医療の市場化のもたらすもの 

「人口減少社会の設計」というタイトルの本がある。松谷明彦・藤正巌著、中公新書。2002年、小泉政権が動き出した年に書かれた著作だ。松谷氏は、大蔵省主計局長の歴任者であり、この書籍に書かれた内容が、現財務省の考えに引き継がれていることは想像するに難くない。

この本の中ほどに、高齢化・人口減少社会における医療の問題について記されている。医療費の増加分は、高齢化等自然増と、医療技術の進歩による増加分に大きく分けられる。診療報酬を削って、医療技術の進歩分の増加を抑える、GDPの伸び(ないし縮小)に相当する範囲に収める必要がある。さらに、混合診療を導入し、医療を市場化することによって、「市場の見えざる手」が医療の生産性を向上させ、医療費の削減の動向が生じる、と記されている。(医療の生産性とは、「入院期間の短縮」か・・・様々な付随する事象を切り捨てて、こうした単一指標で物事を判断する単純さには呆れる・・・。)

医療費の削減と、混合診療の導入は、官僚にとって、必然であり、信奉すべきドグマなのだ。民主党連立政権に代っても、その方向性は変えられていない。規制改革会議は、混合診療の導入を最優先事項に挙げている。

下記の、MRICでの多田 智裕氏の文章は、混合診療導入時の一断面を的確に示している。混合診療が導入されると、医療機関の競争が、本来社会的な弱者である患者を犠牲にする形で進行するであろうことが予測される。さらに、国民は、病気に備えて、今よりも大きな医療保険商品を買わざるをえなくなる。民間保険資本は、利潤を上げるために、本来セーフティネットであるべき医療保険を利益追求の道具にする。さらに、同資本は、保険給付を絞るために、医療現場に強い拘束力を及ぼすことになる。それも結局は、患者の大きな不利益になる。

松谷氏らがこの本を記した時から、また大きく時代は変わった。米国流の市場原理主義が立ち行かなくなることを我々は目の当たりにした。米国では、医療の脱市場化を進めつつある。なのに、日本では、まだ医療を市場化しようという思想に、官僚が囚われ、政治家は彼等の言うがままだ。

混合診療の導入によって、医療に全くかかれない人々と、最先端の医療にかかれる人々が峻別されるようになる。医療は疲弊の極にあるから、今のままの医療体制では立ち行かなくなっているのは明らかだが、市場原理の無法図な導入は、医療の退廃を招く。すでに混合診療導入に動き出してしまっているように思えるが、医療現場を知る人間として、このことを警告しておきたい。

また官僚は、混合診療導入・公的医療の窮乏化による、国民の痛みを、医療現場の責任にしようと画策しているように見える。それは、医療現場の士気を落とし、さらに専門家集団である医師の倫理観を突き崩すことになる。士気はそう簡単には戻らない。また専門家が倫理観を無くすと、極めて深刻な事態が深層で進行することになる。そうした医療内部の精神的な荒廃がもたらすものは、結局患者・国民に降りかかることになる。それも改めて警告しておきたい。


以下、MRICより引用~~~

vol 117 解禁してはいけない「混合診療」
武蔵浦和メディカルセンター
ただともひろ胃腸科肛門科
多田 智裕
このコラムはThe hottest OPINION site in Japan JBpress http://jbpress.ismedia.jp/ よりの
転載です。
2010年3月31日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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 3月15日の日本経済新聞に「質が高くて効率的な医療・介護をぜひ」と題した社説が掲載されていました。医療の提供体制、高齢者の医療と介護、保険財政の改革などを提言するものでした。
 その中で、「高い医療技術を生かして医療・介護産業を育てる」という視点から、「保険診療と保
険外診療の組み合わせ(混合診療)の原則解禁が欠かせない」と述べられていました。
 内閣府の規制改革会議でも、最重要課題のトップに「保険外併用療養(いわゆる「混合診療」)の在り方の見直し」が挙げられています。

【混合診療を解禁するといいことづくめ?】
 現在の日本の保険診療では、保険診療と保険外診療(自由診療)を併用すること、つまり混合診療は原則として禁止されています。保険で認められていない保険外診療が診療内容に加わった場合には保険が適用されず、全額が患者の自己負担となります。
 例えば、「海外では普通に使用されているけれど、日本でまだ未承認の薬で治療してほしい」という場合には、1カ月分3万円の薬代金を追加で自己負担すればよいというわけではなく、保険適用診療分も全額自費での治療になります。
 この場合、混合診療が認められていれば、診察検査代金7万円の自己負担(3割)分2万1000円+薬代3万円=5万1000円で済みます。
 ところが、混合診療が認められていない現状では、保険適用診療分も全額自己負担となりますので、診察検査代金7万円+薬代3万円=10万円になってしまうのです。
 このように、混合診療を認めれば、保険外治療を望む患者の自己負担額は大幅に減ります。また、保険外治療分は国庫負担が生じないため、医療費の削減効果も見込まれます。
 こう考えると、利用者の多彩なニーズに応えることができて、なおかつ健康保険料からまかなう医療費負担も減るのであれば、「さっさと解禁して、余裕のある人は医療費を多く支払って望む治療を受けられるようにすれば良いじゃないか」と思うことでしょう。
 でも、混合診療解禁問題は、そんなうまい話では決してないのです。

【自由診療サービスが病院の収入源に】
 もしも混合診療が解禁されると、病院でどのようなことが起きるでしょうか。
 「症状はないけれど腫瘍マーカーをチェックしてください」とか、「胃や大腸の内視鏡検査は静脈麻酔を使用して、痛みなくやってください」などといった患者の要望は、現状の保険診療ではカバーされていません。
 もしも混合診療が解禁されると、患者は追加料金を支払うことでこれらの要望を受け入れてもらえるようになります。
 一方、病院の側にしてみると、現状ではほとんどの病院が低い医療保険点数のため赤字に苦しんでいますので、保険診療以外に数万円の追加収入が得られる自由診療サービスはどんどん提供したいところです。
 混合診療が解禁されれば、多くの医療機関が上記のみならず患者の細かなニーズに応えた様々なサービスを打ち出して、収入アップを図ることでしょう。
 実際に、差額ベッド(追加料金が発生する個室などのこと)の比率制限が全病床の2割から5割に引き上げられた時には、大部分の病院が上限の5割まで差額ベットを増やして対応しました。病院にとって1日3万円の差額ベット代金は、売り上げの1割以上を占める貴重な収入源なのです。

【公的保険診療しか行わない病院は「完敗」する】
 ここまでの説明だと、「今まで国民皆保険だからという理由で十分なサービスを行なってこなかった医療機関が、必死にプラスアルファのサービスを行なうようになるのだから、良いことではないか」と思われるかもしれません。
 しかし、話はそれでは終わりません。
 数万円の追加収入が得られるサービスを次々と提供した病院は、その利益を再投資して最先端の医療機器をどんどん導入します。スタッフにも高待遇が提示できるため、優秀なスタッフが集まってきます。
 一方、追加自己負担金をなるべく生じさせないで、現在の医療費の枠内で頑張っている病院は、待遇を改善できずにスタッフを引き抜かれ、赤字のため医療機器も最新のものが揃えられず、設備がどんどん老朽化します。
 「混合診療を導入しても、保険診療部分が維持される」と考えるのは幻想です。公的保険でカバーされる部分だけで治療を行なう病院は、混合診療を取り入れた病院に、数年のうちに完敗するでしょう。
 気がついた時には、健康保険適用外の自己負担金を支払わないと満足な医療が受けられないような状況になっているのです。

【医療における消費格差を生み出す】
 現在でも、「1日当たり3万円の差額ベッド代金がかかる部屋ならばすぐに入院できますが、差額なしの病室は現在空きがありません。入院は1カ月先まで待っていただくことになります」という事態が頻発しています。
 「追加分を自己負担すれば多様な医療サービスを受けられる」という状態を制度的に認めると、お金を支払うことができるお金持ちは良い治療を受けられることになります。
 一方で、お金のない人は必要な医療を受けられない、良い薬が手に入れられないという状態を作り出すことになるのです。
 誰でも病気になった時に、必要な医療を少ない負担で受けられる状態を維持するためには、医療単価をアップするしかありません。それがこれほどまでにスムーズに進まないのは、私には信じ難いことです。
 日本の総医療費は約30兆円で、パチンコ産業の売り上げとほぼ同じくらいだとよく言われます。ただし、そのうち国庫負担分は12兆円にしか過ぎないのです。
 混合診療は、「みんなに広く平等に」という現在の医療の方向性に、真っ向から相反するものです。支払い能力によって受けられる医療に格差がつく社会にして、本当にいいのでしょうか?

JARL総会委任状・理事選挙についてお願い 

JARL総会への委任状・JARL役員選挙について、「JARL改革を勝手に応援する会」から、以下の通り依頼があった。現在の硬直化し、私物化されたJARLは、このままでは潰れることになる。志を同じくされる方は、理事としてJH1XUP・JA1ELY両氏への投票をして頂きたい(他の候補者には入れない)、また総会への委任状を、草野氏を被委任者として草野氏宛てに送付して頂きたい。

以下、引用~~~

仮称「JARL改革を勝手に応援する会」キャンペーンへのご賛同とご参加のお願い

各位、
この度の、JARL改革を目的とするJA1ELY草野氏 およびJH1XUP前田氏、両氏のJARL全国理事立候補を応援するために、ぜひ皆様のお力をお貸しください。
 
有志たちで仮称「JARL改革を勝手に応援する会」を立ち上げ、下記のような文章を作りましたので、ぜひ皆様の所属されるクラブやご友人たちにメール転送や電話などによるご協力をお願いして頂きたいのです。無断で、とお叱りを受けるかも知れませんが、現在までにご賛同頂いた方々のコールサインを文末に列記させて頂きました。 もしご都合が悪ければ削除しますから至急ご連絡をお願いします。(ここでは省かせていただきました:ブログ主)

理事選挙への草野氏のHPもぜひご覧ください。
http://www.fivenine.com/ja1ely/

(志を同じくして、各地区の評議員に九州地区はJA6WFM中村氏、中国地区はJA4DND松浦氏、東海地区はJA2GXU土屋氏の三氏が立候補されております)

                        仮称:JARL改革を勝手に応援する会  発起人代表

--------------  記  ---------------

JARL理事選挙についてお願い

1、ご存知の様に5月30日に第52回JARL尾張名古屋総会がありますが、それに向けての理事の選挙が
あります。 投票用紙と総会委任状は3月末に会員宛発送されるそうです。 

投票締め切りは4月16日JARL事務局到着、開票は4/17~18日、従来どうりマーク方式です。

2、今回59誌の編集長でもありDXerでもあるJA1ELY草野氏、および同じ心ざしのJH1XUP前田氏が全国理事に立候補されました。 

目的はJARLの大改革とチエンジ、現体制の引退、世代交代です。 

我々はその趣旨に賛同し、微力ながらも出来る限りの応援をしています(何十年も同じ人がやった結果、JARLは今や老骸以外の何モノでもありません)。

3、JARL大改革に賛同されるメンバー諸兄がおられましたら、是非投票用紙のJA1ELYとJH1XUP局だけにマークを付けてください。  定員一杯までマークする必要はありません! 

古い人(候補者・・・JARLをガタガタにした人々)には絶対マークしないでほしいのです・・・落選させなければなりません。(これを知らない方が結構多くて、中には上から順番に定員までマークするといった無知な方もおられる様です。この人を、と思う人を2名でも3名でも良いのです)

棄権だけは絶対にお止めください。 JARLは崩壊してしまいます。

4、委任状は特に委任者がいない場合は、お手数ですがコールサインとお名前をご記入の上(捺印は無くても可)
直接 JA1ELY草野さん宛に郵送して頂きたいのです。


  (QTH 〒144-8691 日本郵便蒲田支店私書箱59号 草野利一 あて)
 

5、間違っても委任状を白紙のままJARL事務局に送ることは、絶対にやめてください
全部会長に渡ってしまいます。 最悪です。また、白紙のままごみ箱へ放り込まないでください。JARLが崩壊してしまいます。

6、又巷のうわさでは、委任者のコールサインを書いてJARL事務局に送ったものが必ず本人に渡っているか?
大いに疑問がある
との事です。(元々何人の方が委任されたか、分母がわからない為・・・ これも現選挙制度の欠陥??)

7、現選挙制度も疑問だらけの仕組みで、大改革、チェンジが必要です。JARL改革の趣旨ご理解の上、投票行動をお願いします。 棄権だけは絶対にされません様に   ・・・JARLが崩壊します。

8、是非皆様のお知り合いのハムの方々にも、このJARL改革の必要性をしつこくPRしてください。


以上
 

QRT for a while 

Hi friends from overseas,

I would like to inform you that I won't be on 7 and 14 MHz
for a while. The trap coils of the antenna seem to have
been damaged by rain fall and won't function any longer.
I should ask an antenna constructor to repair it.
They did not answer to my request yet. I don't know when
they will do that for me yet.

I will spend more time with reading, playing cello or
listening to music. I was in a kind of obsession to operate
radio everyday. Without that feeling of obsession, I feel
time flows more gently and slowly for me. Ham radio is,
however, still essential to my life. I will be back on the
air in some time.

I don't believe there are so many friends of mine reading
this blog. But I just wanted to let you know what is going
on here. If you have any thing in urgency, give me a note
through the e mail. I will quickly respond to you by the
same way.

JA1NUT

足立信也議員の街頭演説 

厚生労働省政務官の足立信也議員が、自分のサイトで、活動記録を記している。この夏改選を迎える彼は、選挙地である大分で街頭演説に余念が無い様子だ。

街頭演説の内容はこのようなものだったらしい。

『民主党のマニフェストに示した行程表について、暫定税率の廃止(名目を変えて存続となった)以外は、「子ども手当」「公立高校の実質無償化(私立高校にも相当額助成)」「農業の戸別所得補償」等、政策を確実に実行していることに理解を求めた。』

医療に関してはどうなのだろうか。医療費をOECD平均並みに引き上げるとマニフェストで言っていたのではなかったか。医師数だけは、むりやり現在の1.5倍になるように引き上げる積りのようだ。だが、低医療費政策でとことん切り詰められた医療費は、殆ど変えていない。これは明らかなマニフェスト違反である。

民主党の医療政策に、開業医を救急医療に参画させるとあったが、24時間365日開業医を救急医療に拘束するなどと言うことは記されていない。だが、足立議員は、再診料引き下げを補填するという名目で(再診料という、医師の基本的技術料とは全く異なる事項の)救急医療に開業医を「休み無く」就かせる制度を作り上げた人物だ。

「子ども手当」「公立高校の実質無償化(私立高校にも相当額助成)」「農業の戸別所得補償」といった政策には、バラマキの臭いが付きまとう。少なくとも、一般国民に受けが良くなるような政策を優先している。一方、医療費抑制(ないし、医療費増を取りやめること)は、国民の医療費支出を抑えることにもなるから、これも国民への受けを狙った政策だ。開業医が24時間365日拘束されようが、世論は動かないだろう。しかし、こうした医療現場を困窮させる政策の「付け」は、必ず国民の側に行く。

足立議員の街頭演説を、地元の選挙民は、どのように聞くのだろうか。


Jongen 

Jongenの初期の作品、ピアノトリオイ短調作品10を、毎晩のように休む前に聴いている。

色彩感の豊かな和声と、重厚な構成感の音楽。1楽章冒頭のピアノの特徴的なアルペジオに乗って、チェロが歌いだす。バイオリンがそれに続く。そう、FranckとFaureの響きに近いものを聴く思いがする。夜の静寂のなかで、こころが音楽の流れに乗ってゆすられ慰撫されるような思いだ。

Jongenについてネットで検索すると、下記のサイトに出会った。充実した作品目録と、ディスコグラフィ。

http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5390/impressionist/jongen/

Jongenは、晩年、自らの作品をかなりの数廃棄してしまったらしい。

2003年が、没後50年。ベルギー本国を中心として、再評価が盛んに行われているようだ。もっと聴かれて良い作曲家だ。

非人間性を曖昧な衣に隠して 

来月から、地域貢献加算という診療報酬が新設される。既に、ここでも記したが、24時間365日診療時間外対応をすると、再診料に30円加算できるという制度だ。

今回、診療所の再診料が20円安くされたので、その低下分を補填する、さらに時間外の救急患者対応を診療所に促すことを期待する、という二重の目的がある。

この制度を導入した張本人である、足立信也議員(厚生労働省政務官)に対して、梅村聡議員が、参議院予算委員会で質問している。お二人共に、医師である。

梅村議員は、この制度によって、24時間365日時間外対応を診療所医師が迫られることになるが、それは過重な負担ではないかと質問している。足立議員は、診療時間外の対応である、詳細はこれから事務方から公表される、実際に診療所医師が対応しているかどうかの評価は、準夜帯(夜12時まで)の診療報酬請求の多寡で行なう、と答弁している。

実際のところ、梅村議員の疑問が、医療現場の声でもある。特に、時間外救急の半数の症例が、小児科患者である。小児科診療所への負担は計り知れない。また、24時間365日、医師を拘束しようという制度が、医療崩壊の拡大策そのものではないだろうか。この加算を算定しなければ良いと言えるのかもしれない。が、マスコミは、24時間365日診療所は対応をすべきであるというキャンペーンを張ることだろう。そうした状況になると、加算不算定だけで済まなくなる。

さらに、行政の良く行う手法として、小額の加算を認めておいて、時間外の無制限対応が一応多くの診療所で行なわれるようになると、加算そのものを取りやめ、時間外無制限対応を行なわない診療所にはペナルティを課すという対応を行なう。そうした朝礼暮改に対する危惧を抱く。

それに対する、足立議員の答弁は、一見曖昧である。「一言で言うと二十四時間三百六十五日全部ということではない」と言いつつ、診療時間外の対応要求である、即ち24時間365日拘束であることは明言している。何たる自己撞着。事務方は、この加算を算定しようとする診療所は全体の1/3と踏んでいるらしい。要するに、一見曖昧なままで制度を始め、多くの医療機関が算定すれば、算定要件を満たしていないとして、切るという意思表示である。足立議員は、医療現場の状況、さらに再診料下げと抱き合わせで、こうした制度を導入する非人間性を理解しているのだろうか。大いに疑問だ。

行政は、曖昧なルールを設定し、その運用で如何様にもできる余地を残すことをしばしば行なう。一種の裁量行政だ。

そうした曖昧なルールで、医療現場がどれだけ苦しもうが、お構いなしである。

それにしても、30円の加算で、24時間365日の拘束とは、何という制度なのだろうか。



以下、引用~~~

衆議院議事録情報 第174回国会 予算委員会 第10号(下記アドレス)より抜粋

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0114/174/1740311001
4010c.html

○梅村聡君 予防接種法改正についてはまた厚生労働委員会で取り上げたいと思います。
いずれにしても、厚労省含めて皆様方も中央危機管理のプロですけれども、現場もそれぞれ現場のプロがおられますから、ここはどう力を合わせていくのかが大切ではないかなと 考えております。
それでは次に、診療報酬改定について質問をしたいと思っております。
今回はネットで〇・一九%増ということができたわけでありますが、この中で、いわゆる地域医療貢献加算、これは、地域医療で開業医の先生が夜間、休日、時間外、こういった ものを対応いただけた方に加算される診療報酬加算でありますけれども、この加算のそもそものねらいと算定要件をお教えください。

○大臣政務官(足立信也君) ねらいということからまずお答えいたします。
私は、今地域の医療の状態、特に医師不足の地域の状況を見ていると、昔から、私が子供のときなんかは、いつでも対応してくれる、電話でも結構なんですが、いつでも対応して くれる地域のお医者さんがいた。その方々と、今はそうではない、ある標榜時間が過ぎたらもうあと一切連絡が付かない、どこにいるのかもはっきり分からないというような方々 もいらっしゃる。これは診療報酬の面で私は区別が必要だろうと、そういうふうに思っておりましたし、中医協の中の議論でもやはりそれは違いがあるだろうという、違いの評価 を取り入れようということの議論になったと思っております。
そして、その主な要件は、緊急時の連絡先について患者さんにお知らせしている、それから緊急時の患者さんからの問い合わせに対して対応ができる状況にあること、これは必ず しも個人ではなくて二、三の医療機関でということも入りますけれども、そして対応ができている。具体的には、要件の中で書かれていること以外に私は検証がこれ必要だと思い ます。みんながみんなこの加算を取ろうとして、対応できていないのにできているようなことになってはやっぱりいけないわけで、検証は必要だと思います。
少なくとも、今患者数、患者さんが非常に多いと言われている例えば午後十一時あるいは十二時までの準夜帯、ここら辺りの対応は少なくとも必要であろうと、そのように私は考 えております。

○梅村聡君 そうすると、イメージとしては二十四時間ということではないということでよろしいでしょうか。

○大臣政務官(足立信也君) 通知で原則としてと書かれているという意味だと今思いますが、これは、対処の仕方としてはQアンドAの形でしっかり分かっていただくことが重要だろうと私は思っております 。ですから、原則二十四時間というものをどうとらえるかでありますけれども、私自身は、やはり少なくとも標榜時間外でも対応できるという表現、答えにとどめておいて、やは り集中する時間帯というのは当然あるわけですから、そこの要件が大事になってくるんではなかろうかと思っております。
実際これは、検証という話ししましたけれども、じゃ電話対応あるいは訪れてきた場合に、いずれ準夜加算とかあるいは深夜帯の加算ということがレセプトで出てまいります。本 当にやられているかということが後でだんだん分かってくると思います。そういうことも踏まえながら、一言で言うと二十四時間三百六十五日全部ということではないと私は思っ ています。

○梅村聡君 それでは、例えば一つの例ですけれども、一つの町とか市とかで、百とか二百でもいいんですけれども、医療機関がそれぞれ輪番制を決める、そして二十四時間三百六十五日必ず どなたかが対応できるようにする、あるいは休日夜間診療所にどなたかが必ず詰めていただく。そして、そのことをきっちり市民の方に広報すれば、足立政務官が今おっしゃった ような体制というのは組めると思いますが、こういった体制の組み方でこの診療加算というものを取れるようにできるのかどうか、教えていただきたいと思います。

○大臣政務官(足立信也君) 先ほどの地域貢献加算のことと、今輪番制のことがございました。私はどちらも大事だと思っております。
そういう形で、地域連携夜間・休日診療料ということで点数もちゃんと付いておりますし、在宅当番医制はこれはもう既に六百四十三地区で行われております。こういうことも診 療報酬の中で反映される部分だと思います。
大事なことは、その病院に連絡している例えば何千人とかすべての方に対応するんではなくて、二、三のグループで対応しようとする場合等は、その方の情報を前もって伝えてあ るとか、その患者さんにこの間はここに行くようにしてくださいねという情報も伝えてあると、そういうことがこの貢献加算においては大事なんだろうと思います。

○梅村聡君 ただ、この評価を見てみますと、これ緊急時の対応体制や連絡先等を院内掲示、連絡先を記載した文書の交付、診察券への記載等ということが書かれておりますから、現実的には 数千人の方に連絡先が知らされて、そして電話の転送等で二十四時間三百六十五日これやっぱり掛かってくるわけですよね。それで、例えば三千人、四千人の方にお教えして、過 去にかかられた方もこれは全部その情報を知っておられるわけですから、そうしますと、一年に一回お一人の方が問い合わせても、一日十人ぐらいの方からは二十四時間三百六十 五日これやっぱり掛かってくる、連絡が来るわけですよね。それを、あなたはかかりつけじゃないから駄目ですとか、あなたは一年前の方だから駄目ですとか、そういうことはや はり電話とか対応とかでは区別できないと思うわけですね。
だから、現実的にこの対応策を取ると、実際問題としては二十四時間三百六十五日になるのではないかと思いますが、そういうことに実際なるんですけれども、その点に関しては いかがでしょうか。

○大臣政務官(足立信也君) 実際問題と今おっしゃいましたけれども、それは例えば加算をした場合にレセプト上で査定されるかどうかということにかかわってくると思うんですね。全員に対応できているか どうかということは、恐らくそれは査定のしようがない、評価のしようがないことだと思うんです。後々で分かってくるということは、そういう連絡先やあるいは対応ができてい るということが、例えば先ほど申しましたように、準夜帯加算が実際上のレセプト上表れているというようなことでこの方はきちっとやられているんだろうなという評価になって きて、全員が全員それに対応していなければ認められないというようなものではない。
そして、実際上、今全員から掛かってくる可能性があるのではないですかということをおっしゃいましたけれども、掛かってくる可能性としては私はそれは否定できないと、そう 思います。しかし、その方々に全部対応しないと加算は一切駄目なのかというと、それはQアンドAでこれから示していきますけれども、運用上はそうではないと私は思っていま す。

○梅村聡君 しかし、標榜していると、連絡が来たら必ず対応しないと私はいけないと思います。そうやってしまうとですね。
少し私と政務官の一つの認識の違いが一点浮き彫りになったと思います。私は、もちろん昔の先生方は二十四時間三百六十五日対応しておられた、今はそうじゃないと。それも一 つあるのかもしれませんが、今回のこの評価ということは何かというと、これは病院勤務医の負担につながる取組だということで取り組んでおられるわけなんですよね。
そういうことから考えると、私、自分が勤めていた病院で実はすごく助かった例がありました。これは、病院のすぐ目の前の医師会館で一次救急をすべて開業医の先生が輪番を組 んでいただいてやっていただいたと。そうすると我々二次救急だけに集中することができましたから、これ非常に有用な取組でした。大阪府の箕面市という町でありますけれども 。
そういうことから考えると、夜間に結果として二十四時間になるかもしれませんが対応されることよりも、むしろ輪番制であったり夜間休日診療所をきちっと機能させるというこ との方が私は重要度が高いと思っています。もちろんこれまでも評価をされていたとおっしゃられますが、現実的には、そこに参加をしていただけない先生方、もっと言えば医師 会の活動も含めて、そこに来ていただけない先生方が増えてきていると、ここに私は問題点があると思っています。つまり、ここのこういった地域としての輪番制とか休日夜間診 療所含めて、そういった公益活動にもう一度多くの医療機関の先生方が参加していただく、もっと言えば、医療コミュニティーというか、そういうものを今再構築することが私は 一番最重要だと思っています。
そういう意味から考えると、私は、この加算は、もちろん算定はこれから基準を決められるということですけれども、どうもお話を聞いていると、ただ個々の方が疲れるだけでは ないかと。それだったら、そのコミュニティーをもう一度再生させることにこの三点を使えば、私は非常に有用な取組ではないかと思っております。
このことについては、私の最後の感想ですので、政務官からも見解を聞いて、私からの質問を終わりたいと思います。

○大臣政務官(足立信也君) 小児科の医師不足ということが顕著になったときに、各地域で開業をされている小児科の方々が二次救急、三次救急をやられている病院の外来を使って初期救急を担当していたと 、こういうことがありましたし、その評価もしております。これを今回は、小児科だけに限らず、あらゆる科で開業医さんがその病院の外来を利用して初期救急に対応するという ことを評価を新設をいたしました。そのことも大事だと、これもネットワークづくりの一つだと思います。先生のおっしゃるとおりだと思います。

○梅村聡君 もう終わりますが、これ電話対応、すべて転送されて二十四時間対応する、やっぱり物すごく大変なことです。厚生労働省でも各部署に掛かってきた電話が全部役人の方に二十四 時間三百六十五日転送されたらこれはもう大変なことになるわけで、そこは地域コミュニティーを、医療コミュニティーを壊さないような、そういったしっかりした取組をお願い して、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。

薬剤誤投与による医療事故 再び 

先日、関西地方の病院で、サクシゾンとサクシンの誤投与による痛ましい事故が起きたことが報じられ、ここでも取り上げたが、今度は、アルマトールとアマリールの誤投与による死亡事故が起きた。

病院職員が、パソコンで処方箋を作成する過程で誤って打ち込んだためらしい。

この事故の背景にある問題を列挙すると・・・

二重のチェックがされるべきなのかもしれないが、忙しい医療現場ではなかなかそれが実現できないのかもしれない。少なくとも、二重のチェックを入れたとしても、誤りをゼロにすることは出来ない。

病名に照らして、投与薬剤が不適切な場合に、入力を拒否する、またはアラームでそれを知らせる機能は容易にシステム化できそうだが、それも行われていなかったのだろう。

さらに、紛らわしい薬剤の名称を放置している、監督官庁の責任も重い。

で、警察は、当該職員のみならず、チェックを怠ったとして、看護師・医師をも書類送検した由。特に、医療安全に対する取り組みが甘かったというべきは、監督官庁ではないのだろうか。システムを放置すれば、また同じ事故は必ず起きる。誤りを起こした医療従事者を厳罰に処しても、事故の再発は防げない。


以下、引用~~~

金木病院の元勤務医を書類送検

2008年6月に五所川原市の公立金木病院に入院中の70代女性患者が薬を誤って投与され、その後死亡した事故で、五所川原署は16日、同病院に勤めていた当時30代の男 性医師を業務上過失致死の疑いで青森地検弘前支部に書類送検した。捜査関係者によると、誤投与と死因に因果関係があったと判断した。

これまでの同病院の説明によると、肝硬変で入院した西北五地域に住む女性患者の腹水を体外に出すため、利尿剤の「アルマトール」を投与すべきところを、誤って血糖降下剤の 「アマリール」を投与した。女性はその後、容体が急変し、意識不明となった後に死亡した。薬を処方した同医師は、病院職員がパソコンで処方せんを作成する過程で薬名を誤っ て記入したにもかかわらず、確認していなかったという。

金木病院によると、同医師は09年4月末に退職したという。同病院の石戸谷鏡治事務局長は「ご遺族の方には誠意を尽くして対応してきた。書類送検については警察から連絡が 来ていないためコメントできない」と取材に答えた。

病院側は同医師の名前や年齢、現在の勤務先を明らかにしていない。

県健康福祉部の石岡博文次長は「今回のような医療過誤はめったにないが、金木病院は医療安全に対する取り組みが甘かったと言わざるを得ない。金木病院に限らず、医療機関に は安全対策の責任を全うしてもらいたい」と話した。
2010年3月17日(水) 東奥日報

桜井充参議院議員の質疑 

桜井充参議院議員が、与党議員でありながら、なかなかの正論をビシッと与党内閣にぶつけている。

こちら。後半部分、注目。


「不適正な診療報酬請求」 

診療報酬の「不正請求」は、時々マスコミの格好のテーマになる。が、繰り返し述べている通り、「不正請求」の中身の大半・・・当院での経験では、8、9割は、健康保険証の有効期限切れ等健康保険証がらみでの返戻だ。健康保険加入者がその保険から脱退したのに、その保険証を引き続き使い続けるといった事例である。使えなくなった健康保険証を回収しない雇用者・保険者の問題であり、またそうした健康保険証を使い続ける患者さんの側の問題でもある。この「不正請求」は、患者さんの新しい健康保険が確認できなければ、医療機関側の損失になる。新しい健康保険が確認できれば、後で診療報酬を請求し直すことになる。これを不正というのは片腹が痛い・・・というか、懐が痛む。

残り1,2割が、支払い基金・保険者での審査によって、撥ねられるもの。レセプト内容の審査によって戻されるものも、「見解の相違」としかいえないものが多い。不服があれば、再審査請求という手続きで、レセプト内容についてコメントをつけた上もう一度審査するように、医療機関側から請求する。その一部は、医療機関からの再審査請求が認められる。認められぬ場合もあるが、それ以上は、行政訴訟にでも持ち込まない限り回復されることは望めないので、泣き寝入りとなる。この場合も、何故当該診療報酬が切られたのか、十分な説明がないことが多い。この「不正請求」で一番の問題は、地方自治体によって、また審査者によって、診療報酬を切る根拠が一定しないことがあることだ。診療報酬のルールは、複雑怪奇であるだけでなく、審査者によって場所によって微妙に変わる。医療機関側は、そうした微妙な阿吽の呼吸を学習し、このように馬鹿げた「不正請求」をしないように一生懸命努力することになる。

病名の付け忘れによって、問答無用にそれに関する診療報酬が切られることもある。患者さんの訴えが、診察中に、次から次に出てきて、その一つ一つに対応しているうちに、病名を付け忘れることがある。レセプトを支払い基金に提出する前に、そうした見落としを一生懸命チェックするのだが、どうしても稀に見落とすことがある。それを見つけた、支払い基金や、保険者の審査者は、その病名に関わる診療報酬をバッサリ切ってくる。問答無用である。癪に障るのは、院外処方で出した薬剤料・処方関連の薬局が受け取った技術料も、その場合、医療機関が負担させられる。病名付け忘れという過誤があることは事実だが、行政の過誤にはペナルティはなく、医療機関にこうしたペナルティが問答無用に課せられていることには納得が行かない。

医師といえども、一般人と同じく、悪巧みをする人間は一定の確率でいるだろう。そうした人間が、診療報酬の不正請求をすることはあるかもしれない。が、これは極めて例外的な事例である。そうした事例への行政の処分は、苛烈を極める。多くの場合は、保険診療が行なえなくなる処分を受ける。で、そうした悪巧みは、倫理的に許されぬだけでなく、「割に合わない」。

結論として、マスコミの言う大多数の「不正請求」は、不正ではない。医療機関側の責任ではない単なる事務的な過誤、裁量行政の極みのような複雑で医学的根拠を欠く診療報酬ルール適用、さらに病名の書き忘れという単純ミスによって、大多数は起きる。それを知ってか知らずか、マスコミは、行政が出す一方的な情報を垂れ流す。この「不正請求」の中身が何なのか、何も検討しないで、「不正請求」を見抜く力の差が都道府県ごとに4倍あるなどと述べている。この報道では「不正請求」が全国あまねく同率であることが前提にある。しかし、本当にそうだろうか。とても信じられない。「不正請求」の内容・成因を検討すれば、すぐに判明することだ。

今春廃止される後期高齢者医療導入にどれだけの行政費用をつぎ込んだのか、同じく今春廃止される5分間ルール導入で医療現場をどれだけ混乱させたのか、そうした行政の誤りに対して何もペナルティが課せられず、医療機関に上記の通りの不条理なペナルティが課せられている。そうした状況を何も報道せず、ただ行政の情報を行政の意図通りに垂れ流すマスコミ報道は唾棄されるべきだ。

従来用いられてきた慣用句「不正請求」を、「不適正な診療報酬請求」と記者が言い換えていることに、少しは良心の呵責を記者が感じているようにも思えるが・・・そんな良心はきっと無いのだろうな。ただ、無知蒙昧なだけなのだろう。


以下、asahi.comより引用~~~

不適正な診療報酬を見抜く力の差 都道府県で最大4倍2010年3月15日15時9分

 医療機関がつくる医療費の請求書(レセプト=診療報酬明細書)の不適正な金額に、最大で4倍の都道府県格差があることがわかった。レセプトを審査する「社会保険診療報酬支払基金」の見抜く力に差がある実態が背景にある。

 基金はサラリーマンらが加入する健康保険組合や協会けんぽなどの保険者から委託を受け、都道府県支部ごとにレセプトを審査。原則3割の自己負担を除いた医療費(診療報酬)を保険者に請求し、医療機関に支払っている。基金がレセプトに過大請求があるなどと判断すると、その分を減額して支払う仕組みだ。

 基金が業務改善のため設けた検討会が15日夕、2009年9月の審査実績を報告書で公表する。それによると、医科と歯科を合わせた診療報酬の請求点数(1点10円)1万点あたり、大阪府は28.4点を減額した一方、宮崎県の減額は7.1点。全国平均では17.7点だった。

 さらに保険者などの求めで再審査した結果では、大阪府が最大の6.8点減額したのに対し最少の山口県は0.4点で17倍の開きがあった

 基金が扱うレセプトは、月7千万件で7700億円分。そのうち減額と判断されるのは0.2%程度(金額ベース)。不適正を見抜けないと健保組合などの保険者負担が水増しされることになるため、審査力の向上を求める指摘が出ている。基金の検討会は「保険者から不信を招く。不合理な差異の解消が喫緊の課題だ」と指摘する。(友野賀世)

サイトウキネンオーケストラ2009 

撮り貯めてあった、昨年のサイトウキネンオーケストラの演奏を視聴した。ブラームスの交響曲2番。

1楽章冒頭、チェロバスが、他の楽器に歌いだすことを促すかのような、四分音符三つの動機を奏でる。その後は、流れるように、時に立ち止まるかのように音楽が綴られて行く。チェロ・ビオラが歌う第二主題、初夏にそよぐ風のよう。聴く者に、しみじみとした感慨をひきおこす。2楽章のチェロのソリも素晴らしい。錚々たる奏者達が、気持ちを込めて歌っている。かろやかに散歩をするかのような3楽章。そして、かろやかでいながら、熱く燃える4楽章。

数年前までは、ブラームスの交響曲では、4番が筆頭で、ついで1、3、そして最後に2番という順番が、私のなかで出来ていたが、最近は、初夏の微風のような2番に大いに魅かれるものを感じる。

小澤征爾さんの髪が、一気に白髪になっていることに驚いた。彼が食道がんであることを告白して、療養生活に入ったのは昨年の秋だったろうか。演奏が終わったときに、精根使い果たしたという表情をされていた。彼が、弦のトップ奏者達に握手を求め、その後、殆ど全員の奏者達と握手をして回っていた。そういえば、奏者達が席につくときにも、奏者に混じって舞台に現れ、指揮台の前(奏者側)にじっと立って、全員が揃い、チューニングが終わるまで待っていた。異例のことだろう。この催しが最後になるかもしれない、という思いが、彼の気持ちの中にあったのだろうか。食道がんは、初期のものとのことだったはずなので、是非またカムバックして欲しいものだ。

Doug VE7NH 逝く 

Doug VE7NHが、昨年11月に逝去していたことを、FOCのニュースで知った。

彼のことは、このブログで三度取り上げた。ここ。彼と交信をするようになったのは、1980年代だったろうか。エネルギッシュな高速のバグキーを上手に操る、CWの名手だった。

交信をすると、交信の長短に関わらず、何か一つ記憶に残るような話をされる方だった。圧倒的に印象深かったのは、彼がドラムを叩き、チェロを弾く方だったことだ。交信の度に、楽器の練習をしているかと、私に問うのを常としていた。

ヴァンクーヴァー近くの小島、鬱蒼とした森の中で生活なさっていた(ような印象がある)ようで、高くそびえる木の上にアンテナを上げることを考えているというので、ヘリコプターを利用したらと、あまり良く考えずに言ったら、彼に受けたのを覚えている。

昨年春、お会いした時には、大腸がんが肝・肺に転移していたようで、一ヶ月の内、一週間入院、その後三週間自宅で過ごすという化学療法を受けていたようだった。あまり悲観的な話は伺ったことがなかった。外に出て、ゴルフをする毎日だと仰っていた。ほどなく悪化されたのだろう、FOCのニュースによると、三回にわたる脳外科的手術を受けたが、効無く、昨年11月にお亡くなりになったようだ。

談論風発で、暖かい人柄のDoug、丁度バグキーがそうであったように、かろやかに生きておられたであろう彼をもう7メガで聴くことができないのは寂しいことだ。彼のようなold timerが、一人また一人と去ってゆく。

週末 

昨日から、急に暖かくなった。梅も満開。パンジーも咲いている。次は、こぶしの花か。

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土曜日は、アサリとトマトのスープ、それにハンバーグを作った。ワインの小瓶、余った80mlをグイっとやってしまったので、調理が終わる頃には、出来上がってしまった。写真撮り忘れ。

日曜日は、息子と一緒に、彼が今度通うことになる大学、それに契約予定の下宿を訪ねた。家財道具を見繕っていて、時間が経ってしまい、母を訪ねられず。母は、弟の転居に伴い、仙台に移る。また、少し遠くなる。ハーゲン弦楽四重奏団のモーツァルト弦楽四重奏曲全集を聴きながら、走る。ディベルティメントが、まぎれもなく訴えかける音楽になっている。

後で思い返すと、平和な日々のように、思うのだろうか・・・。

医学の道に進むRへ 

君(次男)にはこのブログを教えていないので、このポストを何時読むことになるか、または読まれぬぬままに消えることになるのか分からないが、君の人生の一つの節目に一言記しておこう。

君は、この春から医学の道を歩むことになった。家族が強く勧めたわけではないが、将来を考えるようになった大学3年のときに、医学を志した。それ以来、大学の単位は3年目で殆どとり終り、その後の1年半は、受験勉強に没頭していた。週末も必ず図書館に通い、こつこつと努力していた。その姿に、むしろ私の方が教えられるような気がした。そして、この春、その努力が実った。こうして一つのことに集中して努力すること、それをし終えたことは、君のこれからの財産になるはずだ。

暗闇から生まれ、また暗闇に向かって進む大きな生命の流れのなかで、人間は生命を一時得て、その流に参画し、自らの生命を輝かせるように精一杯生きようとする。一人の人間は、やがて、次の世代に生命を受け渡して、この世から去ってゆく。その大きな生命の流れにあって、生命に寄り添い、生命を輝かせるためにそっと手を差し伸べるのが、医師の仕事だ。いずれ死滅する個々の生命に対して、医師といえどもなしうることは、限られている。それでも、病者にとっては、なくてはならない仕事であり、喜ばれる仕事だ。

医療が、社会的にばら色の道を歩んでいた時代は既に過去のものとなった。社会からさらに多くの医療の助けが求められる時代になりつつあるのに、そうした社会の到来にしっかりと準備をしてこなかった、我々の世代の責任なのだろう。さらに、社会が医療に要求するレベルが、医療の力を超えていることも度々ある。医療のなしうること、限界が理解されていないためなのだろう。医療がこうした厳しい状況にあることは、君も、家族内での話題などで知っていることだろう。医師であることだけで、社会的に認められ、経済的にも恵まれるということは、決してない。それを覚悟しておく必要がある。

医療と医学について、幅広く学び、関心の持てる事柄には率先して首を突っ込んで楽しく学んでいって欲しい。仕事の場を、日本だけに求めるのではなく、求められれば世界どこにでも出かけていって、仕事が出来るように準備しておいた方が良いだろう。信頼できる友人を持ち、友人と様々な喜び、不安そして哀しみを共有できるようになるように。これを読んで、私が自分でなしえなかったことを君に期待していると、君は苦笑していることだろう・・・そうだ、君の人生なのだ。君の人生を、君の仕方で切り開くことだ。疲れたら、羽を休めに帰ってくるといい・・・。

日医とマスコミが、ネットでの発言を批判 

個人が公に発言するためには、その発言の場所が確保されていること、さらにその発言によって、理不尽な圧力を受けたりしないことが必要だ。

その点、ネットは便利な通信手段だ。自分の率直な考えを発信することができ、それに(一応)匿名性が確保されるからだ。同じ職業の人間同士、または関心を同じくするものが、ネット上のBBSのような場で、匿名で本音で語り合うことは現実に既に多くの場で行なわれており、様々な問題の理解を深める上で、重要な手段になっている。

誹謗中傷と紙一重の発言がなされる等、ネット上での匿名性の問題も確かにある。が、その匿名性は、絶対のものではないことはネットにアクセスするものは皆知っている。さらに、匿名の発言の利点は、一個人が公権力・マスコミ等有形無形の権力を持つ組織・人間の問題について言及する際に、その権力の行使によって不利益を受けることを、(一応)免れることが出来ることだ。(一応と繰り返し条件をつけているのは、発言が元で訴訟などに巻き込まれると、匿名性は保障されぬためであるのは、皆さんご存知の通り。)

数年前、SARSの流行が起きた時に、私は、県の不十分な対応を県当局に強く指摘したことがあった。その直後、保健所の「検査」が私の仕事場に入った。この「検査」とは、医療機関に対して行政が定期的に行うもので、ほとんど書類上のチェックだけで大したことのないものなのだが、やはり心理的には負担になる。その「検査」が少し早く入ったと思っていたが、後で、やはり早く行なわれたことが判明した。SARSに関する行政への問題指摘が、「検査」が早く行なわれた理由かどうかの確証はないが、それしか理由は思い浮かばない。診療所の運営は、行政の監視・指導下にあるのだ。勤務医は、病院や大学の経営者・管理者を通して、行政の監視・指導下にある。行政という「匿名」の組織は、本来我々のために仕事をしてくれているはずだが、時に思わぬ権力行使を我々に対して行なうことがある。

マスコミも、「ペンの力」という「権力」を振りかざす。医療の崩壊の原因の一つが、マスコミのそうした「権力」に基く誤った報道にあることはしばしば指摘されている。署名記事であったとしても、本質は、マスコミ企業を背後に持つ「匿名性」にある。

こうした権力組織に対抗するのに、個人が「匿名」での発言を行なうことを、マスコミが非難できるだろうか。

さらに、この提言を公表した日医でも、我々一般会員の関心・利益から離れた運営がなされている。このような高圧的な物言いをする前に、過去数年間の間に起きた医師の冤罪事件に対して、日医が、どれだけ医師の側に立った論陣を張っただろうか反省すべきである。医療事故調に関しても、厚生労働省案ににじり寄り、同案を積極的に広報する役回りをしていたではないか。さらに、最も重大な問題は、一般会員の意見を吸い上げる場が何処にもない。我々一般会員が、選挙を通して、日医の方針にコミットする方策・場が準備されていない。幹部を直接選出することができない。そうした日医がこのような「提言」をしても、我々一般会員のこころには響かない。まずは、改革を「隗より始めよ」だ。一般会員が日医に対して発言できる場を作ることだ。

さらに一般論として、専門職であると、匿名の発言が許されぬというのも、非論理的である。社会生活のなかで、我々は公権力・私権力を持つ組織に、監視され支配されている。それらに対峙するのに、専門職であってもなくても、公序良俗に反しない限り、匿名の発言は国民に許されるべきである。それを否定するような日医の見解は、専門職団体としてあるまじき愚かな見解である。

今日、マスメディアの広告収入が、ネット業界以外、引き続き落ち込んでいることがニュースに流れていた。マスコミにとって、ネットは脅威以外の何者でもないのだろう。マスコミは、ネットに敵対することによって、自らの既得権益を守れると思っているのだろうか。ネットを通じた医師のマスコミ批判には耳を閉ざし続けるのだろうか。


以下、読売新聞より引用~~~

医療事故の被害者や支援者への個人攻撃、品位のない中傷、カルテの無断転載など、インターネット上で発信する医師たちの“暴走”が目立ち、遺族が精神的な二次被害を受ける 例も相次いでいる。

状況を憂慮した日本医師会(日医)の生命倫理懇談会(座長、高久史麿・日本医学会会長)は2月、こうしたネット上の加害行為を「専門職として不適切だ」と、強く戒める報告 書をまとめた。

ネット上の攻撃的発言は数年前から激しくなった。

2006年に奈良県の妊婦が19病院に転院を断られた末、搬送先で死亡した問題では、カルテの内容が医師専用掲示板に勝手に書き込まれ、医師らの公開ブログにも転載された 。警察が捜査を始めると、書いた医師が遺族に謝罪した。同じ掲示板に「脳出血を生じた母体も助かって当然、と思っている夫に妻を妊娠させる資格はない」と投稿した横浜市の 医師は、侮辱罪で略式命令を受けた。

同じ年に産婦人科医が逮捕された福島県立大野病院の出産事故(無罪確定)では、遺族の自宅を調べるよう呼びかける書き込みや、「2人目はだめだと言われていたのに産んだ」 と亡くなった妊婦を非難する言葉が掲示板やブログに出た。

この事故について冷静な検証を求める発言をした金沢大医学部の講師は、2ちゃんねる掲示板で「日本の全(すべ)ての医師の敵。日本中の医師からリンチを浴びながら生きて行 くだろう。命を大事にしろよ」と脅迫され、医師専用掲示板では「こういう万年講師が掃きだめにいる」と書かれた。

割りばしがのどに刺さって男児が死亡した事故では、診察した東京・杏林大病院の医師の無罪が08年に確定した後、「医療崩壊を招いた死神ファミリー」「被害者面して医師を 恐喝、ついでに責任転嫁しようと騒いだ」などと両親を非難する書き込みが相次いだ。

ほかにも、遺族らを「モンスター」「自称被害者のクレーマー」などと呼んだり、「責任をなすりつけた上で病院から金をせしめたいのかな」などと、おとしめる投稿は今も多い 。

誰でも書けるネット上の百科事典「ウィキペディア」では、市民団体の活動が、医療崩壊の原因の一つとして記述されている。

奈良の遺族は「『産科医療を崩壊させた』という中傷も相次ぎ、深く傷ついた」、割りばし事故の母親は「発言することが恐ろしくなった」という。

◆日医警告「信頼損なう」◆

日医の懇談会は「高度情報化社会における生命倫理」の報告書で、ネット上の言動について「特に医療被害者、家族、医療機関の内部告発者、政策に携わる公務員、報道記者など への個人攻撃は、医師の社会的信頼を損なう」と強調した。

匿名の掲示板でも、違法性があれば投稿者の情報は開示され、刑事・民事の責任を問われる、と安易な書き込みに注意を喚起。「専門職である医師は実名での情報発信が望ましい 」とし、医師専用の掲示板は原則実名の運営に改めるべきだとした。ウィキペディアの記事の一方的書き換えも「荒らし」の一種だと断じ、公人でない個人の記事を作るのも慎む べきだとした。

報告の内容は、日医が定めた「医師の職業倫理指針」に盛り込まれる可能性もある。その場合、違反すると再教育の対象になりうる。
(2010年3月6日18時16分 読売新聞)

Tom K6TS からの便り 

Tomから手紙があった。プリンターで打ち出された、一枚の便り。最後に、奥様が彼の語ったことを口述筆記でタイプしたことが記されてあった。

Tomについては、以前このブログでも取り上げて書かせていただいた。ここ

彼は、この数年間、心筋梗塞から体調を崩し、無線のアクティビティが下がっていた。昨年秋に、脳卒中の発作を起し、それ以降、無線に集中することができず、さらに送信が心もとなくなってきたことが記されていた。無線設備・アンテナのメインテナンスも出来なくなった由。私の旧友でもある、Tommy W6IJに彼が相談し、FOC(英国に本部のあるCWクラブ)会員を辞めることを決心したと記されていた。このままFOC会員でい続けると、クラブの名を汚すのではないかと・・・。もう10数年前になるか、彼がクラブに入る際に、私が推薦人の一人になったのだった。私が彼を推したことへ改めて御礼を言いたいと記されていた。

同じく、彼をFOC会員に推挙したBob W5GELには、Bobが亡くなる前に、御礼を言えたことを思い出す、と。Bobは、1950年代に、テキサスでTomにCWの手ほどきをした教官のお一人だったそうだ。Bobは、私にとっても、思いで深い友人のお一人であり、その名前とコールを懐かしく思い出した。

昨年秋、次女の方が59歳で急逝されたことも大きなショックだったと記されていた。長女夫妻が、昨年クリスマスにハワイからやってきて、二週間一緒に過ごされた様子。

Tomには、早速返事を認めた。彼が無線を出来なくなったとしても、80年代に付き合いを始め、その頃、M氏と一緒に彼を訪ねたことは忘れない。我々の友情は、変わりなく続く。共にFOC会員として10数年間過ごすことができたのは、私にとっても嬉しく、名誉なことだった、と。

こうしたことは、これから段々多くなることかもしれない。それが人生なのだ。彼がFOC会員であることを大切に思うからこそ、FOC会員を辞したというTomの潔さを、私も忘れないでいよう。

日医大への民事訴訟 

脳腫瘍の発見が遅れたために重篤な後遺症が残ったとして、東京地裁が、日医大に5200万円の支払いを命じる判決を下した。

患児は、元々痙攣疾患があり、日医大に通っていたようだ。下肢の震えと嘔吐が始まり、同月下旬CT検査を受けた。そこで脳腫瘍が発見され、「すぐに」手術を受けたが、意識障害等の後遺症が残ったというもの。

情報が少なすぎるので、コメントしずらいのだが、神経系の基礎疾患のある患児に症状が現れ、1ヶ月以内にCT検査をすることが、とても遅れているとは思えない。急激な意識障害等の症状があれば、CT検査を至急に行うことはあるかもしれないが、基礎疾患の症状との異同等を含め、少し時間を置くこともあるし、痙攣を起す疾患では、月に一回またはそれ以上の間隔で再診することが多く、その点からも、検査を行うことが異常に遅れたとは思えない。どのような基礎疾患があり、どのような症状が何時から現れたのか、身体所見上の変化がどうだったのかといった情報がないと判断しがたい。下記の感想は、あくまで一般論である。

裁判官は、そうした情報を十分把握しており、その上で、『前日の受診時までに手術すれば重い障害は防げた』と言い切ったのだろうか。このように時間を限定して、言い切るということは、少なくとも、医学的にはありえない。何時ごろまでに、手術すれば重い障害を防げた可能性がある、ないといったレベルのことしか、医学的には言えないはずだ。全経過を後から見て、違う処置・検査をしていれば、このような経過を取らなかったと言うことは、容易なことだ。違う経過を推測することは可能だが、それには、極めて多くの変数がある。一つの推測を恰もそれしかありえないかのように断定するのは誤りだ。後から見直して、そのように批判することは、これから先の医療に生かすためには意味のあることだが、民事訴訟の場で、そうした批判を元に判決を下すことには強い疑問を感じざるを得ない。

この新聞社の「手術遅れ」というタイトルは、記事の内容自体と相反している。手術は、診断確定後、すぐに行われているのだ。この記者は、自分の書いていることを理解していないように思える。


以下、引用~~~


手術遅れ、脳障害 日医大に5200万円支払い命令
10/03/05
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社


脳障害:賠償訴訟 手術遅れ、日医大に5200万円支払い命令--東京地裁


 東京都葛飾区の女児(12)が脳の障害で寝たきりになったのは適切な治療を怠ったためとして、両親が日本医科大学付属病院を経営する日本医科大学(文京区)に約1億7700万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は4日、約5200万円の支払いを命じた。浜秀樹裁判長は判決で「早く手術すれば意識がなくなることはなかった」と指摘した。

 判決によると、女児はけいれん発作などがあり、小学1年生だった05年初め、足の震えや嘔吐(おうと)を繰り返すようになった。

 同院には幼稚園時代から通院していたが、CT(コンピューター断層撮影)検査を実施したのは05年1月30日。この際脳腫瘍(しゅよう)が見つかりすぐに手術を受けたが、脳の障害で寝たきりになった。判決は「女児は歩行異常や体重減少を訴えたが、早期にCT検査をしなかった過失がある」と指摘。手術日には既に手足に力の入らない状態だったことから「前日の受診時までに手術すれば重い障害は防げた」とした。【伊藤一郎】

那須高原 

昨日午後、例の休診の午後、車で東北道を北に向けて走り始めた。母親の顔を見に行こうかと思っていたのだが、少し出るのが遅くなってしまったのと、腰が長距離ドライブは厭だと言っているような気がして、那須で高速を降りた。那須高原を南北に走る道を走った。途中の那須銀座は、閑散。車・人ともに殆ど見かけない。店の過半数は閉店状態。シーズンオフの平日は、このようなものなのだろうか。

那須岳の中腹まで行くと、雪がここそこに残っている。気温が、10度前後あるのに、小雪が舞っている。

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下の平野を望む。春の空気が漂っている。

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低い山にはそれほど雪が残っておらず、のんびりとした早春の息吹が感じられる。

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麓の田園地帯。木々が芽吹き、草花が萌え出る季節ももうすぐだろう。

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最初に記したが、観光地、高原ともに、車も人も殆ど見かけなかった。シーズンオフの平日だからということもあるのだろうが、夏場の週末だけにぎわうとしても、長いシーズンオフと平日にこんな状態では、観光地として経済的になかなかやって行けないのではないかと心配になる。

もう一つ気になったこと。高原を縦走する道路沿いの殆どの土地が、大手企業の所有物になっており、車を停めたり、散策したりする場所が殆どないこと。あの壮大な大自然のなかで、何と貧しいことよと思わずにおれなかった。バブルの頃、たんまり溜め込んだ内部留保で、こうした土地を大企業が買いあさり、その後のバブル崩壊で売るに売れなくなったのだろう。

21世紀中ごろには、日本の人口は、8000万人を割り込む。すでに確実な人口減少社会に入っている。那須は、観光地であり、特殊な条件の土地だが、どうしても近未来の日本を重ねてイメージしてしまう。8000万に人口が減ったときに、都会の人口減少はさほど多くはなく、田舎での人口減少は、その減少の割合よりも大きなものになるのではないだろうか。車も殆ど行き違わない田舎道を走りながら、そうした思いが去来した。

行政の中で、医療崩壊回避策を話し合う 

行政の仲間内で、医療崩壊の回避策を話し合うと・・・こんなにピント外れになるという一例。

全国医政関係主管課長会議 医政局長の阿曽沼氏 医師確保 救急・周産期再建で協力要請
10/03/01
記事:Japan Medicine
提供:じほう


 厚生労働省医政局の阿曽沼慎司局長は2月26日の全国医政関係主管課長会議であいさつし、2010年度予算事業のうち特に医師確保対策と救急・周産期医療対策に言及した。医師確保では実態調査を行うことや、救急・周産期医療では必要な医療施設整備などを推進する方針を説明して、出席した都道府県関係者に協力を要請した。

医師不足の実態調査をこれからやるというのが如何に時期を失したことか、分かっていない。救急・周産期医療に必要なものは、医療施設だという認識が、如何に現実を見ていないことがが分かっていない。

 阿曽沼局長は、医師確保対策について「地域ごとの医師確保の目標を明確化する必要がある」と述べ、来年度早々に実態調査を行う計画があると説明した。医師の地域や診療科による偏在解消に向けた施策を推進する考えを示すとともに「協力をお願いしたい」と要請した。

医師確保という言葉自体に、「確保される」医師達は嫌悪感を催す。医師は動物や奴隷ではない。医師の必要性についても、これから実体調査か。さすが2年前までは、医師過剰、その後急に医師不足と言いはじめた官庁だけのことはある。自分達の必要医師数の予測の誤りをまずは訂正し反省すべきではないのか。

偏在解消の施策とは一体何か。マスコミを使ってぶち上げてきた「強制配置」なのか。それが憲法や、社会的な常識に照らして、なしうるものなのか。やれるものならやってみるが良い。既にモチベーションを下げられ続けたきた専門家集団が、モチベーションを完全に失い、モラルさえも無くしたら、行政にコントロールはできなくなる。そして、ここが一番おかしいのだが、「協力をお願いする」相手を間違えているのではないのか。



 一方、救急・周産期医療対策については、救命救急センターの拡充、NICU増床などを通じた総合周産期母子医療センターの財政支援などを推進する意向を表明。昨年5月の消防法一部改正を受けて都道府県が定めることになった傷病者の搬送と受け入れ基準にも言及して「実情に応じて策定するようお願いしたい」と述べた。

 医政局は10年度予算案に1943億3600万円を計上している。

センターの拡充、増床とは言うが、働く人々への手当てをするとは言わない。傷病者の搬送と受け入れ基準をいくら制定しても、受け入れ先の人的余裕がなければ、意味が無い。1900億円超の予算を一体何に使うのだか・・・。

CWops再考 

CWopsという新しいCWマン・ウーマンの国際的なクラブについては、2ヶ月ほど前に記した。この短期間に、600名超のメンバーが集った。短期間に、規則を作り、サイトを立ち上げ、ネット上での会費決済方法を作った、クラブの幹部メンバーの努力は凄いものだと、半ばあっけに取られてみていた。

当初、加入の誘いが、事務局長をしているJim N3JTからあった時に、少し斜に構えてみていたのだが、FOCとの両立可ということや、クラブ立ち上げへの熱意に触れて、加入させて頂き、理事という(名目上の)肩書きまで頂いた。

このクラブの幹部連中からメールが最近あった。メンバー推薦に積極的に関わる責任が私にあること、毎月の催しに積極的に出ることといったお達しだった。私だけを狙い撃ちにしたお達しではなく、主要メンバーに送られた檄のように思えるが、多少違和感を覚えた。

もう少し、緩やかなメンバーシップを想定していたのだが、幹部連中は、メンバーを増やすことに躍起になっているように思える。何を考えているのだろうか。また、コンテストのような催しを通して、友好を深めることには結びつくまい。短時間の熱狂は、私はごめん蒙りたいと思っている。

どのような考えのもとに、どのようなメンバーが集まるのか。集まる中心に何を持ってくるのかが、かなりぼやけている。今のところ、米国のハムが中心になって、彼等の発想でことが進んでいる。真に国際的なクラブとはいい難い現状だ。

幹部の方々のアイデアは、きっと色々あるに違いないし、現状でCWopsの今後を判断するのは拙速かもしれない。が、少なくとも、積極的にクラブの中心に入り込み、活動する(させられる)のは気が引ける。

CWopsだけの問題ではないが、アマチュア無線・CWの楽しみ方は、さまざまであり、また基本は、交信を積み重ねて、交友を深める、一対一の関係にある。クラブという組織を持ち込むこと自体に無理があるのではないか、と最近思うようになってきた。

CWopsから抜けることは考えないが、理事という称号は返還した方が良いのかもしれない。しばらく考えどころだ・・・。

ハイバンド全開 

先日のARRLコンテスト前後から、ハイバンドがことのほか良くなってきた。特に、朝の21メガでは、北米が良く入感する。明るくなる頃から、入り始め、午前8時前後に一つのピークが来るようだ。

一度CQを出すと、何局かに呼ばれることが多く、交信が終わると次々に呼んできてくれる。仕事に出かけるまでの時間を、北米の局を相手に過ごす。Alan KF3Bは、以前ミルシュテインの伝記を送ってくれて以来の付き合い。庭にバスタブを作ることを考えている、と話していた。WA9AQN Johnはセミリタイアした弁護士。先日お会いしたすぐ後、車で2時間のセントルイスの蝶の博物館(?)に友人とでかけると言っていた。その後、送られてきたメール貼付画像が、これ・・・。

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東海岸でも、北部のニューイングランド地域が入感することは、稀だ。パスが北極にかかっているためだろう。MaineとかMassの局を聴くと、CONDXが実に良くなっていることを実感する。

代りに落ちているのが7メガ。ノイズが現れ、さらに信号が弱くなってきている。アンプと3エレを使うLA近郊のSteve N6TTもようやくS9を振る程度。変動の底を見ているのかもしれないが、7メガは、この秋まで幕を閉じる気配だ。

早朝に起き出しても、それほど寒くない。せっせと朝の21メガで東海岸の友人と声を交わそう。