出発 

米国西海岸への旅に、あと2時間程で出発する。無線の友人たちに会うことが主な目的。

K7UQH、W6CYX、N6TT、W6YAその他多くの方にお目にかかる。30年から50年近くの知り合いの方々。皆白髪を増やしていることだろう。FOCの会合でお目にかかる、参加者の大多数が親しい友人だ。Kemp K7UQHとは、半世紀近く数多くの交信を重ねて、初めてお会いする。今は亡き、多くの偉大なCWオペ達を友人として共有している。Steve N6TT、Jim W6YAともに、30年来の友人だ。Steveは、当時N7AHN。Bob W6CYXとも、1960年代から多くの交信を続けてきた。

一期一会だ。

非常勤の仕事も一つは取りやめた。

これからが第二の人生。

では、行ってきます。

社会の公正さが失われている 

他人のサイフの中身を云々するのは、趣味ではないのだが、社会的な意味があることなので、ここに列記しておく・・・

消費税増税に伴う公務員の給与引き下げは、2年間の期間限定処置。

東電の電気料金値上げに伴う東電管理職の給与3割引き下げは、3年間の期間限定処理。

エネルギー・環境についての国民的議論は、資源エネルギー庁が企画し、広告会社の博報堂に丸投げ。そのコストは7600万円。博報堂は、同業の電通とともに、業界から60億程度の収入を得ている。

期間限定という見せかけの行政改革、自社社員に痛みを求めるのは期間限定、それに官業(恐らく政も関与しているのだろう)がぐるになったエネルギー政策の世論誘導。

社会の公正さが失われた社会。

時代の要請 

エネルギー・環境をめぐる三つの選択肢についての討論番組が、先日NHKで放映された。原発によるエネルギーを、0、15、20から25%にする考え方の「有識者」を二名ずつ招いて議論を展開していた。脱原発を目指さない「有識者」達は、要するに、経済を優先する人々であった。脱原発の立場に立つお二人、のうち一人は経済畑、もう一方は売れっ子の精神科医師であった。前者はまともなことを言っていたが、後者はミスキャストであった。

原発の問題は、経済活動を超えたところでの思考や生き方の枠組みを変えることを要求する問題だ。行ってみれば、人はパン「のみ」にて生きるに非ず、ということなのだ。いわば、経済は、「従」の意味しか持たない。大澤真幸著「夢よりも深い覚醒へー3・11後の哲学」に、その思考・生き方の根本的な枠組みが問われている消息が、様々な視点から書き起こされている。3・11を経て、我々は、悲劇が常態として我々とともにあり、それが我々の存在を脅かしている状況を生きることになったのだ。

先に挙げた討論番組の「有識者」達の議論は、従来の発想の枠組みに囚われれているものが多かった。曰く、原発による発電をなくすと、資源の乏しいわが国は立ち行かなくなる、原発推進の米国との関係が悪化する、再生可能エネルギーはまだ開発されておらず、経済的に立ち行かない等々。こうした「有識者」のキャスティングをするNHK、その背後にある政府行政の意向は、原発からの脱却を名目だけのものにして、現在の体制を続けることにあるのだろう。具体的には、原発依存度を15%という数字に落ち着かせることを目指しているのだろう。この議論の前提の原発稼働率80%は、到底実現不可能であるから、この依存度を守るためには、原発の更新はおろか、増設も考慮されることになるのだろう。要するに、原発利権は、これまでと変わらず存在し続けることになる。

「エネルギー・環境についての国民的な議論」は、資源エネルギー庁が企画し、広告会社の博報堂に7600万円で丸投げされたらしい。博報堂と電通は、原発業界から数十億円の単位で収入を得ているらしい。行政と業界が一丸となって、このキャンペーンに励んでいるようだ。

思考・生き方の枠組みを変えなければならないという、時代の要請から取り残されている。

Sandro EA6/I7ALE 

先日、FOCメンバーのMLに、東アジアから英国は遠いという内容の投稿をした(先日のポストにも記した)。一つは、北極回りのパスのためにあまり開けないためであり、もう一つは、西ヨーロッパを指定してCQを出しても、東ヨーロッパの連中に呼び潰されてしまうためだ。それに対して、何人かが個人的にコメントを下さった。Sandro I7ALEが、EA6からメールを下さった。彼は、ちょうど私を14メガで聞いたのだが、弱くて呼べなかったというのだ。

今朝、日の出過ぎに14メガを聞いた。強くないが、ヨーロッパ全域に開け、さらに大西洋経由でブラジルのPR7POも聞こえていた。CQを出した。Sandroが結構な強さで呼んできてくれた。EA6には明日まで滞在するとのことで、帰る前にお目にかかることができたというわけだ。お嬢様の住む場所からの運用らしい。交信後、メールであちらのセットアップの画像を送ってきてくれた。

アンテナは、1.75m長のホイップ。マグネット基台でエアコンに載せてあるだけ。ラジアルは二本だけのようだ。海を臨むのは南向き。北側には山があるようだ。

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EA6 Antenna-1


リグは小型のFT100D、パドルは、I1QOD作のパドル。

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来年はヨーロッパに行くことを考えていると言ったら、是非イタリアに来るようにとのことだった。

ヨーロッパにはパスがなかなか開けにくい(私の運用している時間帯はとくに)ので、頻繁に交信する方はそれほど多くはないのだが、SandroのようにFOCつながりで、この20、30年間程の間に数多くお目にかかっている方も何人かいる。来年は、ドイツからスイス、イタリアかな・・・。

消費税増税分の行方 

消費税増税の使い道を、政府は、すべて社会福祉医療に回すと言い続けてきたわけだが、介護の需要の見通しの甘さ等各論では、かなりいい加減であることがすでに露呈している。今回衆議院ですったもんだの挙句、可決された関連法案に景気条項という附則があり、そこにはこう記されている。

「(増税によって)財政による機動的対応が可能となる中で(中略)、事前防災および減災等に資する分野に資金を重点的に配分する

これは、自公の強い要求で入れられた条項らしい。ほぼ時期を同じくして、自民党は、国土強靭化基本法をぶちあげた。それによると、今後10年間で200兆円を公共事業に注ぎ込むというのである。一年で20兆円という金額は、以前にも記したとおり、現在の公共事業予算6兆超と、消費税増税分13兆5千億円を合わせた金額である。公共事業には、景気刺激効果があまりなく、現在の国家財政はそれどころではない。野田政権は、すでにこの自民党の政策を飲んでいるように思える。

そして、そうした政治の動きに連動して、行政からはすでにこうした大規模公共事業のゴーサインが出されている。こちら

国家を動かす人々には、多少なりとも「知恵」があるのではないかとかすかな期待を抱いていたが、どうもそれは大外れだったようだ。

これでは、数年以内に国は沈没を始めることだろう。いや、すでに沈没し始めたものが、決定的になることだろう。

終末の時に向けて 

いよいよ、酷暑の始まりだ。庭で畑仕事をしたり、雑草取りをしていると汗が止まらなくなる。長い取っ手のついた鎌で雑草を刈り取っていると、つい10年ちょっと前まで父が、こうやって毎日雑草の刈り取りをしてくれていたということを思い出す。1時間前後作業をしては、家の中に入り休息を取り、またしばらくするとそれを繰り返す。同じことを同じようにしている自分を見出す。親と自分を比較することはあまりなかったが、結局同じ道を同じように歩んでいるという、抗いえない事実だ。

今朝起きると、姉からメールが入っていた。信州の遠い親戚にあたる方が、脳出血で寝たきりになって胃瘻まで受けていた方なのだが、昨日お亡くなりになったという知らせだった。98歳だった。彼女は、どのような経緯があったのか分からないが、実家で家業であった農業を手伝いながら、一生を独身で通された方だった。以前、ここにも記したが、私が学生だった頃毎年のように夏彼女の家にお邪魔した。ご一家のなかで、人前に出ることなく、いつもつつましやかな笑顔を浮かべて、迎えてくださった方だった。

親しくさせて頂いていた方を送り、またすでに送り出した家族を思い起こす夏。最後の時を起点に、これからの人生を歩むべきことを、彼らが示しているような気がしてくる。その時は、確実にやって来る。すべてに感謝して、充実した人生を送らせて頂いたと思いつつ、その時を迎えられるように。むしろそうした終末論的な生き方が、現在を生き生きとさせてくれるのではないだろうか。徐々にこれまで自分ができたことができなくなり、知識も衰えてゆくが、最後に残る自分の姿こそが自分そのものなのだろう。それを謙虚に受け入れ、最後に向かってゆくことだ。

Don K5CA Silent Key 

Don K5CAが、7月11日逝去したと、FOCのMLでKC4YDPが知らせてきた。

Donは、あちらの早朝7メガに出られることが多かった。7027KHz付近で、W4EQや、KC4YDPとスケジュールを組んでおられた。端正な彼のキーイングを耳にすると、何かほっとしたものだ。1,2ヶ月に一度程度、私とも交信をさせて頂いた。過去10年間前後、本当に定期的におめにかかる方のお一人だった。

お嬢様の記された彼の生涯の記録によると、奥様Peggy K5DQとは、大学時代に知り合い、結婚。Donは、NASAのエンジニアを経て、地方自治体の緊急事態対応の組織に所属していたらしい。10年程まえ、Peggyついで、DonがFOCに入会されたころから、上記のとおり定期的に交信してきたのだが、その頃にはすでにリタイアなさっておられた。心臓に問題をかかえておられ、すでに活発な活動をすることは無理になっていたようだ。心臓のEjection Fractionが、10%台だとお聞きして、びっくりした記憶がある。それでも、無線には定期的に出ておられ、私が作る夕食のレシピを嬉しそうに尋ねたりしておいでだった。

ここ数年は、トレーラーホームに住み、医療機関やご家族の住む街にお住まいだったようだ。一頃のようにPeggyと交互に出るのではなく、朝はDonが無線機を占有なさっていたようだった。朝刊に目を通しているPeggyが後ろで私に「よろしく」と言っていると良く仰っていた。

Donは、ドライブや小型飛行機の操縦なども昔はなさっていたそうで、晩年、病で活動が制限されて辛い日々だったことだろう。Peggyもさぞ気落ちなさっているに違いない。無線を通してだけの付き合いであったが、得難い友人の一人だった。冥福をお祈りしたい。

東電福島第一原発事故に伴う推定被曝量 

放医研から、小児が福島で原発事故により甲状腺に被ばくした年間線量の推測データが公表された。最大で48mSvとのこと。これは、甲状腺のヨード予防内服の必要な50mSvを下回っている。以前、WHOから出された推測データ(Preliminary dose estimation from the nuclear accident after the 2011 Great East Japan
Earthquake and Tsunami・・・こちらは推測に幅を大分持たせたものだったが)ともほぼ一致する。後者は、原発周囲20Kmの範囲の住民はすぐに避難したであろうからと推測評価の対象にしていない。後者では、最大の推定値としては、浪江では100から200mSvの被曝があったことが推定されている。

ICRPに批判的なECRR(「放射線被ばくによる健康影響とリスク評価2010年勧告」)によると、小児甲状腺がんは、被曝後3年程度から増え、10年目前後でピークとなり、15年目ほどで被曝前のレベルに戻ったとされている。福島での被曝推測データは、さほど心配しなくても良いというものだが、あくまで推測であることと、検討対象を選ぶのが恣意的になっていないのか、という疑問はある。あと2年程すると、こうした推測評価データが正しいかどうか判明する。

WHOの推測評価では、福島では、長期被曝の問題では、チェルノブイリに比べて、セシウムの同位体の内、半減期の短いものが相対的に多く、今後の被曝は、チェルノブイリに比べて少なくなるであろうと述べられている。でも、最初の1年間での被曝が、全体の30%、その後15年間での被曝が70%とも推測されており、この短期間の推測だけで安心するわけにはいかない。

デジカメ新調 

6年間ほど使っていた、キャノンのIXY IS800、とくにこれといった問題はなかったのだが、画像全体が暗く写る傾向がある(これも補正はできるのかもしれないが)ので、買い替えることにした。入手したのはキャノンのS100。コンデジなので、基本的なところはさほど変わらないが、f2.0と少し明るいレンズ、それに少し大きなCCDサイズに期待して購入した。

今朝、5時過ぎに起きだして、野菜と花を撮ってみた。AUTOでの撮影。なかなか良さそうである。今月末の西海岸への旅行に携えてゆく積り。電池が200枚程度で切れるらしいが、充電器が240Vまでの対応なので、充電器を持参すれば良いだろう。

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『日本再生戦略 医療社会保障関係』 

上記のタイトルで、日本を再生させるプログラムを、政府が公表したようだ。医療社会保障関係では、このような内容らしい。

〈ライフ成長戦略〉

 医療・介護で国内市場約50兆円、雇用284万人を創出。海外では約20兆円を獲得する。


医療介護を、「市場化」し、それを海外にまで展開しよう、ということだ。

つい数年前の小泉構造改革で唱えられていたことと同じではないか。

私はこのプランの詳細を知らないが、医療介護を、民間資本にゆだね、その利益追求に任せようということだ。

医療介護や、教育・農業は、共通社会資本であるということ、市場原理にゆだねてはならないことを、このプランを作り上げた人間は知らない、いや知っていても、そこから得られる利益を渇望する大資本に組する立場に立っているのだ。

50兆円は何処からくるのか?病気を抱えた患者の懐以外にありえない。それを支払えぬ者は、医療にはかかれぬことを意味する。数年前、経済財政諮問会議で市場化を進める先頭に立っていた、オリックスの会長は、医療が「100兆円」規模の市場になると言っていたが、その半分で妥協しようと言うのだろうか?半分にした穴埋めを、海外の富裕層相手にして得ようという魂胆か。結局、このプランを作った連中も、市場原理主義者と同じ穴のムジナなのだ。いや、「人を大切にする」というマニフェストを掲げて登場しただけに、言うこととやることのギャップが、政治不信をさらに広げる。

民主党への政権交代は一体何のためだったのだろうか。

英国は遥か・・・ 

FOCのメーリングリストに、西ヨーロッパがあまりに遠いという独り言を載せたら、何人かの友人から応答があった。彼らもそれなりに出ているのだが、北極回りのパスは厳しいということのようだ。彼らの多くはベアフットに簡単なアンテナだから仕方あるまい。

VK3DBD Davidが、故郷の英国Tetfordに戻っていて、なんだったらスケジュールでもと言ってきてくれた。彼は、もともとG3SCDというコールの持ち主。英国は、肌寒い夏で、花々が咲き出でるのが遅れているとのことだ。でも、すこしずつ花が咲き始めていると、下の画像を送ってきてくれた。何とも心落ち着く光景ではないか・・・。近くにマグナカルタで有名なLincolnの大聖堂もあるらしい。

来年の夏は、ヨーロッパに足を延ばしてみたいと、家内と相談し始めている。ドイツや英国は是非訪れてみたい所だ。

Davidは高さ3、4mのワイアーアンテナだそうで、今のCONDXでは無理だろう。またの機会にとお断り申し上げた。ロングパスのシーズンまで待たないと、西ヨーロッパの友人達とゆっくり交信するのは難しいのかもしれない。

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「エネルギー・環境に関する選択肢」についてパブコメを送ろう 

原発事故の影響、原発稼働による社会的負担は、次の世代につけを回すことになる。「エネルギー・環境に関する選択肢」パブコメ作成の参考として、次の文章を、患児の親御さんに配布する積りだ。

原発の全面的な再稼働に向けて、こそこそとことを進めようとする行政・政府に対して、声を上げるべきは今しかない。締め切りは、7月31日だ。

次の世代を育てている皆さん、この問題は、子供たちに大きな負担を強い、さらには彼らの生存基盤を破壊しうるものだ。是非、パブコメを自分の言葉で記し、送ってもらいたいものだ。


以下、参考のために・・・

○放射性ヨードによる甲状腺癌が小児に多発することは、チェルノブイリ事故で明らかになっており、さらに慢性低線量被曝問題も発達途上にある小児に問題を起こす可能性がある。将来の世代に原発事故のつけを回してはならない。

○東電福島第一原発事故は、原発に重大事故が起きたら、対応できないことを端的に示した。現在、地震が増えているわが国で、50基の原発を保有することは、リスクが高すぎる。我が国の原発の多くが、稼働開始後30年以上を経ており、老朽化の問題を抱えている。万一、稼働中に中性子照射脆弱化等により、爆発が起きたら、取り返しのつかないカタストロフとなる。根本的に、原発による発電からの脱却を目指すべきだ。

○原発の発電コストが低いといわれていたが、それは電気事業連合会がモデル計算によって行ったものであり、現実を反映していない。現実のコスト、特に、電源三法に基づく地方交付金のような社会的政策的コスト、放射性廃棄物の処理に要するコストを考慮するだけでも、原発発電コストは、再生可能エネルギーのような他の発電方法のコストを超える。さらに、廃炉費用、東電福島第一原発事故のような重大事故の対応コストを考慮すると、天文学的な額の負担が、未来の世代に負わされることになる。「エネルギー・環境に関する選択肢」では、この点が考慮されていない。従って、これらの選択肢は、元来選択不能というべきである。

○再生可能エネルギーの可能性について、環境省「平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書」(平成21年3月)は、発電量として、5兆1800万KWhが、再生可能エネルギーとして得られることを示唆している。「エネルギー・環境に関する選択肢」では、再生可能エネルギーの可能性を低く見積もり過ぎている。再生可能エネルギーの技術革新、利用は、経済的にも大きな効果をもたらすはずであり、その可能性を最大限に引き出すことを考慮すべきである。

○「エネルギー・環境に関する選択肢」は、選択肢の設定自体が原発重視・再生可能エネルギー軽視の方に偏っており、選択しがたいが、強いて選択するとすれば、ゼロシナリオ(追加対策後)である。

「エネルギー・環境に関する国民的議論」パブコメ7月31日締め切り 

政府は、「エネルギー・環境に関する国民的議論」を経て、国のエネルギー政策の基本方針を策定する方針だと言う。

下記にその説明がある。

http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120705/20120705.pdf

ざっとみたところでは、2030年度時点の原子力エネルギー依存度を15%にする方針に誘導する意図を感じる。それが適切かどうか、良く考える必要がある。

展開されている議論について気の付いたところでは

○人口減少社会になっており、2006年を境に、実際の総発電量が減少に転じている。2030年までに節電によって、総発電量を10%減少させるとされているが、それ以上に必要電力を減らすことは可能なのではないか。

○環境省「平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書」2011年3月によると、再生可能エネルギーは、原子力エネルギー(平成2010年3月末時点で4885万KW)をはるかに超える224、049万KWの設備容量となっている(大島堅一著「原発のコスト」(岩波新書)より)。上記サイトの試算では、再生可能エネルギーの可能性を低く見積もりすぎている。

○発電コストの比較について、原子力発電の社会的なコストを加味しているのだろうか。廃炉時に莫大な費用が必要となり、さらに重大事故が起きた場合は、電力会社が経営的に存続しえないコストを背負い込むことになる。現在のシステムではそれらが、すべて将来の電力料金に加算されることになっているが、その加算が、この発電コスト比較には加味されていない。従って、原子力発電へ誘導しようと言う、行政・業界の意図が明らかである。

といった問題がある。

一番の問題は、国民的議論と言いつつ、7月31日までの極めて短期間のパブコメ募集になっていることだ。国民への周知も殆どなされず、行政の出した「選択肢」も不十分極まる。それでも、東電福島原発事故を経験した今、国民としてこのパブコメを出す必要があることを感じている。特に、これからお子さんを育ている世代の方々にとっては、お子さんの将来を左右する決定になる。是非ともパブコメを出して頂きたい。

ちなみに、ドイツは1922年までに原発を全廃することを、東電福島原発事故直後に決定している。

近況 

ご無沙汰をしてしまった。

月末の米国旅行に向けていろいろと準備を進めている。パスポート、切符の手配等々。レンタカーで西海岸を走破するのは諦めた。また時間の余裕があるときに・・・。

国会福島原発事故調査委員会の報告が出たので、それについて英文のブログに記した。議事録まで読んでいないのだが、あの神戸大学名誉教授の石橋克彦氏が加わっていて、この程度の内容の報告しか出せないのだろうか。一言でいうと、あの事故は「人災」だったということのようだ。確かに、それは一面の真理だろうが、最も重要な教訓は、原発に重大事故が起きうるということ、そして一旦起きると、人がコントロールできなくなることだ。この点については、意図的か否かは別にして、報告書は触れていない。不十分極まるし、ミスリードするものになっている。

Googleの広告で、医師求人が出るのは良いとして、発毛剤の広告が出るのは何でだ!? 調べたりしたことはないのだが・・・。情報化時代に標的になっていることをひしひしと感じる。

ネットでは、画像に処理を加えて、アップしているものがある。政治的なものから、ペットまで。容易に判断がつくものは良いが、そうでもないものもある。ネットでも、特に映像・画像の類に接するときには、真贋を見極めることが必要だ。鵜呑みにしないことだ。

今日はこれからパートの仕事。勤務医をやってみると、いろいろ見えてくることがあるが、それはまた後程。小児科では有名な公的施設で長らく責任者をなさっていた方が、「同僚」にいるのだが、その診療内容・処方をカルテで観て、正直少しホッとした。

と、twitter的に記してみた。

放射性セシウムによる慢性被曝 

日本と、ウクライナの合同の研究チームによるチェルノブイリ被曝による尿路上皮病変についての研究。放射性セシウムに慢性に被曝すると、慢性炎症とガン化が起きる可能性を論じている。

Carcinogenesis. 2009 Nov;30(11):1821-31. Epub 2009 Jul 30.

Urinary bladder carcinogenesis induced by chronic exposure to persistent low-dose ionizing radiation after Chernobyl accident.

Romanenko A, Kakehashi A, Morimura K, Wanibuchi H, Wei M, Vozianov A, Fukushima S.


Source

Department of Pathology, Institute of Urology, Academy of Medical Sciences of Ukraine, 9a, Yu. Kotzubinsky Street, 04053 Kiev, Ukraine.


Abstract

Urinary bladder urothelium as well as cells in the microenvironment of lamina propria (endothelial elements, fibroblasts and lymphocytes) demonstrate a number of responses to chronic persistent long-term, low-dose ionizing radiation (IR). Thus, oxidative stress occurs, accompanied by up-regulation of at least two signaling pathways (p38 mitogen-activated protein kinase and nuclear factor-kappaB cascades) and activation of growth factor receptors, in the bladder urothelium of people living in Cesium 137-contaminated areas of Ukraine, resulting in chronic inflammation and the development of proliferative atypical cystitis, so-called Chernobyl cystitis, which is considered a possible pre-neoplastic condition in humans. Furthermore, significant alterations in regulation of cell cycle transitions are associated with increased cell proliferation, along with up-regulated ubiquitination and sumoylation processes as well as inefficient DNA repair (base and nucleotide excision repair pathways) in the affected urothelium. The microenvironmental changes induced by chronic long-term, low-dose IR also appear to promote angiogenesis and remodeling of the extracellular matrix that could facilitate invasion as well as progression of pre-existing initiated cells to malignancy. Based on the available findings, new strategies have been developed for predicting and treatment of Chernobyl cystitis-a first step in urinary bladder carcinogenesis in humans.




で、福島の子供の尿から、放射性セシウムが検出されたという報告。濃度は低いようだが、健康に問題はないと言い切れるのだろうか。長期間にわたって経過を追う必要がある。

141人の尿からセシウム 福島の乳幼児2千人測定 「影響ない」と専門家
12/07/02
記事:共同通信社
提供:共同通信社
ID:1881292




 福島県内に住む0~7歳の乳幼児約2千人の尿を民間の分析機関「同位体研究所」(横浜市)が測定した結果、141人から放射性セシウムが検出されたことが30日、分かった。うち3人が尿1キログラム当たり10ベクレルを超え、最高は4歳男児の17・5ベクレル。残る138人は10ベクレル以下で最低は0・1ベクレルだった。

 測定した尿からは、自然界にもともと存在する放射性カリウムも平均で約64ベクレル検出された。唐木英明(からき・ひであき)・東大名誉教授(食品安全)は「カリウムと比べてもセシウムの数値は低く、人体に影響があるレベルではない」とした上で「ただ、どのような経路で取り込まれたのか調べる必要がある」と話している。

 同研究所によると、10ベクレルを超えた3人はいずれも家庭菜園などで自家栽培した野菜を食べていたという。

 福島県によると、東京電力福島第1原発事故後、これほど多くの住民の尿についてセシウム検査をした例はない。同研究所は、内部被ばくした可能性がある乳幼児の健康管理のため検査を呼び掛け、昨年11月~今年1月、送ってもらった尿を無料で測定した。

 測定した2022人のうち1881人は不検出。セシウムが検出された141人の平均は1キログラム当たり2・2ベクレルだった。4歳の男児2人が17・5ベクレルと14・0ベクレル、次いで4歳女児が12・0ベクレルで、この3人が10ベクレルを超えた。

 唐木名誉教授は「子どもは代謝が早いのでセシウムは体内に蓄積せず排出されるだろう」と指摘した。

 主婦連合会の佐野真理子(さの・まりこ)事務局長は「家庭菜園などの野菜は、自治体の検査の対象外となっており徹底されていないのが現状。検査の網の目を細かくして結果を広く公表してほしい」としている。