お役所仕事 

また臨床現場からの愚痴・・・。

予防接種を院内で行う場合に、お子さん・ご本人のこれまでの病歴や、現在の状態を記していただく「予診票」という書類に、医療機関側も記入する。接種の可否、その日付、医師の署名、投与ワクチンの製造会社・ロット番号等だ。製造会社名とロット番号は、こちらの手間を省くためか、印刷されたシールがワクチンに付属してあり、それをぺタっと張るだけですむ。

ところが、新型インフルエンザの場合、これ以外に、ほぼ同様の内容を記入する、「接種済票」とかいう書類がある。記入項目は、投与量を記入する項目が加わる以外、予診票にほぼ同じ。ご丁寧にも、投与を行った年月日と、書類を記入した年月日を別な欄に、計二回記入することになっている(接種を行った日と、書類を記入する日が別になること等ありえない)。

要するに、現場から見ると二度手間である。

もう一つ解せないのは、通常ワクチンに付属する上記のシールが、新型インフルエンザにはない。それも手書きしなければならない。季節性ワクチンよりも高価な、新型ワクチンで、こうした手抜きが行われている。一旦、ワクチンを開発し、製造ラインにのせてしまえば、そうしたシールを、ワクチンバイアルの箱に添付する工程は、通常の季節性ワクチンと同じはずだ。このような手抜きを誰が許したのだろうか。

小児科の診療所は、すべての医療機関のなかでも一、二を争う小規模医療機関である。人手が無い。この余分な事務作業も、半端な数ではない。そこで、診察・接種する私が、この作業の多くを行うことになる。時間はとられ、それに伴い、問診・診察・予防接種の説明の作業が滞り、また誤りを生む原因になりうる。

医療現場に見えない負担をかける、こうしたお役所仕事の要求は、普段の診療で、とても多い。以前、乳児医療の公的補助を得る書類に、当院が発行したことを示す、医療機関コード・住所医療機関名・印等同じことを、一枚の書類「六箇所」に記入・捺印することが要求されていた。保険請求事務を行う短い時間に、数百枚の書類に、判子を押し捲らなければならなかった。他にも、色々ある・・・。

お役所はこんな調子で、自らの仕事量を増やして、人員を確保しているのではあるまいか。

止めてもらいたいものだ。

合理化・・・否、事業仕分けをしろ・・・。

政治と行政の無責任さ 

今回の「事業仕分け」は、財務省主導で行なわれた。民主党は、財務省にこの重要な作業を丸投げした。民主党は、政権をとって間もないのだから、拙速に結果を出そうとしないで、現場の声に耳を傾けるべきだった。財務省主導で行なったこの「事業仕分け」を、恰も民間と政治が主導して行なったかのように言う、藤井財務大臣は、罷免すべきだ。

財務省が、政権政党のマニフェストに反してまで、これまでの路線を踏襲しようとしている理由には、一つには、国家財政の悪化があるのだろう。何故、そのように国家財政が悪化したのかを点検し、そこから議論を始めなければならない。しかし、この一見尤もらしい理由も、実体をみると少し薄弱のようにも思える。

政官業のトライアングルを維持するためかとも思ったが、市場原理主義的な小泉政権以来の政治体制によって、この強固なトライアングルも一部の業種・業界を除いて、崩壊しつつあるようだ。結局は、官僚、特に財務官僚の利権確保ということが、一番の理由のように思える。

この「事業仕分け」には、財務省の利権が絡む事業・特殊法人が殆ど対象にされていないことが、その根拠である。国家全体に痛みを要求するのであれば、財務省は、真っ先に自ら血を流すべきなのだが、むしろ自分の痛みだけは避けようとしている。

医療費の国庫支出をどうしても削減するなら、下記の全国医師連盟代表の発言にもある通り、これまで通りの医療制度は維持できないことを、国が明言すべきだ。コスト削減と、医療の質・医療へのかかり易さは、並立しない。医療費削減で生じるであろう、医療の質・かかり易さの低下の責任を、医療現場に押し付けてはならない(これまで、そうした医療現場への責任転嫁を、政治家・官僚は意識的ないし無意識に行なってきた)。

さらに、政治家と官僚、特に財務官僚の利権の制限を徹底しなければならない。これは、事業仕分け以前に、政治家・官僚自身が行なうべきことだ。それを行なわなければ、この「事業仕分け」の結果など到底受け入れられない。

以前のエントリーにも記したが、財務省が「事業仕分け」をお膳立てし、「仕分け人」という得体の知れない人々に財務省のシナリオを読ませ演じさせたのは、ショー化して大衆にアピールすること以上に、結果責任を負おうとしない、官僚の無責任さだった。政権与党の政治家も、自らの能力・経験不足を隠すために、官僚に丸投げしたことも、無責任と言えるだろう。佐々木毅氏の書かれた「政治の精神」(岩波新書)に、1949年に丸山真男が記した論文が取り上げられている。第二次世界大戦に突入していった、政治家・官僚の問題を個々の人物の問題ではなく、政治体制ないし政治的なエートスの問題として捉えた論文のようだ。戦前の政治家・官僚全般に見られた特徴の一つが、「無責任さ」だった、というのだ。

現在の、自己目的化した官僚制度の問題を、一つの切り口だけで説明することは難しいかもしれないが、「責任を取ろうとしない、責任を回避する」体制であることだけは間違いなさそうだ。小坂井 敏晶著「責任という虚構」(東京大学出版会刊)に、官僚機構の特質は、「分業体制」であると繰り返し述べられている。その分業とは、責任を回避するための制度なのだろう。

こうした無責任な官僚政治体制下で、大衆は物事の本質を理解せず、見せ掛けの統合対象に扇動されて動かされて行く、という状況なのだろうか。マスコミは、時の権力に良いように利用され、この大いなる扇動に乗っかり、さらには積極的にその扇動に加担する。その扇動の特徴は、専門的な知識の否定、専門家の否定だ。物事を単純化し、大衆の感情に訴えることによって、扇動は達成される。

この「事業仕分け」は、この事態を端的に示しているのではないだろうか。


以下、MRICより引用(下線はブログ主が引いた)~~~

 ▽ 行政刷新会議と財務省にみえる政権党の公約違反の動きに抗議する ▽

    全国医師連盟 代表 黒川衛

2009年11月28日 MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp

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 新政権を担う民主党は、「暮らしのための政治、ひとつひとつの命を大切にする社会」を訴えて政権交代を果たしました。しかし、行政刷新会議による事業仕分けのとりまとめと、財務省の予算編成の動きには、政権党としての重大な公約違反の兆候が現れています。全国医師連盟は、これらの動きに対し、強く抗議いたします。

 国民的な観点から、国の予算、制度その他国の行政全般の在り方を刷新すると謳う行政刷新会議には、国民の大きな期待が集まりました。事業仕分けは、業界トップの意を汲んだ族議員が、担当官僚と非公開で協議し予算要請するこれまでのものと異なり、透明性の点で優れていました。また、仕分け作業によって、補助金の中に、天下り機関の維持を目的としたものがあること、事業本来の目的に使われていない無駄な部分があることなどが判明しました。

 しかし、行政刷新会議の実態は準備不足が目立っており、政治主導ではなく、財務省主導とも言うべき内容となっています

1 国家ビジョンとの整合性のなさ
 刷新会議による事業仕分けは、新政権が日本経済の成長戦略として謳った、「内需主導への転換、科学技術の促進、医療介護を雇用創出産業に育成する」といった国家ビジョンから離れ、コストと投資の区別が出来ず、本来の事業仕分けとは異なる削減目的のパフォーマンスに陥っています

2 対象事業選定における政治の責任
 事業仕分けの対象事業は、全事業の15%に過ぎず、その対象には、財務省の一般会計と所管の四つの特別会計の事業の多くが除外されるなど、刷新会議には対象事業選択を行ううえでのリーダーシップが欠けています。

3 仕分け人選任の無計画
 仕分け人(評価者)の選任に際して、本来の目的に沿った人選がなされておらず、国民新党が指摘するように市場原理主義を推進した有識者が選ばれています。また、仕分け人同士の間でお互いの専門分野が理解されておらず協調関係が構築できていません。

4 財務省主計局による主導
 財務省主計局による論点シートは、恣意的で問題のある資料を用いていました。仕分け作業は、実質上、この査定シナリオに沿って論議され、評決されるまでの間、刷新会議側議員は独自の文書を準備せず、司会進行役にとどまっていました。

 全国医師連盟は医療領域に関わる事業仕分けの作業を見守ってきました。医療現場に過重労働が横行することが医療安全上の重大な問題となっていますが、仕分け人はこの認識に欠けていました。また、財務省の行った論点説明には、医療費抑制政策を実施した前政権下の財政制度審議会での資料が引用されていました。仕分け人は、財務省主計局による一方的な統計資料を信頼し、短時間の論議で評決しており、この点でも評価の正当性を欠くものとなっています。

 財務省主計局によると、診療所と特定診療科への診療報酬配分の減額による財源を捻出することで、病院勤務医対策を補填すれば、新たな医療費財源を増やさずに医療崩壊を食い止めることが出来るとの主張を展開しています。こうした医療費抑制政策の維持は、民主党のマニフェストに逆行するものです。

 医療費には無駄があるどころか、現在の医療は勤務医の異常な長時間労働によって漸く支えられ、また莫大な勤務医への不払い賃金があることを、私達は指摘しています。(参考文献、全医連提言、ユニオン声明)

 また、開業医の診療報酬を削減することには多くの問題があります。前回までの診療報酬削減により、多くの診療所が疲弊しています。個人開業医の事業収支差は、零細企業である診療所の事業所の所得であり、従業員のボーナス積立金や退職給与引当金、土地建物・設備投資の為の借入金の元本返済等を含んでおり、これを院長の給与として勤務医と比較することは非科学的です。全国医師連盟は開業医の報酬を削って勤務医に廻すことには反対します。

 全国医師連盟は、増加する一方の医療需要を支えるためには、現在の予算、人員では限界があることを主張してきました。医療レベルを維持したいのであれば、政権公約通り、医療費の大幅な増加に転じることを現政権は明らかにすべきでしょう。政府は、これ以上の財源が出せないのであれば、医療サービスの低下を国民が受け入れるよう説得すべきでしょう

 事業仕分けは、本来、削減ありきの作業ではないはずです。評価に際して、日本医療の国際的到達点(最高レベルの医療を先進国中最低の医療費と過酷な労働環境で達成している)や医療福祉予算の経済的波及効果、雇用創出効果など前提となる重要な認識を欠いた議論が展開されたことは誠に遺憾です。

 財務省は、19日、平成22年度予算編成に際して、他領域に先んじて医療予算に対する方針をまとめ、「医療費全体の増額をせずに、医療崩壊を食い止めるべき」と発表いたしました。民主党政策集INDEX2009には、「累次の診療報酬マイナス改定が地域医療の崩壊に拍車をかけました。総医療費対GDP(国内総生産)比を経済協力開発機構(OECD)加盟国平均まで今後引き上げていきます。」と明示しており、このままでは明確な公約違反となります

 私達は、26日に100人超の民主党の衆参両議員で結成した「適切な医療費を考える議員連盟」の動きを歓迎いたします。

 鳩山政権は、政治主導でなく財務省主計局主導で行った事業仕分けのとりまとめ結果を【見直し】、リーダーシップに欠く行政刷新会議を【刷新】するべきです。また、民主党の公約違反となる医療予算方針を表明する財務省幹部に対して直ちに修正を促す事を求めます。

参考文献

臨時 vol 365 「事業仕分けへの疑問」
医療ガバナンス学会 (2009年11月25日 06:15)
http://medg.jp/mt/2009/11/-vol-365.html#more

中医協炎上、「激しく、時には優しく」と長妻厚労相
(2009年11月14日 09:27) |
http://lohasmedical.jp/news/2009/11/14092716.php

持続可能な医療体制を実現するための全国医師連盟の五つの緊急提言
http://www.doctor2007.com/teigen090806.html

新政権への医療現場からの要望
http://www.doctor2007.com/teigen090914.html

全医連と全国医師ユニオンは、11/22に共同記者会見を行い、【医療機関における36協定全国調査結
果】を発表致しました。
http://www.doctor2007.com/unikyou.html

「医療機関における全国的な労働基準法違反および勤務医への賃金不払いに抗議する」 全国医師ユ
ニオン声明
http://homepage3.nifty.com/zeniren-news01/union.htm

活況のHF 

このところ14メガを中心に、CONDXが良好だ。特に北米方面に良く開ける。さらに、あちらでは感謝祭の休暇に入り、この週末のWW CWコンテストに備えてあちらこちらから出てくる。朝の14メガなど、パイルアップが入り乱れて、出る隙間がないような状況になることもある。

このところ、旧友達と会う機会が多い。昨夜夜10時過ぎに、7メガでAllen N2KWが呼んできた。フラッターを伴っているが、しっかりした信号。ニューヨークへのパスが開くには少し遅い時間帯。ましてや、彼はベアフットにワイアーアンテナをマンハッタンのビルに突き出して運用しているのではなかったか・・・彼は、K1TTTから出ていた。60m高の4エレ。強いわけだ。感謝祭の休暇を無線に費やして、家族から非難がこないのかと尋ねた。娘さんはNJ、息子さんはKY、それに奥様は天国だ、と仰る。悪いことを聞いてしまった・・・で、家族は別々なところで生活しているので、大丈夫とのこと。週末のコンテストを友人達と楽しむのだろう。

2,3局同時に呼ばれることが多かった、今朝の14メガで、後回しにしてしまったKH6KMというコールの局が根気強く呼んでくれた。応答すると、Wally、昔KW7Nでしばしば交信し、その後、AH6NJ、W7NVQとコールを換えた友人だった。アイダホでしばらく生活していたが、1年半前にハワイにまたやってきたらしい。彼は、かなりの年配者と思っていたが、まだ54歳で仕事を続けている様子。奥様が、最近ペースメーカーを装着したのだが、彼女はBIONIC WOMANだ、付いて行くのが大変だよと言うので、笑ってしまった。

2,3日前に、Jim K7WAからも呼ばれた。彼も、1980年代に良く交信した友人。5年前に、ボーイング社を退職。11、12月に、学生用のバスの運転をボランティアでするために、ワイオミングにやってきているのだそうだ。室内アンテナにベアフットなのだが、しっかり入感している。イェローストーン公園内を走っているそうで、野生の動物達がいて、良い場所だと言っていた。シアトルの自宅では、良いアンテナが上げられなくて、というので、室内アンテナよりも劣ったアンテナなのかと尋ねると、苦笑している様子。彼も、もう63歳。また、自宅からお目にかかることを約束して別れた。

同じ頃、14メガで数ヶ月ぶりにお目にかかった、Ron K5XKも旧友の一人だ。彼の息子さんが泌尿器科医をしているドイツに近々奥様同伴で出かけるとのこと。30数年ぶりのヨーロッパ旅行だと言って、嬉しそうだった。彼の旧い友人で,私も1980年代に良く交信させていただいた、Stan K5XKの様子を伺った。ご夫妻で、リタイアした方々の住む住居群の一つで生活なさっているようだ。もう90歳台だろう。車椅子生活になっても、大学に聴講生として通い、勉強を続けられたStan。素晴らしいOMだ。Ronはしばしば電話をして話されるらしい。現在入居している施設では、アンテナを上げられないので、stealth antennaを上げようと、Stanに提案するのだが、要らないと断られてしまったとのこと。お二人に、こちらのデジタル画像を何枚かお送りした。

Ronから送られてきた二葉の画像・・・Ron自身。

K5XK 1-1

このアンテナは一体何なのだ・・・

K5XK 2-1

さて、急患を一人診て、今日はお仕舞い・・・になるのか。

インフルエンザ脳症と思われる症例を経験した 

水曜日の午後、退職されるスタッフの送別会を兼ねた昼食会から仕事場に戻って、何人か救急の患者を一人で診た。すると、救急隊から電話。午前中に診た3歳女児が痙攣を起こしたとのこと。現在は痙攣は止まっているが、意識レベルを尋ねると「ちょっと・・・だけど反応はありますよ」とのことだ。少しいやな予感もしたのだが、午前中に診たこともあるので、診せて頂くことにした。

姉が最近インフルエンザと確定診断されていて、朝からの発熱だけが訴えの児だった。意識レベル・呼吸状態等に問題なし。痙攣の既往なし。軽いアトピー性皮膚炎を認めた。インフルエンザと診断し、タミフルを処方した。常々、タミフルを全例には処方しないのだが、全くの初診だったこともあり念のため投与した。

自宅に帰り、タミフルを服用させて、1時間後に嘔吐。そのまた1時間半後に痙攣を起こしたようだ。来院時、痛覚刺激で顔をしかめる程度に意識レベルが落ちており、時々口周囲の律動的な動きがあり、痙攣重積の可能性があった。項部硬直無し。聴診上、呼吸・心に問題なし。抗痙攣薬の座薬を投与。すぐに転送先に連絡をした。こうした場合、近くの大学病院ではなかなか受けてもらえない。酷い場合は、「電話の」たらい回しに会う。忙しいのだろうが・・・そこで、20Km程度の距離にある基幹病院の一つに連絡。すぐに受けていただける旨の返事を頂いた。

この症例は、経過からインフルエンザ脳症の可能性が高いように思える。タミフルは、投与後1時間で嘔吐しており、その嘔吐がタミフルの副作用としても、この痙攣重積状態には関係していないだろう。

こうした症例のケアに、基幹病院の小児科では追われているのだろう。先日ニュースで、新型インフルエンザによる脳症の症例数は100+αと報道されていた。重症度は様々だろうが、脳症自体はもっと多いのかもしれない。

インフルエンザ発症から、こうした状態になるまでの時間経過の短さに改めて驚かされる。インフルエンザ脳症のまとめが小児科学会かどこかのサイトで公表されていたが、多くの症例は、インフルエンザ発病後2日以内で発症している。病因についてはまだ分からないようだが、よく言われているサイトカインストームだけでは説明しにくいように思える。発症の時期が、十分な免疫応答が起きるよりも前のように思えるからだ。細胞内ATP代謝系の遺伝的多型性の問題を指摘する研究者もいるらしい。個体側の問題がベースにあるという考え方が受け入れやすい。研究が進み、根本的な治療法が確立されることを待ち望みたい。

それに、こうした小規模の施設、それも私一人しかいない時に、こうした症例を受け入れるのは極めてリスキーだと改めて思った。患児の状態を診ながら、転送先を探し連絡するのは無理な話だ。すぐに受け入れてくださった基幹病院の小児科の先生には、感謝している。これが夜だったら、転送先を見つけるのがより難しかったことだろう。

忙しい日々が続く・・・。

Nathan KO6Uに再会 

昨夜、Nathan KO6Uと、数ヶ月振りに7メガでお目にかかった。彼が通勤途上車から呼んでくれたのだ。きびきびしたキーイングを耳にして、思わずニッコリしたものだ。

彼は、今春、LAから車で1時間ほど内陸に入った、CORONA(だったかしらん)に移り住んだ。新居は、恐らく底値で仕入れることができたとのことだった。ただ、仕事が忙しく、自宅にワイアーアンテナを張ったもののあまりオンエアーできなかったらしい。仕事は、GARDENA。フリーウェイ91号を飛ばして通っている様子だ。

一昨日、車にリグアンテナをセットアップ。私が二局目の交信だそうだ。パドルをたたきながらの運転は神経を使うと言っていたが、どうしてスムースなキーイング。車が移動していることもあり、深いQSBがあるが、底ではノイズレベルにまで落ちる。ガソリン給油をするといって、一旦はお別れした。そこでAtsu氏が、すかさずSWLリポートを下さった。Nathanの信号は339の由。我が家では、ピークで589まで振っていた。受信に差があるのは、都会と田舎の違いのためかもしれない。数分後、Nathanが復帰。奥様のこと、仕事のこと、サンクスギビングの休みのことなどを伺ったところで、信号がいよいよ谷間に落ちる時間が長くなり、お別れした。きっと、また彼が通勤途上でお目にかかる機会が増えることだろう。

交信終了と同時に、Chuck W5UXHが、Nathanを呼んでいる。そのまま、同じ周波数を使うように促し、私は、スピーカーで受信しながら、別なことをしばらくしていた。Nathanのアンテナのことを話題にしている様子。運転に神経質になるというNathanに、2,3日もすれば慣れるさとChuckが言っていた。以前のエントリーにも記したが、Chuckは、クラシック音楽を愛好し、お母様がチェロ奏者だったという方。Nathanとの共通の友人でもある。

彼等が交信終了後、Chuckをお呼びした。数多い患児と、その母親の相手にいい加減飽きたのではないか、まだリタイアをしないのかと突っ込みを入れるChuck。彼の住む地域・・・ニューメキシコだったか・・・は寒くなって、毎朝の5マイルの散歩は、朝早くはでかけられないと言っていた。仕事場のオーディオ環境を入れ替えようかと思っているが、本格的なハイエンドのシステムは高価過ぎて・・・とぼやくと、彼は、昔からの旧いスピーカーで十分だとのこと。音楽は、専らCDからMP3に変換して聞いている由。また、Nathanとのラウンドテーブルを約してお別れした。

寝る前に、emailボックスを除くと、Nathanからの同胞メールが入っていた。彼の車と設備・・・。

アンテナは小型のscrew driverだとは分かったのだが、取り付け場所が聞き取れず。Chuckも彼にそれを尋ね、ナンバープレートのブラケットに取り付けたことが分かった。Nathan曰く、穴を二箇所開けるだけで済んでよかった、と。本当は、屋根の上にラゲッジキャリアーをつけて、そこに載せると最高なのだがと言ったのだが・・・。
photo ko6u-1

彼の職場に着いてから撮ったのだろうか。朝陽に映える彼の愛車カローラ。screw driverは、ベースローディングのホイップのようだ。
photo (1) ko6u-1

主要な電波輻射部分は、車の車体の高さよりも低い。よくぞこれで太平洋を越えて、電波が届くもの。ただ、車の進行方向にカルディオイドのビームが出るはずで、GARDENAに向かう際には、そのビームが北西方向になるようだから、それがS一つ分くらいは信号を強くしている可能性はありそうだ。
photo (2) ko6u-1

機械は、アイコムの小型のもの。パドルはベンチャーか・・・落したら、ばらばらになりそうだ。
photo (3) ko6u-1

仕事の行きかえりに、この設備で無線を楽しんでリラックスして欲しいものだ。

カリフォルニアの財政も破綻寸前らしいので、公的な仕事についている彼には大きな負担がのしかかっているのだろう。

夜の7メガで、彼と交信する愉しみが増えた。

「事業仕分け」というポピュリズム政治 

自民党の長期にわたる政権運営で、政治は官僚に依存し、大企業から政治へ金が流れ、官僚と大企業の利権が確保される政治にはウンザリしていた。民主党政権には、その政官業のトライアングルを打破してもらいたいという期待を持っていた。特に、官僚がマスコミを利用して、いい加減なデータを基に、政官業にとって都合の良いように世論を誘導し、政策を実行するやり方にメスを入れてもらえるのではないかと期待していた。

が、今のところ、その期待は大きく外れた。むしろ特定人物に権力が集中し、マスコミを利用するポピュリズム政権が誕生したと、後に振り返られるような事態になりつつある。

自民党政権時代から続いてきた、財務省主導の医療費削減政策を、この「事業仕分け」でまんまと実現させようとする、財務省の意図が明白になった。財務省は、開業医と勤務医の収入の平準化を行う・勤務医の酷い労働条件を改善するためという口実で、行おうとしていることは、医療費を削減することだ。財務大臣・財務副大臣の記者会見で引用された、「開業医が楽して儲けている」という出鱈目なデータは、自民党時代に規制改革会議等や、財務省自身が公表したものと全く同一である。小泉構造改革以来続けられてきた、医療費削減が、医療崩壊の主要な原因なのだ。それを知っているはずの民主党の理念やらマニフェストは、どこにいったのだろうか。

財務省のこのやり方に私が異議を唱えるのは、事実に基づかないデータをマスコミに流して自らの意図を実現しようとするアンフェアなやり方だ。こうしたやり方は、これまで幾多となく、繰り返されてきた。そのやり口は、医師の士気を徹底して落す。この「事業仕分け」の対象になった、財務省関連の特殊法人は、たった一つであるという。ここまであからさまな、財務省の利権維持・確保は許すべきではない。

一方、「事業仕分け」を国民の大多数が支持しているという世論調査の結果が出ているようだ。「事業仕分け」を企画・実施した財務省主計局、それに、それにちょこんと乗っかって支持率の維持に成功した(かにみえる)民主党の幹部は、ご満悦のことだろう。負担の増加なく、これまでどおりの医療を受けられるかのように喧伝する民主党政権は、明らかに嘘をついている。「事業仕分け」による医療崩壊が現実になってから、国民は気づくのだろうか。それでは、遅い。

医療制度・医療経済の専門家である、伊関友伸氏が専門家として、この「事業仕分け」を厳しく批判している。


以下、MRICより引用~~~


 ▽ 事業仕分けへの疑問 ▽

   城西大学経営学部
     准教授 伊関友伸(行政学)

2009年11月25日 MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp

 現在、行政刷新会議により事業仕分けが行われて、世の中の関心を集めている。筆者は、一部で懸念が示されているように、財務省主導の予算削減の結論ありきの非常に乱暴な政治ショーと感じている。

 筆者は、地域医療や自治体病院の経営を中心に研究しているが、以前は、行政評価を研究していた。行政の質を高めるためには、外部の人間が入り、評価を行うことも必要だ。しかし、外部の人間は、具体的な行政の活動について持っている情報は少ない。評価という作業は、価値的な作業だ。評価を出来るだけ客観化して数値で表すために、政策の実現による便益を金銭化し、費用と対比して評価する方法(費用便益分析)やその価値を守るためにお金をどれだけ支払って構わないかを金額で評価する方法(仮想評価法)などもある。しかし、全ての行政活動を絶対的に評価する手法はなく、限界がある。絶対的な評価の基準がない中での外部者の評価は、「コストに対する事業効果が出てい
ない」という決めつけがしやすい。
その結果、事業を廃止や予算削減をすべきという結論につながりやすい。

 そして、単に「予算削減」をするだけでは、問題の本質的な解決につながらない。問題の本質的な解決のためには、担当者と外部者の議論の中で、問題が起きている本質を深く掘り下げることが必要となる。特に、診療報酬のあり方というテーマは、一国の社会保障のあり方を議論するもので、様々な要因を複合的に議論すべきであり、予算の支出が少なければ少ないほど良いというわけではない

 今回の事業仕分けの場合、資料が財務省から出され、非常に少ない時間で、悪者=事業を行う官僚、正義の味方=仕分け人という舞台設定の中で、一方的に仕分け人が官僚を叩き、必要な予算まで削減するという構図になっている。これでは、具体的な事業を行う官僚から、根本的な問題解決の情報が出ることはなく、議論が深まることはない

 実際、今回の事業仕分けでは、「診療報酬の配分」に関し、勤務医と開業医、あるいは診療科間の給与格差を平準化すべきで、「見直し」をすべきとされた。「医師確保、救急・周産期医療対策の補助金等」についても予算要求の縮減を支持する意見が多数を占め、2010年度予算要求額が半額に縮減された。財務省は、事業仕分けの結果を踏まえ、今回の診療報酬改定で、診療報酬本体のマイナス改定を求めるようだ。現場を回れば、開業医も、多くは自民党政権時代の医療費抑制政策の影響で、収入は落ちている。開業医を悪者にして、大幅に診療報酬を下げれば、最初に、地方の高齢化している開業医が廃業して、地域医療が崩壊するリスクがある。そういうリスクを想定して、事業仕分け
の議論は行われていない。
全国各地で医療崩壊が進む中で、本当に、このようなやり方で政策が決定されていくのが良いのか疑問に思う。

 事業仕分けに見られるように、財政削減第一で、官僚=悪と決めつけ、劇場型で相手を否定するやり方は小泉政権と手法と全く同じである。「医療費=悪」、「医師=もうけすぎで悪」と悪者を作り、行きすぎた医療予算の削減が行われ、日本の地域医療を崩壊させたことが、また繰り返される危険性が高いように思われる。このようなやり方がまかりとおるのであれば、「民主党=ネオ小泉政権」と言わざるをえない。

 予算のあり方について、公開の場で議論することはあってよい。しかし、その場合、実際の政策の現場に入って、関係者の話をよく聞き、具体的なデータに基づいて議論を行うことが必要と考える。その場合、議論を掘り下げるために、必要以上に対立を全面に出さず、議論の当事者間の信頼関係と問題の本質を探る深い議論が必要と考える。今回の国の事業仕分けは、そのようなものから一番遠いところにある。

 事業仕分けの手法以上に気になるのが、事業仕分けに喝采を送る多くの国民の姿勢である。多くの国民が、日本の医療の問題について「人任せ」であり、負担をしたくないから、悪者(今回の事業仕分けの場合の開業医や特定の診療科)を仕立て上げ、そこにしわ寄せを行う民主党政権の事業仕分けを良しとしているのではないか。事業仕分けで議論されている医療費の抑制の方向性に対して、国民(医師不足に悩む地域の人たちも含め)からの批判は少ない。そして、何よりも、国民の「人任せ」の姿勢が、現場で献身的に働いておられる医師の方々の心を折ることを心配している。このような全て「人任せ」の国民ばかりの国で、疲弊した医療が果たして再生できるのであろうか。筆者は、これからの日本の医療の先行きに深い憂慮を感じている。

伊関友伸のブログ
民主党政権の「事業仕分け」への疑問
http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-7164.html
民主党政権=ネオ小泉政権か?
http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-7165.html
民主党の医療政策の問題点
http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-7167.html
事業仕分けと国民の意識
http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-7168.html

(下線は、ブログ主がつけさせて頂いた)

財務省の医療政策が実行に移される 

例の仕分け作業の「結果」、OTC類似薬を保険給付から外す方向で検討に入ったらしい。漢方薬も切られるようだ。漢方の専門家が、この仕分けなるものを批判している。

この文章からも分かるとおり、財務省は、OTC類似薬を保険から外すことを以前から目論んでおり、今回政権交代に伴って、予算削減を丸投げで政権与党から任されたのに乗じて、それを実行に移す、ということだ。

OTC類似薬を切ることから始まり、次には、上気道炎等軽微な疾患の薬剤も、保険から外すことだろう。ついで、基礎的な治療薬以外も保険から外す。そうして、混合診療が導入されるのだ。これが、財務省の方針なのだ。国民負担を増やさないで医療崩壊を防ぐと、財務副大臣が言っているが、舌の乾かぬうちに、国民に大きな負担をかける医療政策を打ち出してくることだろう。

民主党が、財務省に予算削減をまる投げし、その結果、どのような状況になるのか、我々には黙ってみるだけしかできない。医療は、さらにがたがたになることだろう。科学技術の面でも、かなり立ち遅れが目立つことになる。

財務省の予算削減は、財務省・大企業と政治家自身の利権には切り込まない。

特別会計は、どれだけ検討されたのだろうか。

年金にからむ莫大な金の動きには、しっかりメスが入ったのか。

政治家の定数削減、政党助成金の削減は行わないのだろうか。

財務省を始めとする官僚組織と政治家の利権はそのままに、国の土台を確保し、国の将来を決める予算が削られてゆく。



以下、MRICより引用~~~

▽ 行政刷新会議事業仕分け作業の横暴 ▽
          漢方の保険給付はずし

慶應義塾大学医学部漢方医学センター
センター長 渡辺賢治
         2009年11月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
                 http://medg.jp


 11月11日(水)の行政刷新会議事業仕分け作業の結果を聞いて愕然とした。一般用薬類似医薬品(OTC類似薬)を保険給付からはずすというのである。

 この議論は長年自民党政権時代に政府ならびに財務省が再三提案しては消えた案件である。

 平成9年7月11日に与党協議長の丹羽雄哉氏が、都内の講演会でOTC類似薬の保険給付除外について述べている。OTC類似薬の例として、漢方、ビタミン、湿布薬を挙げている。

 2006のNikkei Newsによると、政府・自民党は市販薬と類似する医薬品(例:かぜ薬など)を医療機関が処方した場合、公的医療保険を適用せず、全額患者の自己負担とする方向で検討に入ったと報じている。

 2007年1月、財務省理財局の向井治紀国有財産企画課長が日本漢方生薬製剤協会の講演会で、「財政からみた薬剤を中心とした医療」をテーマに講演し、保険医療費が伸びている以上、抑制するための動きは必須で、保険給付の制限論議では「ターゲットになりやすいのは薬」であり、OTC類似薬が給付除外対象となる可能性について述べている。

 財務省の財政制度等審議会は、2008年度予算編成に関する建議をまとめた際にも、後発医薬品のある先発医薬品(いわゆる長期収載品)やOTC類似薬の保険給付の見直しを検討することも求め、OTC類似医療用医薬品の保険給付除外は、その例として挙げられていた。

 このようにOTC類似薬の動きは、出てきてはおさまりといった状態であった。今回の行政刷新会議事業仕分けの財務省案は、こうした長年の財務省の案を反映させたものと思われる。

 しかし、この財務省案が如何に現実を無視したものかについて述べたい。


●医師が漢方を用いる意義

 この案に医療のことを仕分けしたワーキング・グループの15人のうち、11人が賛成したというのであるから驚いた。そもそも漢方・ビタミン・湿布薬と一緒くたにされている点に非常に違和感を感じる。

 漢方の臨床を身につけるためにどれくらいの時間を要するとお考えであろうか。卒前教育は中国の5年間、韓国の6年間とは言わないまでも、2001年の文部科学省の作成した医学教育モデル・コア・カリキュラムに入ったことで、今では80すべての医学部・医科大学において漢方教育がなされている。卒業後、漢方専門医は、日本専門医制評価認定機構に加入している専門医制度であり、内科・外科等の基本領域の専門医を取得した後、漢方専門の研修3年が義務付けられている。

 漢方医学がセルフ・メディケーションで済むと思っていたら大間違いで、高度の医療知識を必要とする医学体系であり、当然誤用による副作用があり得る。自然のものであるから副作用がないと思われているかもしれないが、慶應での調査では、胃腸障害をはじめとして17%の患者が副作用を経験している。漢方の専門家ですらその有様であり、漢方の専門医でなければなおさらのこと、セルフ・メ
ディケーションではさらに増えることが予想される。重篤な副作用として肝障害と間質性肺炎があり、セルフ・メディケーションでは発見が遅れ、危険な状態になることも考えられる。


●医師ライセンスが一つであることのわが国の強み

 中国、韓国、台湾などは西洋医学の医師ライセンスと伝統医学の医師ライセンスの二つに分かれており、中国などで病院が一つでも入口が異なり、医療の導線そのものが分かれていることはよく知られている。

 わが国においては一つの医師ライセンスのもと、西洋医学も漢方医学もできる、という点に特長がある。私の恩師の大塚恭男が常々言っていた言葉に「一人の患者を西洋医学の医師と東洋医学の医師が診ても1+1は2にしかならない。一つの頭に東西両医学があると1+1が3にも4にもなる。」

 漢方医学を保険給付からはずし、医師の手から離すということは、日本の一番の強みを否定することになる。

 慶應の漢方クリニックにもありとあらゆる患者が来る。総合医的な役割で、ここで膠原病を見つけたり、脳腫瘍を見つけたりすることが多々ある。診断には血液検査、尿検査はもとより内視鏡検査、MRI、CTなどありとあらゆる検査が可能である。もしも医師の手から離れたら、漢方薬で愁訴をごまかしているうちに発見が遅れることにもつながりかねない。全国でも漢方を専門とする医師はほとんどが総合医的な役割をしているのである。

 漢方を専門としないまでもありとあらゆる診療領域に漢方治療が拡がっている中で、医師の手から奪い去ることは、医療の幅を狭めることになりかねない。


●世界的には医療の本流に入りつつある漢方医学

 財務省のアイデアは10年以上前のものであるが、最近の世界の動向を知っているのであろうか?世界中で伝統医学の見直しが行われていることをご存知なのであろうか?

 伝統医学を含む補完・代替医療の大きな潮流は1990年代から始まっているが、NIHの年間予算はこの領域に300億円を超えている。NIH内には、1998年から国立補完・代替医療センターというのがあるが、一番大きな予算は実はがんセンターである。MDアンダーソン、ダナ・ファーバーなど米国の主要ながんセンターには補完・代替医療のセンターがあり、鍼灸治療を中心に伝統医療が取り入れられている。

 補完・代替医療といってもさまざまであるが、伝統医学はWhole MedicalSystemsという位置づけで、体系だった医療というのがNIHの認識である。

 2009年10月のWHO国際分類ファミリー年次総会の席で、ICD(国際疾病分類)次回改訂に漢方を含む伝統医学を取りこむ計画が話された。ICDは世界保健の基礎となっている統計の基盤であり、わが国でも死因統計、保険請求などに用いられている。

 ICDは医師の行う医療の統計である。漢方を医師の手から引き離すことは、世界の潮流と全く逆の方向に進むものである。


●漢方を医療資源として活用することで効率の良い医療を

 大腸がんの術後大建中湯の使用により、在院日数が軽減される、というデータもあり、術後のクリニカル・パスに入っている病院もある。漢方を利用することで効率の良い医療ができ、結果医療費の削減にもつながる例には事欠かない。

 目先の財源のために漢方を切ることの愚に早く気がついて欲しい。医療用漢方製剤の市場は1000億円である。医薬品費全体の1%強である。しかし医療におけるインパクトは強い。目先の財源確保のために、この国が大きなものを失うような愚は避けるべきである。

 15年前に漢方の保険給付はずしの話が出た時に、日本東洋医学会が国民から集めた署名は150万通である。またそれをやるのかと思うとうんざりするが、何よりも国民に恨みを買うような政策は避けてほしい。

長生きだが、健康である意識に乏しい国民 

HOW CANADA PERFORMSというサイトがある。民間企業から投資を受け、調査研究しているグループにようだ。カナダが他の国々と比べて、経済・健康・環境等々の面で、どのような位置にあるのか、をまとめて提示している。ここ

健康面のデータが面白い。平均寿命では、日本は世界各国を抑えて第一位なのだが、健康状態を尋ねられて、良い・非常に良いと答える人々の割合は、ダントツに低い。

健康状態についての主観的な答えのデータは、あまりに主観的過ぎるという批判もあるが、様々な健康指標と良く相関することが知られている、という。日本で主観的な健康状態を良いと答える人々が少ないのは、高齢化が進んでいるためという説明もありうるが、1980年代から、やはりダントツに少なかったことも示されており、高齢化だけでは説明しきれない。

この一見相容れない結果をどのように考えるべきなのだろうか。

健康状態の主観的な判断は、生活の質を表している、という意見もあるようだ。しかし、生活の質が、高くないことが、このデータの主因であるとすると、それは必然的に平均寿命の短縮につながるはずだ。少なくとも、生活の質が低いことが事実だとしても、それだけでは説明しがたい。

国民性のようなものが、この結果を生んでいるのだろうか。医療の質との関連はどうなのだろうか。また、国民の医療への期待の度合いが関連していることはないのだろうか。

もうコリゴリ・・・ 

私の仕事場では、以前から新型インフルエンザワクチンの予約を受け付けていた。突然ワクチンの供給が始まっても、スムースに投与開始ができるように、と考えてのことだった。しかし、厚生労働省の度重なる変更により、優先して投与すべき群の仕分け、予約者への連絡、希望者からの問い合わせで、(極めて小規模部隊である)事務は、テンヤワンヤである。季節性インフルエンザの予約・連絡・投与も並行して同時進行中だ。勿論、通常の診療も行なっている。ワクチン業務を担当してくれている、事務員の方の目が釣りあがっている

予約者への連絡が曲者で、中々電話で捕まらない。捕まっても予定が合わない。そのような電話連絡をしている傍から、地方自治体がだした小児優先のチラシ広告を見た親からのヤンヤの問い合わせの電話だ。なかには、ワクチンが何時入るのかと電話で30分以上粘る方もいらっしゃる。いつの間にか、ワクチンの投与を受ける小児に1000円の公費負担が付くことになっていたようで、我が事務は、スタッフが持ち込んだ、そのチラシで、その事実を知る始末。こうやって公表する前に、どうして医療機関に予め連絡をしないのだろうか。

小児へのワクチン配給数は、当県の場合、DPT三種混合ワクチン接種の実績によって決まるらしいが、どれほどになるのか、医療機関側には知らされていない

国が末端の医療機関を統御して、個別接種をすすめるのは、どう考えても無理がある。実務は県に任せているのかもしれないが、それであっても無理だ。今回の新型インフルエンザワクチン接種は、規模が大きく、同時に行なわなければならないのであるから、集団接種でしかスムースに行い得ないように思える。

厚生労働省・県も、集団接種を否定せず、地域で可能であれば行なうようにとの立場だが、既になし崩しで個別接種が始まっており、これから方向転換するのは難しいのではないだろうか。10mlボトル(巷では、パーティボトルとも呼ばれているらしい)は、末端の診療所では大きすぎて使えない。もし、そのボトルが回ってくるようなことがあれば、受け取りを拒否し、接種からの撤退をするつもりだ。

末端の医療機関の事情を無視して、中央が机上でプランを立てても、ことはスムースに運ばない。

電話をするスタッフの人件費等を出したら、今回の予防接種は、本当に社会福祉慈善事業になる。天下りを沢山受け入れている予防接種製造企業には、季節性インフルエンザワクチンよりも多くの利益が転がり込んでいるはずなのが、腑に落ちない。

ま、緊急事態なので仕方ないのかもしれないが、予測は十分可能だったはずだ。厚生労働省の担当者の、現場を省みない、硬直した発想が禍の元だ。

「最後の晩餐」 

久米さんがテレビのニュース番組に出ていた頃、「最後の晩餐」というコーナーがあった。人生最後の日にどのように過ごし、何を食べるかという、かるくもあり、重たくもある内容の番組だったような気がする・・・あの当時は、無邪気に、テレビのニュース番組に見入っていたものだった。

人生の残りを冷静に考えると、残された時間は、それほど多くは無い。これから退職するのだから、自由な時間が出来るかもしれないが、様々な活動に残された時間も身体能力も、かなり急速に減少してゆくことだろう。いわば、人生の「最後の晩餐」に近づきつつあるのだ。特に、音楽を聴く能力、聴力は、今後「つるべ落とし」のように落ちてゆくように思われる。

それで・・・というほどのこともないが、最近、音楽を聴く時間を多く持つように努力している。仕事場の自室にいるときも、テレビのスイッチは殆どオフにしたまま。仕事によって中断されるのだが、できるだけCDをかけるようにしている。下手なテレビ番組を見て、時間を浪費したと後で感じるよりは、よほどマシだ。

最近、嬉しい発見だったのは、ブラームスのピアノ四重奏曲2番イ長調。これ以外の、2曲(遺作といわれるものもあるらしいが)は、結構有名でもあり、私も若いころからしょっちゅう聴いていた。1番の1楽章、3番の4楽章等、学生時代に演奏を挑戦したこともあった。だが、この2番は、1,2回聴いただけで繰り返し聴くことはなかった。前後のピアノ四重奏曲が、力の込められた、劇的な作品であるのに対して、この曲は、流れるような旋律に満ちた、自然に曲想があふれ出てきたかのように思われる作品であるためだろうか。特に、2楽章が白眉の音楽になっている。慰めるようなメロディの合間に、慟哭するかのような旋律がピアノ、ついで弦に現れる。この楽章を聴くと、ブラームスの音楽が、私と直接に相対して、語りかけてくれるかのような気持ちになる。この曲は、今後とも聴き続けるつもり。ボーザールトリオ+ワルター トランプラーのビオラ。ボーザールトリオは、やはり上手い。

リヒター最晩年のマタイ受難曲の録音も聴く。以前にも記したが、磯山教授によると、この演奏はロマン派への回帰を果たしたリヒターの演奏で、微温的な内容との評だが、私には、この悠揚迫らざる演奏は好ましく思える。第一曲が、二つのオケとコーラスによる応答によって成立しているが、その基本となるテンポは、現代の演奏に比べると、かなり遅い。だが、この曲の三連符からなる通奏低音は、イエスがゴルゴタの丘を上がってゆく足取りを表現していると言われている。だから、リヒターのこのテンポこそが、その重い足取りを表現している、と思うのだ。この演奏も、何度も聞き込んでゆく必要がある。

「最後の晩餐」の前に、私のこころを満たしてくれる音楽は一体何なのだろうか。

我が家の晩秋 

我が家にも晩秋の光景がいくつか見られるようになってきた。大根は、あまり大きく伸びない。肥料不足だったか。野菜の担当は私。花々は家内の担当。来年は、何を作ろうか・・・。

干し柿は、老母が我が家を離れる直前までせっせと作っていた。東側の目立たぬところにある、柿の木に、とても立派な渋柿が数多くなるのだ。野球の球か、それ以上の大きさ。表面がピカピカに輝いている。干し柿が上手くできたら、一つ二つ母に送ろう。

庭が落ち葉で一杯になる。今日も帰ってから、掃き集めて、落ち葉炊き。それに、腐葉土の原料にも回さなくては・・・。家内の実家から送ってもらった薩摩芋を、焼き芋にする。とても大振りで、焼き芋にすると、口に入れたときに、甘みがじんわりと広がる。

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事業仕分けは政治ショー 

「事業仕分け」が、財務省主導で行われていたのではないかと疑ったら、テレビ番組で財務大臣があっさりそれを認めていた。財務省主計局が、仕分けを行う事業を選定したようだ。その上で、財務大臣は、財務省が他の省庁と並行関係にあるから、(財務省から無理を他の省庁には言いがたい)、こうして仕分けをしてもらえると、それ(予算削減)を各省庁にお願いしやすくなると語っていた。その点で、今回の「事業仕分け」は画期的なことだそうだ。

「事業仕分け」は、一種のショーであることは間違いない。一つの項目に1時間程度しかかけないで、政治家と民間からの素人の「仕分け人」がばっさりと切って行くのだ。いくら無駄の満載な事業であるとしても、1時間の検討で結論が出るようには思えない。これは、結果が先にありきの政治ショーなのだ。ネットに同時配信も行い、上手くいったと政権与党担当者、それに実質的に取り仕切った財務省担当者はほくそ笑んでいるのだろうか。

今回行われた「事業仕分け」には、幾つも疑問があるが、まずは財務大臣も認めている通り、財務省主導で行われた作業で、「事業仕分け」に載せるかどうか財務省主計局が決めた時点で、仕分けは実質既に終わっているのだ。中身は、官僚主導であり、外部の「有識者」からなる諮問会議の類に、官僚の決めた方針を形式的に是認させるこれまでのやり方と寸部違わない。

また、いくら政治ショーだからといっても、「事業仕分け」を行う仕分け人とやらをどのように選定したのか、基準が明確ではない。証券会社の人間に、医療を語ってもらいたくない。彼等こそが、財政諮問会議や、規制改革会議を通して、医療を破壊してきたのではないのか。ましてや、不正行為を行って処分を受けたばかりのBNPパリバ証券から「仕分け人」が出ているなど常識的な理解を超える。この仕分け作業が最終決定ではないとしても、後々の政治決断に拘束力を及ぼすとされている。いわば、これからの国家の形を、このような人物達にいい加減に決めさせて良いのだろうか

国家予算の決定を、政権与党は、財務省に丸投げし、財務省は形式上「事業仕分け人」に委ねる。その「事業仕分け人」とやらの法的存在根拠・責任は全く明確ではない。自公政権も無責任体制だったが、それに劣らずの無責任体制だ。仙谷行政刷新担当大臣は、この「事業仕分け」を政治の文化大革命に擬えたらしいが、ブラックジョークもここに極まれりだ。

民主党のマニフェストに、

脱官僚

崩壊した医療の再生・・・医療費をOECD平均以上に上げる

とあったが、いつの間にか、雲散霧消している。

それに加えて、政治のショー化である。

この先どうなってゆくのだろうか。混乱は必至だ。その先に深刻な政治的アパシーが訪れるのだろう。

事業仕分けという、政治・行政の劇場公演 

つい先日、マスコミを通して、開業医と勤務医の「所得格差」・・・即ち、開業医は勤務医の1.7倍の収入があるという情報・・・が流された。その後、その所得格差を平準化するという方向性が、例の「事業仕分け」で示された。どこかで既に聞いたことのある台詞。

この流れは、経済財政諮問会議を通して、医療費を削減しようとする時に用いられた手法と同じだ。

この「事業仕分け」を取り仕切っていたのは、財務省であることが強く疑われた。JCASTニュース等で、財務省が民主党に入れ知恵して仕立てた「事業仕分け」であったことを報じている。

勤務医と開業医が同列に並べられないことは、ここでも繰り返し記してきた。開業医の多くは勤務医も長年経験し、その上で、自分の事業を立ち上げた経営者だ。大きな初期投資が必要であり、設備の更新補修も常に必要となる。退職金も自分で得なければならない。そうした点で、勤務医と大きく異なる・・・といったことは、財務省の官僚は先刻承知のはずだ。

で、何故財務省官僚が、開業医を潰そうとするのか、ということが疑問として浮かぶ。待遇面や、医療訴訟で極めて厳しい状況にある勤務医を救うという名目で、医療費を更に削減し、開業医を窮乏化させることを目指しているのだろう。それが実現すれば、医療費削減とともに、これまで多くの勤務医のキャリアーパスであった開業が難しくなる。それによって、勤務医がどのような労働環境だろうが残らざるを得なくなる。医師の強制配置や、官僚支配化の医療体制の維持が可能になるのだ。今回の事業仕分けで、勤務医のことを考えていないことが、医療の項目の最後に図らずも堂々と記されている。曰く、医師の人件費削減は、医師の増員を行ってから行う、と書かれている。

話はそれだけではない。徹底して医療費を削減すれば、丁度歯科医療と同様に、医療側から進んで「混合診療」解禁を望むようになることを、官僚と保険資本が見越している。すると、医師の人事面での官僚支配と同時に、経済面での支配が、保険資本によって行われるようになる。保険資本は、言わずと知れた、官僚、特に財務官僚の天下り先である。

事業仕分けという作業を行う人物がどのようにして選ばれたのか、誰も知らない。結局、官僚の意向をそのまま主張するような人物が選ばれたのだろう。どの事業仕分けにも、必ず証券会社関係者が入っていたことが、この事業仕分けの特質を表している。証券会社は、保険資本を含む金融資本と密接な関係にある。昨年だったか、不正取引で営業停止処分になった、某保険会社(はっきり言おう、BNPパリバ証券である)の関係者が、事業仕分け作業で、開業医のことを、「利権に胡坐をかいている」と口汚く罵っていたのを目にした。こんな連中に罵られるようなことを、我々開業医はしたのだろうか。

民主党等政権与党は、大きく膨らんだ国家予算を少しでも削りたいという一心で、事業仕分けをする能力があるでもなく、財務省に丸投げし、公共の監視下という劇場舞台を作り上げ、そこでスケープゴートを仕立て上げ、予算の削減に努めた、というのが、今回の事業仕分けの本質だったのだろう。

こんな国家運営では、まともに機能しないのではないだろうか。でっち上げ、根拠の無いデータを基に、強引に官僚の筋書きを通そうとする。

少なくとも、このような官僚が支配する国で、医療を行う意欲・意気は失せた。

今夜、嘔吐の止まらぬお子さんを診るために、仕事場に出てきた。点滴をようやく差し、自室でPCに向かって、こんな台詞を打ち込んでいる自分・・・。やはり、仕事の規模をどんどん縮小しよう。我々の努力は、利権に胡坐をかいた醜い開業医の所業としてしか受け止められないのだから。

朝の14メガ 

10月中旬から、14メガで良いCONDXが続いている。米国のあるハムにネット上で、perennial presence on 40m等と評されてたのを知り、少し7メガに出るのを控えようかという気分になっていた。それで、静かな14メガに毎朝のように出るようになった。こちらが出勤前の時間帯は、米国では、午後遅く夕食前にのんびりする時間帯、または車で帰宅をいそぐ時間帯にあたり、自宅、それに時には車のなかから、数多くのハムに呼ばれる。

今朝、Rich N4EXから呼ばれた。ノースカロライナに住む彼とは、20数年ぶりの交信だ。信号が強くはないが、とても静かなバックグラウンドのおかげで、ソリッドコピーできる。彼は、K2に5ワットの出力。アンテナがさすがに3エレとのことだったが、しっかりお喋りが出来る。彼は、年齢・無線暦ともに私と全く同じ。QRP運用で、地球温暖化の阻止に寄与しているではないか(私は、駄目だけれど・・・)と申し上げたら、「いや、大きいJEEPに乗っているから、相殺されてしまう」と言って、笑っていた。
 
お孫さんが自閉症であることが分かり、お孫さんとその両親に会いに、フロリダまで出かけたという85歳になるBurt W7IIT。相変わらず闊達なキーイングを聞かせてくれる、同じく85歳のRoss W7YCW。その他、とても沢山の旧い知り合い、それに新しくお目にかかる方々。Burtは、海軍で仕事を続けてきた方だが、学位は心理学で1955年に取った由。当時は、自閉症という概念はなかったのだが・・・と気を落されている様子だった。仕事に出かけるまでの時間、彼等とのんびり交信することが出来たのは、この好CONDXのおかげだ。WW CWコンテストを一つのピークにして冬至の辺りまでは、このCONDXが続くことだろう。

政治的議論と中傷が、趣味の世界に入り込むと・・・ 

FOCは、第二次世界大戦前に英国で設立された、CWを愛するアマチュア無線家の団体だ。既に記した通り、私も会員になって20年以上経った。別に会員だから特に親しくなるというわけではないが、全世界的に、CWにアクティブなハムの多くがFOCのメンバーでもあるので、FOCメンバーとは親しくさせて頂いている。

最近、米国の友人のFOCメンバーA氏から、メールを受け取った。それによると、米国外のあるメンバーX氏が、米国とイスラエルのことを政治的に批判する言動を長い間FOCのMLで続けてきた、それに対し、英国のFOC本部に諌めるように進言してきたが、本部委員会は何もアクションを取らないとして、そのX氏とFOC本部を批判する内容だった。そのメールに添付された、X氏の発言は、議論と言うよりも、米国とイスラエルを揶揄し嘲笑する類のものだ。この件に関連し、FOCを脱退させられたメンバーが二人出ていることも、A氏を激高させた理由の様子だった。温厚そうなA氏をこれほどの行動に駆り出した背後には、よほどのことがあったのだろう。

MLに参加していないし、状況をよく把握しているとは言いがたいが、アマチュア無線に政治的な議論(というか、中傷のような発言)が入り込んでいる現状について、私なりの感想を記すと・・・
X氏の適切でない発言が、米国人・イスラエル人のハムを傷つけるものであることは、十分理解できる。FOC本部も、解決に向けて、どれだけのアクションを起こしたのか、理解し辛いところもある。さらに、この騒ぎの源である、X氏の言動は、内容は別としても、批判されてしかるべきものだ。個人的にも存じ上げているA氏を心情的に理解できる。

しかし、このX氏のような扇動者は、どの世界にもいる。そして、アマチュア無線の世界では、自由な議論を保障されているが、相手の存在自体を否定する(会員資格を剥奪する)ことは行き過ぎ
ではないかと思う。この件で会員資格を継続できなかったメンバーの復帰を要望し、A氏が要望しているX氏の会員資格剥奪は思いとどまるように申し上げたいと思っている。

趣味の世界では、政治的に熱くなることは避けたい。少なくとも、議論で熱くなっても、相手を否定し去るような行動に出るのは好ましくない。趣味の世界で、相互理解できなければ、国際政治の世界での相互理解など到底無理だということになる。また、ネットでの議論の危うさも感じる。ネットは便利なトゥールなのだが、利用してゆく上で、扇動的な発言をやり過ごす知恵が必要だ。

私は、FOCのMLには入らずに、専らお空の上でだけ議論するようにしようと思ったことだった。それにしても、このような騒動は、20年間一度も経験したことがなかったのだが・・・。

公平な年金制度を 

昨日、家人に社会保険事務所に出かけてもらい、年金の手続きをしてもらった。まだ、私学共済の分が判明していないのだが、年金額は・・・あっと驚く少なさだった。さすがに、国民年金よりはマシだが、この額では、豊かな老後などとんでもない、という額だ。大学を出て、しばらくの期間は、極めて安い基本給で仕事を続けてきたし、年金財政が火の車なので、仕方ない・・・と諦めてはいけない・・・。

まず、年金の一本化を是非進めてもらいたい。それによって、私のような厚生年金受給者の手取りはさらに減るかもしれないが、問題は、公務員の共済年金がとてつもなく優遇されていることだ。公務員の給与水準が、過去それほど高くない時期があったが、現在は、大企業と同等の給与水準になっている。その上、年金が優遇されるのは、社会的公平の観点から問題だ。また、徐々に廃止されることになっているが、議員年金などは、10年間の加入で年額400万円支給されるらしい(年金掛け金の7割は税金から支出される)。これも、国民の受ける年金に比べると、大きな優遇だ。こうした不公平が、まかり通っている現状では、それだけで年金への信頼を損なう。

日航の再生に伴って、比較的高額と言われる既退職者の年金が減額されようとしている。適正な額への減額は仕方の無いことなのかもしれない。が、年金受給者の減額強制は一種の契約違反になる。このような手続きを行うならば、是非同時に行ってもらいたいことがある。それは、日航の過去の経営陣の責任、それに、赤字になることが予測された地方航空路線の開設を、日航に強制してきた官僚・政治家の責任の追及だ。当然、そうした面々の年金も、日航退職職員の年金が減額されるのと同様に減額されるべきだろう。

公平な年金制度にしなければ、年金は持続・成立しない。

浪人すると、インフルエンザが重症化し難くなる? 

鳥取県では、浪人生も含めて受験生にも新型インフルエンザワクチンを優先的に接種することにした。それに対して、国が「浪人生はインフルエンザに罹っても重症化しにくい」ので、浪人生への優先接種を止めるように県に指導したらしい。

この情報は、厚生労働省担当者の発言を、県の担当者を通じて、読売新聞記者が聞き記事にしたものなので、どこかで内容が捻じ曲げられている可能性もある。が、県知事までが、浪人生枠を認めるように国に働きかけると言っているらしいから、おおよそ間違いのない記事なのだろう。(常識的に考えておかしな内容だから、読売記者は記事にする前に、裏を取るべきなのではないだろうか。)

受験生枠を作るかどうかの議論は置いておいて、「その枠から浪人生を締め出せ、何となれば、浪人生は、インフルエンザで重症化しにくいから」という厚生労働省担当者の発言には、お茶を噴出してしまった。この担当者氏は真面目に考えているのだろうか。浪人生諸君、君達のことを軽くみている、この官僚に是非抗議しようではないか!!

これは、数多い、厚生労働省のダッチロール行政の、ほんの一つの事例に過ぎない・・・が、この調子で行政をすすめられる医療現場はたまらない・・・。

以下、読売新聞より引用~~~

(鳥取)国「浪人生は対象外」
09/11/09
記事:読売新聞
提供:読売新聞


新型インフル ワクチン優先接種

 新型インフルエンザのワクチン接種を巡り、県が独自に、浪人生を含む大学受験生に優先的に接種を認める〈受験生枠〉を設ける方針を示していることについて、厚生労働省が県に対し「浪人生は優先接種の対象外」として中止を求めていたことが県への取材でわかた。平井知事は5日の定例記者会見で、「国の考え方は硬直している。枠取りは可能だ」と批判、改めて受験生枠設置を目指すことを強調した。

 県によると、同省の担当者が先月下旬、「ワクチン供給量が十分でない中、重症化する可能性が低い浪人生への優先接種は容認できない」と電話で指摘したという。

 これに対し、平井知事は、「浪人して頑張っている人の数は限られているので、枠を捻出できるはず。受験シーズンまで時間的余裕があるので、粘り強く、国に柔軟な制度運用をするよう働きかける」と話した。

インフルエンザと室内楽と 

小児科のMLによると、インフルエンザの患者数が大分増えているようだ。海外からは、ウクライナで、出血傾向を伴うインフルエンザ患者があり、WHOも調査に乗り出している様子。楽観は、全くできない。ただ、何歳のお子さんが新型インフルエンザで亡くなったというマスコミ報道だけは止めてもらいたい。あれは、不安を煽るだけ。欲しいのは正確な情報だ。

今日も、朝起きて、携帯のスイッチを入れると、患者さんの親御さんからのコールが幾つか入っていた。やはり大半が、インフルエンザ関連。今までのところ、重症患者はいないが、気管支喘息患者では発作が起きる。午前中に、数名を診療。

午後からは、Tさん宅で室内楽の練習。例のブラームスのピアノトリオ2番、1・2楽章。何時も同じところで、私が引っかかる。プロとしては当然のことかもしれないが、Tさんの演奏が、崩れないことに改めて感心させられた。ピアニストのNさんも、しっかりテンポを上げて弾かれるようになっていた。お二人共に、基礎をしっかり積んでいるかどうかの違いだ。2楽章のバリエーション、弾けるだけでも、幸せなこと。短時間の休みを入れて、3時間ぶっ続けに弾くのはさすがに疲れる。昔は、こんなことはなかったのだが・・・。

さて、季節性インフルエンザの予防接種も底が尽きはじめた。新型の方は、なかなか回ってこない。10mlのバイアル等送ってきたら、即刻返還だ・・・小児科では使い切れない。インフルエンザの流行が、ダウンヒルになってくれることを祈りながら、新しい週を迎える。

医師を分断統治する? 

先日、中医協から開業医と勤務医の年収比較がマスコミを通して公表された。曰く、開業医は、勤務医の1.7倍の年収だ、とのこと。過去にも何度も聞かされた数値だ。

この類の比較が成立しないことは既に何度か述べた。開業医は、投資を行い、リスクを負って事業を行なう経営者なのだ。一方、勤務医は、雇用される立場で、開業医と同様のリスクを負うことはない。開業医は、勤務医を経験し、その経験を元に自らの信じる医業を行なう。経験・年齢共に勤務医とは異なる。どうして、直接比較し得ない、医師の立場を、並列に置いて、その収入を比較しようとするのか。それは、開業医と勤務医を分断し、勤務医の労働条件を改善するためとして、開業医の収入を減らそうというためだ。

開業医の収入を減らすというのであれば、何故率直にそのように言わないのだろうか。この根本的に成立しない比較を持ち出すのは、自公政権時代から続いている論法だ。恐らく、官僚の考え出したものなのだろう。民主党を主体とする政権になれば、こうした偽りの論法は姿を消すはずだと期待していたが、今までのところ、官僚の言い分にそのまま乗っているところが余りに多い。

小泉構造改革以来の国庫からの医療支出削減と、診療報酬削減によって、病院のみならず、診療所も経営的にかなり厳しい状況になっている。ここで、病院を助けるためとして、診療所の収入を減らそうとすると、診療所は経営し難くなるところが多く出てくる。診療所の担っている地域医療は、さらに窮乏化し、その負担は病院にかかることになるのではないだろうか。

恐らく、官僚達は、そうしたことになるのは先刻承知の上なのだろう。医療に国民がアクセスすることがし辛くなることこそが、彼らの目的のように思われる。本音を語らず、偽りの論法で医師を分断統治しようとする官僚達は駆逐されるべき存在だ。

済生会宇都宮病院中澤堅次先生が、上記の分断策が好ましくないこと、さらに医師のなかで自律した医療を確立すべきことを、MRIC上で述べておられる。


以下、MRICより引用~~~


▽ 中医協から日医が外れた ▽

               医療制度研究会・済生会宇都宮病院
               中澤 堅次

         2009年11月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
                 http://medg.jp



 中医協に長年委員を送っていた日医推薦の枠が取り払われた。メディアなどで
歓迎の論評を目にするが、医療者として複雑な感慨を持つ。民主党政府の方針は、
簡単に言えば病院に点数配分を上げて、診療所の配分を少なくする方針とも受け
取れる。民主党は医療全体にはまだ余裕があると考えているのかもしれない。

 日医の今までの方針は、自らの団体の利益のために、政権与党を応援するとい
う考えで、自民党の大敗で団体の大儀を失った。執行部をすげ替えて民主党支持
に変われば良いと言うほど大儀は甘くない。日医は利益団体という大儀を見直す
良い機会であると考えるべきである。

 日医が代表権を失い、大学や病院経営者の代表だけの意見を参考に医療政策が
決まってゆくことにも問題がある。政府という上からの目線で医療団体を見ると、
利害が相反する病院と診療所に分断されて見えるが、病者に医療を提供するとい
う本来の考え方に立つと、医療は病院だけがやっているわけではないことが分る。
インフルエンザの対応にはマンパワーが必要だが、大学だけでできるほど病気と
の闘いは甘くない。分断されているとはいえ、片方をつぶすことは機能の一つを
失うことであり、医療者がダメージを受けると同時に病者にもダメージが及ぶこ
とになる。

 病院の疲弊は十分原因が検証されたわけではないが、少なくとも医師会の略奪
により生じたものではない。自民党政権下で展開された低医療費政策が病院の部
分を抑制して展開したからで、本質は医療費削減政策の結果というべきである。
医療費が低いことで起きた問題であれば、医療費を上げなければならないがその
財源はない。片方を削って得た財源でもう一方の資金を賄う手法は、上から見れ
ば帳尻が合ったとしても、医療を受ける側から見れば新たな機能不全がおきるリ
スクを考えなければならない。異なったグループ間で均等化を図っただけでは問
題は解決しないということである。

 問題は高齢者の医療に必要な財源をどのように調達するかに集約される。消費
税しかないと私も思うが、いずれにしても国民が負担する以外に選択肢は無い。

自分達の利益を守ることが医師団の大儀である限り、その費用を負担する国民の
理解は得られない。生活保護者に必要の無い手術を行うなど、医の倫理に反して
まで自分の利益を追求する行為が実際にあったのであれば、自ら真相を明らかに
せずに看過するような医師会では、国民が医療費の負担をする社会では生き残れ
ない。人的な余裕はないが医師団も自らを律する仕組みが無ければ同じ運命をた
どる。

 中医協の出来事は日医から見れば面子をつぶされたことになるが、それは今後
存在し得ない旧式の大儀を見直す良いチャンスだと思う。大儀は何か、病を得た
国民と、負担する立場にある国民に応えるために、病者の立場に立って無理なく
無駄なく、医療を提供すること
が、医の大儀ではないか。高齢や出生に伴う人生
の危機を、国民全体の悲しみと考え、国民全てがその悲しみを分かち合う北欧の
ような国家になったとき、自分達の利益だけを価値観とし、病者を食い物にする
ような医師は生きられない。新しい変化に遅れないように、なによりもまず医師
自身が、そして医師団が変ることが必要なのだという結論になる。


Kemp K7UQH 

Kemp K7UQHから、エアーメールが届いた。少し大きな封筒で、やわらかなものが中にある。開けると、Supershyneという機械磨き用の布。あぁ、やはり送ってきてくれたのか・・・。

先日、彼と7メガで交信した際に、バグキーが話題に上った。私のVibroplexの機種名は何かと彼から問われたが、思い出せず。ノブの形状、ベースの厚さ等々を教えると、「それは、Originalというモデルだよ。」と教えてくれた。彼が1960年代から用いているバグキーは、Championというモデルで、一番安いものだそうだ。Vibroplexのバグキーについては、各モデルの特徴から価格まですべて覚えておられる様子。

彼は、開局時からずっと同じバグキーを用いているようで、バグキーの話題になると(否、CWの話題であれば、何でもそうなのだが)、話しは延々と続く。私が、時折短点の接触不良が起きる(起きた)と言うと、spring armを外して、接点をよく清掃する必要がある、とのことだった。

実は、私は、短点接点の固定された側を僅かに回転させ、接点同士が線接触にすることによって、かなり安定した動作をすることを確認し、そのセッティングで使用し続けている。面接触を試みると、単位面積当たりの力が小さくなり、接点上の僅かな酸化皮膜の抵抗が効いてきてしまうのではないか、一方、線接触にすると、単位面積当たりの力が大きくなり、酸化皮膜をキーイングごとに破るのではないかと想像している・・・のだが・・・。

いずれにせよ、彼は接点の清掃は必須だという考えの持ち主であった。そして、その清掃に具合の良い布があるという。linen bond paperといったか・・・。その時に、その布を大量にストックしているので、送ろうかと、彼から問われた・・・いや、大丈夫だ、と一応お断りしたのだが、そのストックの一枚を、私に送ってきてくれたのだ。

別なところで記した通り、彼との交流は、1960年代に遡る。Ed WA6UNFとTrevor VK2NSとの7メガでの定時交信に纏わり付いていた仲間のお一人がKempだった。1960年代から交信を続けてきた友人は、他にも何人かいるが、当時の交信の様子を鮮明に覚えている相手は、Kempだけになってしまった。彼は、その後プロの通信士になり、太平洋を航行中に、現在の奥様Junkoさんと無線で知り合い、結婚されたのだった。しばらくのQRTの時期を経て、私が無線にカムバックした1980年以降、Kempとは、時折交信させて頂いて来た。サイレントキーになる共通の友人を、一人また一人と見送ってきた。とてもold fashionedな交信スタイルを捨てず、交信の最後には、CW FOREVERと打つ彼は、得がたい友人だ。丘に上がったKempは、現在はセミプロのトロンボーン奏者としてビッグバンドで演奏している。

接点清掃用の布、使うことになるかどうか分からないが、こころからの御礼の手紙を差し上げようと思っている。

小貝が浜緑地 

昨日、茨城の小貝が浜緑地を訪れた。国道6号線沿線のこの辺りは、まだ研修医をしていた頃、幼い長男を車に乗せて、家内とともに良くドライブした場所。まだ常磐高速が出来ていなかったのだろうか・・・下の道をせっせと走った。目的地はなし。何しろ狭く汚いレジデントハウスという名のタコ部屋(笑)から一時でも逃れたいということだったような気がする。ある程度のところまで走って、帰りの時間を見計らって、戻るという無計画なドライブだった。その後も、子どもを連れて、また老母を乗せて、何度か茨城北部を訪れたことがある。

カメラ片手に撮影するためという目的は一応あるが、このように一人でドライブするようになることに感慨を覚えた。時は確実に経って行く。

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薄い雲が空全体を覆っていた。その雲を突き抜けて、柔らかい太陽光が断崖の海岸と海を浮かび上がらせている。

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海岸線という風景は、静的なものになりやすい。被写体としては面白みにかける・・・海岸線を歩くのはすきなのだが・・・。

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嬉しいことに、日曜日の午後だというのに、観光客に殆どお目にかからない。繰り返す潮騒の音が聞こえる散歩道を、静かに歩くことができる。

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この公園で唯一お目にかかった人物。断崖の上から釣り糸を垂れていた。

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こうした公園をきれいに整備しているのは、日立市かと思ったが、ボランティア団体が、この公園の整備を行っているらしい。日立市も財政的な援助はしているのだろうが、この公園を自分達の手で整備・保持している地元の方々の努力に敬服させられる。下草はきれいにかられて、余分な木々も伐採されていた。観光客相手の商売などもなし。ゴミも見当たらない。静かな素晴らしい公園だ。

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