Don K7FJ 

今朝早い時刻に目が覚めてしまった。14メガを少し覗くと、イーストコーストまで開けている。NHの局と交信。その後、WAのPort Angelesという町の近くに住む、Don K7FJから呼ばれた。聞き覚えがあったが、彼によると初の交信だとのことだった。Donは、12年前にリタイアした元電気エンジニア。現在、70歳。リタイアするまでは、シアトルの狭い敷地の家に住んでいたのだが、奥様が気に入ったPort Angeles近郊の現在地にリタイアすると同時に引っ越してきたらしい。

お二人とも、都市での生活はこりごりで、現在地での静かな生活を楽しんでおられるらしい。買い物は二週間に一度町にでかけて済ますらしい。土地は10エーカーもあり、森に囲まれている。春には、恐らく雪解け水で池が、自宅の近くにできるらしい。都市ですまなくてはならなくなるまでは、この場所で生活を続けたいということだった。二人のお子さんは、シアトルで家庭をもっており、時々お孫さんともども彼の家を訪れるらしい。

彼のウェブサイトを見てくれというので、調べてみた。ここ。決して、裕福な豪邸というわけではなさそうだが、静かな森のなかの一軒家で、犬や、小鳥に囲まれて、こころ豊かな老後を送っておられる様子が偲ばれる。交信をし始めたときに、「緑茶」を注いだコップを持参して、シャックに入ってきたと聞いた時に、この方がこうした生活ぶりであることが少し予想できた。550フィートの水平ループから送られてくる信号は、結構な強さで、朝のひと時のんびりとお喋りに興じることができた。

奥様から、そろそろ庭仕事の時間だと声がかかったといって、去って行かれた。

こぶし 

この時期になると、こぶしの花が満開になる。

IMG_0915-1.jpg

毎年春こうした庭木が美しく装うと、ただただ美しさに感嘆するだけでなく、自然と自分が一体になった、なっているかのように感じる。やがて、この自然のなかに戻ってゆく自分を意識する。そして、この木々を植えておいてくれた父親を想い起こす。

・・・   ・・・   ・・・

こぶしの花を乾燥させたものが、「辛夷」という漢方薬であることを初めて知った。この薬は、副腔炎に対して時々処方していたのだった。

週末の夕食 その13 

昨日は、鶏肉で野菜を包み、赤ワインと醤油・酢で煮込んだ。付け合せは、オレンジのバター炒め、ワイン風味。肉にもう少し味が乗るともっと美味しかったかもしれない。精進、精進・・・。

IMG_0920-1.jpg

多忙な週末 

忙しい週末だった。忙しくなった理由は、土曜日の午後に東京で開催された室内楽の発表会で演奏するために、休診とせずに、無理矢理早朝に診療し、東京に日帰りの窮屈なドライブをしたため。仕事場では、以前から告知してあったこともあり、数名だけの来院だった。後で分かったが、この程度の人数の診療の収入では、スタッフの給与もままならない。小規模にしてしばらく仕事を続けるというのは非現実的で、徐々にフェイドアウトするのは経営的に難しいのかもしれない。

9時ちょっと過ぎに、仕事場を出て、いざ東京に向かう。常磐自動車道で都内に入る辺りまでは順調に進めたのだが、都内の高速はごった返していた。都の南部に行かねばならないので、湾岸線に回って、予定時刻を少し過ぎただけで、会場に着くことができた。あの混雑は、土曜日の午前中にはありふれたことなのだろうか。例の期間限定高速道路料金のバーゲンセールの所為ではなかったのか。ニュースでは地方の高速道路の交通量が二倍になったが、渋滞はでなかったと口をそろえて報道していたが、どんなものだろう。

ピアノを弾く方も、場所を間違えて、私と同じくらいに到着。早速、ピアノトリオのリハ。最初上がってしまい、ビブラートがかからない(笑。アマチュアの演奏者が聴衆としている前で弾くといつも自意識過剰になり、こうなってしまう。しかし、途中から調子が上がってきて、思い切り気分良く弾くことができた。テンポがこれまでの練習時よりもかなり早かったが・・・。それでも、聴いていてくださった方が、自然に拍手をして下さった。本番も、大きなポカを一箇所したが、それ以外はまぁまぁか。同年輩の共演者お二方とこころを合わせて弾くことができて、幸いなことだった。最近は、こうして弾くたびに、弾いている最中に、自分の人生のなかでこうして何度弾くことができるのだろうかと考えてしまう。共演者の方々と記念写真を撮影。打ち上げには出ないで、また仕事場に・・・。

二名の急患を診て、疲れのため、仕事場でしばらく呆然としていた・・・といってもネットを見て回っていたのだが・・・。

帰宅して、Randy W6SJと7メガでお会いした。奥様が、膝の手術を受けた。が、順調に回復していて、近いうちに、スペインに旅行に出かける、とか・・・。演奏会でメンデルスゾーンを弾いてきたと言うと、メンデルスゾーンのピアノトリオ1番を知っているかと、彼が尋ねてきた。その曲を弾いたのですよと答える(一部の楽章だけだったけれど)。彼は、「おおそうか、あの曲は愛らしい名曲だ」と応える。彼は、パシフィック交響楽団というプロのオケの名誉理事長でもあり、クラシックには詳しいのだ。

というわけで、メンデルスゾーンのかろやかな感傷に彩られた、美しい旋律が頭のなかで鳴り響くままに、眠りについたのだった・・・あぁ、疲れた・・・。

東京女子医大事件 佐藤一樹医師 無罪判決 

東京女子医大事件の佐藤医師が、東京地裁の無罪判決に引き続き東京高裁でも無罪判決を得た。逮捕起訴され、さらに8年間に及ぶ法廷闘争を闘ってきた彼の歩みを思うと、安逸な生活をしている自分も身が引き締まる思いがする。

彼を陥れるための「内部調査書」をでっち上げた東京女子医大の非専門家の幹部、さらにその内部調査書に基いて彼を逮捕起訴し、医学的な批判に耐えぬやり方で公訴維持してきた検察には、大いに反省し、佐藤医師の失われた8年を償ってもらいたい。

自身が先天性心疾患を心臓外科手術によって治された経歴を持つ、佐藤医師は、同じようなケースを繰り返さぬための提言も行なっている。

彼が、今回の判決を迎えるにあたり記した文章は、涙なしには読めない。ここ

現在の日医の下には団結できない 

日本医師会が、医師の団結を呼びかけている。が、団結することが成立するためには、その中心に医師をひきつけるものが存在しなければならない。

残念ながら、現在の日本医師会は、それがない。日本医師会幹部が、厚生労働省の特殊法人の理事長に天下りし、また厚生労働省から、日本医師会に天下りを受け入れ、日本医師会幹部の多くは、時の政権与党に顔を向けている。我々一般会員の要求を入れる機会が全く無い。日本医師会ウェブサイトのクローズドなBBSも、閑古鳥が鳴いている。

それに、日本医師会の幹部は、地方組織の幹部による選挙で選ばれる。一般会員には、選挙を通して、自らの声を反映させる道が全く無い。日本医師会の定款を変更するにも、会員の2/3以上が声を上げなければならないことになっている。

このように硬直した組織が成立した歴史的な背景には、開業医のグループが、大学病院等の勤務医グループを排除しようとする権力闘争があったと言われているが、現在の日本医師会の中枢は、開業医の一般会員の声すらくみ上げられていないように思える。

開業医対勤務医という不毛な対立を乗り越えて、日本医師会を会員の声を迅速に反映し、ありうべき医療制度について社会に対して強力に発言できる組織にしなければならない。



以下、引用~~~

「日本の医療を守る」を共通の行動原理に医師の団結を  日医
09/03/26
記事:WIC REPORT
提供:厚生政策情報センター


カテゴリ :医療提供体制医師の団結に向けた具体的方策(3/25)《厚労省》 日本医師会は3月25日に、医師の団結に向けた具体的方策を公表した。これは、「医師の団結を目指す委員会」が日医から諮問を受けて検討した内容を答申したもの。 議論の中で、現在の医療界において解決しなければならない当面の課題として(1)勤務医の過重労働問題(2)女性医師の就労環境整備(3)医療安全調査委員会についての詳細な検討(4)医師臨床研修制度及び専門医制度、並びに卒前・卒後教育及び生涯教育の問題-があげられている(P12-P17参照)。 結論では、医政活動について、「日本の医療を守る」という考えは、すべての医師に共有できるものであるとして、医師の団結の基本的な行動原理になる、と記載されている(P19参照)。


109倍の値上げ 

製薬企業は、空前の好決算を続けてきた。それを支えていたのは、海外での好調な販売成績だというが・・・どうもそれだけではなさそう。

わが国の薬価の決め方にどうも納得の行かないものが多い。下記はm3で、ある方が発言された内容の一部だが、そうしたいい加減な薬価の決め方の典型だ。同量換算の単純比較で、109倍の値上げに相当する。

これ以外にも、私の知る限りでは、偏頭痛の新薬、精神科領域の新薬等にこっ酷く高価な薬剤が多い。一錠千円を超える薬剤が、ごろごろ存在する。再診料が、数百円で、それも切り下げようという一方で、新薬には不明朗なやり方で不当に高価な薬価をつけている・・・その背後には何かがあるのだろう。何か、が。

以下、m3より引用~~~

3月13日告示で新医薬品の薬価が収載されました。

トレリーフ錠  25mg 1084.9円

もともと抗てんかん薬として承認されているエクセグランと同一成分です。てんかん治療で使用される常用量200mg~400mg/日と比べて低用量(100mg以下)で抗 パーキンソン病作用を発現するということで新薬として認可されたものです。

エクセグラン錠  100mg 39.9円

担当MRに経緯を尋ねたところ抗パ剤(抗パーキンソン病剤)として認可するにあたって参照された同効薬のMAO-B阻害剤と同薬価、さらに有用性加算5%が追加されこういう薬価になったとのこと 、MR自身も少々驚いたと言っていました。

Again, Tim VK3IM 

I have run across with Tim VK3IM late at night yesterday.
I have written about him for a couple of times here. The
latest concerned about his health problem, which had
looked quite serious. I have sent an e mail to him without
getting any reply.

He told me he had had an operation for a malignancy several
months ago. The operation, itself, has resulted in success.
No signs of recurrence or remote metastasis so far. But,
soon after the procedure, he has been suffering from
severe pain at the surgical site. Noone could solve the
problem. He has only limited relief from morphine medication
or transient diminution of the pain with some nerve block.
I had least idea on what had happened to him in this situation.

He feels he is on the bottom. In half a year, as he told me,
he might be able to walk outside. He seemed even deseparate
about the prospect a couple of months ago. But he is getting
more positive for the future at present. I guess that makes
him more active on the air now.

I still remember we used to talk a lot when we were much
younger. As I wrote in the posts in the past, he commuted
a long way from his home in Mt. Eliza, a suberb of Melbourne
to Melbourne on an old Mazada. He was a great ragchewer
with his old FT101E and a top hat loading whip. He used to
let me know on a paper on the efficiency of radials for a
vertical. He advised me to use the metal sheethed roof
of the med school hospital dormitory for a radial. I wa also
inspired to put a short ground earth peg to compensate
the shortness of radials when I was using a ground
mounted vertical at my new home some 25 years ago.
I have been given many things, not material but spiritual
as well as intelectual, by him.

We have talked on our family members as well. When I mentioned
on our old mother, he told me his experienece having cared for
his father in dementia with his mother. He has remembered on
my family issues as well.

We have lived the same age, even geographically far away each
other, Tim. I wish you to be free from the present agony and
to enjoy the rest of our lives together for a long time.

公的病院の民営化スキーム 

郵政民営化の際に、「簡保の宿」は、民営化されることが既定のこととされていたようだ。民営化を確実に、早く実現させるために、「簡保の宿」の宿泊利用料金は押しなべて低額に設定され、自ずから経営が破綻するようにされていた、という。

それと同じ構図が、病院、特に公的な病院で見られる。埼玉医大の堤教授が指摘されていたと思うが、診療報酬の引き下げにより、公的病院は赤字となり、地方自治体の財政を圧迫、さらに病院財政を地方自治体財政と一体としての評価を国が行うようになり、地方自治体が悲鳴を上げ始めている、ということだ。

地方自治体は、公的病院を潰すか、民営化をし、自らに火の粉がかぶらないように必死だ。医師不足は、大学病院医局が同じく国の方針で弱体化されたことによって起きている側面もあるが、赤字経営の公的病院に十分な数の医師を、適切な処遇で雇い入れる余裕がないという理由の方が大きいように思える。

既に公的病院の民営化は始まっているが、これから2,3年以内に雪崩を打ったように、進むことだろう。その時に、どのような人間が動き、どのような企業が、公的病院を自分のものとするか、良く見ておかなくてはならない。きっと、規制緩和を唱えていた企業経営者達と、彼等と親密な関係にあった政治家達の姿が見られるに違いない。

民営化が進んだ後に来るものは、皆保険制度の完全な破壊(既に、かなり破壊されている)と、民間保険の導入であることは間違いない。その時になって初めて、国民は、医療が手の届かないものとなったことを知り、「後期高齢者制度」に対する反応と同じような反応をするのだろう。



以下、引用~~~

病院「二重苦」浮き彫り 財政難と医師不足 診療所化の動きも 《2》
09/03/23
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 千葉県の銚子市立総合病院の休止を争点に、市長のリコール(解職請求)を問う住民投票が29日、投開票を迎える。「財政難」「医師不足」の二重苦にあえぐ同様の公立病院は各地で続出。住民がリコール運動で休止阻止を訴えたり、総合病院をあきらめ診療所化を選ぶ自治体も相次いでいる。

 銚子市の岡野俊昭(おかの・としあき)市長(63)は昨年7月上旬、年10億円近い赤字の穴埋めは市の財政破綻(はたん)につながり、医師数も激減したことを理由に病院の休止を発表。9月末の休止までわずか3カ月の間に、入院患者160人余りが転院を迫られ、約6000人の通院患者が行き場に困った。「安易に休止を決め、地域医療が崩壊した」と市民がリコール運動を展開した。

 佐賀県武雄市では、市民病院の民営化を決めた樋渡啓祐(ひわたし・けいすけ)市長(39)に「安定した医療は望めない」とリコール運動が起きたが、市長は辞職。出直し市長選で昨年12月に再選された。移譲先を決めた後だっただけに「民間でもいいから病院を存続させたいという民意の結果」と地元市議はみる。移譲は2010年2月の予定だ。

 病院の累積赤字が40億円に膨らんだ大阪府松原市は、3月末の廃止を決定。時間が限られる中、市民団体は中野孝則(なかの・たかのり)市長(67)のリコール運動を模索したが、署名数が有権者の3分の1に足りず、リコールを断念することを明らかにした。

 総務省によると、約1000近い自治体病院のうち、直近の2007年度に民間移譲したのが5カ所に対し、不採算部門を閉じて診療所化したのは北海道の夕張市立総合病院など1道3県で少なくとも7カ所あった。

 同省は「医師不足に加え、民間の受け皿も見つからないへき地ほど診療所化が進んでいるのでは」と分析している。

小沢問題での疑問 

私は小沢民主党党首の肩を持つ積りは毛頭ないのだが、彼の政治団体の政治資金規正法違犯容疑の問題では腑に落ちないことが多い。特に、その報道振りについて、だ。

○同罪の自民党議員(の政治団体)については、殆ど追及されている様子が表に出てこない。

○小沢党首の元秘書で、ジェネコンからの政治資金収集のシステムを立ち上げたという、自民党次期衆議院議員候補者が先週東京地検によって事情聴取されたが殆ど報道されず、その一方、現民主党衆議院議員である同じ元秘書(先に上げた秘書の後に秘書となった人間)の事情聴取は事前に大々的に報道された。

○盛んに上がっていた麻生首相降ろしの声が、野党はおろか、政権与党からも聴こえてこなくなった。

○市場原理主義者達の犯罪の臭いが強く漂う、「簡保の宿」の問題が、殆ど報道されなくなってきた。

これらの背後にあるのは、検察の恣意的な情報リーク、それを無批判に報道するマスコミ、それによって、世論を誘導しようと意図する何者か、なのではないだろうか。検察という強大な権力を持つ組織が、こうした世論操作を表立って行っているとするととても恐ろしいことのように思える。

また、小沢党首は、政権与党と裏取引などせず、政治資金の扱いに問題があったなら、それを公表し、しかるべき対応をとるべきだ。彼が民主党党首に居座ることで、問題がうやむやにされるとしたら、彼の責任も重い。

被疑者の公判前に、「関係者の話では・・・」と、検察の恣意的な情報リークを堂々と垂れ流すマスコミには、絶望的なものを感じる。彼等は、自分達が、「権力の犬」と成り下がっていることが分からないのだろうか。

ゲームへの逃避 

過日、ある雑誌を手に入れるために、近くの品揃えの良い本屋にでかけた・・・ら、先月中旬に閉店という張り紙が入り口に貼ってあった。一般書等が結構揃っていて、時々本を漁りに出かけた本屋だった。かなりのショック。その後、反対の方角にあるもう一軒の本屋に行って見たが、そこには一般書等ほとんど置いていない。あるのは、実用書、漫画、雑誌それにDVD等だけ。所謂ゲームソフト関係の書籍が目立つ。恐らく、一般書の需要が落ち込み、先の本屋は閉店に追い込まれたのだろう。後者の本屋に、結構客が入っていたことからすると、ネットでの直販のために店を閉じたとは考えにくい、と言えるのかもしれない。

また別な日に、秋葉原を久しぶりに訪れた。そこでも、ゲームソフト関係の店がメインストリートを占領していた。道行く人の多くは、若者。歩道には、「メイド」の格好をした客を呼び込む若い女性の姿が目立つ。

活字から離れ、ゲームにだけ関心を示す青少年が増えている、ということは良く知られたことだ。外来をしていても、ゲーム片手に入ってきて、診察中もゲーム機を手放そうとしない子供が結構いるのだ。そうした子供達は、何処に行っても、ゲームを手放さない、手放せないのではないだろうか。

ここで陳腐な文化論を繰り広げようとは思わないが、あのゲーム機が若い人々の生活に占める比重はかなりのものになるのだろう。ゲームという非日常への逃避、逃避という言葉が適切でなければ、耽溺か。テレビゲームが盛んになった頃、子供達と一緒にやったことも私自身あるが、自分の感性や知的活動を、予めプログラム化された刺激を受けることだけに専念させ、完全に受動的な作業を行なうもののような気がする。非日常の刺激を、完全に受け身の姿勢で受け入れ、日常生活から逃避するということだろうか。

ゲームそのものだけの問題ではなく、恐らく、それ以外の何かが、彼等をゲームに向かわせているのだろう。ゲームへの耽溺・逃避は、やはり将来大きな社会的な問題になって行くように思える。

『命の道』 

人口減少社会になってきているので、道路の需要が減ることは当然予測されたことだ。それを、国土交通章は認めた上で、人々を医療機関に運ぶための『命の道』を建設し続けると主張している。主張しているのは、官僚と土建利権にまみれた政権与党の政治家達だ。病人を運び込む先、即ち医療機関は減らしながら、『命の道』で人々を何処に導くつもりなのだろうか。

確かに公共事業予算は、減らされているが、他の予算項目への各種補助金として公共事業が行なわれており、公共事業の総計はあまり減っていないのではないだろうか。公共事業の乗数効果が、徐々に低下しつつあることが知られている。公共事業を経済刺激策としてカンフル剤のように打ち続けた結果が、現在の膨大な国家の赤字の累積だ。

『命の道』とはよくぞ言ったものだ。道路と救急車・ドクターヘリ、それに救急搬送情報IT化システムが揃えば、救急医療は心配ないということなのだろうか。『命の道』という呼称が、重たい響きをもつだけに、こうした口から出任せの公共事業利権に蠢く連中の言い草には嫌悪感を覚える。


以下、引用~~~


需要減でも道路整備=「総合評価」「命の道」-政府・与党

 国土交通省が26日、将来の道路需要推計を大幅に下方修正した。高速道路から市町村道まで今後の整備計画に影響を与えそうだが、政府・与党内には、救急医療や通院など生活に欠かせない「命の道」といった観点を強調し、道路整備の継続に向け予防線を張る動きが出ている。同省はこうした医療のほか、観光や地域活性化、企業立地などへの道路整備効果について「総合的な評価」を検討する方針だ。

 「災害や医療など(整備効果を)算定しづらいものはどうなる。田舎は人が少ないから道路を通さなくていいという議論は乱暴だ」(東国原英夫宮崎県知事)とする地方の声は、経済状況の悪化につれ大きくなる一方だ。河村建夫官房長官は同日の記者会見で「直ちに道路投資を減らせる状況にない。『命の道』など身近で重要な道路整備の要望は非常に大きい」と述べた。

 国交省は年内に策定する道路整備中期計画の下に「地方版計画」をまとめる予定。26日開かれた自民党道路調査会で同省の金井道夫道路局長は「地方版計画には『命の道』を着実に入れたい」と約束した。同調査会の山本有二会長も「整備スピードを遅らせたり整備をやめたりするかどうかは、地方版の計画との整合性があるので簡単に言い切れない」とし、今回の需要推計にとらわれない計画づくりに意欲を示している。(了)
(2008/11/26-21:20)

長寿医療制度と呼ぼうが、何と呼ぼうが・・・ 

後期高齢者医療制度を「名称変更」して受け入れてもらおうという議論を、まだやっている。如何に国民の目を本質問題からそらそうかという相談をしているようにしか見えない。

健康保険は、母集団が病気がちで、収入の少ない高齢者ばかりでは、成立しがたくなることは当然のこと。この制度は、高齢者を医療面で差別することに他ならない。呼称を長寿医療制度にしようが、何にしようが本質は変わらない。

末期の医療をどのようにすべきかの国民的な議論は、すぐにでも始めなければならない。高齢者への医療全体を窮乏化させる、ゴマカシ医療行政はやってはいけない。


以下、引用~~~

後期高齢者医療制度:「尊厳損なう」 厚労相検討会、名称の変更求める
09/03/18
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

後期高齢者医療制度:「尊厳損なう」 厚労相検討会、名称の変更求め

 舛添要一厚生労働相直属の「高齢者医療制度に関する検討会」(座長・塩川正十郎元財務相)は17日、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度の名称について「高齢者の尊厳を損なう」と指摘し、速やかな変更を求めた報告書をまとめた。

 与党も、制度見直し案を4月初旬に打ち出す意向で、今秋をめどに政府・与党で最終的な見直し案を策定する。後期医療で高齢者を「75歳以上」で線引きした点については、是認する意見の一方、「65歳以上で区分」などの意見を併記した。【堀井恵里子】

救急診療所の経験 

当地で夜間休日救急診療所が始められてもうすぐ一年になる。何度かそこでのdutyをこなした。最初危惧していた、コンビニ受診の患者さん・・・すなわち、日中や平日の医療機関にかかるべき、ないしかかれるのに、便利だからと救急診療所を受診する患者さんは、それほど多くはなかった。だが、この診療所が知れわたってきたためか、そうした受診傾向の患者さんに時々お目にかかるようになってきた。

この背景には、患者さんサイドの問題だけではなく、医療提供側にも問題がありそうだ。特に、かなりの医師が、三日間等長期間の投薬を行っているらしいのだ。二日間以上の長期投薬をすることは、救急診療所を、あたかも夜間開かれた通常の診療所のように患者さんに利用するように勧めるようなものである。これは、救急診療所のコンビニ化にほかならない。患者サイドのモラルハザードを生み、救急診療体制を破綻させる危険性がある。

長期間薬物投与は、患者さんに、その薬を内服している間は、医療機関にかからなくても良いという誤ったメッセージを与える可能性がある。今日、1歳女児で、下痢が日曜日から三日間続いている、という患児を診た。日曜日には、発熱、頻回の嘔吐もあった様子。経口は、母乳とお茶だけだったらしい。軽い脱水が生じており、全身状態があまり芳しくなかった。この症例は、経口補液だけで何とかなりそうだったが、同様の症例のなかには、重篤な経過をとる例が少なからず存在する。このように救急診療所で長期間投薬することには患者側にとってもリスクがある。

同様の症例を2,3人経験していたこともあり、救急診療所を管理する地区の医師会長に上記の件を報告した。彼は、すぐに状況を理解してくれて、適切に検討すると言ってくれた。少なくとも、病状が把握しにくく、急変することのある小児の救急患者の場合は、1日だけに限定した投薬にすることが必須だ。さらに、投薬以外の生活・食事指導も欠かせない。

K6VVA・K6AR 

2日前の日曜日、仕事場に呼び出されることはなく、雑草が生え始めた庭で草むしりをした以外は、7メガをワッチし続けた。午後2時半頃から、北米に開き始めた。この時期としてはノイズも少なく、午後3時には西海岸の局が、ガツンと入るようになった。

以前にも記したかもしれないが、高専の低学年の学生だった頃、午後2時に授業が終わる日が、週の内、1,2日あり、1時間半程度かかる帰り道を自宅に急ぎ、日暮れ前の時間帯から7メガを聴き続けたことを思い出した。北米の信号が、ノイズの中から少しずつ浮かび上がってくる。その様子が何とも言えず好ましかった。いわば、青春時代を表象するような出来事だった。もう40年ほど前のことだ。

日が暮れてからも、7メガの好調なCONDXは続いた。印象に残った交信は二つ。一つは、旧知のRick K6VVAとの交信。当初、強い信号で呼んできてくれたが、すぐにメインの局に移るから待ってくれといって、しばらく引っ込んだ。サンタクルズの山の中に建設した、remote controlの設備を使って、台所でワッチしていて私もを見つけた。そのPCを用いてコールしたのだが、キーボードが小さくて打ちにくいので、メインの設備から出直した、とのことだった。山の上の設備からの信号は、ベアフットのようだが、S9で、メインの設備でアンプを用いたときと同じか、少し強い。山の上のロケーションは、JA方面に小高い丘があるらしいが、さすがに山の上のことだけはある。

ARRL CWにVP2Vから出たのだが、コンテストのためだけに行くのは忙しなかったと言って笑っていた。私の母親の状況を説明すると、よく理解できる、彼の場合は、母親と彼の二人だけの家族だったので、いよいよ介護が難しくなって、彼女をサンタクルズの丘の上にある介護施設に連れてゆくために、彼女と車に乗ったときのことを忘れることができない、と仰っていた。

もう一つの交信相手は、Jim K6AR。サンディエゴ近郊に住む61歳。昔、DXをしていたころに、パイルアップのなかでよく耳にしたコールのような気がした。昔は、7メガの2エレを上げていたのだが、今はダイポールにベアフットらしい。しばらくQRTしていたのだが、最近カムバックを果たしたとのことだった。

2005年まで、半導体製品の販売会社を経営していたのだが、思い立って、MBAの学位を取るために、ビジネススクールに入学したようだ。MBAの勉強をして、仕事を見直し、また新しいビジネスをはじめる積りだった由。バブルが弾ける前、2007年、勉強を終えた頃に、自分の会社を売り払ったとのことだった。また仕事を立ち上げたいのだが、現在の経済状態で出来ないでいる、とのこと。米国では、50歳代になってから大学院に進学し勉強をするという話を時々耳にする。恐らく、社会的に成功を収めた一部の人々だけしかそうした選択はできないのかもしれない。が、それにしても、凄いガッツだ。教職についていた奥様も最近退職し、自宅で互いに”run into”することもあるので、そろそろ新しいヴェンチュアビジネスを立ち上げたいと思っている、とのことだった。米国の経済も、そう遠くないうちに立ち直るだろう、と。

キーイングに回り込みを起こしているのか、時々ミスキーイングをしていた。以前は、CWの腕には自信があったのに、申し訳ないと盛んに謝っておられたが、彼の送信の腕は十分確かなものだった。

異状死議連への疑問 

異状死議連という集まりが、国会議員により立ち上げられて、「異状死」の死因究明を充実させるために、法整備を行うことを目指すようだ。

下記は、その議連の一人、議連の課題等を説明する橋本岳氏のMRICへ投稿文。

ざっと読んでみて、いくつか疑問点がある。

○異状死は、自然死の対立概念だと割り切っているが、割り切れないというのが、医療現場の実感ではないだろうか。特に、医療訴訟が増えている現状では、医学的には自然死と考えられるケースが、異状死だとして訴追されることが多い。

○議連の指す「異状死」とは、診療に関連する死のみを対象とするものではない、ということは、診療関連死も対象として含まれるということだ。それは医療現場は受け入れがたい。

○この議連の目指す組織は、司法的な観点から犯罪捜査にも関わるとしているが、死因究明と、責任追及が同組織によって行われると機能しない。それは、立ち上がったら、死因究明の機能はそこに移すとされる、医療事故調についても同じことだ。

○議連は、「死因究明医療センター」の設立が目的なわけではないというが、結局、監察医務院にせよ、保健所にせよ、結果として行政組織の肥大化が生じる。厚生労働省の権益拡大と、法医学会の勢力拡大の意向が一致し、それに乗る形で議連が動き出したのではないか。

○医療現場の声を聞く作業は、これから行うのかもしれないが、本来、医療現場の声をまず聞くべきことなのではないだろうか。異状死の定義の問題・医療事故による死であるとしても、直接死因だけではなく、システムエラーに起因する問題等を検討しなければならない。

さて、宇都宮済生会病院中澤氏のこの議連に対する疑問・批判に、橋本氏がどれだけ応えたか、大いに疑問だ。


以下、MRICより引用~~~


       ■□ 異状死議連に関する誤解を解く □■

                       衆議院議員 橋本岳


■はじめに

 先般、MRIC臨時号vol.45において「異状死死因究明制度の確立を目指す議員連
盟が発足しました」として、議連の検討経緯等について情報提供を行った。その
直後に、MRIC臨時号vol.46にて「後出しじゃんけんを法律で認める国」として医
療制度研究会・済生会宇都宮病院の中澤堅治先生が、明示的ではないがおそらく
本議連のことと思われる活動について、批判的に記事を書かれている。

 個人的には、中澤先生が提起されている問題に共感する面もあるが、しかし本
議連については誤解もあるように思われる。振り返って反省すれば、私自身の記
事も必ずしも議連のテーマを的確に述べているとは言い難い。そこで、あらため
て私個人として、本議連にて議論すべきテーマや課題を記し、捕捉させていただ
きたい。なお以下の記述は、現時点での私個人の認識および提案であり、議連の
成果結果等に結び付くかどうかは今後の検討による。しっかりお目通しいただい
た上で、ご支援やご叱責を賜れば幸いである。

■異状死とは

 おそらく中澤先生がもっとも引っかかったのが「異状死」という言葉ではない
か。確かにこの言葉は、昨今の議論では医療との関連で議論されることが多い。
ただ、本議連で指す「異状死」とは、診療に関連する死のみを対象とするもので
はない。

 ここで指す「異状死」とは、「自然死」の対義語としての「異状死」と考えて
いる。ご家族や医師の看取りのもと老衰や病死のため明らかに自然の節理の中で
亡くなった方以外のすべての死
を含む広い概念である。具体的に言えば、殺人、
自殺、事故死、そして孤独死等死因が不明な死体を含むものであり、家や野山や
街中や海岸等で発見された死体ほぼすべてを指す。司法的な観点から、一般的に
犯罪捜査的な側面も十分に確保されることが必要だ

 中澤先生の記事は、おそらく医療事故等を念頭に、犯罪捜査的側面を指して本
議連を「後出しじゃんけん」と批判されているが、まずこの「異状死」の範囲に
ついて誤解があるものと思われる。

■医療との関係

 とはいえ、医療の現場において「異状死」の概念があいまいであることは事実
だ。日本法医学会と日本外科学会等で、診療に関する異状死について見解が異な
。その中で、結果的に無罪になったとはいえ福島県立大野病院事件など医師法
21条違反で逮捕・起訴された例があることから、これは医療現場にとっては極め
て切実な問題でもある。

 また診療に関連する死については、現在第三者機関の設立が検討されており、
厚労省案や民主党案、またそれをベースにした井上清成弁護士の案等が存在する。
よって診療に関する異状死については、何らかの形でこれらの活動と切り分けて
適切に分担をすべき
ものと考えている。実際に、民主党が衆議院に提出している
死因究明に関する法案では、診療に関する死については別途定めることとなって
いる。こういう点は学ぶべきであろう。

 ただし、たとえば救急車で心肺停止状態で病院に到着した場合、すべていちい
ち警察を呼んでいるわけではないということは、医師が事件性の有無の判断を事
実上行っていると考えなければならないのではないか。突然搬送されてきた既に
亡くなっている方に対し、ご遺族の話や既往症等により死因を推定し、死亡診断
書を書くことは珍しくないものと思われる。しかしそれは医師法第20条の後半但
し書きが想定している場合に含めて良いのかどうか、個人的には議論の余地があ
ると考えている。虐待等犯罪の見逃しにつながってはいないか。また「心不全」
等曖昧な死因が統計上増える原因になっていないか
。今後、家庭や施設等から病
院に運び込まれて死を迎える例がさらに増えることが予測される
中で、この点は
もっと注目されるべきだ。中澤先生が書かれたように、「殺人かどうかの判断は
本来医療とはまったく異質のもの」なのだ。だからこそ、ここは論ずべき点と考
えている。かといってすべて解剖するというのはあまりにも非現実的である。よ
ってAiは前向きに考えられるべきである。また、死亡診断書または死体検案書の
記載に関する検査や作業に対するコストの公的負担の在り方も、検討しなければ
ならないだろう。

■「死因究明医療センター」の設立が目的なわけではない

 そもそも、発見された現場には死体があるだけで、異状死か自然死か誰かが判
断しなければならない。或いはそういう判断ができない死体が「異状死」なので
あって、そこから犯罪か非犯罪か、そして死因は何かを鑑別していくプロセスが
死因究明である。現行制度では、医師の検案または検察(実際には警察)の検視
という体表からの死体検索と、それでもわからない場合は犯罪の疑いがある場合
は司法解剖、犯罪の疑いがない場合は地域によっては監察医による行政解剖がで
きる、という状況である。犯罪でないと判断された場合、あまりにも扱いが雑で
あり
、死者の尊厳の確保や公衆衛生の点で問題である。また時津風部屋事件のよ
うに、犯罪の見逃しの可能性も指摘されている。まさにこのような問題意識に立
って、本議連は設立されたものだ。

 日本法医学会の提案は、その最終手段である解剖の実施体制が危機に頻してい
ることを念頭に、解剖体制の再構築を提言したものである。しかし、死因究明の
プロセスやその背景となる制度そのものに言及したものではなく、ただ「死因究
明医療センター」を全国に設置すれば、解剖率の向上は期待できるであろうが、
上記の問題がすべて解決するというものでもない。なお言えば、一部報道等にて
本議連の目的が「死因究明医療センター」の設立にあるような表現も見受けられ
た。設立総会の講師として中園一郎・日本法医学会理事長にお越しをいただき、
提言についてお話を伺ったが、だからそれをそのまま実現をするのだというほど
単純な話ではない。キャリアブレインにて民主党足立信也議員が同様に法医学会
提案と本議連の趣旨を混同した批判をされているが、これも同様な誤解に基づく
ものであろう。

 そもそも、大学の法医学教室、なお言えば医療そのものも崩壊の危機にある中
で、法律をつくったからといってすぐ実現できるものでもない。人材教育から手
当てが必要だ。また予算確保の枠組みや目処があるわけではない。内閣府は検討
会を行っているが、現時点では何を考えているか議連に対して明らかにしていな
い。これらの問題点を一つ一つ積み上げ、より改善するプロセスを考えなければ
ならない。中澤先生は「全国厚生局に担当部署を置き」云々と書いてあるが、ど
こにそんなことが書いてあったのだろうか。

 もちろんアイディアがないわけではない。個人的には監察医制度の全国拡充と、
地方交付税による都道府県への財政措置が考えられるのではないかと個人的には
思っている。監察医制度同様に都道府県事務(但し政令指定都市と中核市は市の
事務)である保健所のスキームが参考になるのではないか。そういったこともこ
れからの議論だ。

 なお個人的には、このテーマは政党的対立にふさわしいものとは思わない。本
議連で自民党・公明党としての案をまとめつつ、時期をみて衆院法務委員会等で
民主党提出法案とのすり合わせを行い、よりよい制度の実現に結び付けたい。

■まとめ

 いずれにせよ、本議連には実に誤解が多い。こちら側の情報提供の仕方にも問
題があったものと反省している。ただ、まだ二回勉強会を開いただけで、まだ一
度も議連としての取りまとめも行われていない中で、断片的な発言等に基づいて
報道が行われ誤解を含む批判が出るというのは、誰にとっても幸せなことではな
い。本議連の会合ははオープンであり、前回は議員以外の来場者にも意見を求め
た。ご都合がつけばぜひご参加をいただければ幸いである。議論を重ねれば当然
議連としての提案等も公開されるであろう。私たちも、引き続き情報提供させて
いただく所存である。ぜひとも各方面からご意見、ご指導を賜りたい。

Chuck W7MAP 

今夜、Chuck W7MAPが7メガで呼んできて下さった。応答をする間に、このコールは・・・あ、そうか、Leoさんのサイトにリンクされているブログの主だなと思い出した。が、最初からその話題について話し始めると長くなってしまうので、リポート等最小限の送信内容で受信に移った。案の定、私のブログに目を通してくださっている(きっと、Googleか何かの翻訳機能を用いていらっしゃるのだろう)とのことで、会えて嬉しいと仰って下さった。

彼はテキサスに住む63歳。無線暦は50年間になる由。USNAVYに17年間務めた後、電気関係のサービスエンジニアをなさっていて、今は既にリタイア。日中の仕事は無線だと言って、笑っておられてた。彼のブログは、ここ。当初、ベアフットでQSBの谷間では少し読みにくかったが、アンプを入れてくださってからは、ソリッドコピーだった。アンテナは、釣竿を用いた全長15mのダイポール。高さが8m程度しかないので、飛ばないと仰っていたが、なかなかの強さで入感していた。さっさとお終いにしようとされたが、質問を繰り出してしばらく引っ張ってしまった(笑。

まずネットで互いに知り合い、ついで無線で交信するというパターンが時に見られるようになってきた。一期一会の無線での交信の原則に反するような気がしないでもない。が、ネットはネットで便利な道具で、世界に向けて視野を広げてくれる。だから、こうした知り合い方も積極的に評価して、楽しんでゆきたいものだ。無線という不確実な通信手段、思考の速度に丁度マッチした電信という旧式だが魅力的なモードを純粋に楽しむには、ネットを介した情報交換が事前にあっても構わないということだ。

あぁ、時々はやはりヘタな英文のエントリーを記さなければならないか・・・時間が許さないなどと彼には言い訳したのだが・・・笑。

送別会 

今夜は、近くのイタリアンレストランで、今春退職されるお二方の送別会。二人共に、受け付け事務を受け持ってくださっていた。お一人は、先のエントリーにも記した、看護師を目指して進学される方。3年半仕事を一緒にして頂いた。優秀な人材で、辞められるのは、私の職場にとって大きなロスだが、彼女のこれからの人生を考えると引き止められない。

もう一方は、専門学校卒業後、すぐに私の職場に来て下さり、6年間、一緒に仕事をして来られた。彼女は、経済的にも困らない環境にあり、少し休みたいという意向で、退職を申し出られた。この方は、小学生の頃から時々私が診察をしていた患者さんでもある。まだ若い方なので、医療事務を一生の仕事とするために、入院も扱うような大きな医療機関で訓練を受けた方が良いだろうと思って、送り出すことにした。

思い返すと、色々とあったが、ただただ感謝あるのみ。

残る6名のスタッフ、それに送るお二人に、これからの医療が厳しい状況が続くこと、そして私の職場が何時まで続けられるか分からないが、ここで仕事を一緒にして良かったと互いに思えるように、これからも力を合わせて行こうとお話した。縁があって、同じ職場に集い、また何時か時が来れば、この職場から散って行くのだ。

4月から、以前7年間受付として仕事をしてくださった方が復帰して下さる。

大荒れの海原にお二人を送り出し、また自らも残るスタッフとともに漕ぎ出す船乗りのような気持ちだが、出来るところまで仕事を続けよう。

詐欺商法二題 

所謂、風邪を弾いた時に、市販薬を使って「治そう」とする方も多いことだろう。風邪にすぐ効く○○○○等という宣伝文句が頭にこびり付いている位、市販薬の宣伝は頻繁に行われている。

小児のために売られている「風邪薬」に含まれる内容を、しげしげと見たことがある。解熱剤・鎮咳剤・抗ヒスタミン剤等が含まれている。鎮咳剤は、医療機関の小児科ではついぞ使われなくなった、中枢性の鎮咳剤である。それに、それらの投与量が、年齢相当の適切な投与量に比べると少ない。要するに、どの症状にでも効く「かもしれない」多数の薬剤を、少量ずつ合剤にしたものだった。少量にしているのは、副作用の生じる危険性を少しでも減らしたいという製薬会社のイジマシイ思いからきているのだろう。一番怖いアレルギー性の急激な副作用は、少量でも起きる場合は起きる。

そもそも、狭義の「風邪」に「効く」ということ自体が、不当表示である。せいぜい症状を多少緩和する程度の効果しかない。それに加えて、旧態依然とした薬品も含めて、少量づつ配合した合剤を服用する意味は殆ど無い。

これは一種の詐欺である。

下記は、中国で生産された「化粧クリーム」に強力なステロイド剤が含まれていたというニュース。きっと、アトピー性皮膚炎に効く「化粧クリーム」として、アトピー性皮膚炎の患者さん達に販売されていたのだろう。様々なバリエーションのあるアトピービジネスの一つ。

しかし、上記の市販風邪薬も、これとそれほど違わない詐欺商法の一つだ。それを問題にしないマスコミ。やはり製薬会社を敵にできないのだろうか。先日、「うつ病の常識を変える」と豪語したNHK等も、いかに政治家から頼まれた(命じられたから)と言って、うつ病のクリチカルな問題を単純化し、変な方向にリードする等と言うことをしたりせず、正々堂々と行われているこうした詐欺商法を追及してもらいたいものだ。



以下、引用~~~

化粧品にステロイド剤 中国から輸入、回収指示
09/03/11
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 奈良県は11日、同県吉野町の化粧品販売会社「コスメプロ」の化粧クリームから、薬事法で化粧品への配合が禁止されているステロイド剤が検出されたとして、製造販売中止と自主回収を指示したと発表した。

 県によると対象は「がいようクリーム」。外用ステロイドホルモン製剤としては最も作用が強い部類の「プロピオン酸クロベタゾール」が含まれていた。炎症などが出る恐れがあるという。健康被害の報告はない。

 同社によると、同製品は長野県の会社が中国から輸入し、コスメプロが瓶詰めしていた。中国の製造業者はステロイド剤が入っていないという証明書を提出。中国製との表示はしていなかった。 県によると、ステロイド剤の使用を止めようとするアトピー患者らが、保湿クリームとして使うケースもあったという。

 2006年3月から、約7600個がインターネットや店頭で販売された。県は、使用者は医師に相談するよう呼び掛けている。

 コスメプロは「ご迷惑をお掛けして申し訳ない。知らなかったとはいえ、責任を持って回収する」とコメントした。

NHKはうつ病治療の常識を変える!ガッテンできない・・・ 

関係者の話によると・・・と言うと、NHKみたいになってしまうが、彼等とは違いできるだけ客観的に記そう。

過日、NHKスペシャル『うつ病の治療 常識が変わる』が放映された。その番組の主張の骨子は、現在の精神科診療では投薬数が多すぎる、投薬数を減らすべきだ、認知行動療法を取り入れるとうつ病は劇的に改善するということだった。認知行動療法を行なう臨床心理士の立場を高めようという意図が読めた。

この番組によって、うつ病患者の方々、精神科医の間で大きな波紋が広がっている。

一部の患者さんでは、現在受けている治療への不信感、不安感が高まり、内服を自分の判断で止めてしまったり、中には、自殺企図をなさった方も出ている。

精神科医の中には、十分な訓練を受けずに多数の薬物を闇雲に投与している医師も皆無とはいえないが、多剤併用をするのはそれだけ重症のケースであり、多剤によってようやく良い状態が維持されている場合も多い。認知行動療法も、まだまだ実際に行える施設・臨床心理士も数少なく、その効果も、薬物療法を補完する程度の存在のようだ。

どうして、これほど一方的な内容の不適切な内容の番組を、NHKが放映したのだろうか。今回のNHKの番組作りの背景が、「関係者の話から」判明した。

○臨床心理士の国家資格化に反対した日本精神科診療所協会(以下、日精診と略す)幹部に、NHKの番組制作下請け会社のスタッフから何度か問い合わせがあった。

○その問い合わせは、自民党の某議員が行なうようにそのスタッフに命じた。

○その議論は、同日精診幹部の発言を特定の方向に導こうとするものであった。

○同日精診幹部は、番組へのコメントを断った。

で、ここからは推測になるのだが、その某議員または同じ勢力から、NHKに、この番組を、最初に述べた主旨で制作するように働きかけがあった。NHKは、下請け制作会社に丸投げした。その際に、臨床心理士の国家資格化に消極的であった日精診の幹部に翻意を促す、ないし番組の流れから、日精診の主張が間違っていると、視聴者に印象づけようと考えたのではないだろうか。上記働きかけを行った議員は、自らの主張を世論とするために、NHKを利用した。NHKは問題の重要性を考えずに、下請け会社に制作させた、医学的に観ると不適切な、一方的な内容の番組を放映した、ということになるのかもしれない。

マスメディアを、世論誘導の道具に利用する誘惑は、時の権力者にとっては抗いがたい、それどころか、積極的に利用している。医療現場にいると、そうした記事・番組に、よく出くわす。国民の側が、そうした記事・番組を距離を持って眺める、場合によっては、その不適切さをマスメディアに強く訴える必要があるように思われる。

もしかすると、この番組を制作したのは、『ためしてガッテン・・・』の制作会社だったのかも・・・結論が、単純化され、そこへ誘導する番組作りがそっくり(苦笑。うつ病という、とても困難な病気をこのように、何らかの意図をもって軽々しく扱うNHKには、猛省を促したい。

遅きに失したが・・・ 

すでに、公的医療機関の7割が赤字経営、民間医療機関も5割は運転資金不足になっている。特に公的医療機関は、どんどん潰されている。

これは、医療を破壊する制度を次々に打ち出し、診療報酬も減らし続けてきた当然の結果。

今頃になってという思いもあるが、マスコミがようやく本当のことを語り始めた。

しかし、遅きに失したというべきだろう・・・。



以下、毎日jpより引用~~~

アメリカよ・新ニッポン論:第2部・改革の構造/6
 ◆医療への市場原理導入

 ◇米の要求と符合か
 オバマ米大統領は5日、「今年中に包括的な医療保険改革を法制化する」と宣言した。米国には公的な医療保険制度がない。国民は民間保険に入るしかないが、人口約3億人の実に約4900万人が無保険者だ。保険に入っていても、保険料に応じ受けられる医療に大きな格差がある。

 クリントン国務長官は1993年、当時のファーストレディーとして国民皆保険制度創設を目指したが、失敗。今回は民主党政権による16年ぶりの再挑戦だ。

 「日本も米国のようになるのではないか」。01年以降、急速に進む日本の医療制度改革に対し、米国の医療崩壊を引き合いにした懸念の声がやまない。「混合診療」解禁も焦点の一つ。保険が適用される診療と保険外診療(自由診療)の併用を認める改革だが、「金持ちは高価な保険外治療も受けられるようになる半面、所得が低くて民間保険に入れない患者との格差が生じる」と心配された。

 解禁の旗振り役は、小泉改革の「推進エンジン」だった経済財政諮問会議と総合規制改革会議の学者や経営者のメンバーたち。「日本もバリュー・フォー・マネー(=金に見合った医療サービス)の方がいい」という意見が非公式の場で盛んに飛び交い、厚生労働省や医師会は猛反対した。

 第2次小泉改造内閣が発足した04年9月。官邸に呼ばれた尾辻秀久厚労相(現自民党参院議員会長)は、小泉純一郎首相から課題を列記した紙を手渡された。「混合診療の解禁」とあった。「他の指示は抽象的で、これだけが具体的だったので違和感を持った」(尾辻氏)。規制改革担当相に任命された村上誠一郎衆院議員の紙にも「混合診療を今年中に解禁」と書かれていた。

 3カ月後、両相は混合診療解禁で基本合意する。「包括解禁」は見送られたが、それまでも例外的に併用を認めていた「特定療養費制度」を拡充する妥協案で一応の決着をみた。

 関係者は「小泉元首相に国民皆保険制度を破壊する意図はなかった」と口をそろえるが、医療制度改革は小泉政権発足を境に進み、その歩みは、米国側が日本に規制緩和を求めた軌跡と奇妙に符合する。

 01年の年次改革要望書で、米政府は日本の医療分野に市場競争原理を導入するよう要求。同年と翌02年、在日米国商工会議所は株式会社による病院経営を認めるよう迫った。混合診療解禁は、米国が投資環境の改善を目指して示した04年の「日米投資イニシアチブ報告書」にある。小泉首相が閣僚に指示した年だ。

 この間、日本は02年と03年に保険診療における患者の自己負担を引き上げて医療費の抑制を図り、04年には混合診療や病院の株式会社経営を限定的ながら容認するなど、次々と改革を実行してきた。これが、「小泉改革は米国流のお仕着せだ」という批判の「状況証拠」とされている。

 米国自身がもがいている医療崩壊の道を、なぜ日本がたどろうとするのか。小泉元首相は「米国の代弁者」だったのか。

官僚の次なる利権は、人手の手配 

新卒看護師にも、医師と同様の全国一律の研修制度を導入するらしい。表向きは、看護教育を受けただけでは臨床現場に対応できないから、研修をする、ということのようだ。しかし、それはむしろ看護教育の問題であるはず。離職率の高さは、仕事を続けられない労働条件だからなのではないか。

行政と、研修を受け入れる医療機関の本音は、マッチングなどと称して新卒看護師の手配をする官僚の天下り先を確保し、さらに研修受け入れ医療機関が一定期間看護師を確実に確保することなのではないか。

これで、看護師不足に拍車がかかり、地域医療の崩壊に拍車がかかる。


以下、引用~~~

看護師新人に研修を 厚労省の専門家検討会
09/03/09
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

看護師:新人に研修を--厚労省の専門家検討会

 看護の質の向上に関する厚生労働省の専門家検討会(座長、田中滋・慶応大教授)は6日、養成機関を卒業した新人看護師に、新人医師と同じような研修制度を導入すべきだとの提言をまとめた。厚労省はこれを受け、制度設計の検討に入る。

 看護教育を巡っては医療の高度化などに伴い実践経験の不足が指摘され、教育内容と臨床現場とのギャップが新人看護師の高い離職率につながっていた。このため検討会では個々の病院に任されていた看護師研修を基礎教育の充実と合わせて制度化するよう提案。国に財政支援を求めた。看護師は年4万人以上が国家試験に合格する。

週末の夕食 その12 

温野菜は、普段は圧力鍋で蒸かして、その後ドレッシングをかけて食べるのだが、今回は、野菜にコンソメで味付けして茹で上げた。最後に少し塩で味を調整。結構、好評だった。

IMG_0885-1.jpg

最後の時代の証人か・・・ 

午前中に急患を二名だけ診て、仕事場を後にした。午後は、自宅でのんびりと過ごすことができた。7メガは、午後2時過ぎには北米に開き始めたが、CQを出しても応答がない。様々な雑用をしながら、時々CQを出し続けると、午後3時半頃からボツボツ呼ばれるようになってきた。バックグラウンドはとても静かだ。

LAの南50マイルのところに住むAlan WA6MOW。64歳。無線暦50年間。ほとんどCWで運用しているとのことだ。テンテックのArgonaut15W出力で、アンテナは木陰に隠して張った8m高のオフセンターフェッドツエップ。海岸に近いとのことで、この設備でも十分ラグチューができる強さで飛んでくる。

このところ、CWのactivityが低い、米国では、無線の免許を取るのに、CWが要求されなくなったからか、と嘆いておられた。160m、80mとオンエアーしてきたが、相手がいない、と。

私もここで何度も記してきたが、確かに、CWのactivityは、年余の経過で観てきて、徐々に低下してきている。静かに幕が降りるかのように。Alanには、でも、このCWという通信モードの最後の時代を証言することなのではないかと申し上げた。我々が楽しんでいて、それを見聞きして関心を持つ方がいればそれはそれでよいし、そうでなければ、静かに幕が降りるのを見届けることになるのだろう。

Alanから、私が英語が上手いがどこで習ったのかと尋ねられた。お世辞半分、社交辞令半分の質問であることはよく分かっていたが、仕事上英語の文献を読む機会があった、それ以上に、無線をしていたので、英語にも関心を持ったと答えた。如何に話すかよりも、何を話すかが大切だと思うのだが、というこうした問いかけへの定型的な答えをするのは止めておいた。

Alanの危惧は、私も共有するところで、無線の揺籃の地、米国の無線家と交信しても、「話が通じない」ことが結構の頻度で起きるようになってきた。恐らくCWの受信能力が不十分なのだろう。こちらが何らかの問いかけをしても、関係の無い話題を一頻り話してお終いになるというパターンだ。分からなければ、分からないと言ってもらえれば、もっと分かりやすく話す、ないしスピードを落とす等して、ダイアローグが続くのだが、自分の言いたいことを言いっぱなしだと互いにモノローグのぶつけ合いになってしまう。

同じことを繰り返し書いているような気もするが、CWの最後の時代を生きる証人としては、こんな愚痴めいたことを記録するのも許されることだろう。

年老いた母のこと 

このところ、母親の今後の介護ケアをどうするのかが、私にとって、家族にとって、大きな問題だった。過日、インフルエンザに罹患して以来、母の状態は、さらに悪化し、より十分なケアが必要になってきたのだ。また、共稼ぎである我が家では、母親と相対する時間が短くなってしまい、母親も寂しい時間を過ごしているのではないかという思いもあった。

兄弟間で様々なやりとりを行い、宮城県に住む弟がとりあえず引き取るということになりそうだ。弟と姉は、これまで月に1,2回ずつ週末に我が家を訪れ、母親の面倒を看てくれていた。もう十分世話になったと思うし、弟の家庭も母親を受け入れるキャパシティがあるようには思えない。認知症の進んだ母親も、時に清明な意識と判断力が現れることがある様子で、自分はどこに行っても構わないと言う。それを聴くと、こころに剣を突き刺されるような気持ちになる。母親が、平安な晩年の日々を過ごすには、どの選択が一番良いのか・・・。

無線の友人に、こうした問題を話すと、こころに響くような言葉を返してくれる方が多い。核家族が原則と思っていた米国でも、親の面倒を良くみているようだ。Vic W9RGBは、母親を施設に預けることを決心するときに、guiltyの感情を感じるのだろうと本質的なことをズバッと言ってきた。しかし、ある年齢と状態になれば、そうすべきなのだ、guiLtyと感じることはないのだ、と。Fred K5FAの年老いた伯母Noraが、過日、Fred等の努力の甲斐あり、養護施設から自宅に戻ったが、程なく自宅での生活は無理と分かり、また施設に戻ったことを教えてくれた。Geo W0UAの母上は、87歳で亡くなる前、しばらくの間は、彼女のコンドミニアムに仕事場から通って、面倒を看たこと、いよいよ最後の時期に介護施設に入ることになったが、そう決めた直後に体調を崩し、程なく亡くなった、最後まで認知症になることもなく意識ははっきりしていた、とVicと私の交信を聞いていた彼が、教えてくれた。Bert W5ZRも、80歳代で亡くなった母上の最後2年間は、姉妹と協同で面倒を看続けたということだった。人生の最後はそうしたものだ、と。

客観的に考えて、母親にとって最善の選択は何なのか、なかなか結論は出せない。これは、もうしばらくすれば、自分自身の問題にもなるのだ。

臨床研修制度をめぐる医系技官の思惑 

臨床研修制度が、官僚の思惑からのみ弄ばれているという論説。東大の上氏がMRICで公表したもの。今回の改変によって、地域医療の更なる混乱と、荒廃が進むように思える。医師不足は、地域医療を担う中堅の医師の不足である。臨床研修制度は、医師になりたての研修医諸君が医師として一番伸びるべき時に最善の研修を可能にすることを目的とすべきだ。臨床研修制度を改変することによって、地域医療を立て直すことはできない。

研修医を崩壊しつつある地域医療第一線の兵隊に動員しようという発想が間違っている。それが、官僚の利権を確保するためとしたら、官僚は禍に苛まれるべきだ。


以下、MRICより引用~~~

■□ 臨床研修制度をめぐる医系技官の思惑 □■

       東京大学医科学研究所
       先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門
       上 昌広

今回の記事は村上龍氏が編集長を務めるJMM (Japan Mail Media) 2月25日発行の
記事をMRIC用に改訂し転載させていただきました。



 先日、医師臨床研修制度の見直しが大きく報道されました。5年前、「臓器を
見て人を見ない医師ばかりになり日本の医療が荒廃している。すべての医師にプ
ライマリケア(初期の幅広い診療)を」という理念を掲げ、鳴り物入りで登場し
た制度でしたが、あっけなく方針転換されました。

 そこで今回は臨床研修制度見直しの背景を紹介し、わが国の医療行政が抱える
問題点を議論したいと思います。


【 制度導入前から見えていた破綻 】

 繰り返し報道されているとおり、2004年に導入された臨床研修制度は、地方の
医師不足を加速させる結果を招きました。しかもそれは、制度導入前から多くの
関係者が予言していたことでもありました。当然、現場からは、「制度をなくせ。
そうすれば2学年分、1.5万人の医師が増える」という悲鳴があがりました。

 事態が急展開したのは、昨年9月。自民党の支持率低迷に悩み、その一因でも
ある医師不足問題に業を煮やした森喜朗元総理は、臨床研修期間「2年を1年に」
短縮するために「医師臨床研修制度を考える会」を設立し、宮路和明議員に託し
ました。こうして高邁な理想をうたった制度は、僅か5年で見直される運命となっ
たのです。


【 今回の見直しの要点 】

 今回の臨床研修制度見直しの要点は、研修内容の変更と研修医の計画配置です。

 現行制度では、内科・外科・救急・小児科・産婦人科・精神科・地域医療の7
診療科が必修で、このうち内科は6ヶ月以上研修することが推奨されています。
新制度では必修科目は内科(6ヶ月以上)、救急(3ヶ月以上)、地域医療(1ヶ
月以上)に削減され、残りの診療科からは2科目を選択することになります。こ
の結果、必修科目の研修は最初の1年間で終了することが可能で、後半1年間は自
由選択になります。多くの医師は自分の専門科を選考するでしょうから、宮路議
連の要請に応えたことになります。

 一方、計画配置については、これまでは病院ごとにマッチング枠を設定し、地
域による制限はありませんでした。しかしながら新制度では、都道府県毎に研修
医の定員枠が設けられます
。これは研修医が都会に集中したため、地方の医師が
不足しているという世論に応えたものです。

 さらに、研修医の応募が定員に満たなかった場合、その枠は削減されることに
なりました。また、病院毎の定員の合計が都道府県毎の定員数に満たなかった場
合は、その不足分は地域の大学病院に割り振られます。大学が地域の医師派遣機
能を担っていると考えられているからです。


【 臨床研修制度の理念と本音 】

 現行の臨床研修制度は2004年4月にスタートしました。プライマリケアを中心
とした幅広い診療能力の習得を目的として、2年間の臨床研修を義務化するとと
もに、医師法を改正し、適正な給与の支給と研修中のアルバイトの禁止を盛り込
みました。すなわち、わが国では、医学部を卒業して国家試験にも合格した全て
の医師に、さらに2年の研修が義務づけられたのです。

 この制度は、医師の研修を充実させるという意味で、一見よく見えます。しか
しながら、世界的には極めて特異です。政府が医師教育の内容を法律で一律に規
定してしまっているからです。

 日進月歩の医学にキャッチアップするためには、医師は生涯にわたり勉強を続
けなければなりません。勉強すべき内容は医師が置かれた状況によって変わり、
多様です。そのため医師の教育システムにも柔軟性が求められます。これは皆さ
んが所属される会社組織でも同様でしょう。

 一方、医師と権力の関係は微妙で、国家権力が医師教育を統制する危険性は、
歴史が教えてくれています。例えば、第二次世界大戦中の731部隊による人体実
験、戦後のハンセン病の隔離政策なども、良心的な医師の反対を押し切って、国
家が進めたものです。また社会制度上、官僚は政治家や世論に影響され、政治や
世論はときに暴走するため、社会は医師集団に対し、その自律と引き替えに世俗
権力から一定の距離をとる
ことを認めてきました。これは、試行錯誤の末、近代
社会が獲得した知恵なのでしょう。メディアの方々は、今回の臨床研修制度の医
師を新聞記者に置き換えていただくと、この制度がいかに本質的に異常なものか
お分かりいただけるでしょう。

 ですから、医師教育への国家権力の介入には、私たちは神経質でなければなり
ません
。医学教育をコントロールすることこそ、医師をコントロールする一番良
い方法だからです。厚労省による臨床研修制度導入は、その典型です。私はこの
制度に託されたプライマリケア推進の方向付け、逆に言えば専門医療の軽視の背
景には、その高邁な理念とは裏腹に医療費抑制政策の陰が見えます。患者の生死
に直結するような高度医療を抑制すれば、医療費は減少するからです。


【 臨床研修制度導入当時の社会背景 】

 では、臨床研修制度は、どのような背景で発足したのでしょうか。

 この制度が発足したのは2004年ですが、これは、2000年前後にマスメディアが
横浜市大や都立広尾病院で起こった医療事故を大きく取り上げ、医療界の隠蔽体
質を糾弾したことと大いに関係があります。

 一連の事件報道によって医療界の抱える問題点が世間にさらけ出されたことは、
医療界にとって大きな試練となった一方、それを契機に情報公開が飛躍的に進み、
その体質は大きく変わりました。

 ちなみに、このような変化は医療界に限ったことではありません。振り返れば、
当時の日本は価値観の大きな転換点にさしかかっていました。1980年代前半から
地方公共団体では情報公開条例の制定が進み(1982年山形県金山町、1983年神奈
川県、埼玉県)、1990年代には説明責任(アカウンタビリティー)や透明性とい
う概念が普及しました。それまでは、組織内で生じた問題は内々で解決する人間
が高く評価されていたのに、この時期に続発した不祥事を契機に、情報開示が強
く求められるようになりました。皆さんも、1998年の大蔵省ノーパンしゃぶしゃ
ぶ事件や2000年の三菱リコール隠しなど、思い出されるでしょう。一部のケース
では、企業の方針に忠実に働いていた人たちが遡って糾弾されました。この時期、
各業界が多くの返り血を浴びながら、自己改革を進めていきました。

 あまり議論されていませんが、この頃を境に、医療界への官僚統制は格段に強
化されました
。その一つが臨床研修制度の導入という見方も可能です。

 医療に限らず、業界の不祥事が露見した場合、世論は政府による規制を求めま
す。世論に後押しされた政府は業界への規制を強化し、社会の要望に応えようと
します。冒頭にご紹介した「臓器を見て人を見ない医師ばかりになって日本の医
療が荒廃している」という主張も、医師が社会からの信頼感を失っていたため、
当時の日本人に疑問なく受け入れられました。そして、国家が医師という専門職
の教育課程を規制することに対し、大きな反対も起こりませんでした。


【 臨床研修制度により焼け太る役人 】

 2004年に発足した臨床研修制度では、医学生と病院とが全国一斉に“集団お見
合い”するような「マッチング」という仕組みで研修病院を決定することになり
ました。当然、相当量の事務作業が発生しますので、それを処理するスタッフが
必要になります。

 その仕事を担当した先こそ、厚労省の外郭団体である「財団法人 医療研修推
進財団」
です。臨床研修制度の創設が、厚労省とその外郭団体に、新たな仕事と
多額の補助金を与えることになりました
。さらに当然のごとく、この財団には複
数の“渡り”の官僚(医系技官)が理事として天下ることになりました
。財団で
は、研修システムの開発とその実施、支援等を行っているとしていますが,医師
の臨床教育のメニューを決めるのに臨床経験が乏しい役人を入れる必要は、もと
よりありません
。また、多額の補助金は、それを獲得するために、厚労省や与党
との特別な関係を生み出しやすくなります。本来、このようなお金は、診療報酬
として病院に直接支払われ、病院長がその裁量で適切な使途を決めるべきもので
す。


 そして今回の臨床研修制度の見直しでは、全国すべての病院の研修医配置数を
厚労省が決めることになると同時に、2年間の臨床研修期間が維持されました。
前者は医師数の計画配置権限を役人が獲得したことを意味し、後者は研修期間が
実質的に1年間に短縮されてもなお2年分の予算とポジションを維持できたことを
意味します



【 医師不足を研修医の強制派遣で補う愚 】

 今回の臨床研修制度見直しについて穿った見方をすれば、厚労省の官僚(医系
技官)たちは、医師教育と医師不足問題を意図的に混乱させ、自らの権限の焼け
太りをはかった
と考えることも可能です。

 私の知る限り、大学を卒業した医師に全科目のローテーションを義務化してい
る国は日本以外にありません。
何より、わが国では、すべての診療科を回るスー
パーローテートは、大学医学部での実習で既に行われています。全身を診ること
が出来る医師を養成するなら、まず大学教育を充実すべきです。卒業までにその
技量が身についていれば、卒業後速やかに戦力となり、医師不足のわが国にとっ
て理想的です。

 しかしながら今回、研修制度見直し委員会が文科省と厚労省の合同で開催され
たにもかかわらず、このような意見は検討されませんでした。何故、もっともシ
ンプルな解決法が議論されなかったのか、私にはわかりません。

 今回の制度見直しのもう一つの問題は、臨床研修と医師不足問題を一緒くたに
議論していることです
。一人前になっていないから研修が必要なのであって、そ
のような医師を医師不足地域に派遣するなどというのは、派遣先の地域住民に失
礼な話です。また、研修医の教育を疎かにすることは、長期的に国民につけが回っ
てきます。

 地方の医師不足については、研修を終えた医師のインセンティブの確保、開業
医と勤務医の協同(ドクターフィー制度、ホスピタルフィー制度の運用)、コメ
ディカルの活用
で解決すべき話です。


【 権力にすり寄る学者たち 】

 このように、今回の研修制度見直しは、多くの問題点を含んでいます。ところ
が、見直しの議論においてなお、現行の制度を強く擁護する人たちもいました。

 その代表が篠崎英夫氏です。篠崎氏は、制度創設時の医政局長で、現在は国立
保健医療科学院院長に天下りしている医系技官です。今も現役の審議会委員を務
めるなど、厚労省への強い影響力を持ちます。これでは行事が相撲をとっている
ようなものです。

 また、今回の臨床研修見直しのための検討会には、5年前に制度創設に協力し
た委員が多数選ばれました。今回の委員会の主旨を考えれば、彼らは参考人とし
て招聘すべきであり、委員会の公正な運営に疑問が生じます。委員会の人選の実
権を握っているのは、厚労省の医系技官です。

 2月18日に開催された臨床研修検討会では、舛添厚労大臣も危ういものを感じ
たのでしょう。「最大の問題は国が枠を決める、統制すること。できるだけ統制
したくない」「憲法上の職業選択の自由に反するが、公共の福祉のためにどこま
で許されるのか」「学生の意見もあるだろう」
と、懸念を示しました。しかし舛
添大臣の懸念は、とりまとめには全く反映されませんでした

 このようなやりとりから脳裏に浮かぶのは、昨年10月に読売新聞社が社を挙げ
て打ち上げた「医師を全国に計画配置」という提言です。読売新聞にこのアイデ
アを吹き込んだのは誰でしょうか。新聞発表のわずか2日後、「計画配置をする
考えはある。よい規制だ」と発言したのは医系技官の佐藤敏信・保険局医療課長
でした
。興味深いやりとりです。


【 全人的医療とは? 】

 最後に、臨床研修制度が目指す「全人的医療」とは、そもそも何をいうのでしょ
う。また、日本の医師は本当に「全人的医療」ができなかったのでしょうか?

 おそらく「全人的医療」に込める意味は人によって異なり、時代や地域に影響
されるでしょう。このように定義が不明瞭な言葉を用いて臨床研修の目的を表現
することに、私は危険を感じます。

 一般論として、米国のように訴訟を前提として診療し、自分の専門領域以外に
は手を出さない医師たちに比べて、日本の医師たちは、地域性や患者個別のニー
ズに柔軟に応え、自分の専門領域を持ちながらも幅広く診療しています。

 例えば、厚労省の調査によると、わが国の診療従事医師数は263,540人ですが、
従事している診療科(複数回答)は計432,779に上ります。日本の医師たちは平
均一人二役をこなし、実際の人数の2倍近い医療を幅広く提供しているわけです。

 また、230人の血液内科医の学会調査では、133人(58%)が腹部エコー、96人
(42%)が上部消化管内視鏡、26人(11%)が気管支内視鏡ができると答え、総合
診療を担っていることを示しています。これは訴訟大国の米国では考えられない
ことです。このような事実を考慮すれば、専門医とプライマリケア医師の分離が
厳格な米国と比較して、日本はその中間状態にあると言うことができます。

 もし、このようなわが国の医療の現実を十分に説明することなく、「すべての
医師にプライマリケアを」という理念を掲げれば、どのような事態を招くでしょ
うか。おそらく、多くの国民は、一人の医師が多様な患者のニーズすべてに対応
できるし、そうすべきだと感じるでしょう。しかしながら、これは不可能であり、
このような前提で医療制度を構築している国はありません
。世界のどこにも存在
しない医療制度を理想とし、国民に提示すれば、期待と現実のギャップはますま
す開きます。そして、医療不信・医療訴訟など、トラブルの温床となっていきま
す。

 このように考えてみても、全医師に一律にプライマリケアの習得を強いる現行
の臨床研修制度は、その必要性にも論理的整合性にも、最初から疑問があった
言わざるを得ません。制度導入時といい、今回の見直しといい、そこには役人
(医系技官)の思惑と辻褄合わせが見え隠れしています。医療現場、とくに当事
者である研修医、医学生は、彼らに翻弄され、疲弊するばかり。国民も医師不足
にさらされています。

 実現不可能な理想を掲げることに何の未来もありません。国民の信頼をますま
す裏切る
ことは自明です。むしろ必要なことは、医療のあるがままの姿を社会に
提示し、限界も含めともに考えていくことができるよう、情報を公開・共有して
いくことでしょう。

検察の問題 

小沢民主党党首の第一秘書が、東京地検に逮捕されたという報道で、マスコミは持ちきり。企業から、政治家個人への寄付は、政治資金規正法で禁じられている。小沢氏個人への寄付が、西松建設からの金を個人を形式的に介した迂回寄付だったのではないかということのようだ。

事実がどうだったのか、小沢氏がそのことを認識していたのかは、すぐには判断できないが、自民党で同じく高額の寄付を迂回経路で得ていた議員が何人もいる。二階大臣、森元首相等々。彼等は、寄付金を返せばよいだろうと言っているらしい。今日の参議院予算委員会での、共産党小池議員の追及に、二階大臣は、800万円の寄付をしてくれたのが誰だか分からないと繰り返していた。彼等、政権与党の議員達も、この西松建設からの寄付金については、小沢氏と同じ立場にいるように思える。自民党の議員は、政権与党という利権に直接与りうる立場にあるのだから、説明責任は、小沢氏と同じはずだ。

この報道でとても気になることがある。『関係者によると・・・』といった報道がとても多い。それは、検察の主張に沿ったものであり、明らかに検察サイドからの情報の意図的なリークによるもののようだ。まだ捜査段階であり、こうした意図的なリークを、巨大な権力を背景に持つ検察が行うことに、何か危ういものを感じる。検察は、自らの捜査が正当なものであるという印象を世の中に与えたいと考えているのだろう。もしかしたら、それ以上の意図を持っているのかもしれない。マスコミが、繰り返し、こうした確定的でない情報を流すことにより、国民は、検察の意図通りにこの問題を捉えることになる。こうしたリークをただ垂れ流すマスコミは、自ら検証する作業を放棄し、権力に阿っているといわれても仕方ないだろう。

きっこのブログ」でも、この問題が同じ切り口で取り上げられていた。同ブログでも言及されていたが、大阪高検の検事が、内部の不祥事を告発しようとしたら、微罪で収監され有罪にされてしまったということが数年前にあった。また、別なネットの情報では、検事総長経験者の多くが、マスコミ・大企業に天下っている。さらに、検察に問題があることを教えてくれたのは、福島県立大野病院事件での福島地検だった。検察は、強大な権力を持ち、国の法秩序を成立させる一翼を担っているのであるから、もし問題があるとしたら、それを即座に解決し取り除くことが必要だ。

そういえば、「かんぽの宿」問題が何処かに吹っ飛んでしまったような気配だ。これが、小泉構造改革の闇の部分を浮かび上がらせてくれるはずなのだが・・・。

また、NHKがニュースでやっている、「関係者の話では・・・」と(苦笑。

政財官の渇望する医療崩壊 

埼玉医大高度救命救急センター堤晴彦教授が、CBニュースのインタビューに応えて、救急医療の崩壊について語っている。救急医療の崩壊の状況を述べたあと、この医療崩壊の背後にあるものを端的に語っている。彼は、『妄想かもしれない』などと仰っているが、極めて的確な分析のように思える。文系対医師という対立の構図、ないし文系の人間の医師に対する敵対心という考えには、少し抵抗があるが、医療界・医師を支配下に置こうとする強烈な外的なところから来る意志を感じる点については同感だ。

マスコミの滅茶苦茶な医療報道の有り様も、この分析に沿って理解できる。

また、大学の看護学部が新たに数多く認可され、看護師が大量生産されようとしている事情も、なるほど納得させられる。医学部定員増も同じことなのだろう。

市場経済原理主義の金融資本が、医療を飲み込み、そこで人々の健康を人質に、甘い汁を吸おうと虎視眈々と狙っている。現在進行している経済恐慌が、それを押し留めるのか、さらには促進するのか。

以下、CBニュースのインタビュー記事より引用~~~

■「政・官・財」が考えるシナリオ

―「医療崩壊」は、厚労省の政策ミスが原因でしょうか。

「医療は30兆円産業」といわれます。32兆-33兆円の市場が目の前にある。今は、その利益を医師が独占している。財界が食指を伸ばさないわけがないと思いませんか? 医療崩壊は、厚労省の政策の失敗の結果なのでしょうか? わたし自身も、数年前までは厚労省が悪いと思っていたのですが、実際に厚労省の人たちと会って話をしているうちに、「ひょっとして大きな勘違いをしていたのでは」と思うよ うになりました。彼らは、現場で起きていることを非常によく知っています。実は、医療崩壊の裏で進行している“本当のシナリオ”があるのではないでしょうか。

わたしは、現在の医療崩壊は、「政・官・財」のごく一部が考えている大きなシナリオ通りに進行していると読んでいます。以下の話は、全くの管見です。何のエビデンスもあり ません。わたしの想像、妄想の話として聞いてください。ただ、このように考えると、今、医療の現場で起きていることがうまく説明できるのです。

―どのようなシナリオでしょうか。

病院の経営を悪化させ、赤字にするのです。赤字にして、多くの病院を銀行や株式会社の管理下に置き、これに大手商社や生命保険会社などが参入するというシナリオです。つま り、「病院の再編」です。例えば、ある商事会社は医療ファンドを設立し、国民から集めた資金を元に病院の経営に参入しようとしています。その商事会社は医療(ヘルスケア) 部門をつくっており、商社故、高額な医療機器も輸入しています。

彼らのターゲットになるのは、公立病院や公的病院でしょう。銀行や商社が設立した各種ファンドが買収したいと思うのは、医療機器が整備された立地条件の良い、比較的大きく て新しい病院です。実際に、四国地方のある公立病院は、PFI(private financial Initiative、民間資金の活用による公共サービス)が導入され、有名な流通業界の会社が運営に参加しています。社会保険庁が解体される時には、全国の社会保険系列 の病院も、これらの買収の対象となるのではないでしょうか。さらに、都心で立地条件の良い病院もターゲットになります。最悪の場合は、マンションに建て替えればいいのです から。ただ、昨年の秋以降の不況の下では、この話は成り立ちませんが。

一方、小さい個人病院や老朽化した病院は見捨てられる可能性が高いでしょう。ではその時、患者さんはどこに行くのでしょうか。考えられるのは、介護施設の新設や介護施設へ の業界の参入です。財界は、“雇われ院長“を置き、経営の実権を握るのです。介護保険は、今後さらに大きな市場が見込まれており、費用対効果が病院よりはるかに良いからで す。何と言っても、介護施設は、医療機器の整備などの設備投資が必要ありませんから。来年度は、介護関連の報酬が引き上げられるようです。

―「政・官・財」で、医療や介護を“食い物”にしようということでしょうか。

そうです。病院の買収が終わり、医療機関の再編が行われた時には、流通業界が参入してくるでしょう。物資を安価で大量に仕入れて流通させ、コストを削減するのです。現在、 個人病院は病院ごとに購入していますが、コンビニなど流通業界では、段ボールの処理など“銭”単位の商売をしています。そのような流通業界の実績からすれば、十分なうまみ があると考えていると思います。

また、次には生保が参入するでしょう。混合診療に賛成している医師は少なくありませんから。つまり、民間の健康保険の導入です。通常の健康保険で受けられる医療はここまで 、それ以上の良い医療を受けたかったら民間の健康保険を使うように、という流れです。確かに、憲法で保障しているのは「健康で文化的な最低限度の生活」ですから、誤りでは ないでしょう。ちなみに、自動車事故などを扱う損害保険会社は、既に相当の利益を上げているようです。

特に、「官界」は財務省主導ですから、われわれがターゲットにすべきは、厚労省ではなく財務省であり、財界です。そして、それらをつなぐ一部の政治家です。さらに、日本市 場への参入をたくらむ米国の外資系企業です。

しかし、日本医師会が反対すれば、このシナリオが思い通りに動きませんから、当面は、病院の保険診療点数を抑制する一方で、診療所やクリニックなどの「開業医」の保険診療 点数を温存するようにしているのです。開業医(診療所)の利益を保障しておけば、病院の医療費を抑制しても、日医は最終的に反対できないと計算している。病院の経営はどん どん悪化し、銀行などの支配下に入るというわけです。

■医療再編で、診療所の経営が悪化

―最近、日医は内部的にいろいろとあり、「分裂するのではないか」との声もあります。

確かに、開業医と勤務医の集団に分裂する可能性もあります。しかし、もし分裂するようであれば、「政・官・財」の思うつぼです。彼らにとっては、分裂してくれた方が医療の 再編がやりやすいと踏んでいる節があります。分裂すれば、笑いながら高みの見物をするでしょう。

では、病院の経営権が銀行や商社に移った後はどうなるでしょう。つまり、医療機関の再編が行われ、病院の系列化がほぼ終了した時点で、次に打つ手は何でしょうか? それは、病院の保険診療点数を高くする一方で、開業医の診療費を極端に下げてくるでしょう。そうしないと、自らが支配し、管理している病院の経営が成り立たなくなるからで す。PFIが導入された四国の公立病院の例を見れば分かるように、いくら“経営のプロ”が運営に参加したとしても、現在の医療制度の下では、経営がうまくいくはずがありま せん。そろそろ契約解除という話もあるくらいです。

従って、彼らの利潤追求のために、開業医の診療費を極端に下げてくるはずです。この段階になったら、日医が反対しようが、「政・官・財」はびくともしない。大手マスコミを 通じて日医をたたけばいいのです。マスコミの大きな収入源は広告収入ですから、財界の言いなりです

―中小病院がつぶれて日医が分裂した後、つまり医療界が再編されたら勤務医の待遇が改善されますか。

若干、改善する可能性があります。ただし、だまされてはいけません。診療所の経営は、急激に悪化する危険性があります。現在の歯科医並みになることも予想されます。ですか ら、現在開業を考えている人は、もう一度考え直した方がよいかもしれません。

では、病院が銀行系列になった時、次に必要なものは何でしょうか? それは、労働者です。すなわち、医師と看護師の確保が必要になります。ですから、 2004年にスタートした「新医師臨床研修制度」も、実はシナリオ通りです。これまで、大学の医局が医師の人事権を持っていました。しかし、これでは財界が病院の経営権を 握った後、医師を集められません。つまり、臨床研修制度は、大学から人事権を奪い、医師集めを容易にするためのものなのです。医療界には、「臨床研修制度は失敗だった」と 考えている人が多いと思います。そして、「早く制度の変更をしてほしい」と願っているでしょう。しかし、「政・官・財」のシナリオ通りに進行しており、財界は失敗とは考え ていないでしょう。病院の再編が終わるまでは、現在の臨床研修制度を大きく変更する気はないと思います

―商社や銀行が病院の経営権を握っても、勤務医の待遇は改善されないと。

臨床研修制度を導入する際、厚労省の提案に財務省が素直に従ったとは到底思えません。当時の国の財政状況から考えますと、財務省が臨床研修制度にそんなにお金を付けるはず はありませんから。臨床研修制度は、財務省と厚労省の思惑がたまたま一致した結果でしょう。「同床異夢」です。

さらに、文部科学省にも圧力が掛かっていると考えます。少子化で「大学全入時代」といわれ、倒産する大学も出ていますが、看護系・医療系の大学や短大、学部の新設だけは、 どんどん認可されています。これは、どう考えても、非常に不自然です。結局、病院経営に必要な労働者を確保するためのシナリオが進行しているのです。

そして、再編が行われた後に病院経営の実権を握るのは、医療従事者ではなく病院の事務職員です。われわれ医師は単に、彼らに雇用された労働者であり、使い捨ての労働者のま までしょう

■「文系学部」対「医学部」の闘い

―財界が病院の実権を握った時、医療は良くなるでしょうか。

営利企業ですから、当然のことながら、利潤追求型の経営になります。利益率の悪い分野は切り捨てられます。つまり、お金にならない患“者”は、確実に見捨てられるでしょう

埼玉県の調査によると、特に重症とされる三次救急で“たらい回し”にされた病態のうち、最も頻度が高かったのは精神科的な問題がある救急患者でした。2位は高齢者の吐血や 下血などの消化器疾患、3位は意識障害の患者でした。これらの患者さんは、手間がかかる割に収益が少なく、時にトラブルや訴訟に発展するリスクがあるからです。「診れない 」のではなく、「診たくない」から断っているのです。

経営効率ばかりを重視した利益追求型の医療になると、このような精神疾患の患者、脳卒中の患者、高齢者、重度の障害を持つ患者、血液疾患の患者などが切り捨てられます

―現在よりも深刻な事態になりそうです。

現状を見る限り、医療側に勝ち目はありません。負けることは確実です。「医師や患者を見捨てるようなことはしないだろう」と考える人もいると思いますが、「政・官・財」は 、そんなに甘くありません。太平洋戦争を思い出してください。若者が何万人死のうが、国民がどれだけ貧困に苦しもうが、そんなことにお構いなく、戦争に突入した国ではない ですか。最近の農業政策を見ても同じです。幻想は捨てて、現実に戻りましょう。

今、医師がストライキを断行したところで、何も改善しません。一般市民も医療側をサポートすることはないでしょう。マスコミが医療側を支持する記事を書くと思いますか? そのようなキャンペーンをしますか? 医療事故で、あれほどまでに医療界をたたいたじゃありませんか。広告収入を大きな財源とするマスコミは財界の言いなりですから、医療側に立った記事を書くはずがないのです 。

―解決策はありますか。

これからは医療訴訟もますます増えるでしょう。司法試験制度改革でロースクールができて、弁護士が増加しています。医療訴訟は大きな収入になります。民事訴訟は、訴えられ た側は多大な負担を強いられた上、勝っても何のメリットもありませんが、弁護士にとっては、負けてもそれなりの収入が確保されます。わたしは、医療事故の原因を調査する公 的な機関ができたら、刑事告訴の増加よりも民事訴訟が増加することを危惧(きぐ)します。弁護士は、調査委員会の報告書を訴訟に利用しようと待ち構えているのです。このよ うな調査委員会の創設は、法曹界(法学部)のシナリオ通りでしょう。

結局、うがった見方かもしれませんが、これは法学部や経済学部など「文系学部」対「医学部」の闘いと言えるでしょう。文系の医系に対する「ねたみ」「ひがみ」「やっかみ」 という精神的な要素も多分にあるのではないでしょうか。彼らは、天下り先の確保など、自らの権限を拡大するために、ありとあらゆる手を尽くしています。医療機関や国民のこ となどは、これっぽっちも考慮していないことは明らかです。このような崩壊へのシナリオに、果たして国民はいつになったら気が付くのでしょうか。このことに医療界は既に気 が付いている。防衛医療、萎縮医療に向かっている。医療崩壊が行き着くところまで行かないと、国民は気が付かないのかもしれません。

わたしは、今の日本に必要なことは、“物を作る”ところを大事にする文化であろうと思っています。すなわち、農業をはじめ漁業、林業、町工場、中小企業など、あるいは芸術 分野なども含まれますが、“物を作る”ところを大事に育てるような社会構造の変革が必要です。マネーゲームでもうける職種、すなわち、人から集めたお金を横に流すだけで莫 大(ばくだい)な利益が得られるような社会構造を変えていかなければ、日本の再生はないと考えています

NHKは、出鱈目な医療を改革する・・・らしい 

昨日のNHKクローズアップ現代。日本の医療が、これまで出鱈目なものだった、質の高い医療を目指して改革すべきだという内容であった。患者在院日数の短縮という、米国ばりの物差しで医療の質を判断する。手段は、DPCデータの公開、治療法の標準化である。お手本は、かの悪名高き(笑)英国のNHSである。

治療成績の比較は、極めて厳密な対象との比較が必要だ。重症患者を多く受け入れている施設では、一見治療成績が悪くなる。番組中でこの点も言及していたが、DPCデータを拡充すれば、医療施設の成績比較が可能だという。

治療方法の標準化等はある程度意味のあることかもしれないが、すべての症例に機械的に当てはめられるほど臨床医学は単純ではない。胆のう炎の標準治療が、腹腔鏡手術になるべきという論調だが、同手術療法にもリスクはある。上手くいかなければ、即開腹手術になるはず。少し単純化しすぎではないだろうか。

私はDPC病院で仕事をしたことがないのだが、想像するに、入院期間の短縮が第一の目標になり、医師やスタッフは同じ人数のまま独楽鼠のように働かされ、一方、ペーパーワークが激増するという状況なのではないだろうか。症例のデータを詳細にあげることにはかなり無理があるのではないだろうか。

ここでコメントをしている、国際医療大学池田教授と言う方は、経歴からすると臨床を2,3年してすぐに公衆衛生・病院管理学畑に進んだ方だ。このような方が、これまでの医療は出鱈目だったというのを耳にすると、臨床一筋で仕事をしてきた者としては、かなり違和感を抱く。

先日のNHKスペシャル「うつ病の治療 常識が変わる」も、今回のクローズアップ現代も、結局、厚生労働省の意向を先取りした番組作りである。NHSのような官僚組織が全国の医療機関を支配し、医療は低医療費を実現するために、医療の生産性を上げる(経済財政諮問会議による定義)=入院期間の短縮をあくまで追求する、という制度設計のようだ。これが、より質の高い医療を実現することになるのだろうか

そもそも、4,5年前まで、日本の医療の達成度は世界で一番とWHOが認定していたのではなかったか。


以下、m3でアップされていた、番組要旨を引用~~~

厚生労働省で病院の医療データが公開がいま行われている。治療成績を示す在院日数、再入院率などについて1400以上の治療内容が見られる。

より質の高い医療を目指すために、イギリスでは病院に対して4段階の評価がつけられ、すべての国民がデータを見ることができるようになっている。データの公開は医療を変え ていくか?

具体的に、去年公開したデータの一部として、前立腺肥大症の入院日数について最短の3日から28.3日まで9倍の差を横軸が日数のグラフを上から下に病院名ごと並べてにし て図示する。単純に早く退院させるだけが全てではないというが、これほどの差があるということを示す。

このデータは全国の緊急医療などを手掛ける規模が大きな病院1428施設を対象に、治療の成果について初めて公開。こうしたデータを利用して医療の質を改善に用いようとい う動きがある。

病床470床あまりの長野県にある相澤病院、内科、外科、整形外科のほか全37科の総合病院。この診療データについてすべての患者を薬や検査など回復の程度が記録されてお り、全国共通のデータ形式なので他の病院と比較ができる。

診療情報管理課には課長をはじめとする7人の専門職が全国のデータに目を光らせている。
胆のう炎の入院期間について相澤病院では平均在院日数も長いことが課長らの指摘で明らかになる。

相沢病院の平均14.6日。 全国平均10日の1.5倍。同じ県内の佐久病院が7.6日。半分の日数しかかかっていない。胆のう炎の治療をする責任者の消化器病センター長の元に出向いて相談。「長い? 」なんでこんなに長いの?医師自身もわからない。

佐久病院の成績を見ながら「こんなに早く帰れるわけない。これは不可能だよ。」

相澤病院では常に自院の治療内容を洗い直し。胆のう炎については注射の投与方法やスケジュールなどに着目。相澤病院では抗生剤で炎症を治療させるような内科的治療が主。し かし、医師によって投与期間や薬の使用量にばらつきがあって、標準化が遅れている。

以前DPCデータを使って肺炎の治療もバラバラで、採血検査のタイミングなども医師ごとに不統一であった、これを4日後とし、さらに最初に投与する薬を統一化。この肺炎治 療のモデルを作ったことで、患者は平均してほぼ10日早く退院できるようになった。

今回、胆のう炎でも最も効果的なモデルを作ることに。何らかの客観性があるデータがないと職員は動かない。入院期間が半分の佐久病院も検討。しかし治療内容を見ると治療方 法がまったく違う。

相澤病院では内科的治療は47件なのに、佐久病院では9件。これについて調査をしてみると佐久病院は内科治療するのはとても少ない。9割近くが外科的治療を受けていた。内 科の治療はわずか11.5%。何でだろ?

佐久総合病院でも以前は内科的治療が主流だった。もちろん外科手術では患部とりきれたが、開腹手術では侵襲が大きく、回復まで時間がかかっていたのが難点であった。しかし 最近は腹腔鏡手術の技術が発達し、それに合わせて治療方法を外科主体に切り替えていた。

佐久病院では患者さんの病名が胆のう炎と早期に診断されたら、なるべく早く安全に手術する。

この検証をもとに、相澤病院では胆のう炎の標準治療方法について、外科と内科、そして看護師らとともに相談した。問題は手術室の体制。急性期病院である相澤病院でも手術件 数が多くすでに稼働率が高いため、手術室の体制を整える必要性が出てきた。さらにオペ室に年間60-70件の手術を余計に受け入れられない。

内科系の医師に向けて、誰かが現在の内科的治療では再発を繰り返す患者もいる。感触として繰り返す人はおおいから、最初から手術しておいた方がいいのは事実ですよね。

会議の結果、外科と内科の連携を強化し、手術室を増やして対応することになった。

相澤病院の医師談「以前だったら、いろいろ言われても動かなかったが、今は現場がデータをくれという。患者だったらどっちがいい?」って。

<スタジオ:なぜ起きる医療水準の差>

医療の質の池田俊也 国際医療福祉大学 教授に対して

「医療の質にこれだけ大きな差があるという背景は?」

これまで患者が自分の受けている治療内容について知るような客観的データが存在しなかった。他の看護師、薬剤師の意見などを聞き入れる医師ばかりではなかった。ひとりよが りの医療だったが、これは現在のチーム医療という考え方と相容れない。

「病院の実力を比較できるようになったのは?」

6年前からDPCの仕組みで支払いを受けるために詳細なデータを国に報告するのが義務付けられている。診療内容について病院同士比較する。82病院だったのが1400病院 以上に広がっているため病院の実力比較に役立っている

「このような動きはいいことばかりでしょうか?そもそも医療費の支払の新しい仕組みなのに…たとえば成績を 作りだそうとしたりする悪影響は?出ていませんか?」

そういうこともあると思います。もちろんデータの独り歩き。重症患者ばかりなら再入院率も在院日数も延長。重症患者さんを大勢引き受けている病院は実力があるが逆に成績が 悪くなってしまうこともありえる。
データを比較するには条件を厳密にそろえる必要。重症度、治療成績などより適切に質を評価する必要性がある。

<イギリス>
イギリスではすべての医療機関に適応。国民誰もが病院選びに活用できるようになっている。NHS Choices

ロンドン郊外の夫婦。アレルギー体質の娘のかかる施設。NHSの地域ごとに病院が表示。
それぞれ、weak、fair、good、excellentの4段階評価がついている。さらに最新の医療技術か?患者の要望に合わせた病院か?63項目について掲載。

患者談:「近くの病院は評価があまり良くなかったので、遠くの病院にしました。いつも重宝しています。」

これらのデータの集積についてはイギリスにある、NHS情報センターが全ての病院に義務付けている。年間のデータは7000万件にのぼる。その分析は日本のように各病院が ばらばらに行うのではなく、国が一括して行っている。

実際に、治療方法を間違っていたり、死亡率が高い病院については実名があげられ、厳しい指導がなされる。

ブライアン・デリー情報サービス課長談:改善が目的です。そして改善を多くの病院で共有することです。

この仕組みはさらに開業医ら医師の収入をも左右している。

開業医の収入は医療の質に応じて、収入の半分が左右される。診察室で実際に音叉を手に糖尿病患者に「振動を感じますか?」と振動覚について診察している姿、この他、網膜の 病変などについても18の指標が定められている。それを元に開業医の評価を元に収入が増減する仕組み。
この医師の場合、収入が10%も上がった特に患者にとってメリットが多い。どの診療所でも満たされるようになった。

<日本>
医療の質の評価については日本ではまだ始まったばかりだが、早くもほころびが見えだしている。東京医科歯科大学の川渕教授の研究室。PCの画面を前にDPCデータの活用を 記入のもれ、正確なデータ評価が空欄のまま(重症度など)。患者さんのがんの状態がわからない。

病状のステージ分類9段階が不明。入院期間などが左右されるため不可欠。厚生労働省はこうした必須項目から外している。基本的な診療の指標が記入が必要なのに記入しない医 療機関が増えている。
なぜ記入漏れが増えているのか?これは厚生労働省が病院側の人手と負担を軽減するために必須項目を減らし、簡素化しているからである。

蓄積された5年間のデータを利用して医療の質と効率化のために役立てられるのに、これでは国の不作為でしかない。

ーーーーーーーーーーーーー
スタジオ。逆行するようなのはどうしてなのか?

病院にとってDPCデータの収集に多額の費用と人手。データ入力を軽減してほしい。DPCデータが医療の質の評価に活用しやすいものになるようにしたい。

ひとつの案としては治療成績や合併症の発生率が正しく提出した施設には補助金を出るなどの仕組みも必要。

イギリスのどんなところを参考にして

医療情報収集分析公開を国が一貫していいる、また治療成績や質についても積極的に踏み込んで公開している。

日本は現時点では限られた項目しかオープンしていない。今後、専門学会など中立的な組織を作って各病院が利用しやすいように仕組みを作る必要がある。
医療の質を改善させる方策として今後はさらに検討価値がある。公正で正確なデータ入力と評価ができる体制が必要。

日本の医療について、”昔のようなでたらめの医療がおこなわれないように”とDPCデータのように公開されている客観的なデータを元に、患者と治療方針を決める時に活用で きるようにしていく必要があると締めくくりました。

医療機関がなくなれば、不正請求もなくなる 

連合は、組合員に対して、医療機関の「不正請求」を見出し、一掃する運動をしている様子だ。

診療報酬の不正請求を行っている医療機関には、是非ペナルティを課すべきだ。それには全く異論がない。

ところが、この連合のサイトに掲載されている文章にはおかしなところがある。おかしいというより、ある意図をもって書かれたというべきか。

医療費が30兆円というのは本当のことだが、あたかも国がそれを全部出しているかのような表現は、正確ではない。国が出しているのは、高々8兆円ちょっとだ。それに、この医療費が、国際比較で高いのかどうかも是非述べて欲しい。先進国中むしろ低い医療費である

「不正請求の額が、相当な額になる」という、曖昧な表現も是非やめるべきだ。後半に不正請求の「手口」を列記している。が、これはいわば犯罪行為であって、その頻度は決して高くない。社会保険事務所(現在は、地方厚生局)が、こうした犯罪には厳しく対応している。

不正請求を、医療機関に一旦戻される診療報酬請求書の総額の意味で用いて、多くの医療機関が不正を働いていると印象付ける操作が、マスコミでよく行われる。連合のこの記載もその例にもれない。

診療報酬の請求で医療機関に戻されてくるものの一番は、健康保険証が変わった、または有効期限が切れた等によるものだ。これは、雇用者・保険者が保険証の交換・返還を進めぬために、医療機関が、正当な診療報酬を受けられぬいわば被害者にあたる。それ以外に、事務的なミス、さらに診療上「保険者からの言いがかりに近い」返戻等だ。「・・・という指摘もある」といった責任逃れの表現で、読者を、医療機関の不正が横行しているかのように印象付ける記述は止めるべきだ。

詳細な領収書、さらにレセプトを、患者さんに発行することは、意味のあることだと思うが、特にレセプト等複雑きわまる診療報酬体系を理解していただくのには手間がかかる。領収書・レセプト発行のために必要な事務経費・人件費は、全く手当てされていない。医療機関を叩けば、如何様にも仕事をすると考えている、官僚的な発想だ。医療費は、小泉構造改革以来、3,4割は減らされているのではないだろうか。そうしたぎりぎりのところで踏ん張っている医療機関の状況を理解して、この「運動」を連合がしているとはとても思えない。

医療機関がなくなれば、「不正請求」もなくなる(笑。



以下、連合のサイトより引用~~~

医療費の不正請求 

 病院からもらった領収書と、後日手元に届く医療費通知をつき合わせたとき、自分はその月に全くお医者さんに行っていないのに、行ったことになっていたり、健康診断(保険はききません。病気以外は実費です)に行ったはずなのに病気扱いになっていたりしていたら、これがいわゆるお医者さん(医療機関)による医療費「不正請求」です。
 
現在、わが国の医療費は年間約30兆円。国家予算の約半分に匹敵する大きなものになっています。このなかで「不正請求」は相当な額になるとの指摘もあります

 連合は、医療費のムダをなくすために自分たちでできることをやろうということで、97年11月から医療費「不正請求」一掃運動をしています。

 具体的には、自分ができることとして、診療所や病院へ行ったときには必ず領収書をもらうこと、その領収書と医療費通知を照らし合わせようということを呼びかけています。

 また、健康保険が組合健保の場合は、労働組合から組合健保に対して、レセプト点検の強化、医療費通知の内容充実(月1回の送付、日時と医療機関名の明示等)を働きかけるよう取り組んでいます。

不正請求の主な内容架空請求

診療していないのに、診療したことにして診療報酬を不正に請求していた。

健康診断の保険請求
 健康診断を保険請求した。(健康診断には保険は適用されません)
 看護婦等の水増しによる請求:看護要員が長期にわたって不足していたにもかかわらず、変更の届出を行わず、診療報酬を不正に請求していた。

付増請求
 血液検査の際、採血は1回だったにもかかわらず、数回に分けて検査したように診療報酬を不正に請求していた。

振替請求
 外来診察なのに入院診察として扱い、診療報酬を不正に請求していた。

二重請求
 患者が自費で診療したものを、保険診療したとして二重請求していた。

重複請求
 健康保険の継続療養の対象となる傷病について、健康保険、国民健康保険の両制度に請求していた。

 私たちにも不正請求は発見できる診療所や病院へ行ったときは、必ず領収証をもらおう!
領収書と医療費通知を照らし合わせてみよう!
疑問をもったら、レセプトを請求しよう!

 医療費通知をみたら、自分が行った覚えがないのに医者にかかったことになっていたり、金額が多額だったために不審に思った人が、レセプト開示を保険者(健保組合等)に求め、そのことによって不正請求が発覚したということがありました。