Entry Navi - Archives

 2009年04月 

新型インフルエンザ その後 

メキシコでの豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)の検査可能数が、一日たった15検体しかないことが分かったようだ。それに、彼の地は御他聞に漏れず、貧富の差が大きく、貧困層が、医療機関にかかれない状況にあることが推測される。

とすると、メキシコでの豚インフルエンザの症例数、死者数は大きくunderestimateされている可能性がある。BBCにメキシコ人医師が現地の悲惨な状況を語った記事が報道されたが、最初、ガセネタかと思えた。しかし、流行状況は、少なくとも報道されているよりは、広範かつ深刻である可能性が高い。

そうした推測からすると、メキシコ以外の国での豚インフルエンザが、弱毒であるという観察は根拠がいささか怪しくなる。

最初の症例が報告されたのは3月24日のようだ。

引き続き情報に注目し、日本でも流行が始まった場合に備えて、食料等の備蓄を少しずつ考えておく必要がある。

休日、無線と、新型フルーと・・・。 

昨夜は、ネットで新型インフルエンザ情報を渉猟していて、寝るのが遅くなってしまった。今朝、7時過ぎに起き出し、14メガを覗くと北米が漸く(といった感じで)開いている。Mike W7LPVが呼んできてくれた。私に郵送した、彼のピアノ演奏のCDが、住所の間違いで返送されてきてしまったとのこと。私に是非聞いてほしいので住所を知らせろと仰る。他の誰よりも聴いて欲しかったなどと言われて、少しプレッシャーを感じたのだが、彼に丁寧にお礼を申し上げて、住所をemailした。共通の友人Tony W4FOAの奥様が癌に侵され、放射線・化学療法を受け、辛い時期を過ごしている、とMikeから伺った。くれぐれもよろしくお伝え下さいと伝言を依頼した。

10時頃から、先ほどまで仕事場で救急患者の対応。N95マスクを実戦配備。結構息苦しいものだ。新型インフルエンザは、香港・韓国にも上陸した様子なので、わが国にも確実にやってきていると考えておいたほうが良いだろう。確定診断は、RT-PCR法で行うらしいが、まだ問題のウイルスがなくて、その検査が出来ない、即ち、確定診断が付けられないらしい。政府などに対策本部を置かないで、こうした新型インフルエンザ対策の第一線医療機関に対策本部を置くべきではないだろうか・・・。

感染性は、かなり強いらしい。だが、メキシコ以外の国の症例は、比較的軽症のケースが多そうなのは、少しホッとさせられる点だ。メキシコでは、より大量のウイルスに暴露される患者が多いのか、それとも伝播中に、変異を始めて、より弱毒性に変わるのか、または通常のインフルエンザ予防接種に含まれるN1蛋白を持つソ連型株への抗体を、メキシコ以外の国の人々が持っているため、多少の症状緩和効果があるのか・・・。しかし、まだ楽観はできない。明日からの診療でも、岩田教授の勧めや、他の情報に基づき、細心の注意を払って診療を続ける積りだ。地方の某有名大学医学部では、新型インフルエンザ症例の診療は行わないとアナウンスしているらしく、苦笑してしまった。

さて、そろそろ自宅に戻って、畑・庭仕事だ。

新型インフルエンザへの対処心得・・・神戸大学岩田教授 

神戸大学岩田教授が、研修医への新型インフルエンザ症例への対処方法について発言されている。「新小児科医のつぶやき」の常連コメンテーターである、tadano(ry氏のブログ経由、近畿医療福祉大学勝田教授のブログに掲載されていたもの。岩田教授は、SARS流行時、勝田教授とともに在北京日本大使館付けの医師として仕事をなさった方の由。

実際の対処方法だけでなく、医師としての心構えまで教えられるところが大きい。岩田教授の研修医への思いにも打たれる。


以下、引用(転載自由の由)~~~

豚インフルについて、研修医の皆さんへ

まず、毎日の診療を大切にしてください。呼吸器症状の有無を確 認し、ないときに安易に「上気道炎」と診断せず、旅行歴、シック コンタクト、動物暴露歴など問診を充分に聴取してください。
患者 さんが言わない、ということはその事実がない、という意味ではあ りません。せきをしていますか?と聞かなければ、せきをしている とは言わないかも知れません。原因不明の発熱であれば、必ず血液 培養を検討してください。バイタルサインを大切にしてください。 バイタルサインの重要度は重要な順番に、血圧、脈拍、呼吸数、 (第五のバイタル)酸素飽和度、そして、体温です。極端な低体温 などはまずいですが、発熱患者で大切なのは体温「以外」のバイタ ルサインと意識状態であることは認識してください。発症のオン セット、潜伏期など、時間の感覚には鋭敏になってください。要す るに、ブタインフルエンザ診療のポイントは普段の診療の延長線上 にしかありません。ほとんど特別なものはないことを理解してくだ さい。上記の診療は診療所、大学病院、どこのセッティングでも可 能です。大抵の感染症診療は、大抵のセッティングで可能なのです。

・自分の身を護ってください。とくに初診患者では外科用マスクの 着用をお奨めします。患者の診察前とあとで、ちゃんと手を洗って いますか。
 呼吸器検体を採取するなら採痰ブースが理想的ですが、 理想的な環境がないからといって嘆く必要は少しもありません。 「うちには○○がない」と何百万遍となえても嘆いても、物事は一 つも前に進みません。「うちには○○がないので、代わりに何が出 来るだろう」と考えてください。考えても思いつかなかったら、そ こで思考停止に陥るのではなく、分かっていそうな上の先生に相談 してください。いつだって相談することは大切なのです。
診察室で 痰を採取するなら、部屋の外に出て患者さんだけにしてあげるのも いいかもしれません。日常診療でも、とくに女性の患者は人前で痰 なんて出せないものです。呼吸器検体を扱うとき、気管内挿管時な どはゴーグル、マスク(できればN95)、ガウン、手袋が必要で す。採血時やラインを取るときも手袋をしたほうがよいでしょう。 こういうことは豚インフルに関わらず、ほとんどすべての患者さん に通用する策に過ぎません。
繰り返しますが、日常診療をまっとう にやることが最強の豚インフル対策です。

・あなたが不安に思っているときは、それ以上に周りはもっと不安 かも知れません。自分の不安は5秒間だけ棚上げにして、まず は周りの不安に対応してあげてください。豚インフルのリスクは、 少なくとも僕たちが今知っている限り、かつて遭遇した感染症のリ スクをむちゃくちゃに逸脱しているわけではありません。北京にい たときは、在住日本人がSARSのリスクにおののいてパニックに 陥りましたが、実際にはそれよりもはるかに死亡者の多かった交通 事故には全く無頓着でした。ぼくたちはリスクをまっとうに見つめ る訓練を受けておらず、しばしばリスクを歪めて捕らえてしまいま す。普段の診療をちゃんとやっているのなら、豚インフルのリスク に不安を感じるのはいいとしても、パニックになる必要はありません。

・今分かっていることでベストを尽くしてください。分からないこ とはたくさんあります。なぜメキシコ?なぜメキシコでは死亡率が 高いの?これからパンデミックになるの?分かりません。今、世界 のどの専門家に訊いても分かりません。時間と気分に余裕のあると きにはこのような疑問に思考をめぐらせるのも楽しい知的遊戯です が、現場でどがちゃかしているときは、時間の無駄以外の何者でも ありません。知者と愚者を分けるのは、知識の多寡ではなく、自分 が知らないこと、現時点ではわかり得ないこととそうでないものを 峻別できるか否かにかかっています。そして、分からないことには 素直に「分かりません」というのが誠実でまっとうな回答なのです。

・情報は一所懸命収集してください。でも、情報には「中腰」で対 峙しましょう。炭疽菌事件では、米国CDCが「過去のデータ」を 参照して郵便局員に「封をした郵便物から炭疽感染はない。いつも どおり仕事をしなさい」と言いました。それは間違いで、郵便局員 の患者・死者がでてしまいました。未曾有の出来事では、過去の データは参考になりますが、すがりつくほどの価値はありません。 「最新の」情報の多くはガセネタです。ガセネタだったことにむか つくのではなく、こういうときはガセネタが出やすいものである、 と腹をくくってしまうのが一番です。他者を変えるのと、自分が変 わるのでは、後者が圧倒的にらくちんです。

・自らの不安を否定する必要はありません。臆病なこともOKで す。ぼくが北京で発熱患者を診療するとき、本当はこわくてこわく て嫌で嫌で仕方がありませんでした。危険に対してなんのためらい もなく飛び込んでいくのは、ノミが人を咬みに行くような蛮行で、 それを「勇気」とは呼びません。勇気とは恐怖を認識しつつ、その 恐怖に震えおののきながら、それでも歯を食いしばってリスクと対 峙する態度を言います。従って勇気とは臆病者特有の属性で、リス クフリーの強者は、定義からして勇気を持ち得ません。

・チームを大切にしてください。チーム医療とは、ただ集団で仕事 をすることではありません。今の自分がチームの中でどのような立 ち位置にあるのか考えてみてください。自分がチームに何が出来る か、考えてください。考えて分からなければ、チームリーダーに訊 くのが大切です。自分が自分が、ではなく、チームのために自分が どこまで役に立てるか考えてください。タミフルをだれにどのくら い処方するかは、その施設でちゃんと決めておきましょう。「俺だ けに適用されるルール」を作らないことがチーム医療では大切で す。我を抑えて、チームのためにこころを尽くせば、チームのみん なもあなたのためにこころを尽くしてくれます。あなたに求められ ているのは、不眠不休でぶっ倒れるまで働き続ける勇者になること ではなく、適度に休養を取って「ぶったおれない」ことなのです。 それをチームは望んでいるのです。

・ぼくは、大切な研修医の皆さんが安全に確実に着実に、この問題 を乗り越えてくれることを、こころから祈っています。

昨今のCONDX 

ここ最近のCONDXは、サンスポットが最低の時期が続いているかのようだ。実際の太陽活動の指標をチェックしていないが、以下のような観察から、そのように言えそうだ。

まず、ハイバンドが不活発。14メガのDXへの開け方が、冬を思わせる。北米へのオープンは、この時期になると、夕方から夜間にかけてとなるはず。所謂、夜間ルートがメインになるはずなのだが、そうはなっていない。

ローバンド、と言っても、私の場合専ら7メガだが、が異様に静かだ。例年、この時期になると、スタティックノイズがかなり増える。現在、午後6から9時頃までは、少しノイジーだが、その後はシーンと静まり返る。それに、7メガのCONDXが、秋冬の状態に近い。一昨日、日の出頃に目が覚めて、聴いたのだが、7メガが西・北ヨーロッパにも開けていた。こんなこともあまり経験したことがない。北米東部へのパスは、もう一つだが、ヨーロッパの奥深くへのパスには目を見開かせられる。

その割にと言っては何だが、普通の交信をする局が少ない。

それに、米国のCWオペですら、技術的に低いまま運用している局が増えている。先日、K6**という、コールの局から呼ばれた。このコールの前の持ち主とは、1960年代からの知り合いだった。数年前に高齢でお亡くなりになっていたことも覚えていた。前の持ち主は、当然のことながら、素晴らしいCWの技量をお持ちだったのだが、新しい持ち主とは、殆ど会話にならない。このような経験をしょっちゅうするようになってきた。あちらでは試験にCWが要求されなくなったこともあるだろうし、しち面倒くさいCWの受信練習などは厭という方が増えたのだろう。ま、これも現実だ・・・。

自分なりに楽しんでゆくことに尽きる。

豚インフルエンザ その後 

様々な情報に接しての、私の覚書。確定的なことは、個々に情報を当たられたい。

○世界中に拡大する様相。WHOは、フェーズ3のままにしているが、実質的にフェーズ4の状況だろう。

○病原ウイルスは、豚インフルエンザH1N1という株のようだが、地域によって、毒性に差がある。または、毒性には大きな幅があるようだ。ただし、感染性は高い

○症状は、典型的なインフルエンザとほぼ同じ。重症度に幅がある。

10から30歳代の年代の患者が重たくなる。恐らく、サイトカインストームという状態で、生体の過剰反応が関与している可能性がある。

○当該ウイルスは、タミフル・リレンザ(共に商品名)に感受性があると言われているが、メキシコの重症例では高用量を投与しても無効だったとの報告がある。

○予防は、患者との接触を避ける、人口密集地域を避けること。マスク・手洗いの励行。

~~~

以下、私的な感想・・・

○わが国では、飛行場でのサーモグラフィーでのチェックをしているようだが、軽症患者や、潜伏期の患者を見落とす可能性が大きい。流行地域からの帰国者は、一時隔離する必要がありそうだが・・・。

○パンデミックが一旦起きると、終息するまでに2ヶ月かかると言われている。最悪、その間に流通・交通が途絶する可能性も考えておく。

○冷静に対処する必要があるが、医療機関従事者、とくに若い方々が犠牲になる可能性が高い。徹底した対策(自衛策)が必要だ。

○このゴールデンウイークは、人ごみの中に出かけないこと。

豚インフルエンザ 

豚インフルエンザの流行が、北米で起こり、新型インフルエンザとして流行する可能性がある。

H1N1のウイルス株で、豚から人に感染し、人と人との間の感染も起きたことが強く疑われている。

メキシコ市で850名の肺炎症例が確認され、その内、59名が死亡している。これ以外に、San Luis Potasiという町でも24症例が発症、3名が死亡。カリフォルニアとテキサス、及びメキシコの米国国境近くで各々8、4名の発症が確認されたが、死亡は今のところ確認されていない。

この疫学データだと、死亡率が高そうだが、肺炎になった場合は、通常のインフルエンザでも死亡率はかなり高くなるので、現在のところ、爆発的な流行には至っていないので、冷静に見る必要がある。

動物のインフルエンザが人に感染を起した、青壮年層にも感染/死亡者が出ている、といったことから、新型インフルエンザの可能性はある。

所謂、呼吸器系の症状と発熱が主な症状であり、タミフルに感受性がある。

WHOは、流行地への渡航自粛までは要請していない。

いずれにせよ、注意深く経過を見守る必要がある。



選挙運動を始めよう 

現政権与党と、官僚は、グルになって社会保障制度を破壊し続けている。

介護保険の患者の評価を低くする、即ち、同じ介護の必要性があってもそれを認めなず、サービスを低下させることによって、介護保険からの支出を減らすことが行なわれている(もっとも、現場からの激しい反発で一次棚上げにされているようだが・・・)。基本的な方向としては、介護保険料は際限なく値上げされ、一方、介護度の評価を下げ、給付を削ることが続く。

レセプトオンライン化は、零細医療機関にとって大きな重荷となり、データの安全性、本来の意図以外への流用、ことに民間保険会社へのデータ流用などが起きうる。レセプトオンライン化の問題を、自民党の議員が官僚からヒアリングした際に、自民党のある議員は、オンライン化を少しでも後退させる説明など不要だと言って、官僚の説明を途中で止めさせた。

さらに、医療崩壊を逆手にとって、道路建設を推進しようという議員も、自民党にいる。

こうした弛緩しきった、能力に欠ける国会議員は、舞台から退場してもらいたいと、切実に思っている。

17兆円のバラまきで現政権への評価が上がるようでは、民度が低いといわれても仕方がない。オバマ政権も持ち上げる論調が多いが、彼が行なっているのは、金融システムの抜本的な改革を後回しにした赤字の垂れ流しだ。メチャクチャに発行される米国債の買取りを、わが国は求められることだろう。恐らく、日米を中心として強烈なインフレが生じる可能性が強い。米政権と頚城を一にするわが国の現政権にも否を突きつける必要がある。バラまかれた17兆円は恐らく数十倍に増えて、後々我々に支払いが要求されることだろう。

衆議院選挙が、この秋までに確実に行なわれる。私は、地道に外来で現政権を下野させるための選挙運動を始めた。現政権(与党)に退場してもらえば、政治と行政に緊張感が生まれる。国民の方を全く見ず、財界と自らの利権のためだけに仕事をする方々には、退場していただこう。



以下、引用~~~

医療の観点で道路整備を 自民若手が首相に要望
09/04/24
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 自民党若手による「『いのちの道』議員連盟」会長の江藤拓衆院議員らは24日午前、官邸に麻生太郎首相を訪ね、救急医療などの観点から必要な道路整備を求める提言書を渡した。

 首相は「田舎では病院をつくることや、医師の確保は難しい。道をつなげることで病院までの距離が縮まり、命が助かるという価値も考えなければいけない」と述べ、一定の理解を示した。

Tさんと再びブラームスを・・・ 

私は、チェロが大して上手くないのだが、室内楽が大好きだ。きっとこれまで相手をして下さった方々には迷惑をかけてきたのではないだろうか・・・。

長いブランクの後、チェロを弾くことに改めて熱中し始めて10年間経とうとしているが、最初の数年間、室内楽に付き合ってくださったのが、近くに住むTさんというバイオリニストである。彼女のことは、以前にも記したが、音大を出てから、ドイツに留学なさり、2,3年前に帰国なさった。現在は、演奏活動と後進の指導をなさっている。ブラームスのピアノ五重奏曲や、モーツァルトのピアノ四重奏曲1番を弾いたときに1stバイオリンを担当してくださったことをブログにも記した。上記の迷惑をおかけしてきた人物のお一人である。

最近、アンサンブルをするために上京することが少し億劫になり始めたこともあり、先日、Tさんにまたお相手願えないかと尋ねてみた。すると、すぐにメールで返信があり、快諾してくださり、その上、ピアニストにも当たって下さった。ピアニストも彼女の大学の同期の方。で、ブラームスのピアノトリオ2番を弾くことになった。Tさんは、あたたかな歌をバイオリンで歌われる方だ。相手をお願いするには、高嶺の花になってしまったような気がして、ここ数年間は声をおかけしなかったのだが・・・きっと、年配者を大切にしようという慈悲からお受けくださったのだろう。

ブラームスのピアノトリオ2番は、ハ長調という簡明な調性で書かれていることもあり、ブラームスの作品としては、晦渋さの感じられない、流れる旋律に溢れ、親しみやすさを湛えた作品になっている。特に、2楽章のジプシー的な旋律の変奏曲は絶品だ。1楽章だけは、2,3度弾いたことがあるのだが、今回は2楽章以降にもチャレンジしてみたい。

楽しみなことだ・・・。

専門業務型裁量労働制 

ある(複数の)大学医学部付属病院では、勤務する医師が、下記の制度で働かされているらしい。

~~~

専門業務型裁量労働制

 業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務として厚生労働省令及び厚生労働大臣告示によって定められた業務の中から、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度です。

~~~

この制度が適用される職種として、19種類の職種が挙げられているが、大学勤務医はそれに含まれていない。にもかかわらず、この制度下で働かされている、という。

大学勤務医師のような法に定められた労働時間を常態として超過して働き、さらに時間外労働が当たり前の職種では、この制度は、ホワイトカラーエグゼンプションと同じではないのだろうか。

こんなことが許されて良いのか。該当する大学人は反対の声を挙げるべきではないのか。

集約化・強制計画配置、行政の意図 

奈良の時間外労働訴訟の意義は、医師の宿直が実質夜間労働であり、時間外割り増し給与を支払うことという司法の判断であったはずだが、どうも読売新聞、その背後にある行政にしてみると、違う結論になるらしい。

医師の過重労働があるから、医療機関を集約化し、医師の「計画配置」を行うという行政の既存の方針に沿うものという受け取り方だ。

昨今、医師の労働が労働基準法に違反しているとする行政の指摘が続いているが、突然医師に対して「優しい」行政が出現したわけではなさそうだ。結局、労働条件を改善するためという大義名分で、医療機関のかなりの数を取り潰し、医師を「計画配置」して、特定の基幹医療機関に集約するということのような気がする。この計画配置・集約化は、結果として、患者の医療機関へのアクセスし易さが低下し、医療費の抑制にも有効と踏んでいるのだろう。

計画配置・集約化をするために、行政が医局機能を担う。そこで、大きな利権が生まれる。

これまで放置しっぱなしだった、医師の労働条件の「改善」に、行政が急に熱心になったのは、こうした「裏」があるのではないか。


以下、引用~~~

背景に医師不足 産科の悲鳴届いた…奈良地裁判決

09/04/23

記事:読売新聞
提供:読売新聞

2人で2年間に当直313回 50時間勤務も

 産科医の悲鳴が司法に届いた--。奈良地裁が22日、奈良県立奈良病院の当直勤務を時間外労働と認めた判決で、産科勤務医の労働実態の過酷さが改めて浮き彫りになった。こうした問題の背景には、医師を計画的に配置せず、医師の偏在を放置してきた日本の医療体制がある。勝訴した産科医の1人は「産婦人科の医療現場では緊急事態に対応するためスタッフが必要」と訴え、医師不足の抜本的な解決策を求めている。

 今回の訴訟では、産科医が休憩もままならず、ぎりぎりの状況で母と子の命に向き合わなければならない実態が陳述などで明らかになった。原告の1人が2005年12月に経験した土、日、月曜の3日間の連続勤務を振り返ると--。

 土曜夜、1人の妊婦が出血し、その約1時間後に別の妊婦が陣痛を訴えた。日曜の午前4時半頃には、さらに別の妊婦の異常分娩(ぶんべん)に立ち会った。医師は原告だけ。1人の処置をしている間に、別の妊婦が分娩室にやってくる。

 日曜日は午前9時半前、午後4時前、同7時半前、同10時前にそれぞれ赤ちゃんが生まれ、月曜未明にも赤ちゃんが誕生した。ほかにも原告は、切迫早産や出血などの手当てに追われ、連続する宿直勤務の間に診た妊婦は計13人。立ち会った出産は6件にのぼった。この後、月曜日は夕方まで通常の勤務に就いたという。

 法廷で、原告は宿直明けの体調について「朝のうちは興奮状態で元気かなと思うが、昼ぐらいから、ガクッと疲れる感じ」と陳述。宿直明けの手術の際、エックス線撮影の指示を誤ったこともあったと述べた。

 原告2人が2年間で務めた夜間・休日の当直は計313回、担当したお産は計300件。妊婦からの呼び出しコールが頻繁にあるため、仮眠を取るのも難しく、50時間以上の連続勤務もあった。

 原告の上司も「外科の当直なら、整形外科などを含めた複数の診療科から1人出せばいいが、産婦人科は、産婦人科だけで回さなければならない」と厳しい実態を証言した。

過酷勤務、訴訟リスク…「なり手なくなる」

 「お産は24時間ある。産科は診療科の中で最も当直が多く、負担が特に大きい。なり手がなくなるのではないかと危惧(きぐ)している」。岡井崇・昭和大教授(周産期医療)はこう指摘する。

 産科医の減少は、分娩(ぶんべん)施設の数にも表れている。日本産科婦人科学会の調査(2006年)では、全国の分娩施設は1993年に約4200施設あったが、調査のたびに減少、05年は約3000施設となった。

 約2700病院が加盟する日本病院会は「勤務医、中でも産科、小児科は『訴訟リスク』が大きく、研修医らから敬遠されやすい。結果的に医師が不足し、労働条件も悪化する悪循環が起きている」とする。

 労働基準監督署から、指導を受ける病院も後を絶たない。原告の産科医が勤める県立奈良病院でも、04年に労働時間の是正を求められたが、改善されず、今回の訴訟に発展した。

 現場の産婦人科勤務医の評価はさまざまだ。

 京都市内の病院に勤務する50歳代の男性医師は「現場は医師のボランティア精神と犠牲の上に成り立っている。待遇が改善されれば、医師も増え、医療の充実につながるだろう」と話す。

 一方、石川県内の大学病院の男性医師は「抜本的な解決には、看護師のように3交代制を敷くしかない。それには、お産の拠点施設を配置するなど、医療システムを根本的に変える必要がある」と指摘する。

 厚生労働省監督課は「長時間労働は抑制し、労働基準法を順守するよう監督したい」としている。

財務省の医師不足対策 

財務省が、医師不足の対策を打ち出した。

彼等がやろうとしていることは、都道府県単位で医師数が相対的に少ないところに、診療報酬を上乗せするすることと、診療科別に開業制限を加えることのようだ。

彼等が行う施策の常として、診療報酬を上乗せする額以上に、どこかで診療報酬を減らす。また、診療科別の開業制限といった医療制度の激変を行政が行うと、医療制度が崩壊することはこれまで繰り返されてきた。

財務省は、医師不足等は殆ど関心がないのだ。ただただ、医療費増額の世論が高まっていることをかわすこと、あわよくば制度改変に伴って医療費総額を減らすこと、さらに財務省の医療の権益を拡大することだけが、彼等の関心事のように思える。

医師数の絶対数、医療費の総額が、まずは足りないこと、それによって医療が崩壊している、その責任は財務省と厚生労働省にあることをまずは認め、謝罪し、根本的に方針を改めるべきだ。その根本的な変化が、みられなければ、どのような施策も胡散臭いものと受け止められる。

医師不足は、都道府県単位というよりも、都市と地方の間に多少の偏在はある。都道府県単位で議論する大雑把さには呆れる。また、科目別の医師数の相対的な偏在を、開業制限という強制力だけで解決しようという発想も滅茶苦茶だ。外科系、救急医療、産科、小児科等の医師不足問題には、多くの要因がある。それらを一つ一つ解決しなければ、問題は解決しない。大体において、「財務」省が、開業制限を行うというのは越権だ。財務省は、医療崩壊の責任をまず取れ。




以下、共同通信より引用~~~

地方で不足、医師数格差4・6倍 財務省、診療報酬見直しも

 財務省は21日、都道府県ごとの医師数について、人口と面積を基準に算出した独自の指数を公表した。指数が最大で医師数が相対的に最も多い東京都と、最小の茨城県とでは4・6倍の格差があった。地方で医師不足が深刻な一方、都市部に集中しがちな実態が浮かび上がった。

 財務省は、医師が不足しがちな地域への診療報酬を手厚く配分することで偏在を是正する見直し策を検討。与野党で高まる医療費総額の増額要求をかわす狙いもありそうだ。年末に予定している診療報酬改定に向けて厚生労働省などとの議論を本格化させる。

 財務省がこの日開かれた財政制度等審議会に提示した試算は、2006年度の都道府県ごとの医師数を全国平均を1として指数化。単なる人口比に比べ病院への距離なども反映されるため、利用者の実感により近い指数とみている。

 それによると、最大の東京は3・19で、続いて大阪2・43、神奈川1・53、福岡1・45、京都1・33と大都市を抱える都道府県が上位に並ぶ。一方、指数が低いのは茨城0・70、岩手0・74、青森0・74、新潟0・76、福島0・76などだった。

 へき地の医師不在に加え、産婦人科や小児科などの医師不足が深刻化しているものの、全国の医師数は06年度までの10年間で14・4%増加。地域格差だけでなく、診療科別でも精神科や泌尿器科など医師が比較的多い分野でさらに増える傾向があり、医師の偏在が拡大している可能性がある。財務省は診療科ごとに開業できる枠を設ける案も検討する方針だ。

将来への投資 

あと2ヶ月もすると夏至だ。5時過ぎには、もう外は明るくなり始める。最近は、5時間半で目が覚めるように、私の体内時計がしっかりセットされたようだ。今朝も、6時前には目が覚め、身体はもう少し休みたいと言っているかのようだったが、もそもそ起き出した。

14メガ、W1AWの14047KHzでのメッセージ送信が聴こえている。しかし、交信自体が殆ど聴こえない。庭に出て、刈り取って箒で掃きまとめておいた芝を一箇所にまとめる作業をした。これから、秋まで、生え続ける芝と雑草との戦いだ。

もう一度シャックに戻り、CQを出すと、何局かのWに混じって、Alan KF3Bがコールしてきてくれた。ピークで589程度だから、東海岸からの信号とはいえ、彼の設備、KWにモノバンダーからの信号としてはまだまだ本調子のCONDXではない。大体において、この時期になると、朝のパスではなく、夜のパスがメインになるはずではなかったか。太陽活動がまだまだ低い状態のままのようだ。

Alanは、ダウジョーンズの動きで胃が痛くなると冗談めかして言っていたが、バンクオブアメリカの悪い決算で、株価が大きく落ち込んだことを踏まえての話だったのかもしれない。そうした経済状態だから、旅行に行く余裕もできない、とのこと。2,3歳になるお孫さんがおられるのだが、義理の娘さんの家系は、オペラ歌手が多いので、是非音楽の途に進めさせたいと言っているが、Alanは、体格が大きくなりそうな孫娘なので、テニスをやらせて、将来はプロテニスプレーヤーにしたいとのこと。路線の対立がある、と言って笑っていた。4歳になったら、最初のテニスラケットを買ってあげるのだとか・・・。ピアノも勿論習わせる予定だそうだ。数年前は、息子さんとの微妙な関係に悩んでいた様子だったが、息子さんが家庭を持ち、孫が生まれて、とても幸せそうだった。おじいちゃん振りを発揮している。

彼との交信の前後で、14メガをざっとワッチしたが、交信をしている局が少ない。ウィークデイであることだし、皆忙しく、無線どころではないのかもしれないが、それにしても寂しいバンドだ。私は、一日、2局でも3局でも良いから、交信を続けてゆこうと思う。そうした積み重ねが、また何年かしてからの財産になるのだと思うのだ。

東京女子医大事件 

マスコミ批判を主体に、健筆を振るっておられる岡田氏が、ご自身のブログ「噛み付き評論」で、東京女子医大事件に関して優れた評論を行っておられる。ここ。是非、ご一読を。

マスコミと検察が共犯関係にあるという指摘は、まさにその通りだ。

医療に寄生する日本医療機能評価機構 

医療事故の背景には、同様の事故に結びつきうる膨大な数の事例が隠れている。それを明らかにし、その原因を追究し、是正することが医療事故の防止につながる。そうした努力は、各医療機関で行われている。

日本医療機能評価機構は、そうした事例を各医療機関から報告を受け、解析をしている(はず)。だが、この機構が報道機関に流すデータは、何年間に何件の事例があったということに終止している。下記の小児への薬物の誤投与の事例も、550医療機関で3年間の間に、8件の事例があったといっているだけに過ぎない

『師が間違えても薬剤部でチェックするなど組織的な対応を整備すべきだ』というのが、同機構の『提言』であるが、これら8件の誤投与の事例で背景にどのような問題があったのか、何も検討されていない。処方した小児科医の労働条件はどうだったのか、処方の仕方はどのようなものであったのか、電子カルテであったとするとそれに誤投与を誘発する問題がないのか、薬剤師はどのような労働条件であったのか等々を具体的にチェックし、これらの事例から具体的な教訓をえなければ意味が無い。

さらに、『組織的な対応』をするための人的・経済的な余裕が、医療機関にあるのかどうかを、同機構は全く検討していない。いわば、空疎なお題目を唱えているだけに過ぎない

そもそも、同機構は、医療機関の機能を評価する組織だが、その評価内容は、ただただペーパーワークを増やし、会議を多くし、枝葉末節のことがらを問題にするものである。それを数百万円の認定費用を徴収して行っている。また、認定された医療機関も毎年数十万円の賛助会費をとられ、数年毎に数百万円の費用を徴収されて再認定を受けることになる。認定に落ちると、指導項目一つ当たり数万円支払うことになるらしい。お笑いなのは、医療機関を試験するサーベーヤーなる人物の滞在中の『饗応』が、同機構から医療機関に要求されていることである。同機構のやり方は、医療機関への寄生以外のなにものでもない。饗応を要求するところなど、合法的な収賄である。

この機構の認定を受けることは、ホスピス・癌拠点病院として診療報酬を受けるための条件になっている。要するに、末期の患者さんや、癌の患者さんを食い物にしているに等しい。

この機構は、トップに日医の元会長が居座っているが、内実は、官僚の天下り特殊法人である。こうした天下り特殊法人が、日本の医療を食い物にしている。


以下、引用~~~

小児に10倍の薬投与8件 医師の処方ミス、3年間で(2009/4/17訂正)
09/04/16
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 日本医療機能評価機構(東京)は15日、小児(15歳未満)に対して適正量の10倍もの薬剤を誤って投与した事例が、2006年1月から08年12月までの3年間で8件確認されたと発表した。医師が小児の年齢や体重を勘違いしたり、パソコンで処方せんに入力する際に、けた数を間違えるなどのミスが原因という。

 同機構の医療事故情報収集事業に参加している約550の医療機関からの報告をまとめた。

 同機構は、全国約4800の医療機関にこの情報を伝え、「体格が変化しやすい小児の場合、より慎重に薬の量を確認する必要がある。医師が間違えても薬剤部でチェックするなど組織的な対応を整備すべきだ」と注意を促した。

 同機構によると、過剰投与の報告があった8件の患者は生後1カ月-6歳。投与された薬は、抗生物質やステロイド、血液凝固阻止剤など。

 このうち、生後3カ月の小児のケースでは、本来0.03ミリグラムの強心剤を処方すべきだったのに、医師が誤って処方せんに10倍量の「0.3ミリグラム」と入力。処方内容を確認しなかった上、薬剤師も気付かずに調剤し、そのまま投与されたという。

 同機構は「子どもは体が小さい分、薬の量を誤ると大きな影響が出る可能性がある」としている。


低医療費政策が、医療を破壊している 

15兆円の景気刺激策を講じた現政権は、社会保障予算の抑制方針を撤回するとは全く言っていない。むしろ、衆議院選挙が終われば、国民負担率を上げつつ、社会保障予算はさらに削減する積りでいるようだ。社会保障のための予算を抑制し続けて、医療がどのような状況になっているか、東大医科研の上准教授が良くまとまった発言をしている。少し長いが、是非精読していただきたい。

社会保障のための予算を削るとは、国民の生命を蔑ろにするということだ

それが国民に理解されるのは何時になるのだろうか。


以下、MRICより引用~~~


■□ 医療費削減政策を考える 第一回:正規雇用されない医師たち □■

東京大学医科学研究所
先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門
上昌広


 平成16年に導入された新臨床研修制度と、その見直し案(厚労省がパブリッ
クコメント募集中)について、総合医導入が医療費削減と二人三脚で進められて
きたことなど、その経緯や問題点について述べてきました(2月25日号・3月11日
号・3月25日号)。今回は、厚労省が様々な医療政策を打ち出す中で、一貫して
守ってきた医療費削減政策について考えてみましょう。この根源的な問題を解決
しない限り、日本の医療に未来はないと言っても過言ではありません。


【 医療費削減による医療者の雇用数不足 】

 我が国の医療費は、OECD27カ国中20位(対GDP比8.1%)と低位にあり
ます。医療費削減政策の結果、日本の病院の73%(うち自治体病院の91%)
は赤字となっていますから、当然、人件費を削るため、職員の雇用数も抑えられ
てきました。全国公私病院連盟と日本病院会の2008年調査によれば、医業収
支の赤字は100床当たり月約1261万円に上っています。

 病院で働く職種には、医師、看護師、薬剤師、放射線技師、臨床検査技師、衛
生検査技師、栄養士、社会福祉士など、厚労省の統計に挙がっているだけでも約
16種類あります。もちろん事務職員も必要です。実際、日本の病院で働く職員
167万人のうち医師は10.7%に過ぎず、看護師33.9%、看護業務補助
者11.9%、事務職員9.2%となっています。

 昨年、政府は方針を転換し、医師養成数を増やすことになりましたが、コメディ
カルに関しては未解決です。実はコメディカルの置かれた状況は医師とは全くこ
となります。養成数は十分ですが、雇用数が足りないのです。

 例えば、看護師の国家試験合格者数は毎年約4.6万人であるのに対し、病院
に勤務する看護師数は、ピークの25~29才においても1才あたり2.7万人
しかいません。また、病院に就職した新卒看護師のおよそ11人に1人が1年以
内に退職(離職率9.3%)します。

 薬剤師の国家試験合格者数は毎年約8千人ですが、病院薬剤師はピークの30~
39才でも1才あたり約1,300人しかいません。厚労省の検討会で、薬剤師
の卒業生にとって病院に入れるチャンスは大変難関と指摘されているように、病
院の採用数が限定されているのです。他にも、看護業務補助者や事務職員等、資
格のない職員も大勢必要です。
 
 これらすべての職種の病院従事者数を合計すると、100床あたり、日本は1
01人に対して、イギリス740人、アメリカ504人、イタリア307人、ド
イツ204人です。同様に、100床あたり看護師数は、日本は34人ですが、
イギリス200人、アメリカ141人、イタリア136人、ドイツ75人です
(OECD Health Data 2007)。日米の同程度の規模の病院を見ても、日本の病院
の人手不足は明らかです。愛知県がんセンター(473床)とMD Anderson がん
センター(米国、456床)の100床あたり職員数は、それぞれ186人、3,
125人と、実に17倍の違いがあります。

 これほど人手不足の状況にありながら、日本は世界最高水準の医療を提供して
いるのですから(WHO Health Report 2000ではっきりと述べられています)、医
療現場から過重労働の悲鳴が上がるのは当然です。すなわち、現在の「医師不足」
問題は、医師の問題だけでなく、医師以外のコメディカル雇用数の不足という問
題なのです。

 病院の人手不足による労働負担はすべての職種にかかりますが、特に、無制限
に働く状況に置かれた医師の勤務時間は長く、週平均70.3時間(厚労省デー
タ)に上ります。一方、ヨーロッパ諸国の医師の勤務時間は、週平均約40~5
0時間です(OECD Health Working Papers)。

 日本の医療現場では、医師以外の職種ではなんとか時間制や交代勤務制になっ
ていますが、医師では交代勤務制が未だに実現されず、労働組合も存在せず、入
院患者を受け持てば24時間365日働かざるを得ないため、結果として医師が最も
安い労働力となっています。1時間当たり単価は、研修医を終えた大学病院の医
員で1,449円、医学部教授で1,690円ですが、医学部以外の大学教授で
は4,566円という報告もあります。

 勤務時間だけならば、他にも長時間働く職業はあるかもしれません。しかし、
患者の生命に直結する判断を分刻みに要求される医師が、ほとんど睡眠もとれな
い状態で働いていることは、患者の安全性にマイナス影響があると言わざるを得
ません。24時間覚醒時にはアルコール血中濃度0.10%と同程度の注意力し
かないことが、イギリスの科学誌Natureに報告されています(アングロサクソン
の凄いところは、医療安全が問題になると基礎科学からも同調して研究成果がで
てくることです)。これは、ビール大瓶2本飲酒後のほろ酔い~酩酊初期にあた
り、手の動きが活発になる、理性が失われる、脈が速くなるなどの状態で、運転
すると交通事故の可能性は6~7倍という状態です。

 産婦人科では平均月4~6回の当直をしており、そのたびに徹夜で、翌日も通
常勤務をしています。このような当直明けの医師たちは、ほろ酔い~酩酊同然の
状態で手術などの診療に当たっています。皆さんは、徹夜明けで36時間連続勤
務している医師に、手術してほしいと思いますか?


【 医療費削減によって正規雇用されない医師たち 】

 大学医学部6年を卒業した医師のうち、正規職員(常勤職)ポストに就けるの
は、わずか40%に過ぎません(厚労省調査)。それも卒後2年間の契約ですか
ら、3年目には解雇され、どの病院に就職するか、常勤職につけるか否か、全く
予測ができず、若い医師たちは不安にさらされています。これでは普通の人生設
計などできず、将来の夢も持てないのも無理はありません。医師は、特に20~
30歳代のうちは、数か月から2~3年で勤務先病院を転々とするので、退職金
も年金も生涯賃金も考えられない状態にあります。

 その最たるものが、厚労省が決めた新臨床研修制度における、1ヶ月ずつ異な
る診療科(又は異なる病院)を回る「スーパーローテート」と言えるかもしれま
せん。当の厚労官僚が、財団を新設し、天下りを繰り返して、退職金や生涯賃金
を増やしているのとは対照的です。

 例えば、私が勤務した経験がある国立がんセンター(厚労省直轄です)では、
レジデントと呼ばれる20歳代終盤から30歳代の医師たちが主戦力として働い
ていました。しかし、彼らは非常勤で、ボーナスも身分保障もなく、1日6時間
の日雇いです。1ヶ月分の給与は、20万円前後です。年末年始など休日の多い
月は彼らの収入は減りますが、実際に正月も休みなく24時間病棟を支え、当直
もこなしています。ちなみに、労働時間を6時間としているのは、それ以上にす
ると旧労働省サイドから常勤扱いを求められるからだそうです。

 さらに、国立がんセンターでは、雇用関係がないために身分も収入もない「研
修生」と呼ばれる医師が働いています。彼らは無給です。

 前述のとおり医師の交代制は実現していないため、深夜の帰宅、深夜の呼び出
しなど緊急対応もしなければなりませんし、病院からタクシー代など支給されま
せんので、必然的に病院から徒歩圏内に住まざるを得ません。そのため東京の一
等地にある国立がんセンターで診療するということは、家賃の高い一等地に住む
ことを意味します。月収20万円あるいはゼロでは生活できませんから、休日・
夜間は地方の病院へ行くなどして当直をこなし、生活費を稼がなければならなり
ません。こうして休みの全くない生活をしています。毎年のように、家族を養え
ないという理由で辞めていく医師がいます。 

 このように、厚労省の長年にわたる医療費削減政策によって、医師の正規雇用
ポストは制限されてきました。医師は、社会的身分も保障もないまま、自らの生
活の心配をしながら、タダ働き同然で医療を支えるのが当然とされてきたのです。


【 医療費・教育費削減によって大学病院でも・・・ 】

 大学病院の医師たちの立場は、目を覆うものがあります。厚労省調査によると、
全国の大学病院には、臨床系の教官又は教員22,304人に対し、それ以外の
従事者、つまり正規雇用ポストについていない医師が、ほぼ同数の22,384
人います。この正規雇用されない医師の割合を年齢階級別にみると、25~29
歳で93%、30~34歳で76%、35~39歳で37%となっています。さ
らに、大学病院と雇用関係がないにも関わらず診療に従事している医師は、文科
省調査によると少なくとも5,744人います(ソネットエムスリーより)。

 臨床研修制度が導入された平成16年以前は、当たり前のように医師は「大学
にたくさんいる」と考えられ、実際に日本のほとんどの病院は医師の供給源とし
て大学を頼りにしてきました。ところが、「大学にたくさんいる」医師たちの多
くは、常勤職に就けず、社会保障を得られない、あるいは、非常勤ポストさえな
い、身分のない医師たちなのです。

 医療費と同様に、対GDP比の教育費も、日本はOECD30カ国中26位と低位に
あります。特に国立大学は、平成16年、新臨床研修制度導入と同時に独立行政
法人となったときに文部省から負わされた借金が、1兆円を超えます。その後も
毎年、運営費交付金は約15%ずつ減らされています。

 大学医学部の教員数は昭和31年以来、文部省(当時)の大学設置基準により
「収容定員720人までの場合の専任教員数」140人と決められています。そ
して現在に至るまで、教員ポストは増えていないのです。このため、大学では非
正規雇用の医師ばかりが増加しています。これで良い医師を育てることができる
でしょうか? 

 さらに、この4月から医学部入学定員が693人増えましたが、文部官僚が教
員数や教育費を増やすことはなく、大学病院の現場から上がる悲鳴は、ますます
大きくなりそうです。


【 医師不足対策には医療費増・教育費増・ドクターフィー導入が不可欠 】

 日本の大学医学部の教員数は、極めて少ないことが知られています。例えば、
米国ハーバード医学校の常勤教員数は8,074人、医学生(4学年)は728
人ですが、東大医学部の常勤教員数は235人、医学生(4学年)は435人で
す。医学生一人あたりの教員数は、ハーバードでは11.1人、東大では0.5
人です。この教員の少なさは、既に述べてきたとおり、医療費・教育費の削減の
ために、人件費を削減してきた結果と言えるでしょう。

 米国では、なぜこんなに多くの医師が大学教員として働いているのでしょうか。
実は、ほとんどの医師は開業医です。開業医が、自分たちの診療所での診療と同
時に、一般病院・大学病院での診療や教育を担っているのです。これは、一般病
院・大学病院で働いた分の報酬が、きちんと開業医にも支払われるから実現可能
なことです。

 ところが日本の医療費は、ドクターフィーとホスピタルフィーが分離されてお
らず、ホスピタルフィーのみで構成されています。厚労省が定めている診療報酬
の現行制度では、医療費はすべて医療機関に対して支払われます。医療機関から、
医師を含むすべての職員の給与や必要な医薬品・物品購入、機器メンテナンス等
の経費が支払われるのです。こうして、開業して病院との雇用関係がなくなった
医師たちには、もし病院で働いたとしても報酬を支払わない、つまり、開業医に
は病院での診療や教育は担わせないというのが、厚労省の方針と言えます。

 ちなみに、現場からの意見を反映して、舛添厚生労働大臣の主導で行われた
「「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会」の報告書(平成2
0年9月)や「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」の報告書
(平成21年3月)には、ドクターフィーについて明記されています。しかし、
厚労官僚は依然としてドクターフィーの準備を始めたという発表はありません。

 先般、医学部入学定員を693人増やすことが決まりましたが、焼け石に水と
いわざるを得ません。厚労省がドクターフィーの導入を拒み続け、9.5万人の
開業医を病院から切り離している限り、病院の医師不足が解消されることはあり
ません。現在、問題となっている「医師不足」は、開業医の不足というより、主
に病院の医師不足なのです。

 厚労省は新たに、病院と診療所の連携や、病院の夜間救急を開業医に手伝わせ
るなどの施策を進めようとしていますが、開業医にタダ同然で病院に働きに来さ
せるという発想からして、絵に描いた餅に終わるでしょう。


【 診療報酬引き下げによる雇用削減 】

 医療機関にとって唯一の収入源である医療費は、厚労省が値段(診療報酬点数)
を決め、33兆円の配分を決めています(この意味で医療は完全な「戦時下統制
経済」です)。

 この医療の値段をほぼ2年に1度削減することによって、医療費削減政策が貫
かれてきました。2002年の改定では、マイナス2.7%という大幅な削減が
行われ、結果、全国の病院で2.7万人の雇用削減となりました。問題なのは、
事務職員や看護業務補助者など資格を持たない職員の雇用が4.8万人減少し
(看護師などの雇用数を増やしたためネットでは2.7万人の減少です)、その後
も減少の一途をたどっていることです。資格を持たない職員が減少すれば、資格
がなくてもできる業務を残された医師や看護師が担うことになるのは当然です。

 これに対し2007年12月28日、厚労省は「医師及び医療関係職と事務職
員等との間等での役割分担の推進について」という医政局長通知で、「病院に勤
務する若年・中堅層の医師を中心に極めて厳しい勤務環境に置かれているが、そ
の要因の一つとして、医師でなくても対応可能な業務までも医師が行っている現
状がある」として、関係職種間で適切に役割分担を図るようにと通達しました。
この通達を聞いた現場は、「分担したくてもできる人がいないから厳しい勤務環
境になっているのに、一体誰に分担しろというのか」という諦めにも似た無気力
感を持ちました。むしろ、厚労省の矛盾する方針の辻褄合わせのために、現場に
不可能を要求しているのではないかとさえ思えてきます。

 この問題を解決するためには、医師に限らず、すべての病院職員の雇用を増や
す必要があります。


【 医療費削減によって権限拡大する厚労官僚 】

 なぜ厚労省は、こうまで頑なに医療費削減政策にこだわるのでしょうか。

 昭和58年に保険局長だった吉村仁氏が「医療費亡国論」を発表した当時は、
経済成長が頭打ちとなり、それまで10~20%(最大36.2%)を維持して
きた国民所得の対前年比が、昭和54年に6.1%、昭和57年に3.8%と落
ち込んでいました。ですから、医療費の伸びも抑えなければならないと考えたの
は、世界の潮流でしたし、妥当な判断でした。問題は、その後、医療の進歩によ
る業務量増加や国民の価値観の変化、患者のニーズの変化など、時代は変わった
にも関わらず、政府が医療費削減の方針を一貫して続けてきたことです。

 医療費を削減した結果、医療崩壊が進み、現場から悲鳴が上がれば、厚労省は
その「対策」と称して補助金や基金を新たに設立します。医療費そのものである
診療報酬点数は削減し続けたままです。このような方法を多用すれば、官僚が焼
け太るだけで、医療現場は益々荒廃します。

 それは、患者を診療することの対価として得られる医療費(診療報酬)と違っ
て、これらの補助金や基金からお金を受け取るためには、本来の患者の診療には
不要なはずの書類作業や、細部にわたる厚労官僚の規制をすべてクリアしなけれ
ばならないからです。時には、病棟とは「かくあるべし」という厚労官僚の机上
の理想を押しつけられて、壁やドアをつくるなど、病院の改装工事までしなけれ
ばならなかったケースまで聞かれます。患者の診療には不要であり、どんなにく
だらないと思っても、医療費を削減されて赤字だらけの病院が生き残るためには、
患者のニーズに従うのではなく、厚労省の指示に従わなければならないのです。

 これを厚労官僚の側から見ると、全く違った見え方になります。医療費を削減
すればするほど、現場は何も文句を言わずに自分たちが決める制度に従ってくれ
るからです。こうして厚労官僚は、医療費を削減することによって、医療機関を
支配する自らの権限を強化してきたとみなすことも可能です。

 例えば、新臨床研修制度が導入されたときも、この制度に伴う補助金を得るた
めに、病院は黙って従うしかありませんでした。厚労省の方針が間違っていると
現場の医師たちが考え、「こんなもの蹴ってしまえ」と言っても、経営陣の判断
で、補助金を得るために厚労省に従ったのです。

 また、今年4月1日、厚労省は「産科医療確保事業」という新たな補助金の通
達を出しました。これは、「人手不足によって過重勤務を強いられている医師に、
せめて時間外勤務手当を」という現場からの要望に応えて、舛添大臣が昨年から
「医師に手当てを」という方針を貫いてきたのを受けたものでした。が、大臣の
指示に対して、1年に及ぶ予算折衝の末に厚労官僚が示したものは、診療報酬と
いう医療費本体ではなく、この補助金でした。

 しかも、この「産科医療確保事業」では、現場が要望してきた「時間外」の分
娩に関わる「すべての診療科医師」への手当という方針を無視して、全く違うも
のになっています。「すべての分娩」の「産科医のみ」を対象とし(麻酔科医や
小児科医は除く)、その代わりに、「分娩費用が50万円未満」の病院と決めた
ため、高度医療を担う多くの病院には還元されないことになりました(ソネット
エムスリー「4/2号 医師個人への「分娩手当」は絵に描いた餅?」)。

 また、翌4月2日には、政府・与党が深刻な医師不足に対応するため、「地域
医療再生計画」を策定し、1兆円規模の基金を創設すると報じられました(共同
通信)。これによって、現場にとってはいったい何が解決するのでしょうか? 
現場が最も困窮しているのは人手不足ですが、果たして病院の雇用人数は増える
でしょうか?何も具体的な議論はありません。「医療費削減政策を貫き、基金を
新設して天下りポストを増やす」という、官僚が描いた絵に与党が従った政策で
あるかように見えます。

 これまで厚労省が貫いてきた理屈は、「給与は雇用関係にある医療機関が払う
べきものであり、国が払うべきではない」といったものでした。それがために、
これまでの補助金による政策では病院の雇用は増えなかったのです。厚労官僚は、
基金であっても同じ理屈を繰り返すことでしょう。

 最後に、去る2月3日、厚労省の「周産期医療と救急医療の確保と連携に関す
る懇談会」で、現場の医師たちから、渡辺厚生労働副大臣が集中砲火を浴びた場
面を少しご紹介します。診療報酬(医療費本体)を削減され、補助金ができても
人件費に「使えない」ため、現場がいかに困窮しているか、おわかりいただける
でしょう。


●医師ら:「我々の唯一の血と肉である診療報酬が段々とこうなってしまったか
ら、救急もすっかり疲弊している」「(補助金についても)結局は国が何分の1
か出して、残りは都道府県と事業主が負担するという形では、お医者さんのフィー
なんて絵に描いたモチだ。」「もう一度確認する。人件費は柔軟に使えるのか。」
「使えるようにしていただきたい。往々にして現在の医師に対するインセンティ
ブでなく、他の人を雇いなさいという指示が来る。しかも雇うような医師がいれ
ばいいけどいない。」「ちょうど、衆議院議員がいる。これでお金回るとお思い
ですか。事業者で手当てなんて払えないのがいっぱいいる。だから皆疲弊してい
る」

●渡辺副大臣:「医師がいなければ雇えないというのと類似のもので、来てくれ
る人がいなければ、この予算も使いようはないのかもしれないが」「無理してで
もやるという所を支援しようということ」

●医師ら:「どこも心はある。でも出す金がない。そういうのが分かったうえで
の、この予算を読むと、なんだ嘘じゃんとなる」「現場のどこから金を持ってく
るのか、みんな赤字なのに。実現可能性がない。こういう制度をずっと国家がやっ
てきた。国の仕組みがおかしいんではないのか。社会保障が大切だというのなら、
国がしっかりやりなさい。大臣も現場から声をあげてくれということで、この委
員会をやっているのだから、そこを提言したらよいではないか」

●渡辺副大臣:「提言の方は大臣がやっていたので中身まで承知してないが、先
生のおっしゃったことは非常に重要だと思う。ただ財政的に厳しい中で、少しで
も、一歩でも踏み出して何とかしようということで、今までより踏み込んだ形で、
もしやっていただけるなら直接助成するということにした。何とか県の方にも協
力を求めていきたいし、それをやっても改善しないのなら改めて別の方策を探り
たい」

●医師ら:「財政が厳しいという前提が崩れないなら、この話はできない。これ
からの日本をどういう国にするつもりなのか。財源をつくるのが政治家の仕事で
はないのか」

●渡辺副大臣:「今回は厚労省も何とか工面した」

●医師ら:「それでいこうと言えないのか。何のために議員をやっているのか」
「外口局長は法律に従わないといけないんだから、本当にそういう法律があるの
か知らないけれど、ルールなら仕方ない。しかし政治家の仕事は法律を作ること
のはず。先生方ならできるはずではないか」

 医療問題が政治テーマとなって、既に3~4年経ちました。しかし依然として、
病院の雇用者数を増やすという希望は見えてきてはいません。

検察の自殺行為 

やはり、小沢民主党党首の秘書が関わった政治資金法違反捜査は、国策捜査だった可能性が高いことが明らかになった。

検察が、この体たらくで良いのか。検察が、時の政治権力と野合するのは、あってはならないこと。

西松建設との不透明な関係が強く疑われる二階経産相他、自民党の議員達は、一切訴追しない、それを現自民党議員の元警察官僚が、事前に言明していた、これほど明瞭な検察の腐敗はない。検察は、民主主義国家の検察として、自殺行為をするに等しい。


以下、引用~~~


“西松事件”二階立件断念で捜査終結 (ゲンダイネット)
 仰天情報が永田町界隈で飛び交っている。西松建設の違法献金事件で、二階俊博経産相の関連団体の立件を最高検などと協議していた東京地検が、捜査の終結方針を固めたというのだ。本当にこれで終わりなら「国策捜査」の謗(そし)りは免れない。公正・正義を捨てた検察は、早く解散した方がいい。


●6000万円裏金疑惑にも沈黙

「東京地検は先週から最高検などと本格的に協議し、『今の状況だと二階側の立件は難しい』と判断したようです。ただ、民主党の小沢代表の秘書逮捕で終わりだと『国策捜査』の批判が高まるのは確実。二階氏に直接、責任が及ばない政治団体の関係者をパクってゴマかすか、ダンマリを決め込むか――最終的な調整に入っています」(司法関係者)

 東京地検特捜部が“ダミー”とみる西松関連団体からの献金相手は、与野党議員問わず何人もいた。二階はもちろん、森喜朗元首相、尾身幸次元財務相など大物の名前がズラリと並んだのだ。

 しかし、小沢秘書逮捕後の特捜部の動きは鈍かった。二階の総額6000万円にも上る“裏金”疑惑が浮上しても沈黙。二階の実弟が支配する政治団体「関西新風会」が事務所費用の無償提供を受けていた問題も、関係者を呼んでチラッと話を聞いただけだ。

 そもそも、この事務所費肩代わり問題からして、検察が巧妙に“仕掛けた”疑いが強い。

「仮に検察がこの案件に手を付けても、しょせんは団体関係者が捕まる程度です。小沢氏の資金管理団体『陸山会』の会計責任者を兼ねる秘書を強制捜査で逮捕したケースとは大きく異なり、二階氏のダメージは極めて少ない。本来は小沢氏と同様、二階氏が代表の政治団体『新しい波』の責任者の立件を目指すのがスジだが、ここに手を突っ込むと二階氏だけでは済まなくなるため、意図的に問題の焦点を移したとみられています」(捜査事情通)

 これが本当なら、とんだ腰抜けだ。神戸学院大学法科大学院の上脇博之教授(憲法)はこう言う。

「小沢氏の秘書が逮捕・起訴されたことからみて、西松関係者が検察に対し、違法献金のカラクリをすべて話していると考えるのが自然です。当然、同じカラクリで違法献金したのだから、一方は立件できるが、他方は立件できないというのは公平・中立ではない。このまま終われば、日本の検察は、与党のための捜査機関になってしまう。これでは法治国家とは言えません」

 検察こそ、そろそろ説明責任を果たすべきじゃないのか。

(日刊ゲンダイ2009年4月15日掲載)



[ 2009年4月18日10時00分 ]

QRMがあるから、さようなら・・・ 

昨夜遅く、寝る前に7メガをワッチした。7030辺りを中心周波数とするジャミングが酷く、7026は五月蝿すぎた。その少し下で、Don W6JLがJAのビギナーと思われる局と交信していた。Donは、例によって、自作のリグ・アンプ、それにQSKシステムも自作、2エレ八木も自作と自慢げに紹介していた。相手に、リグは何を用いているのかと尋ねて、受信に移った。ところが、相手のJAは、QRMがあるからといってそそくさとファイナルを送ろうとしている。

それでも、Donは食い下がっている。599のリポートをくれたのに、QRMなのか、自分はQSKを用いているから、QSYをいつでもできる、と繰り返した。が、相手のJAは、別れのメッセージを送って、そそくさといなくなってしまった。

そこで、私がDonを呼び出し、かのJAはビギナーなのだ、まだ受信できなかったのだろう、「QRM」は初心者が受信できないエクスキューズとしてよく使う台詞ではないか、それに我々には言葉の壁があるし、ね、と申し上げた。

Donは、それは良く分かるが、あのような場合QRSをしてくれと何故頼まないのだろうか、頼まれればいくらでもQRSで相手をするのに、と答えた。英語だって、極めて簡単なものしか使わないで、交信を続けることができるのに、と。HONESTであって欲しいのだ、と繰り返していた。

その通りだと思うが、取れないのでQRSしてくれと依頼することで、SELF CONFIDENCEないしSELF ESTEEMが侵されるように感じてしまうのかもしれない、と私は申し上げた。

Donとは、そのような会話を交わした後、彼が70セントのMOSFET二個を用いたアンプを作っている、それに2マイルの散歩を毎朝続けているといったことを伺いお別れした。彼は、リグの自作それにCWの運用面でも超一流のオペだと思う。JAのビギナーに対して少し厳しすぎるかとも思ったが、彼が相手と意味のある会話を交わしたいと思っているのに、それが出来ぬもどかしい心情も理解できる。

最近、ネットでCWトレーニングについて少し調べたが、検索してヒットするのは、専らCWトレーニングソフトだけだ。そうしたソフトでトレーニングすることで、符号を覚えることができ、さらに所謂ラバースタンプの交信を楽しむことは一応できるようになるのかもしれない。しかし、オンエアーで実際の交信に耳を傾け、交信相手への関心を強く抱き、何とかして意思疎通を図りたいというモチベーションは、そうしたトレーニング方法では生まれてこないだろう。勿論、両者が背反することではないが、ソフトによるトレーニングでは、一種のゲーム感覚しか生まれず、本当の交信の愉しさを追い求める意思は生まれないのではないか、却って、一つの閉じた自分だけの世界に留まるように促してしまうのではなかろうかと心配になった。

これはJAだけに限ったことではなく、アマチュア無線の生まれ育った地の米国でも大なり小なり同じようなことになっているように感じられる。

臨床研修制度改変反対署名 

臨床研修制度の改変=研修医の強制配置に反対する医学生が、署名を集めている。下記のサイトで、彼等の主張に目を通され、賛同された方は是非署名して頂きたい。左側のメニューで「署名」を選択し、ごく簡単に署名できる。

http://students.umin.jp/

この臨床研修制度の改変の問題点は、下記の通り。

○医療全般を担える医師をより良く教育する制度の目的が、研修医数で地方の医師数を増やし「医師不足」を見かけ上改善することにすり替えられている。このようなことで医師不足は改善しない。

○より良い研修環境を選択するという研修医の権利が侵害されている。それだけに留まらずに、職業選択・居住の自由の権利が侵害されている。これは、ひいては地方の医療レベルの低下につながる。研修医に、より良い研修環境を与えることをこそ考えるべきだ

○臨床研修制度を端緒にして、官僚は、医師の人事権を握ろうとしている。それは越権行為であり、医療制度をさらに荒廃させる。公の目的が、私的な目的よりも優先されるというのは、恐ろしい国家社会主義的な発想である。すべての職業には、公的な性格があるわけであるから、この官僚の横暴を許すと、国民に職業選択・居住地の選択の自由がなくなることにまでつながる。

開けられたパンドラの箱 

救急医療の場で、パンドラの箱が開けらた。

救急医療に携わる医師は、過労死レベルの労働を常態として強制され、さらにそれに対する対価という点でもピンはねをされ続けてきた。

医師を取りまとめ、医師配置を強制的に行う積りらしい、官僚が、どのようにこの状況を改善しようとそている、ないしやり過ごそうとしているのだろうか。やり方によっては、救急医療の崩壊を決定的にすることになる。

さて、どうなることだろうか?


以下、m3より引用と、それに対するコメント~~~

◆“パンドラの箱を開けろ!”、勤務医の宿日直問題で国会質問
(2009年4月14日配信のMR君より)

 「勤務医が法的に正しい働き方をした場合、いったいどの程度の医師数が必要か。どれだけのコストがかかるのか。そのためには診療報酬はどうすればいいのか。今まさにこの 問題に切り込まないと、医療費を増やす議論にも、負担のあり方の議論にもならない。“パンドラの箱”を開けることになるかもしれないが、勇気を持って開けてほしい。大臣は “パンドラの箱”を開ける勇気があるのか」

 4月14日午前11時から開催された参議院の厚生労働委員会で、勤務医の宿直問題について質問した、民主党の梅村聡氏。舛添要一・厚生労働大臣は、次のように回答しまし た。

 「一人の人間(大臣)が、旧厚生省と旧労働省の仕事をやっている意義がまさにそこにある。ただ、“パンドラの箱”を開けようとした時に、“閉めろ”という、ものすごい圧 力がある。しかし、この問題は国民のためを考えて、きちんとやりたいと思う。この議論を厚生労働委員会で続けていきたい」

 舛添大臣が言う「ものすごい圧力」が何を指しているかのは不明ですが、大臣自身は“パンドラの箱”を開ける決意をしたということでしょう。

 現状の勤務医の宿日直には、(1)実態上、宿日直ではなく、通常勤務であっても、「宿日直扱い」で、夜間・休日の救急外来などを勤務医にさせている(宿日直については、 2002年3月19日通知「医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について」に記載)、(2)使用者が勤務医に宿日直をさせるには、労働基準監督署の「宿日直許可」を 得ることが必要だが、その許可を取っていない、(3)時間外労働をさせるためには、割増賃金を支払う必要があるが、それを支払っていない、といった様々な問題があります。

 何も今に始まった問題ではないのですが、今年3月に東京で、愛育病院『 「法令違反」と言われては現場のモチベーションは維持できず』)や日赤医療センター(『日赤医療センターは労基署の是正勧告にどう対応したか』)が相次いで労基署の是正勧 告を受けたことで、メディア、社会、そして政治家の関心が高まっています。

 梅村氏が、宿日直許可を得ている医療機関の数を質問したところ、厚労省労働基準局長は、「2002年と古い数字だが、診療所も含めて、約6600施設」と回答。「2次救 急医療機関や救命救急センターはその中には入っていない(宿日直許可を得ていない)と考えるのが自然」と問い詰める梅村氏に、局長は「宿日直許可を取っていない医療機関の 中には、交代勤務をやっている場合もある」としながらも、「救急指定の病院でも、宿日直を受けている施設があるとは聞いているが、全体の数字は把握していない」と苦しい答 弁。

労働基準局長が、何故把握していないのか、とても不思議。というか、彼の意図的なサボタージュなのかもしれない。

 「実態が宿日直でなく、通常勤務の場合、宿日直許可を取り消すことはあり得るのか」(梅村氏)
可能性で言えば、法令を遵守できない状態であれば、宿日直許可を取り消すことはあり得る。しかし、適正化に向けた指導を粘り強く続けていく」(局長)

 「救急告示病院に対しては、宿日直許可を取り消して、36協定を結んで、きちんと割増賃金を支払う。あるいは宿日直許可を認めて、それに見合うような労働実態にしていく 。この二つの選択肢があり得る。仮に後者の場合、どんな指導をしていくのか」(梅村氏)
 「2002年に宿日直について通達を出した際には、自主点検をしてもらった。それでも適正化が必要だと思われる施設、約2700に対しては説明会を開いた。その上で、さ らに問題がある医療機関については、個別に病院を訪れ、指導した。交代勤務や必要な医師の確保が難しい中で、例えば実際に救急業務に携わる時間が限られているのであれば、 その時間は外して、それ以外を宿日直にするなど、いろいろ病院と話し合いを進め、粘り強く適正化を進めている」(局長)
「なぜそこまで宿日直許可の範囲内にこだわるのか」(梅村氏)

救急業務に携わる時間が限られている等と言うのは、医療現場を全く知らない者の言い草だ。これまでの医師奴隷労働体制を何とか生き延びさせようと言うのは無理なのだ。でなければ、労働基準局長の責任になる。

 ここで紹介したのはやり取りのごく一部ですが、梅村氏は終始攻勢、一方の局長は苦しい回答が続きました。「粘り強く指導」しても、法律と実態と合わせるのには無理がある からです。

 要は、交代勤務にするには医師が足りない、夜間・休日をすべて時間外労働とするには、割増賃金を支払わなくてはならず、コストがかかる。しかも、すべて勤務時間としてカ ウントすれば、1週間当たりの勤務時間は「過労死水準」を超える……。この議論を進めるのは、まさに“パンドラの箱”を開けることになるのです。しかし、梅村氏の指摘のよ うに、この議論をしない限り、救急医療の問題は解決しません。

母が仙台に向けて旅立つ 

今朝、仕事に来る途中、ショートスティしている介護施設に母を訪ねた。大きなデイルームのテーブルに、もうお一方の入所者の方と並んで座っていた。私が、声をかけると、私の名を口に出し、柔和な笑みを浮かべた。もう帰るのかと尋ねられ、週末までここにいなきゃならないのだと私が答えた。「あぁそうなの」と言うが、また2,3分すると同じ問答の繰り返し。隣で母の手を握っていてくださる方が、母が自宅に帰りたいと繰り返していると教えてくれた。その方は、99歳になるとのことだが、しっかりしておられた。きっと家に帰りたがる母を慰めてくださっていたのだろう。

母は、「じゃあ、お土産は?」といつものように、半分以上真面目に手を差し出す。何も無いよと答え、手をそっと彼女の手のひらに添えた。

家族内でいろいろ議論をして、結局、介護施設に母を預けたくないと弟が主張し、彼の家に母を連れてゆくことになった。身体のあまり丈夫ではない義妹との家庭だ。我が家の近くの施設にお世話になれば、私も姉も会いに行くことが容易だ。母の弟夫婦との同居は、弟夫婦にあまりに負担をかけてしまうことになるので、積極的に賛成できなかった。が、弟の母への思いを前にすると、強くは言えなかった。

これまで一緒に生活してきて、どれだけ母にしてあげられたことだろう。徐々に童女のようになってゆく母を正面から見つめることは、容易なことではなかった。自己弁護の気持ちももたげて来るが、それは誤魔化しだ。看護婦として仕事をしながら、医療機関に務める父とともに、私達三人の兄弟を育ててくれた。

母は、今週末、仙台に向けて旅立つ。木蓮の花が落ち始め、ハナミズキが満開になる季節に。

医療機関経営破たんの先に来るもの 

かんぽの宿は、宿泊料を極めて低廉に抑えられていた。その結果、経営状態が悪化し、民間への売却価格が低く抑えられた・・・という説がある。売却先も政官に食い込んだオリックスという会社に事前に決められていた。すべてお膳どおりに運びそうだったが・・・少し、ずっこけているらしい。

そうした民間への売却を早め、また売却価格を抑える施策が、医療機関に対しても行われているように思える。民間医療機関、病院の1/4、診療所の1/3が赤字だというデータだ。一方、公的医療機関は8割近くが赤字というデータも出ている。こうしたデータは、昨年の診療報酬削減前のデータなので、現在はこれよりも悪化しているものと推測される。

公的医療機関を独立法人化しようが、民間委譲しようが、赤字化する可能性が極めて高い。

民間市場で赤字が続けば、経営破たんである。恐らく、民間医療機関の半数以上、それに公的医療機関の大半が経営破たんする。

で、その後に日本の医療を担おうと虎視眈々としているのが、オリックスのような政商の経営する資本、それに外国の資本である。彼等は、医療機関を安価に仕入れ、そこで巨額の利益を上げる積りなのだろう。それで「効率化」が実現すれば、国民にとっても良いことなのかもしれない・・・が、そうはならない。効率化とは、利益を上げることと同義なのだ。そして、生命を扱う医療を民間が経営すれば、そのコストの上限はなくなる。国民の内、ごく一部の持てる層以外には、医療にかかることは容易なことではなくなるはずだ。それに、高価な民間医療保険に入らなければならなくなり、民間医療保健会社との支払いの交渉に多大な労力と時間を割かねばならなくなる。

さて、そうした方向に向かっていることを国民はどれだけ理解しているのだろうか。


以下、引用~~~

民間病院の4分の1が赤字 日医総研WP、診療所では3分の1
09/04/13
記事:Japan Medicine
提供:じほう

 日本医師会総合政策研究機構はこのほど、「赤字民間医療機関のマネジメント上の課題」をテーマにワーキングペーパー(WP)をまとめた。2007年度の決算データから、民間の医療機関のうち病院では約4分の1、診療所では約3分の1が赤字だったと指摘。日本の医療提供体制は「民主導」であり、民間医療機関が国民の健康を維持するため極めて重要な国家戦略上の資源になっているとし、医療費抑制策の見直しなど、売上総利益の確保に向けた政策的対応が求められると提言した。

 WPは、TKC全国会発行の「TKC医業経営指標(M-BAST)2008年度版」から得られた民間の病院685施設、診療所3178施設の07年度決算データを調査対象に分析した。TKC全国会は会員数約9600人の税理士・公認会計士の全国ネットワークで、株式会社TKCの会計システムを使用した財務データに基づき、TKC医業経営指標を集計している。

 病院は、黒字が509施設(74.3%)、赤字が176施設(25.7%)で、赤字病院は全体の約4分の1。診療所では、黒字が2104施設(66.2%)、赤字が1074施設(33.8%)で、約3分の1の診療所が赤字だった。赤字医療機関は病院・診療所ともに、事業規模が黒字医療機関よりも小さかった。赤字医療機関の従業員数・医業収益高・総資産はすべて黒字医療機関を下回る結果を得た。

●赤字病院の生産性高い

 一方、赤字病院の従業員1人当たりの生産性は、黒字病院をわずかに上回ることも明らかになった。ただWPは、仕入れや人件費などの面で、赤字病院は黒字病院と比べて効率性を損ねていることがうかがえると指摘している。

 従業員1人当たりの売上総利益を見ると、赤字病院は黒字病院との比較で96.5%にとどまり、従業員1人当たり人件費は赤字病院が黒字病院を上回った。

●赤字医療機関で過大な借り入れ

 赤字医療機関は黒字医療医機関よりも過大な借り入れをしていることも分かった。WPは、経営不振に陥る民間医療機関から「過去の過剰投資に対する弁済が経営を圧迫している」と指摘する声が多く上がっていると指摘。今回の分析データはそれを裏付けているとした。

 ただ、民間の医療機関の資金調達は金融機関からの借り入れなど間接金融にほぼ限定され、特にバブル期に過大評価された土地建物を担保に安易な融資が行われていた側面もあると指摘。別途検討する必要があるとした。


決して例外的なケースではなく 

昨日は、JIDXCが開催されており、バンドはどこもコンテスターが占領していた。でも、夜、7026でラグチューをなさっているAtsuさんとあるWの方を発見。しばし、耳を傾けた。そのWの方(ハンドルはJoe)は、以前から何度か交信をしていた方だ。Joeは、修理に出していたリグが戻ってきたと嬉しそうだった。

お二人の交信終了後、Joeをコール。彼は、仕事中に事故にあい、四肢の骨折という重症を負って、大分回復してきたが、自宅で静養中であることを知っていた。彼に現状をうかがうと、医療費それに傷病手当を請求している保険会社からは支払いをまだ受けていない、とのことだった。ここ1,2年間、彼と話をするようになって以来、同様の状況が続いている。仕事中の事故であることから、支払われて当然だと思うのだが、保険会社は応じない。

さらに、ご家族にも大きな問題があり、奥様がしばらく前に乳がんで乳房摘出し術を受けざるを得なかったが、その後、精神的に落ち込み、アルコール依存になってしまったとのこと。アルコールを控えるように話してきたが、もう諦めたとのことだった。息子さんは、詳細が不明だが、既に亡くなっており、その頃から娘さんも精神的に困難な状況にあるらしい。

オバマの医療改革で良くなると思うかと尋ねると、いやそうは思えない、とのことだった。確かに、オバマは国民皆保険を目指すといっているが、国民が民間保険に入ることを想定した改革のようだ。民間保険は、利益を出すことが至上命題となるから、皆保険となっても、Joeのようなケースは後を絶たないということになるのだろう。

Joeは、日本では、医療保険が整っていて、誰でも医療が受けられると聞いていると話していたが、いや、日本の公的な医療保険制度は最早崩壊し始めていて、政府は、医療保健をアメリカと同様の制度にしようとしている、とお答えした。マスメディアは、それを報道し、追及しようとはしない、と。

Joeのケースは、決して特殊なケースではない。

日本でも、そうしたケースが巷に溢れる状況に突き進んでいる。15兆円の大バラマキをしても、社会保障費用を減らし続けることは止めるとは決して言明していない政府。選挙の票を、そのバラマキで買う不正であることが、国民は分からないのだろうか。

あるバイオリン発表会に参加して 

この週末も慌しかった。仕事を11時半過ぎに終え(ようとする時に限って、最後にどど~っと患者さんがいらっしゃるのであるが・・・)、あるバイオリンの先生の発表会に参加するために、一路千葉へ。湾岸で曲がり損ねて、反対方向に向かってしまったが、一つ先のインターで降りて、千葉方面へ。九州からいらっしゃるバイオリン奏者の方(高校の音楽の先生をしていらっしゃるそうだ)と、ピアニストの方と三名で、先日弾いたメンデルスゾーンピアノトリオ1番1楽章を練習。といっても時間がないので、二回ほど通しただけ。

私が通奏低音で参加する、弦楽アンサンブルのリハも、1,2回やったようなやらなかったような。それで、本番突入。ピアノの置いてある喫茶店が会場で、聴衆は関係者のみ30名程度。所謂レートスターター、またはリスターターが多い発表会だ。お弟子さんたちが、一生懸命演奏される姿に、じ~んとなることしばしば。特に、『千の風になって』を、歌心豊かに弾かれた50歳代と思われる女性の方と、もう一人、バッハのメヌエットを、バイオリンの先生と合わせて弾かれた、70歳前後でフルートの初心者と思しき方、お二人の演奏が印象に残った。『千の歌になって』の演奏は、一見簡単そうだが、背伸びせずに、素直に歌っておられたのが好ましかった。フルートを吹かれた方は、長くのばすべきところで音が続かないこともあるのだが、その真剣さが、こころを打つ。こうした方々を教え、一緒に演奏されるバイオリンの教師の友人も改めて見直した。

自分達の演奏は・・・好評を得たが、私個人の演奏に関しては、何か、少し演奏しなれてしまった(弾けないところは弾けないのだが)ようなところがあり、いつも真剣に感動をもって弾かねばならないと反省。バイオリン奏者の方にも、音を褒めていただいた(他に褒めようがなかったのかも・・・)。息子さんが東京の音大に入学したので、時々上京するから、また合わせようと仰ってくださった。

60の手習いでバイオリンを始めた外科の医師の方も、はるばる遠路参加された。お住まいは、九州なのだが、現在北海道に赴任中とのこと。「国境無き医師団」でも活躍なさっているようす。バイオリン奏者の方が、彼のバイオリンの先生で、お二人で、バッハのドッペルを演奏なさっていた。まだ、バイオリンを始めて、2,3年と思われるが、真剣そのものの素晴らしい演奏だった。

思い返すと、楽器を新しく買って、闇雲に弾き始めて(再開して)から、もう10年になる。レッスンにもつかずに、自己流でやってきたのだが、当初、どんどんヘタになっているような気がしていた。昔は、2,3回弾くと大体暗譜できたものが、それが利かなくなってきた。それに、暗かったりすると譜面が読み辛い。でも、いつも自分で自分の音を聴きながら(これが結構難しい・・・本当はレッスンにつけば、この問題はかなり解決するのだろうが・・・)、工夫をして練習を続けて行こう。もしかしたら、これからダウンヒルの本番が待ち受けているのかもしれないが、それでもアンサンブルをして下さる仲間の輪が少しずつ広がって行くことを支えに、もう一頑張りしてみようかと思っている。

槿の再生 

政府の打ち出した景気刺激策、15兆円の規模だという。これは、結局、一発花火で終り、後に待つのは、更なる増税と、国民負担の増加だ。国内の行政・政治の問題、産業構造の問題には手をつけないで、一時、国民にばら撒きをする自公政権のいつものやり方だ。官僚が遍く張り巡らした天下りシステム、国内の内需を疎かにした産業構造、何よりも、滅茶苦茶にされた社会保障とセーフティネット、どれをとっても、これから更に厳しい状況になる。

この景気刺激策というのは、本態は、自公政権の公然たる選挙での贈収賄だ。それを正面切ってマスコミは批判しない。

気が滅入る。

仕事場の槿の木、除草剤の影響でだろうか、昨年は花はおろか、みどりの葉も全く見られなかった。死んでしまったのかと思っていた。しかし、今春、芽吹き始めた。何という生命力。槿は、元来強い樹木だと思っていたが、これほどまでに再生する力があったとは驚きだ。これから、仕事の面でも、私的にも厳しい状況に突き進むことのなるが、この槿の再生への思いをともにもっていたいものだ。

IMG_0946-1.jpg

JARL総会の委任状をJA1ELY草野氏へ 

日本アマチュア無線連盟JARLは、現会長が会長職についてもう30年以上経っている。彼のワンマン体制が続いている。アマチュア無線界の衰退に対して、何も対策は取れず、JARLの会館建設費用をどんどん取り崩していると聞く。さらに、総務省の意向に何もいえぬばかりか、世界的に常識となっている「包括免許」も、30年前から会員間に強い要望があるのに実現しない。無線機に関して、実験しても、すぐにそれで運用できぬという状況なのだ。無線機の技適という殆ど意味のない制度や、移動免許・固定免許という時代錯誤の免許制度もそのまま。こうした旧態依然とした免許制度は、総務省の意向というよりも、JARLに改善する意思がないためといわれている。JARLは、官僚よりも官僚的になっている。

59誌を発行されているJA1ELY草野利一氏が、JARL総会で活発に様々なアマチュア無線・JARLの問題を追及してくださっている。次回、釧路で開かれるJARL総会にも参加して、JARL改革のために論陣を張ってくださる予定だ。彼に議決権を多く与えるために、総会の委任状を彼に託していただけないだろうか。彼から個人的に頂いた、委任についての依頼のメールの文面の一部を転載しておく。


以下、メールより引用~~~

JARL定期総会の入場券と委任状は既に皆様のお手元に
届いていると思います。
私は毎年総会に出席して様々な問題について質問を行っ
ています。今年の開催地は北海道の釧路市と非常に遠い
場所ですが例年通り参加する予定です。
参加する予定の無い方は、是非私JA1ELYに委任状を
託してくださいますようお願い致します。
役員選挙の投票と違い、事務局に集まった委任状がどの
ような管理をされるのか会員にはチェック権が無く、闇の
中でわかりません。それで私宛に送って頂きたいところ
ですが(144-8691 蒲田支店私書箱8号 草野利一)、
それも面倒だという方は委任状にJA1ELYと書いて投函
して頂いてもちろん結構です。

昨年は皆様の御協力を得てダイレクトメールを出したりして
2240通もの多数の委任状が集まりましたが、選挙もあっ
た為だと思いますが会長は3115通で逆転はできません
でした。


医療を食い物にする官僚 

公立病院の危機は、人件費が高い、非効率などの問題点もあるが、もともと非採算部門を抱えている上、診療報酬の度重なる引き下げによって生じている

その危機の対策は、ただただ診療報酬を上げることであるべきなのに、厚生労働大臣の打ち出したのは、「基金」の設立だ。それによって、新たな設備投資と医師派遣事業を行う積りらしい。

基金は、医療機関に金を貸す組織。官僚の大きな天下り先となる。設備投資は、一種の公共事業。やはり政官に利権をもたらす。本来法的に禁じられてきた、医師派遣事業を、やはり行政主導で行うのは、官僚の利権確保そのものだ。

結局、この基金創設は、官僚のための官僚による施策そのものだ。公的病院の窮状は改善されることはない。医療をここまで食い物にする官僚には開いた口が塞がらない。

以下、引用~~~

公立病院の再生へ「基金」を設立 舛添厚労相、追加経済対策で
09/04/06
記事:Japan Medicine
提供:じほう

 舛添要一厚生労働相は2日の参院厚生労働委員会で、政府・与党が検討している追加経済対策に地域医療の再生に向けた考えを示した。石井準一氏(自民)の質問に答えた。

 石井氏は「公立病院の崩壊や民間譲渡をめぐり、全国各地で市長と住民の間で政治問題に発展する例が相次いでいる」と報告。このような事態が生じる背景として「医師不足による患者減、収入減に陥った病院に、自治体がリストラの矛先を向けざるを得ない状況がある」と説明した。
  これに対し舛添厚労相は「(追加経済対策で)大きなファンドを組むための折衝をやりたい」と述べた上で、公立病院の存続に向けて「総務省とも連携を取らなければいけない」とした。
  自民党の日本経済再生戦略会議(会長=町村信孝前官房長官)は3月30日、追加経済対策の基礎となる「日本経済再生への戦略プログラム」(中間報告)をまとめ、地域医療の再生に向けた「基金」の設置を盛り込んだ。基金の活用によって施設整備や医師派遣システムを強化するなど、医師不足対策を支援する方針を示している。
  公明党も「新・経済対策案」の中間報告で、救急医療体制の整備などを推進する「地域医療再生基金」(仮称)の設置を提言している。
  また舛添厚労相は、南野知恵子氏(自民)の質問に対し「すでにわが省の担当部局に具体的な施策の取りまとめを指示している」と述べ、2009年度補正予算案の編成に向け省内で具体案を練っているとした。
  厚労関係予算について舛添厚労相は「国民の生活、命を守りそれを基礎にして日本経済を復活させる大変、大事な政策。とにかく皆さんがよくそこまで(財務省から)取ってきたと言ってくださるよう努力する」と述べた。


我が菜園 

デジカメ画像にすると貧弱な畑だが、汗をかきながら耕した約3坪の我が自家菜園。左手前に、西瓜を二苗。右側にトマトの苗を八つ植えた。間にジャガイモを植える予定。毎年学習効果があるはずなので、今年は少しはまともに収穫できるだろう・・・そうであってほしいものだ。トマトがジャングルのようになったり、西瓜がカラスに食われるなんてことにはならないようにしたいものである。

IMG_0937.jpg

W6FOC Event参加断念  

昨夜、きびきびしたCWでBruce K6ZBから呼ばれた。あっ、不味い・・・彼から送られてきた、この夏のW6FOC Eventへの招待に対して、返事をしていなかったのだ。折角招待をされたが、斯く斯くしかじかの理由で参加できない、すぐに返答すべきだったとお詫びした。

彼の返答は、「いや、そうしてはっきりしてくれると、ホテルの予約作業などを進めることができるからありがたい」と、結構さっぱりしたものだ。ただ、行くことが出来ぬ理由については、いろいろと尋ねたられた。幹事を引き受けている、Ed K8RD、Randy W6SJともによく知っている方々なので、残念なことだ。来年には参加できるか・・・昨年も同じことを言っていたような気もする。

今回は、ロスアンジェルスでの開催らしいので、少し足を伸ばして、私のElmerであったMerle K6DCやはり今は亡きJohn W6GTI、Rad W6THNのお墓にお参りしてきたいものだったが、来年以降の課題になった。

Bruceは、10年前に大企業を退職し、自宅にコンサルタント会社を立ち上げ、ストレスの少ない充実した毎日を送っている、休もうと思えばいつでも休めるし、ね、と言って、私にリタイアを勧めた。医療の場合、そのような形でリタイアをし難いのだが、やはり一番の目標としてリタイアを考えてゆこうと改めて思った。Bruceは、今週末、ラスベガスである放送業界の会合に参加する予定とのこと。放送業界には友人が何人かいるから、会えることを楽しみにしているとのことだった。

救急医療センターを建設して、「たらい回し」を無くすのだそうです・・・ 

自民党は、やはり医療を金儲けの道具にしか考えられないようすだ。

救急医療が何故崩壊し始めているのか・・・自民党の連中には、救急センターの不足が原因と思えるのか・・・いや、そんなことはあるまい。何でも良いから箱物を作り、それで利益を得ることだけを考えているのだ。

箱物、通信インフラを作ることだけは熱心だが、そこで働く人間は、医学部増員し、医師を強制配置すれば「確保」できると考えているのだろうか

医療も、公共事業の対象としてしか考えられぬ腐った政権与党には下野を必ずしてもらわねばならない。



以下、引用~~~

救命センター23施設増、NICUも500床増 経済再生戦略
09/04/03
記事:Japan Medicine
提供:じほう


 自民党の日本経済再生戦略会議が3月30日にまとめた「戦略プログラム12分野別施策メニュー」では、直ちに事業化するプロジェクトとして、3年間で救命救急センターを23施設増やし237カ所まで拡充することなどを盛り込んだ。
  新生児集中治療室(NICU)についても2500床から3000床まで増床する。また災害拠点病院や社会福祉施設の耐震化を図るほか、土砂災害の危険性がある病院や老人ホームへの対策も掲げた。
  救急医療については、高規格救急車や消防団救助資機材搭載型車両の整備を集中的に推進。検討中のプロジェクトとしては、IT技術を活用した救急・周産期医療情報ネットワークの構築に言及。救急現場と消防機関、医療機関の間で情報を効率的に共有するシステムを検証し、いわゆる「たらい回し」などの解消を目指す。
  さらに地域医療の連携に向けて、電子カルテの導入補助や遠隔医療の推進、高速ブロードバンド網を整備する。遠く離れた住民の健康状態情報をサービス事業者が共有して遠隔地から見守るシステムの構築も図る。
  最先端の医療技術の創出に向けた取り組みとしては、大規模治験・国際共同研究に対応できる体制整備に向けたバックアップ拠点を2カ所設立すると明記した。またバイオベンチャーの再編・育成を目指すほか、研究開発拠点整備や先端医療開発特区に予算を投入し、iPS細胞を用いた再生医療など最先端医療関連市場を活性化する。このほか検討中のプロジェクトとしては、ゲノム創薬やバイオ診断技術の開発を集中的に実施するとした。



行政による医師の強制配置 

いよいよ行政による医師の強制配置が実現することになりそうだ。研究班の報告と言うが、行政の諮問会議の類と同じで、行政の意向を受けた提言である。これまで盛んにアドバルンが上げられていたので、驚かないが、最近、産科救急の医療機関の医師の労働状況に関して労働基準監督署が調査・指導を行い、場合によって告発まで行っていることと関連付けると興味深い。

恐らく、行政は、医師の配置をすべて自らが行う、そのための組織を立ち上げることによって、様々な権益を確保するつもりなのだろう。いわば、医師が公務員的な性格を帯びることになる。その公務員化、ないし準公務員化をするためには、医師の労働条件の違法状態を是正しておかなければならない(または、是正しているかのような振る舞いをしておかなければならない)、ということなのではないだろうか。

医師が公務員的な雇用をされているのが、英国である。NHSという行政組織が、医師の配置を行っている。その結果がどのようになっているのか・・・少し調べてみると、多くの問題があることが分かる。端的に言えば、患者にとって医療機関へのアクセスが極端に悪くなる。この制度を、恰も理想的な制度であるかのように、つい最近のわが国の国営放送は報道していた。凍りつく笑いしか浮かばない。

この「研究報告」が医師の計画配置を行っている外国のことに言及しているが、諸外国の配置の問題について興味深いコメントがm3BBSにあったので、転載する。

さて、行政と政治の無為と破壊的な「改革」によって、ここまで酷い状態に陥ったわが国の医療に、トドメをさす一撃になるのか・・・医師が士気を失い、「公務員」に成りきるのだ・・・ここまできたら、冷たい笑いを浮かべて見守るしかない。どれだけの患者が苦しまされることになるのだろう・・・それから騒いでも、元には容易には戻らないのだが・・・。



以下、引用~~~

医師配置に第三者機関を
09/04/02
記事:読売新聞
提供:読売新聞

厚労省研究班、報告書提出へ

 地域や診療科の医師不足問題について、厚生労働省「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医のあり方に関する研究班」(班長=土屋了介・国立がんセンター中央病院院長)は、医師を適正配置するための第三者機関創設を要望する報告書の骨子をまとめた。今月、報告書を厚労省に提出する。

 骨子では、欧米諸国の多くには医師を適正に配置する仕組みがある*のに対し、日本のように診療科や勤務地を自由に選ぶのでは「医師の配置は最適化されない」と、指摘。医学部卒業後の専門医教育を担う「卒後医学教育認定機構(仮称)」の設立を要望した。

 機構は、病院や医学会、大学医学部、診療所、研修医などが参加して組織。地域、診療科ごとに必要な医師数を算出する。研修病院の専門医養成プログラムの評価や是正を行い、専門医の質向上を図りつつ、適切な配置によって医師不足の解消を目指す。

 骨子ではまた、患者の日常的な病気の予防、治療を担う家庭医・総合医を専門医のひとつと位置づけ、養成を促進。勤務体制が厳しい救急、産科、小児科医などの負担軽減につなげることなどを盛り込んだ。

~~~

*の点に関して、m3のBBSでの、外国の事情に詳しいある方の発言。

以下、引用~~~

ドイツでは、医療機関の親子継承は原則禁止されている。どうぞ見習ってください。

アメリカには、そんな適正配置の仕組みはない。
医師が少ないところに、各州が補助金をつんで、医療過誤の保険金を補助している。
どうぞ見習ってください。

フランスでは卒後研修生の地域割はあるよ。だけど、その後は、アンテルヌになれば、どこでも開業できるよ。医師に2ランク作ってみる? どうぞ見習ってください。

イギリスでは、都市部より、地方の方が、生活は魅力的だから、あんまり都会のNHSには勤めたがらない。どうぞ、田舎を魅力的にしてください。

カナダでは、田舎に一定年限勤務したら、都心に豪邸買ってもらえるよ。どうぞ見習ってください。