が減少し、1人当たりの保険料も年約1万5000円安くなる。

 介護保険をめぐっては、昨年末から厚生労働省の審議会が制度改正に向けた議論を始めた。財務省は保険対象者の絞り込みなどで財政負担を抑えたい考えだが、「軽度」の切り捨てに反発も出そうだ。

 介護保険の給付費は、税金と保険料で半分ずつ賄う。試算によると、ドイツと同様に「軽度」の介護が必要な人を対象外とすると、国庫負担を約6100億円、地方負担を約5800億円いずれも減らせる。

 節約できる保険料の総額は、65歳以上の高齢者が約4000億円、40歳以上65歳未満で約6500億円。

 「軽度」のうち掃除や調理などの生活援助しか利用していない人を対象から外した場合は、国と地方の負担が約300億円ずつ減り、保険料は1人当たり年約800円安くなるにとどまる。

日医幹部は、即刻退陣せよ 

日医幹部が、後期高齢者医療制度についてコメントしている。多くの地方医師会から反対表明が出ているのに、彼等日医幹部は、まだ官僚の代弁者のような言動をしている。我が茨城県医師会が、日医の「白くま通信」に、この制度を受け入れぬという態度表明の記事を載せようとしたが、今までのところ、日医はそれを握りつぶしている。日医幹部は、官僚・現政権と結託して、医療をどうするつもりなのだろうか。日医幹部は、責任をとり即刻退陣すべきだ。さらに、日医幹部は直接選挙で選出するようにすべきだ。現在の日医幹部は、会員の意見を集約していない。それに反し、それを潰している。

以下、引用とコメント~~~

日本医師会 後期高齢者診療料「データ収集進める」 08年度診療報酬改定の検証に備え、竹嶋副会長
08/05/12
記事:Japan Medicine
提供:じほう

 日本医師会の竹嶋康弘副会長は8日の定例会見で、後期高齢者診療料について「日医としての考えは当初から変えていない。近いうちに、われわれの考えを述べることになる」と述べ、中医協で始まる2008年度診療報酬改定の検証に備え、エビデンスに基づくデータの収集・分析などを進める考えを示した。

 竹嶋副会長は、各地域医師会の動きについて「決して軽視しているわけではない」と述べ、それぞれの医師会の意見を踏まえて対応する考えを示した。また、竹嶋副会長は本紙の取材に対し、「後期高齢者診療料の内容が都道府県医師会、郡市区医師会を通じて各会員まで十分に浸透していない。これは日医の責任」と述べ、まずは正確な情報を伝達する必要があるとの考えを示した。
  その上で、「中医協でも診療報酬の検証がすぐに始まる。日医でも来週から常任理事と日医総研、担当課が集まって、毎週議論していく」と説明。エビデンスに基づくデータの収集・分析を行った上で、日医としての主張を展開する考えを示した。

この文章からは、後期高齢者医療制度導入により医療機関収入がどうなるか、によって、この制度への日医の態度を決めるとしか読めない。この制度は、医療費削減のための「姥捨て山」制度であり、高齢者を蔑ろにするものであり、また2年毎の見直しで、保険料は上昇することが確実、制度としても永続しないと言われている。日医は、そうした制度の理念の問題、永続性の問題をどのように考えるのか。

この制度の内容が末端会員まで浸透していないとは、官僚の言い草と同じ。日医は、官僚の代弁者なのか。



「不算定」「慎重対応」合わせ25都道府県医師会

 一方、中川俊男常任理事は会見で、後期高齢者診療料に関するアンケート調査を実施していると説明。調査結果は回収中だが、現時点で会員に同診療料の不算定を求めているのは11都道府県医師会と61郡市区医師会、慎重に対応するよう求めているのが14都道府県医師会と36郡市区医師会に上ることを明らかにした。
  また、中川常任理事は「後期高齢者医療制度と診療報酬上の後期高齢者診療料との区別が付いていない。厚生労働省の説明不足もあるのだろうが、日医としても残念な思いがする」と述べた。その上で「制度と診療報酬の違いを明確にして議論しないとかみ合わないことを(地域医師会に)説明する努力をしたい」と強調した。

後期高齢者医療制度と診療報酬上の後期高齢者診療料との区別が付いていないとは、我々会員を馬鹿にするにもほどがある。エヴィデンスに基き(笑)データを収集して検討するとは、この制度による目先の収入にしか目が向いていない、日医幹部の理解力のなさを示している。後期高齢者医療制度イコール後期高齢者診療料と考えているのは、日医幹部自身ではないのか。

年金・健康保険福祉施設整理機構が大安売りをする 

年金や健康保険の保険料で建設した保養施設を、売却したという報道。国から、特殊法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」に売り渡し、そこが民間に売却するという経路のようだ。この際に、元来の建設費用、これまでの維持にかかった赤字額を是非明らかにして欲しいものだ。一桁、二桁大きい額の投資になっているに違いない。

官僚は、年金・保険の貴重なお金を、こうした箱物建設に湯水のようにつぎ込み、さっさと民間に売り払う。その際に、売り払うための特殊法人を立ち上げて、恐らく官僚の天下り先に利用しているのだろう。年金・保険で徴収したお金が、国民のものだという意識がない。

メージャーなマスコミは、この報道自体を報道しない。

以下、引用~~~

98施設を460億円で売却 保険料で建設の保養施設
08/04/25
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 年金や健康保険の保険料で建設した保養施設などを整理、売却する独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」は24日、2007年度に98施設を460億円で売却したと発表した。国から譲渡を受けた時点の価格を41億円上回った。

 05年10月の機構発足からの累計では、164施設を809億円で売却。譲渡時点の価格比では143億円のプラスとなったが、01年時点の価格と比べると、約1300億円のマイナスだった。

 機構は各地の厚生年金会館など300余りの施設を国から譲渡され、10年9月までに民間企業などに売却する。事業を継続させるのが基本方針で、これまでに約7割の施設が売却後も事業を続けている。

 前年度の売却額から経費などを差し引いた分を国庫に納める仕組みで、07年度は230億円を納付。08年度は90施設を売却する計画だ。コンサートホールなどがあり、地元から存続要望が強い大阪市と北九州市の厚生年金会館については、機構が今年9月の営業停止予定を撤回し、両市が存続策を検討している。

西島英利参議院議員、医療事故調第三次案を語る 

日本医師会の推薦を受けて参議院議員になった医師がいる。自民党参議院議員、西島英利氏である。

彼のブログに、所謂医療事故調第三次案の説明が載っている。ここ。この案を、医療従事者は安心して受け入れよというのが彼の結論だ。

それによると・・・

医療安全調査委員会への届出の範囲や届出義務違反の取り扱い、委員会から捜査機関への通知の問題(故意・重過失、悪質な場合の明確化)等について、法務省・警察庁と十分に調整を重ね

とあるが、捜査機関への通知の問題は、全く明確化していない。重過失とは、誰がどのようにして判断するのだろうか。調査チームは、せいぜい数名。それも非常勤のメンバーを想定しているらしい。そんな弱体な調査チームが判断できるのか。さらに、重過失かどうかは、届け出をしなければ分からぬことになるのだから、いきおい、少しでも問題になりそうな症例はすべて届け出をしなければならなくなる。すると、数名の調査チームがその負担に耐えられるのかどうか、大いに疑問だ。

法務省・警察庁と十分に調整を重ねたとあるが、その記載が、第三次案そのものにない。国会では、法務省・警察庁の官僚に、医療事故調の判断とは別個に訴追すべき場合は訴追すると「明言」されている。十分に調整を重ねたとしても、その事実だけでは、医療従事者にとって何の意味もない。

また・・・

遺族等からの告訴があった場合の取り扱いについても、改正後の検察審査会制度においても、権威ある専門化(原文のまま)による委員会の調査により「重大な過失がない」と判断されている場合に、「起訴に足りる証拠がない」と判断するというのが法の専門家の判断である、と法務省の担当課長が明言されているからです。

とあるが、これは、明確に局長クラスの官僚が、国会答弁で否定している。大体において、今回の法改正で、検察審議会が二度不起訴不当と議決すれば、検察の不起訴の決定を覆し、起訴されることが決まっているのだから、この文章は、そのことからも間違っている。

さらに・・・

より充実した制度にするため、調査委員会のメンバーの待遇等も含めた十分な配慮が必要になると考えております。

とあるが、上記のような調査チームのどこが十分な配慮なのだろうか。

西島英利氏の論理は、厚生労働省官僚の論理そのもの。医師を欺くものだ。こうした人物を選挙で推挙した日本医師会の責任は重たい・・・というか、日本医師会現幹部も同罪である。

クニャーゼフの弾くバッハ無伴奏チェロ組曲 

クニャーゼフの弾くバッハ無伴奏チェロ組曲。

流麗かつ壮大に旋律を謳わせている。そして、バッハの魂とも呼ぶべき、不可視だが、大切な精神に肉薄している演奏。彼のチェロから、フォルテでは、外に伸び行く音が、ピアノでは、内側に沈潜する音が聞かれる。そして、大きな建築のような音楽の構造を構築している。

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私がネットで知り合った同業のK氏が、ある音楽会の会場で、クニャーゼフ氏を見かけ、声をかけた。K氏は、昨年、日本で彼が弾いたドボルザークの協奏曲に対して賛辞を述べた。クニャーゼフ氏は、その音源がなく是非聴いてみたいとのことだった。紆余曲折があって、私の録画してあったその演奏をDVDで差し上げることになり、K氏経由で無事彼の手元にそのDVDがたどり着いた。そのお礼として、K氏からの品と合わせて、クニャーゼフ氏のノートとサイン入りCD(この写真)をお贈りいただいたもの。

クニャーゼフ氏は、大事故に遭い、奥様を亡くされ、自身も大怪我を負ったらしい。そこから奇跡の復活を遂げたチェリストである。父親が医師であったと、CDの解説にあった。偉大なチェリストでありながら、身近に感じられるようにもなったことだった。

初夏のような休日の一日 

このところ、初夏のような天候が続く。ゴールデンウィークは、職場の仕事と、庭仕事に大半の時間を費やした。クヌギが大きく枝を広げ、日陰を作ってくれるようになった。

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草むしりをしていたら、白と黒の斑の物体が目に入った。その隣には、相棒。我が家の二匹の老猫が、日光浴をしながら昼寝をしていた。微動だにせず、飼い主には目もくれず・・・。

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医療事故調第三次試案パブコメ締め切り迫る 

医療事故調第三次案に対するパブリックコメントのデッドラインが、7日であることを、Yosyan先生のブログで教えて頂いた。パブコメの数が少なければ、法制化に動き出すらしい。危機的である。

やっつけ仕事であるが、下記のパブコメを送った。医療従事者も、そうでない方も、この試案が医療を破壊すると思われる方は、是非7日までに送っていただきたい。注意点は、意見を述べる対象の、第三次案の段落番号を付記することだ。ポイントを絞った、簡単な意見でも十分だと思う。送り方、フォーム、送り先等の情報は、Yosyan先生のブログ本日のエントリーまで・・・ここ。第三次試案そのものも、そこから追うことができる。


以下、送ったパブコメ(段落頭の番号は、第三次案の段落番号)~~~

この試案は、医療を破壊するものであり、法制化には反対します。

(8)委員会の設置場所は、厚生労働省に置くことは絶対不可。行政処分所轄官庁であるからという理由だけでなく、医療事故の原因となる医療制度全体のシステムエラーは、厚生労働省医療行政に帰着する可能性が高いのであるから、厚生労働省に置くことは、絶対不可である。

(10) 「モデル事業」でも、結論を出すのに、1年前後かかったと聞く。この制度が出来た場合、調査件数は、年に2000例と試算されている。この調査チームのメンバーをどのように集めるのか、さらにそれで2000例の調査をどのように行なうのか、「モデル事業」の「失敗」の二の前、または拙劣・杜撰な調査を報告することになるのではないか。

(20、21)届出範囲の規定で、「誤った」医療とは何なのか。対極に位置する「正しい」医療とは何なのか。具体例を列挙するだけでは不明である。さらに、合併症として合理的な説明が出来ぬとあるが、「誰が」その説明をするのか、即ち、医療者なのか、患者サイドの人間なのか。予期せぬ死とあるが、同じく、予期し得なかったと判断するのは、医療者なのか、患者サイドの人間なのか。このように曖昧な規定の届出範囲では、医療側は全例届出をせざるを得なくなる。

(27)②解剖担当医とは、どの組織に属する医師なのか。前述の通り、調査件数に対応するだけの数の解剖担当医がいるのか。緊急対応ができる、病理解剖・法医解剖のできる医師を常駐させる必要が出てくるが、可能なのか。

(27)③調査チームに、法律家が入るのは何故なのか。死亡原因を追究する上で、法律家の入る余地はないはず。むしろ、医学的見地以外の判断が入る可能性があり、法律家の参加は、不要であるばかりでなく、報告結果にバイアスを生じさせる。
法律家が参加することは、法律上の問題、即ち、責任追及を前提としたものと考えざるをえない。医療関係者の責任追及を目的としないという建前と相反する。

(27)④報告書の個人情報を明らかにしないことは結構だが、医療機関の情報は公開するのか。その報告内容がどのようなものであれ、医療機関・医療関係者の情報が後悔されるとすると、原因追究という建前は成立しなくなる。
(39、40) 故意や重大な過失を原因とする医療事故を、捜査機関に通報するとあるが、故意の医療事故は、犯罪であり、ここで議論する意味が無い。一方、「重大な過失」とは、一体どのようなことなのか。重大かどうかは、誰が、どのような根拠に基いて判断するのか。標準的な医療行為から著しく逸脱した医療と、地方委員会が判断したものを重大な過失とする、とあるが、標準的な医療行為とは何か。同義反復に過ぎない。また、これだけ高度に分化した医療内容を数名の医師等で、重大な過失か否か判断できるのか、大いに疑問だ。

刑事訴追への恐れがあるのであれば、医療従事者は、どのようなケースであれ、届け出ることを躊躇することになるだろう。この点を明確にすることが、このような調査組織が意味のあるものと成るために、極めて重要である。この案では、不明瞭・不十分である。原則的に刑事免責を謳うべきであり、捜査機関には情報を提出することは決して行なうべきでない。

(40)③システムエラーを医療事故の原因として挙げたことは評価できるが、労働集約的な事業である医療において、医療従事者の労働環境の問題が、システムエラーの一つとして存在する。そうした医療制度に内在するシステムエラーの最終責任は、厚生労働省にある。従って、この委員会は、厚生労働省の医療行政の内容も検討するとしなければならない。

(44)繰り返すが、この委員会の規模で、早期に結論を得て、遺族に理解を得る助けになるのかどうか、はなはだ疑問である。「モデル事業」の取り扱ったケースの半数以上で、遺族の理解が得られず、その多くが民事訴訟になったと聞く。遺族の理解を得るためには、この組織のスキームでは無理である。

(46)システムエラーに関しては、(40)③に述べたとおり、厚生労働省自体の問題を検討する手続きを明らかにしなければならない。

社会的倫理の崩壊 

後発薬品の使用・・・まず、政治家・官僚・経済財政諮問会議メンバーから始めるべきだ。

後期高齢者医療制度・・・まず、引退した政治家・官僚・経済財政諮問会議メンバーが受けるべきだ。

入院病床の削減・・・政治家・官僚・経済財政諮問会議メンバーの入院は最短にすべきだ。政治状況に基く入院など論外。

年金・・・共済年金・議員年金は、国民年金と統合し、政治家・官僚には、その最低限の給付にすべきだ。

・・・しかし、現実は、どうもこうはなっていない、なりそうにない。

社会的倫理の崩壊だ。

厚生労働省官僚の思いつき行政 

先月1日、厚生労働省保護課から通知が出された。

1)生活保護受給者は、後発薬品を用いること。

2)もし用いなければ、生活保護を打ち切る(ことを検討する)。

という内容だった。ところが、下旬になって、急遽この通知内容を取り消すという、新たな通知が出された。生活保護受給者等からの反発があり、国会でも追及を受けたためと思われる。当初、2)のみの取り消しと思いきや、1)も同時に取り消しだという。

生活保護受給資格審査に問題もあるようだが、それは置いておくとして、この朝令暮改振りは一体どういうことなのだろうか。

最初の通知を出す段階で、厚生労働省内の誰が発案し、誰が認可したのか。さらに、課長通知によって、このような重大な決定がされることは、法的に許されていることなのだろうか

さらに、そのような重大な通知の内容を、また一片の通知で取り消すということに何も問題はないのだろうか。

国民生活に重大な影響を与える事項が、こうした安易で恣意的な行政によって決定されて良いのだろうか。

今春の診療報酬改定にともなって、5分間ルールという現場無視も極まったルールを、官僚は導入した。医療現場の現実にそぐわないために、医師の士気をさらに落とした決定だった。彼等は、現在の公的保険を実質的に破綻させ、民間保険を導入することに決めているので、こうして医師の士気が下がるのは、願ったり叶ったりなのだろう。医師から反発が強く起きたが、官僚はマスコミを巻き込んで、この新ルールを施行した。

厚生労働省官僚の恣意的な行政には、唾棄すべきものがある


以下、4月1日の「通知」を報じる報道を引用する~~~

生活保護には安価薬 不使用なら、手当打ち切りも 厚労省通知
08/04/28
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社
ID:882039


ジェネリック医薬品:生活保護には安価薬 不使用、手当打ち切りも--厚労省通知



 ◇専門家「患者の選択権奪う」

 全額公費負担で医療を受けている生活保護受給者への投薬には、価格の安いジェネリック(後発)医薬品を使うよう本人に指導することを厚生労働省が都道府県や政令市などに通知していることが分かった。指導に従わなかった場合、生活保護手当などの一時停止や打ち切りを検討すべきだとしている。後発薬は価格が安い半面、有効性などについての情報不足から使用に抵抗感を持つ医師や患者もおり、専門家から「患者が選択できないのは問題だ」と批判が上がっている。(社会面に関連記事)

 後発薬は、研究や臨床試験を経て認可された先発医薬品の特許が切れた後に同じ主成分を使って製造されるため、多額の研究開発費がかからず安い。認可時には、血液中に成分が浸透する速さや濃度が先発薬と同じかどうかを確認する試験などがあり、国は「有効性や安全性は先発薬と同等」と判断。年々増大する医療費の削減に有効として使用を促進しており、08年度は後発薬の使用により220億円の医療費削減を掲げている。

 一方、主成分以外の溶剤やコーティング剤などが先発薬と違うことなどから、「先発薬と(効能が)まったく同じではない」として、後発薬の使用に抵抗や不安を感じる医師や患者もいる。

 通知は4月1日付。医学的理由で医師から指示され先発薬を使う場合を除き、生活保護受給者が医療機関で薬を処方される際、都道府県や政令市などの所管する福祉事務所が後発薬を使うよう本人に周知徹底する、としている。

 これを受け受給者は、医療機関で受診する際、後発薬を処方するよう医師に求めることになる。

 先発薬を使い続けている受給者については福祉事務所が診療報酬明細書をチェックし、正当な理由がない場合は口頭や文書で指導する。それでも従わない場合は保護の一時停止や打ち切りを検討するとしている。

 厚労省保護課は「生活保護の医療扶助は最低限の医療を受けてもらうのが目的。安全性や効用が同じなので安い後発薬の使用に問題はない。窓口で3割負担する人と比べ、負担のない受給者は(自ら)後発薬を選ぶ動機が働きにくく、制度に強制力を持たせないといけない」と説明している。【柳原美砂子】

 ◇強制はおかしい--医事評論家の水野肇さんの話

 後発薬は先発薬と完全に同じものではなく、薬を変えられれば不安を感じる患者もいるだろう。国が安全性や有効性を十分証明した上で患者が選べることが重要。生活保護受給者だからといって後発薬を事実上強制するのはおかしい。

……………………………………………………………………………

 ■ことば

 ◇ジェネリック(後発)医薬品

 先発医薬品(新薬)の特許(20-25年)が切れた後、同じ成分で製造される薬。ジェネリックは、商品名でなく成分の一般名(generic name)で呼ぶことに由来する。開発コストは新薬の数百億円に対し、数千万-1億円程度と低く、価格は先発薬の約7-2割。普及すれば薬剤費を大幅にカットできるとされるが、国内の普及率は17%(06年)にとどまり、6割前後の欧米諸国と比べ著しく低い。後発薬メーカーは約240社、認可された後発薬は約6000品目あり、先発薬(約3000品目)より多い。

医療事故調第三次試案に対する全国医学部長病院長会議の見解 

医療事故調の厚生労働省第三次試案に対して、全国医学部長病院長会議から見解が出された。MRICからの情報。転載可とのことなので、全文を載せる。

ここで記されている見解に私もほぼ同意する。

ただし、一点のみ問題点がある。医療で故意に患者を傷つけ死に至らしめる行為、即ち犯罪かどうかを判断することは、そう困難ではないだろう。しかし、医療事故が過誤かどうかを判断することは難しいのではないだろうか。この見解を公表された嘉山 孝正教授は、医療過誤の定義を求めておられるが、それは難しく、定義を作ることによって、医療の現場がそれに拘束されることになるのではないだろうか。個々の事例を、医学的に検討することによって、過誤の要素があるかどうか、それがどの程度なのかが推測できるということなのではないだろうか。厚生労働省第三次案のように具体例を積み重ねても、過誤を明確にはできない。

いずれにせよ、医療事故の原因追究、その情報の医療現場へのフィードバックと、医療事故にあわれた患者・そのご家族への理解と救済は、別な問題であり、別な組織・手順によって解決されるべきである。WHOのガイドラインに示されているように、前段の医療事故原因追究は、免責を担保しなければ実現しない。また、システムエラーが、医療事故の背後にあることは十分予想される。医療システムを作り維持している行政も解析の対象にすべきであり、担当行政省庁である厚生労働省から、この組織は独立すべきだ。


以下、MRICより引用~~~

「医療安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案」ー第三次試案ーに対する 全国医学部長病院長会議ー大学病院の医療事故対策に関する委員会の見解

    全国医学部長病院長会議 大学病院の医療事故対策に関する委員会
     委員長 嘉山 孝正

    全国医学部長病院長会議 
      会長 大橋 俊夫
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「はじめに」

 全国医学部長病院長会議では、過日「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案」ー第二次試案ーに対する見解を、報告致しました。今回、名称も変更した第三次試案が公表されましたので、全国医学部長病院長会議、『大学病院の医療事故対策に関する委員会』で第三次試案を検討いたしました。その見解を公表し、厚生労働省と国民の皆様に問題点を提示致します。

 『大学病院の医療事故対策に関する委員会』(以下;委員会)では、本法案が施行された場合、法の精神に則って医療は変化していきますので、医療および患者さんへどのような影響が出るかを中心に議論致しました。すなわち、ある面の理念(一方的ではあれ、多くの場合それは正しいのです)だけで法案を作成した場合、現場と乖離したが為に、想像もしない悪影響が出て現場が混乱し、その社
会が崩壊や衰退に至る例は史上多々あります。賛成か反対かは国会が決定する事なので、委員会としては、第三次試案の問題点をあげる事と致しました。最も大切な事は、現場から乖離しない健全な社会ができる事です。この場合における社会とは当然医療になります。なぜならば、医療の現場が健全でなければ、患者さんが受ける損失は膨大なものになるからです。

 
1) 総論

 基本的に委員会では、事故調査機関の創設自体は行うべきだと考えます。また、助けようとしている最中に患者さんが死亡した場合、ご家族がその原因を知りたいと思われる事も充分に理解しており、当然の事だと考えております。

 日本のみならず、米国を含む世界の医療界は、(膨大な量の医療行為の中ではごく少数であった隠蔽も含めて)患者さんの死亡の原因をご家族に丁寧に開示してこなかった事は確かです。医療費が日本のGDP比2倍で、進化していると思われている米国でも、1995年までは医療事故を重要視していませんでした。米国は1995年以降、充分な資金を投入して、医療問題に関する機構改革を行っております。

 日本では横浜市立大学医学部附属病院での患者さん取り違い事件以来,すなわち1999年以降、全国国立大学医学部附属病院が真っ先にこの問題に取り組み、種々の制度整備を,文部科学省および厚生労働省と共に行って参りました。勿論全ての大学附属病院が同じように意識改革ができたわけではありません。しかし、この約10年で、医療事故に対する大学附属病院の意識および制度が大きく変わった事は事実です。なぜならば、最もリスクの高い医療を行っているのが、まさに大学附属病院だからです。その結果、ある大学では、故意ではないにしても病院長へ報告義務を行わなかった為に、医療事故隠蔽に相当するとして、教授に懲戒処分まで出た例もあります。


 さて、委員会としての医療に伴う種々の問題を以下のごとく考えます。

 医療は誠意を持って行う行為ですが、故意の隠蔽やカルテ改ざんは犯罪ですから、医療行為とは分けて考えております。殺そうとする行為はもちろん医療行為ではなく、これも犯罪です。そのような犯罪以外の医療行為での過誤や重大な過失を定義することは、病気という、本来は悪化する自然現象を相手にし、更に日進月歩しているこの分野では、なかなか困難な事物である事も、国民の皆様にはご理解願いたいと思います。やはり自然を相手にしている気象予報が完全でない事を、想像されれば容易です。

 しかし、明らかな過誤、過失はありますので、医療事故調査機関は、患者さんを守るためにも医療の発展のためにも重要な組織です。その目的を達成するには、調査委員会にきちんと情報が出る機構にすることが大切で、その事が、患者さんやご家族の「知りたい」という願望にそう調査委員会につながります。この調査の目的を達成するためには、原則として調査と刑事罰を切り離す事が最も大切です。この事は、米国を始め世界各国で行われている事故解明の常識です。この原則から外れた調査委員会制度は、結局患者さんの希望をかなえられない、中途半端で曖昧なものになります。

 また、医療での過失には複合的な原因が重なります。例えば、看護師の勤務体制が多忙すぎると、仕事量が膨大になり、ミスの確率が高くなります。その事は他の業種でも同様で、タイピストが1分間に100字打つのと150字打つのとでは、ミスの頻度が異なる事を考えれば想像ができます。このような事物に刑事罰を当てる場合には、慎重にならなければなりません。世界の多くの国では犯罪以外の事物に刑事罰を課す事をせず、「誰」ではなく「何故」を解明し、医療であれば再発を防ぎ、患者さんの利益になる制度にしています。そのような制度の下で初めて、誠意を尽くしている医療人が健全な医療を患者さんに注ぐ事ができるのです。犯罪ではない医療事故を刑事罰から完全に外す制度にして頂きたい。


2) 医療事故の定義

 第三次試案でも、【医療事故の定義】は曖昧です。確かに、日進月歩の自然科学の一分野である医療における「事故」を規定する事は大変困難な事です。しかし、ガイドラインならまだしも、法案にするのであれば、誰が見ても解るように文章化しなければなりません。裁量で運営されるような物であれば、すなわち、ある時は事故、ある地域では事故ではない、といった物では現場は大混乱になり
ます。その結果、患者さんにとっても健全な医療が受けられなくなり、患者さんにとって不幸です。従って、重大な過失等の内容定義をもっと工夫して、患者さんが健全な医療を受ける事ができるよう、明らかな文章化をして頂きたい。


3) 医療安全調査委員会の構成

 前回の委員会での見解と同じです。医療の問題における調査委員会の構成は、科学的な調査ができる構成にすべきです。患者さんが本当の事を知りたいからです。また、患者さんの為にきちんとした調査委員会を作成するのであれば、「誰が」ではなく「何故」を調査しないと、インシデント、アクシデントすら出てこなくなります。現場にいる医療人からみると、(何も医療の世界だけではありませんが)人を性善説で見る(自らの不利になることも進んで証言すると考える)事には限界がありますので、性悪説を前提にしてもきちんとした調査ができる機関にすべきです。そうでなければ、患者さんや医療者が知りたい事実が出てきませんし、再発予防という、患者さんや現場が最も求めているものを実現できる仕組みにはなりません。調査委員会は、患者側と医療側双方に取って、共に不満足な物になります。その結果、患者さんやご家族にとっても不利益が出る制度になります。

 世界保健機構(World Health Organization; WHO)が医療安全に関する設計図を2005年に公表致しております。その設計図に沿った世界基準で行えば、患者さんの知りたい事が出てくる調査委員会になります。

 WHOの医療安全に関する設計図はWHO DRAFT GUIDELINE FOR ADVERSE EVENT REPORTING AND LEARNING SYSTEMとして出版されております。その中で、調査委員会構成のあるべき原則が提言されております。その原則は、

(1)Confidential ; The identities of the patient, reporter, and institution are never revealed.

 秘匿ー診療関連死の患者名、報告者(医療従事者)、医療機関は決して第三者に明かされてはならない。

(2)Independent ; The reporting systems independent of any authority with power to punish the reporter or the organization.

 独立性ー医療安全委員会は、報告者や医療機関を罰する権限を持つ当局者から独立していなければならない。

(3)Expert analysis are evaluated by experts who understand the clinical circumstances and are trained to recognize underlying systems causes.

 専門家の分析ー診療関連死の報告は、診療関連死が起きた状況を理解でき、かつ問題となっているシステムを把握できるようにきちんと訓練を受けた専門家によって評価されなければならない。

 しかし、第三次試案はこの設計図に則り作成されてはいません。従って、WHOからこの件で勧告が来た時には、日本は世界の基準からかけ離れた調査委員会を構成している事になります。何故、このような構成にしなさいといっているかというと、医療事故を科学的に調査することにより、患者さんやご家族が知りたい事物が出てくるからです。事実、WHOの設計図の内容で行われている大学附属病
院の医療事故調査員会には、インシデント、アクシデントが正直に出てきており、患者さんの為にも役に立ち、健全な運営ができています。医療安全委員会の構成は、世界基準で作成すべきです。調査委員会が真に科学的な調査を行う事が、患者さんの希望をかなえる最も適切な委員会の実現になるので、専門家で構成し、かつ独立性を持たせて頂きたい。そのほうが、調査がきちんとでき、患者さんの為にもなります。第三次試案は患者さんの為にはなりません。

3) 刑事罰との関係

 1)の総論でも述べたが、故意の医療事故隠蔽、カルテ改ざんや殺そうとした医療行為は、助けようとして行った医療行為とは異なり犯罪ですので、公文書偽造等の刑事責任は免れません。しかし、助けようとした行為を刑事罰にすれば、調査委員会への正直な報告が減る事は、現場を預かっている当委員会は肌で感じておりますし,刑事罰と連結すれば健全な調査ができないと思っています。

 医療安全調査委員会の第三次試案は、調査委員会の結論が出るまでは警察の捜査が行われないものと一般に受け取られているようです。先日の国会質疑で、警察はたとえ調査機関の通知がなくても捜査することを、刑事局長が明言しています。すなわち、第三次試案には警察の捜査を抑える法的根拠はまったくないのです。

 なお、衆議院では、4月22日決算行政監視委員会第四分科会で、「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」に参加している橋本岳議員が、第三次試案について国会質疑を行いました。質疑の内容は、厚労省と警察庁あるいは法務省の間で交わされた「文書」の有無です。なぜ文書の有無が論点になったか。それは、第三次試案の記載だけでは、医師が法的に守られるのかどうかが分かりにくく、調査委員会の結論が出るまで警察の捜査がストップされるということが、文書で示されているかどうかを、省庁間の明らかな合意を明らかにすることでした。これに対し、法務省・警察庁の局長は、この第三次試案について一切の文書を取り交わしたことがないと明言しています。橋本議員はまず、4月3日の日経メディカルオンラインの記事に、「法務局や検察庁などからは、この案の公表について了解する旨の覚え書きを得ている」との記載があったことを基に、省庁間で交わされた文書の有無を確認しました。すると法務省・警察庁は、この第三次試案について一切の文書を取り交わしたことがないと回答しました。法文は、文書が最も大切ですが、その事が省庁間でない事は何も保証がないと同じです。

 医療事故に遭われたり、事故を隠蔽されたりした患者さんのお気持ちは充分に解りますが、犯罪以外の医療行為で死亡した場合に刑事罰として調査している国家は、米国をはじめ文化国家にはありません。従って、明らかな犯罪行為には刑事免責はありませんが、医療行為で死亡した場合には、そこに過誤や過失があれば、刑事裁判ではなく、行政処分や民事裁判で取り扱えるような制度にする事が、患者さんが知りたい原因も明らかにできますし、適切な医療を受ける為にも重要です。本第三次案の『はじめに』に書かれている内容を実現する為には、検察庁や警察との正式な合意文書を作成して頂きたい。

4) 患者さんの救済

 私ども、全国医学部長病院長会議;大学病院の医療事故対策に関する委員会では、元々病気という自然を対象に誠意を持って医療を行うことを前提として活動してまいりました。この10年で、大学は全ての附属病院に医療事故調査委員会を設置し、患者さんからの医療に関する疑問を病院長直轄で取り上げる制度も作って参りました。その結果、昨年には、全国80の大学附属病院では、ある基準以上の重大な医療過誤、過失を全て公表する制度も実施し、患者さんの「知りたい」というご希望に答えて参りました。一部の医師は未だ意識改革ができていない事も事実です。しかし、ここで無理な調査委員会を設立する事が、かえって患者さんへの不利益になる事を憂慮致します。患者さんへの救済制度は別個に設立し、健全な医療制度を作成すべきです。米国が1995年に設立した全米患者安全基金(National Patient Safety Foundation ; NPSF)のような経済的救済制度や、患者さんの気持ちを汲み取るMedical Mediatorの制度を発足させる事が患者さんへの最も良い制度設計になる事を提言致します。
 

5) 医師法21条に関して

 医師法21条は第三次試案でも述べているように、犯罪だけを警察に届け出るように戻して頂きたい。それが健全な医療になると考えます。

6) 現場からの疑問

 東京も含め全国が医師不足です。第三次試案が法制化されれば、医師は調査チームに協力する事になります。ただでさえ医療難民や受け入れ困難が頻発している今、この制度を実行する事は物理的にも困難です。健全な医療を受けられないという現実が起きます。全国至る所で現場の医師が調査チームに時間を割く事を余儀なくされ、医療崩壊が加速度的に起きると考えられます。

 また、財政的にもOECDでGDP比22位という低い医療費の中で、無理をして頑張っている医療人の、職業人としての天職感がさらに崩壊します。そうなれば,世界一位の医療レベルが低下し、患者さんへの損害は膨大な物になります。総論で述べましたが、ある面からの理念だけでできた法案がある社会を衰退、崩壊させる例になるのではないかと憂慮致します。

 また、本事業を施行するには、莫大な予算が必要です。予算がない事業は成功しませんし、財政の裏付けがない机上の論だけでは、本事業の実情は変わります。家を立てようとした資金が半分になれば家の形、中身が全く別物になってしまうのと同じです。第三次試案には財源とその規模や裏付けがありません。調査チームの人員確保方法や財源を明確にすべきです。

 警察、検察は法案ができれば、その法文に従って動く事が仕事ですから、警察、検察が良し悪しの問題ではありません。従って、医療事故や事故隠蔽にあわれた患者さんのお気持ちは解りますが、以上述べた理由から、第三次試案は健全な調査委員会でもなく、患者さんの知りたい事実も充分に出てこなくなる可能性もあり、患者さんの為にもなりません。第三次試案は実現性も低く、現場から乖離した法案なので、もし無理に施行すれば、医療の崩壊、すなわち、患者さんが健全な医療を受ける権利すら奪われる状態となり、この面からも患者さんの為になりません。

 従って、現時点では現在全国大学附属病院が行っている調査委員会を利用し、また、各病院や都道府県で行っている患者さんからの医療に関する疑問受付制度を利用し、医療事故の事故調査・公表・予防を行う事が患者さんにとって良いと考えます。健全な医療を行う為にも、現在大学附属病院が行っているような制度を強化し、その制度が機能していない場合に、当委員会のような独立した機関が行政処分できる制度を作成した方が現実的であるので、その普及の推進を要望致します。


「まとめ」

 第三次試案の内容には、事故調査と、患者さんが医療内容を知りたいという願望、という2つの異なるカテゴリーが混在しています。この、カテゴリーが異なる2つの事物が混ざった法案は、一見2つの目的に目を配っているように見えますが、結局両方を満足できないと考えます。 

 きちんとした事故調査と、事故の内容を患者さんに開示する事とは別にすべきです。別にした方が患者さんの為にもなりますし、2つの目的を充分に達成できます。事故調査と患者さん救済制度は分ける事を提言致します。


「要望」

1 犯罪ではない医療事故を刑事罰から完全に外す制度にして頂きたい。犯罪以外の医療行為で死亡した場合に刑事罰として調査している国家は、米国を始め文化国家にはありません。従って、明らかな犯罪行為には刑事免責はありませんが、医療行為で死亡した場合には、そこに過誤や過失があれば、刑事裁判ではなく、行政処分や民事裁判で取り扱えるような制度にする事が、患者さんが知りたい原因を明らかにするためにもなりますし、適切な医療を受ける為にも重要です。本第三次試案の『はじめに』に書かれている内容を実現する為には、検察庁や警察との合意文書を作成して頂きた。

2 重大な過失等の内容の定義をもっと工夫して、患者さんも医療側も健全な医療ができるよう、明らかに文章化して頂きたい。

3 医療安全委員会の構成は、世界基準で作成すべきです。調査委員会は、科学的な調査を行う事が患者さんの希望をかなえる最も適切な委員会になるので、専門家で構成し、かつ独立性を持たせて頂きたい。そのほうが、調査がきちんとでき、患者さんの為にもなります。第三次試案は患者さんの為にはなりません。

4 医師法21条は第三次試案でも述べているように、犯罪だけを警察に届け出るように戻して頂きたい。

5、調査チームの人員確保方法や財源を明確にすべきです。

6、現時点では現在全国大学附属病院が行っている調査委員会を利用し、また、各病院や都道府県で行っている、患者さんからの医療に関する疑問受付制度を利用し、医療事故の事故調査・公表・予防を行う事が患者さんにとって良いと考えます。健全な医療を行う為にも、現在大学附属病院が行っているような制度を強化し、その制度が機能していない場合に、当委員会のような独立した機関が行政処分できる制度を作成した方が、現実的であるので、その普及の推進を要望致します。

7、米国が1995年に設立した全米患者安全基金(National Patient Safety Foundation ; NPSF)のような経済的救済制度や、患者さんの気持ちを汲み取るMedical Mediatorの制度を発足する事が患者さんへの最も良い制度設計になる事を提言致します。

8、事故調査と患者さん救済制度は分ける事を提言致します。


著者ご略歴
嘉山孝正
昭和25年神奈川県生まれ、東北大学医学部卒業、
平成8年山形大学教授、平成14年病院長、平成15年医学部長
脳科学、脳卒中、脳腫瘍、機能的脳神経外科が専門

伊藤達也首相補佐官の地方巡業 

伊藤達也首相補佐官なる人物は、経済財政諮問会議の「御指示」に基き、医療費削減政策を策定し、実行してきた中心人物だそうだ。彼を、福田現首相は、社会保障担当の補佐官とした。現政権が、医療社会保障を引き続き破壊しようとしていることを如実に表している。

その伊藤氏が、医師不足には医療提供体制の「構造改革」が必要だと述べたという。石川県での「社会保障に関する地方意見交換会」でのことだ。医療現場の医師達に意見を語らせ、それを受けて、地域ごとに医療提供体制をとることを求めた。医師が不足し、医療費が限界まで引き下げられている現状を、どのように「構造改革」し、地域単独で医療を提供し続けようというのだろうか。

少なくとも、この報道記事から読めることは、官僚がこれまで言ってきたことの繰り返しであり、何ら目新しいことはない。医療費削減はさらに続ける。地域単独で医療提供体制を何とかしろと、放り投げている無責任な中央の官僚の声しか読み取れない。現場の医師に、官僚の声を代弁させているとしたら、許せない行為である。



以下、引用とコメント~~~


伊藤首相補佐官 医師不足解決には提供体制の構造改革必要
08/05/02
記事:Japan Medicine
提供:じほう


 政府の「社会保障に関する地方意見交換会」は4月24日、石川県庁内で開かれ、伊藤達也首相補佐官(社会保障担当)が地方での医師不足の現状を聞いた。参加した地元の医師からは、「現在へき地で起きている医師不足は10年後には都市部にも波及する。早急に対策を打つべき」との意見が上がった。伊藤補佐官は「地域の医療提供体制の構造改革が必要だと、さらに強く感じた」と述べ、この日の議論を福田首相に直接報告するとした。

 政府の社会保障国民会議では現在、年金や医療など社会保障全般の見直しの議論を進めている。伊藤補佐官は現場の意見を直接聞くため石川県を訪れ、医師などと意見交換した。

社会保障国民会議の方針については、以前にも取り上げたが、社会保障の切り下げ、破壊という旧来の方針を踏襲している。その政策を推し進めてきた、伊藤氏が地方で何をしたのだろうか。

  石川県立中央病院の山田哲司院長は、同病院が早くから小児科医の集約化を進め、24時間体制でハイリスク出産などに対応できる「いしかわ総合母子医療センター」を整備したことを報告した。山田院長は「今のところ(医師不足の)大きな問題は発生していない」とする一方で、能登半島北部のへき地での医師不足が深刻だと指摘した。「今、医師は自由に(病院を)移動できるが、このことを政府が考えるべき時期に来ている」と述べ、へき地にも医師が配置される仕組みを検討する必要があるとした。

この院長は、医療現場の人間ではなく、管理者としての発想を正直に語ったのだろう。しかし、この医師の強制配置などということは、憲法違反も良いところだ。何故僻地に医師が行かないのか、定着しないのかを考えなければならない。強制的に配置された医師を受け入れる僻地の住民の方々も迷惑なことだろう。こうしたことが行なわれれば、今以上に医師の士気は低下し、医療が荒廃する。こんな発想を語らせること自体、現政権と官僚の意識の低さ・驕りを物語っている。

  前金沢大の特任教授で北陸病院の石川紀彦・胸部心臓血管外科医長は、金沢大が研究しているへき地での診療連携について説明した。能登半島北部の4つの自治体病院では4年間で医師数が15%減少し、外来患者が圏域外で診療を受ける事態になっている。解決策として、大学病院からの医師派遣を受けつつも今いる人材で医師不足を解消するモデル的な取り組みを進めているとした。

遠隔診療といったことなのだろうか・・・足りない医師で、医師不足を解消するとは、言葉遊びではないか。

  また石川医長は「へき地で医師を確保する必要があるが、若い医師がへき地で常勤医を勤める現実はあり得ない」とした。その上で、臨床研修制度の中でへき地医療を必修にするのも1つの考え方だと提案した。

医師が僻地医療を若い時期に経験することは意味のあることかもしれない。が、強制すること、それに指導体制のないところで、研修医に仕事をさせることは大きな問題になる。

  恵寿総合病院の神野正博理事長は、日本の医療は低いコストと高い質で支えられてきたが、医療崩壊や勤務医の疲弊が起きていると指摘。その上で、ITを導入した効率化や医療提供体制の再構築などで解決を図っていくべきと提案した。

IT導入で、医療崩壊を防げるのだろうか。現に進められているレセプトオンライン化等のコストは、すべて医療現場に押し付けられている。医療事務の省力化は、多少できるかもしれないが、医師の負担は減らない。労働集約的な医療現場に、これ以上の「効率化」というコスト削減を押し付けるつもりなのか。医療提供体制の再構築とは一体何のことなのだろうか。意味不明の戯言だ。

「地域全体で1つのサービス」との発想を

 伊藤補佐官は総括として、地域の医療提供体制の構造改革の必要性を強調した上で、「地域全体で1つの医療サービスを提供していくという新しい発想に転換していく必要性を感じた」と述べ、医療提供体制の集約化と役割分担の必要があるとした。

集約化・役割分担は、すでに官僚が繰り返し唱えてきたスローガンだ。それで一体地域医療が救われているのか。「構造改革」といった、小泉政権時代に流行した陳腐な意味のない言葉で、疲弊した地域医療が再生するのか。地域全体で一つの医療サービスを提供するとは、中央の官僚・政府の責任逃れなのではないだろうか。

ゴールデンウィークの近況 

ゴールデンウィーク直前、それに突入中で、外来患者数が普段の1.5倍程度に増えている。新患で来られた患者さんの親御さんに尋ねると、普段は近くの別の小児科にかかっているのだが、この連休は、その小児科は10日間の連休の様子。スッゴイなぁ、よくそんなに休みが取れるなと驚き、呆れつつ、しかし多少羨望の念が湧く。家人に、その話をして、私もそろそろそうした仕事のやり方に変えてゆくべきだなと言うと、前から同じことを言っているではないかとのお返事。気持ちとしては、もう休みたいという思いで一杯なのだが、貧乏性なのと、患者さんのことを考えると、長い休みがなかなか取れない。明日と月曜日も、少なくとも午前中は仕事だ。

7メガの調子が良くなくて(または、出ている局が極端に減っているために)、朝の14メガを時々覗いている。14047KHzで、W1AWのCWによる定時送信が聞こえる。BPL(PLC)に対して、2点で米国の裁判所が、ARRLの見解を認めた・・・といった内容。Sは3程度。ノイズの海にぷかぷか浮いているような信号だ。他の北米は殆ど聞こえない。

それでも、のんびりCQを出してみる。Les VK4BUIが呼んできてくれた。強い。S9+。200Wに4エレだそうだ。あちらでは、LUが聞こえたが、ヨーロッパばかり交信していて、応答がなかった、とのこと。Lesは、ハンドキーでよどみないCWを聞かせてくれる。彼のキーイングに対する感想を述べ、私がニューカマーだった60年代を思い出すと申し上げると、60年代には船の無線通信士をしていた、その後リタイアし、1998年に無線を始めたとのことだった。69歳。John 9V1VVが同じようなキャリアーの持ち主だと申し上げると、昨年彼とは10メガで既に交信したことがあると言っていた。

ハンドキーの上手・下手は、短点を聴くと一目瞭然。短点の連続が、スムースに整って打てることが、上手な打ち手の必要条件の一つ。Lesは、そのように打鍵する方である。

Lesと分かれてから、Vic W9RGBがCQを出しているのを発見。弱いが呼んでみる・・・応答なし。と、同じ周波数で、弱い信号が、私を呼んでくる。Steve W7QCだ。/7と打っている。アイダホの山の中でキャンプをしているらしい。アンテナは、35m高のLazyHとのこと。アンテナを、どうやってそこまで上げたのか・・・彼が自宅に戻ってからゆっくり尋ねよう。発電機でK3を動かしているらしい。周囲には雪があり、気温は氷点下まで下がるらしい。といった話をしていと、Vicが気が付いたらしく、話に割って入ってきた。Vicは、ビームをオセアニアに向けていて、誰かに呼ばれたような気がしたが、良く分からなかったとのこと。彼がビームをこちらに向けても、私の貰うリポートは449.それでも一応話は通じる。私が、庭仕事をするので失敬すると言うと、Vicは別れ際に、夏にはサンフランシスコで会おうと仰る・・・あぁ、休みのことを考えなくてはいけないなと思いつつ、リグのスイッチをオフにした。貧乏性だからな・・・私。