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 2016年12月 

年末に 

最近再開した散歩、夕闇迫る田舎道を歩いて、夕食のサラダを作り、ビールを一杯呑んだ。あと一日で、今年も終わり。その感想を思いつくままに。

一月に白内障の手術を受けたのが、私にとって、まず今年第一のイヴェントであった。白内障の外来手術とはいえ、患者になるのは初めてのこと。患者としていろいろ学んだ。最終的に、医師への信頼が一番大切なことだ。現状の医療制度では、なかなか医師と意思疎通するだけの時間が外来診療で得られないことを改めて知った。でも、眼科医の主治医にはよくして頂いた。家族にも感謝であった。

目が良く見えるようになり、目の前の譜面がしっかり読めることに感動。また、俄然チェロを熱心に弾くようになった。手術前は、フラットとシャープの区別がつかたかったのだ。1月に、いつものお二人にお相手頂き、都内某所でブラームスのピアノトリオ2番2楽章だけを演奏。バイオリニストのTさんが、妊娠なさり、それ以降、このトリオは休眠に入った。Tさんには8月に、かわいい女児が誕生。まるで孫のよう・・・。その後、都内のオケ二か所に顔を出し、昔懐かしいベト1とドボ8を、練習だけであったが演奏することができた。しかし、チェロを抱えて都内に出かける体力がもうないこと、オケでフルに活動するだけの能力が残っていないことを痛感、今後はオケには参加するのは控えることにした。好きな曲を練習することにした。

音楽を聴く者としての収穫は、今年は、マーラーの9番、それにバッハのミサ曲ロ短調。マラ9は、その終楽章に現れる、yiddesh調の旋律が忘れられない。寂寞感というか、この世のものと思えぬ音楽というか、こころをとらえて離さない。ワルターによるマーラーの伝記も併せて読み、彼が音楽に救いを求めて苦闘したことを改めて知った。バッハのミサ曲ロ短調、正直に言うと以前は抹香くさい音楽のように思っていたが・・・あの典礼文が、そうした固定観念をを与えたのだ・・・あの典礼文にも歴史があることを知ったこと、バッハが結果的に一つの集大成としてこの音楽を作曲したことに改めて感動する。クリストフ ウォルフ著、磯山唯訳「バッハ ロ短調ミサ曲」に教えれられること大だった。同じ著者、訳者による「モーツァルト 最後の四年」もとても興味深い著作だ。モーツァルトが、最後の四年にさらに飛翔を目指していたことを教えられた。モーツァルトの初期の弦楽四重奏曲にこころ癒される。

政治経済に関する本を幾つか読んだ。水野和夫氏の「株式会社の終焉」が印象に残る。現在の資本主義体制が、壁にぶつかっていることを、歴史的、かつ経済理論の上から説き起こしたスケールの大きな著作。矢部宏治著「日本はなぜ「戦争ができる国」になったのか」も、日本の戦後政治を総括した好著だった。沖縄で進行していることが、本当は日本全体を覆う事態であることを、我々は知る必要がある。孫崎享著「21世紀の戦争と平和」も、安保法制によって、わが国が戦争へと突き進む状況を端的に記し、それにどう対処すべきかを指し示す本である。国際関係論的な視野を深めてくれた。神谷美恵子のエッセーを読み直し、こころ洗われる思いになった。医学、とくに精神医学をこころざした時代を思い起こさせてくれた。

アマチュア無線では、夏に、いくつかお目にかかり旧交を深め、また新たにお目にかかった方々がいた。HL2DC Lee、昔通りに律儀な方だった。9V1VV John、飄々とした人柄は昔のまま、奥様、息子さんにもお目にかかれた。Bob W6CYXのお嬢さん、Teresaと孫娘のLaura、初対面だったが、いろいろなお話を伺えた。とても利発そうなお二人だった。ハムフェアでは、主にCWで親しくさせて頂いている方々と昼食を共にした。無線の上では・・・少しactivityが下がっているようだ。夕方7メガで電波を出すが、応答が極端に減っている。夜遅く、西海岸に開け、お馴染みが出てくることもあるが、やはり皆活発ではない。年末に海外の無線の友人たちに挨拶状を送るのだが、ただワッチしていることが多いという返信を何人からか頂いた。とくに会話を楽しむCWは、終焉の時期にきているのかもしれない。それでも、できる範囲でCQを出し続ける積りだ。

このブログ、つけ始めて丸10年経った。ひと昔である。昔の記述を読み返すと、今よりも元気があったと改めて思う。現在使用中の714Xをくみ上げる準備を、毎朝、寒いなか行っていたのだった。そして、大野病院事件。ネットの医療関係者のサイト、ブログが熱く燃えていた。もうこのブログもだいぶマンネリになりつつあるような気もする。同じタイトルで同じようなことを記したりしている。だが、もうすぐ、100万アクセスになる。このようなブログにも定期的に訪れて下さる方がいることに感謝である。まだ、もう少し続けて、世の中がどのようになってゆくのか見届け、感想を記し続けたい。皆さまが健康を守られ、良い新年を迎えられますように。

福島県小児甲状腺がん検診 二巡目結果 

福島県小児甲状腺がんの検診「二巡目」で、甲状腺がん、がん疑いが68名に達した。

県民健康検査検討委員会は、放射能被曝の影響とは考えられないと述べている。

こちらに、ローデータが掲載されている。

上記検討委員会は、これらの症例は、いわゆるスクリーニング効果でたまたま見出されたものという立場のようだが、それに対して検討委員会内部でも異論があったようだ。スクリーニング効果論に対する反論は、こちらのサイトにまとめられている。

福島県の小児がん検診、治療の中心にいる、福島県立医大鈴木教授等は、この68名中44名にすでに手術を施している。もし、検診で見出された甲状腺がん症例が、スクリーニング効果によるものであるとするならば、予後が良好であるはずの症例に手術を積極的に行っていることになる。手術適応に関して問題はないのだろうか。また、鈴木教授が、症例の臨床所見を公表していないことも、大きな問題だろう。

一巡目の検診で診断されなかったものが、二巡目の検診で診断された。それは、一巡目から二巡目の間に発生したがん、がんの疑い症例ということだ。根拠なくスクリーニング効果と断定するのではなく、同様の検診を今後とも続けるべきである。

検診規模を縮小すべきという提言の問題;

小児甲状腺がんの検診を規模縮小する、即ち希望者を対象にして行うようにすべきだと、二つの組織が、福島県に対して提言した。

一つは、日本財団理事長が委員長を務めた第五回「放射線と健康についての福島国際専門家会議」である。ここでも、ヨーロッパの研究者等から異論が出たが、検診の規模縮小を提言した。先のポストに記した。

もう一つは、上記の件健康検査検討委員会である。その委員長は、星総合病院理事長星北斗氏である。星氏のその縮小論には、検討委員会でも異論が相次いだらしい。星氏は、医学部卒業後すぐに厚生省(当時)の医系技官になっている。彼の経歴からすると、臨床の経験が殆どないように思われる。行政畑出身のこのような人物が、臨床的に重大な意味のある検診縮小を提言することに、大きな違和感を感じる。被曝した子供たちのことを第一に考えていないのではないか。むしろ原発事故を引き起こした組織・当事者の立場に立っているのではないか、という懸念だ。

二巡目の検診で、これだけの甲状腺がん、その疑い症例がでたのだから、繰り返しになるが、検診は続けるべきである。そして、詳細な情報を公開すべきである。

以下、引用~~~

甲状腺がん…計44人に、2巡目検査で新たに10人 県民健康調査
16/12/29記事:福島民友新聞

 県と福島医大は27日に開かれた県民健康調査検討委員会で、原発事故発生時18歳以下の県民を対象とした甲状腺検査を巡り、2巡目の本格検査(9月末現在)で新たに10人が甲状腺がんと診断され、累計44人になったと報告した。がんの疑いは24人。
 
 「がん」や「がん疑い」は前回報告(6月末時点)から9人増の計68人で、このうち62人が1巡目の先行検査で「問題なし」と診断されていた。検討委は「現時点で放射線の影響は考えにくい」と従来と同様の見解を示している。
 
 検査では原発事故直後から3年目までの先行検査と、2014(平成26)年4月から始まった本格検査の結果を比べて放射線影響などを調べる。程度の軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定、BとCが血液や細胞を詳しく調べる2次検査に進む。本格検査は14年度に25市町村、昨年度は34市町村で行い、約27万人が受診した。
 
 「がん」や「がん疑い」と診断された68人のうち62人が先行検査でA1、A2と診断され、5人がB判定、先行検査未受診が1人だった。68人の内訳は男性31人、女性37人で腫瘍の大きさは5.3〜35.6ミリで事故当時の年齢は5〜18歳。このうち事故から4カ月間の外部被ばく線量が推計できたのは35人で最大値が2.1ミリシーベルト、15人が1ミリシーベルト未満だった(繰り返し以前から述べているが、事故直後の外部被ばく量のデータはない。さらに、それ以降は外部被ばくではなく、内部被ばく量(甲状腺等価線量)が問題になるはずだが、この検診では検討されていない;ブログ主)。
 
 約30万人が受診した先行検査と合わせ、これまでに「がん」と診断されたのは計145人、「がん疑い」は38人となった。

年金受給開始年齢が引き上げられそうだ 

しばらく前に、年金受給資格が「10年間以上の加入」に緩和された。政府は大盤振る舞いしたな、と思っていた。

そうしたら、高齢者の定義を70歳以上に引き上げる、というニュースが飛び込んできた。この定義に従って、年金受給年齢を徐々に75歳程度まで引き上げるのではないだろうか。とすれば、「10年間以上年金に加入していれば、受給資格が得られる」という政策は、大盤振る舞いでも何でもないことになる。ただ単に、年金加入者を増やす手段ということだろう。

現在国民年金の納付率は約6割20歳代だと、2から3割にまで下がる。納付していない人々が仮に納付することになったとしても、その9割が納付の減免ないし免除対象になるという。国民年金は、すでに実質破たんしている。厚生年金も、徐々にその財政状況は、高齢化の進展に伴い悪化するはずだ。

そこで、上記の通り、受給年齢引き上げによって、給付総額を減らす方針が出てきたのだろう。賃金の減少に合わせて、年金額を下げることも、先ごろ国会を通過した法案で実現している。受給年齢引き上げは、ただ単に年金を高齢になるまでもらえないだけでなく、その年齢まで年金保険料を支払い続けなければならないことを意味する。

もし年金給付開始年齢が75歳にまで引き上げられると、健康年齢の平均が70歳前後であるから、数年間は病気をおしてでも払い続けることになるのか。また、平均寿命は80歳前後だから、大多数の方が年金をもらえるのは数年間だけということになりかねない。

私は、年金の受給資格を厳しくし、給付を減らすことは、現在の年金財政では仕方ないと思う。だが、それと同時に行うべきことが幾つもある。

一つは、高齢化が到来することはとっくに予測されていたのに、こうした事態に至るまで放置した責任を明確にすること。特に、積み立て方式がいつの間にか賦課方式に変えられていたこと、さらに年金基金を貪った天下り団体がかってあったこと、その責任を明確にすることが必要だ。高度成長期に、高齢化人口減少社会を見据えて、年金財政の面の準備をすべきであったのに、何もしてこなかったことは、当時の政権政治家・官僚の失態だ。

二つ目は、国民年金に税をもっとつぎ込むことだ。国民年金だけでは生活できないのは明白であり、税金によってその額を増やさないと、結局、生活保護等の社会的なコストが多くなる。

三つ目、議員たちは、議員年金を再び実現しようとしている。これは絶対反対だ。議員年金を確保したら、国民の年金問題を議員は自分の問題として考えなくなる。国民の年金の枠内で彼らも年金を受給すべきだ。

四つ目、国の税金の使い道をもう一度考え直す必要がある。防衛予算が毎年増やされている。国内経済の退縮を考えると大きな伸びだ。特に、「米国政府の言いなりの値段で」高額な武器・軍事機器を購入していることに対処すべきだろう。米国の世界戦略に積極的にコミットする政策も、財政面から維持できなくなるはずだ。再び増え続ける公共事業も見直すべきだ。それに、現在、政治が監視すべきなのにしていない、官僚の天下り法人への助成金がどれほどあるのだろうか。医療関係の特殊法人も、この数年で雨後の筍のように増え続けている。海外へのODA、援助の類も今のまま続けるべきではない。

五つ目、タックスヘヴンの問題。今年春大きな話題になったパナマ文書で示唆された、税金逃れの海外投資を徹底的に洗い出すべきだ。その後の報道では、オフショアの口座の大多数は、偽名ないし個人情報の盗用によるものらしい。それ自体犯罪行為だ。それを政府は追及すべきだが、何も追及する気配はない。企業役員、官僚、政治家が、税金を逃れて蓄財している可能性があるのではないか。

六つ目、大企業が恩恵を被る法人税減税を元に戻すこと。むしろ増税すべきだ。大企業は、すでに様々な税の控除の恩恵を受けており、諸外国と比べて、公的な負担は決して高くない。大企業の内部留保は、400兆円に達している。その一方で、公的な負担を軽減され続けている。適切な法人課税で、年金財政のハードランディングを避けることができる。

現在の高齢者たちは、年金に依存しなくても生活できるのだろうか。このまま政権政治家と官僚が年金をずたずたにするのを見過ごして良いはずがないと思うのだが・・・。

以下、引用~~~

高齢者「70歳以上に」 内閣府、定義引き上げ提言
2016/12/20 1:22日本経済新聞 電子版

 内閣府は技術革新などがなされない場合、2030年には生産年齢人口が1%減少し、日本で低成長が定常化するとした分析をまとめた。高齢者の定義を70歳以上に引き上げることも提案。定年延長や、医療や介護サービスで、高所得の高齢者の負担を増やすといった施策を想定する。構造改革の基本的考え方として、政府の経済政策に反映させる。

誰が何のために和解するのか? 

安倍首相の真珠湾での演説を書き起こされたもの、虚心坦懐に読んでみた。

和解とは、何か紛争、離反があることが前提である。

安倍首相は、何を和解しようと言いたかったのだろうか。

どうも真珠湾攻撃自体、それから始まる太平洋戦争が和解の対象らしいのだが、それらの事象の主体が不明だ。また、そうした歴史がなぜ生じたのかも明らかでない。彼は、第二次世界大戦はわが国が外国を侵略したものではない、という立場に立つ。それの帰結は、東京裁判、サンフランシスコ講和条約の否定だ。その立場は、米国の立場と鋭く対立する。内外の歴史学者・文化人が安倍首相に公開質問状を送り質したように、中国・東南アジアの国々との和解をしないのか。

さらに、現状で日米間に何らかの軋轢があって、それを和解するという意味があるのか。日米安保条約、日米地位協定という枠組みで、わが国は米国に隷属する関係にある。沖縄では人々が辺野古への基地移転を反対しているのに、それを強行しようとしている。新たにできる基地は、200年は持つだろうと言われている。国土の0.6%にすぎぬ沖縄の土地に、日本全国の米軍基地の7割を押し付けておいて、さらに基地を永続化しようとしている。そうした米国への隷属関係をそのままに、何の和解なのか。

こうしたあいまいな形で、誰が何のためにかを示さずに、ただ和解するというのは、誤魔化しではないか。美辞麗句が連なっているが、和解の主体、理由が不明で、その演説に接する者の感情にだけ訴えかけようとする内容であることが分かる。これは、post truthの政治家の常套的な演説手法だ。物事の本質は捨て置いて、ただ感情に訴える。それにまんまと乗せられる大衆がいる。

昨夕のテレビニュースをちらちらと見ていると、この真珠湾訪問、そしてこの演説の「意義」を持ち上げる報道一色だ。なぜこれほどまでに無意味な演説の問題を指摘するマスメディアがないのだろうか。

安倍首相がハワイに出発する直前、マスコミの記者たちと恒例の「忘年会」を開いたらしい。忘年会の費用は、国費で賄われている。




Don W4WJ、 Dale W4QM 

1980年代、Dale W4QMが、一頃VQ9QMとしてactiveに出ていた。私がちょうどFOCに入るか、入らないかというころだった。彼はすでにFOCのメンバーだった。CONDXも太陽活動の最盛期ちかくでとても良かった。DXに狂っていた私には、10mと80mが未開拓のバンドだった。ある時、20か15mだったと思うが、Daleに会った際に、その二つのバンドでVQ9がバンドニューだと言うと、彼はでは両バンドだけではなく、すべてのバンドで私を呼ぶからと、10mから順繰りに降りて行った。夕方だったと思う。たしか、40mまでは順当に来たが、80mはさすがにだめで、すぐあとにskedを組んで頂いた。そしてめでたく5バンドでVQ9との交信を完成・・・といっても、5BDXCCを申請することはなかったのだが・・・80mのアフリカは貴重だった。

もう10年以上前か、Daleはactivityを保てなくなったからと、FOCのメンバーシップをassociateに変えた。どうした事情だったのかとずっと気になっていた。

先日、Don W4WJとお会いした時に、そのころDonがDaleと同じフロリダ在住で、かつお二人ともFOCメンバーであったことを知り、Daleを知っているかと尋ねた。もちろん、よく知っている、FOCのスポンサーの一人がDaleだったと教えてくれた。私との交信の直後にDaleに電話をしてくれた。

Daleは、右手に帯状疱疹ができており、その痛みのためにキーイングができない、また奥様の体調が悪く、その介護をずっとしている、と話を伺った由、Donが報告してくれた。Daleももうすぐ90歳だ。

これは、1976年、DonがFOCに加入した直後にDaleを訪れた時の写真。立っているのがDon。FOCロゴ入りのTシャツを着ている。当時付き合っていた、絵描きのガールフレンドがシャツに描いてくれた由。Daleのリグは、古き懐かしきコーリンズではないか・・・。

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Donが送ってくれたこの画像をFacebookにアップしたところ、たくさんのold timersからコメントを頂いた。W8KJP、N8DE、K1JD、W1YL等々。皆、昔Daleとよく交信したということだ。

Daleの信号を聞くことはもうないかもしれない。Daleが、痛みに悩まされない平和な日々を送れますようにと祈りたい。



福島での小児甲状腺がん検診の縮小はするべきではない 

甲状腺検診について益川敏英氏等が、福島県知事に行った申し入れの文章。

政官業からなる原子力村は、福島第一原発事故による被曝の影響を過小評価させたくて仕方ないようだ。

福島では、内部被ばくがチェルノブイリに比べて少ないことは分かっているが、事故当初のI131による被曝の正確な量は分かっていない。検診の二巡目で多くの患者が見つかっていることは、新たに患者が発生していることを示唆する。陰性コントロールを立てて、しっかりした方針のもと、放射能被曝に感受性の高い小児について検診を続けるべきである。

以下、申し入れを引用~~~

福島県知事への申し入れ 

甲状腺検診は「自主参加」による縮小でなく、拡大・充実すべきです

2016年12月20日

呼びかけ人
 益川敏英 名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構長
 池内 了 総合研究大学院大学名誉教授
 沢田昭二 名古屋大学名誉教授
 島薗 進 上智大学教授
 矢ヶ崎克馬 琉球大学名誉教授
 松崎道幸 道北勤医協旭川北医院院長
 宮地正人 東京大学名誉教授
 田代真人 低線量被曝と健康プロジェクト代表(事務局)

 笹川陽平 日本財団会長(委員長)、喜多悦子 笹川記念保健協力財団理事長、丹羽太貫 放射線影響研究所理事長、山下俊一 長崎大学理事・副学長、Jacques Lochard 国際放射線防護委員会副委員長、Geraldine Anne Thomas インペリアル・カレッジ・ロンドン教授らは2016年12月9日、第 5 回放射線と健康についての福島国際専門家会議の名で、「福島における甲状腺課題の解決に向けて~チェルノブイリ 30 周年の教訓を福島原発事故 5 年に活かす~」と題する「提言」を福島県知事に提出しました。
 東日本大震災による福島第一原発事故と小児甲状腺がんの関連を検討するために行われてきた小児の甲状腺検診で、これまで170名以上の小児甲状腺がんおよびその疑い例が発見されています。
「提言」の要は、「検診プログラムについてのリスクと便益、そして費用対効果」の面から、「甲状腺検診プログラムは自主参加であるべきである」という事です。「提言」は、あれこれの理由をあげて「甲状腺異常の増加は、原発事故による放射線被ばくの影響ではなく、検診効果による」などと述べています。
 私たちは、以下に示した諸点の検討結果から、福島県民健康管理調査において発見された小児甲状腺がんが、専門家の間でも様々な意見があるものの、放射線被ばくによって発生した可能性を否定できないこと、そして、今後の推移を見る事が重要で、甲状腺検診を今まで以上にしっかりと充実・拡大して継続する必要があると考えます。
 検診は2011年10月から始まりました。発がんまでは数年かかるという前提で、事前に自然発生の甲状腺がんの有病率を把握する目的で先行調査が開始されました。その結果、予想以上に甲状腺がん有病者が発見されましたが、今後は本来の目的である事故による影響で、甲状腺がんの増加の有無を調査するために検診は継続すべきです。検査を縮小すべき医学的な根拠はありません。検診の原則の一つはハイリスクグループを対象とすることです。今回の福島原発事故による放射性ヨウ素による被曝は検診対象となるハイリスクグループの子供達を生み出したものであり、検診は継続すべきです。
 放射線誘発悪性新生物の発生は医学的には長期的に続くものと考えられており、今後も長期的な検査体制の続行が望まれます。事故後6年を経過しようとしていますが、高校を卒業し就職したり大学に進学したりして福島県外に出る18歳以上の人達も県外で甲状腺の検査が受けられるような処遇・体制の整備が必要です。こうした問題も含めて、国の責任で原発事故の放射線被曝による健康影響を最小限に抑え健康管理を促進するために、福島県とその周辺地域の住民に健康管理手帳の支給を国に申し入れるべきだと考えます。



日本財団の偽善 

フェースブックで、日本財団が「こどもサポートプロジェクト」なる活動のPRを行っていた。六人に一人の貧困小児に援助の手を、という趣旨だ。結構な数の人々が、そのサイトにアクセスし、真摯なコメントを残している。

だが、日本財団は、モーターボートレース(以下、レースと略す)の売り上げから活動資金を得ている団体だ。レースは、一種のギャンブルである。ギャンブルに依存する人々を必然的に生み出している。ギャンブルに依存する方は、中高年に多く、その多くは必然的に貧困に陥る。そうした素性の日本財団が、貧困小児に援助の手を差し伸べようというプログラムの活動を繰り広げるのは違和感がぬぐ得ない。

貧困小児の問題は、親が貧困であるために生じる。公営ギャンブルの問題はもとより、非正規雇用をどんどん増やし、平均賃金は削られてゆく政治の問題が根底にある。そこに切り込まないで、ギャンブルで得たあぶく銭を元手に、慈善活動もどきをやるのは、偽善だ。

日本財団会長笹川陽一が委員長となって、福島第一原発事故後福島県で毎年開催されている集まりがある。「放射線と健康についての福島国際専門家会議」だ。今年、5回目の会議で、被曝小児への甲状腺の定期健診を規模縮小することを福島県知事に提言した。チェルノブイリ事故の研究者をヨーロッパから招いていたが、まだ健診を継続すべきという趣旨の講演を行った彼らはその提言に加わらなかった。福島県は、同会議の提言を受けて、健診の規模を縮小するようだ。これから、被曝の影響が出てくる可能性が高いのに、とんでもないことだ。ノーベル賞受賞の益川氏等が、反対声明を出している(別ポストにアップする)。原子力村は、将来の賠償費用を削減しようと、被曝による健康被害をなるだけ小さく見せかけようと動いている。日本財団のこの会議も、その一部だ。

日本財団は、まるで社会の慈善活動、被爆者を援助する活動を行うと見せかけて、それとは真逆のことを裏で行っている。

安倍首相の真珠湾訪問の意味を問う 

安倍首相が、真珠湾で犠牲者を慰霊し、不戦を誓うという。だが、彼は第二次世界大戦がわが国の侵略戦争であったことを認めない、歴史修正主義者だ。ハルノートの拒否を通して開戦が決定された、太平洋戦争に彼がなにがしかの反省を加えるのであれば、ハルノートが否定していた中国、東南アジアへのわが国の侵略も反省すべきである。だが、安倍首相が目を向けるのは、米国だけだ。そして、侵略戦争であることを認めぬ立場に立ち続けている。

安倍首相の、この真珠湾「慰霊」の旅は、自らの政権の人気取りと、プーチンににじり寄りさらにトランプが次期大統領に決まるや否やトランプにすり寄った外交上の失態を隠蔽することにある。

この愚かな真珠湾訪問の意味を、日米を中心とする世界の学者・文化人が、鋭く安倍首相に問いかけている。


以下、引用~~~

真珠湾訪問にあたっての安倍首相への公開質問状

2016年12月25日

親愛なる安倍首相、

安倍首相は先日、1941年12月8日(日本時間)に日本海軍が米国の海軍基地を攻撃した際の「犠牲者を慰霊する」目的で、12月末にハワイの真珠湾を訪問する計画を発表しました。

実際のところ、その日に日本が攻撃した場所は真珠湾だけではありませんでした。その約1時間前には日本陸軍はマレー半島の北東沿岸を攻撃、同日にはアジア太平洋地域の他の幾つかの英米の植民地や基地を攻撃しています。日本は、中国に対する侵略戦争を続行するために不可欠な石油や他の資源を東南アジアに求めてこれらの攻撃を開始したのです。

米日の開戦の場所をあなたが公式に訪問するのが初めてであることからも、私たちは以下の質問をしたく思います。

1) あなたは、1994年末に、日本の侵略戦争を反省する国会決議に対抗する目的で結成された「終戦五十周年議員連盟」の事務局長代理を務めていました。その結成趣意書には、日本の200万余の戦没者が「日本の自存自衛とアジアの平和」のために命を捧げたとあります。この連盟の1995年4月13日の運動方針では、終戦50周年を記念する国会決議に謝罪や不戦の誓いを入れることを拒否しています。1995年6月8日の声明では、与党の決議案が「侵略的行為」や「植民地支配」を認めていることから賛成できないと表明しています。安倍首相、あなたは今でもこの戦争についてこのような認識をお持ちですか。

2) 2013年4月23日の国会答弁では、首相として「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と答弁しています。ということは、あなたは、連合国およびアジア太平洋諸国に対する戦争と、すでに続行していた対中戦争を侵略戦争とは認めないということでしょうか。

3) あなたは、真珠湾攻撃で亡くなった約2400人の米国人の「慰霊」のために訪問するということです。それなら、中国や、朝鮮半島、他のアジア太平洋諸国、他の連合国における数千万にも上る戦争被害者の「慰霊」にも行く予定はありますか。
首相としてあなたは、憲法9条を再解釈あるいは改定して自衛隊に海外のどこでも戦争ができるようにすることを推進してきました。これがアジア太平洋戦争において日本に被害を受けた国々にどのような合図として映るのか、考えてみてください。

1. Ikuro Anzai, Professor Emeritus, Ritsumeikan University 安斎育郎、立命館大学名誉教授
2. Herbert P. Bix, emeritus professor of history and sociology, Binghamton University, SUNY ハーバート・P・ビックス、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校歴史学・社会学名誉教授
3. Peter van den Dungen, Formerly, Lecturer in Peace Studies, University of Bradford, UK, and general coordinator of the International Network of Museums for Peace ピーター・バン・デン・デュンゲン、元ブラッドフォード大学(英国)平和学教員、世界平和博物館ネットワーク総括コーディネーター
4. Alexis Dudden, Professor of History, University of Connecticut アレクシス・ダディン、コネチカット大学歴史学教授
5. Richard Falk, Albert G. Professor of International Law and Practice, Emeritus, Princeton University リチャード・フォーク、プリンストン大学国際法名誉教授
6. John Feffer, Director, Foreign Policy In Focus, ジョン・フェッファー、「フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス」ディレクター
7. Norma Field, Professor emerita, University of Chicago ノーマ・フィールド、シカゴ大学名誉教授
8. Kay Fischer, Instructor, Ethnic Studies, Chabot Collegeケイ・フィッシャー、シャボット・カレッジ(カリフォルニア州)講師
9. Atsushi Fujioka, Emeritus Professor, Ritsumeikan University 藤岡惇、立命館大学名誉教授
10. Joseph Gerson (PhD), Vice-President, International Peace Bureau ジョセフ・ガーソン、国際平和ビューロー副会長
11. Geoffrey C. Gunn, Emeritus, Nagasaki University ジェフリー・C・ガン、長崎大学名誉教授
12. Kyung Hee Ha, Assistant Professor, Meiji University 河庚希、明治大学特任講師
13. Laura Hein, Professor, Northwestern University ローラ・ハイン、ノースウェスタン大学教授(米国シカゴ)
14. Hirofumi Hayashi, Professor, Kanto Gakuin University 林博史、関東学院大学教授
15. Katsuya Hirano, Associate Professor of History, UCLA平野克弥、カリフォルニア大学ロスアンゼルス校准教授
16. IKEDA Eriko, Chair of the Board, Women's Active Museum on War and Peace(wam) 池田恵理子 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)館長
17. Masaie Ishihara, Professor Emeritus Okinawa International University 石原昌家、沖縄国際大学名誉教授
18. Paul Jobin, Associate Research Fellow, Academia Sinica, Institute of Sociology
ポール・ジョバン 台湾国立中央研究院社会学研究所 アソシエート・リサーチ・フェロー
19. John Junkerman, Documentary Filmmaker ジャン・ユンカーマン、ドキュメンタリー映画監督
20. Nan Kim, Associate Professor, University of Wisconsin-Milwaukee ナン・キム(金永蘭)、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校准教授
21. KIM Puja, Professor of Gender History, Tokyo University of Foreign Studies金 富子、ジェンダー史、東京外国語大学教授
22. Akira Kimura, Professor, Kagoshima University 木村朗、鹿児島大学教授
23. Tomomi Kinukawa, Instructor, San Francisco State University絹川知美、サンフランシスコ州立大学講師
24. Peter Kuznick, Professor of History, American University ピーター・カズニック、アメリカン大学歴史学教授
25. Kwon, Heok-Tae, Professor, Sungkonghoe University, Korea 権赫泰(クォン・ヒョクテ)、韓国・聖公会大学教授
26. Lee Kyeong-Ju, Professor, Inha University (Korea) 李京柱、仁荷大学教授
27. Miho Kim Lee, Co-founder of Eclipse Rising ミホ・キム・リー、「エクリプス・ライジング」共同創立者
28. Lim Jie-Hyun, Professor of transnational history, director of Critical Global Studies Institute, Sogang University 林志弦(イム・ジヒョン)、西江大学教授(韓国)
29. Akira Maeda, Professor, Tokyo Zokei University 前田 朗、東京造形大学教授
30. Janice Matsumura, Associate Professor of History, Simon Fraser University, Canada ジャニス・マツムラ、サイモンフレイザー大学(カナダ)歴史学准教授
31. Tanya Maus, PhD, Director, Wilmington College Peace Resource Center, Wilmington, Ohio タニア・マウス、ウィルミントン大学(オハイオ州)平和資料センターディレクター
32. David McNeill, Adjunct Professor, Sophia University デイビッド・マクニール、上智大学非常勤講師
33. Gavan McCormack, Emeritus Professor, Australian National University ガバン・マコーマック、オーストラリア国立大学名誉教授
34. Katherine Muzik, Ph.D., marine biologist, Kauai Island キャサリン・ミュージック、海洋生物学者(ハワイ・カウアイ島)
35. Koichi Nakano, Professor, Sophia University 中野晃一、上智大学教授
36. NAKANO Toshio, Professor Emeritus, Tokyo University of Foreign Studies中野敏男、社会理論・社会思想、東京外国語大学名誉教授
37. Narusawa Muneo, Editor, Weekly Kinyobi, 成澤宗男、『週刊金曜日』編集部
38. Satoko Oka Norimatsu, Editor, Asia-Pacific Journal: Japan Focus 乗松聡子、『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』エディター
39. John Price, Professor of History, University of Victoria, Canada ジョン・プライス、ビクトリア大学(カナダ)歴史学教授
40. Steve Rabson, Professor Emeritus, Brown University (U.S.A.) Veteran, United States Armyスティーブ・ラブソン、ブラウン大学(米国)名誉教授 米国陸軍退役軍人
41. Sonia Ryang, Director, Chao Center for Asian Studies, Rice University ソニア・リャン、ライス大学(テキサス州)チャオ・アジア研究センターディレクター
42. Daiyo Sawada, Emeritus Professor, University of Alberta ダイヨウ・サワダ、アルバータ大学名誉教授
43. Mark Selden, Senior Research Associate, East Asia Program, Cornell University マーク・セルダン、コーネル大学東アジア研究プログラム上級研究員
44. Oliver Stone, Academy Award-Winning Filmmaker オリバー・ストーン、アカデミー賞受賞映画監督
45. Tetsuya Takahashi, Professor, University of Tokyo 高橋哲哉、東京大学教授
46. Nobuyoshi Takashima, Professor Emeritus, the University of Ryukyus 高嶋伸欣、琉球大学名誉教授
47. Akiko Takenaka, Associate Professor of Japanese History, University of Kentucky竹中晶子、ケンタッキー大学准教授
48. Wesley Ueunten, Associate Professor, Asian American Studies Department, San Francisco State University ウェスリー・ウエウンテン、サンフランシスコ州立大学アジア・アメリカ研究学部准教授
49. Aiko Utsumi, Professor Emeritus, Keisen University内海愛子、恵泉女学園大学名誉教授
50. Shue Tuck Wong, Professor Emeritus, Simon Fraser University シュエ・タク・ウォング、サイモンフレーザー大学(カナダ)名誉教授
51. Yi Wu, Assistant Professor, Department of Sociology and Anthropology, Clemson University イー・ウー、クレムゾン大学社会学・人類学部助教授
52. Tomomi Yamaguchi, Associate Professor of Anthropology, Montana State University 山口智美、モンタナ州立大学人類学准教授
53. Lisa Yoneyama, Professor, University of Toronto リサ・ヨネヤマ、トロント大学教授
**********************************************************
Those whose signatures arrived after we released the letter. 発表後に署名が届いた人たちをここに記します(到着順)
Jenny Chan 陳慧玲, Assistant Professor of Sociology and China Studies, Department of Applied Social Sciences, The Hong Kong Polytechnic University 
Matthew Penny, Associate Professor, Concordia University (Canada)

ポピュリズムとは何か 

ポピュリズム台頭に関する、小熊英二氏の優れた論考である。

中流階級が、自らの立ち位置が崩されようとしている。彼らは、昭和の時代に生まれた、安定した年功序列社会で自分の生活を築いてきた人々だ。非正規雇用の拡大、年功序列の消失、そして年金制度の崩壊の危機が、彼らの立ち位置を崩そうとしている。

彼らは、懐かしい昭和の時代に戻ろうとする。今となっては、良き古き時代の価値観に。伝統的な家族制度の尊重、自国の歴史を書き換えてでもそこに自尊心の根拠を見出そうとする修正史観である。それの裏面は、排他主義である。

そうした人々が、ポピュリスト政治家を支持する。ポピュリスト政治家は、改革者のような体裁をとるが、彼らの価値観は古き良き時代への回帰という幻想だ。ポピュリストは、没落しようとしている中流階級に古き良き時代に回帰しようと訴える。だが、内実は、回帰するのはファシズムである。

朝日新聞デジタル版より引用~~~

脱ポピュリズム 「昭和の社会」と決別を 小熊英二
2016年12月22日05時00分

 ポピュリズムの支持者は誰か。遠藤乾はEU離脱支持が多い英国の町を訪ねた〈1〉。そこでは移民の急増で病院予約がとれず、公営住宅が不足し、学級崩壊も起きている。「英国のアイデンティティ」の危機を感じる人も多い。

 だがこの論考で私の目を引いたのは、現地の女性が発したという以下の言葉だった。「彼ら移民は最低賃金の時給七ポンド弱(約九百六十円)で休日も働き残業もいとわない。英国人にはもうこんなことはできないでしょ?」

 私はこれを読んで、こう思った。それなら、日本に移民は必要ないだろう。最低賃金以下で休日出勤も残業もいとわない本国人が、大勢いるのだから。

 西欧で移民が働いている職場は、飲食や建設などだ。これらは日本では、(外国人や女性を含む)非正規労働者が多い職場である。西欧では移民が担っている低賃金の職を、日本では非正規や中小企業の労働者が担っているのだ。

 それでは、英国でEU離脱を支持した層は、日本ならどの層だろうか。日本の「非正規」が英国の移民にあたるなら、それは「非正規」ではないはずだ。

 先月も言及したが、大阪市長だった橋下徹の支持者は、むしろ管理職や正社員が多い。低所得の非正規労働者に橋下支持が多いというのは俗説にすぎない。

 米大統領選でも、トランプ票は中以上の所得層に多い。つまり低所得層(米国ならマイノリティー、西欧なら移民、日本なら「非正規」が多い部分)は右派ポピュリズムの攻撃対象であって、支持者は少ない。支持者は、低所得層の増大に危機感を抱く中間層に多いのだ。

 では、何が中間層を右派ポピュリズムに走らせるのか。それは、旧来の生活様式を維持できなくなる恐怖である。それが「昔ながらの自国のアイデンティティー」を防衛する志向をもたらすのだ。

 ファリード・ザカリアは、EU離脱やトランプを支持した有権者の動機は「経済的理由ではなく文化要因」だったと指摘する〈2〉。移民増加や中絶容認などを嫌い、英国や米国のアイデンティティーの危機を感じたことが動機だというのだ。確かにその背景は、雇用の悪化で生活の変化を強いられたことではある。だがそれは、「古き良き生活」と観念的に結びついた国家アイデンティティーの防衛という文化的な形で表出するのだ。

 日本でも社会の変化とともに、右派的な傾向が生まれている。だが日本では、移民や中絶の問題は大きくない。その代わりに、歴史認識や夫婦別姓の問題が、「古き良き生活」と結びついた国家アイデンティティーの象徴となっている。

 そして調査によれば、ネットで右翼的な書き込みをしたり、「炎上」に加担する人に多い属性は、「年収が多い」「子供がいる」「男性」などだ〈3〉。いわば「正社員のお父さん」である

 この層は、旧来の生活様式、つまり終身雇用や専業主婦などが象徴していた「昭和の生活」を達成しようとあがきながら、それが危うくなっている中間層である。10月の本欄で述べたが、都市部で子供2人を大学に行かせれば、年収600万円でも、教育費を除いた収入は生活保護基準を下回ってしまう。

 さらに住宅を買い、多少の余裕を持つには年収800万でもぎりぎりだろう。統計上は「中の上」の収入でも、「昭和の生活」を維持するのは苦しいのだ。

 もっと働いて稼げ、というのは解決にならない。長時間労働はもう限界だ。日本の労働時間は平均では減少したが、それは非正規労働者が増えたためで、正社員の労働時間は増加傾向だ。長時間労働者の比率は欧米よりずっと多い。サービス残業のため「時給換算で約700円」の大企業正社員もいる〈4〉。

 ではどうするか。無理が多い時は、目標の立て方を見直した方がよい。つまり「昭和の生活」をめざすことが無理なのだ。男性が年収800万を長時間労働で稼ごうとするよりも、男女が適正な労働時間で400万ずつ稼ぐ方が、現代の経済状況に適合している。「古き良き生活」に固執し続ければ、不安とストレスから抜け出せないし、右翼的な書き込みや投票行動をも誘発しかねない。

 しかも日本の労働生産性は製造業で米国の7割、サービス業で5割にすぎない〈5〉。低賃金の長時間労働は、古い産業や古い経営を維持する結果になっている。今の日本は「昭和の社会構造」を維持するために疲れ切っているのだ。

 これは都市だけの話ではない。日本でも実習生という名の移民が農業や縫製などで働いている。安田浩一はこれを「日本の地場産業が、低賃金で働く外国人実習生によって、ぎりぎりのところで生き永らえている」と評した。安田によれば「移民によって日本が日本でなくなる」というのは逆で「外国人によって日本の風景が守られている」のが実態だ〈6〉。

 過去への愛着は理解できる。だが人権侵害が指摘される制度を使ってまで「日本の風景」を維持するべきだろうか。同じく、人間を破壊する長時間労働で「昭和の社会」を維持するべきだろうか。それは他者と自分自身の人権を侵害し、差別と憎悪の連鎖を招きかねない。

 右派ポピュリズムの支持者は誰か。それは古い様式に固執し、その維持のためには人権など二の次と考える人である。他者と自分の人権を尊重し、変化を受け入れること。それによってこそ、健全な社会と健全な経済が創られるはずだ。

八木重吉 

夜、寝る前に、寝床の中で、本を読む。雑誌「世界」や、音楽関係の書物、政治経済関係の本、それに原発事故に関する書籍等々。一頃、Jim N3BBの記した小説「Reunion」や、Bob W6CYXに紹介された「Carmel Impresarios」も読んだ。あまり難しい本は、続かない。だが、興味のもてる内容でなくてはだめだ。尊敬する評論家の方が推奨していた、当代売れっ子作家の小説も最近読んだが、後にあまり残るものがなかった。

本棚に、「八木重吉 詩と生涯と信仰」と題する新書版の本があったので、手に取った。関茂著、新教出版社、1965年初版、1976年発刊の第14版である。著者は、教会牧師で、八木重吉の人生を振り返り、そのキリスト教信仰とそれから発する詩作について、深い共感をもって記している。

八木重吉は、昭和2年、30歳の若さで世を去った夭逝の詩人だ。キリスト教信仰に学生時代に捉えられ、信仰に生涯を生きた。彼は、神に仕えるために、すべてを投げうたなくてはならないのではないか、という思いを抱き続けた。幸せな結婚をし、二人の可愛いお子さんに恵まれてからも、その思いは強くなったようだ。しかし、亡くなる一年少し前に、結核に冒されてから、イエスへの絶対的な信仰によって生まれ変わる。この最後の一年に、詩人としての豊かな詩作の時を迎える。しかし、その時期は長くは続かなかった。母上と奥様が見守るなかで、この世を去る。

彼の死後、様々な詩人が、彼の単純な言葉で自らの思いを端的に表現した詩に注目し、また信仰をそうした詩作によって表現したことで多くのキリスト教信者に積極的に受け入れられた。死への病であった結核に冒された人々にとって、彼の詩がもたらした慰めは大きなものがあったのだろう。

私が、十代後半から二十代前半にかけて、無教会主義の聖書研究会に毎日曜日通っていたころ、5、6歳年上のMさんという方と知り合いになった。透明な人柄の方で、農業関係の研究機関にお勤めだった。どのような経緯だったか思い出せないが、八木重吉の詩集を彼から頂いたことがある。「定本 八木重吉詩集」彌生書房刊である。これは、上記の本でも、八木重吉詩集の定番として紹介されている。簡明な言葉で、思いを率直に表現した詩が新鮮だった。今でも、覚えている詩がある。この詩集は、昭和40年に重版で出版されたもののようで、貴重な蔵書を彼が下さったのだと、改めて思う。

この本を読んでいて、この本は誰が購入したのだろうとふと思った。私が、大学生活を送っていた時代。両親は、私と弟への学費を稼ぐために、せっせと共働きをしていた。彼ら二人のうちどちらかが手に入れたのだろう。どのような気持ちで読んだのだろうか。あれから40年前後経って、私がこうして読むことを、彼らは想像していなかったに違いない。だが、そうとは意識していなかったかもしれないが、このように貴重な本を、残してくれた親に改めて感謝の気持ちを抱く。キリスト教信仰から離れてしまった私だが、あの時代を八木重吉の詩に親しみ、聖書を読む時があったことは、無駄では決してなかった。

これからの人生、残り少ない時間は、流行りの本ではなく、やはり時の経過に生き残った、このような貴重な本を読んでゆくべきだろうと改めて思う。

南スーダン武器禁輸制裁決議を棄権した日本政府 

ユーゴスラビアで紛争が起きた時に、クロアチアで国連の活動をしたことのある、Dick K4XUに話を聞いたことがある。国連のPKOは、現地の紛争が「完全に収まらない」ように立ち回る、というのだ。PKOの多くは、開発途上国から派遣されており、彼らにとってPKOの仕事は、「実入りの良い」仕事だからだ、というのだ。

国連安全保障理事会に提案された、南スーダン武器禁輸制裁決議案決議を、わが国は棄権した、という。南スーダン政府を「刺激して、PKO活動が続けられなくなる」と困るから、という理由らしい。仕事がなくなるから、という理由ではないが、これは自衛隊のPKO活動を続けることを、現地の平和活動よりも優先させる、醜いエゴイズムでしかない。南スーダンには、武器が大量に出回っており、それが治安の悪化の直接の原因になっている。それに対処しようという武器禁輸法案に、安倍政権は実質反対を表明した。安倍政権は、現地で「駆けつけ警護」等の安保法制に基づく武力行使を、現地自衛隊に実行させたくてたまらないのだ。これでは、南スーダンの人々も、派遣された自衛隊員もたまったものではない。

南スーダンでは、7月に政府軍兵士が、NGOを襲撃、殺人やレイプを大々的に行っている。政府軍が、そのように振る舞っている以上、政府軍とうまくやってゆこうというのが誤りだ。防衛省は、7月のその当時の記録を廃棄処分にしたらしい。政府は、南スーダンの現状を国民に知らしめず、また正確に認識しようとしない。政府は、自らの意図することだけを追い求めている。南スーダンで自衛隊にPKOを続けさせ、武器禁輸制裁に実質反対する政府は、旧ユーゴスラビアで、紛争を長引かせようと画策した開発途上国と同じきわめて利己的な行動を取っている。それは、南スーダンの人々と、自国民である我々を裏切る行為だ。

以下、24日付産経新聞から引用~~~

武器禁輸制裁決議案が否決、日本は棄権

23日、ニューヨークでの国連安全保障理事会で、対南スーダン制裁決議案に棄権を表明する別所浩郎国連大使(共同)

 国連安全保障理事会は23日、米国が提出した南スーダンへの武器禁輸を含む制裁決議案を採決し、米英仏スペインなど7カ国が賛成したものの、日本など8カ国が棄権し、否決された。安保理決議案の採択には9カ国以上の賛成が必要。棄権したのは他にロシア、中国、エジプトなど。米国は制裁決議案を支持するよう日本の説得を続けたが、陸上自衛隊を南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に派遣する日本は地元政府と国連との対立が深まり、情勢が緊迫することを懸念し、棄権に回った。(ニューヨーク 上塚真由)

CW Fix 

最近はあまり聞こえないが、14メガで朝方、米国では午後遅く、N7RC Dickが時折出てくる。以前にこのブログでも紹介したが、リタイアして、北カリフォルニアで農場を営んでいる方だ。家畜相手の仕事や、農場の作業で疲れて、CW fixを楽しみに出てきた、というのが常である。CW fixとは、一服のCW交信といった意味なのだろう。

一服するというと、お茶がつきものだが、お茶にはカフェインが入っており、意識レベルを高め脳の機能を活発にする作用がある。疲れた体に、そうした刺激が心地よいのだ。CWにも同じような効果があるのかもしれないと、最近つとに思うようになってきた。人間の知的作業は、working memory WMという機能が中心的な役割を果たしていることが分かっている。WMは、short term memoryとlong term memoryを橋渡しし、両者の統合を行う場ということらしい。言い換えれば、直近の記憶と、以前からの記憶を統合して、何事かの知的作業を行う、ということだろうか。

毎朝、私は、目を覚ますと朝食とコーヒーを作り、シャックにこもる。今日はどのようなCW fixがあるか楽しみにスイッチをオンにする。だが、残念なことに、何も聞こえないか、まるで仕事をするかのようにナンバーの交換をしている局が聞こえるだけ、ということが多い。これでは、CW fixにはならないなとつぶやきながら、スイッチをオフにすることが多い。

昨夜7メガで会った、Ken N7KMによると、ラグチュワー達は3.5メガにたくさん出ているらしい。現在、7メガは近場にはスキップすることが多いので、米国同士の交信だと3.5メガが好都合なのかもしれない。でも、東アジアのこちらからは、3.5メガでラグチューするのはちとつらい。 こちらの夕方早い時間帯に7メガが全世界に開け、それを利用して、ラグチューを楽しむ、という習慣は廃れてしまったのか。小規模の内輪の集団で楽しくやるのも良いのだが、やはり電離層を利用して遠くの友人とCW fixをするよりも刺激的で、楽しいことはないように思うのだが・・・。

黙示録の実現 

この知性のかけらもない米国次期大統領は、黙示録の世界を現実にもたらすことになるのかもしれない。

道理をわきまえていないのはお前だろう、と面と向かって言いたくなる。

このような指導者が出てくる世界は、次の世代にとってどのようなものになることか。

以下、引用~~~

トランプ氏「核戦力大幅に強化」…ツイッターで

2016年12月23日 22時28分 読売新聞
 【ワシントン=黒見周平】ドナルド・トランプ次期米大統領は22日、ツイッターで「世界が核について道理をわきまえるまで米国は核戦力を大幅に強化、拡大しなければならない」と表明した。

 ロシアのプーチン大統領が同日、軍幹部との会合で核戦力を向上させる考えを示した後に投稿した。

 新政権は、安全保障政策で核の役割を低下させることをめざしたオバマ大統領の方針を見直し、ロシアや中国に対抗して核の抑止力を重視する可能性がある。

 トランプ氏は大統領選挙中から、必要な場合は核兵器の使用をためらわない考えを強調し、核軍縮や軍備削減に取り組むオバマ氏を批判していた。

糸魚川の大火 

糸魚川市の火災で被災された方にお見舞いを申し上げます。

今回の火災が広範に及んだ理由は、フェーン現象や、強い風もあるかもしれないが、糸魚川市内の立て込んだ街並みも大きなファクターだったのだろう。

密集した住宅地というと、まず東京が思い浮かぶ。特に、下町を中心とした区部の住宅は、ほとんど間隔がなく建てられている。防火のためのスペースがないところが多い。さらに、電柱が狭い道路に建てられており、地震の際にそれが倒れると、救助、消火活動を妨げる。

東京消防庁の作成した、地震・火災に対するリスクを示す地図がある。こちら。上記の地域は、ハイリスクであることが分かる。特に下町地域は、地盤が軟弱であり、街並みとしても火災で被災しやすい。

建物の間隙を多くとるようにする、防火帯を設ける、電柱の地下化を進める、地域での防災・消火活動の準備を行うということを進めるべきではないだろうか。もちろん、難しい問題もあるが、地震による火災は同時多発する。なんとしてもできることから、予防処置を講じておく必要がある。

糸魚川は、ドライブ旅行で何度か通過したことがあり、思いで深い土地だ。白馬から姫川沿いの曲がりくねった道を日本海に向けて走る。その突き当りに、糸魚川の町がある。海岸沿いの料理屋で食べたあら汁が旨かったこと。被災地の皆さんが一日も早く普段の生活を復旧されることを祈りたい。

Ellenのvideo 

上記のタイトルで、このvideo clipがEllen W1YLから送られてきた。こちら

彼女の若かりし頃の画像やら、最近のもの、それに家族との写真等。最近、90歳になられた。ますますお元気に活躍してもらいたいもの。偉大なリベラリストであり、CW愛好家である。そして、ユーモリストでもある。最初の画面の一番下の文章に笑ってしまった。


南スーダンへの武器禁輸に反対している日本政府 

言語道断である。日本政府は、国連による南スーダンへの武器禁輸決議に「慎重姿勢」を取っている。

スーダン、南スーダンには320万丁の武器があり、その2/3は民間にあると言われている。武器の流通により、治安が悪化し、それによりより多くの武器が国内に流通するようになるという悪循環が形成されている。近隣諸国からの介入、特定集団への武力供与等が後を絶たないらしい。ウクライナ、ロシア、中国、イスラエルさらにはカナダまでも、スーダンへの武器輸出に関与している、と報じられている。こちら

日本政府は、武器禁輸は南スーダン政府を刺激すると言っているらしいが、理由になっていない。武器禁輸に賛成することで、派遣PKOがより大きな危険に晒されるのであれば、当初からPKOを派遣する状況ではなかったということではないか。武器輸出にわが国が関係しているのではないかとさえ疑うようなわが国政府の対応だ。

ようやく南スーダンへの武器禁輸が決議されようとしているのに、その足を引っ張る日本政府。南スーダンに平和をもたらそうとしているのではなかったのか。

12月20日付 産経新聞より引用~~~

【ニューヨーク=上塚真由】米国のパワー国連大使は19日、南スーダンへの武器禁輸を盛り込んだ国連安全保障理事会の制裁決議案に、日本が慎重姿勢を示していることについて、「非常に不自然な考え方だ。理解できない」と批判した。国連本部で記者団に語った。米国が、同盟国である日本の外交対応を公然と批判するのは異例。
 陸上自衛隊を南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に派遣する日本は、武器禁輸に反発する地元政府を刺激し、情勢が緊迫することを懸念。陸上自衛隊のリスクが高まる恐れもあるとして、制裁発動に難色を示している。
 パワー氏は「武器禁輸は南スーダンの人々だけでなく、PKO部隊を守る手段になる」と述べ、「武器禁輸を支持しなければ、PKO部隊の安全を守れるという考えは非常に不自然だ」と不満を表明した。
 政府軍と反政府軍の対立が激化する南スーダン情勢について、国連はジェノサイド(集団虐殺)の危険性があると警告している。米国は武器禁輸を含む制裁決議案の早期採択を目指しており、慎重な立場を取る日本の説得を続けているとみられる。

~~~

追加

南スーダンにおける武器、少年兵の問題等が記されたブログ、こちら。これを読むと、日本政府の南スーダンへの武器禁輸反対が、いかに現実をみていないか、利己的な自分本位の判断かが分かる。

医療機関への個別指導・監査の問題 

厚生労働省当局による、医療機関への個別指導・監査の問題はすでに何度も取り上げた。医療現場から離れると、問題の切実さが薄らいではいるが、私にとり、この問題が医療を歪にしている現実は、患者側に立ってより鮮明になってきた。

個別指導・監査が、「調査」になっていると筆者の井上氏は記しているが、実態はむしろ「捜査」である。

医療機関は、健康保険組合と契約して、診療を行い、その対価の一部を患者本人から、大半を健康保険組合から得る。あくまで、対等な契約関係である。しかし、厚生労働省と国は、医療費への公的支出を削減することを主要な目的にして、この個別指導・監査を行う。

個別指導は、当該医療機関が不正行為を行っている可能性がある、または診療報酬上上位8%に入る場合に実施される。後者の方が圧倒的に多い。それで解決しない、または悪質とされた場合は、医師の保険医指定、医療機関の保険診療停止を行う監査に移行する。実態は、厚生局の担当官(医療上の経験・知識に乏しい、行政職の医師)が、恣意的に行う追及になることが多い。この個別指導・監査は、診療報酬規則に則って行われる。同規則は、2年ごとに枝に枝をつぎ足すように複雑化された内容になっており、また担当官の恣意的判断が加わる余地があまりに多くなっている。井上弁護士の下記の論考にもある通り、

『実際、はなはだ微細な記載要件に過ぎて、診療現場の実情に合わないことも多い。今までの個別指導では、その微細な記載不備にばかり焦点が当たっていることも多く、そもそも記載要件の合理性・相当性にも疑問を呈さざるをえないことも少なくないように思う。』

という状況なのだ。ありていに言えば、この重箱の隅を突っつくような「指導」によって、医療現場に時間とエネルギーのロスが生まれている。ひいては、患者たる国民にそのしわ寄せが行く

井上弁護士は、憲法25条、健康保険法2条の精神に則り、個別指導を研修に切り替えるべきだと主張されている。個別指導・監査の関係した裁判に関わってこられた弁護士としての実感なのだと思う。もし医学的な側面の議論を、個別指導・監査の場で行うのであれば、第三者の医師によるピアレビューが望ましい。医系技官は、医療現場を知らなさすぎる。言い換えれば、医療は少数の医系技官が理解できる幅を大きく超えて、細分化、専門化している。彼らが、指導するなど無理なのだ。

以下、MRICより引用~~~

指導・監査・処分の改善に向けて ~健康保険法に憲法25条(生存権)の趣旨をみたすべき~

この原稿はMMJ12月号(12月15日発売)からの転載です。

井上法律事務所 
弁護士 井上清成

2016年12月19日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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1.レセプト請求の指導・監査
現在、健康保険法、国民健康保険法、船員保険法、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、厚生労働省の地方厚生局は、病院・診療所の保険診療報酬請求の指導や監査を行っている。かつての社会保険庁・社会保険事務局の時代と比べると、現在の地方厚生局による指導・監査は、その運用面で改善されてきていると評してよい。
しかし、運用のもととなる法令が「指導大綱」「監査要綱」といった通達レベルのものに過ぎず、健康保険法を中心とする法律レベルが旧態依然のままである。このままでは運用の改善にも限度があろう。そこで、日本国憲法第25条に定める「生存権」の趣旨を充たして、健康保険法第2条に定める基本的理念を補充修正した法律改正をし、ひいては、指導・監査の改善につなげていくべきである。

2.健康保険法改正の理念
健康保険法改正の理念は、「医療における主権」と「国民の生存権・受療権」と言えよう。
医療における主権の問題とは、医療における究極の決定権者は誰か、という問題である。もちろん、厚労大臣でも財務大臣でも、広く政府でもないことは明白であろう。そうかと言って、医療者でもない。
医療における主権者は、患者である。しかし、その「患者」とは、今現在、治療を受けている個別具体的な患者には限られない。現在、疾病にかかり、または、障害があるにもかかわらず、今もって医療を受けていない、または、受けられない潜在的な「患者」も含まれる。さらには、今は疾病も障害もないが、将来は疾病や障害が生じて「患者」となるであろう者も含まれるであろう。つまり、広く「国民」すべてである。
したがって、医療における主権はすべての国民にある、と言ってよい。

3.国民の生存権・受療権
すでに述べたとおり、日本国憲法はその第25条で広く「生存権」を保障した。生存権の健康の側面は、「健康的生存権」と称してもよい。この「健康的生存権」の医療の分野における権利が、すべての国民が必要に応じて医療を受ける権利、すなわち「受療権」にほかならない。
また、「受療権」を制度として現実に保障するために導入されたのが、「国民皆保険制」である。「受療権」の現実の保障のために、国民のすべてに公的な医療保険制度を行き渡らせた。
このようにして、憲法第25条の生存権が、受療権、そして、国民皆保険制として具体化されたのである。したがって、保険診療の政策に、そして、健康保険法の条文にも、この趣旨・目的を明示しつつ、国民皆保険制によって基礎付けられた受療権(保険診療受給権)を現実化・具体化させることが要請されていると言えよう。

4.保険医の責務
翻って、保険診療に携わる医師・歯科医師、すなわち保険医は、これらの国民の健康的生存権、患者の受療権、国民皆保険制に適切に応える責務を負っている。この保険医の責務は、目の前の当該患者に対してはもちろんのこと、広く国民に対する責務と言ってよい。
保険医は、その責務を自らの責任と権限において実現していくべきである。保険医が自らの責任において国民の健康と受療を守るべく行使する権限を、保険医の「診療権」と称することができよう。保険医は、個々別々の患者に対して診療を実施する際には、当該患者の具体的な症状と当該患者を取り巻く具体的な環境などの諸事情を総合考慮し、専ら患者のためにその裁量を駆使して、診療内容への不当な第三者介入から患者を守りつつ、診療を実施しなければならない。これは保険医の責務であると共に、保険診療実施の権限(保険診療実施権)でもある。
保険医は、その有する「診療権」を適切に行使して、自らで責任をもって、患者、広くは国民に対して、必要に応じて適切な保険診療を行っていかなければならない。

5.個別指導の改善・充実
レセプト請求の指導・監査との関係で言えば、保険医の診療権を実現していく方策は、個別指導の改善とその充実であろう。
現在、指導は、集団的個別指導や個別指導を中心として運用されている。しかし、指導の中心を、監査と連動している集団的個別指導や個別指導から、集団指導に移行すべきであろう。つまり、集団指導のような「研修」に改めるべきである。今の指導は、指導という名の下で「調査」が行われていることが少なくない。集団的個別指導と言うよりも集団的個別「調査」、個別指導と言うよりも個別「調査」というのが、その少なくない実態とも言えよう。
したがって、集団指導は集団「研修」に、個別指導は個別「研修」に改めるべきである。そして、中途半端な集団的個別指導は廃止しなければならない。
その上で、疑わしいレセプト請求をピックアップして「調査」するかのような「指導」システムから、より広く網羅的に充実させた「研修」をその実態とする「指導」システムに移行していくべきである。つまり、より多く、より広く、集団または個別の研修を充実させるのがよい。

6.算定要件の手続面の改善
集団指導・個別指導の「研修」としての改善・充実を図るとともに、もう一つの重要な改善項目は、診療報酬の算定要件の手続面であろう。
診療報酬の算定要件は、主として中央社会保険医療協議会で議論され、その結果が診療報酬改定の形で告示される。その要件のうちの実体的要件は十分に議論されるけれども、手続的要件の議論は薄く、むしろ事務局任せになっていることが多い。手続的要件とは、たとえば、カルテへの要旨の記載などのことである。
実際、はなはだ微細な記載要件に過ぎて、診療現場の実情に合わないことも多い。今までの個別指導では、その微細な記載不備にばかり焦点が当たっていることも多く、そもそも記載要件の合理性・相当性にも疑問を呈さざるをえないことも少なくないように思う。
したがって、今後は、診療報酬改定に際しては、そもそも「研修」の大本となるレセプト請求の手続的な算定要件の定め方にも留意して、改善を図っていくべきである。


●日本国憲法第25条(生存権、国の社会的使命)●
第1項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。


第2項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

●健康保険法第2条(基本的理念)●
健康保険制度については、これが医療保険制度の基本をなすものであることにかんがみ、高齢化の進展、疾病構造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び後期高齢者医療制度並びにこれらに密接に関連する制度と併せてその在り方に関して常に検討が加えられ、その結果に基づき、医療保険の運営の効率化、給付の内容及び費用の負担の適正化並びに国民が受ける医療の質の向上を総合的に図りつつ、実施されなければならない。

Don WB6BEEと久しぶりに交信 

このところ、CQを出しても、空振りが続く・・・以前からのことだが、その程度が酷くなってきたような気がする。アンテナチューナーを修理して、張り切ってオンエアーにカムバックしてきたJohn 9V1VVも、あまりに聞こえない、応答がないことに、これが普通のことなのかと、別ブログのコメント欄で私に尋ねてきたほどだ・・・一応、彼よりも私の方が、無線歴は長い。このところ、磁気嵐があったこともあったのかもしれないが、それにしても、普通の交信を楽しむハムが少なくなっていること・・・。

昨夜も、応答がないなと思いながら、寝床に行く前に7メガで何度かCQを出した。すると、聞き覚えのあるバグキーキーイング。Don WB6BEEである。あちらは-14度Cであること。飼い犬と飼い猫に餌をやった。食べ終わるとすぐにまた両方とも寝てしまった、という平和な情景を打電してきた。こちらは、寒さはそれほどでもないこと、しかし朝には氷点下前後にはなることを打った。ところで・・・と話を繋いで、こちらでは、ミニバブルが進行中で、銀行が担保がなくてもどんどん融資をしている、そちらではどうか、と尋ねた。それには直接答えず、Donはオバマが大統領になるときには大いに期待したが、何も変わらなかった、との返事。(それで、トランプに投票したのだろう。)でも、投資は慎重にした方が良いとお節介なアドバイス。彼は、リーマンショック前後に、退職資金の半分を失ってしまった、だから株式への投資はもうやらない、とのこと。annuityに金を預けている由。何しろ、バーチャル環境には、実体経済の資金の数倍の金が動き回っており、何時かはまたバブルがはじける可能性が高い、だから退職後の生活資金として投資は慎重にしなくちゃね、と私。トランプの経済関係閣僚に三人もGSから入っており、トランプ政権で中産階級は失望を味わうのではないかとも申し上げた。Donは、あと20年間は、世界的な経済恐慌はごめんこうむりたいね、と言っていた。

するとそこに、相次いでブレークが入る。W0EB Jimと K5KV Benny。Donと同じくバグキーの愛好者のOT達。ラウンドテーブルをバグキーでやりだすと、回ってくるまで、眠たくなるほど時間がかかる・・・お二人とも、長話派なのだ 笑。私は、そろそろ休むからとお暇した。

主に米国のハムが相手の交信が多くなるわけだが、彼らの生活、生活信条のようなものを直接聞くことができて面白い。残念なことは、そうした交信をしようとする、またはできる相手が少なくなっていることだ。

電気ストーブから出火 

昨年から使い始めた電気ストーブから出火した。2,3日前から、家人がにおいがすることに気づいていたらしいが、夜間使っているときに、突然出火。私が起きて下の階に行ってみると、当該部屋以外、廊下まで白煙と刺激臭が立ち込めていた。幸い、火事にはならなかったが、危ないところだった。

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調べてみると、この機種はリコールが行われていた。こちら。部品のダイオードに不良品があり、出火する、とのこと。購入先に問い合わせると、ダイレクトメールでこのリコールは知らせてある由。私の場合、以前の仕事場で登録してあったため、その郵便物を受け取っていなかった。

このように深刻事故になりうるリコールの場合、もう少し徹底した周知ができないものなのだろうか。

もう少し安全そうな製品を代わりに入手した。

資産バブルの進行 

昨日、NHKクローズアップ現代プラスで、現在進行中の資産バブルについて報道していた。ちらちらとしか見ていなかった。なんで芸人がコメンテーターになっているのかは置いておくとしても、テーマ自体はなかなか興味深い内容だった。

不動産バブルで、年収300、400万だったサラリーマンが、億、十億の単位で銀行から借り入れ、不動産に投資している。銀行は、借り手がないので、十分な担保を取らずに、どんどん貸し出す。あからさまなバブルではないか。東京等では、不動産物件の空室率がこの2年間増えてきている、という。空室が増えれば、それによる収入減をカバーするために、さらに不動産を買い足す。自転車操業に陥っている。こちらを参照。

最近、ある医療関係者と銀行からの借り入れについて話をした。彼が言うには、銀行は、現在、どのような経営状態の医療機関であれ、融資するらしい。銀行が、こんなところでもバブリーな融資行動に出ているとは驚きだった。

マイナス金利は、不良債権を積み増すだけだ、と水野和夫氏ははっきり記している。それが、実際進行中だ。マイナス金利という毒薬をしかけた日銀・政府、そして不動産バブルを煽る銀行。それが破たんしたときには、銀行システム、とくに経営状態の悪くなっている地銀が壊滅するのではないだろうか。マイナス金利は、資本主義経済のもとでは、永続的な成長が不可能であることを示している。それを続けると、バブルが起き、やがて破裂する。

金融システムの信用が破壊されると、経済はさらに悪化する。

post truth politics 

post truth、 脱真実とでも訳すのか、が米国では盛んに問題になっている。事実かどうかは二の次で、人々の感情に訴えかける政治上の手法だ。今回の米国大統領選挙では、Steve Bannonの主宰するサイトBreitbart Newsが、主にClintonを攻撃する事実無根のfake newsを、垂れ流した。こともあろうに、Bannonは、Trump政権のチーフアドバイザーに就任するという。SNSでは、post truth的なポストをいやというほど目にした。ウォールストリートジャーナル紙に対して、Bannonはかってナチス政権下で宣伝を担当したLeni Reifenstahlを参考にしている、と語っていた。この政治手法・報道態度は、ファッシズムを招来する。

わが国の政権はしばしばpost truthを喧伝手法とする。それを受けて、マスメディアは、このpost truthの手法、精神が、徐々に浸透してきているように思える。下記の中野晃一氏のFacebookへの投稿に様々な事例が端的に語られている。

彼の挙げた事例に付け加えるとすると、先の日ロ首脳会談の評価が、マスメディア、とくにテレビでは、安倍政権の代弁者に陥っていることがある。あの会談は、北方領土問題には何も触れず、経済協力だけを得ようとしたプーチンの一方的な勝利だったわけだが、マスメディアは、平和交渉への第一歩だと盛んに、その「業績」を持ち上げている。安倍・プーチン両者の会談後の首脳記者会見を見れば明らかだ。あの会談後、安倍首相は、各テレビ局に出演し、「成果」を宣伝して回っていたが、各番組の司会者は、突っ込んだ議論を彼に仕掛けなかった。会談の乏しい成果だけでなく、この経済協力によって、ロシアがシリア・ウクライナで行っている侵略・武力行使に対する西側諸国の経済制裁から抜け出すことになってしまった。あの会談は二重の意味で失敗だった。だが、それをマスメディアは本格的に追及しない。これは、post truth politicsの一翼を、マスメディアが担いだしていることを意味する。

マスメディア全体を一緒くたに批判するのは行き過ぎだろう。メディアのなかでも、雑誌、ラジオのなかには、事実に基づき報道し、議論しているものがある。TBSラジオの平日夜10時からの「セッショントウェンティトゥ」はいつも出色のでき。だが、全体としては、現政権の政策、外交に批判的な番組、論考は限られたものになっている。特に、国民の大多数が接するであろう、テレビ、インターネットでは、post truth politicsが大きな問題になってきている

国民の多くは、それを理解せぬままに・・・。


中野 晃一氏のFacebookへの投稿を引用~~~

12月15日 12:44 ·
トランプまずいよ、って思ってる人は、日本のまずさもわかったほうがいいと思います。Post-truthつまりポスト真実(真実に基づかない世界)が到来しつつあるということは、啓蒙思想以前の時代つまり中世に戻りつつある、ということ

憲法9条は変わっていないのに、集団的自衛権の行使はできると真逆の読み方ができると、安倍政権が言い出すことで始まりましたが、戦争ができるようにする法律を「平和安全法制」と呼び、南スーダンに「戦闘」はなく「衝突」が起こるだけと言い、「土人」は差別語でないと強弁し(ちなみに「土人」をコンピュータは漢字変換しません。差別語だから)、オスプレイの「墜落」を「不時着」と政府が公式に言い張る。

これはどういうことかというと、客観的な事実や真実よりも国家権力の主観や意図(あるいは主観や意図と主張するもの)が優先する、つまり何が事実か真実かを権力が決めることができる時代が来かねないということです。「墜落」ではなく「不時着」だと言い張るのは、オスプレイの操縦士が着陸させる意図を持っていた(という主張)が、墜落した事実に優先する、ということ。

こういう流れに対して、学問を職業とする大学人が抵抗しないとしたら、それは大学や学問の自死以外のなにものでもないと思うのですが。報道機関も同じこと。いやもうすでに「情報産業」しかないのか?と悪態をつきたくなりますけど。

マイナンバー漏洩は必ず起きる 

マイナンバー制度が、国民各々のためではなく、行政のための制度であることは以前何度かアップした。同制度のデメリットが、こちらのサイトにまとめてある。その最後に、メリットについてのサイトにリンクが張ってある。両サイトをつらつら読んでみて、どう考えても、行政とデータベース会社のための制度であるようにしか思えない。

米国では、社会保障番号による犯罪が多発していることも以前記した。ネット上で一旦拡散した情報をもとに戻すことはできない。マイナンバーに、さまざまな個人情報を紐つけるのはリスクが高すぎる。マイナンバーを行政が一元管理するリスクは、昔の社会保険庁での情報漏洩を思い返せば、明らかである。

情報をガードするシステムをいくら高度に張り巡らしたところで、情報を扱う公務員が、このニュースにあるような意識であると、マイナンバーの漏洩が、意図的、ないし意図せずに行われるのは必至と言えるだろう。

以下、引用~~~

年金機構:情報流出発覚後もルール守られず PCに保存

2016年12月17日 10時52分 毎日新聞
 日本年金機構の年金情報流出問題で、昨年6月の問題発覚後も機構の内部ルールが守られず、各地の年金事務所などのパソコンに個人情報が保存されていたことが会計検査院の調べで分かった。調査を求められた機構が、全国的に「全て削除した」と報告した後も、端末に個人情報が残っていたという。ずさんな情報管理の実態が改めて露呈した。

 機構は以前からパソコンのハードディスク上に個人情報を保存しないよう定めていた。検査院は問題発覚後の昨年末から今年6月までに、大手前(大阪市)など7年金事務所と東京事務センターで、端末に個人情報が保存されていることを確認し、機構に調査を求めた。

 機構側はすぐには対応しなかったが、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)を利用するために国の個人情報保護委員会などから情報管理の徹底を求められ、今年8月以降に削除作業を進めた。

 機構は9月末に検査院に削除が完了したと伝えたが、検査院が再度調べたところ、高崎広域事務センター(群馬県)など2道県の施設で個人情報が残存していたことが判明し、改めて調査を求めた。

 政府は11月8日、サイバーセキュリティー対策が強化されたとして、機構によるマイナンバー利用を来年1月から認める政令を閣議決定した。機構はその後の12月になって、少なくとも13都府県の19施設で計78ファイルが消去されていなかったため端末から削除したと検査院に伝えたという。

 機構の経営企画部は「個人情報を保存しないルールを徹底させたい」としている。【松浦吉剛】

寝室のオーディオを新調しよう 

毎夜、寝床で音楽を聴く。最近、これまで10数年愛用してきたケンウッドのCDレシーバーの調子が悪い。ヘッドの洗浄をしても、CHECK DISCと表示され、discを認識しないことが多くなってきた。そろそろ、耐用年数かなと思い始めた。ほぼ毎晩使っているので、かなりヘビーデューティな使用をしてきた。スピーカーは、20年前のDENONのこの機種。これもネットは破れかけ、躯体にもかなり傷がついている。まだ使えるかもしれないが、音に張りがなくなってきたような気もする。ヘッドフォンも10数年前に購入したSONYの製品。イァーパッドが一部破れ、音質も高音部の張りがイマイチになってきている。これらのオーディオビギナー用の機種は、近くの大規模電気店や、秋葉原で手に入れたもの。高級品ではないが一つ一つに思い入れがある。

オーディオは、懲りだすときりがないし、それ以上に、もう私の聴力の高音域がかなり落ち始めているので、例えばバイオリンのe線のハイポジの音など遠くでなっているようにしか聞こえない。だから、オーディオを新調するのは消極的だった。

だが、CDがかけられないとなると、問題だ。ネットでいろいろと適当なCDレシーバーやスピーカーを見繕いだした。HDDに音源を入れられる機種、ネットにつなげる機種、目移りがする。

だが、シンプルにCDで聴くことを続けようと考えている。CDを探し出すのは一苦労なのだが、休む前に耳を傾ける音楽は、おのずと決まってくる。

バッハの平均律

バッハ 音楽の捧げもの フーガの技法

モーツァルトの初期の弦楽四重奏曲 初期ではないが、巌本真理弦楽四重奏団の演奏するKV421

トゥリーナの室内楽

マーラーの5、9番の交響曲

等々、驚くほど少ない曲数。でも、これらが心を静めてくれる。

チューナーとアンプが一つの躯体に収められた機種と、CDプレーヤーを別々に購入する予定。CDプレーヤーのように機械的な構造のある機械は、壊れやすい、一種の消耗品だと思うから。

スピーカーは、もうしばらく今のまま。

ヘッドフォンは、新調したいところだ。

というわけで、ネットでいろいろと漁っているのだが、適当な機種が少ない。1,2万円のかなり安価なものか、その上はだいぶ高価になってしまう。昔の機種もネットで調べられるのだが、2000年前後までは、中級クラスの機種が豊富だった。今は、スピーカーなど激安なものか、とんでもなく高価なものかに二分されている。これは、オーディオ人口の減少を反映したものか、より突っ込んで、中流階級が相対的に貧困化していることを反映しているのか。そんなことを考えながら、昔の機種を懐かしく見て回っている。

さて、どの機種にするか・・・。





社会保障費の抑制が続く 

社会保障費の抑制が止まらない。高齢化社会の進展による医療費増を主体として、社会保障費抑制は不可避なのかもしれない。

国民年金の未納者のうち9割は、払うことになったとしても、払い込み猶予になると報じられた。国民年金はすでに形骸化している。年金の最低保証を税の投入で行う必要が出てくる。

一方、社会保障以外の歳出で、切り込めるところはまだ多くあるはず

公務員給与のレベルが、高止まりしており、さらにベースアップが続いている。今年の冬のボーナスも1.7%アップだそうだ。公務員給与の問題は、この論文に記されている。この社会保障予算抑制分が、公務員ベースアップですべて吹っ飛ぶ。所得税の復興増税は25年間続くことになっているが、議員も含む公務員の同趣旨の給与削減は早くも2年前に終了された。それで果たして良いのか。

東京オリンピックの予算は、削減して1兆8千億円だという。その内1兆円は、国、地方自治体の負担になる。果たして、これで済むのかどうか。高齢化社会と原発事故・大震災からの復旧という困難な状況で、このように大きな予算を要するお祭りを開催すべきなのか。

議員年金も、再開の動きがあるという。良い人材に心置きなく、政治の世界で仕事をしてもらうことは必要だが、政治献金、政務活動費の現状のまま、議員年金も再開というのは、虫が良すぎないだろうか。今後、年金の減額が続くことが予想される。その痛みを政治家自身が感じるようでないと、安易な社会保障給付削減がまかり通ることになる。

防衛費の伸びも、他の予算の変化に比べて、突出している。あのリスクが大きいと言われるオスプレイは、一機100億円。陸上自衛隊は17機導入予定だ。新型PAC3は3000億円。THAADも導入するとなると、数千億円の規模になる。自衛隊の装備を更新しなければならないのは分かるが、費用対効果を厳密に検討しているのか。米国の軍事産業の言いなりになっていないか。

これから社会保障費の抑制の痛みが、我々国民にジワリと迫ってくる。それを黙って甘受するだけでなく、社会保障費以外の国、行政の金の使い方を、いままで以上にしっかり監視してゆかねばならない

以下、引用~~~

社会保障費 1400億円抑制 高額療養など自己負担増
16/12/16記事:毎日新聞社
 
 厚生労働省は15日、自民党と公明党の部会で、2017年度予算で高齢化による社会保障費の自然増を約1400億円分抑制する案を提示し、大筋で了承を得た。焦点となっていた70歳以上の一般所得者(住民税が課税される年収370万円未満の人)が外来の窓口で支払う毎月の限度額を、現行の1万2000円から17年8月に1万4000円に引き上げる方針でまとまったほか、介護費の自己負担増、大企業に勤める会社員の介護保険料の引き上げなどによって抑制を図る。
 
 医療費の毎月の自己負担額に上限を設ける「高額療養費制度」を見直し、約220億円を捻出する。70歳以上の一般所得者について、厚労省は当初2万4600円への引き上げを提案したが、引き上げ幅を圧縮し、年間上限額(14万4000円)も設ける。一方、18年8月には1万8000円に引き上げる。年収370万円以上の現役並み所得者は外来限度額を5万7600円とする。
 
 40〜64歳の介護保険料は、収入に応じた計算方法「総報酬割り」による算出を段階的に導入し、収入の高い大企業のサラリーマンなどの保険料負担を増やす。来年8月の導入で500億円弱を確保する見通し。
 
 また、75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度の保険料では、負担軽減のための特例を段階的に縮小し、180億円前後を確保する。介護保険で利用者の自己負担に上限を設ける「高額介護サービス費」は、住民税が課税される一般所得者の毎月の負担上限額を3万7200円から4万4400円に引き上げる。
 
 厚労省は17年度予算の概算要求で社会保障費の自然増を6400億円と見込んだが、財務省から最終的な増加を5000億円程度に抑えることが求められている。【阿部亮介】

カジノ法案に対するブルームバーグ社の指摘 

カジノ法案はすでに成立してしまった。TPP法案と同じく、国民の側に立たず、前者はギャンブルリゾート企業、後者は輸出大企業の側だけを向いた法案だ。

ブルームバーグ社という投資企業の社説。冷静な分析だ。

カジノは、外国人だけでは経営が成り立たない。日本人からの売り上げ(博打でのてら銭と無法な稼ぎ)がメインになることだろう。パチンコと同じく、官僚が規制の面で天下り組織を立ち上げ、甘い汁を吸う。政治家は、博打の売り上げから政治資金を得る。

なんとも汚い構図だ。

これをしっかり指摘し、法案阻止に動く政治家があまりに少ない。

カジノが成長戦略の切り札というアベノミクス、終わっている。

以下、引用~~~

12月13日ブルームバーグ社説

あれこれ批判がある中で、自民党は今週にもカジノ解禁法案を成立させようとしている。カジノが天の恵みをもたらすなどと言うアナリストもいるが、神頼みをするギャンブラーの手札は弱いと相場が決まっている。日本が加わろうとしているアジアのカジノブームは、ハッピーエンドにならない公算が大きい。
  カジノ事業の現在のトレンドは「統合型リゾート」。賭け事だけでなくショーや買い物、豪華な食事などを提供する巨大施設で海外からも広く客を呼び込み、多額の金を落とさせようというコンセプトだ。このモデルでは総じてカジノの収入が増え、高額の賭けをするギャンブラーへの依存が低くなり景気浮沈の影響も受けにくくなる。
  理論的には、外国人が金を落として国内経済を浮揚させてくれ、問題は自国へ持って帰ってくれるので政府にとっても魅力が大きいように見える。開発業者に周辺のインフラ改善や会議場と見本市会場の建設などを促すこともできる。これが日本政府のビジョンだ。
  しかしまず第一に、アジア太平洋地域には既にそのようなリゾートが多数ある。シンガポールやサイパン、ベトナム、ロシア極東のウラジオストクにあるほか、フィリピンと韓国にも新しいリゾートが開業しようとしている。マカオだけでも30数カ所あり、まだ増え続けている。地域の中で競争が激しくなればそれぞれのカジノ収入が減るのは想像に難くないし、近場のカジノの方が客を引き付けるのには有利だ。競争力の弱い地域はひどい結果になりがちだ。
  さらに、こうしたリゾートが狙っているのは同じ顧客、つまり中国からの旅行者だ。しかし中国の成長が鈍化、人民元が下落している中ではかつてほど当てにならない。中国政府は資本逃避を防ぐのに一生懸命なので、海外での支出について規制を強化する可能性は高い。
  これらの悪条件がなかったとしても、カジノが期待通りの繁栄をもたらすことは少ない。短期的に成長を押し上げることはできるが、効果は短命だ。ギャンブル収入に課税すれば税収が増えるように見えるが、社会的コストを考えると差し引きはマイナスかもしれない。ギャンブル依存や破産、犯罪の増加など別の弊害を生みかねない。
   日本に固有のリスクもある。政府統計によると、日本ではギャンブル依存の人が成人人口の5%近くもいて、先進国の中で突出して高い。円高が外国人旅行者を呼び込む妨げになる可能性もある。また、カジノ解禁は日本の慢性的な需要不足の解決にもならない。国民の多くがカジノ解禁に反対なのは偶然ではないだろう。
  カジノを擁護する最善の論拠は「楽しい」というものだろう。アジアの多くの国で、ギャンブルは日常的に行われている。国民が賛成していて社会的コストについても十分に理解しているなら、合法とするべきだ。ただし、うのみにしてはならない。カジノのもたらす利益は決まって誇張されている。カジノでは常に、胴元の勝つ確率が高いのと同じだ。

リフレ派の終焉 

所謂リフレ派の金融財政政策は、安倍政権の経済財政政策の根幹であった。

空前の量的・質的金融緩和が、マイルドなインフレを引き起こし、それによって期待形成が行われ、経済活動の活性化が起きるという理論だ。

だが、現実にマネタリーベースを400兆円超にまで増やしても、その「成果」は得られていない

何故なのか。水野和夫氏の解説を簡単に引用すると・・・

フィッシャーの交換方程式

【貨幣数量(マネーストック)M】x【貨幣流通速度V】=【一般物価指数P】x【取引量T】

という恒等式を、フリードマンが、1930年代の恐慌を分析して、因果式に変換した。その変換にあたっての前提は次の三つ。

1)Vは一定である
2)Tが、実質GDP(Y)と比例する
3)Yは、短期間内には増大しない

【M】ー>【一般物価指数P】

すなわち、貨幣供給量の変動は、長期的には物価にだけ影響する、ということになる。

ところが、この理論の前提は、一つの国のなかの閉じた経済であり、現在のように金融緩和しても金、モノが瞬時に世界を駆け巡る状況を想定していない。さらに、貨幣といっても、通貨だけでなく、多くの「貨幣的なもの」があって、それも事態を複雑にし、このような単純化が適合しないことになる。従って、この新貨幣数量説は現実に適合しない。フリードマンは、実際のところ、小さな政府を追い求め、毎年一定の貨幣供給を行えば、一定の経済成長が見込めると読んでいた。アベノミクスのような莫大な金融緩和を、彼自身想定していなかった。

こうした金融緩和は、供給過剰の現状にあっては、不良債権を積み上げることになる。実際のところ、現在、株価と一部都市部の不動産は、バブルの状況になっている。この積み上げられた不良債権は、やがてその姿を現し、バブルの崩壊となる。

で、アベノミクスの理論的中心人物であった、浜田宏一教授が、インタビューで自らの誤りを認めたと報じられている。その後、彼自身は誤りを認めたわけではない、と弁明しているようだが、現実に、アベノミクスの金融緩和策は、失敗に終わっている。アベノミクスが、米国国債買い上げのためだったとさえ言われている。こちら

バブルは一時のユーフォリアをもたらす。それに酔いしれているうちは、その進行が良く分からない。または、意識されない。破裂して、初めてその異様な状況が姿を現す。

朝日新聞より引用~~~

 人為的にインフレを起こすリフレーション(reflation)はアベノミクスの主軸政策だ。その提唱者である浜田宏一米エール大名誉教授の変節が最近、リフレ論者たちを失望させ、政府幹部や経済学者たちをあきれさせている。

 リフレ派は、日本銀行が空前の規模のお金を市場に投入する政策で必ずデフレから脱却して景気が良くなる、と主張してきた。浜田氏はその指導者であり、安倍晋三首相がアベノミクスの理論的支柱として内閣官房参与に迎え入れた経済ブレーンだ。

 その当人が突然「QE(量的金融緩和)が効かなくなっている」(「激論マイナス金利政策」日本経済研究センター編)と言い始め、「学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない」(日本経済新聞11月15日付インタビュー)と白旗を掲げたのだから、関係者は驚いたに違いない。教祖が突然「信仰をやめる」と言い出したに等しい。

 現実を見ればリフレ論を掲げ続けるのには無理がある。日銀がいくら市場に資金を投入してもインフレの兆候は見えないからだ。足元の消費者物価は8カ月連続でややマイナス。リフレ派がいくら強弁しようと、政策の誤りは隠しようがない。

 日本銀行でリフレを推進してきた岩田規久男副総裁らも事実上の転向を余儀なくされた。9月の政策決定会合で、お金の量の拡大に必ずしもこだわらない新政策への変更に反対票を投じなかったのだ。

 当人たちは現状をどう総括しているのだろうか。
 浜田氏に取材を申し入れたが、残念ながら回答は得られなかった。
 「リフレ派は終わった」と断じるのは中原伸之氏だ。浜田氏とともにリフレ論を唱え、首相の経済ブレーンを務めてきた元日銀審議委員だ。
 「私はリフレ派というよりリアリスト。インフレ目標にこだわって手を広げるより、名目国内総生産を目標にじっくりやればいい」と語り、日銀に路線修正を求める。

 問題は「リフレ派なき日銀」に変わったとしても、金融政策がきれいさっぱり正常化するわけではないことだ。
 市場にたまったお金の量は平時の3倍の415兆円にもふくらんでしまった。今後の金融のリスクを考えれば、これは放置できない。
 しかもこれが年間80兆円ペースで増え続ける仕組みを、日銀はいまも明確には修正できていないのだ。
 経済危機をしのぐため先進各国は異常な金融緩和にのめり込んだ。その危機が終わり米国はすでに利上げに転じ、正常化に動き出した。欧州も量的緩和の縮小を決めた。

 ひとり日銀だけが出口論の議論さえ「時期尚早」(黒田東彦総裁)と封印し続ける。
 アベノミクスの呪縛にとらわれた日銀が生みだす金融政策の異常。それが、こんどはアベノミクスそのものを漂流させようとしている。(編集委員・原真人)

オスプレイ墜落事故 

名護市近傍の海岸に米軍のオスプレイが墜落した。オスプレイについては、昨年このブログでも取り上げた。こちら

米軍高官は、パイロットが付近の居住地域に落下しないように海岸まで機体を移動させた、被害が出なかったのだから、感謝されるべきだ、と述べた由。墜落の危険のある航空機を、居住地域近くで飛ばすこと自体が言語道断だ。感謝しろとは以ての外である。

上記引用ポストにも記した通り、米軍航空機は、わが国の航空法に従わなくて良いことになっている。どんな人口密集地域であっても、米軍航空機は低空飛行を行うことができる。普天間飛行場の周辺の人口密集地域を、米軍航空機は、自由に飛んでいる。一方、同基地近傍の米軍住宅の上空は決して飛ばない。これは、わが国の航空法に従わなくて良いためなのだ(ドイツ等米軍基地のある国では、米軍航空機といえども、自国の航空法に従うことになっている)。オスプレイは、日本全体を飛行している。オスプレイの事故は他人事ではない。沖縄の人々にとっては、死活問題なのだ。

10月に、沖縄で攻撃機AV8ハリアーが墜落した事故があった。事故原因が明らかになるまで、飛行訓練は差し止めと当初アナウンスされたが、2日後には飛行再開されている。オスプレイの今回の事故でも、米軍、政府両者が、事故原因が究明されるまで、オスプレイの飛行を控えるとアナウンスしているが、ほとぼりが冷めるのを待って、すぐに再開する積りなのだろう。

事故原因究明は、第三者によらなければ、公正さが担保されない。だが、米軍機の事故では、わが国の警察・当局は何も対処できない。日米地位協定により、米軍の「財産」にはわが国の警察・当局は捜索・差し押さえ等ができないとされているためだ。米軍が、オスプレイの事故の本当の原因を公表するとは考えられない。

上記の米軍高官の言葉から分かる通り、沖縄、そして日本全体が、まだ植民地なみの扱いを受けているのだ。自民党は、戦後CIAから資金を得ていた。また、わが国の官僚も、もとは米軍と、現在は米国官僚と、わが国官僚との協議組織、日米共同委員会で、米国の意向を伝えられ、それに諾々として従っている。日米共同委員会は、元山王ホテルにあり、同ホテルには、横田基地から通関せずに自由に、米国の高官が出入りしている・・・治外法権なのだ。要するに、わが国は米国に隷属した状態にある。

このオスプレイ墜落事故は、我々自身が考えるべき問題なのだ。

fake news 池田信夫氏のブログを例に 

池田信夫氏というネットで発言を続けているジャーナリストがいる。彼のブログの最近のポストに、「原発が他の発電方法に比べて安価だ」という内容のものがある。こちら。そこで、原発のコストが高いと主張している学者の代表として、立命館大学教授の大島堅一氏の著作を挙げている。大島氏は、原発の過酷事故は、10年に一度起こると仮定して、原発のコストを計算している、だから高コストになる、と池田氏は説明している。大島氏の著作「原発のコスト エネルギー転換への視点」(岩波新書)112から114ページに、原発事故の頻度と原発コストとの関係について記されている。

電事連の原発コスト計算では、社会的コストが捨象されており、それを考えると、原発のコストは高いこと。さらに、原発過酷事故の頻度は、IAEAの10万炉年分の一という予測値よりも、福島第一原発事故が現に起きたことを考えると、日本の過酷事故発生頻度は約400炉年分の一となること。後者によって計算したコストは、1キロワット時当たり1.2円になり、高コストであり、事業として成り立たない。さらに、過酷事故が起きた時の、損害額が天文学的な額になり、保険の引き受け手はない。従って、事故コストを、キロワット時当たりの価格に換算することには無理がある、というのが、大島氏の考え方だ。

池田信夫氏の論旨は、事実に反する。彼は、博士号まで持っていると、そのブログに記しているが、事実に反することをこのように垂れ流すことで、自らの発言の信頼性が損なわれることをなんとも思わないのだろうか。

これは、先日アップしたfake newsの問題と共通である。ネット、とくにSNS・BBSに出てくる情報はこの手のものがあまりに多い。

カジノ利権議員 

きわめてわかりやすい構図。小沢鋭仁議員は、返金せずに、堂々とカジノ企業の口利きを演じればよい。

そうすれば、誰がカジノ利権議員で、誰がそうでないのかが明らかになる。

12月13日付朝日デジタルより引用~~~

 パチンコ業界大手「ダイナムジャパンホールディングス」(本社・東京都荒川区)がカジノ解禁法案の提出者の一人、日本維新の会の小沢鋭仁衆院議員のパーティー券を計130万円分購入していたことがわかった。13日の参院内閣委員会で共産党の大門実紀史氏が質問し、小沢氏が答えた。小沢氏は返金を検討することを明らかにした。

 同社グループはマカオのカジノ運営会社に投資。カジノ解禁について、同社のサイトでは「日本のカジノ参加が決定すれば、当社グループの新たな事業の柱になることは間違いありません」と説明している。

 大門氏は「カジノ推進の中心企業とこういう関係にあるのは大変まずい。国会議員として疑惑が持たれるのではないか」と指摘した。これに対して、小沢氏は「私自身にはそういう思いがないから(政治資金収支報告書に記載して)きちんと処理している。頼まれてうんぬんということは全くない」と説明。さらに「李下(りか)に冠を正さずという話もあろうかと思うので、(返金を)検討したい」と答えた。(三輪さち子)
 

米国から、カジノ誘致の要望があるようだ 

三橋某というエコノミストが、以下の点をラジオ番組で述べたとFacebookでアップされている。この点、確認を直接とれていない。

〇在日米国商工会議所から、日本へカジノ誘致の要請があった

〇カジノ内にサラ金も設置せよとの要望もある

上記の三橋某の発言の真偽の確認は取れていないのだが・・・在日米国商工会議所内に、日本でのIR推進部局が確かに存在するこちら

政府はロクな国会審議もぜずに、このカジノ法案を急いで通そうとしている。その背景には、米国からの「外圧」があったと言われても仕方あるまい。

自主独立の憲法制定を目指す政党の政治家が主要メンバーである政府のやることだろうか?