日曜日の午後、仕事場で・・・ 

今日も、仕事場で救急患者のお相手、その後、撮り貯めたクラシック番組を見ながら、スタッフのボーナス計算、それに患者へのお知らせを作った。今流れているのは、リヒャルトシュトラウス ソプラノの作品「あすの朝」作品27の4。優しく豊穣なバイオリンソロに乗せて、ソプラノ リサ ラルソンが、陶然とさせるような愛の歌を歌っている。オケはN響。 

年末年始は、30日午後から2日まで休むことにした。休み中も急患で呼ばれるし、休み前後で反吐が出そうに忙しくなるので、できれば全く休まずに仕事したいのだが、スタッフを休ませないといけないので、一応上記の休みにした。開業当初数年間は、365日、仕事場に足を運ばない日はなかった。それは、経営のためでもあったが、患者さんのニーズに対応するためでもあった。しかし、もうそんなことをする気力は失せているし、すべきではないのだろう。

金子勝著「閉塞経済ー金融資本主義のゆくえ」を読み進めている。1980年からほぼ10年毎に繰り返されてきた、バブル経済の破綻。今回の、グローバル化と証券化金融商品の氾濫によるバブルは、想像を絶する規模であり、それを統御することは政治にも、経済界にも出来ていない(いなかった)ようだ。金融緩和によって対応しようとしている主要先進国。特に米国は、資金の還流を受けられなくなり、今までのような大量・過剰消費を続けられなくなる。米国の過剰消費によって牽引されてきた世界経済も停滞を余儀なくされるという構図なのだろう。これからの世界が、今回の未曾有の規模のバブル後遺症によって、何年もの間苦しみ続けることになるだろう。大体において、それから立ち直ることができるのだろうか。

仕事場の欅。紅葉もピークを過ぎ、落葉が始まっている。

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ランニングについて 

WWコンテストは、結構良いCONDXに恵まれているようだ。夜間の7メガは、ヨーロッパと北米が入り乱れて入感していた。山の上にビッグアンテナを上げている、近くのクラブ局の運用振りをしばらく聞いていた。北米と、ヨーロッパに交互に呼ばれて、ビームを回すのが大変だろうなと思った。

恐らく、PCのコンテストログに内蔵されたメモリーキーボードキーイングなのだと思う。ミスキーイングはなく、丁度良い速さでランニングしている。

問題だと思ったのは、交信が終了するたびに、画一的に、自分のコール・TESTと打っていることだった。ランニングする上で、常套的な運用方法だが、CONDXが良くて、3,4局以上から呼ばれている場合は、これでは能率が上がらなくなる。恐らく、メモリーのボタンを機械的に押し続けているのだろう。

何が問題かと言えば、一つは、余分な時間を費やしてしまうこと。さらに、呼ぶ局をさらに増やしてしまい、混信が酷くなり、ますます効率が落ちる可能性もある。

コールする局が増えてきた場合、IDを出すのは、2,3交信に一回で十分だ。それだけスピーディに捌いていると、呼ぶ局は一定の数になり、交信効率が上がる。あまりもたもたしていると、呼ぶのを止めてしまう局が出てきてしまい、ランニングが途中で途切れることになりかねない。

ランニングをする際に、IDを出す回数を調節することによって、呼ぶ側に呼び続けさせるように誘導することが必要になる。一種の心理的なゲームだ。それがコンテストの面白みの一つなのではないか。私がランニングする側に回ったのは、もう10数年前、ハイバンドのCONDXが良かった頃、北米相手での経験だった。その経験から、呼んでくれる相手の心理を読みながら、ランニングをマキシマムの効率で続けることが大切で、コンテストの大きな楽しみだったと言える。

もう一つ、相手のコールを確実に一回で取る受信能力も言わずもがなのことだが、大切だ。同じ信号強度の局が、同一周波数で重なって呼んでくる場合、一局のコールを正確にとることは難しい。が、実際には、数十Hzの範囲にバラけていることも多い。その周波数差から、コールを確実に取ることが要求される。呼び手が、コールを二回程度繰り返す時間内にコールを取らないと、その後は、相手が入り乱れてコールを続けることになり、収拾がつかなくなる。そうすると、呼ぶ側にストレスが生まれ、やがて呼び手は去っていってしまうものだ。

と、まるで一端のコンテスターのような口を利いてみたが、もうあの熱狂と疲労と眠気の世界に戻る積りはないし、戻れないだろう。

結局、一局も呼ばずに、ビッグスイッチを切った。

医師は、怒るべきではないか? 

妊婦が脳出血により死亡した事例を受けて、墨東病院産科では、当直2人体制を、年始まで続けることにしたようだ。常勤医の当直回数は、月8回に上るらしい。当直前後の日には、通常業務があるから、要するに、休みはなし、ということだろう。

年始まで、というところをどう捉えるかだが・・・患者さん達のなかには、年始までの一時的なことなのかとがっかりされる向きももしかしたらあるかもしれない。また、二階さんが、モラルが低いとか言い出すのではないか。

が、医療従事者としては、ここまで頑張らなくても良いのではないか、周産期医療センターの看板をとっとと降ろした方がよくはないかと申し上げたくなる。中で頑張っている先生方には大変失礼なことかもしれないが、頑張れば頑張るだけ状況は悪化するのではないかと心配になる・・・。



以下、引用~~~

墨東病院:年始まで産科医の当直2人体制を維持
08/11/28
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

墨東病院:年始まで産科医の当直2人体制を維持 /東京

 都立墨東病院(墨田区)の総合周産期母子医療センターで産科医が不足している問題で、都は27日、12月1日から来年1月4日までは休日を含め2人当直体制を維持すると発表した。新たな産科医が確保できたわけではなく、非常勤の医師をやりくりして対応し、4人いる常勤医の12月の当直回数は8回程度になるという。

 都病院経営本部は「引き続き常勤医の確保に努力したい」とコメントしている。【須山勉】

引用終わり~~~




一方、墨東病院の近くの江東区では、都から土地を譲り受け、それを民間に譲渡、新しい総合病院を建てる算段をしているらしい。上記の事例を受けての対応なのだろう。

果たして、十分な医療スタッフが、その民間病院に集まるのだろうか。またしても、箱もの作り先行の旧態依然とした政策なのではないだろうか。救急医療の充実のために、道路を建設するという発想と似たり寄ったりなのではないか。きっと、政治家や官僚にとって旨みのある公共事業の種なのだろう。

墨東病院産科では、労働条件の改善はなされず、医師達がぎりぎりの孤軍奮闘をしている

医師は、黙って耐えていてはいけないのではないだろうか。



以下、引用~~~

病院用地、都から買収 人口急増、救急対応を強化 東京・江東区
08/11/27
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

江東区:病院用地、都から買収 人口急増、救急対応を強化--方針 /東京

 江東区の山崎孝明区長は26日、人口が急増する区南部に急患などを受け入れる総合病院を建設するため、同区豊洲5の都有地(1・5ヘクタール)を取得する方針を明らかにした。区内の産婦人科医院に通院していた女性が先月、妊娠中に脳内出血となり、死亡した問題を受け、早期の建設が必要と判断した。

 区によると、都有地は未開発の更地で、区が都から買い取った後、民間の病院事業者に売却し、民間病院を建設してもらう予定。区が4日、妊婦死亡問題を受けて都に土地の提供を申し入れ、都側は「早急に検討する」と前向きの姿勢を示しているという。

 江東区は、南部でマンション建設が相次ぎ、人口が年間1万人のペースで増えているが、出産を扱う産婦人科は区内に3診療所があるだけ。人口が増える南部には特定医療の専門病院しかない。山崎区長は「周産期医療や救命救急医療を担う、できるだけ多くの診療科を備えた病院を建設してもらえるよう、環境を整備したい」と話した。【前谷宏】


ロギングソフト導入? 

開局以来、何局交信したのか、分からない。ログは、既製品ではなく、普通のノート(統計用ノート)を用いている。既に、90数冊目だ。一回の交信で、数行、場合によっては、半ページ用いることもある。問題は、過去の交信の記憶が、とても覚束なくなっていること。

先日、K7MOAと7メガでお会いした。のんびりとしたバグキーでの送信。古きよき時代を思い出させてくれる。何度かお目にかかっていたことは分かっていたが、名前も失念。Keyというハンドルだった。サンディエゴ近くのCarlsbadに在住の61歳。あぁ、以前の交信で、Carlsbadというと温泉リゾートなのかと尋ねたことがあったなと思い出した。彼は、Univ Calif San Diegoで教授をなさっているらしい。ベアフットにR8バーチカルだが、強力。

最近は、CWでのんびり交信を楽しむ方が減ったという点で、意見が一致。昔は、北米と日本が開ける時間帯には、必ずラグチューに華を咲かせる人々がいたものだが・・・と。彼は、そこでPCログを立ち上げたらしく、我々の1st QSOは、1967年だったと教えてくれた。41年前だ・・・。

一台ラップトップが遊んでいるし、PCログに交信記録を入力しようかなと改めて思い始めた。できるだけ入力が簡単なもので、交信データそのものではなく、相手の個別データをできるだけたくさん入れられるソフトを見つけなければいけない。XU8DXのQSLマネージャーをしている時に、DXlogだったか、Wから取り寄せて、DOS/V上で動かしていたが、やはりWindowsで走るものになるだろうか。入力がネックになるが、過去の交信記録の一部を記した現用中のINDEXノートも、もうぼろぼろだ・・・考えないとまずい・・・。

といったことを考えながら交信を続けていたが、彼は仕事に出かけるといって、HAPPY THANKS GIVINGの挨拶を送ってきた。今日があちらのTHANKS GIVING DAYだ。沢山の米国国民が休暇に入っていることだろう。

病気になるのは悪いことらしい 

まぁ、マスコミ、それも全国紙の報道だから、まともに取らない方が良いのかもしれないが、麻生首相が、経済財政諮問会議で、病気になって医療保険を使う人のために医療保険保険料を払いたくないというニュアンスの話をなさったらしい。

前科を考えると、さもありなんという発言だ。それも、経済財政諮問会議の席上だからなぁ・・・。

まぁ、マスコミ、それも全国紙の報道だから、まともに取らない方が・・・以下、略。


以下、引用~~~

首相「何もしない人の医療費、なぜ払う」、諮問会議で発言

 麻生首相が20日に開かれた政府の経済財政諮問会議で、社会保障費の抑制を巡って「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言していたことが、26日に公開された議事要旨で分かった。

 与謝野経済財政相が社会保障費の抑制や効率化の重要性を指摘したのを受けて、首相は出席した同窓会の話を紹介しながら「67歳、68歳で同窓会にゆくとよぼよぼしている。医者にやたらかかっている者がいる」、「彼らは学生時代はとても元気だったが、今になるとこちら(首相)の方がはるかに医療費がかかってない」とも発言した。

 健康を維持し、病気を予防することが社会保障費を抑制することにつながることを強調する“麻生流”の発言とみられるが、病気になって医療費を支払う人が悪いとも受け取れる発言で波紋を呼びそうだ。

(2008年11月26日23時36分 読売新聞)

未熟児医療のドタバタ 

NICUの勤務は、ハードだ。分娩時から、NICU医師の仕事は始まる。リスクの高い分娩では、分娩室・手術室に入り、出生直後の赤ちゃんの蘇生を受け持つ。その後、赤ちゃんに付き添ってNICUに搬送。気道確保(これは分娩直後に行なうことが多い)・呼吸管理・血管確保等の処置を分の時間単位で行なう。多胎の場合等は、その忙しさは倍増する。こうした処置が、赤ちゃんのその後の経過に大きく影響するので、全く気が抜けない。赤ちゃんの状態が上向くまで、2,3日泊り込みで、徹夜に等しい仕事が続くことも多い。

それでも、治療効果が上がると、赤ちゃんは持ち前の生命力ですくすくと育ち、ご両親から感謝されることが、NICUの医師の生きがいなのだろう。しかし、そうはならずに、何週も悪戦苦闘が続くことも多い。

NICUの第一線でのハードな仕事は、50、60歳になってまではとても続けられないと思う。管理職になる医師もいるだろうが、多くの場合、未熟児医療の現場を離れて、開業をするのではないだろうか。ところが、小児科の開業は、現在冬の時代である。小児科を専攻し、未熟児医療を専門とすることは、一人の医師の生涯設計の観点からは、かなり厳しい選択になるのではないかと思われる。

一方、NICUベッドが足りないから、その病床建設に金をつぎ込んだ、しかし人(小児科医)が集まらないという自明の経過であたふたしている埼玉の状況が、下記の報道だ。

まず考えるべきは、小児科医をいかに招聘するのか、ということなのに、役所のやることは、箱もの作り、またはそれに順じた作業だ。川口市立医療センターの方の言う、コントロールセンターというものがどれだけ有用なのかは分からないが、NICUに従事する医師の絶対数が足りないということには変わらないのではないか。

一方では、医師の生涯設計の観点からは、小児科医をとてつもなく厳しい状況においておいて、一方では、NICUに従事する小児科医の不足を嘆く。不謹慎ではあるが、何か可笑しくなってくるようなドタバタではある。


以下、引用~~~

埼玉県内のNICU事情 常に満床、医師不足で休止も
08/11/25
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


妊婦受け入れ拒否死亡:県内のNICU事情 常に満床、医師不足で休止も /埼玉


 ◇県の補助施設、稼働せず 現場は「まず限られた資源活用を」

 東京都で脳出血を起こした妊婦が8病院に受け入れを断られて死亡した問題で、断られた理由の一つに新生児集中治療室(NICU)が満床だったことが挙げられている。県内も、埼玉医科大などに計83床あるが、常に満床状態。県はNICUの増床を打ち出したものの、新たに設備を整えても今度は医師不足で稼働できない病院が現れるなど、深刻な状況が続いている。【稲田佳代】

 自治医大さいたま医療センター(さいたま市大宮区)に今年3月新設された南館4階のNICUは、完成から8カ月たった今もがらんとしている。今年度から地域周産期母子医療センターとして活躍が期待されていたが、肝心の医師が集まらないためだ。

 センターによると、NICUは最低6床を予定し、24時間医師が付きっきりの体制を取るため、稼働させるには小児科医、産婦人科医がそれぞれ約20人必要という。現在は小児科医4人、産婦人科医9人。川上正舒(まさのぶ)センター長は「医師の取り合いで、来ると思っていた人が急にやめることがあり、人員をそろえるのが難しい。できるだけ早くスタートさせたいのだが」と語る。

 センターのNICU整備が決まったのは03年10月。県は20億円の制度融資と、施設建設と設備の補助を06年度に計約6125万円行っており、「5年前から進めてきた計画なのに、まだ開設できないとは」とため息を漏らす

 県の試算によると、県内のNICUは最低あと39床が必要。しかし、今年2月にも埼玉社会保険病院(同市浦和区)が医師不足のため10床を休止し、状況は悪化している。上田清司知事は10月28日、東京都の問題を受けて09、10年度にNICUを10床ずつ増やし、11年度までに120床を目指すと発表。「県としても予算をつけて支援したい」と述べた。

 これに対し、川口市立医療センターの栃木武一病院事業管理者は講演会で、「医師不足なのに、こんな絵に描いた餅ができるなら東京都も困っていない。(今年度の)7000万円の予算も少なすぎる」と批判。むしろ、広域で搬送先を決定するコントロールセンターの構築を急ぐよう訴え、「どこの地域でもいいからモデル的に始めるべきだ。医師を増やすにも10年かかる。今の少ないマンパワーと限られた周産期医療の資源を活用する方法をもっと考えるべきだ」と話している。

ヨーロッパ周りの北米中部へのパス 

今朝、仕事に出かける前に、少しだけと思って、リグの前に座った。7メガ、7時20分頃、ビームは南アフリカ方面に向けた。さすがに北米へのロングパスは、終わっているような様子だった・・・が、7008KHzで、・・・K0RF KというID送信を受信。フラッターを伴う安定した信号だ。あら、まだロングパスが生きているのかと、しばらくその周波数をワッチし続けたが、Chuck K0RFと思しき信号は、その後再び聞こえることはなかった。

14メガに移ると、カリブのコンテスト準備組がいくつか聞こえ、パイルを浴びていた。2,3局、北米の局と交信を終え、さて、そろそろ仕事に向かおうかという時、Chuck K0RFが呼んできた。お嬢様が、バレーボールで活躍していることにお祝いを申し上げた。いつものGeo W0UAが、丁度シャックに入ってきたといって、オペレーションの椅子にGeoが代わって座った。WWSSBと、SSCWのPCログのtypoをチェックしていたらしい。

私が7メガでK0RFを聞いたことを伝えると、そうだ、バンドは開いているとの返事。それも、ロングパスではなく、ヨーロッパ周りのパスらしい。そう言えば、コロラドのような北米中部にロングパスで開けることはまずないはずだ。ヨーロッパ周りのパスは、理論的には十分ありうる話しだ。丁度、南太平洋周りの北米東部へのパスが、夕方に起きるように・・・。この時間帯(日本時間の朝)、CONDXが極めて良いと、7メガでは、北米西部へのショートパスが例外的に開ける。実際、交信したこともある。ヨーロッパ周りの西向きのパスとしては、アフリカ西海岸へのパスを聞いたことはあったが、北米中部にも開けていたとは驚きだった。実際、今朝、ChuckはJA7DLE局等、2,3局、このパスで交信したようだ。

8時を十分すぎた時刻だったが、まだそのパスが生きている、7メガに戻ろうかと訊かれたが、外来で、泣きべそをかいている子ども達が待っているから、とその場でお別れした。

7メガのこの時間帯は、南米・アフリカ・オセアニアにも開けているはずで、全世界が、電離層で繋がっているということになる。・・・これを、魅力的な現象と感じるのは、アナログ・時代遅れ世代だからか・・・。





7メガロングパス今季初体験 

7メガの朝の北米へのロングパスを、ようやく今朝、今季初めて経験した。6時半過ぎから7時15分くらいまでの間、かなり強力に入感していた。オハイオ等の少し内陸の州からの信号も入っていた。少し弱くて、強烈なエコーを伴う信号は、指向性の小さなアンテナを使っている局。ガツンと入るのは、ビーム組だろう。ゆっくりと話しが出来ないのが残念だが、インド洋からアフリカ南端を経て、大西洋を越えて来た信号だと思うと、自然の神秘に触れる思いがする。

14メガも北米方面に盛大に開けていた。JA3CZY Elvin氏が、SSBでW相手にElvin劇場を展開している。私は、黙ってパドルを叩く。

冷えてきた。急患10数名の相手をした。そろそろ、自宅に戻ろう。

通勤路、道端にある立派な庭に立つ銀杏。初冬になって、燃え上がるような紅葉を見せている。

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丁寧な診療は、遠くなり・・・ 

今日も、午前中、数名の患者さんの親御さんから連絡があり、10時過ぎに仕事場に向かった。普段、別な医療機関にかかっている患児の家族の受診要請には、よくお話して、かかりつけ医療機関に行って頂くようにしている。

二人の乳幼児を抱えたお母さんがどうしても診て欲しいということで断りきれずに、診せていただいた。咳と鼻水が止まらず、夜も眠りにくいということだった。別な医療機関では、抗生物質と去痰剤等を投与されていた。鼻腔所見から、アレルギー性鼻炎はほぼ確実。同じ症状を繰り返しており、運動によって咳が生じることから、気管支喘息の一種が疑われた。母子家庭であり、母親が、その両親と同居しているらしい。家族何人かがタバコを嗜んでいる。

症状を記録すること、咳や鼻水を「風邪」の一言で片付けないこと、小児科医に診てもらうこと(私の仕事場に続けてくる必要はないこと)、咳が酷いときは、夜間部屋を暖め加湿すること、受動喫煙の害について説明したうえ、受動喫煙は是非止めること、投与する薬の説明等々をじっくりした。ご家族のことも詳細に伺った。40分は優にかかっただろうか。あまり混んでいない休日だったから、これだけ時間をかけられる。

しかし、通常のウィークデイの外来ではこれほど詳細にはなかなか説明できない。患者さんが多く、こんなことをしていたら、収拾がつかなくなる。さらに、これだけ時間をかけると、経営上やってゆけないのだ。私が、一人の患者さんに費やす時間は、私だけがその患者に時間を費やしているのではない。いわば、仕事場のスタッフ全員が、その患者さんに拘束されていると考えるべきなのだ。それに対応する診療報酬が、あまりに少ない。

丁寧な診療を行なえと官僚は言うが、それを心がけても、そうした診療を実行するための経済的な担保がないのだ。私自身は仕事上の借金はすべて返済し、もう引退を考える時期にきているので、そうした経済的な観点を第一にする必要は、幸いなことにないのだが、一般論で言えば、現在の診療報酬体系では、「丁寧で、出来る限り安全な医療」を提供することは難しくなってきているのではないか、と感じている。

中医協で、健康保険組合側の委員は、理不尽な「5分間ルール」だけを検討することはしない、むしろ診療報酬、特に診療所の診療報酬を引き下げることを検討すべきだと表明している。恐らく、その方向で診療報酬がさらに引き下げられていくことだろう。

結局、官僚と財界は、国民への医療を窮乏化させようとしている。それなりの医療だけで良いのだ、というのが彼等の意向なのだ。

その先には、国民の資産・収入に応じて松竹梅の医療メニューが準備されることになるのだろう。そうした方向に医療を進めようとしていることは、国民には知らされていない。

患者さん一人一人のバックグラウンドをよく理解し、状況に応じて丁寧な説明をし、経過を的確に把握し、診療する・・・そうした医療をいつも行いたいものだが、それは現状では到底無理なことなのだ。

そういえば、「5分間ルール」をでっち上げる際の「根拠」は、「救急外来における診療時間」だったけなぁと思い出し、苦笑いしたのであった。

単純な、それでいて重大な・・・ 

薬品の取り違え投与によって、患者さんが死亡するという事故が起きた。サクシゾンというステロイド剤を、サクシンという筋弛緩剤と取り違えたものだ。単純なミスだが、重大な結果になったもので、痛ましい限りだ。

この事件を、業務上過失致死として立件するかどうか、警察が調べているようだ。この過失を犯した医師に一義的な責任があるが、問題はそれだけではない。

まず、これら二種類の薬品名が、紛らわしいことは以前から問題にされていた。こうした紛らわしい薬品名の薬品を市場に流通させ続けているシステムエラーがある。こうした思い込みによる過失は、人が扱う限り必ず起きる。それを放置している監督官庁の責任は大きい。

さらに、この事故を起した当直医がどのようなシフトで仕事をしていたかも問題にされるべきだ。本来、当直とは、ほとんど仕事をせずに済み、睡眠も取れる勤務状態を意味するが、実際は、日中の業務と同じ内容の仕事を行ない、睡眠がほとんど取れない夜間労働になっている。当直医は、当直前後の日中の勤務を含め、36時間連続労働を行なうことが常態になっている。そうした医師の労働環境を是非調べてみて欲しいものだ。

さらに、こうした単純でありながら、重大な結果に結びつく過失が、他の医療従事者ないし医療機関内のチェックシステムによって何故未然に防げなかったのかも検討されるべきである。医療機関内のシステムエラーの問題だ。

当直医だけの業務上の過失の問題に留めてはならない。同じ痛ましい事故を防ぐためには、上記の点を徹底して検討し、改善する必要がある。


以下、引用~~~

当直医らを聴取:名称似た薬剤取り違え 健保鳴門病院
08/11/21
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


健保鳴門病院の医療事故:名称似た薬剤取り違え 鳴門署、当直医らを聴取 /徳島



 ◇70歳患者死亡

 健康保険鳴門病院(鳴門市撫養町黒崎)で明らかになった薬剤の誤投与による医療事故。筋弛緩(しかん)剤を点滴された患者が死亡する深刻な事態に、19日夜会見した増田和彦院長は「事故を繰り返すことのないよう、医療安全への取り組みを見直し、再発防止に努める」と述べ、謝罪した。病院から届けを受けた鳴門署は、業務上過失致死の疑いもあるとみて、当直医ら関係者から事情を聴いている。【岸川弘明、深尾昭寛】

 死亡したのは、10月下旬から肺炎などで入院していた鳴門市内の男性患者(70)。病院によると、男性は近く退院できる状態まで回復していたが、17日午後9時過ぎに39・4度の高熱を出した。通常の解熱鎮痛剤では喘息(ぜんそく)発作を起こす患者だったため、女性当直医が解熱効果のある副腎皮質ホルモン剤「サクシゾン」の処方を決めた。

 当直医は電子カルテから薬剤を処方するため、コンピューターに「サクシ」と入力。検索結果の画面には筋弛緩剤「サクシン」のみが検出され、当直医は十分確認せず200ミリグラムを処方した。サクシンは手術時の麻酔などに使われるが、毒薬指定されており大量投与では死に至る可能性もあるという。

 薬剤師は使用目的を把握せず「通常の使用量を逸脱していない」と判断しサクシンを調剤。筋弛緩剤の使用を不安に思った看護師は「本当にサクシンでいいんですか」「どれくらいの時間で投与するのですか」と確認したが、サクシゾンと思い込んでいた当直医は「20分くらいで」と投与を指示したという。

 点滴後、病室を見回った看護師が午後11時45分ごろ、男性の異変に気付き医師や家族に連絡。男性は呼吸停止し、心臓マッサージや人工呼吸が施されたが18日午前1時45分に死亡が確認された。死因は急性薬物中毒による呼吸不全とみられる。

 名称が似た二つの薬剤を取り違える医療事故は過去にもあり、厚生労働省が注意喚起していた。00年11月には、富山県内の病院でサクシンを注射された男性患者(当時48歳)が死亡。その際、医師は「サク」の2文字で薬剤を検索していた。鳴門病院でも取り違えを防ぐため、5年ほど前からサクシゾンを取り扱っていなかったが、今春着任した当直医は事情を知らなかったという。

Roger WB0CMZ逝く 

今朝、KL7RGというコールの方、 Rich、からメールがあり、私のメルアドを確認して来た。メルアドはその通りだと返事した。追うようにして、Roger WB0CMZが、事故により亡くなったとの知らせが、彼から届いた。事故を伝える地元のネットニュースはここ

まだ、53歳の働き盛り。同じ小児科医として、無線で会うたびに、話しは尽きなかった。以前にも、記したと思うが、彼と最初に会ったのは、彼がニューメキシコの先住民居住区で小児科医として仕事をしていた頃だった。1980年代始めの頃だったろうか。当時、大学に勤務していた私は、彼に英語論文の添削を頼んだりしたものだった。

その後、彼は、CDCに移り、疫学の研究をしていたようだ。再びお目にかかるようになったのは、2000年前後だったか。10数年ぶりの再会で、互いに大いに驚き、喜んだものだった。アラスカに移り、やはり先住民の子ども達のケアを熱心になさっていたようだった。2,3年前に会った時には、お嬢様が東部の大学に行く話しを楽しそうにしておられた。仕事にもまだまだ熱心に取り組んでおられた様子だった。

ネットニュースによると、亡くなった日も診る予定の患者さんで一杯だったようだ。先住民の小児医療に熱心に取り組んでいた、彼のようなかけがえの無い人物が、このように早い年齢で、生を終える。この事実を一体どのように受け止めるべきなのだろうか。

彼が、生前私と交信すると何時も嬉しそうにそれを報告してくれたものだったと、彼の死を知らせるメールの最後に、Richは記していた。きっとそれで私にも連絡を下さったのだろう。

遺されたご家族にお悔やみの手紙を出そう。


Tonight, I got another e mail from Rich KL7RG, who had told about some friends of Roger's having found this blog. I would like to translate this entry into English. Any comments would be accepted without the image password system for a while I would expect comments from overseas, possibly from Roger's friends.

I am surely missing him.

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This morning, Rich KL7RG has asked me by an e mail if the mail address belongs to me or not. My answer was immediately followed by a sad news that Roger WB0CMZ had killed by an accident. The local net news site reporting his death is here.

He was only 53 years old at his tragic death. It was the age an experienced pediatrician like him could work most actively. We used to talk a lot on many things whenever we met on the radio. As I have written elsewhere, it was early 80s when we met first on the air.He was working as a pediatrician at a native residential area in New Mexico. I wa working at a med school hospital. He used to help me correcting my medical papers.

Thereafter, he has moved to CDC in Georgia, where he made some research work in epidemiology. Was it around 2000 when we ran across again on the air? It was a contact after absence for a decade or so. Both of us were so pleased with much surprise. He told me he had moved to Alaska and had been serving for the native children there. In a QSO several years ago, he used to tell me delightedly that his daughter was going to a unversity in the east coast. According to my last entry in this blog regarding him, he was thinking to retire and go on research career. However, he still looked to be enthusiastic for his present work.

The net news reporting his death tells us that he was supposed to see a lot of patients at a clinic on the day of his passsing. A pediatrician serving hard for the native children like him is forced to put an end to his life at so young age. How could I accept the fact?

Rich told me in the end of his mail that whenever he met me on the radio, he used to pleasantly tell him on it. That may be why he let me know on his death.

I would like to write a mail of condolence to his family.

Shin Onisawa
JA1NUT

e mail address; CYU00527-at-nifty.com
Convert "-at-" to @ when sending a mail to this address.

民放連会長、奥田発言を擁護 

トヨタ自動車相談役、奥田碩氏は、厚生労働省のマスコミによる批判に対して、スポンサーを降りてやると擁護発言をしたのは、先に取り上げた通りだ。具体的には、社保庁叩きの番組を指して言ったらしいが、スポンサーとしての権力で番組の内容にあからさまな干渉をした点で大きな問題だった。

民放連会長が、彼の発言を批判しないで、むしろ自己規制をさせるかのような発言をしている。出演者の過激な発言に節度を求めるという言い方だが、何が過激なのか、節度とは何か不明であり、この発言が、番組制作現場に与える影響は、かなり大きいのではないだろうか。

官僚による、マスコミを利用した世論誘導の問題の方が、圧倒的に大きな問題だと思うのだが、この民放連会長の発言は、報道現場をそれとは逆な方向に向かわせるものだ。

民放を束ねる存在として、もう少し骨のあることを言えないのだろうか。わざわざ、奥田発言に歩調を合わせる発言をする必要があったのだろうか。スポンサーの顔色も怖いのかもしれないが、最終的には視聴者・読者にソッポを向かれたら、マスコミはお仕舞いだということが分からないのか。



以下、引用~~~

民放連会長「テレビも節度が必要」、奥田氏の批判発言で

 日本民間放送連盟の広瀬道貞会長(テレビ朝日相談役)は20日の記者会見で、奥田碩・トヨタ自動車相談役がテレビ番組の厚生労働省批判に不快感を示して「スポンサーを降りてやろうか」と発言したことに関連して、「出演者の中に感情にだけ訴える過激な発言もある。テレビの影響力の大きさから言えばある種の節度が必要かなという気もした」と述べた。

 奥田氏は座長を務める「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」の会合で12日、「テレビで朝から晩まで年金や保険のことで厚生労働省たたきをやる。あれだけたたかれるのは異常だ。正直言って、(番組の)スポンサーでも降りてやろうかな」と述べた。

(2008年11月20日20時16分 読売新聞)

常識を欠くのは誰か? 

首相が、医師の多くが常識に欠ける、自分とは波長が合わないと述べた。彼が経営する福岡県の飯塚病院での経験から、そのように判断したらしい。

ある職種の人々(の大多数)に、特定のレッテルを貼るような発言をすること自体が常識に欠ける。医師不足が医師の責任だというのは、医療政策の失敗を他人になすりつけることだ。無責任な発言というより、無知蒙昧な発言と言うべきだろう。

さらに、産婦人科・小児科の医師不足の原因を、キツイため医師が敬遠しているためと断定し、診療報酬を高くして、医師がそれらの科を敬遠しなくさせろと、札束で頬をぶったたくような発言を平気でする。一番の問題の産科等、もともと診療報酬は関係がないのだ。何故こうした科に進む人間が少なくなっているのか、中堅医師が急性期医療の現場から立ち去っているのか、全く御存じないらしい。

米国発金融危機に対処するために、IMFには、10兆円をポンと出すと大風呂敷を広げて見せたり、テレビにはコマーシャルを打って、自分が表に出たり、パフォーマンスだけは立派だが、中身が伴っていない。他人の常識を云々する前に、漢字の読み方を少し勉強し、医療の現状を知る努力をすべきだろう。

このような人間が、わが国のリーダーとは、わが国にとって災難以外の何者でもない。



NHKニュースサイトより引用~~~


首相 社会常識欠落の医師多い


11月19日 18時52分
麻生総理大臣は、総理大臣官邸で開かれた全国知事会との会合に出席し、地方が抱える医師不足の問題について、みずからの考え方を示した際、医師のことを「社会的な常識がかなり欠落している人が多い」と発言しました。

これは、会合の中で出席した知事から「地方が抱える医師不足の問題についてどう考えるか」という質問が出たのに対し、麻生総理大臣が、みずからの考え方を述べた際に発言したものです。

この中で麻生総理大臣は、医師不足の問題に関連して「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、はっきり言って、社会的な常識がかなり欠落している人が多いと思われる。とにかく、ものすごく価値判断が違う。それはそれで、そういう方をどうするかという話を真剣にやらないといけない」と述べました。

また、麻生総理大臣は「急患が多い診療科は、皆、医者は引く。だとしたら、そういう診療科だけ診療報酬を引き上げるなど、変えてみたらどうか。

正直、これだけ医師不足が激しくなってくれば、責任は医師の側にあるのではないか

ただ、目先のことをどうするかというところで、医師不足の声をしんしに受け止めなければならない」と述べました。

これについて日本医師会の中川俊男常任理事は、定例の記者会見で「麻生総理大臣がそのような発言をするとは、とても信じられない。事実関係を確認したい」と述べました。日本医師会では、麻生総理大臣の発言について、真意を確認したうえで今後の対応を検討することにしています。麻生総理大臣は19日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「おれの友達にも医者がいっぱいいるが、なんとなく話をしても、ふだん、おれとは波長が合わない人が多いと思った。まともな医者が不快な思いをしたというのであれば、それは申し訳ない」と述べました。

救急医療需要の抑制 

先日の日曜日、Alan AC2Kに14メガで会った。シアトル近郊に住む彼とは、何度となく交信している。やはりリタイアの話題になったが、彼はまだ数年間は仕事を続けるつもりのようだ。彼は、非常通信網の構築と保守関連の仕事をしているらしいが、カバーする地域がローカルから、州単位に広がり、州職員になったらしく、とても張り切っていた。

非常通信では、救急も取り扱うとのことだった。救急車の利用コストについて尋ねてみた。高機能の救急設備を備えた政府が運用する救急車の利用料はとても高い、とのことだった。後で、ネットで調べてみると、一度用いると大体500ドル以上はかかるらしい。走行距離、必要な処置等によっても異なるだろうが、かなりの費用である。一方、簡易な救急は、民間の救急車が扱い、こちらはそれほどはかからないとのことだった。

米国で救急車を使うのに、利用料金を取られることを以前から聞いてはいたが、これほどの利用料金とは驚きだ。

さて、わが国での現状はどうか。原則、無料である。救急車に医師が同乗して搬送した場合、医師の帰りの交通費は、医師・医療機関の持ち出しになる。救急隊員・医療従事者の人件費、救急車の償却費・維持費それに救急医療処置に要した費用などを考えると、かなりの額になるはずだ。それが、現状では無料なのだ。

救急医療の疲弊が語られて久しいが、少なくとも小児科に関する限り、軽症患者の夜間受診がその大きな理由になっている。救急医療のキャパシティを超える需要が生まれてしまっているのだ。救急車の利用も、それを反映している。私の仕事場のような小さな施設には、救急車が来ることは少ないが、救急車で運ばれてくる6,7割は軽症患者である。

この需要が、供給を超過している現実を、政府は、供給側がこれまで以上に効率化し、労働強化することによって乗り越えさせようとしている。医療がどんどん低コスト化される一方で、供給は、その効率化の要求には応じきれなくなっているというのが現実だろう。この現実を患者さん・その親御さんに理解していただくことが必要で、その教育は普段かかりつけの開業医が行うべきことなのだろうと私は考えている。その一方、救急受診のし易さに何らかの歯止めをかける、即ち需要を抑制する必要がある。

その対策の一つが、救急車の有料化ではないか、と考えるようになってきた。軽症患者が救急車を利用する問題は、救急医療の疲弊の一断面に過ぎないが、救急車有料化が、救急医療システムを改善してゆくきっかけになるかもしれない。米国ほどではなくとも、高度救急医療を提供する救急車の利用は有料化すべきである。低収入層には、一旦支払ってもらった後に、その一部または全額を還付すれば良いだろう。

下記の救急医療の「東京ルール」についての報道も、二次救急医療機関を「幹事」に指名し、そこで救急患者の搬送先を探すという、とても解決策とは言い難い制度を恰も解決策であるかのように報じているが、むしろ後段の「トリアージ」「患者の意識改革」の提言をこそ、この協議会の結論では評価すべきなのではないだろうか。

供給はアップアップしているのだ。いかに医療供給側の「合理化」を進めても、もう受け入れを増やす余地は少ない。需要側が無制限に、医療というインフラを利用することに歯止めをかけなければならないのだ。



以下、引用~~~

患者受け入れ調整で「地域救急センター」設置へ―東京都



 搬送患者受け入れの迅速化などを検討している東京都の「救急医療対策協議会」(会長=島崎修次・杏林大医学部救急医学教室教授)は11月14日、第2回会合を開き、最終報告案を大筋で了承した。報告案には、二次救急医療機関の機能と連携を強化するため、都内に12ある二次医療圏内にそれぞれ、患者の受け入れ調整などを行う「東京都地域救急センター(仮称)」を設置することなどが盛り込まれた。

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 報告案は、都民と医療、消防、行政の各機関が協力して救急医療を守るため、「東京ルール」を推進すべきだと提言。基本的な取り組みとして、(1)救急患者の迅速な受け入れ(2)「トリアージ」の実施(3)都民の理解と参画―の3つを挙げている。

■「地域救急センター」は患者受け入れの「幹事病院」
 (1)では、通常の対応で医療機関の選定が困難な場合、一時的に受け入れた救急医療機関が応急治療を行い、必要に応じて他の病院に転送する「一般受入・転送システム」導入の必要性を強調。都内に12ある二次医療圏に、それぞれ複数の「地域救急センター」を置くことを提言した。
 地域救急センターは、救命救急センターとも協力しながら、患者受け入れの調整や情報管理などで地域の「幹事病院」の役割を果たし、他の医療機関が受け入れ困難な場合は、一時的な搬入も含め積極的に受け入れるよう努めていく。地域救急センターで患者受け入れの調整が難航した場合は、東京消防庁司令室に配置されたコーディネーターが複数の医療圏間の調整を行う。
 報告案は、救急救命士など現場に精通した専門職がコーディネーターとなり、同庁に配置された救急隊指導医の助言、指導を受けながら調整することが望ましいとしている。

 東京消防庁が運用している救急医療の情報システム(周産期システムとは別)については、今年2月に総務省消防庁が実施した調査で、情報の即時更新を行っている全国の医療機関の7割が東京都所在だった実績が示されたが、現在、各医療機関が入力した情報は消防機関のみで共有されているため、同協議会は「救急医療機関が互いに参照できるように早急に改善する必要がある」と結論付けた。

 二次救急医療機関の機能強化の重要性の大きさから、特に同機関を地域救急センターに指定することが望ましいとして、指定要件の一例に、▽地域内の患者受け入れの調整役として、働く医師がいる▽休日、全夜間帯にも専任の救急看護師を配置している▽救急患者の受け入れ状況を検証する院内会議を設置している―などを挙げている。

■救急医療患者にも治療の優先順位
 (2)では、救急医療における「トリアージ」の必要性が指摘された。
 トリアージとは一般に、災害時など多数の傷病者が一度に発生した際、搬送や治療の効率化のため、重症度に応じて治療の優先順位を決めること。救急車で搬送された患者の約6割が、初診時で「軽症」とのデータもあることから、限られた医療資源で最大の効果を得るには、救急医療現場にもトリアージが必要であり、地域救急センターが先行的に実施・検証を行い、地域の救急医療機関に広げることが有効だとした。

■患者である都民も意識改革を
 (3)では、救急医療における医師など医療資源の不足から、「都民自らが『救急医療は重要な社会資源である』という認識を持ち、適切な受療行動を心がけることが重要」として、患者側の意識改革を提言。都民と医療従事者が交流するシンポジウムの開催など、救急医療の現状やその改善に向けた取り組みについて、患者側の理解促進を図る必要性があると強調している。
 さらに、昨年の総務省消防庁の調査で、人口10万人当たりの都内の救急医療機関数が2.7で、全都道府県で43位だったことを挙げ、都民に安心感を与える相談事業の重要性も指摘した。

■救命救急センターとの連携が必要
 報告案を受けて島崎会長は、「日本の救急医療の再生にかかわる素晴らしいモデルケース」と高く評価。「東京ルール」の中で相互補完の関係になる地域救急センターと救命救急センターについては、「うまく協調、連携してほしい」と要望した。
 青梅市健康福祉部長の関塚泰久委員は、「その他の課題」の項目に記載された「かかりつけ医」について、「都民に重要性を理解してもらえるように、(3)の文言の中にも入れてほしい」と提案した。

 また、母体搬送について事務局が、「東京ルールは救急車での搬送システムであり、病院間に関しては想定していない。周産期のシステムは、総合周産期母子医療センターが地域の元締の役割を担っているため、今回のルールで別のものを入れる必要はないと思う」と発言。
 これに対して昭和大病院副院長の有賀徹委員は、母体搬送に関連した事案でも、状況によって一時的な受け入れシステムを適用し、地域救急センターが応急治療や受け入れ調整を行えば、東京ルールの範囲内だとの認識を示した。その上で、「そのような事態をこちら側が考えていれば、産科医とのディスカッションの中で、(情報システムの)相互乗り入れのようなことが成就していくのではないか」と述べた。

 都は月内にまとまる予定の最終報告を踏まえ、必要経費を来年度予算に盛り込む方針だ。






週末の夕食 その7 

某テレビ局のレシピに基づいて、カツどん。とじる卵を、あまりかき混ぜないことがポイントらしい。最後の最後で手順を間違え(笑)、カツが少し硬くなったが、結構好評だった。

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日曜日の朝の14メガで・・・ 

このところ、太陽活動が活発になってきているという話をよく耳にする。今朝、7時過ぎに目が覚めて、14メガを聴くと、北米が良くは入っていた。Stocktonに住むDick W5VECと1時間ほど話が弾んだ。

彼は、ベイエリアのSunnyvaleでレーザー機器製作の会社でテクニシャンとして仕事をしているらしい。65歳だが、リタイアは全く考えていないとのこと。その理由は、経済的なことらしい。2000年から2年間一時リタイアして、本来の仕事の電気関係のこととは別なこと、Geologyの学位を取るべく大学に通い始めたのだが、お金が続かなくて、途中で断念せざるを得なかったとのことだった。

仕事とは別なことをしたいというその欲求はよく分かると思った。私も、医療を取り巻く状況が余りに悪く、また仕事にboredomを感じるようになってきたので、リタイアをしたいと思っていることを申し上げた。Dickのように別な学問を目指して、大学に通うことはかなりエネルギーの要ることだろうが、将来の仕事のためといった強制がない勉学には魅力がある。

彼は、週末だけStocktonに戻る生活で、普段はベイエリアに住み仕事場に通っている様子だ。私が、その昔レーザーを用いた研究機械の研修のために、同じSunnyvaleにあるBD社というところに短期間行っていたことがることを話した。彼もBD社のことは御存知だった。レーザー関連で、彼の会社とも関係があるのかもしれない。彼が週末帰宅する際に走る、高速道路沿いのLivermoreやTracyといった街は、ベイエリアへの通勤圏で大分人口が増えてきているらしい。懐かしい街の名前だ。

Dick以外にも、1929年に無線を始め、現在96歳でばりばりCWを叩くGene W7VY(実に27年ぶりの交信)とか、1980年代からコンピュータープログラミングに嵌ってしばらくQRTしていた84歳のSid W7SIDとか、錚々たるOMにもお目にかかった。

来週末はWWCWで、無線はあまり出来ないだろうからと、バンドが閉じる頃まで居残って、パドルやバグキーを叩いていた。・・・のんびりできた日曜日の朝。

電波利用料、悪事がばれて、バーゲンか 笑。 

アマチュア無線でも電波利用料を徴収される、ということになった時、何故、免許料を上げて、その財源にしないのかと訝しく思ったものだ。しかし、ほどなく、電波利用料が、当時の郵政省が独自に用いることの出来る特別会計になることが分かって、なるほど、当時の郵政省の官僚達は自分達で自由に使える金が欲しかったのだろうと、納得した。

大体において、500円の電波利用料を請求するのに、請求書を送りつけ、さらに未納の場合、督促状を送りつけるなどという不経済なことをやっている。その手間と、郵便費用を考えると、実質の収入は殆どないのではないか。もしかしたら、請求書や督促状の印刷会社が、官僚の天下り先になっているのかとも考えた。現在は、電波利用料の大きな収入源は、斜陽のアマチュア無線ではなく、携帯電話らしい。400円の料金を、携帯端末の費用に上乗せされている。

結果、電波利用料の規模は数百億年に上ることになった。

そして、今春、総務省での電波利用料を裏金に利用した事実が判明総務省職員のレクリエーション費用や、野球観戦費用に化けていたのである。案の定だ 笑。

その悪事がばれたためか、アマチュア無線の電波利用料は年間300円にバーゲンされた。300円では、請求・督促の書類印刷費用・手間を考えると、まずは赤字のはずだ。それとも、私のような馬鹿正直な電波ユーザーのように、銀行の自動振込みにしている人が多いのか。銀行の自動振込みであっても、現在は、数百円の手数料がかかる。官僚にとっては、徴収する仕事だけを増やすことに意味があるのか。印刷屋や、請求業務を委託する業者(というものがあるのかどうか分からないが、アウトソーシングされている可能性もありそう)の利益確保を第一に考えているのか。一体どうなっているのだろうか。

この電波利用料と同じように、仕事の上でも、官僚絡みの様々な団体に会費やらなにやらを上納させられている。それらも、官僚の飲み食いや、野球観戦の費用になっているのかと思うと、何かやるせない気分になる。正当な税金はきちんと払うのにやぶさかではないが、透明性のない、こうした上納金の類は一切止めてほしいものだ

厚生政策情報センターという民間企業が・・・ 

医療機関から支払い基金に、患者に対して行った医療情報を記したレセプトという請求書を送り、健康保険がカバーする医療費を医療機関は得ることになる。それは、患者の個人情報等を含み、重要な情報書類である。

レセプトを、オンラインによって当該機関に送る事業を、厚生労働省は進めている。レセプトのオンライン化だ。それは既に決定されてしまっているのだが、零細医療機関では対応できずに閉院に追い込まれるところも出てくることが明らかになっている。また、個人情報をどのように守るかという点でも問題だ。さらに、こうして一挙にオンラインで集められた情報が、官僚に都合の良いように利用されることも懸念されている。

国会答弁で、この問題について尋ねられた厚生労働省の答弁が、厚生政策情報センターによって公にされている。

この答弁を読むと、大多数の医療機関が、すでにオンライン化を済ませて、便利なシステムだと答えているかのように読めるが、この内容は誤りである。

オンライン化は、レセプトコンピューター化と読み直すべきなのだ。レセプトを作るためのコンピューターシステムを導入している医療機関の数であって、オンライン請求をしている医療機関の数ではないのだ

これが、厚生政策情報センターのケアレスミスなのか、それともレセプトオンライン化をぜひとも進めたい官僚の意向を受けたあからさまな情報操作なのか・・・この情報センターが、厚生労働省と密接な関係にあることを考えると、後者の可能性が高い。だとしたら、あからさまな情報操作ということになる。


以下、引用~~~

レセプトオンライン請求の完全義務化、個別の判断は適当でない  厚労省答弁
08/11/14
記事:WIC REPORT
提供:厚生政策情報センター

診療報酬のオンライン請求の完全義務化に関する質問に対する答弁書(11/11)《厚労省》 厚生労働省は11月11日に、参議院議員から提出された診療報酬のオンライン請求の完全義務化に関する質問に対する答弁書を公表した。 答弁書によると、平成20年5月診療分について社会保険診療報酬支払基金が集計した結果によると、オンライン請求を行った保険医療機関等は、医科病院が 8708施設、医科診療所が7万5902施設、薬局が4万7060施設などとなっている。一方で、オンラインによる請求を行っていない保険医療機関等は、医科病院が123施設、医科診療所が1万2726施設、薬局が4558施設あることなども明らかになった(P1参照)。 また、保険医療機関等を対象としたアンケート調査では、実際にオンライン請求を行っている保険医療機関等の約6割が職員の業務負荷の軽減につながり、3割が病院経営の改善につながったと回答している。 質問に対しては、すべての保険医療機関等がオンライン請求を行うことによって、初めて医療保険事務全体の効率化を図ることが可能だとして、「個別の判断にゆだねること適当でない」と答弁した(P2参照)。


Norm W1MO 

今朝は、少し早めにシャックに入れた。それでも、14メガを覗き始めたのは、7時を大分回っていた。あまり北米の信号が聞こえないが、2,3局は聞こえる。バンドが開いていると判断、14028近辺でCQを叩く。一局釣れると、その後は、数珠繋ぎにコールがある。7メガとは違う。

今日のハイライトは、Norm W1MO。フロリダ、デイトナビーチ近くに住む、72歳のOM。聞き覚えのあるコールだなとは思っていたが、交信途中までFOCメンバーであることを思い出せなかった。最近はめっきり記憶が心もとなくてというと、彼は記憶がゼロだよと笑っていた。私より古いメンバーは、大体思い出せるのだが、新しいメンバーはよほど親しくないと思い出せない。その内、FOCメンバーリスト片手に交信をしなくてはいけなくなるのかもしれない。

彼は、元米国の外交官だったらしく、1970年代には、ジャカルタの米国大使館で仕事をしていたようだ。時々、日本を訪れ、秋葉原での買い物を楽しんだ由。私は、その頃、無線から離れていたが、秋葉原近くの大学で勉強していた、もしかしたら何処かで行き違っていたかもしれないというと、受けていた。当時、彼は、任地のインドネシアで、YB0ACTというコールでオンエアーしていたようだ。その頃、CWを運用するインドネシアの局は、彼しかいなかったので、オンエアーでは大いに楽しむことができたとのことだった。(実際、1960年代、インドネシアはとても珍らしいカントリーで、私が持っていたカードは、8F4/W8GTA(だったかな)という局のもの一枚だけだった。)インドネシアに赴任する前には、ニューデリーにおり、VU2SAAというコールでも運用していたらしい。

引退後、ロードアイランドからフロリダに引っ越してきたらしい。デイトナビーチの近く、大西洋から10マイルほど内陸に、10エーカーの土地を得て、タワーを二基設置。無線を楽しんでいるらしい。今朝は、160mのダイポールでの運用だったが、結構な強さで来ていた。ハリケーンの襲来も受けるが、今のところ、大きなダメージを受けたことは無い由。例のアトラスを持ち出し、住んでおられる場所を細かく伺った。いつものように半分冗談で、これでそちらを訪ねることが出来ると申し上げたのだが、当初、私が車で米国を旅行するのは大変ではないかと、少し敬遠するかのような彼の返答だった。しかし、同じFOCメンバーでもあり、さらに同じ時代に同じ場所を互いにうろちょろしていたことを知ると、米国に来る際には、是非連絡をしてくれ、数日泊まっていってくれと申し出てくださった。テニス仲間の眼科医に紹介するから、とも仰っていた。丁寧にお礼を申し上げて、いや、泊まるのだったら、ホテルにするよ、と返答しておいた。

さて、そろそろ仕事をたたんで、自宅に帰ろう・・・。

歳若い友人との会話 

昨夜、10時過ぎ、7メガが北米西海岸に開けきらないころ、Nathan KO6UがCQを出していたので、お呼びした。バックが凪の静けさなので、信号はS6前後と決して強くはなかったが、容易にコピーできる強さだった。11時前後のピークでは、S8から9にまで上がってきた。グレーラインの上に我々が乗っていることを実感した。

彼がFOCに関心を持たれたようだったので、入会の手続きについて説明した。英国のメンバーから推薦を受けることが、難しそうだが、CONDXが上がってくれば、きっとそれも可能になることだろう。彼の技術力からすれば、FOCメンバーになる資格は十分あると申し上げた。

彼は、学校の管理関係の仕事をしているらしいが、仕事の上で色々とストレスが重なっているらしい。コストカット等々。あちらの企業も、不景気になってきているようだ。日本ではどうかと彼に問われたので、同じく、不景気になりつつあること、さらに郵貯銀行が米国に投資していて、それのかなりの部分が不良債権になっている可能性があることを申し上げた。恐らく、これから更に酷いリセッションに陥るだろう、と。彼は、米国での生活が厳しくなってきたら、奥様ともども日本に戻りたい、とのことだった。米国の景気後退は、かってないほどに酷く、さらに長引くことが予想されている。彼と、奥様が日本に戻ることも実際ありえるのかもしれない。

ストレス解消するためには、CWをぶっ叩くのが良いね、ということで、意見が一致。彼は、月末サンクスギビングの日に父上が、アイコムのIC2KLを持ってきてくれるので、その準備をしているようである。QSKスイッチ、ハイパワー対応のバラン等々。リグとアンプを接続するコード・コネクター類を忘れていた様子。アンプは、彼の交信範囲を広げてくれることだろう。

それにしても、CWのアクティビティが低いということでも意見が一致。彼が、無線を始めた頃は、7メガのCWバンドは信号で一杯だったのだが・・・とのことだった。彼は、まだ32歳だから、高々10数年前のことだ。その通りだと思った。1960年代には、どの時間帯でも、北米に開けているときには、誰かがラグチューに興じているのを聞くことができたし、80、90年代にも、西海岸が良く開ける日本の深夜、西海岸のビッグガンがアフリカやヨーロッパとロングパスで悠然と交信しているのを聞いたものだ、とお答えした。そうした面々も、この10年間で蝋燭の火が消えるかのように、聞こえなくなってしまった。

確かに、不確実なバンドコンディションに左右され、多少大きな設備の必要な、この楽しみ方は、時代の流れに押し流されているように思える。だが、ラグチューを楽しむ者にとっては、その苦労以上の楽しみがあるのだ。フェージングを伴って聞こえるか弱い信号の局と、話題に花咲かせる、それに耳を傾ける局(read mailする局)がいて、時に話しに加わり、または交信終了後どちらかの相手を呼び、ラグチューは続く。

いや、だけどやはり、そうした楽しみが、時代の流れに押し流されつつあるのかもしれない。

我々が(といっても、Nathanと私では二世代以上の開きがあるのだが)、CW愛好者の最後の世代になるのかもしれない(それを、胸を張って受け入れようではないか・・・)と、彼に申し上げた。終末の美学だ・・・。

パンジー 

玄関先を飾るパンジー。家人の世話しているもの。

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私の世話している、大根・人参・蕪は、葉は盛大に茂っているのだが、根菜部分がどうも心もとない・・・肥料の問題なのかな・・・。

命をかけて命を生み出す 

今日の参議院で、民主党足立議員が、二階大臣の「医師モラル発言」について問い質すことになっているようだが、中継番組を見そびれてしまった。二階さんがどのような答弁をするのか、是非聞いてみたいものだ。

MRICから、下記のメールが送られてきた。このように考えてくださる方がいることだけで、医師の士気は大きく上がるはずだ。

今朝、ニュースが、世界と日本の人口について報道していた。一年間で、56万人の妊婦の方が、分娩により生命を落されていることも報じていた。日本では、年間60人前後の妊婦の方が生命を落される。妊娠・分娩とは、命をかけて、次の世代の命を生み出す作業なのだ。そのことを非医療者の方々に、知ってもらいたい。さらに、日本では、産科医療に携わる方々の努力によって、これだけ母体の死亡率が低く抑えられているということも知ってもらいたい。

こうした産科医療の現状を全く無視して、現在の産科医療の問題を医師のモラルの問題に帰そうとする二階さんの発言は、国会議員・大臣として、失格だ。


以下、MRICより転載~~~

■□ 「モラルの問題」との非難、批判は妥当でしょうか? □■

                兵庫県立柏原病院の小児科を守る会
                代表 丹生裕子 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 私たち「県立柏原病院の小児科を守る会」は、兵庫県丹波市で、「子どもを守ろう、お医者さんを守ろう」をスローガンに活動しているグループです。市民を助けたいと思っている医療者と、助けてほしいと思っている市民の間に横たわっている溝を埋めようと、活動をしています。

 先日の「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思います。忙しいだの 、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」という二階俊博経済産業大臣の発言は、患者を救おうと、過酷な労働環境の中でがんばっておられる産科、小児科、いわゆる周産期医療にたずさわっておられるお医者さんの心を折る発言ではなかったかと、残念に感じています。

 赤ちゃんは、何時に生まれるか分かりません。私の3人の子どもは。日中に生まれましたが、明けがたに出産したり、年末の深夜に生んだメンバーもいます。交代勤務ができるほどお医者さんはおられませんから、へその緒を切って下さったドクターは、その翌日も、朝から夜まで働き続けられたことと思います。ほとんど、眠れないままに、です。

 産科医は、ここ数年でものすごい勢いで数が減っています。その結果、辞めずに残られたお医者さんたちの負担がどんどん増える悪循環に陥っています。今も周産期医療に携わり続けておられるお医者さんたち、私たちのためにがんばっていただいているお医者さんたちにかける言葉は、「モラルの問題」という非難めいたものなのでしょうか?夜も寝ない、眠ることができない状況でがんばっている人たちを、「忙しいだの、人が足りないだの」と、批判することが、果たして妥当なのでしょうか?

 私たちの地元の兵庫県立柏原病院も43人おられたお医者さんが、3年ほどで20人にまで減りました。今年7月、病院のすぐ近くで開かれた医療フォーラムで兵庫県知事は、こんなあいさつをされました。「もっと情熱に燃えた医師と地域が協力し、医療を確保している所がある。我々も負けてはおれぬ」。半分に減った医師数で身を粉にして働くより、医師数が多い別の病院に移った方が、お医者さん自身は幸せでしょう。しかし、自分の幸せよりも、患者の、住民の幸せを優先し、地域医療を支える道を選んで頂いている。そんなお医者さんに対して、「もっと情熱に燃えた医師が」などと、あたかもお医者さんの情熱に問題があり、お医者さんの情熱不足が医師不足や地域医療の低下を招いているかのような発言をされたことに、落胆しました。お医者さんたちに申し訳なく、涙がこぼれそうになりました。

 兵庫県立柏原病院には、今は3人の産婦人科の先生がおられますが、4月からは、55歳の上田先生と50歳の丸尾先生のお2人になります。2人でお産を続けるということは、2日に1度、年間180日病院に泊まらなければならないということになります。泊まらない残りの180日も、緊急帝王切開などが入った時に駆けつけられるよう、待機が必要になり、24時間365日の緊張状態、休めない、ということになります。

 地方には、1人、2人で産科医療を支えておられる病院がたくさんあります。1人、2人のお医者さんが「もう続けられない」とお辞めになるだけで、産科医療がゼロになってしまう地域がいたるところにあるのです。東京で産科医が不足すれば、地方から補充され、地方の医師不足は進みます。これは周産期に限ったことでなく、全ての救急医療現場に共通していることです。

 政治家の先生の不用意なひと言が、医療を壊してしまうことがあります。とにかく現場に足を運び、お医者さんの声に耳を傾けて下さい。

 今日の産科医療、医療崩壊の原因は、医師個人の資質にあるのではなく、産科医を、勤務医を続けたくても続けられなくしている社会にあるのではないでしょうか。私たちは、患者、国民の側から、医師を守り、医療を守る運動を続けます。大臣が、政治の側から、医師を守り、医療を守る運動を展開して頂けることを期待します。

 終わりに、墨東病院でお亡くなりになられた方のご冥福と、意識不明が続いておられる方の回復を心からお祈り申し上げます。また、この世に生を受けた2人のお子さんが健やかに成長されることをお祈り申し上げます。

奥田さんも正直者 

トヨタの相談役、奥田さんは、本当に分かりやすく、正直な人のようだ。二階大臣といい勝負だ。

下記の発言を、自分が座長を務める「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」で行なったようだ。

「自らが貶された」わけでもないのに、「報復する」ということは、トヨタは厚生労働省と一心同体ということのようだ。一心同体とは、理念の上でのことではなく、お互い持ちつ持たれつの関係、要するに、利権・利害で結びついたズブズブの関係なのだろう。それを、正直に吐露している。

それに、スポンサーという立場から、マスコミを統御していることも率直に語っている。金で人の顔を叩くようなことを平気でする、と自ら語る、この傲岸破廉恥さ。マスコミは、マスコミでこんなことを言われても、黙っているのだろう。この発言に対して、マスコミが沈黙しているとしたら、マスコミは、スポンサー次第で何でもやる、何でも言うということなのだろう。

こんな人物が厚生労働行政のあり方を考える懇談会を取り仕切っているのだ。政府の顔を向けている先が、国民ではなく、大企業だということを告白しているようなものだ。この懇談会が、一体どんな結論を出すのか、大いに楽しみに待っていよう。

勿論、車を買い替えるときは、トヨタは論外・・・なんて言うと、奥田さんと同じ土俵に立つことになりそうなので、はっきりは書かないが、こういう「報復」が待っていることも分からないのだろうか。


以下、引用~~~

マスコミに報復してやろうか=厚労行革懇の会合で-奥田座長
11月12日21時30分配信 時事通信

 政府の「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」の奥田碩座長(トヨタ自動車相談役)は12日に首相官邸で開かれた会合で、厚労省に関するテレビなどの報道について、「朝から晩まで年金や保険のことで厚労省たたきをやっている。あれだけたたかれるのは異常な話。正直言ってマスコミに報復してやろうか。スポンサーでも降りてやろうかと」と発言した。

 奥田座長は「ああいう番組に出てくるスポンサーは大きな会社ではない。地方の中小とかパチンコとか」とも述べた。

 これに対して、委員の1人である浅野史郎前宮城県知事は「スポンサーを降りるぞとか言うのは言い過ぎ」ととりなした。 

厳しい冬に備えなければならない 

ヘルパーの方が、我が家の庭に移植してくださった見事な菊。移植したのに、元気に綺麗な花を咲かせている。

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庭に花や木々を植え、ゆっくりとした時間を過ごすことが、リタイア生活に望むところだが、どうもそのように過ごすことが難しくなってきている気配が濃厚だ。

これからの厳しい冬に備えなければならない。

政治家と現場の医師 

Yosyanさんのブログ「新小児科医のつぶやき」の今日のエントリーに、例の都立墨東病院産婦人科医師達の苛烈な当直業務について記されている。

その内容も優れたものなのだが、コメント欄にあった、二つの対照的な文章が、印象深い・・・

医療機関の情報伝達システムの問題だから、それを改善しようと、舛添厚生労働大臣と話し合ったという二階俊博経産相の言葉

「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」

一方、都立墨東病院産婦人科の状況に詳しい医師のコメント

「かかりつけ医」の先生も必死でした。墨東の先生も、もうかなり「いい歳」をした偉い先生まで、この通り労基法上等、過労死寸前という勤務で頑張っています。いずれも毎日遊んでいるような人達ではありません。寧ろ子供の頃から、他人が遊んでいるときに勉学に励み、今日も前進を弛まない、かけがえのない人材なのです。そういった人達がこれだけ精一杯やっていても、それでも救えない命があった程、人命とは重いものなのです。それを守ろうと必死になっている戦士達に、後ろから罵声を浴びせるようなマネはやめて下さい。想いを為し得なかった医療者に、理不尽な追い打ちをかける事はしないで下さい。現状で我々にできる事はここまでです。それ以上を求めるのなら、その負担は現場の医療者ではなく、皆さんにも負って貰わなければ実現しません。たとえば医療に遣うお金は出して下さい。できれば更に、最前線の医療者に敬意を払って下さい。世の中は等価交換です。何も差し出さずに、結果だけを得る事はできません。」

さて、どちらが医療現場の問題を言い当てているだろうか・・・。

無線に費やした週末 

この週末も、7、14メガともに絶好調のCONDXで、多くの印象深い交信を楽しめた。そのいくつかを記録しておこう。

土曜日、午後2時過ぎ、7メガ。Rich KE1B。サンノゼから太平洋側に向かった、丘陵地帯のLos Gatosに在住の56歳。東海岸で生まれ育ち、専門教育を受け、仕事で西海岸にやってきた。シリコンバレーでハイテックのエンジニアとして成功し、47歳でリタイア。その後、法学部で勉強し直し、弁護士資格をとり、今は、のんびり仕事をしているとのことだった。何と優雅な人生か・・・。太平洋の見える、丘陵の中腹から、強力な信号を送り込んできていた。

日曜日、夜7メガ、Tom K7GMF。しょっちゅう交信している親しい友人。以前、ここでも彼について、記した記憶がある。私はアトラス片手に、彼の現在地を詳しく尋ねた。アリゾナの南部、メキシコ国境の近くにお住まいだ。リタイアして、ニューヨークからそちらに来る際には、様々なルートでよく調べたらしい。20エーカーの土地で悠々自適の生活をしている。医療については、車で1時間程度のTucson退役軍人病院であまりお金をかけずに治療を受けられる、歯科だけは、お金がかかるので、メキシコに出かけて治療を受けるらしい。治療費が、米国内のそれの1/3程度らしい。彼の場合、老齢者向けのMedicareだけしか保険はないようだ。周囲が丘陵に囲まれ、粗い砂利のような土地に草が生え、所々に、小型のサボテンの生えた牧場地帯。アトラスを見ながら、想像をたくましくした。

Jim W6WGCとは、今朝、仕事に出かける前に、14メガでお会いした。米国では、日曜日の夕刻とあって、一度CQを出すと、数局が束になって呼んでくる。その中の一局だ。昨年、会っていることを覚えておられた様子。今年の6月まで、カリフォルニアのLake Arrowheadに住んでいたのだが、乾燥し旱魃が続き、野火の危険が高まったので、オレゴンに移住してきたらしい。10月には、彼がかって住んでいたその土地も野火で焼けてしまい、20軒の家が焼けてしまったらしい。そこの家を売るときには、値段はとてつもなく安くなってしまっていたらしい。ジェット気流の流れが変わったために、カリフォルニアの旱魃が生じているとのこと。また、現在進行している経済危機によって、退職生活にも影響を受けている。過度の財政面の規制緩和が、この危機を生んだ、と考えておられる様子だった。

こうした友人達の生活ぶりを身近に見聞きすることのできる趣味、やはり得がたいではないか・・・少し、時間をかけすぎかと反省しながらも、充実した時間であると自分に言い聞かせている。

現場からの発言を 

厚生労働省改革室の村上重子氏が、厚生労働省主導の医療事故調法案化について大胆な批判をし、現場からの発言を促している。(発言自体は、個人的な見解とのこと。)

これが、本音の発言であるとすると、極めて画期的なこと。こうした人物が、厚生労働省の中におり、組織改革を担っていることは、我々を大いに勇気付けてくれる。現場の人間が、ネット等で発言し続けることが無駄ではないと・・・。

村上氏は、1998年医学部卒の医系技官の由。

以下、m3より引用~~~

「警察に通報される確率がゼロの人が立案者」と現役官僚

◆11/10号 「警察に通報される確率がゼロの人が立案者」と現役官僚

「警察に通報される確率がゼロの人が、“医療事故調”案の法案作成を支えていることになります」
「約1年7カ月も(“医療事故調”の)検討会が続いています。提出期限がないパブリックコメント(パブコメ)は見たことがありません。これだけ大量のパブコメが寄せられた のも始めてです。厚労省が国会に法案を提出する前から、反対意見が続出しています」

次々と展開される“厚労省批判”。驚くべきことに、発言者は当の厚労官僚、同省の改革推進室の村重直子氏。11月8日に東京都で開催された、「現場からの医療改革推進協議 会」の第3回シンポジウムでのことです。同協議会は、医療者、国会議員など様々な立場の人から成る任意組織で、文字通り“現場発”の医療改革を実施するために活動していま す。村重氏は「厚労省の公式見解ではなく、個人の立場としてお話します」と断っています。

(中略)

診療関連死の死因究明などを行う、“医療事故調”については、 2007年3月に第1次試案、10月に第2次、2008年4月に第3次試案、そしてこの6月に大綱案が出ています。その都度、厚労省はパブコメを求めたものの、団体、個人 を問わず反対意見が続出、結果的に現在もなお検討会が続いています。冒頭の村重氏の発言はこの現状を指摘したものです。

(中略)

「法律は誰が何を守るために作るのでしょうか。官僚が作るのでしょうか、国民が作るのでしょうか、国民を代表する国会議員が作るのでしょうか。また、法律が守るのは、官僚 の無謬性ではなく、国民の生活であるはずです
「官僚は終身雇用で、医系技官は医療の現場に戻ることは基本的にはありません。つまり、医療事故に巻き込まれる可能性はゼロ、つまり自分が医療事故に遭い、警察に通報され る確率もゼロ、といえる人たちが“医療事故調”の法案作成を裏で支えていることになります」
「でも時代はどんどん変わってきます。官による大本営発表ではなく、民によるインターネットを使った現場からのリアルタイムの発信、徹底した情報開示が行われ、皆さんが考 える材料を得ることが可能になりました

(中略)

「自ら行動する、自律的な提案型へ」

こう締めくくった村重氏。先例や組織の論理などにとらわれない自律的な行動は、医療者だけではなく、厚労官僚にも求められること。村重氏に、他の厚労官僚が続くことを期待 したいものです。

晩秋の情景 その2 

先日、帰宅してリビングルームに入ると・・・

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三匹の関係を微妙に表す位置関係・・・

さて、そろそろ帰宅するか・・・

晩秋 

冷え込むようになってきた。もうすぐ、初霜も降りることだろう。これから冬至までのころまで、無線の方は、結構良いCONDXが続く。庭仕事の合間に、無線もちょこちょこと聴いていた。日暮れの頃、やはり全世界にぱっと開ける時間帯がある。ノールウェイのRag LA5HEから呼ばれた。南米、北米、オセアニアにも一度に開けていた。

急患からの電話も何人かからあった。発熱を主体にするウイルス感染と、嘔吐を主にするウイルス性胃腸炎が流行りだしている。それ以外に、椅子から落ちて頭を打った子等。こうした急患対応も何時まで続けるべきか、続けられるかと自分に問いかけながら、今朝仕事場に車を走らせてきた。

医療の厳しい状況を変えず、むしろ統制と医療費削減を強めようとする、官僚と政治家・・・繰り返してきたことだが、変化がない。悪いほうに向いている。政府は、安心と安全の医療を確保するとことあるこごとに言うが、まずは、医療は安全なものではありえない、例えば、避けられぬ合併症で毎年60名の妊婦の方が亡くなられているという事実を国民に知ってもらう必要があるのではないだろうか。産科医療に携わる医師・医療従事者は、必死にそれを減らそうと戦っているのに拘わらずである。

私も、小さなことだが、医療の現状について患者さんの親御さんとの間でギャップがあることを時々経験させられている。先日、何らかの気道感染症のお子さんの父親に、その旨言ったら、何が原因なのかはっきりさせろと凄まれたこともあった。外来で食って掛かられるようなこと、不信の眼差しで見られることを時々経験するようになってきた。

医療の現場で、分かること、出来ることは限られているのだ。それなのに、政治家と官僚は、医療が万能であり、安全なものであるとことあるごとに国民に宣言し、マスコミもその線に沿って記事を書く。これでは、医療現場は疲弊するばかりだ。

医療が万能でなく、完全な安全を保障するものではないことを、我々はことあるごとに繰り返し発信して行かねばならない。

現実をまず直視しなければ、医療は良くならない。

紅葉の始まった、大きな欅。近所の農家のいかにも年代の経っていそうな立派な木だ。当地の晩秋を告げる風景・・・。

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懐かしきフォーレ 

今週月曜日、都内某所で室内楽の練習をした。フォーレ ピアノ五重奏曲1番1楽章。メンバーの平均年齢が50歳代後半?主にネットを介して知り合った方々。

この曲は、長い間、譜面が絶版になっていたために、弾くことができなかったのだ。フォーレのピアノの加わる室内楽の常として、ピアノのアルペジオによって、開始される。その美しいアルペジオに乗って、2ndバイオリンが、楚々とした佇まいの美しい旋律を奏で始める。1stではなく、内声の2ndから始まるところが、フォーレらしい。ついで、チェロがそれに加わり、他の弦も順次加わってゆく。さらに、弦に決然とした旋律が現れる。その二つの旋律と、それから派生した動機が、織物を形作るように音楽を形作って行く。この時期、フォーレは、聴覚の異常を自覚するようになり、それまでの上品な官能性が表に出た作風から、人生の苦渋を込めた作品群に変化してゆく時期だったようだ。この曲にも、そこかしこに、ひそやかに、しかし決然と苦悩と相対するかのような旋律と響きを聞くことができるような気がする。

この曲、縦の線もあまり揃わず、また転調も多い。アマチュアが弾くには、やはり結構な難物だったので、どうなるかと思っていたが、それなりに形になってホッとした。一回だけで空中分解とはならずに、12月下旬にもまた練習することにした。2,3楽章もおいおい合わせることにした。練習の合い間に、練習会場のホワイエでお茶をした。学生時代に戻ったかのようだった。

ピアノの方に、フォーレの「エレジー」を伴奏して下さるようにお願いした。この曲は、結構な難曲なのだが、チェロを弾くものにとっては、憧れの曲の一つ。学生時代から何度かチャレンジしてきたが、満足の行くように弾けたことがない。昨夜、トルトゥリエの弾く「エレジー」を寝るときに、CDで聴いた。このチェリストは私がチェロを弾き始めるようになったきっかけを与えてくれた方なのだが、聴き返すのは、久しぶり。芯があり、高潔な印象のチェロ。だが、テンポを自在にゆらす。特に、高潮する中間部分では、ピアノを後において一歩前に踏み出すほどだ。音楽としての形式感が崩れるのではないかと思うほどに、テンポを上げてゆく。

同じCDに、フォーレの「夢のあとに」も収められていた。フォーレの有名な歌曲作品を、かのカザルスがチェロとピアノのために編曲したもので、この編曲版、チェロが、歌詞はなくても、甘く切なく歌う。素晴らしい曲だ。トルトゥリエは、「夢のあとに」の冒頭の主題から、緊張感を持って弾き進める。1オクターブ上で、同じ旋律をリフレインするところでは、多くの奏者は、ダイナミックを一段落として弾くのだが、トルトゥリエはむしろ、テンポもダイナミックも一段上げる。ピアノがここでも置き去りにされそう・・・。失恋の思いを、叩きつけるかのように、フォルテで歌う。最後の数小節、曲を終えるところで、ようやく落ち着き、消え入るように終わる。

「夢のあとに」の演奏で、学生時代に良く聴いたものは、FM放送からカセットに落とした、トルトゥリエと岩崎淑の演奏だった。彼が来日した時のライブ録音版だったと思う。このリフレインするところを、やはり感情をぶつけるかのように、アッチェランドかつクレッシェンドしてゆくのだ。A線のDesからD線のFに動くところで、少しリズムを崩しかけるのだが、それがむしろ緊張感をたかめるように聞こえたものだ。懐かしい「夢のあとに」だ。

・・・と、そんなことを思い出していたら、眠れなくなってしまった。「夢のまえに」になってしまった。

「エレジー」もどこまで弾けるか分からないが、これが恐らく最後の機会。楽しみながら、一生懸命練習しよう。