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 2016年04月 

W1YL 再び 

この2月以来、Ellen W1YLがW7RNの設備を利用して、リモートコントロールでオペレーションをするようになったことはすでに記した。こちらの夜間、あちらでは早朝に、しばしばお目にかかる。

昨夜、Jim N3BBとの交信で、W5FOCの集まりが行われるテキサスのFrederickson(だったかな)には、第二次世界大戦の記念ミュージアムがある話を伺っていた。とても興味深いところだから、来年のW5FOC Eventには是非来るように、ということだった。知り合いがかなり出席する集まりなので、是非考えてみたいと答えたが、さてどうなることやら・・・と内心は思っていた。

Jimとの交信を終えると、Ellenがてきぱきとしたキーイングで呼んできてくれた。そのミュージアムの話を聞いていて、今は亡き彼女のご主人Bob W1YLが、第二次世界大戦中に海兵隊の小さな艦艇に乗り、南太平洋で日本との戦闘に従事していたことを私に言いたかった、とのことだった。戦争中のことは、ほとんど話すことはなかった、と。やはり、Bobにとっても、つらく大変な体験だったのだろう。

フロリダコンテストグループから、ホワイト家(今は亡き、息子さんJim K4OJを含めた三名)が同グループ、もう一つのコンテストクラブの基礎を作った業績で表彰され、特大のプラークを彼女が受け取ったことのお祝いを申し上げた。FOCの会報の表紙に、彼女がプラークを手にして、にっこりほほ笑む画像が使われていたのだ。

Bobとは、戦時中に知り合い、彼が除隊してすぐに結婚したらしい。1945年10月のことだ。その一か月前のお二人の写真。交信終了後、メールに添付して送ってくださった。

image1 (2)

輝ける表情のカップルではないか。彼女は、このころアマチュア無線の免許を取る。W2RBUというコールだった。

W5FOCの集まりに私が出るのであれば、何とか彼女も出て、私に会いたいと言ってくださった。フロリダのオーランドで12月にある集まりでも良いけれど、と。そこまで仰って下さるのだったら、何とか都合をつけなくてはいけないか、と少し気持ちがドライブされた。

彼女は、戦後、WのDX・コンテスト界をけん引してきた。以前にも記したが、長らくQST誌のDX欄のeditorを務めてこられた。そのような有名人なのだが、いつも親しげに私に接してくださる。そんな彼女に一度お会いしたいものだ。

プリンタートラブル顛末記 

昨年8月、新しいプリンターを購入した。エプソンのEP807Aというモデル。

購入当初から以下のような症状があった。

1)紙詰まりが酷い。詰まらなくても、数枚一緒に紙が送出されてしまう。
2)インクの減り方が驚くほど速い。A4版10枚前後印刷したところで、黒インクの残量はほぼゼロ。他の色も、白黒印刷だったのにかなり減っている。

すぐに修理に出せばよかったのだが、以前から用いていたキャノンのプリンターが稼働していたので、そのままにしておいた。で、今年3月28日に、購入した近所の量販店から修理に出した。

ところが、エプソンの修理センターから、症状の再現ができない、2)については、当初のインクヘッドへ充填されるインクで消費されたのではないか、との連絡。白黒印刷でも、カラーインクは多少消費されるとのこと・・・これは知っていたが、その「多少」のレベルを超えている。

今日、使ってみると、黒のインクヘッドが目詰まりを起こしており、黒の印刷ができない。そこで、ヘッドクリーニングを8回繰り返して、ようやく使えるようになった。エプソンから我が家に来るまでの間に、目詰まりを起こしたのか(皮肉)。

不思議に、紙詰まりの問題は解消している。同じコピー用紙を同じくらいの枚数装着した。エプソンに送ることだけで、解消するものなのか(皮肉)。

インクの減り方が激しいのは、同じ。A4版白黒の印刷を5枚程度、インクパターンを見る印刷を8回(これは、インクはほんのわずかしか消費しない)やっただけで、黒はほぼゼロ、他の色も半分を切っている。この残量表示が実際の残量を反映しているとすると、このプリンターは、実際上使えない。

エプソンの修理センターの方は、親切に対応して下さったのだが・・・こういう製品を市場に出していてはまずいのではなかろうか。

プリンターの値段は破格に安い・・・原価割れではないか。メーカーは、プリンターを安売りし、インクで収入を確保しようとしているように思える。プリンターの値段はもう少し適正な(高い)額で良いので、信頼性のある機械、インクカートリッジが長持ちする機械を作ってもらえないものだろうか。


「お上」に逆らわぬ従順な国民性 

日本人というのは、つくづく「お上」の言うことに従順なのだと改めて最近感じる。

ITUのスプリアス放射の新規制に絡んで、どうも我が国の当局は、新たな規制を持ち込む積りらしい、という噂を耳にした。本当かどうか分からないのだが・・・古い無線機がスプリアス放射規制基準に合致していることを、「書類上」で保証認定する、というのだ。要するに、再免許の際に、もう一度保証認定をJARD・TSSで受けろ、ということらしい。当然、その認定費用がかかることになる。天下り先であるJARD・TSSは、思わぬ収入増でにんまりしていることだろう。他の国で、この新たなITU規制基準により、アマチュア無線領域で新たな規制がかかったという話は聞かない。ITUがこの基準を持ち出したのは、他の通信システムに障害を及ぼさないように、という趣旨だ。だとすれば、書類上でリグのスプリアスが十分低いことを証明するなぞ無意味である。だが、JARLにせよ、アマチュア無線家にせよ、こうした理不尽なあからさまな利権誘導策に反対の声が上がらない。

医療の面では、日本専門医評価機構がそれまでの各学会が行っていた専門医授与の権利を取り上げ、新たな官僚利権を得ようとしている。これには各学会も反発をしているようだが、本当に医師のことを考えているのかは疑わしい。どうも、医師の地方への強制配置の方策として、専門医制度を立ち上げることになりそうだ。末端の医師から、強力な反対の声はあまり聞こえてこない。むしろ、地方大学や地方の基幹病院の経営者等から、医師を地方で強制的に確保する方策として支持するような動きになっているように見える。専門医という資格にからんで、医師から「みかじめ」料を巻き上げる「お上」、そして医師の労働の場の選択の自由を制限しようとする「お上」とつるんだ病院、大学経営陣の構図というと言い過ぎか。

官僚組織は、天下り組織作りに余念がない。経産省では、このようなものを考えているらしい。「おもてなし規格評価検討会」とは、お笑いだが、近い将来、これも「おもてなし規格評価機構」に様変わりし、立派な天下り機構になるはずだ。多額のみかじめ料をふんだくられるサービス業界、官僚にはたてつくことはしないのだろう。この類の民間に寄生する天下り団体は、掃いて捨てるほどある。それに対して、疑問には感じるのかもしれないが、反対の声はあまり聞こえてこない。

政治では、東京裁判を否定し、戦後体制に復帰することを目指す「日本会議」がじわじわと浸透している。この組織の主要な支援団体は神道である。日本を第二次世界大戦であの惨禍に導き、近隣諸国に大きな犠牲を負わせた、戦前の国家主義がじわりじわりと我が国の政治を支配しつつある。あのような体制に戻ることはないとタカをくくっていると、気が付いたときには後戻りできぬことになるはずだ。これも国民は知ってか知らずか、あまり反対の声を挙げようとはしない。

防衛大臣は武器輸出のセールスマンか? 

何故防衛大臣が、潜水艦セールスに失敗して残念なのかが良く分からない。彼の本分は、我が国の防衛なのではないか。

2014年に現政権が、それまでの武器輸出原則禁止の原則をとっぱらい、例外を除き武器輸出ができるようにした。「防衛装備移転三原則」がそれだ。武器の開発コストを下げるためという理由づけだったが、結局、軍需産業を伸ばし利益を得ること、それに「戦争をする普通の国」に我が国をすることが、本音の目的なのだろう。

以前にも記したが、兵器産業は国防に関わるために、その内容は秘密にされる。貿易も秘密にされることが多いだろう。実際、開発途上国への兵器の売り込みを、ODAがらみで行おうとしている。その実態は、秘密だ。こうした秘密の背後では、必ず腐敗が起きる。特に、開発途上国への武器輸出では、キックバックがあらゆる形で行われる。それは秘密のベールに隠される。そして、輸出された武器は、裏の武器市場を通して、テロリスト等が入手する可能性もある。場合によっては、海外に派遣された自衛隊員、または在外邦人がその武器によって、殺傷されることにもなる。中東等への武器輸出が増えれば、我が国がテロの直接のターゲットになることもありうる。これは想像の話ではなく、近現代の歴史が示していることだ。

防衛大臣が、武器のセールスマンのような感想を呑気に語っている状況ではないように思うのだが・・・。


以下、引用~~~


潜水艦受注、中谷防衛相「選ばれず大変残念」
2016年4月26日(火)13時59分配信 TBS

 日本が受注を目指してきたオーストラリアの次期潜水艦は、フランスが受注することになりました。日本政府の反応です。
 「今般、選ばれなかったことについて、大変残念に思っております」(中谷 元 防衛相)

 中谷防衛大臣はこのように述べた上で、選ばれなかった理由について、オーストラリア政府に説明を求め、今後の業務に反映させたいとしています。

 今回の潜水艦の共同開発は新しい「防衛装備移転三原則」に基づく初めての大型案件で、政府は、売り込み方など戦略の練り直しを迫られる結果となりました。(26日13:27)

限りない成長は、不可能 

ウルグアイの元大統領ムヒカ氏は、限りない経済的な成長が人々に不幸をもたらすことを我々に教えてくれた。我が国での滞在中に彼のために用意された豪華なホテルの部屋に、豪華すぎると述べたと報じられている。

この話を読んで、水野和夫氏の資本主義の終焉についての言説を思い起こした。私流に理解したところでは・・・資本主義は、その誕生から、限りない成長を目指した。当初は、地域的な拡大、成長だった。アフリカやアジアがその対象となった。やがて、その辺境がなくなると、電脳空間という新たな辺境を生み出し、そこで限りないマネーゲームを繰り返すようになった。だが、それもリーマンショックという破たんで終わりを告げようとしている。さらに、資本主義の成熟した国々の国民の中間層を辺境として、彼らから搾取をしようとしている。限りない成長という資本主義は、どこかで破たんする運命にあった。人々を必ずしも幸福にするシステムではない。

資本主義の終焉の先に来るべきもの一体何なのか。まだ、その全体像は明らかになっていない。だが、我々が覚悟すべきこととして、ムヒカ氏の考え、生き方は示唆に富む。

高薬価問題 

先日、Nivolumabという抗癌剤の薬価がきわめて高いことを取り上げた。こちら。その後、ネット上の情報から、この高薬価は、同薬が悪性黒色腫という比較的まれな癌に対してつけられたもので、その後適応症が患者数が多い肺癌などに拡大されたために、アンバランスに高価な薬価になってしまった、ということのようだ。このままでは、公的保険は破綻するので、何らかの動きがあるはずだ。おそらく、自己負担の大幅な引き上げになる可能性が高い。

米国でも、高薬価は大きな問題になっている。ジェネリックでも、薬価がどんどん高くなっているようだ。下記の報告。

何度も繰り返すが、医療には経済原則が適用されない。生命にかかわるとなれば、経済合理性を超えて人々は新薬や新しい治療方法に支出する。そこに付け込んで、不当な利益を、製薬会社等が上げることがあってはならない。だが、現実は、政治と行政は、企業側に立つ。そこに国民が批判的な目を向けていないと、やがて金を持たないと満足な治療が受けられぬことになる・・・なりつつある。

以下、引用~~~

米国で深刻化する「薬価」問題(上)ジェネリックが暴騰する仕組み

この原稿はForesightより転載です。
http://www.fsight.jp/articles/-/40871

大西睦子
2016年4月26日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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通称「ダラプリム」と呼ばれる、62年前に開発された薬剤をご存じでしょうか。これは妊婦が感染すると死産や流産を、あるいは免疫力が低下しているエイズ患者や一部のがん患者などが感染すると重篤な脳症から場合によっては死に至るというトキソプラズマ症や、高熱や頭痛を引き起こす感染症であるマラリアの治療薬として利用されています。

昨年9月、その薬剤に関するニュースが全米の注目を集めました。米製薬会社「チューリング医薬品(Turing Pharmaceuticals)」の32歳のCEO(最高経営責任者)マーチン・シュクレリ氏が同年8月、ダラプリムの製造販売権を買収し、なんと、一晩で薬価を1錠13.50ドル(約1620円)から750ドル(約9万円)へ、実に55倍以上も引き上げたのです。米メディアはシュクレリ氏を「米国で最も嫌われる男」と呼んだほどでした。

ところが、元々がヘッジファンドマネージャーであったシュクレリ氏は、人々の注目を浴びたがる究極のナルシストとも言われ、傲慢な態度でテレビに出演したりソーシャルメディアに情報を発信したことで、皮肉にも、連邦捜査局(FBI)や証券取引委員会(SEC)の調査のターゲットになりました。その結果、昨年末の12月17日、彼が以前所有していた会社が「ポンジ・スキーム」と呼ば
れる投資詐欺を行っていた容疑で逮捕されました。その事件が契機となり、再び米国で薬価高騰の問題に関心が集まっているのです。

【Drug Goes From $13.50 a Tablet to $750, Overnight,The New York Times,Sept.20】

【Reviled drug CEO Martin Shkreli arrested,CNN money,Dec.17】

●製薬会社が自由に薬価を吊り上げ

2003年、米国の連邦法として定められた法律「メディケア処方薬剤改善、近代化法」は、製薬会社に2つの大きな利益をもたらしました。

1つ目は、米国の高齢者および障害者向けの公的医療保険制度であるメディケアによって、アメリカ食品医薬品局(FDA)で承認されたすべての抗がん剤の治療費を公的保険でカバーしなければならなくなったことに起因します。しかも、ほとんどの州の民間保険会社も、メディケアに準拠します。つまり、製薬会社にとっては薬剤の販売チャンスが飛躍的に増大することになりました。

2つ目は、米国では政府が薬価について製薬会社を規制できないことになりました。つまり、製薬会社が自由に薬価を設定できるのです。

この2点によって、製薬会社が、古い薬でも新しい薬でも価格を思うままコントロールできる環境が生み出されました。すなわち、シュクレリ氏がダラプリムの薬価を一挙に55倍以上も上げたことは、不道徳ではあっても、政府が薬価を規制する日本を含む多くの他の国と違い、米国では全く合法なのです。

それだけに、シュクレリ氏の事件後、専門家や識者らは製薬会社への批判を強めました。たとえば、『ニューズウィーク』誌によると、クリントン政権時の労働長官で、現カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院教授のロバート・ライシュ氏は、「シュクレリ氏のやったこと(薬価の大幅値上げ)は、巨大製薬会社がずっとやってきたことだ」と指摘しています。

これに対し、製薬会社やバイオ企業などの業界団体である「米国研究製薬工業協会」(Pharmaceutical Research and Manufacturers of America:PhRMA)は、シュクレリ氏は薬の開発をしているわけではなく、古い薬の製造販売権を買収して薬価を上げただけで、製薬会社ではなく投資家である、と反論しています。

しかし、米国の製薬会社は、シュクレリ氏のように薬価を一気に55倍は上げていなくても、がんや高コレステロール血症、糖尿病などの薬価を毎年10%以上も上げています。そうした実態があるからこそ、ライシュ教授の指摘に多くの人が共感するのです。

【Shkreli Was Caught Doing What Big Pharma Does All The Time,Newsweek,Dec.24】

1年で80倍以上暴騰!

一方、日本でも近年普及してきたジェネリック医薬品とは、特許が切れた新薬を他の製薬会社でも製造販売できるようになった薬剤のことです。新薬と同じ有効成分、同じ効き目でありながら、複数の製薬会社が競って販売できるため、低価格になるのが魅力です。米国のジェネリック製薬協会によると、現在米国内で処方されている薬剤の86%がジェネリック医薬品ですが、購入された総
額から見ると、薬剤全体の27%にしかなりません。これはつまり、新薬の価格がいかに高額かを示しているデータです。

ところが、低価格であるはずのジェネリック医薬品についても、米国では近年、価格の上昇が問題になっています。2014年10月、米国上院議会の健康に関する小委員会メンバーが、一般的な10種類のジェネリック医薬品を調査したところ、1年間で最低でも388%、最高で8281%も価格が上昇していることが明らかになったのです。

こうした実態に対し、ハーバード大学医学部のアロン・ケッソルハイム教授らは、ジェネリック医薬品を販売する競争相手がいないため、市場を独占して薬価が上げられていると批判する論文を医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(The New England Journal of Medicine:NEJM)に発表しています。

本来ならば複数社が競合することで低価格になるはずなのに、なぜ競争相手がいないのでしょうか? 

仕組みはこうです。たとえば、A社が開発したB薬の特許が切れて、他の3社がジェネリック医薬品を製造販売し始めたとします。するとA社は3つの会社のジェネリックの製造権を買収し、ジェネリックの販売を止めることで競合をなくし、B薬の価格が下がることを防ぐのです。あるいは、買収したジェネリックの価格そのものを上げることもできます。もちろん、市場の独占は米国でも違
法ですが、他の会社が販売しようとしない薬(上記のケースで言えば、買収された3社以外の会社が参入しないこと)を単独で販売することは、残念ながら違法ではないのです。(つづく)

【http://www.gphaonline.org/media/cms/GPhA_Comments_on_Docket_FDA-2013-N-0500.pdf】

【http://www.sanders.senate.gov/download/face-sheet-on-generic-drug-price-increases?inline=file】

【High-Cost Generic Drugs-Implications for Patients and Policymakers,NEJM,Nov.13,2014】

大西睦子(おおにし・むつこ)
内科医師、米国ボストン在住、医学博士。1970年、愛知県生まれ。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月からボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月から2013年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)。『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などがある。

盗聴法案が成立する 

通信傍受法の改正案が、国会で引き続き審議されているということを今日知った。この中には、警察が一般犯罪で令状さえあれば、自由に盗聴ができるという項目が含まれている。通信業者の立ち合いはなくなる。実質的に、警察が自由に盗聴できるようになる、ということだ。昨年、弁護士団体やペンクラブから反対声明が出されて、廃案になったものと思っていた。だが、安倍政権には、この盗聴法案を成立させる意思がある。

盗聴によって得た情報は、特定秘密に指定されれば、その存在自体が公表されない。盗聴が、厳格に犯罪捜査だけに用いられるという保証は何もない。マイナンバーという国民総背番号制度ができ、国民各々の個人情報が、その番号にすべて紐つけされようとしている。それが、国民の思想統制に用いられることがないと言えようか。盗聴によって、国民の動き、思想傾向を把握し、それによって反体制的な人間を徹底して公安警察がマークする、といった事態が現実のものとなる可能性がある。

政府にせよ、官僚にせよ、その権力を維持拡大しようとする。特に、安倍政権のように明らかに戦前体制に復帰し、海外で戦争に加担することを志向する政権では、この盗聴法と特定秘密保護法は、権力維持拡大のための有力な手段になる。

危険な道をこの国は歩もうとしている。

熊本地震における報道統制 

NHKが熊本地震を報道する際に、各地の震度を地図上に表示する。そこでおかしいと思ったことがあった。必ず、地図に入るべき鹿児島県が必ず「切れている」のだ。熊本県に接するように薩摩川内市がある。そこには、唯一稼働中の川内原発があるのだ。どうも、川内原発における震度を意図的に表示しないようにしているのではないか、と思った。

今日の「日刊ゲンダイ」によると、その想定はドンピシャのようだ。籾井NHK会長が、政府・行政の公表すること以外報道しないように、と現場に命じていたらしい。その意図を、現場が慮って、川内原発は大丈夫であるという政府発表だけを報じ、同地での具体的な震度を故意に伏せた、というのである。情報統制そのものだ。今のところ、川内原発では重大な事故は起きていないようだが、地震は西南方向に向かって進展する気配を見せていたので、川内原発が今後ともに安全であるとは言えない。国民の不安を煽らないように報道統制する、というのは逆さまだ。国民の不安を煽る原発再稼働中の川内原発についてこそ、その震度等を適切に報じるべきなのだ。

我が国には、わかっているだけで2000の活断層があるという。学会が監視し続けているのは、その内110だけ。さらに、これ以外に6000の活断層があるとの予測もある。現に、今回の熊本地震では新たな未知の活断層が地震活動をおこしたと考えられている。要するに、活断層が近傍にない地域は、我が国には存在しない。どこにでも活断層がある可能性があるわけだ。その国土に、54の原発を設置しているのは、ほとんど狂っているとしか言いようがない。

福島第一原発事故の起きる5年前に、津波などの自然災害によって原発は全電源喪失を起こすことはない、したがってその対策をとる必要はない、と国会で答弁した安倍首相が、今も首相の座にある。そして、彼と、その配下の籾井会長が、報道統制を行っている。これは、犯罪的なことである。

租税回避・・・「セコム創業者」を例にして 

パナマ文書の存在が明らかになってからすでに3週間が過ぎた。租税回避の問題に関して、我が国の政府は無視する姿勢で、マスコミもはなはだ動きが悪い。

我が国の実業家が、どのように租税回避地と関わってきたかという記事がある。こちら。セコムは、現在、我が国最大の警備保障業務企業である。同社は、東京オリンピックで警備を担当したことによって大きく成長し、その後、興味深いことに、原発の警備保障も一手に引き受けているらしい。世界22か国に業務を拡大している。

同社の創始者二人は、1990年、租税回避地として有名な英国領バージン諸島、ガーンジー島に会社を設立した。その目的は、資産の親族への相続対策のためであったらしい。1992年には、パナマのモサックフォンセカ社と取引をするようになり、このパナマ文書にも登場することになった。

顧問弁護士は、資産を租税回避地に移転する際に、同社の株価下落を待つように指示した。また、外国の団体に寄付をする際に、その内容を明かさないことを強く寄付を受ける側に求めた。そうしたことから、租税回避であることが強く疑われるということのようだ。

パナマに投資された金額は、ほんの一部に過ぎず、世界的にみて租税回避されている資産は、3000兆円に達するとも言われている。租税回避は、現代資本主義社会にあって、富める者はますます富み、貧しいものはさらに貧しくなることを促す。回避された租税は、我々国民が肩代わりさせられることになる。いわば、国の財務体制を根本的に危うくする問題だ。税制への国民の信頼を失わせ、税の忌避がさまざまな形で進むことになる。

そのように重大な問題であるにかかわらず、パナマ文書の存在が明らかになった直後、菅官房長官は、この問題を取り上げぬことを言明した。パナマ文書により租税回避問題を検討しないと言明している、ないし無視しようとしているのは、ロシア、中国、それに我が国の三カ国だけだ。電通もこの文書のなかに登場すると言われており、電通により支配されるマスコミ、政府の意向にべったりのNHKは、この問題をあたかも外国での他人ごとであるかのように報じている。

租税回避の生じうるシステムを問題にして行かねばならない。

安倍首相が、地震直後に屋内退避の指示を出していた 

熊本の地震が最初に起きた時に、河野太郎防災担当相が、避難者は屋外ではなく、屋内に避難するようにと述べた、というニュースを耳にし、おかしなことを言うといぶかしく思った。

すると、16日未明に「本震」が生じて、多くの家屋が倒壊した。この時に、命を失われた方も多数いたはずだ。

結局、上記の河野大臣の屋内退避発言は、安倍首相の指示に基づくものであったことが判明した。

安倍首相は、一体何を考えているのだろうか。専門家の見解を聴いたうえでのことだったのか。この屋内退避指示を聞いて、実際に屋内に戻り、その後本震で被害に遭われた方がいたのではないか。こんな見当はずれの危険な指示を、安倍首相が出していたのは大きな問題だ。

どうも、一定の政治的意図があって、のことであることは確かなようだ。当初は、地震の被害を小さく見せたかったのではあるまいか。激甚災害の指定を熊本県から依頼されても、なかなか受け入れなかった(これは過去の災害からしても異例)。被災者への食糧援助は、当初、「コンビニ」への食糧の補給を指示しただけだ。この地震対応のための国庫支出がたったの23億円にとどめられていることなども、地震の被害を過小評価する、ないし過小評価しようとする意図が感じられる。

また、自衛隊の利用できるヘリが十分あるのに、米軍のオスプレーによる物資輸送を優先させたことも、集団的自衛権行使を国民が受け入れやすくするためのパフォーマンスだったのではないか。

極めつけの本音は、この災害を改憲に結び付けようと言うものだろう。地震直後の菅官房長官は、緊急事態条項を憲法に記載する必要性、すなわち改憲の必要性を記者会見で述べた。この動きは、東日本大震災の際にも、自民党議員からあったらしい。その時には、地方自治体の大多数の首長から、既存の災害対策基本法で対応できるので、緊急事態条項は不要という見解が出されているのに、今回の地震でも当初から緊急事態条項の新設を持ち出している。不謹慎な話だ。

今は、被災者に対して行うべきことは山ほどあるはずだ。多くの公務員、自衛官の方々が懸命に作業なさっている。ここで政治的な意図で、国が対応することはあってはならない。

後で落ち着いた段階で、政府による初動の妥当性は検討されなければならない。

まずは、河野防災担当相、松本副内閣相と、蒲島熊本県知事とのやり取り・・・ここでは、安倍首相の指示云々は出てこない。

以下、引用~~~

16日毎日新聞

 河野太郎防災担当相は15日夜、記者団に対し、被災地の停電を16日朝までに解消し、ガスも16日中に復旧させると表明した。

 一方、熊本県の蒲島郁夫知事は、政府の「全避難者の屋内避難」の方針に対し「現場の気持ちが分かっていない」と反発した。熊本県庁であった松本文明副内閣相との会談で述べた。

 松本副内閣相によると、「河野(太郎)防災担当相に『今日中に青空避難所というのは解消してくれ』と強く言われた」と力説したところ、知事は「避難所が足りなくてみなさんがあそこに出たわけではない。余震が怖くて部屋の中にいられないから出たんだ」と不快感を示したという。【松井豊、中里顕、原田悠自】

屋内退避の指示が安倍首相から出されていたという記事~~~

被災者をミスリード 安倍首相「全員屋内退避」に過失の目
にっかんげんだい 2016年4月21日(木)9時26分配信 日刊ゲンダイ

 熊本地震で死者が拡大したのは“人災”だったのか――。地震発生直後に安倍首相が命じた“全員屋内避難”が大問題になってきた。安倍首相は最初の震度7の前震が起きた15日、全ての屋外避難者を15日中に屋内の避難所に入れるよう指示。これをNHKなどが大きく報じた。その後、16日未明に本震が発生し被害が増大。安倍首相の指示が被災者を“ミスリード”した可能性がある。

 地震が発生したら、耐震が十分でない建物にいた場合には、屋外に避難するのは“常識”だ。その後の余震で建物が倒壊する可能性があるからだ。

 今回も14日の震度7発生直後に、政府の地震調査委員会の委員長を務める東大地震研究所地震予知研究センター長の平田直教授が「古い住宅などにいる方は、安全なところに避難してほしい」と注意を促している。

■大半は家屋倒壊で圧死

 ところが、である。地震調査委の平田委員長のアドバイスに耳を貸さず、安倍首相は15日午前、河野太郎防災担当相に対し「現在、屋外で避難している全ての人を15日中に屋内の避難所に入れるよう」指示を出しているのだ。

 その上、安倍首相の指示を新聞テレビが報道。NHKの15日のニュースは〈首相 屋外の避難者をきょう中に屋内に〉という見出しだったから、これを見て「屋外はキケンなのか」「屋内に戻らなければ」と判断した被災者も少なくないだろう。耐震が十分でない家なら、16日の本震で倒壊した可能性だってある。死者の大半が圧死であることを考えると、背筋が寒くなってくる。

 河野の15日付のブログには「総理からは屋外に避難している人を確実に今日中に屋内に収容せよと指示がありました」と書かれてある。何をそんなに焦っていたのか。

 安倍首相は当初、16日に現地を視察する予定だった。その時に被災者が野宿しているのはマズイということなのか。まさか自らの“テレビ映り”を気にしてのことなのか。この疑惑についてツイッターで発信している慶大教授の金子勝氏がこう言う。

「耐震が不十分な建物の場合、屋外への避難を促すのは、専門家に聞けばすぐにわかる話です。でも、それすらもできていない。勝手な思い込みか何かで指示を出しているのでしょう。もし、これで被害者が出たら、まさに“人災”です。“独裁体質”の安倍政権では、首相が誤ったことをしても、周りに指摘する人も注意する人もいません。恐ろしいことです」

 こんな政権に任せておけない。

輸出用兵器の開発 

この飛行機、どこで使うのだろうか。レーダーに捉えにくということは、少なくとも、防衛に用いるものではなさそうだ。まず輸出することを考えているのだろう。

軍事関連の産業・事業は、すべからく秘密となる。兵器輸出の世界は、表・裏があるが、いずれにせよ秘密性ゆえに、腐敗が起こる。我が国でも、兵器の生産、輸出入は特定秘密とされる可能性が高い。そのための特定秘密法なのだ。

兵器の貿易では、輸出した兵器が最終的に「敵」の手に渡ることもある。自国で生産した兵器が、自国、自国民を攻撃することにもなりうるわけだ。

我が国は、憲法の定める平和主義によって武器輸出を厳しく禁止してきた。ところが現政権は、武器輸出を始めた。これは、国際社会における我が国の平和国家という地位を貶める。そして、紛争地域で人々の命を奪い、彼らをさらに苦しめることにつながる。

さらに、一旦増大した軍需産業は、自己増殖をし始め、軍備の拡大、兵器輸出を自己目的化する。それが、第二次世界大戦後の各地の紛争の誘因、悪化要因ではなかったのか。共産主義諸国のみならず、民主主義を標榜している国々・・・いわゆる大国だ・・・が、兵器輸出により莫大な利益を得てきた。政治のトップにいる人間が、兵器輸出でキックバックを得てきた。恥ずべき歴史だ。我が国も、遅まきながら、その利権にあずかろうとしている。安倍政権よ、恥を知れ。

以下、引用~~~

国産ステルス実証機が初飛行…防衛省など開発
2016年4月22日(金)10時59分配信 読売新聞

 防衛装備庁は22日、敵のレーダーに探知されにくいステルス性能を備えた国産初の先進技術実証機「X―2」の初飛行を、愛知県営名古屋空港(豊山町)―航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)間で実施した。

 X―2は午前8時50分頃、県営名古屋空港から離陸。全長約14メートル、全幅約9メートルの白い機体は、随伴機2機とともに北へ向かい、約30分後に同基地に降り立った。着陸後、機体から出たパイロットは、関係者10数人に拍手と花束で迎えられた。

 X―2は防衛省が三菱重工業やIHIなどと研究開発を進めてきた。初飛行は当初、2月中旬の予定だったが、地上での走行試験や機体の調整に時間がかかって遅れていた。

我が国の報道の自由は世界72位 

国境なき記者団が公表した「世界報道の自由度ランキング」、我が国はまた順位を落とした。世界72位。

菅官房長官は、我が国では報道の自由は保障されている、と反論している。特定秘密保護法が施行されて1年経つが、報道が委縮していることはない、という。

だが、特定秘密保護法のもとでは、何が特定秘密なのか分からない、特定秘密を調査・報道しようとしただけで重罰に罰せられる、となると、ジャーナリストが「特定秘密に該当しそうなことがら」を取材し、調査しようとしなくなる。それは、報道の自由を内側から崩すものだ。

また、電波を用いたマスコミが「政治的公平性を欠く」報道をしたと総務大臣が判断したら、その局に停波を命じることができるとなれば、報道現場は委縮することは間違いないだろう。または、時の政権に迎合する報道をすることになるだろう。これは、明らかに政権によるマスコミの恫喝だ。

菅官房長官の言う通りだとすると、ここで示されるようにジャーナリストが抗議するわけがない。

首相が、特定のマスコミ経営者と定期的に食事をともにしている、という。緊張感を持つべき両者の関係があまりに近すぎる、馴れ合いになっていることを示している。

政権は、見えないところで、また外的な強制力をもって、マスコミを委縮させ、自らの意図する方向に導こうとしている。ものごとの本質を報道し、腐敗する権力を監視する役目を果たすべきマスコミが、機能しなくなる。権力の座にあるものは、自らの権力を乱用することを厳に戒めなければならない。政治家には、その矜持が求められている。現政権には、その自己抑制がない。彼らは民主主義を破壊しようとしている。

以下、引用~~~

報道の自由度、日本は世界72位に後退
2016年4月21日(木)19時53分配信 TBS

 日本では最近、政権と報道機関の関係が問題となっていますが、国際NGOが調査した日本の「報道の自由度」は世界で72位になってしまいました。政権が批判的なメディアを次々と訴えている韓国よりも、自由度は下なのです。なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。
 国際ジャーナリスト組織=「国境なき記者団」が発表した「世界報道の自由度ランキング」。世界180の国と地域における報道の自由度を、メディアの独立性などを基準に評価したものですが、日本は、前年の61位から72位に後退、3年連続で順位を落としました。

 国境なき記者団は、安倍政権がメディアの独立性を脅かしていることや、主要メディアで「自己検閲」が増加していることなどが、日本の民主主義の土台を危ういものにしているとしています。また、福島原発事故や日本の国防などが“国家機密”となっていて、厳しい法律で守られているとも指摘しています。

 最も報道の自由度の高い国はフィンランドで、韓国は70位と、日本よりも自由度が高いという結果となっています。

 日本での表現の自由の状況について調査を行った国連人権理事会の特別報告者、デビッド・ケイ氏も、今月19日、報道の自由が深刻に脅かされているとする調査結果を発表しています。

 「何を基準に、どういうもので、こういう結果にしたかについては、政府の立場で申し上げることは控えたいと思いますが、表現の自由、報道の自由、当然編集、そうしたものの自由は極めて確保されている」(菅義偉官房長官)

 菅官房長官は、このように述べ、日本が順位を落としたことについて反論しました。また、順位が下がった理由として秘密保護法の施行が指摘されてる点については、「施行されて1年以上たつが、報道が萎縮するというような実態は全く生じていない」と述べました。(21日15:13)

マスメディア報道の自由に関する、国連人権委の指摘 

国境なき記者団が、我が国の報道の自由を2015年度世界で61位と評価したことはすでに記した。開発途上国、専制国家なみのレベルだ。

国連人権理事会の特別報告者が来日し、現在の放送法ではマスメディアに政府が介入しかねないとして、同法の改正が必要であると、述べたらしい。高市総務相は、面会を拒否したようだ。

国境なき記者団の評価が、国際的にみて妥当なものであることを、改めて示したものだ。

放送法は、国家権力がマスメディアに干渉することを排除することを目的にしている。同法4条は、倫理規範であって、国家権力が干渉するための条項ではない。本来は改正の必要はないはずだが、高市総務相のようにこの条項を曲読する権力者が出ることを防ぐために、倫理規定であることを明示し、マスメディアに国家権力は干渉してはならないという条項を加えるべきなのかもしれない。

国連人権委から、このような指摘を受けるのは、きわめて不名誉なことだ。

以下、引用~~~

放送法は「改正を」=対メディア圧力に懸念-国連報告者
2016年4月19日(火)19時29分配信 時事通信

 日本の「表現の自由」の状況を調査するため来日した国連人権理事会のデービッド・ケイ特別報告者は19日、放送局への停波命令の可能性に触れた高市早苗総務相の発言などによって、日本のメディアの独立性が脅かされているとの認識を示した。その上で、放送法は政府の介入を許しかねないとして「一部改正する必要がある」と述べた。東京都内での記者会見で語った。
 ケイ氏は、政治的公平を規定する放送法第4条に違反した場合、同第174条により政府が停波を命じる権限があることに「非常に大きな懸念」を表明。「公平か不公平かは、非常に大きな議論を要する。政府がコントロールすべきではない」と語った。来日に合わせた高市総務相との面会を何度か申し入れたが、国会会期中を理由に断られたとも明かした。 

官僚の利権構造 

この2、3年、バターが不足し、かつ高価になっている。牛乳がさほど値上がりしていないのに、不思議なことだと思ってきた。

こちらのサイトで、その理由を知ることができた。

こうした官僚の利権構造は、日本中にはびこっている。医療・薬品業界でも、意味の分からぬ規制とそれにまつわる利権が横行している。医療機関の機能認定に関わる審査システムなぞ、その最たるものだ。薬価を高く維持する制度もそうだ。医療費に占める薬価の割合は、OECD諸国中最高の20%になっている。製薬業界は官僚の主要な天下り先だ。

アマチュア無線でも、保証認定なる制度は、書類上の保証であって、意味がない。保証認定料は、天下りを受け入れている民間組織の利権になっている。それに、免許の講習は一体何なのだろう。数時間の講習で2万円前後もふんだくっている。米国のように、ボランティアに試験をさせ、免許を与える制度にすれば、もっと廉価にできるはずだ。

スーパーで高価なバターを見るたびに、こうした歪な官僚と、天下り組織の利権構造に思いを致そう。日本の社会は、このままでは沈没だ。

人類は絶滅の危機に瀕したことがある 

先月の地球の気温上昇率が、過去最高を記録したらしい。こちら。伸び方が確かに急峻だ。地球温暖化は、それを加速する要因と、抑えようとする要因によって支配されている。こちら。臨界点にはすでに差し掛かっているように思えるが、引き返し不能の地点にまで行くことがないように、対策を講じる必要がある。

最近知ったのだが、ミトコンドリアDNAの解析から、人類は過去に1万人のオーダーまで人数を減らした時期があったらしい。まさに絶滅寸前だったわけだ。その理由は良く分かっていないようだが、気候変動の可能性もあるらしい。現在進行中の地球温暖化は、人為的なものなので、それによって人類の生存が危うくなるとしたら、現在を生きる我々の責任は重大だ。これ以外に、様々な地域で起きている紛争、それの伴うテロリズムも、人類の生存を危うくする可能性がある。武器・軍事物資の貿易には、表の部分と裏の部分があるが、いずれにせよ、国家の安全保障とからむために秘密にされやすく、それによって腐敗が横行している。安倍政権は武器輸出にゴーサインを出した。これは、国際的な紛争を拡大、悪化させる方向に働き、かつ特定秘密保護法という隠れ蓑もあり、国際社会の裏の部分に関わる可能性が高い。将来の世代、そして紛争で苦しむ人々に対して、この武器輸出の解禁は絶対許してはならない。

人類がこれからも存在し続ける保証はどこにもない。むしろ、どこかで人類が滅亡する可能性・・・それも、近い将来に滅亡する可能性があるという緊張感をもって、我々は生きてゆかなくてはならないのではないか。

南スーダン内戦への関与は、参議院選挙後に 

集団的自衛権行使を認める安保法制施行後、初めての自衛隊の任務は、この南スーダンにおける「駆けつけ警護」という名の内戦への関与だ。南スーダンは石油利権をめぐり、各国が入り乱れている。戦死者を生じるのは、必須と言われている。

で、この任務開始は、この夏の「参議院選挙の後」となっている。その頃には、国民がなぜ集団的自衛権という名目で南スーダン内戦に自衛隊を派遣するのか問うことはできないことになっている。

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エチオピアで武装集団が140人殺害…AFP
2016年4月17日(日)22時5分配信 読売新聞

 【ヨハネスブルク=上杉洋司】AFP通信によると、エチオピア外務省は17日、同国西部ガンベラ州に隣接する南スーダンから侵入した武装集団が市民ら約140人を殺害したうえ、子供を含む多数を拉致したと明らかにした。

 攻撃があったのは15日。南スーダンは、政府と反政府勢力の対立が続き、事実上の内戦状態にある。同省報道官は集団はいずれの勢力とも無関係との見方を示している。

Gary KG5AQV 

夕方の7メガで、最近、Gary KG5AQVとしばしばお目にかかる。たしか、72歳。3年前にリタイアし、2年前から無線を始めたらしい。ゆっくりとしたバグキーでいつも呼んで下さる。

彼と話しをして気にったこと、一つは、彼の生き方だ。長く務めたceramicの会社・・・おそらく、陶器を製造するか、扱う会社だったのだろう・・・を退職し、3年前から陶器を自分で作り始めた、とのことだ。窯も自分で持ち、毎日陶器づくりに勤しんでいるらしい。毎日が新しい発見で楽しい、とのこと。

もう一つ、交信中に、分からない時には率直にそう言ってくれるところが気に入っている。こう言っては失礼に当たるかもしれないが、70歳前後でCWを始めたにしてはしっかり送受信ができている。その上、取れないときに、そうと言うのは、少し自尊心が傷つけられるのかもしれないと想像している。が、彼は取れなかったとはっきり言ってくれる。なかなかできることではない。こうして率直に言ってくれることは、コミュニケーションを取ろうとする意思の表れなのだ。無線の交信は、君の物語を聞かせてくれ、というのが出発点であり、終点でもあると思うのだが、その意思をしっかり持ち、それを表明してくださる方が残念ながら少なくなっている。Garyは、コミュ二ケートをすることに喜びを感じておられる方の一人なのだ。

メールに添付して送ってくださった画像。

彼のポートレート。いかにも優しそうな方だ。

Family portrait BW

少しピンボケだが・・・このような地域にお住まいらしい。

kg5aqv scenary 2

そして、彼の製陶の作品。いかにもアメリカ人らしい、明るい色使いだ。

KG5AQV pottery

地震と原発 

熊本の地震で被災された方々、親族を亡くされた方々にはこころからお見舞いとお悔やみを申し上げたい。

地震への対策は、家屋の耐震化、それに火災の防止につきるのではないだろうか。また、生活インフラの喪失に対しても、準備をする必要があるのだろう。2,3日生活インフラを失っただけだったが、5年前の東日本大震災での経験が蘇ってきて、今熊本で被災し、避難を余儀なくされている方々の不安と苦痛を思った。

今回の地震は、活断層によって生じたものらしい。現在、中心構造帯という西日本を西南から東北に向けて走る大きな活断層に沿って、震源地が動いているように見える。大分の先は、愛媛であり、そこには伊方原発がある。

地震による被害も悲惨なものだが、地震により原発事故が起きると、それは半永久的に被害を及ぼし続ける。それを、福島第一原発事故で我々は学んだはずだ。だが、その経験が原発政策に生かされていない。これだけ地殻活動が盛んになっていると思われるのに、政府は原発の廃炉を目指すのではなく、むしろ再稼働を目指している。きわめて危険なことだ。

改めて日本の活断層を見てみると、2000以上存在し、さらにまだ知られぬものもあるようだ。地震は、こうした陸地上の活断層だけではなく、プレート間、さらにその海側でも起きる。日本は、そうした地震好発地帯にあることを改めて知る。そこに54基の原発を作り続けたことは危険極まりないことで、それらを再稼働しつつあることは、事故の際の危険を飛躍的に増す。

地震による原発事故の可能性を考えると、若狭湾の状況がきわめて深刻だ。14基の原発が、この地方に局在し、若狭湾近傍にも活断層があることが分かっている。特に、若狭湾のなかに活断層があり、そこで地震が起きると、地震動だけでなく、津波も起きるのではないだろうか。若狭湾の原発1基に深刻事故が起きると、他の13基にも波及し、コントロール不能になる可能性が高い。すると、日本という国が立ち行かなくなる。

地震対策とともに、地震に伴う原発事故を防ぐために、再稼働停止、廃炉を目指さなくてはならないと改めて思う。

以下、引用~~~

14日地震は前震=余震に注意呼び掛け-気象庁
2016年4月16日(土)6時56分配信 時事通信

 気象庁は16日、熊本県熊本地方で同日午前1時25分ごろ発生したマグニチュード(M)7.3(暫定値)の地震が本震で、14日のM6.5、最大震度7の地震は前震と考えられるとの見解を示した。
 M7.3は1995年の阪神大震災と同じ規模。気象庁は今後1週間に、最大で震度6弱の余震が起きる可能性があるとして注意を呼び掛けた。
 青木元・地震津波監視課長は16日未明に記者会見し、今後さらに大きな地震が発生する可能性について「そこまでは現在考えていない」と話した。一方で「(M7.3地震の震源の)北東側、大分県の方でも地震活動の高まりが見られる」と指摘した。
 M7.3の地震を予測できなかったことについては「非常に難しい問題だ。予測するのは困難だと考える」と述べた。 

原発テロ 

先月、安保法制が施行された。この法制が我が国の安全保障のためではなく、米国の世界戦略に加担するためのものであることが、特に夏の総選挙後に明らかにされることだろう。

特に、石油利権・いわゆるテロリスト関連で、自衛隊は中東・アフリカに派遣されることになっている。南スーダンでの駆けつけ警護という名の局地戦への参加はすでに決められたことのようだ。戦死者が出る可能性がきわめて高く、これも選挙後にまで延期されている。

こうした中東・アフリカでの武力行使に関与すれば、我が国がテロリストにより攻撃される危険は大きく増す。先日のベルギーでのテロの標的が本来は原発であったと言われている。我が国で大きなテロがあるとすると、原発を標的にされるのではないだろうか。原発テロの可能性について、NewSphereというサイトで専門家の意見が載っていた。こちら
 
要点を引用すると

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テロリストによって、(1)核兵器が盗み出され、「007」の映画のように脅迫材料に使われる、(2)核兵器製造の材料が盗まれ、それを使用した爆弾で都市が攻撃される、(3)セシウムやストロンチウムのような放射性物質を付帯した爆発物を使い、狭い範囲で放射性物質を拡散させてパニックを起こす、(4)大型航空機や、トラックでの連続自爆テロで原発を攻撃し、放射性物質を放出させ、チェルノブイリや福島の規模の放射能汚染を引き起こす

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日本には50基超の原発があり、すべてが防御の手薄な、海岸線沿いに建設されている。特に、空、海からの攻撃に対して、丸裸といっても良い。一つの原発に原子炉が複数基あり、また膨大な核燃料が保持されていることも弱点だ。以前から何度も指摘しているように、若狭湾沿いには14の原子炉が存在し、その内一つでもコントロール不能になれば、それがすべての原発に波及する可能性が高い。

集団的自衛権により、我が国の安全保障がより確固たるものになるというのは、大きな嘘である。

マイナンバー制度、誰のため?続 

タレントのパックンが、母国米国での経験から国民背番号制度の内実を語っている。こちら

いわゆるマイナンバー制度も同じことになるだろう。

以前にも記したが、マイナンバーがハッキングされ、悪用される可能性がある。犯罪のターゲットになるわけだ。これはすでに、パックンの記している以外に、さまざまなソースで諸外国から報告されている。

行政が、ずさんな管理をすることで、マイナンバーが漏れ出る可能性もある。マイナンバーによって得られるデータは、経済界が喉から手が出るほど欲しいものだろう。マイナンバーの個人情報は、医療・保険分野できわめてプライべートなものだが、それだけに保険資本は入手したくてしかたのない情報であるに違いない。行政から経済界への情報漏えいは、公の形、犯罪的な行為いずれによっても、起こる可能性が高い。かの社会保険庁の有様を見れば、予測できよう。この場合、行政はまず責任を取らない。国民は実害があっても、泣き寝入りになるのではないだろうか。万一、補償されたとしても、その費用の出所は税金である。

一番危惧するのは、マイナンバーが思想傾向などにリンクされ、公安の情報として扱われることだ。国家の安全保障にかかわるという名目で、特定秘密にされる可能性がある。自民党の国家主義的な憲法草案を見ていると、このようにマイナンバーが利用される可能性は大いにありうる。

そして、このシステムを開発し、維持するのは、民間にとって大きな利権だ。そうした民間企業に、官僚は多数天下りしている。この制度は、関連業者、官僚にとって永続的な利権の源となる。

もう一度問おう、マイナンバーとは一体誰のためなのか?

核武装を進める確固たる意志を持ちつつ、核軍縮を唱える偽善 

今月1日には、政府は核兵器の保持、使用が憲法に抵触しないと、答弁書で述べたばかり。こちら

その舌の乾かぬうちに、この広島宣言を出すことに何も抵抗がないのか。

我が国が「自衛のために」核兵器を持ち、使用するという政府の方針にもあきれるが、そう言っておきながら核軍縮を進めるという偽善、一体何なのだろうか。

福島第一原発がコントロールされていると国際社会でしゃあしゃあと言ってのける欺瞞と、同じ類の嘘である。

核軍縮等は外相会議での外交辞令程度に考えているのだろう。確かなことは、核兵器を保有し、使用するという、安倍内閣の意思だ。安倍首相が核軍縮という時には、核兵器保持・使用を意味し、平和という時には、戦争を意味するということだ。

以下、引用~~~

核の透明性、各国に要求…G7外相「広島宣言」
2016年4月11日(月)22時37分配信 読売新聞

 先進7か国(G7)外相会合は11日、核軍縮・不拡散の実現に向けた決意を示す「広島宣言」などを採択し、閉幕した。

 宣言では、核兵器の保有状況の公表など透明性向上を求め、海洋安全保障に関する声明では、拠点構築や軍事利用の自制を盛り込んだ。中国を念頭においた是正の要求が目立った。米国のケリー国務長官は帰国後、自らの平和記念公園訪問をオバマ大統領に報告する考えを明らかにした上で、オバマ氏の広島訪問に期待感を示した。

 G7外相会合では、広島宣言のほか、海洋安全保障に関するG7外相声明や外相共同声明などを発表した。

 11日午前には、米国のケリー国務長官ら外相会合に出席したG7各国の外相が、広島市の平和記念公園を訪問した。核兵器を保有する米英仏の外相の訪問は初めてで、被爆者の遺品などが展示された広島平和記念資料館を見学し、原爆死没者慰霊碑に献花した。ケリー氏の提案で、急きょ原爆ドームの視察も実現した。

新薬の高薬価がもたらすもの 

Nivolumabという新薬が、日本で開発された。腫瘍免疫を賦活するという作用機序で、悪性黒色腫の治療薬として2年前に保険収載された。同薬が、症例により非小細胞性肺がんにも効果があることが判明し、それにも保険適用されるかもしれない、ということだ。

これはがん患者にとっては朗報なのだが・・・一人の患者が一年間用いると、薬剤費が3400万円を超す。適応症の患者すべてに用いると、一年で2兆円に達するという。医療経済的にみて、これは現実的ではない、という議論がなされている。

適応症を制限する、自己負担を増やす等の対策を取らざるを得ないのではないか、ということも議論されている。

一方、供給側の問題、すなわち薬価が適正かどうか、という問題もある。最近の新しい薬剤は、市場での価値から薬価が決められるという側面が強いらしい。製薬業界に携わってきたIra K2RDに先日7メガで会ったときに尋ねたら、そのように答えてくれた。この新薬は、日本で開発され、小野薬品が製造販売している。日本企業を応援するための高薬価にした、と担当の官僚が述べたという話も伝わっている。

製薬企業は全般に好業績を上げている。高い利益率を確保し、巨大な内部留保を持っている。小野薬品は、4600億円程度だ。新薬開発にコストがかかることは分かるが、その費用の明細を積み上げ、市場で得うる利益を見通し、客観的に納得のいく薬価設定をすべきではないのだろうか。好業績製薬企業に、さらに利益を上乗せする政策は、官僚の製薬企業への天下りと無関係ではあるまい。製薬企業の多くに、官僚が天下りしている。結局、自国の企業を応援するためと称して、天下り先を肥え太らせているだけということではないのか。

Iraは、米国の民間保険会社は、高薬価の薬よりも、ジェネリックをまず使うことを被保険者に強制してくる、と述べていた。日本の公的医療保険は、破たん寸前であり、混合診療がどんどん進められるはずだ。こうした高薬価新薬を使えるのは、ごく一部の患者だけにされる可能性が高い。


以下、引用~~~


たった1剤で国が滅ぶ」 がん大国白書 第1部 新薬の光と影/4
記事:毎日新聞社16/04/06
がん大国白書:第1部 新薬の光と影/4 「たった1剤で国が滅ぶ」
 
 2月に開かれた厚生労働省の医薬品等安全対策部会で、委員の国頭(くにとう)英夫・日赤医療センター化学療法科部長が部会と関係のない発言を始めた。「たった1剤が出たことで国家が滅ぶことにならないか。真剣に心配している」。国頭さんが指摘した薬は、新たな仕組みでがん細胞を破壊する抗がん剤「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)。部会で扱う安全対策とは、まるで異なる内容の発言だった。
 
 「国が滅ぶ」とは、どういうことか。国頭さんによると、大人(体重60キロ)は1回133万円かかる。2週間おきに点滴を受けると、1人で年約3460万円になる。昨年12月にオプジーボが使えるようになった肺がんの一種「非小細胞肺がん」で手術での治癒が難しい患者は、国内で少なくとも年5万人に上ると見積もられる。もし全員が使えば、その薬剤費などは年約2兆円だ。
 
 オプジーボは「夢の新薬」ではない。薬が効いて肺がんが小さくなる患者は2割程度しかない。一方、オプジーボが効く患者の場合、治癒する可能性もある。分子標的薬と異なり、オプジーボが効くかどうかを事前に調べる方法がなく、薬のやめどきも決めにくい。このため、医師は「使いたい」という患者の希望を拒みにくい。
 
 現在、日本の年間薬剤費は約10兆円。国頭さんは「2兆円は幻となった新国立競技場8個分。いかにとんでもない額か理解できるだろう。オプジーボの適応は今後も広がり、オプジーボ以外にも高額薬が続々登場するはずだ。一刻も早い対処が必要と思うと、黙ってはいられなかった」と危機感をあらわにする。
 
 最近の薬価の高騰に、医療者の意識にも変化が表れている。肺がんの治療法をまとめる診療ガイドライン見直しを検討する日本肺癌学会の委員会で、手術後の抗がん剤治療が議題に上った。その際に、有効性や副作用に加え「費用の問題も考えるべきだ」との声が上がったのだ。
 
 同学会肺がん医療向上委員長の中西洋一・九州大教授は「医療者がコストのことを考えながら治療すべきではない。効く人、効かない人を事前に判断する方法の研究に力を入れるべきだ」と話す。一方、ガイドライン検討委員長の山本信之・和歌山県立医大教授は「オプジーボが出て、これまで以上に薬のコストが注目されている。私たちも本腰を入れてコストを考えねばならない。だが、『1年寿命を延ばすのにいくらまでかけるか』という問題を、一体どのように議論すればいいのか……」と戸惑う。
 
 国の高額療養費制度によって、患者の医療費の自己負担は所得に応じて一定額までで抑えられているが、残りは加入者が支払う保険料や税金などでまかなわれる。オプジーボを使い、肺がん患者の治療に当たる国立がん研究センター中央病院の後藤悌(やすし)医師は訴える。「薬のコストを考えず、医療を続けることがいいのか。根深い問題だが、将来の世代に負担を先送りする今のシステムでは、いずれ立ちゆかなくなる」=つづく
 

租税回避問題 

租税回避を行っていた企業には、上場企業の錚々たる面々が名を連ねている。その中でも、電通に注目すべきだろう。この会社は、マスコミの広告の大部分を担っているからだ。電通にとって都合の悪い情報は、情報統制される。パナマペーパーの情報が、マスコミであまり流されないのはそのためではないか。

以前のポストでも記したが、菅官房長官は、早々とパナマペーパーについては調査しないと述べた。調査しないとしているのは、中国・ロシアそして日本のみだ。米国、英国、フランス等は早速調査することを表明したのにである。我が国の大企業・富裕層にとってよほどまずいことがあるためではないだろうか。

租税回避によって生じた国の税収の穴は、社会保障の削減と増税によって埋められる。

これは、単なる経済的なスキャンダルではない、世界経済、各国の経済体制の枠組みの問題だ。引き続き、厳しい目をこの問題に向けてゆきたい。

タックスヘヴン 

パナマペーパーという、膨大な情報が世界を震撼させている。同地のとある法律事務所が過去40年間に扱った租税回避地タックスヘヴンへの投資案件の記録だ。我が国では、報道されないか、矮小化されて報道されている。

パナマペーパーとタックスヘヴンについての優れた解説がこちらにある。

ケイマン諸島への投資は、典型的なタックスヘヴンなのだが、我が国上場上位50社中、45社が、そこでの投資を行っている、という。その総額は55兆円に上る。同地での資産、所得への税金が安いためだ。国内での課税を逃れる脱法行為の可能性がある。パナマ ペーパーにも、錚々たる上場企業の名が並んでいる。個人の情報はあまり出てきていないが、来月に全体が開示されるようなので、引き続き注目してゆく必要がある。

笑ってしまう・・・やがて悲しきなのだが・・・のは、菅官房長官が、パナマぺーパーについて調査しないと早々と述べたことだ。マスコミも上記のとおりの対応だ。

米国、英国、フランス等の主要国政府は、これを機会にタックスヘヴンの調査を始めると述べている。調査しない、または西側の陰謀だと言って批判するだけなのは、中国・ロシアそして我が国である。マスコミの情報統制もこれらの国では行われている。

この問題で、アイスランドの首相が辞職することになった。英国のキャメロン首相も批判の矢面に立たされている。経営首脳がやはり辞職することになった銀行もあるらしい。世界の政治経済の枠組みを左右するほどの大きな問題なのだ。

この問題は、結局のところ、富の偏在と、その富を有する者が、政治、マスコミを支配している(していた)ことを意味するのだろう。

この問題を放置して、我が国政府は、大企業を対象とする法人税減税を行い、その一方で消費税増税と社会保障の切り捨てに突き進んでいる。

もんじゅは、高リスク、高コスト 

高速増殖炉は、用いた核燃料以上の核燃料物質が得られる「夢の原発」という触れ込みで、1995年に完成した。だが、最初の3か月だけ発電したのみで、後は事故対応に明け暮れている。建設、維持費用はすでに1兆円を超している。今後も、発電できるようになる保障は何もない。

高速増殖炉は冷却にナトリウムを用いる。ナトリウムは酸素と反応して爆発的な燃焼を起こす。きわめて危険な冷却方法だ。諸外国ではすでに開発を止めている。これまでの原燃があまりにずさんな管理運営を行ってきたからといって、運営主体を改めてば問題が解決するといった生易しいものではない。ナトリウムによる火災は対処が難しい。建設後、すでに21年経過し、今後は老朽化の問題も起きてくる。

高速増殖炉で二次的に生成されるプルトニウムは、すぐに核爆弾に用いられる核種だ。高速増殖炉をあくまで推し進める本当の理由は、我が国の核武装を準備することにあるのではないかと言われている。また、このプルトニウムを、再利用するうえでも問題が多く、コストの面で割に合わないことが分かっている。

なぜこうまでして、高速増殖炉の開発を進めるのか。一つは、原子力関連企業のためだろう。もんじゅの開発維持には、我が国の原子力関連企業の多くが関わっている。原子力政策で甘い汁を吸う政官業の原子力村が、あくまでこの利権を手放そうとしないわけだ。それに、上記の我が国の核武装化の意図も背後にはある。数日前にアップした、核爆弾保持・使用に関する政府見解をみらば分かる。あれは、抽象的に核武装を論じているのではなく、その法的根拠をなし崩し的に与えようと言うものだ。

原子力規制委員会は、自らの検査項目に合致するかどうかを判断するだけで、その検査項目で十分かどうか、過去に建設された原発が安全かどうか等は判断できない。それは、委員長も繰り返し述べている。3・11以前は、原発は絶対安全だという安全神話が、安全性を「担保」してきた(自己撞着の典型!!)が、現在は、原子力安全委員会が新たな安全神話になっている。

以下、引用~~~

もんじゅ新法人で存続検討、文科省有識者会議
2016年4月7日(木)6時36分配信 TBS

 高速増殖炉「もんじゅ」の運営主体をどこにするかなど、抜本的な見直しについて検討を続けている文部科学省の有識者会議は、新たな法人をつくり、もんじゅを存続させる方向で検討することを決めました。
 文部科学省は、福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」に関して安全上の問題が相次いでいるとして、原子力規制委員会から運営主体を含めた抜本的な見直しを勧告され、有識者会議で検討を続けてきました。

 6日の検討会では、新たな法人をつくり、もんじゅを存続させる方向で検討することが決まり、現実的で実施可能な保全計画の作成、人材の育成などの課題や新たな法人に求められる要件について話し合いました。

 新たな法人は、外部の経営協議会を持つ国立大学法人のように外からの目が行き届くような形で構成し、5月中にも原子力規制委員会に提出する予定の報告書に盛り込む方針です。(06日21:20)

言葉がかるい、あまりにかるい 

北朝鮮拉致被害者が、「一時」帰国した際に、どうも我が国の外交当局と政権与党は、約束通り滞在期間が過ぎたら、彼らを北朝鮮に返すつもりだったらしい。当時、官房長官だった安倍現首相は、その当局、政府の方針に強硬に反対して彼らを引きとどめたと、これまで述べてきた。それが、彼の国民的評価を高め、のちに首相にまで上り詰めるきっかけを与えた。ところが蓮池徹氏が、彼のその言動はウソであると著書で記した。

先日、国会で、この件を追及された安倍首相は、自分の言うことが偽りであるならば、議員辞職すると息巻いた。で、その件はそれでお仕舞になったかのようだったが・・・。

先日、札幌市議会で品のない野次を野党議員に飛ばし、陳謝した自民党の長老議員がいた。その市議会議員が、自身のブログで、安倍首相が拉致被害者の帰国問題について語った内容をアップしており、その文章がネット上で明らかにされた。それは、安倍首相がこれまで語ってきたことと真逆の内容だった。こちら

さて、安倍首相は議員辞職するのだろうか。

首相の言葉として、あまりにかるい。

民主党政権への失望を超えて 

民主党政権には、大きな期待を国民は抱いた。だが、結果としてマニフェストの多くは実行されず、国民は失望させられた。それは事実だ。

だが、同政権の行おうとしたこと、行ったことがすべて間違っていた、不完全だったかというと、そうでもない。税制の面で、寄付金控除税制、税金納付に関わる国民の不服審査等は、新たに制度設計されたり、改善した。生活保護、障碍者福祉、子ども手当等も自民党政権時代よりはよほどましになった。国民の視点から、様々な改革を行おうとした姿勢は確かにあった。

自民党が民主党を貶めるために、原発事故の際の民主党政権の対応がずさんだったとしばしば述べられる。だが、根本的には、原発村の安全神話によって、深刻事故への備えが全く行われてこなかったことこそが問題だった。菅首相とその政権の対応の問題は些末なものに過ぎない。もしどうしても、民主党政権の対応に問題があるというなら、2006年当時の安倍首相が原発の深刻事故を想定する必要はないと国会で断定した責任こそ問われるべきなのだ。

民主党政権は、官僚への対応を誤り、彼らの実質的なサボタージュ・離反に遭った。また、マニフェストの項目の財政基盤について詰めが甘かったことも否めない。政権が誕生すると間もなくして新たな族議員が生まれ、様々な利害関係者の間で新たな政策を打ち出し、実行することが難しくなった。だが、一方、現政権、財界、それに電通をはじめとするマスメディア勢の故意に民主党政権を貶める誤った宣伝が蔓延したことは事実だ。民主党政権に正当な評価を与えるべきだ。

今度の選挙は、国の形を決定的な形で変える選挙になる。自民党は、改憲は俎上にのせないかのようなことを言っているが、本心は、憲法改悪にこそある。自民党の憲法草案を是非一度じっくり読んでみて頂きたい。国民主権・基本的人権尊重がすっぽり抜け落ちた内容になっている。国民主権、基本的人権は、国家の意思により疎かにされる。自衛隊は、軍隊化され、集団的自衛権の名のもとに世界中どこにでもでかけて武力行使する組織になる。権力の暴走を防ぐはずの憲法が、国家権力が国民をしばるもにに変化している。自民党の改憲案が通ってからでは後戻りができない。

民進党は、現実に立脚しつつ、立憲政治を維持し民主主義に基づく福祉国家を目指す政策を打ち出してもらいたい。立憲政治を掲げ、平和憲法を守る勢力をぜひとも伸ばさなくてはならない。


以下、引用~~~

民進党の岡田代表、結党の意気込み語る
2016年3月31日(木)23時21分配信 読売新聞

 民進党の岡田代表は31日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、「自民党の『1強』時代ができる大きな危機感を持っている。

 民進党でとにかく(政権交代を)やり遂げる。これ以上、分裂することは、国民は絶対に許さない」と結党の意気込みを語った。維新の党との合流効果については、「民主党は与党になった後、改革色が弱くなっていた。それをもう1回注入してもらえる」と強調した。

 一方、民主党政権時代を振り返り、「マニフェストが非常に過大だった。正直にきちんと出来ることが書いてあれば、あれだけ失望を招くことはなかった」と反省の弁を述べた。

煩雑極まる診療報酬制度 

2年毎、4月に、診療報酬改定が行われる。行政も大変だろうが、医療機関側はそれ以上に大変だ。診療報酬改定内容が行政から示されるのが、いつも3月下旬ぎりぎりになってから。私自身、いつもてんてこ舞いさせられていた。あの行政から一方的に提示される改訂にお付き合いしないで済むようになり、本当に清々した気分だ。

だが、現役の医師、医療機関にとっては、この改訂に対して「日」の単位で対応を迫られる状況は続く。今回の新たな診療報酬点数表を見せてもらった。A4版の大きさで厚さが5cmにもなろうという巨大な本。細かい字でぎっしり書き込まれている。細分化した医療に対応し、診療報酬という手段で医療行政の目的を達成しようという行政の意図により、これだけ「浩瀚な」点数表が出来上がっている、ということは多少は理解できないでもない。だが、それにしてもあまりに細かく煩雑だ。さらに、内容が分かりにくい。行政特有の回りくどい書き方、さらに様々な条件づけが巡らされている。この改訂された点数を理解するための説明会があちこちで開かれているが、それだけでは間に合わず、また診療の実際に適合しない、または解釈が不可能な項目が出てくるので、後講釈が行われることが多い。しばらくは疑義について行政から適宜回答が出され、医療機関側は必死にそれに対応することになる。

これだけ詳細・煩雑な診療報酬体系は、医療をある方向に向かわせるための行政手法として致し方のない面があるとは言ったが、この煩雑さの理由は別なところにありそうだ。診療報酬制度はすでに制度疲労を起こしているような気がしてならない。

診療報酬改訂により新たに制定・改訂された医療制度が、実際どれだけの効果生んでいるのか、後になってきちんと総括されたという話を全く聞かない。多くの場合、より少ない医療費で、より効率的かつ良質の医療をもたらすことを目的に、そうした医療制度が作られるのだろう。が、その効果、それに医療現場、患者に与える悪影響について、きちんと反省している様子がない。どう考えても、医療の特定職種に利益・便宜を施すことしか考えていない改訂がしょっちゅうみられる。診療報酬改訂による医療費の変化があらかじめ報道されるが、どう考えても医療現場では算定できない項目が作られ、それが診療報酬が増える根拠になっていたりする。こうした診療報酬改訂を通した医療制度の変更について、第三者がその効果、影響を検証すべきではないだろうか。

例えば、特定職種だけへの配慮の一例として、ジェネリックの特定の薬剤を処方する場合の処方箋記載の要求がある。特定のジェネリックを処方する理由を、処方医は処方箋に記載することが求められることになったのだ。同一一般名のジェネリックであったとしても、それが複数の種類ある場合、効果、副作用、それに信頼性等で異なることは臨床的にしばしば経験した。だが、そのようなことは理由にはならないらしい。処方箋にそのケース特有の理由を記さなければならないのだ。実際上、その理由の記載は臨床現場では困難だろう。これは、実際上、医師からジェネリックの選択権を奪うことに他ならない。で、優れたジェネリックを処方される権利を奪われるのは患者だ。この制度によって唯一利益・便宜を得るのは、薬局だ。在庫の薬剤が、本来処方されるべき薬剤ではないとしても、在庫品を患者に渡すことができるわけだ。絶好調の経営状態の薬局チェーンには、おそらく多数の厚労省のOBが天下りしていることは疑いがない。

このようにおかしな制度・規定がしょっちゅう見受けられる。だが、行政は瑕疵があったとしても、後から検証されず、責任を取ることもない。

より効率的で適正な医療を、より少ない医療費で実現する、という目的は、あくまで名目上のことなのだ。医療現場以外からの様々な意図が入り込み、診療報酬制度は、さらに複雑怪奇になって行く。その内診療報酬点数表は分冊化されることだろう。

自衛のための核武装? 

核兵器を我が国が保持し、使用することを妨げるものはない、という政府の見解が出された。

第二次世界大戦で広島・長崎に原爆が米軍により投下され、20万人近い命が失われ、その後も放射能障害により多くの方が苦しんできた。その経験をもとに、核兵器の悲惨さ、非人間性を世界に訴えることが、我が国の使命ではなかったのか。

現実問題として、自衛のための必要最小限度の核兵器とは一体何なのだ。集団的自衛権でも乱用される「必要最小限度」という形容は、主観的、相対的なものでしかない。一旦、核武装をしたら、軍拡のレースに乗ってしまい、際限がなくなる。限度があるというのは詭弁に過ぎない。核武装したら、敵対する国家に核攻撃をしかける口実を与える。それを防ぐためには、敵対国家の核武装を超える核武装をする必要が出てくる。

さらに、もっと理解できないのは、自衛のために核兵器を使用するというオプションだ。自衛ということは日本国内、ないし近海で用いると言うことか。この狭い国土をさらに放射能に汚染させるつもりなのか。国民を放射能汚染にさらすつもりなのか。核兵器は自国では使用できない。もっぱら、他国への攻撃、脅しに用いる兵器だ。

核武装のバランスという、恐怖の均衡は、きわめて不安定なもので、常に軍拡へのモーメントを持つ。現実の国際政治の世界でも信頼のおける有効な手立てではない。

そもそも1950年代に核エネルギーの利用への道を歩みだしてから、原発から大量のプルトニウムが出され、それを保有してきた。一部の保守政治家は、我が国の核武装化を自前のプルトニウムで行うことを考えているという噂があった。安倍政権は、我が国を軍事国家化する道を歩みだした。核武装も考慮しているのだろう。

横畠裕介内閣法制局長官は、安倍の言いなりだ。行政府にあって、常に時がたっても変わらぬ良心の府であった内閣法制局を政権の道具に貶めた責任は重い。自らの権力のために、安倍政権は国の構造を無理やり捻じ曲げている。

このニュース、エイプリルフールかと一瞬思ったが、どうやら悪夢が実現するということらしい。


以下、引用~~~

憲法は核使用禁じず=「必要最小限度内なら」-政府答弁書
2016年4月1日(金)11時54分配信 時事通信

 政府は1日午前の閣議で、「憲法9条は一切の核兵器の保有および使用をおよそ禁止しているわけではない」とする答弁書を決定した。鈴木貴子衆院議員(無所属)の質問主意書に答えた。横畠裕介内閣法制局長官は既に国会で「憲法上、あらゆる核兵器の使用が禁止されているとは考えていない」と答弁しており、これを改めて裏付けた。
 答弁書は、「自衛のための必要最小限度の実力保持は憲法9条でも禁止されているわけではなく、核兵器であっても、仮にそのような限度にとどまるものがあるとすれば、保有することは必ずしも憲法の禁止するところではない」と指摘。 

厚生強制労働省 

かかりつけ薬剤師、何とも人権無視かつ強制労働的な制度である。かかりつけ小児科医も大同小異の制度だ。

24時間365日の労働を強制するのは、働く人々の人権、健康を守るはずの厚労省だ。この制度を設計した官僚は、24時間、365日労働者を拘束するという意味が分かっているのか。

彼らは、こんな現実離れした強制労働を受け入れる薬剤師、小児科医はまずいないだろうと踏んでいるはずだ。

この制度の目的は、この制度を一定程度の薬局・薬剤師が採用すると仮定して、今回の診療報酬を名目上底上げすることだろう。実質、こんなブラックの制度を採用する者はいないはず。それで、実質診療報酬削減ができるというわけだ。

さらに、この論考にもあるように、この制度は懲罰的な大幅な診療報酬減がセットになっている。これも凄まじい。

厚労省は、厚生強制労働省と名前を改めたらよいだろう。こんな制度設計をする人間は一体どんな頭をしているのだろうか。


以下、引用~~~

もはやブラック、かかりつけ薬剤師制度が過酷すぎる ~24時間相談に応じて患者の服薬状況を管理~

この原稿はJBPRESSからの転載です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46190

武蔵浦和メディカルセンター
ただともひろ胃腸科肛門科
多田 智裕

2016年3月29日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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2月10日、厚生労働省中央社会保険医療協議会は2016年4月からの診療報酬改定を答申しました。
診療報酬の高い急性期病院の要件の厳格化や、紹介状なしの大病院受診の際に初診で1回あたり5000円、再診で1回あたり2500円の自己負担を導入することなどが盛り込まれています。
それ以外に、私が今回の改訂の中で特に目玉だと思うのは、「かかりつけ薬剤師」制度の新設です。

●薬剤師が医師の判断をサポート
厚労省の答申によると、以下がかかりつけ薬剤師の仕事となります(かかりつけ薬剤師指導料は70点=700円)。
(1)薬剤服用歴管理指導料に係る業務
(2)患者が受診している全ての保険医療機関、服用薬等の情報を把握
(3)当該患者から24時間相談に応じる体制を取る
(4)調剤後も患者の服薬状況、指導等の内容を処方医に情報提供し、必要に応じて処方提案
(5)必要に応じて患家を訪問して服用薬の整理
つまり、一定の経験を持つ薬剤師が、複数の診療科や病院・診療所などから処方されている薬を全て把握したうえで薬剤指導を行い、その結果を処方した医師に報告し、処方の提案も行う、ということです。

ポイントは、自分の薬局で調剤した薬剤だけではなく、他で処方されているもの、処方以外のサプリメントなどの内服まで含めて薬剤指導を行うということでしょう。また、その結果を「処方医に情報提供し、必要に応じての処方提案」ともあります。薬理相互作用に詳しい薬剤師が、患者の服薬状況を医師に報告して判断のサポートを行えば、医療の質が向上することは間違いないでしょう。
かかりつけ薬剤師制度は、理念としては決して間違ってはいません。しかし、この制度は大きな問題を抱えています。おそらく今後1年以内に修正されることが必至の“ブラック”制度なのです。

●調剤後の状況を処方医に情報提供するメリットとは?
薬理相互作用などは医師であれば一通りは把握していますが、薬剤師の方が詳しい知識を持っていることも少なくはありません。
一例を挙げると、便秘に対して処方される、酸化マグネシウムという便を柔らかくする薬があります。この、酸化マグネシウムの薬理機序(メカニズム)は、“胃で胃酸と反応して、塩化マグネシウム”となり、その後、“膵液と反応して、腸内で吸収されにくい炭酸マグネシウム”となり、その浸透圧維持の ため腸壁から水分を吸収して便を柔らかくするというものです。

ポイントは、まず“胃酸と反応”して、その後に膵液と反応して炭酸マグネシウムに変化することです。ですから、酸化マグネシウムは胃酸を抑える薬と一緒に処方されると、効果が減弱することがあります。
しかし、胃痛と便秘の両方の訴えがある方に、両方の薬を同時に処方されている事例はしばしばあります。
薬剤師が、このような薬理作用を把握した上で、調剤後の服薬状況とその結果を処方医に報告し、必要に応じて処方提案することで、医療の質の向上が見込まれます。

●「24時間対応」という時点でそもそも実現不可能
しかし、その一方でこのかかりつけ薬剤師制度には大きな欠陥があります。それは「24時間対応」という条件です。
個人ないし数名の薬剤師で運営している薬局にとって、24時間対応は、はっきり言って持続不可能です。
振り返れば2012年4月には、診療所が常時24時間365日患者からの電話による問い合わせに対応する体制を取ると「1人当たり5点(50円)」の加算が算定できるという「時間外対応加算」制度が始まりました(「どう考えても継続不可能、『50円』で医師が24時間対応する制度」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34883)。しかし、この24時間の時間外対応加算を算定している診療所は2015年度のデーターで全国10万件の診療所のうち、わずか152件(!)に過ぎません。

医師が1~2人で24時間電話問い合わせに応じるのは、肉体的に持続困難なのです。
同様に、2014年4月の保険改訂で目玉の1つとされた、200症未満の病院および診療所を対象とした「地域包括診療料」(24時間体制の在宅診療を行うことに対する報酬)も、届け出施設はわずか122施設(診療所109、病院13)しかありません。
病院や3名以上の常勤医がいる診療所においても、24時間態勢での対応は人員的に実現困難なのです。
かかりつけ薬剤師制度は、確かに十分に活用すれば医療の質の向上につながるはずです。しかし、要件に「24時間相談に応じる体制を取る」という項目が入っているため、形だけの制度となってしまう可能性が大きいのです。

●「ブラック」と言うしかない懲罰的減額セット
話はそれだけでは済みません、今回のかかりつけ薬剤師制度には、これまでの「時間外対応加算」や「地域包括診療料」とは決定的に違う点が1つあります。それは、懲罰的な減額がセットになっていることです。
つまり、2017年4月1日から、「かかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務を1年実施していない保険薬局」の場合、調剤基本料の50%の額しか算定できなくなる、というのです。
薬剤師が患者の服薬状況をチェックして、医師に処方サポートの情報を報告することで医療の質向上が見込めるのは間違いありません。しかし、個人や小規模薬局ではほぼ持続不可能な24時間対応をしなければ報酬を半額にするというやり方は、「ブラック」と言われても仕方がありません。
24時間対応は輪番制でも可とする、ないしは、都道府県単位などで一括してコールセンターを設置して、そこでまとめて対応するなど、実現可能な制度に早急に修正することが必要です。このまま推し進めては、薬剤師の疲弊を加速するだけで、良いことは何もないでしょう。