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 2008年09月 

子供の末期医療指針 

小児科医にとって、重症疾患患児に終末期をどのように迎えていただくかは、かなり難しい問題だ。小児は、生命にあふれ、より大きく成長し、発達するのがありうべき姿というのが、本人・家族それに医療者にとっても、前提となっている。その対極の状況が、終末期医療だ。それは大きな不条理であり、本人・ご家族はもとより、医療を行なう者にとっても、とても辛い状況になる。

大学時代には、何人もの患児を主治医としてお見送りした。その中で一番鮮明な記憶に残っているのが、Kちゃんだ。私が研修医になってすぐに受け持った、4歳の女児だった。未分化型の白血病で、様々なプロトコルの化学療法を試みたが、寛解導入ができなかった。化学療法に伴う苦痛の連続で、彼女はいつも悲痛な表情を浮かべていた。用いるべき化学療法がなくなり、分化誘導療法と称する、ある抗癌剤の少量持続投与療法を試みた。化学療法の苦しみから一時離れ、輸血によって、一時的にも気分が良くなったのだろう。数ヶ月主治医をしていて、初めて、彼女がにっこり微笑んだのだった。輝くような笑顔・・・。しかし、それも長く続かず、1,2週間もすると容態は悪化し始め、ほどなく昇天された。その前後で、お母さまも精神的に失調をきたされた。本人は当然のことながら、ご家族にとっても、とても辛いことだったろうと思う。

主治医といえ、治療法を決定することは出来なかったのだが、思い返すと、あのように化学療法を続けることが彼女にとって良いことだったのかどうか。小児科医が、患児の終末期に直接向き合うべきだったのではないか。あの笑顔を浮かべた患児の時間を、患児とご家族のためにもっと長くすることができなかったか。痛切な思いで、何度も自分に問いかけたことだった。

小児科学会が、子供の末期医療のための指針を作るようだ。死を明確に受容することは、子供にとって難しいことだ。さらに最初に述べた、小児期という人生の時期特有の問題もある。指針を作ることは、容易なことではないかもしれないが、終末期にある患児とそのご家族が、有意義な時間を苦痛少なくできるだけ長く過ごすことができるような指針を作って欲しいものだ。さらに、そうした患児に残された時間を実りあるものにするために必要な医療スタッフ・施設の充実を望みたい。



以下、引用~~~


子供の末期医療指針作成へ 小児科学会が1年かけ
08/09/22
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 日本小児科学会(会長・横田俊平(よこた・しゅんぺい)横浜市立大教授)は21日、子どもの終末期医療の指針づくりを進めることを明らかにした。既に医師のほか法律や生命倫理の専門家らで構成する作業部会を設置しており、担当理事の土屋滋(つちや・しげる)東北大教授は「1年後をめどにまとめたい」と話している。

 学会によると、今年2月に日本医師会が終末期医療の指針を作成したが、子どもの場合は意思決定能力が不十分で、親の虐待が疑われる事例もあるなどの問題があることから、独自の指針が必要と判断した。

 今後の検討では、子どもの意思をどうとらえるかや、医師と患者家族の話し合いの進め方などが課題になるとみられる。

 子どもの終末期医療をめぐっては、国立成育医療センター(東京)が、2002-07年にかけ、重い病気やけがで小児集中治療室に運ばれ、心肺停止が予測された84人のうち30人について、両親と医療チームの話し合いに基づいて延命治療を中止したことを公表するなど、議論を求める声が強まっていた。

米国バブル崩壊・・・金融システム崩壊の危機 

米国発の金融危機は、かってないほどの規模であることが判明しつつある。

ドル安、邦銀の株価の低下が、続いてきた理由が、ようやく分かった。

米国の中央銀行FRBは、ドルをジャブジャブ市場に流し込んでいるが、信用収縮がおきて、そのドルが流通しない、ということだ。

この問題が、世界経済にどれだけの爪あとを残すか、誰もまだ分からない。

米国政府・議会は、大統領選がらみで竦んでもらっては困る。迅速に対応してもらいたいものだ。

バブルを何度も繰り返して、学習しないのだろうか。学習しても、それを生かすことが出来ぬ無政府状態なのか。



以下、m3BBSでの発言より一部引用~~~


信用収縮が続く中で、デフォルトが無いとされる米国債、特に米政府短期証券への資金流入は止まらず、1カ月物のトレジャリー・ビルの利回りは24日に 0.13%まで下落、限りなくゼロに近づいている。

米トレジャリー・ビルの利回りはゼロ%に接近していることから、超過準備に回らなかったドルは、とりあえず安全な米国債に投資されているもようだ。
(26日 ロイターより)
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ドル資金市場は崩壊寸前、最後の貸し手FRBが膨大なドル資金供給へ

融機関同士がドルの短期資金を融通するインターバンク市場で、翌日物資金の貸し借り以外は取引が成立しないという異常事態が発生している。参加者が信用リスクに極端に敏感 になり、短期のドル建てローンが返済されないかもしれないとの危惧が高まっているためだ。民間金融機関の相互不信が続くなか、米連邦準備理事会(FRB)は膨大なドル資金 を連日供給しているが、それらの資金は市場に放出されず、機能不全は改善していない。

<ドル資金市場は機能不全から崩壊へ>
「ドル市場は壊滅状態。資金の出し手がいなくなり、翌日物以外は取引が皆無となっている。レートが高い、安いという状況ではなく、レートそのものが存在しない」と外銀資金 担当マネージャーは言う。

米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は25日、現在の世界的な信用危機はカウンターパーティー(取引相手)に対する「信頼感の極端な欠如」が特徴だとし、金融機関の相互不信で 市場の流動性が干上がった結果、「FFレートとLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)の金利差はノーマル状態を逸脱して大幅に拡大している」と述べた。

<最後の貸し手>
ドル世界の最後の貸し手であるFRBは、連日膨大な流動性を供給している。
FRBが25日に発表した9月24日までの1週間の連銀貸し出しは1日平均1877億5300万ドルで前週の4倍に膨れ上がり、過去最高を記録した。信用危機を背景に、米 金融機関や証券会社がFRBからの借入を急激に増やしていることが背景。

24日時点の貸し出し残高ベースでは、FRBは金融機関及び証券会社に対して合計で2177億ドルの融資を実行中だ。

うちわけは、商業銀行向けが約393億ドル、証券会社向けが1057億ドル、FRBが19日に導入した政府によるMMF(マネー・マーケット・ミューチュアル・ファンド) の保証措置を支援する新融資制度のもとで、銀行向けに727億ドル融資を実行している。

加えて、ニューヨーク連銀との総額850億ドルの融資枠契約を結んだ米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)に対して、FRBは446億ドルの融資を実施している。

また、FRBは18日、ドルの流動性改善のため、欧州中央銀行(ECB)、日銀、英中銀、スイス、カナダ中銀との間で最大1800億ドルの暫定的スワップ協定を締結した。 その約1週間後、FRBはさらにオーストラリア、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの中銀と総額300億ドル規模の暫定的スワップ協定を締結している。

<消えたドルと金融安定化策>
だが今後は、とりあえず安全な米国債の需給バランスの崩れも懸念される。
公的資金による不良資産の買取り最大7000億ドルを含む米金融安定化法案は、現在議会での協議されているが、法案が議会を通過すれば、買取り原資調達のため、連邦政府の 法定借入上限は現在の10兆6000億ドルから11兆3000億ドルに引き上げられ米国債が増発される。さらに米住宅市況が悪化すれば、不良資産の拡大は避けられず、米国 債の増発が一段と拡大するだろう。

米メリーランド大学のピーター・モリチ教授は22日「米金融安定化策は、無能な米金融機関のマネジメントの問題と、大規模な金融行政改革の必要性を棚上げしている。これら を避けて通れば、金融機関の破たんがまた1、2年後に繰り返され、政府が社会保障やヘルス・ケア改革での目標達成を制約するだろう」 と述べている。

民主党立候補予定者の話を聞く 

茨城県医師政治連盟は、中央の政権与党寄りの方針に逆らい、民主党候補を、この次の総選挙で推薦することに決めた。県医師会・医師政治連盟会長の意向と、現場の意思が一致したのだと思う。(もともとあまり活発なMLではないのだが)県医師会のMLでも、とくに反論等は聞こえてこない。

昨夜、この地域医師会主催で、茨城県1区から立候補を予定している、民主党F候補(予定者)の講演会があり、聞きにでかけた。

F氏は、もと官僚で、5年前に官僚を辞め、出身地の水戸1区から出馬している方のようだ。40歳前後か。大学では農業経済を専攻されたそうで、医療については、余り知らないと仰っていた。

彼の話の要点・・・メモ用具を忘れたので、不正確な表現になるが、記憶にある範囲で・・・

現在の政治は、理念・方向付けがない、それを変えたくて、政治家を志望した。官僚は、諮問会議にしろ、政治家にしろ、完全にコントロールしている。政治家は、官僚のお膳立てに沿って、ただ予算配分だけを行ってきた。その政治家を支え、コントロールする官僚は、大変な仕事量だが、特別会計と天下りという甘い汁を与えられて、頑張っている。しかし、右肩上がりの経済成長の時代ではないし、政治に理念が必要になってきたのではないか。

高速道路の無料化・農家への補償制度について、説明。バラマキではない、理念に基づき、実効性の期待できる政策だ。

医療問題については、医療機関の経営が厳しいことはつい最近知った。が、医療福祉にさける予算は、限られている。これまでは、所謂、族議員同士の予算の奪い合いになっていた。医療についても同じだった。が、どのような医療システムを作るのか、という理念が大切だ。それに基づいて、医療政策を実行してゆく。後期高齢者医療制度は、リスクの高い群を、そうでない群から分けて保険制度を作るという点で、保険として失格だ。医療事故は、訴訟にすぐに持ち込むのではなく、基本的に、専門家が、ピアレヴューのような形で、判断すべきだろう。

後期高齢者保険制度、健康保険・年金制度は、税制の観点から考えなければならない。社会保障の財源として、福祉目的税を導入する必要があるのではないか。コミュニティを国民生活の単位にする経済制度・社会福祉医療制度を作る必要がある。

・・・彼の話の要約終り・・・

民主党のマニフェストと思われる、影の内閣における医療政策を読むと、医療のアクセス・クオリティをさらに追求する一方で、コストは必ずしも上げるとは言っていない。むしろ、医療の無駄を省き、透明化をもたらすために、診療報酬の「包括化」を進めるとある。また、勤務医の酷い労働環境を改善することを掲げているが、同党の足立参議院議員の発言等を見ると、開業医の収入を劇的に減らすことによって、勤務医の労働条件改善を行うように読める。マニフェストには、勤務医の声の欄はあっても、開業医の声は取り上げられていない。開業医が仕事として成り立たなくなる、ないし廃業せざるをえなくなることが、医療制度を破壊することに気づいていない。これらのマニフェストの内容は、経済界の意向を受けて厚生労働省官僚がデザインしたものに近いように思える。このマニフェストがそのまま政策化されると、ドラスティックな医療崩壊がより早期に生じる危惧を感じさせる。

また、医療事故調の民主党案について、詳細に調べたわけではないが、医療事故の原因究明と、再発防止を別な組織に行わせることは良いとしても、警察への通報は、死亡診断書が「書けぬ」状況で行うことにするというのは、問題の解決にはなっていないように思える。

彼の講演内容では、上記の点をどのように考えているのか分からなかった。医療現場の状況をまだまだ理解していないように思えた・・・官僚上がりの若い候補者だから仕方がないのだろうか。また、政治に理念を、という抱負は、理解できるのだが、政治は壁にゆっくり穴を開けるような作業だ。それを急ぐことで、社会制度が崩壊する。その危惧を感じた。現場の声を聞きながら政策を作り、施行してゆくと仰ってはいたが、現場をよく見て、現場の声に耳を傾けて欲しいものだ。

彼の講演後の質疑応答では、予め質問者が決められていたようで、質問することができなかった。質問者は開業医が多かったと思うが、民主党に政権交代したら、何かが変わるという期待感を抱いている様子だった。しかし、問題の所在、民主党の考え方を理解しているようには、思えぬものが多かった。20、30年前から開業医をなさっている方にとっては、現在の状況は、それほど深刻なものではないのだろうか・・・。

週末の夕食 その4 

チキンのトマトソース煮。トマトジュースを用いるとあるが、知り合いの農家の方から頂いた、新鮮な大きなトマトを二つ利用した。コクがありながら、結構あっさりした味の一品。ピクルスの香りが香ばしい。

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「不正請求」 

診療報酬支払い基金(以下基金と省略)から、医療の対価を求める請求書であるレセプトが何通か戻ってきた。マスコミの言う「不正請求」というやつである。マスコミに言わせると、医療機関が、金儲けをするために、不正に診療報酬を請求したということになるものだ。

さて、何が不正と判断されたのかというと、

1)急性気管支炎に患者に、気管支拡張剤の吸入薬を投与したものが、「適応」にはないとして、削られてきた。院外処方といって、当院では処方箋を出すだけだから、この薬の対価は何も受け取っていないのだが、「不正」な処方だから、薬代を当院に返せと言ってきた、ということだ。

確かに、この薬は、経口薬では、急性気管支炎の適応がある(使える)が、吸入薬は気管支喘息とその類縁疾患に限られている。適応症を杓子定規に考えれば、私の「不正」投与ということになる。しかし、咳の酷い気管支炎では、背景に気管支喘息の素因があることが多く、これまで急性気管支炎の病名で用いてきたし、それで保険請求も通っていた。

2)保湿剤を「湿疹」の病名でだしたが、やはり「適応外」であるとして、保湿剤の薬剤費を、当院が支払えという。アトピー性皮膚炎と他の疾患の鑑別がつかず、一応保湿剤を用いてよいと思われるケースだったので、「湿疹」という広い病名で、保湿剤を投与したのだが、やはりこの薬の適応症に湿疹がないということで削られたものだ。

アトピー性皮膚炎だとしても、乾燥性皮膚炎、皮脂欠乏症というより詳細な病名を加えぬと、この保湿剤は「切られる」という、メーカーの営業担当者の話だった。

基金の担当者の話しでは、各企業の健康保険が、薬の適応症にない病名であると、一律に支払いを拒絶する傾向がある、ということだった。薬の能書にある適応症は、絶対なものではない。しかし、それを絶対な根拠として、院外処方の医療機関収入には関係のない、薬のコストを医療機関に負わせようとしてきている。

仕方ない。能書通りの適応症だけを、病名として用いよう・・・これは、所謂「保険病名」として、実態から乖離することもあるのだが、仕方ない。

咳の酷い急性気管支炎に交感神経刺激剤の吸入を用いる場合、喘息関連の病名をつけても良いのだが、以前、アレルギー・喘息関係の病名が「多すぎる」と、基金の審査担当者(医師)から「注意」を受けたことがある(もともと、喘息をメインに診てきたので、喘息の患者さんが多いのだ)と、基金の担当者(専任の事務の方)に話した。そうしたことはないように、審査担当者に申し送るという返答だった。

要するに、(企業)健康保険は、我々が行う医療を、薬の能書だけを根拠に「不正」なものとして切って捨てる、ということが改めてはっきりした。そして、その「不正」の対価として、薬の費用を医療機関に求める。院外処方の場合、薬の費用は、薬局・製薬会社の収入になるのに、である。

こんなことは以前から分かっていたことだが、患者のためにと思って行う医療が、書類の上だけで形式的に判断されて、「不正」請求とされる、ということを、非医療者の方々に理解してもらいたいと思って、恥を忍んで記してみた。


何でこれが「不正」なのか・・・あぁ、士気は落ちる一方である(苦笑。

「周産期医療の崩壊をくい止める会」の新しい方針 

「周産期医療の崩壊をくい止める会」は、福島県立大野病院事件の被告であった医師を支えるために生まれ、彼に物心両面のサポートをしてこられた、と理解していた。今回、同医師の刑事裁判で無罪が言い渡され、同会の今後がどうなるのか、どうするのか注目していた。

今日、同会の責任者をしていらっしゃる福島県立医大産婦人科佐藤教授名で、以下のようなメールが来た。同会は、使命を終えたが、分娩に伴い命を不幸にも落とされる母親が、年に50名程度存在する(この数は、国際比較で最小とはいえないまでも、かなり小さい数なのだ)。そうした方の御遺族に、見舞金を差し上げるようにするので、引き続き寄付を依頼したいという内容であった。

この方針には、私は強い疑問を感じる。第一に、こうした不幸な死亡の多くは、現代の医学でいかんともしがたい死なのであって、それは御家族には受け入れ難い不条理であったとしても、医療に瑕疵がなければ、その事実を御家族に受け入れていただくことが必要なことなのだ。医療者として、救命し得なかったことには、忸怩たるものを感じるところはあるとしても、見舞金のような形での哀悼の意の表現は、御遺族と社会に誤解を招く可能性が高い。

さらに、まだまだ不完全な形だが、産科医療補償制度が公的に開始されようとしている。現制度には大きな問題がある。が、もし御遺族に何らかの補償が行われるべきであるならば、医療者側からではなく、公的な資金によって行なわれるべきことだ。現制度の問題点を解決した新しい制度下で何らかの補償が行なわれるべきことだろう。

同会のこの今後の方針は、福島県立大野病院事件によって、2年間法廷で戦うことを余儀なくされた医師の意向に、果たして沿うことだろうか。私は、全く逆の方向を向くことになると危惧する。

アンテナ二題 

昨夜、7メガは凪のように静かになっていた。が、DXからの信号も弱い。夕方、日が落ちた頃、Fred K5FAが呼んできてくれた。QRQのきびきびした信号。以前から予定していた、ヨーロッパ・VK/ZL向けの二張のVビームを立てたらしい。一辺が80mで、地上高18mだそうだ。600Ωの自作の梯子フィーダーで給電している。フィーダーのスプレッダーは、PVCのチューブを利用した様子。以前にも話したかなと疑心暗鬼になりつつ(笑)、私も開局当時、ワックスで煮立てた箸をフィーダーのスプレッダーに用いていたことを話した。そのスプレッダーもそうだったが、PVCも、紫外線に弱いのではないか知らん。450Ωのフィーダーが、市販品であるらしいが、あえて自作のフィーダーを用いた辺り、ハムらしくて良いことだ。

現用のバーチカル(これも18m高らしいのでゲインはかなりあるはず)で、S7から9。JAは全くのサイドになる、VK/ZL向けのVビームにすると、S2から8程度。サイドなので、もっとばっさり切れるかと思ったが、かなりブロードなパターンなのだろう。平均のSにすると、それでもかなりの差が出ている。JA向けにも一基張るよ、というのはリップサービスかな。もう二つの辺をつけて、ロンビックにすることも考えている、とか。土地がたっぷりある、米国中部の田舎暮らしならではのプランだ。

寝る前に、Jim W7ZQが出現。今年の冬、アイダホに車で出かけるといったきり、信号を聞かなくなってしまったので、無事のお目見えに喜んだ。夏の間は、family reunionで忙しかったらしい。奥様の股関節の問題も快方に向かっているらしい。彼のビッグビームや現住所については、下記のサイトに説明と、写真が載っている。US CQの表紙に載ったもの・・・以前、このブログでも話題になった。

http://www.cq-amateur-radio.com/OnthecoveJuly2006.html

ローターの具合が悪く、アンテナのメンテも必要で、タワーに登らなければならないのだが、どうも(あちらの)今日は、天気が悪そうだから、予定を延ばすことにすると言っていた。アンテナのメンテのために、タワーに登らないのかと尋ねられたので、私にとっては、タワーに登るなど、悪夢でしかない、専門家にお願いしていると申し上げた。Jimの住む、wild westでは、そうした工事屋さんを探そうにも、いないので、自分でメンテをするほかない、とのことだった。以前のエントリーに記したことだが、80歳近く(もうなられたかもしれない)になって、50mのタワーに登り、7メガより上の多バンドクワッドのメンテをするというのは、凄い体力と気力だ。

Jimは、上記サイトの紹介文にもあるとおり、DXとのCWでのラグチュー、それもローバンドでのラグチューを楽しんでおいでだ。リタイアを何時したのか忘れてしまうほど、リタイアしてから時間が経った。リタイアをするのは大変良いことだが、唯一の問題は、歳をとることだと言って、笑っておられた。

クワッドはトップヘビーになり、他の固定のカーテンビームや、ワイアービームに比べて、メンテの機会が増えるのではないか、何故クワッドなのか伺った・・・彼は、昔からクワッド派で、鈴木肇氏の記された「キュビカルクワッド」という本の表紙裏に、鈴木氏がJimを訪ねた写真が載っていた。だから、この質問は、愚問かなと思ったのだが・・・。彼の用いている、エレメントワイアーと、ファイバーグラスのスプレッダーは、大変強靭で、メンテは八木ビームとさほど変わらない、それに、同一ブームで多バンドのアンテナにしても、シングルバンドのアンテナとほぼ変わらぬ動作を得られるし、ね、というのが、彼の答えだった。

彼は、交信を終えるときに、会えて本当に良かった、私とは、昔からの知り合いだから、と何時も言ってくださる(私だけでなく、世界中に、昔からの友人を沢山お持ちなのだと思う)。「そうですね、貴方がコロラドからW0HTHで出ていた時代からのお付き合いですものね」と申し上げて、交信を終えた。ワイオミングの草原に立つ彼のアンテナをいつか見に行きたいものだ。

週末の夕食 その3 

土曜日の夕食。ホタテのかやくご飯。豚肉と野菜の煮物。煮物というより、スープに近くなってしまった・・・笑。緑色の野菜は、おくら。それ以外に、茄子、人参、南瓜が入っている。薄味にした(になった)ので野菜の本来の味を楽しめた・・・かな。

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El Camino Real Bob W9MAK 

一昨日、仕事に出かける前の僅かな時間、14メガに出てみた。北米には、幕が一枚張られたような様子だったが、一応入感していた。Menlo ParkのBob W9MAKが呼んできてくれた。Menlo Parkは、確かベイエリア・ペニンスラの中ほどで、El Camino Real通り沿いだったなと懐かしく思い出した
・・・スタンフォード大学に短期間の研修に出かけた折、その辺りを車で走ったものだった・・・と、Bobに話すと、いや~~その話は、以前に聞いたと言われ、相当ギャフンとさせられた(苦笑。

Bobはベアフットにワイアーアンテナらしく、強くないのだが、そういえば、2,3回お目にかかっているような気がする。以前の交信内容を良く覚えておいでで、感心しきりだった。ただ、奥様が日本人の方で、拙ブログを時々読まれているらしい。それで私の印象が、彼にとって強いのかもしれない・・・と自分を納得させる。いやぁ、やはりロギングソフトに交信内容をメモッておく必要が出てきたのかもしれない・・・。奥様には、ブログにコメントを下さるようにお伝えして欲しいと申し上げた。

El Camino Realは、サンフランシスコが北端にある半島の中心部を南北に走る道路という記憶だったが、その昔、スペインがこの地域を統治していた頃に、メキシコから、カリフォルニアのソノマまでの1000kmに及ぶ南北の道が作られ、それ全体を、この呼称で呼んでいたらしい。幹線道路であるルート101もその一部だ。私の記憶に残る半島を縦断するEl Camino Realは、途中レッドウッド(だったか)の大木が、両側にある、静かな通りだった。が、Bobによると、交通量が増えて大変だよ・・・とのことだった。私にとって、懐かしいベイエリアの中でもとりわけ記憶に残る通りなのだ。

ロスアルトスにいたEric W6DU、サンカルロスに在住していたMerle K6DCは既に亡くなり、1980年代に直接お目にかかったハムの方々の多くが、もう存命ではなくなってしまった。この1,2年のうちに、是非とももう一度ベイエリアを訪れて、旧い友人達にお会いしたいものだという気持ちに改めてなった。

絶望を超えられるか? 

世界的な金余り現象のなかで、CDSという一種投機的な金融商品が生まれ、それを米国の金融資本が多く取り扱っていた。その総額は、6500兆円という途方もない額になるらしい。サブプライムローンの破綻が、CDSの売り手である金融機関に巨大な損失を生じさせつつあるという。我々の預かり知らぬところで起きている問題だが、我々の生活には直結している。この未曾有の金融危機が現実のものとなると、我々の持つ僅かな資産や、年金等がほとんど吹っ飛んでしまうようだ。世界の金融当局が、必死に、その危機が現実化しないように、手立てを打っているようだ。何とか、落ち着くことを期待したい。

だが、それにしても、市場原理主義が、ここでも破綻しているということなのではないだろうか。1990年前後に、多くの共産主義諸国が崩壊し、そのモーメントは、市場原理主義という化け物に向かって突き進んだ。しかし、その動きは、世界的に、かつ各国内部での格差を生み出し、さらに国際金融にも、未曾有の崩壊の危機を生み出している。緩やかに統御された資本主義社会への回帰の動きが、ここで始まらなければ、世界経済に明日はないということなのではないか。ハイエクが語ったとおり、統御された資本主義等というものは所詮無理なことなのだろうか。希望はないのだろうか。

CDSで莫大な損失を抱える保険会社が、それを知らぬわが国の大衆相手にテレビコマーシャルをばんばん打っているのを見ると、何か無力感に襲われそうになる。どこかに希望を語る哲学はないものだろうか・・・。

Bert W5ZR Harry W3FM 

このところ、バンドがノイジーな日と、そうでない日が交互に来るような気がする。昨夜は、それほどノイジーではなかった。Bert W5ZRが、7メガで呼んでくれた。ハリケーンが、立て続けにあちらを襲ったので、どうしただろうかと気になっていた方だ。

2番目のハリケーンIkeは、テキサスの方だったので、アラバマの彼のところでは、風も大したことはなく、海岸線から50マイルほど内陸に入っているので、高潮の被害も受けなかったらしい。問題は、1番目のGustavだった。まさに直撃で、最高風速は100mphに達し、無風状態になる嵐の中心も彼の地域を通り過ぎたようだ。Katrinaの経験から、タワーを折り曲げられるタイプのものにしてあり、アンテナも低くしてあったので、今回は被害を受けなかった、とのことだった。

やはりアンテナを下げられるのは、強風対策として極めて有効のようだ。地上すれすれと、地上数十mでは、吹き付ける風の速さは、恐らく地上高に対して指数的に増加するのではあるまいか。こうして、アンテナファームが無事で、勿論ご本人・不動産にも障害がなく、信号を再び聞けるのは嬉しいことだ。

Bertは、7メガでは2エレのクワッドがいつも用いているアンテナだが、最近2エレの八木も上げたとのことで、比較をするように頼まれた。八木がフルサイズであったかどうか聞き忘れてしまったが、両方ともに24m高の様子。いつものごとく、QSBがかなりあるので、正確な比較は難しいが、クワッドでは、S8から9、八木では、S6から9といったところだった。ピークでも、クワッドの方が、ほんの僅か、恐らく数dB以下の範囲で強かったようだが、クワッドのフロントゲインは3エレフルサイズ八木に相当すると言われていることからすると、ピークの差がそれほどないことは印象的だった。しかし、QSBに対しては、クワッドの方が明らかに優れていた。打ち上げ角の問題なのか、それとも電離層に当たる時の位相差の問題なのだろうか。

こうした巨大なアンテナを上げてメインテナンスする、60歳台のハム。恐るべき、実行力だ。

今朝は、14メガで東海岸が、中程度に開けていた。Harry W3FMが、呼んできてくれた。その昔、1990年前後、お互いが用いていたKT34XAのメインテナンスのことで、いろいろと情報を下さった方。彼の名前を忘れかけていて、名前はHarryだったかと尋ねると、そうだ、86年間ね!とのこと。こうしたさりげないウィット、何とも言えず好ましい・・・。3年ぶりの交信だった。

どうも太陽活動は上がらぬまま、秋のCONDXに突入のようだ。

志の高い医師を養成せよ・・・ 

この国の政治家は、物事の本質に迫ろうとする知性を持ち合わせていない。さらに、問題を、精神論で解決しようとする。

どうも、昔からの伝統のようだ・・・。


以下、引用~~~


地域医療の担い手養成を 文科相、国立大学長に要請
08/09/17
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 医師不足対策として来年度から大学医学部の総定員数の増員を打ち出した文部科学省は16日、医学部がある42の国立大の学長らを同省に集め、人材育成を通じ地域医療に積極的に貢献するよう要請した。

 会合の冒頭、鈴木恒夫文科相は産科などで医師不足が深刻化している実態を指摘し「へき地や離島を含む地域医療の担い手として活躍する志の高い医師の養成について、格段の取り組みをお願いしたい」と述べた。

 文科省は来年度の総定員数について、過去最多だった1981年度の8280人程度より280人増やし、計8560人程度とする方針を決定。年末までに大学側が提出する地域医療への貢献策などを基に大学ごとの増員数を決めることにしている。

多忙な週末 

忙しい週末・連休だった。

土曜日は、仕事を終えて、家に帰り、雑草が生え放題になっていた、小さな家庭菜園を覗き込む。すると、雑草に囲まれるようにして、西瓜が二つ育っていた。決して立派な大きさではないが、雑草が、カラスの襲撃から守ってくれたのだろうか。大事に抱えて、冷蔵庫へ。甘さは、もう一つだったが、新鮮さはやはりスーパーに並ぶ西瓜よりも数段上だ。

話は飛ぶが、新鮮な農作物だけでなく、汚染されていない農産品を入手することを考えねばならない。現在、「事故米」で注目されているアフラトキシンB1というカビ毒は、ごく微量で発がん性がある。その慢性毒性にはまだ不明のことが多く、許容値も国によって様々だ。肝臓がんの発ガン因子であることは確実に分かっている。アフラトキシンB1に汚染された米が、あちこちの市販米に混入されている可能性が高まっている。

米も知り合いの農家から購入することを真面目に考えなければならないのかもしれない。少し米作を知っている方だと、由来の明らかな玄米から、小型の精米機で自ら精米し、食べているらしい。その方が、美味しいことと、精米過程で他の米を混入されることを防げるかららしい・・・。三笠フーズ事件の全貌を知らせなかったり(結局、すべての納入先を公表することにしたらしいが)、最近の食品中のアフラトキシン等の実測データが公表されていないこと等、不安を呼び起こす行政の対応が多すぎる。

夕方、夜と無線をのんびり(これだけはのんびり・・・)楽しむ。14メガでヨーロッパ、7メガの北米が良く入感するようになってきた。アイオワのVic W9RGBが、7メガで呼んでくれた。ノイズの少なくなったバンドに、フワっとする信号で聴こえる彼の信号は、オンエアーに秋が本格的に到来したことを教えてくれる。W6 FOCイヴェントに参加し、楽しかった、イヴェント後、同じ催しに参加していた弟さんのDave K6XGご夫妻とともに、オレゴンのDaveの家を訪れたらしい。そこで、Daveがリコーダー、奥様のAliciaがハープシコードを弾いて、バロックの作品を披露してくれたようだ。来年は、是非、このイヴェントで会おう、と仰っていた。

日曜日は、午前中14メガで北米の局何人かと挨拶を交わすのも早々に、救急診療所に向かった。日曜日の当番。一人で、午前9時から午後4時まで診療する、この制度になって初めての休日当番だ。30名弱が来院。うち、7、8割は小児。以前から具合が悪く、平日に医療機関にかかれるはずなのに、休日救急に来られた方は、1,2割か。思っていたほど多くはない。しかし、大多数が軽症だ。聞くところでは、この休日診療を「流行らせる=業績を上げるために」に、3日以上も投薬する医師もいるらしい。休日診療を「流行らせる」のは良いことではないし、休日診療所では検査もできず、初めてお目にかかる患者さんを診療することになるので、必要最小限の投薬をすべきだと考え、私は、一日分の投薬しか行わなかった。一人だけ、50歳代の男性、発熱・呼吸に伴う右季肋部痛の患者さんを、二次救急の医療機関に送った。

日曜日の夕方お会いしたJohn VK4TJには、退職するのは何時か、と尋ねられてしまった・・・そうなのだ、退職を視野に入れて、準備をすこしづつ始めなければ・・・。スネカジリがまだいることを言うと、大学に子どもを行かせている間は、財布からじゃんじゃんお金が飛んでゆくね、と同情された。彼がカナダで大学生活を送っていた頃は、ロッキー山脈を走る日本人観光客の多く乗る列車で、夏の間、シェフのバイトをして学費を殆ど賄っていたが、それで間に合ったラッキーな時期だったのかも・・・とのことだった。我が家の子どもにシェフは出来そうにないな・・・。

月曜日は、午前中、自分の仕事場で救急対応。午後からチェロを後部座席に乗せ一路東京へ。とある区内の生涯学習センターで、アンサンブルの練習。ある楽器会社の主催する、アンサンブルクラスの発表会に手助けをして欲しいと呼ばれていたもの。40歳代以上の中高年の方々が、モーツァルトやバッハに取り組んでいる。これから高齢化社会の到来で、こうした中高年の文化活動が、ますます盛んになるのだろう。20畳以上はあろうかと思われる、広々したスペースで午後の間、楽器を弾き続けた。恵まれたことだ。地方では、なかなか人が集まらない。いつまでこうした集まりに参加するために、上京を繰り返せることだろう。

というわけで、あっという間の二日半の休みだった。

権力に阿る根無し草の団体 

日本医師会は、医師の総意を反映した組織ではない。医師会は、三層構造になっており、郡市・都道府県・国単位に三つの医師会がある。より大規模な組織になるほど、末端の意見は反映されにくくなっている。

我々末端の会員が、日本医師会から意見を求められることはない、また意見を何らかの形で投じようとしても、その受け入れ窓口がない。日本医師会の幹部は、間接選挙で選ばれているが、実際上、選挙戦はなく、年功会員が、年功序列で幹部にのし上って行くシステムになっている。

これは、高度成長期に開業医が医師会の権力を握ったときに、アカデミズムの医師会員を排除するために出来上がったシステムだと言われている・・・が、時代遅れも甚だしい。日本医師会への末端会員の帰属意識は薄れるばかりで、根無し草のようなこの組織は、結局、時の権力に利用されるのが落ちだろう。

それを端的に示す出来事があった。

厚生労働省の医療事故調第三次案を、日本医師会は支持した。それは、今年春、都道府県の医師会に意見を求めた結果だとのことだった。が、末端には、この重要な案件に関して、何も意見を求められなかった。それを訝しく思った、長崎県諫早医師会は、都道府県の下部組織である、全国郡市医師会に、この問題についてアンケートを行ったらしい。m3医療維新から、そのアンケートの一部を紹介すると;

                   *******

960郡市医師会中、447の医師会から返答があった。返答率46.6%(これは、一郡市医師会が行ったアンケート調査に対する返答率としては驚くべき数値である)。

日本医師会・都道府県医師会から、この三次案について、賛否を質問されたか:

ある 48 (10.74%)    ない 395 (88.37%)    未回答  4 (0.89%)

この三次案について、医師会の理事会などで賛否を議論したことがあるか:

ある 25 (5.59%)    ない 325 (72.71%)    議論したが賛否未定 95 (21.・25%)

賛否を議論した医師会のうち、賛成の医師会は?:

概ね賛成 15 (3.36%)  制度には賛成するが、厚生省第三次案には問題があり、賛成できない  44 (9.84%)  反対  16 (3.58%) 

                     *******

このアンケートの結果判明したことは、日医は地方組織・末端会員から意見を吸い上げる努力をしていない、さらに末端では、この三次案について議論すら十分行われていないことだ。

それなのに、日医は、都道府県医師会の意見を聴いた上で、三次案に賛成すると態度表明している。 

日医は、権力に阿る根無し草の団体に墜ちてしまっている。

週末の夕食 その2 

あまり時間がなかったというか、疲れていたので、簡単なトマトスープ。それに、家内の作った焼肉。

トマトスープは、鶏だしの野菜スープに、トマトの酸味、ニンニクの風味が乗ったもの。だしは少なめにして、塩で味を整える。コクが出たとの評価をもらったが、まだまだの味つけだ。精進精進・・・。

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John on board again! 

John 9V1VVが、Rockwater II という船に8月20日に乗船。ETO・・・電気技師の略?・・・として仕事を始めたらしい。自身のブログで、その様子を記している。ここ。春の鶏とは、元気そのものということなのだろうか。水を得た魚・・・。この船でかって仕事をしていたようだ。

仕事がオフになるのが、11月下旬。年末年始は、シンガポールの自宅で過ごすことになるのだろう。彼の人懐っこいようなCWが聞こえないのは、少し寂しいが、しばらくのQRXだ。

社会保障国民会議のシミュレーションは何を齎すのか? 

社会保障国民会議のサービス保障(医療・介護・福祉)分科会が、「医療介護シミュレーションの前提」を公表した。ここ

議論のためのシミュレーションモデルの提示ということらしいが、この会議をお膳立てする官僚が、持って行きたい方向ははっきり見えてくる。要するに、急性期医療を「効率化」させ、急性期を過ぎた患者は、慢性期病床・介護施設さらに在宅医療介護に任せる、ということだ。急性期の入院期間を徹底して短期間とし、最終の受け皿である、在宅介護を拡充する、即ち、自宅で療養してもらうようにする、という意向のようだ。これは、もう何年も前から、厚生労働省が打ち出したプランだ。

診療所で働く自分としては、診療所の機能に関心があるが、在宅医療を担うことが主要な仕事になるようだ。「一診療所に3名の常勤医師で、24時間主治医体制で在宅医療を行え」ということらしい。三日に一日は、当直である。日中の仕事も当然あるわけだから、重症患者を抱えると、2,3日眠れぬということが常態として起きるように思える。開業医の平均年齢が60歳近くであり、また小児科を含めマイナー科の診療所も多くあることなどは一切無視しているように思える。

また、患者の病期にって、当該患者を担当する医療機関・施設の流れが、図によって示されている。しかし、このフローチャートで示された、「流れ作業」のように、患者が回復する、または場合によっては、不幸な転帰をとることは、むしろ稀であって、様々な合併症が起きたり、別な疾患が見出されたりすることによって、一連の流れから外れ、長期間の療養を必要とするようになることは十分考えられる。医療が、まるで工場の流れ作業と勘違いしているように思える。こうしたフローチャートを得意げに作る官僚は、テレビドラマ「ER」の見すぎではないか。「ER」では、患者さんは、良くなるにせよ、亡くなるにせよ、すぐに決着がつくことになっているのだ。急性期から亜急性期・慢性期に入る患者が、官僚が考え出したシステムから抜け落ち、さらにシステムを麻痺させる可能性はないのだろうか。

さて、このシミュレーションが現実化されると、一体何が起きるのだろうか。また、官僚は、半年後に例外規定を設けるのか。その間に、どれだけの人々がこの制度変更により亡くなることになるのだろうか。

Bill W7GKF 

昨夜、Bill W7GKFにお目にかかった。エレキーでとても美しい符号、それに適切な単語の間の間を保ってCWを打たれる。自慢話めくが・・・こうしたCWの美しさを、感じることのできる人間は、どんどん少なくなってきているのだろうと思いながら、彼の美しい信号にじっと耳を傾けた。最近のトレンドは、CWは簡易に通信できる道具という捉え方である。そうしたCWの用い方をしている限り、この美しさを味わうことは不可能だろう。懐古趣味と言われようが、通信効率が悪いと言われようが、そんなことは気にしない。電離層反射に伴い、微妙に形を変化させ、フェーディングに乗って、遠くから私の耳に飛び込んで来るCW信号。あちらに同じ楽しみを持つ友人が、リアルタイムで無線機にむかっている・・・。

彼とは、昔交信した記憶があったのだが、何時かは定かではなかった。当初、Ed W7GVEと混同して、Edと呼びかけてしまった。Billは、昨年11月に交信しているとすぐに教えてくれた。私の備忘録をめくると、最初の交信は、1980年12月となっていた。それを申し上げると、いや、それ以前から、彼の別なコールの時代に会っているのではないかとのことだった。以前のコールとは、KH6FIF、KV4JY、KH6FIF/KS6、WB6WEG、W6GKF(これは4年前、ワシントン州に引っ越してくる前に用いていたコール)である。KH6FIFは、聞き覚えがあるのだが、正確には思い出せない。

そればかりか、前回の交信では、私が、「政府が医療に対して、あまりに負担をかけてくるので、退職することを考え始めた」と言ったことまで覚えておられた。びっくりしたら、ロギングソフトにデータとして、入力しているのだとのこと。2000年以降の交信は、すべて入力したらしい。会話の要点も記録しておくのだと言っていた。同じ話を繰り返すのは、時間の浪費だから、とのこと。あぁ、すると私などいつも同じようなことを言っているから、痴呆が始まったと受け取られかねない・・・・。交友を深めてゆくためには、ロギングソフトなり、何らかのデータベースに相手のこと、話したことを記録してゆくことが必要になってきた、そうした年代に突入し始めたのかもしれない、と思った。

彼は、現在69歳、4年前にリタイア。お嬢様二人も結婚し、幸せに暮らしているらしい。ちょっと前に、イタリア、この夏はアラスカに旅行に出かけた、来年2月にはニュージーランドと、タヒチに行く予定にしている、とのことだった。無線のお供はないのかと尋ねたら、Steve W7QCからKX1を借りて持ってゆく積りだとのことだった。

彼の悠揚迫らざる、正確で美しいCWを聞きながら、こうした交信をなかなか楽しめなくなってきたものだ、得がたいことだと改めて思った。ちょうど懐かしい友人の肉声を聞いているかのような気分になるのだ・・・。

後発薬の効果・副作用の検証はこれからやります! 

薬の後発品を、医療費削減のためにより多く使用するようにというキャンペーンを、マスコミを巻き込んで、厚生労働省は、このところ続けている。いわく、効果は同じで、安価である、と。

しかし、医療現場では、後発品の効果が悪い、副作用が出るという話が良く出ている。

そこで、厚生労働省は、その効果・副作用について検証を始めるらしい・・・

というと、うむ、官僚も良くやっていると思えそうだが、後発薬を認可する前にやるべきことではないのか、またこの検証作業のコストが税金になることもおかしい、私企業の利益に直結することだからだ。

何か、順序が狂っている・・・。厚生労働省・政府が、医療費削減だけ出来ればよい、薬の効果や安全性は二の次でよい、という発想であったことを露呈している。さらには、後発品メーカーにもコスト負担をかけさせぬ気の配りようは、一体何なのだろうか。きっと、この気配りに対して、官僚は何か対価を裏で貰っているのではないか?


以下、引用~~~

後発医薬品の品質検証事業 メバロチン後発など10成分対象 品質検証へ今秋から試験開始
08/09/10
記事:Japan Medicine
提供:じほう

 厚生労働省が今年度から開始した、後発医薬品の品質上の問題の有無を検証する事業の対象が10成分であることが分かった。10成分には、スタチン系高脂血症治療薬プラバスタチンナトリウム(先発医薬品「メバロチン」)など大型製品の後発品も含まれている。今秋以降、国立医薬品食品衛生研究所や地方衛生研究所で品質を検証するための試験を順次開始する。結果は医薬品医療機器総合機構のホームページで公表する予定で、問題が確認された場合は企業に改善を促す

 同事業は、国立衛研の「ジェネリック医薬品品質情報検討会」を中心に実施する。
  同検討会は7月の初会合で、昨年9月から今年3月までの学会報告・文献や、総合機構の2007年度相談事業で品質上の問題が指摘された後発品について検証。このうち<1>医療現場でも問題を指摘する声がある<2>医療上の重要性が高い<3>医療現場で広く使用-などの条件に合致する8成分について、国立衛研や地方衛研で試験を行い、品質上の問題の有無を検証することを決めた。

溶出性試験などで品質検証 8成分で

 8成分は、▽プラバスタチンナトリウム▽抗菌薬クラリスロマイシン(「クラリス」「クラリシッド」)▽同ノルフロキサシン(「バクシダール」)▽インフルエンザ等治療薬アマンタジン塩酸塩(「シンメトレル」)▽不眠症治療薬トリアゾラム(「ハルシオン」)▽同ブロチゾラム(「レンドルミン」)▽消炎鎮痛剤ロキソプロフェンナトリウム(「ロキソニン」)▽造影剤イオパミドール(「イオパミロン」)。このうち経口剤7成分(イオパミドール以外)は溶出性や含量の違い、注射剤のイオパミドールは不純物の違いなどを指摘する文献などがあった。

  さらに、先発品と後発品の品質の違いなどが指摘されるときに「代表的な事例」として取り上げられる抗真菌薬イトラコナゾール(「イトリゾール」)と解毒薬の球形吸着炭(「クレメジン」)の2成分も対象に加えた。

  試験では、文献などで指摘されている問題点に応じて、溶出性試験や純度試験、含量試験などを実施する。



官僚の思いつき行政が、医療現場を疲弊させる 

今春の診療報酬改定により、脳卒中後遺症や認知症の高齢者は、4ヶ月以上入院を続けることが、実質上できないことになった。

が、それでは、そうした患者達が、「医療難民化」するのは必至ということを、官僚がようやく理解したのか、それともそれが現実化すると選挙に不味いと政権与党の政治家が考えたのか、この規則を早々に撤回することにしたようだ

撤回といっても、綺麗さっぱり元に戻すことを、官僚はしない。退院させる「努力」をしていることを、医療機関・医師に求めている。具体的には、「努力」していることを書類にして毎月提出せよ、ということらしい。しかし、この「努力」の内容の規定はない。恐らく、社会保険事務所ごとに恣意的に「努力」の評価がされるのだろう。

こうした入院患者さんの対応を行う医師にとっては、書類仕事が増えるだけの話だ。勤務医の負担軽減を、官僚は謳うが、やっていることは、その逆である。

それにしても、官僚達、規則の変更をして、その後、すぐにそれを改変、以前よりももっと複雑怪奇で、手間のかかるシステムになっている、ということが余りに多くはないか。手続きだけを重視した思いつき行政、それに右往左往させられる医療現場。これでは、医療は疲弊するはずだ。


以下、引用~~~
退院や転院に向けて努力していれば90日超えても減額対象外に  厚労省通知
08/09/08
記事:WIC REPORT
提供:厚生政策情報センター

一般病棟入院基本料を算定している病棟に長期入院している高齢の脳卒中後遺症患者及び認知症患者に関する診療報酬の算定の際の留意事項について(9/5付 通知)《厚労省》 厚生労働省は9月5日付けで地方社会保険事務局等宛てに、一般病棟入院基本料を算定している病棟に長期入院している高齢の脳卒中後遺症患者及び認知症患者に関する診療報酬の算定の際の留意事項を通知した。 平成20年度診療報酬改定では、一般病棟が本来担うべき役割を明確にするため、「一般病棟入院基本料を算定している病棟に90日を越えて入院している後期高齢者である患者であって、重度の意識障害、人工呼吸器装着、頻回の喀痰吸引等を実施している状態等にない脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者(以下、対象患者)について、後期高齢者特定入院基本料の算定対象者とし、半年間の準備期間を設け、平成20年10月1日から施行すること」になっていた。 今回の改正で、「対象患者のうち、平成20年9月30日現在において一般病棟入院基本料を算定している病棟に入院している患者又は疾病発症当初から当該一般病棟入院基本料を算定する病棟に入院している新規入院患者であって、当該保険医療機関が退院や転院に向けて努力をしているものについては、90日を超えても後期高齢者特定入院基本料の算定対象としないこと」とした(P1-P2参照)。 なお、医療機関は、退院支援の状況について、退院支援状況報告書を地方社会保険事務局長に毎月届け出ることとされた(P2参照)(P5参照)。


閉塞した日本から海外へ 

音楽絡みで知り合いになった方から、そのお嬢様のことを伺った。彼女は、大学で児童問題を勉強し、卒業後、海外に飛び出し、NGOメンバーとしてコソボ、チモール、コンゴといった地域で支援活動を行っておられた。しかし、目の前で子ども達がどんどん亡くなってゆくのに接して、医師になろうと思い立ち、ある外国の医学部に入学、現在は米国で外科の研修を行っているそうだ。彼女の母上も、小柄ながらとてもエネルギッシュな方で、お嬢様もきっとその性格を受け継がれたのだろう。

こうした能力と、体力に恵まれた若い医師が、海外に活躍の場を求めて出てゆかれることは、これから増えてゆくことだろう。日本の医療は、仕事をしても、それに対する評価が、低すぎる。医師が足りなく、地域医療が崩壊しかかると、ただ医師数を増やすという発想しか出てこない。恐らく、医師数だけ増やせば、労働環境・待遇等はそのまま、またはそれ以下に劣化しても、生きてゆくために、医師は現状を受け入れて、仕事を続けるだろうと、官僚・政治家は多寡を括っているように思われる。未来の閉塞した状況のわが国から、外国に出て行き、先に紹介した方のように自分の理念に従って生きるもよし、または医師としてより良い生活条件を求めるもよし、学問的な成功を追求するもよしだ。

芸術や、医療には、経済や法律以上に国境がない。日本人医師が外国で活躍するには、外国語のバリアーが多少ある(あった)が、恐らく、医師を目指すだけの能力があれば、それも易々と乗り越えて行くことだろう。

医師数だけを増やし、医療費は削減することを継続する、政府の方針は、第二次世界大戦中、ニューギニア戦線で戦死した方の多くが、戦闘行為によるものではなく「餓死」であったことを想起させる。政府の方針は、見当違いも甚だしいのだ。このような国で、医療に従事することは、自分のためにも、社会のためにもならない。若い医学生、医師諸君には、海外に雄飛することを是非お勧めしたい。

これで、自殺を減らせるのか? 

今朝、出勤途中車の中で聞いた、ラジオニュース・・・

硫化水素を用いて自殺する人が増えた。自殺者を20%減らす目標が達成できなくなった。ネットで硫化水素での自殺方法を簡単に知ることが出来る。政府(だったか・・・所謂当局)は、ネットのこうした情報を取り締まることにした

・・・といった内容だった。

まずは、硫化水素による自殺をセンセーショナルに取り上げたのは、どこの誰だったか?どうしても取り締まりたいのであれば、そちらを取り締まるべきではないのだろうか?

それに、もぐら叩きよろしく、自殺の方法を公の目の前から隠してみたところで、自殺を決行する人々は減らないのは明らか。自殺の原因で最も多いのは経済的な理由だったと思う。さらに、背後にうつ病ないしうつ状態があることも多い。こうしたことへの国としての対処はどうなっているのだろうか・・・と、当局者は自問自答しないのだろうか?

ネットでの公序良俗に反する情報は、規制することは必要かもしれない。が、こうしたことをきっかけに、当局が、ネットでの情報発信全般への規制を強めることには、反対だ。

自殺を減らすために、ネット上の硫化水素の作り方の情報を取り除こうという発想・・・医師が不足しているから、医師を増産しようという発想に似通っているような・・・。

拍手とともにコメントを残してくださった方々へ・・・ 

これまで拍手とともにコメントを下さった方々、ありがとうございます。そうしたコメントのなかで、非公開のものをこれまで読み過ごしてきました。また、公開コメントでも読み過ごしていたものがありました。中には、懐かしい方や、同業の方からの嬉しいコメントもありました。ありがとうございます。

出来れば、拍手欄のコメントではなく、このエントリーへの直接のコメントで言葉を残してくださいますと、読み過ごすことが少なくなると思います。非公開のコメントでも構いません。その場合、ブログ主しか、内容を読むことはできません。

よろしくお願い致します。

Tom、 old Volvoで大陸横断の旅 

夏の間、それまでactiveだったTom K7GMFを聞かなかった。今夜、久しぶりにお出ましになった。この夏は、雷が多くアンテナをリグから切り離していたのと、車で出身地のニューヨークに出かけていたとのことだった。

確かに、ニューヨークに出かけると、初夏の頃に聞いたように覚えているが、バスで出かけると言っていたのではなかったか・・・いや、自分の車、1967年型のVolvoで出かけた、とのことだった。この車は、車の修理を趣味としている彼が、長年かかってリストアした車なのだ。アリゾナからニューヨークまで、片道5000キロの旅だ。

案の定というべきか、車のトラブル続きだったらしい。プラグの故障、タイヤのバースト等々・・・なかでもイグニッションのパーツがおかしくなったのには困ったらしい。ノックスビルで従弟が、修理部品を手配してくれたのだが、ようやく入手した部品も規格が違い、修理に手間取ったらしい。

ニューヨークでは、親戚・友人達を訪ね歩き、楽しい時間を過ごした様子だ。

それにしても、70歳前後の彼が、北米横断をヴィンテージカーに乗って完遂してしまうとは、素晴らしい・・・というか、無謀というか・・・。以前から自分で手を加えていた、Volvoだが、これで老妻のようにより身近になったでしょうと言うと、その通り、正しく扱えば、ちゃんと動いてくれるが、間違うと大変だよと言って、笑っていた。

エキスパート助産師 

産科医不足をカバーするために、助産師を活用しようという声が度々上がっている。現実問題として、それは一つの策だと思うが、助産師が「不安」を感じているから、次のような策を講じるということだ。

このエキスパート助産師という資格を、助産師の上位に作る施策は、「不安」解消というよりも、助産師の地位を独立させ、待遇改善を求めるためというように思える。

独立してお産を扱ってくれる助産師が出てくれることは、産科医にとっては、表面上負担の軽減になりそうだが、二つ問題がある。

一つは、いくらローリスクの妊娠を助産師が扱うとはいえ、分娩中に予期せぬ深刻な事態が生じるのは、よく知られた事実だ。独立した助産師は、その場合、どのように対応するのだろうか。

さらに、このエキスパート助産師の育成認定は、大きな産科医療機関で行なわれる可能性が高い。丁度、医師の専門医・認定医制度のようなことになるのだろう。すると、そうした医療機関が、そうでなくても足りない助産師を囲い込み、中小産科医療機関を苦境に追いやることにならないかということだ。

産科医療の実態にそぐわない、助産師以外に内診を行なわせてはならないという厚生労働省課長の一つの通達によって、産科医療がさらなる危機に瀕した。その愚をまた犯すことにならないだろうか。




以下、引用~~~


厚生労働科学研究班 産科医と助産師が協働できる環境整備に着手 日産婦、日看協、助産師会などGL作成に共同参加/エキスパート助産師の制度化も
08/09/03
記事:Japan Medicine
提供:じほう


 産科医不足が深刻化する中で、厚生労働科学研究班(研究分担者=中林正雄・愛育病院長)は、病院・診療所の産科医と助産師が医療チームとして協働するためのガイドラインを、2008年度末までに策定する計画だ。具体的には、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会、日本看護協会、日本助産師会、日本助産学会の共同事業として進める方針。すでに各学会などから委員が選出されている。さらに、同研究班では産婦人科専門医制度のように助産師についてもエキスパート助産師(仮称)の制度化を進めていく計画だ。

 産科医不足が深刻な周産期医療の短期的改善策としては、産科医と助産師とのチーム医療の推進が必須。中林氏は、病院などの勤務助産師の約7割が、産科医と連携しながら妊娠・分娩管理を1人で行うことに不安に感じているとの調査結果を重視している。
  勤務助産師らが抱える不安の解消策について中林氏は、2つの方策が考えられると指摘。1つは、産科医と助産師相互の信頼関係構築で、もう1つは、エキスパート助産師(認定助産師)の認定制度の創設だ。
  産科医と助産師相互の信頼関係の構築では、一定の知識・技術水準を維持し、チーム医療体制を整備することが不可欠。そのツールとして、新たなガイドラインの策定を挙げた。産科領域でのガイドラインは、日産婦が今春刊行した「産婦人科診療ガイドライン 産科編2008」と、日本助産師会が2004年に策定した「助産所業務ガイドライン」が存在する。

病院・有床診療所における助産師をバックアップ

 しかし、両ガイドラインは、それぞれ独自につくられたもので、共通した治療のためのガイドラインという位置付けではない。そのため中林氏は、「産科医と助産師のチーム医療の基盤となる共通のガイドラインが、新たに策定されることが必要だ。その策定を、分娩の安全性と快適性の確保につなげたい」と意欲を示した。
  新ガイドラインの検討では、ハイリスク妊婦が多い病院と、ローリスク妊婦を主体とする有床診療所とで在り方について考える。実際に臨床の現場に即した病院・有床診療所における助産師の知識・技術水準を定め、それを踏まえた治療ガイドラインを作成していく。これが完成すれば、助産師が産科医と連携しながら、主体的に妊娠・分娩管理をする際の手助けになることが期待される。

認定要件・5年間で分娩件数100例など一定の基準が必要

 2つめの打開策は、エキスパート助産師認定制度の創設だ。産婦人科専門医制度のように、助産師も一定の専門制度を持つことで、モチベーションをアップさせ、質的向上に寄与させたいとしている。中林氏は、認定要件として5年間で分娩件数100例など一定の基準を設けることが必要との認識を示している。今後、さらに検討を深める予定だ。

ビジョン具体化検討会でも新生児医療問題で議論

 一方、先月27日に中間とりまとめを行った厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会でも、助産師の問題が議論された。
  昭和大産婦人科教室の岡井崇主任教授は、「助産師にカバーしてもらう部分が多いが、現在はまだ力不足の側面がある。しっかりと力をつけてもらいたい」と要望した。一方、助産師は看護師教育後にさらに教育を受けるが、病院などの人件費は両者ともに同様の給与水準となっている。その点からも、助産師の労働環境の改善が急務となっている。
  また、助産師は近年減少傾向にあるという報告も出ている。要因については、助産師志望者は多いものの、養成システムが不十分なため、資格取得に必要な症例数の実習ができない現状が挙げられていた。こうした点からも、助産師養成への環境整備が不可欠。産科医と助産師が協働できるようにするためのガイドライン作成は、産科医不足対策の1つの方策になりそうだ。



庭師のKさん 

庭の手入れを自分でできるだけしていたが、高い木の枝の処理等が手に負えなくなり、間接的な知り合いの庭師さんに庭の一部の手入れをお願いした。初対面の方だったが、初老のご夫婦で、実直そうな方だった。庭の半分程度だったが、2,3日でとても綺麗に仕上げてくださった。それまで、雑草は生え放題、木の枝が密集して昼尚薄暗いジャングルのようなところもあったが、すっきり美しくなった。

朝早くやってきて黙々と仕事をこなされるご夫婦。職人さんの仕事ぶりの一番良いところを見せていただいたような気がする。

私も、小児科医の職人にならなければ・・・。

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門の南側。10数年前に隣家との境界に植えた一連の夏椿、手前にさるすべり。左側に梅の木。

産科医療補償制度加入医療機関は7割程度 

だそうだ。助産所の加入は、5割程度。現在、この制度を運営する、日本医療機能評価機構は、やっきになって、この制度への参加を呼びかけている様子だ。

脳性まひ児の内、分娩に関わるものに対して、3000万円の補償金を支払う。そのために、分娩一回につき、日本医療機能評価機構が、3万円づつ医療機関から徴収し、損害保険会社から保険を買うということになるらしい。

推計では、年間500から800名に支払うことになるらしい(この推計は、多すぎるように思える・・・以前の、産科医療補償制度についてのエントリーを参照されたい)。

年間100万の出生があり、すべてこの保険に入るとすると、上記の支払い人数で計算しても、保険会社の利益は、50から20%程度、金額にして、150億円から60億円となる。この利益率は、普通の損害保険と比べて、高い。

上記支払い人数は、これほど多くはならないはずであり、さらに損害保険会社は、支払いをできるだけ少なくするように動くはずだ。とすると、利益率は、50%をはるかに超える可能性が高い。

こうした「ぼろい」儲け話に、日本医療機能評価機構のような天下り特殊法人がからんでくる。特殊法人にも、かなりの有形無形の旨みがあるのだろう。

出発点の理念は間違っていないが、実現すると、このように民間保険会社と天下り官僚が甘い汁を吸う構図になるケースの典型だ。

How to build the mental cache?  

Atsuさんが、興味深いサイトを発掘して、紹介されている。Fabian DJ1YFKの主宰するLearn CW Online LCWOというサイトだ。

私は、CWをトレーニングするほどの若さがないので(笑)、中身はまだ読んだり、試みたりはしていないのだが、Forumで、Fabian利用者の間で行われている議論が、興味深い。

ランダム符号発生プログラムで、受信練習をしているという方が、上記のタイトルで質問を投げかけている。受信中に、脳内の記憶キャッシュが足りなくなってしまうという疑問だ。それに対して、Fabienは、考えることを止めて、反応することに集中することだと答えている。高速のランダム符号受信に際しては、Fabianの言うとおりだろう。

しかし、問題は、記憶の容量である。実際の交信では、それこそ長ったらしい単語がしょっちゅう出てくる。Mediterraneanとか、accomplishとか・・・。これらの単語を、文字列として記憶することは、難しいことだ。過去にさまざまなところで述べたことだが、単語を文章のなかの構成要素として捉え、その単語の綴りすべてを受信する前に、意味から推測し、また単語の綴りの一部から、全体を推測することが必要なのだ。

そのためには、英語の知識がどうしても必要になる。結論としては、当たり前のことになるのだが、必要最小限の英語の知識が必須だ。上記の問答では、ランダム符号受信なので、これは関係ないが、アマチュア無線家にとって、ランダム符号受信は本来必要のない技量である。文章を受信し、意思疎通することが大切な技量になる。

こうしたことは、ネーティブスピーカーまたはそれに準じた国の人々にとっては、自明のことなのだが、英語が外国語である我々にとっては、大切なことだ・・・なのに、それについては、あまり論じられない・・・最近号のCQ誌の記事を参照されたい。コンテストとアワード集めを熱心にやっていれば、その内暗記受信ができるようになると誤まったことが述べられている。

PCを利用した訓練法は、「正解」がすぐに分かる点が優れているが、やはりオンエアーでの実地とは違う。ワッチしながら、訓練することは、実際の力量・マナーを高める上で、PCによる訓練とは違う意味がある。実地訓練の必要性、楽しさを強調する記事・論文が出てよいものだと思うが、なかなか目にしない・・・。

Fabianは、FOCの若手メンバー。FOCの曲名録に掲載されている写真から判断すると、20歳代のばりばりの若手ようだ。CWの伝道師として頑張ってもらいたいものだ。

厚生労働省官僚の臨床「研修」 

厚生労働省には、医系技官という医学部卒医師免許を有する官僚がいる。医療行政の要を担っている。しかし、その採用基準は、卒後5年以内であり、臨床をしていたとしても、ほんの僅かな経験でしかない。そのために、臨床現場を右往左往させるだけの法律・通達が彼等の手によって生み出されている。

そうした弊害を除くために、彼等医系技官に、「臨床研修」を行わせることになるようだ。

しかし、その中身は・・・1週間の基礎的な研修後、週一回休日・夜間救急にあたる。期間は4ヶ月とのこと。

これでは、単なる見学以外のなにものでもない。研修というのは、学び体験して自分のものとする作業のはず。こんな研修は、有害無益だ。研修する技官、その周囲に、臨床研修を行ったという思い込みを植えつけるだけだ。

休日・夜間救急を一日一晩行ったあと、翌日の通常業務を是非行ってもらいたい。手を下さなくても良い。指導する医師が、睡眠をとれずに、翌日どれだけの責務をこなしているのか、それがどれだけ危険なことであり、医師に精神的・身体的な負担を与えているのか、実地に理解してもらいたい。労働基準局安全衛生部の官僚にとっては有益な経験になるに違いない。

また、診療所が地域医療をになってどのように仕事をしているのかも是非知ってもらいたいものだ。

この公表された研修プランを知って、官僚が、医療をどれくらいいい加減に見ているかが、よく分かった。これでは、医療は崩壊せざるをえないだろう。

官僚への批判をかわす見せ掛けのパフォーマンスなのか・・・。



以下、日経より引用~~~

厚生労働省は3日、医系技官として採用した職員について、医療機関での 現場研修を試験的に実施すると発表した。「医療の現場を知らない」との批判がある医系技官に経験を積ませ、医療行政に対する国民の信頼回復に役立てる。

8日から国立国際医療センター(東京・新宿)で医系技官の研修を開始する。 医薬食品局食品安全部の課長補佐と労働基準局安全衛生部の専門官の2人を派遣。 1週間の基礎的な研修を終え、その後は週1回程度、休日・夜間の救急対応に当たる。派遣期間は4カ月程度になるとみられる。

厚労省の官僚には事務系の職員のほかに、大学医学部卒の医系技官がいる。 医療現場の経験を積んでいない医系技官もいるため、医師団体などから批判が出ていた。 舛添要一厚生労働相も7月にまとめた「5つの安心プラン」の議論の中で、 医系技官に現場研修を積ませる意向を示していた。

介護現場の崩壊 

介護の現場は、肉体的に厳しく、収入が低い。そのために、介護職を志望する学生が減っているらしい。厚生労働省の役人は、生徒や教師に介護職の説明会を行うらしい。一体、何をアピールするのだろうか。この説明会では、介護職の夜勤回数・離職度数・腰痛頻度・収入のデータを開示すれば、さぞかしアピールするであろうと、医療系某BBSにはあった。ブラックユーモアだ。厚生労働省の役人は、一体何をアピールしようというのだろうか?

これは介護だけの問題ではない。国は、医療費を抑制し続け、昨年は、ネットの医療費がマイナスに転じたらしい。高齢化と医療の高度化が進むなかで、医療費がマイナスに転じたということは、医療が経済的に破綻する方向に向かっていることを意味する。その一方で、医師不足(これすら、官僚はまともに認めてこなかった)なので、医師を増産するという、短絡的な施策を実施するようだ。医師という仕事の高度の専門性と、やりがいは、若い人々を引き続き惹きつけ続けることだろう。この点は、介護職とは違うかもしれない。しかし、単純な医師増産策をとり、医療費を削減し続ける国と官僚は、医師に、さらに低収入で仕事をしろと言っているも同然だ。

サッチャー政権下の英国医療が、低医療費政策のために崩壊したときに、英国の医師は外国に逃げ出した。日本では、そのような事態にはならないだろうと、官僚は高を括っているのかもしれないが、果たしてどうだろう?きつい労働と、訴訟の恐怖それに低収入となれば、医師は、日本に留まり続けることは決してないだろう。

その時、医療の現場は、現在の介護現場と同じになる。



以下、引用~~~

今春入学者は定員の46% 介護福祉士の養成校 「低収入」などで敬遠 将来の労働力不足も
08/09/02
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 高齢者や障害者を介護するための国家資格「介護福祉士」取得を目指す学生を養成する全国の大学や専修学校などで入学者の定員割れが深刻化し、2008年度の定員全体に占める実際の入学者の割合(充足率)は45・8%と半分を下回ったことが1日、厚生労働省の調査で分かった。

 背景には、仕事の肉体的なきつさや労働実態に見合わない「低収入」などで就職先として魅力がなくなり、保護者らの反対で進学を敬遠する動きが指摘されている。介護専門職の人材を育てる養成校で大幅な定員割れが続けば、将来の労働力不足が懸念され、介護サービスの質の維持にも影響が出そうだ。

 08年4月1日現在の大学や短大、専修学校など国が指定する養成校434校の定員数2万5407人に対し、入学者数は計1万1638人。

 充足率は、厚労省が集計を始めた06年度に71・8%(入学者数約1万9300人)、07年度は64・0%(同約1万6700人)と低下に歯止めがかかっていない。

 学校種別では、学校数が多い順に専修学校で41・3%(07年度は59・9%)、短大で51・0%(同69・3%)、大学で67・1%(同85・2%)、高校専攻科で17・5%(同43・3%)。

 04年に約100万人だった介護サービスの職員数は、14年には140万-160万人が必要とされる。入学希望者を増やすため厚労省は来年度から、介護現場の経験者らが中学、高校の生徒や進路指導の担当教師にアピールする説明会を開く。

 一定の研修や実習で比較的簡単に資格を得られる介護ヘルパーに対し、より高い専門性が求められる介護福祉士は、専修学校などの養成校を卒業するか、3年以上の実務経験などの条件を満たして国家試験に合格する必要がある。