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住民情報システムと犯罪 

住民情報システムに仕事上アクセスできる人間が、そこから得た情報をもとに強制わいせつ罪の犯罪行為を行っていたというニュースが昨日流れた。調べてみると、同じように住民情報システムから得た情報で同じような犯罪を犯したケースがいくつかあることが分かった。

http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/254114.html

http://juki.popolo.org/news/tuika050311.pdf

このようなプライバシーを扱うメガデータでは、セキュリティをいくら強固にしても、それにアクセスする人間が犯罪を意図したら、たまったものではない。それは、容易に防げない。

さらに、国家権力やら、プライバシー情報で利益を得る保険会社等が、そうしたデータを恣意的に用いることができるとすると、寒々しい社会状況が見えてくる。

厚労省は、医療情報と介護情報を結合させたデータベースを国の規模で作りあげるつもりらしい。「マイナンバー」に紐づけする積りなのだろう。医療介護という高度にプライベートな情報を、国家規模で一元的に管理すべきなのか、住民情報システムで生じた犯罪行為への反省がどれほど生かされているのか、大いに疑問だ。

以下、引用~~~

住民情報盗み見、女性宅侵入=元中野区臨時職員を逮捕-警視庁

 東京都中野区役所で勤務中に住民情報システムに接続し、個人情報を盗み見て女性宅に侵入したとして、警視庁捜査1課は11日、同区個人情報保護条例違反と住居侵入の疑いで、元中野区臨時職員高橋健一郎容疑者(29)=強制わいせつ罪などで起訴=を逮捕した。黙秘しているという。
 逮捕容疑は、同区の戸籍や住民情報を扱う部署に勤務していた2014~16年、住民情報システム端末で、同区に住む20代女性の氏名や住所などの個人情報を閲覧。この女性が1人暮らしをするマンション3階の部屋のベランダに計3回侵入し、下着の写真を撮るなどした疑い。
 捜査1課によると、高橋容疑者宅からは勤務中に知ったとみられる女性の名前や住所などおよそ50人分の個人情報が保存されたパソコンや携帯電話が押収された。
 同容疑者は昨年7月、同区で1人暮らしだった別の20代女性のアパートに侵入し、わいせつな行為をするなど計5件の強制わいせつ事件で逮捕されており、このうち被害女性3人の個人情報も保存していたという。
 しかし事件前の閲覧記録は確認されておらず、同課は侵入後に被害女性の名前や年齢などを盗み見ていた疑いもあるとみて調べている。
 田中大輔中野区長のコメント 区民に多大な心配と迷惑を掛け、心からおわびする。事実関係を調査し、厳正に対応する。(2017/01/11-17:59)

2016年度日本株売買動向 外国人投資家3兆7千億円売り越し 

興味深いデータが出ている。

昨年2016年度中の日本株式の売買額、7割が外国人投資家による。外国人投資家は3兆7千億円弱の売り越しだ。こちら参照。

これは、リーマンショック以来の売り越し額だという。

日銀、GPIFが大幅な買い越しをしている。

要するに、外国人投資家からアベノミクスなる政策は見限られたということだ。それで、株価が暴落するのを、日銀、GPIFに買い支えさせている・・・もちろん、政府がそう指示したのだろう。

さて、年金資金がどれほどマイナスに触れているか、要注意である。

こき下ろされたTrumponomics 

ノーベル賞受賞者が、American Economic Association 年次総会のパネルディスカッションで、トランプ次期大統領の経済政策について議論した。過半数の参加者は、Trumponomicsをこき下ろしている。こちら

Phelpsコロンビア大学教授は、Trumpに対してとりわけ批判的で、Trumpが個別企業に対して、賞賛と恫喝を行うことは、イノヴェーションをもたらす新規企業の登場を阻害する、と述べている。さらに、彼の行うという大規模減税、大幅な財政支出は、国の借金を増やし、政府への信認を貶め、最終的には深刻な不景気をもたらす、と述べている。

Myersonシカゴ大学教授は、Phelps教授の指摘を受けて、過去大規模な財政出動を行った米国政府は、米国債の増発でその財源を賄ったが、Trumpの目指す、アメリカ第一というスローガンのもとでの貿易協定の再交渉を行うと、米国債を買う外国人投資家の意欲をそぐことになるだろう、と述べた。

Josef Stiglitzは、トランプの述べる経済政策(というか、単にtwitterの呟き:ブログ主注)は、機能しないということが既にコンセンサスとなっている政策に属すると述べている。諸外国との貿易協定は、両者の信義に基づくべきであるが、すでにそれが崩壊し始めている、と述べた。

Deatonプリンストン大学教授は、Trumpの経済政策は彼が採るであろう外交政策ほどは心配していない、と述べた。対中国政策がとりわけ、心配である、と。

Shillerイェール大学教授は、他のパネリストに比べると、生来楽観主義者であり、将来の状況がどれほど悪くなるかを推測することは良しとしない、と述べ、他の参加者とは異なる立ち位置を示した。

~~~

Trumponomicsに関する、このような見方は、専門家の間では確定した見解なのだろう。Trumpは、結局、目先の利益だけを追求する「不動産業者的」視点しか持ち合わせていない。それが世界経済にどのような影響を及ぼすか、さらに現在の世界経済の問題から、どのような方向に進むべきかという見識は、まったく持ち合わせていない。

Trumpは、メキシコ国境に壁を作る、その資金は、当初選挙戦で息巻いていたようにメキシコに支出させるのではなく、米国の予算から支出する(その後、メキシコにそれを支出させる!)と軌道修正して、米国民の多くから失笑を買っている。今後、この類の軌道修正が矢継ぎ早に出ることになる。また、ロシアのポピュリスト プーチンの大統領選挙戦へのネットを通じた干渉に強い態度で出ることを躊躇っているようだ。選挙に他国が干渉するというのは、国の存立を左右しかねない一大事なのだが、Trumpにとっては、自らに有利になることであれば、そうした原則に立つことはない、というわけだ。この調子で、外交政策を進めるとしたら、国際社会に大きな障害をもたらす。

さて、この次期大統領を信頼に足る有能な指導者だと、他国の首脳に先駆けて、褒めちぎった政治家がどこかにいた・・・Trumponomicsがぽしゃったら、自らの経済政策の破綻とともにどのように弁解するのだろうか。

行政による医療からの簒奪 

緩和病棟ホスピスの定額診療報酬を受ける条件に、日本医療機能評価機構の病院機能評価がまだ続いている。この問題は、以前にも取り上げた。こちら。同機構による病院評価は、行政が病院の様々な「機能」を検定する制度だ。だが、その内実は、ほとんど意味がないことの羅列である。ひどい場合は、スリッパの形状や、ごみ箱の蓋の有無とかを問題にするらしい。もっとも大切な、医療機関従業員の労働環境、労働条件については、おざなりで形式的な評価しかしない。

以前のポストにも記したが、評価を受けるために数百万円規模の金を医療機関が要求され、毎年数十万円、さらに評価基準改定時に新たな受診と同じだけの金が要求され続ける。いわば、医療現場の貴重な収入を、ねこばばしているのだ。その病院機能評価に対する医療機関側の「評価」は右肩下がりで、受診する医療機関も減り続けている、と聞いている。同機構は、産科医療補償制度で百億円単位の内部留保を確保したため、この病院機能評価にはあまり積極的ではない様子。だが、緩和病棟の診療報酬にからみ、この病院機能評価というおかしな制度が「強制」になっていることは、社会的な公正さの点で到底納得が行かないものだ。診療報酬制度のなかで唯一この病院機能評価が強制されている項目である。人生最後の時を患者さんが過ごされる緩和病棟で、金をむしり取るねこばばを行政が行っていることには痛烈な批判がなされるべきだ。

実は、これ以外にも、医療を行政、その天下り組織が「食い物」にしている事例は、どんどん増え続けている。新たな専門医制度もその一つ。実務は学会に丸投げで、事務処理を担当する専門医機構と関連学会に莫大な専門医認定の手数料、更新料が入る。専門医資格が、実質的に勤務医となり仕事を続けるために必要条件になりつつある。医師は、あまり意味のない座学とリポート、そして多額の取得、更新手数料を支払わせられる。専門医取得・更新に多くの時間を割かれ、医師はさらに疲弊し、経済的にも負担を強いられる。これで潤うのは、官僚の天下る専門医機構と学会の幹部たちだ。

医療事故についても、同様の構図が見え隠れする。日本医療安全調査機構・医療事故調査・支援センターは、盛んに医療事故の報告例が少ないとマスコミに垂れ流している。その一方で、同機構は医療事故の原因調査再発防止のみに専念するという原則を逸脱し、医療訴訟事例も積極的に調査する事業を行っている。報告例が少ないと宣伝するのは、報告例数の増加が同機構の収入に結びつくからだ。このブログに後で引用しようと思っているが、同機構のそうした在り方について、坂根みち子医師が痛烈な批判を行っている。

ここでは触れないが、医学教育分野、診療報酬においても、同様の事例がある。

こうした天下り組織による、医療からの簒奪は、結局、医療の窮乏化、貧困化を招き、それによって患者にしわ寄せが及ぶ。

こうした簒奪の構図は、結局のところ、国民生活のいたるところに存在し、負の影響をもたらしている。政治はそれを黙認し、マスコミもほとんど問題にしようとしない。

日弁連は共謀罪創設に反対する 

共謀罪創設に反対する日弁連のパンフレット。ぜひご一読頂きたい。こちら

この法律は、実質的に治安維持法の再来だ。このパンフをぜひネットで拡散して頂きたい。

目くばせで成立する共謀罪 

共謀罪が創設されると、警察公安部は、我々の内面にまで入り込む。思想的な自由が侵される可能性がある。テロに対する対応だという説明は、欺瞞。この説明記事の解釈が政府の本音である。テロ「」に対するとして、政府は自ら欺瞞であることを明示している。

東京新聞から引用~~~

共謀罪

葛根湯加川芎辛夷 カッコントウカシンキュウセンイ 

患者としての経験。

私はダニアレルギーがあり、おそらくそれをアレルゲンとするアレルギー性鼻炎、それに伴う慢性副鼻腔炎がある。鼻粘膜の腫脹を来す鼻茸もあり、30歳台のころ一度その除去術を受けたことがある。徐々に、鼻閉を主体とする症状がepisodicに再発するようになってきた。

鼻閉は、副交感神経優位になる夜間に酷くなる。また耳鼻科に行かなくてはと思いつつ、何度も通院することや、場合によっては入院の上鼻茸・慢性副鼻腔炎の手術を受けなくてはならなくなることで、今まで放置してきた・・・悪い患者である。

鼻閉が酷くなる直前に、鼻粘膜の過敏性が亢進するためなのか、ひどい「くしゃみ発作」が生じる。すると、2,3日鼻閉に悩まされることになる。良い患者は、ここで耳鼻科にかかる必要がある。

しかし、上記の通りの理由で、受診拒否している私は、何とか薬で対処できぬものかと考えた。思い出したのが、上記の薬である。仕事をしていたころ、副鼻腔炎で鼻閉や後鼻漏のある患者に処方していた薬である。この市販薬を薬局でみつけて、購入し服用したところ、かなり即効性がある。1時間程度で効いてくる。葛根湯にエフェドリンという交感神経刺激剤が入っており、それが神経機序で効くのだろう。くしゃみも、すぐに収まる。鼻腔への交感神経刺激剤外用(噴霧)は、リバウンドがあり、効果が切れると、かえって鼻閉が酷くなるので、使うことはなかった・・・だが、この内服薬ではリバウンドはなさそう(これはあくまで主観なので、客観的な根拠はなし)。また、交感神経刺激剤は血圧上昇などの副作用をもたらす可能性があるので、注意が必要だ。この薬だけで対処しようというのは、悪い患者の対応なので、お勧めはしない。

ここまでは、序論。問題は薬価である。薬局で市販されているこの製剤は、医療用のものに比べると、約4倍の価格のようだ。医療機関にかかった場合のコストを見越して、価格設定されているように思える。市販薬は8日分で2000円以上する(もっとも連用することはまずないのだが)。医療機関にかかるよりは、少しだけ経済的な負担が少なくなるように、価格を決めているのだろう。要するに、薬価原価などから積算した価格ではなく、現状で利益を最大化できる価格に設定しているわけだ。医療用の公定価格の薬価から考えると、市販薬の製造販売業者は、暴利を得ている。

医療が完全に市場化される場合に、そのコストがどうなるかを示す一つの例か、と苦笑したことだった。この程度の薬だけで済めばよいのだが、生命にかかわる病気にかかり、市場化された医療のもとで治療を受けなくてはならなくなった場合のことを考えると、うすら寒くなる。

的は外れ、ツケが増えた 

アベノミクスの評判は、海外ではがた落ちである。IMF、Financial Times等々が、アベノミクスは完璧な失敗であると、こき下ろしている。JapanTimesのこの評論もしかり。長期にわたるスタグフレーションを、japanizationと称して、アベノミクスが完全な失敗であって、唯一、輸出企業にだけ利益をもたらし、富める人々の社会福祉に貢献していると皮肉たっぷりにこき下ろしている。

わが国のマスコミも、そこまでこき下ろすものは少ないが、この毎日の社説は、「三本の矢」が幻想であることをはっきり述べている。現在の株高も、トランプ現象の一環で、トランプの政策に市場が失望すれば、長くは続かない。国民は、積み増しされた公的債務の多さに辟易させられることになる

アベノミクスは、完璧な失敗である

以下、引用~~~

12月31日付毎日新聞社説 
5年目の安倍政権 アベノミクス 的は外れツケが増えた

「経済を、取り戻す。」--。そう公約し、今の安倍政権は誕生した。それから丸4年。あの時の約束はどうなったのだろう。
 安倍政権が最も強調したのは「デフレからの脱却」と「経済の好循環」だ。2%の物価上昇率、3%以上の名目経済成長率を達成する、と公約に明記した。その実現のため登場したのが、金融政策、財政政策、成長戦略の「三本の矢」からなるアベノミクスだった。

 第一の矢、つまり日銀による異次元緩和が的を外したのは明白だ。物価上昇率は9カ月連続でマイナスで、「2年程度で物価上昇率2%」はかすりもしなかった。第二の矢、財政政策はどうか。毎年のように何兆円という経済対策が打ち出されたが、効果は持続していない。法律に盛り込まれた消費増税を、経済状況を理由に2度も延期しなければならなかった事実は、好循環が起きていない証しに他ならない。

 安倍首相は、有効求人倍率の上昇や雇用の増加を成果として強調する。景気対策による面も一部はあるだろうが、数字の改善=雇用の改善とは限らない。高齢化に伴う介護要員の需要増や建設・運輸業界の人手不足が有効求人倍率を押し上げている。高齢者が非正規社員として再雇用され雇用の総数を膨らませている面もある。経済構造の変化が高賃金の雇用を生み、人々が希望の職を得るという望ましい姿はまだ遠い。

 アベノミクス最大の罪は、重要な課題を先送りし、将来世代に回すツケを一段と膨らませたことだ。異次元緩和に出口は見えない。2017年度末の国と地方を合わせた長期債務は1094兆円となる見込みで、12年度末から約160兆円増える

 アベノミクスの理論的支柱とされた経済学者の浜田宏一・内閣官房参与は文芸春秋1月号で、かつて日銀の金融緩和だけで経済が立ち直ると考えたがそうならなかったと誤算を認めた。そのうえで、原因を財政政策の踏み込み不足とし、もっと強力な財政のテコ入れと金融緩和を組み合わせる必要があると説いている。

 一段と借金は増えるが同氏は、「国の借金であれば消費者金融などとは違って返済期限もなく、将来世代に繰り延べすることもできる」と指摘している。

 せっかく働き方改革など構造問題に取り組んでも、同時に将来の不安が増大するツケ回しを続けていては効果は台無しだ。政策のコストは誰が負うのか、国民のチェックが求められている。

政府の目指す共謀罪対処法案は危険だ 

共謀罪に関する法案を政府は、国会に提出する。過去3回同様の法案が国会に提出されたが、法案への疑念から流れた経緯がある。

2000年の国連による「国際組織犯罪防止条約」を批准するために必要で、さらに東京オリンピックに際してのテロを未然に防ぐためにこの法律を作らねばならない、と主張している。

一方、共謀罪の概念そのもにも刑法上の議論があり、共謀罪を罰する法律が、市民生活を過度に縛る可能性が指摘されてきた。

米国では、同様の法律があったのにかかわらず、9・11テロは未然に防げなかった。さらに、この法律は、対象犯罪構成要件を厳しくしたように見せているが、テロ「等」組織犯罪と言う通り、対象犯罪の定義は曖昧である。先ごろ、警察公安部は、沖縄の辺野古基地建設反対運動は、「中国の手先が国内の分裂を図っている」と、とんでもない陰謀論を、その報告で展開している。共謀罪の犯罪を扱う公安部が、このような始末では、この法律で市民の自由が奪われる可能性が大きい。共謀罪のの対象として、「四年以上の懲役・禁固」となる犯罪が挙げられているが、この要件を満たす犯罪は600以上ある。従って、比較的軽微な犯罪でも、共謀罪の対象にされる可能性が高い。日弁連は、この法案に反対している。

思い返してもらいたい。集団的自衛権の政府による説明では、第三国で政変が起き、わが国に避難する邦人を乗せた友好国の艦船が攻撃された場合に、自衛隊が援護するため、という話だった。ところが、安保法制の最初の適用は、南スーダンの「駆けつけ警護」という内戦への直接的な関与だ。また、東日本大震災を「反省して」緊急事態条項を憲法に盛り込むという政府の方針にも、似た論理がある。ナチスは、緊急事態条項を利用して、自らの独裁を合理化した。テロ「等」という規定から、気が付いてみたら、政治運動や、他の運動がすべて共謀罪の対象になる可能性は大いにある。

共謀罪に相当する犯罪は、現行法令でも十分対処可能だと、法律の専門家は言っている。

この共謀罪法案には、裏の意図があると考えた方が良い。

以下、引用~~~

「共謀罪」提出検討=菅官房長官

2017年01月05日 12時46分 時事通信

 菅義偉官房長官は5日の記者会見で、「共謀罪」の罪名や構成要件を改めた新法案について、20日召集予定の通常国会に提出を検討していることを明らかにした。記者団の質問に「現在、慎重に検討しているところだ」と答えた。
 菅氏は「国際社会と協調してテロ等組織犯罪と戦うため、国際組織犯罪防止条約を締結することが必要不可欠だ。条約の締結に伴う法整備はしっかり進める必要がある」と強調した。 

マイナンバーカードを保険証代わりにする、そのメリット、デメリット 

マイナンバーを、医療分野にも導入する。同カードを保険証の代わりとして、保険証番号の照合をネットを介して行うようだ。ネットを介することは、それだけセキュリティに問題が起きうることを意味する。また、審査機関や保険者にもマイナンバーが伝わり、そこから情報漏洩が起きるリスクがある。米国では、社会保障番号として導入され、様々な犯罪がそのために生じている。ネット上に同番号をできるだけ載せないことが推奨されている。わが国では、そうした慎重さがみられない。この先、カルテをメガデータ化して、マイナンバーと紐つけすることを行政は考えているらしい。最大のプライバシー情報たる医療情報の漏洩が、起きることを考えると、身の毛がよだつ程だ。

また、コストも膨大になるだろう。このシステム構築に243億円かかるという。頻繁な更新が必要になり、メインテナンスにも毎年同じ程度の金額が必要になる。行政は、医療機関側にも、システム構築・メインテナンスのコスト(の一部)を負わせられる可能性が極めて高い。セキュリティコストとともに、医療機関には大きな負担になる可能性がある。保険証が生きているかどうかを患者の受診時にすぐにチェックできることは医療機関側のメリットだが、それは保険者が保険証の回収をきちんと行っていれば、マイナンバーを使わずともできることだ。カルテ情報を紐つけることになったら、どれほどのコストがかかることだろうか・・・将来、医療機関は情報通信業者のために仕事をする、ということにならねば良いのだが・・・。

マイナンバー制度の構築には2700億円程度かかり、そのメインテナンスには毎年300億円かかるようだ。マイナンバーに様々な情報を紐つけするごとに、莫大なコストが上乗せされ、さらにセキュリティの問題が増大する。

マイナンバー制度による最大のメリット受益者は、行政である。その維持管理には、おそらく天下りが行われている情報通信産業の業者が当たる。彼らも莫大な利益を得る。

医療機関は、多少の利便性を得るが、リスクとコスト負担が大きい。国民は、もっぱらコスト負担とリスクを負うことになる。


以下、引用~~~

病院でもマイナンバーカード、保険証代わりに

2017年01月03日 07時54分 読売新聞
 政府は、2018年度にマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする方針を固めた。

 患者の本人確認を迅速にし、医療事務の負担を軽減するとともに、カードの普及を図る。厚生労働省が17年度当初予算案に、システム構築の関連費用などとして243億円を計上した。

 マイナンバーカードへの対応が整った医療機関では、専用機にカードを通せば、保険証がなくても診察や薬の処方を受けられるようになる。医療機関から診療報酬の請求を受ける「審査支払機関」が、健康保険組合などの委託を受け、システム上で保険の資格確認ができるようにしておき、医療機関からの照会に答える仕組みだ。

 医療機関は、転職や離職などに伴って失効した保険証が示されてもすぐに分からず、後で失効が判明するケースも少なくない。患者が加入している保険の種類が瞬時に確認できれば、こうした事態を防ぐことができる。

AI技術のもたらすもの オバマ大統領の見識 

facebookで、アマチュア無線の友人がアップしていた記事。オバマ大統領の、AI研究者との対談である。こちら。興味深い内容だ。オバマ大統領が、AIについて優れた見識を持っており、政治家としてAI技術へコミットする仕方について語る内容は、一聴の価値はある。

AIは、知識の集積、それによる正確な判断はもたらすかもしれないが、最終的には、価値や人間関係については判断できないのではないだろうか。人が生きるうえで、選択をしなければならないわけだが、その究極のところは、生を賭けて選択することになる。そこでは、価値や人との関係が大きな意味をもつ。その最終的な選択には、AIは決定的な判断を下せないのではないか、ということを感じる。

AIは、人間の生活を便利にしてくれるかもしれないが、利用に関するセキュリティが大きな問題になる。政府や、独裁的な政治家、さらにはグローバル企業が、AIから得られる情報を独占することは危険極まりない。技術が独走をして、いつの間にかそれが特定の人間だけが利用できることになっては、まずい。そうしたセキュリティに幾重にも安全装置を施す必要があるのではないだろうか。

オバマ大統領の能力、見識に改めて驚かされる。上記リンクを張った記事はお勧めだ。

新年を迎えて 

頌春

昨年は、post truth politicsに明け暮れた一年だった。この背景には、様々な要因があるのだろうが、一番の原因はグローバリズムの猖獗だろう。自由貿易体制にはメリットもあるのだが、現在のグローバリズムは、結局巨大資本が世界を利潤追求の場にするシステムになっている。それへの反発が、人々を反グローバリズムないしその変形の国家主義を主張するポピュリズム政治家への支持に向かわせている。思想、宗教、人種、南北問題等がからみ、今後とも、混沌とした状況が続くに違いない。安倍晋三首相のpost truth振りは、口をあんぐりさせるほどだ。こちら。だが、彼のマスコミ・自民党支配によって、問題にされず生き残っている。これも結局国民の支持があるためだ。やがて、そのツケを国民が支払うことになる。

わが国は、少子高齢化社会が現実になっており、経済成長なぞ望めない状況なのに、まだ旧態依然とした国家財政政策が採られている。マネタリーストックが上がり続けても、景気が「回復する」ことはない。日銀が買い取るべき国債が底をつき始めると言われている。金利が上がると国債の価値は下がる。すると、国債を大量に抱え込んだ日銀の信用は大きく毀損され、国債利払いは激増する。オリンピック景気で当面は経済が持つかもしれないが、急激な破綻状況がいつ来るか、確定できないが、来ることは確実だと思える。

医療法人の売り上げ上位50法人のうち、19法人は赤字経営であることが先ごろ東京商工リサーチから公表された。この数は、急激に増えている。これは社会保障に国が予算を回さなくなったことが原因だろう。これはますますひどくなる。結局、公的保険診療から外れ自費診療分野にシフトするか、人的集約産業であることから人件費をさらに削るかのいずれかしかの道を取らない限り、医療機関は生き延びることができない。これは、医療機関の危機であるのみならず、国民の医療を受ける正当な機会を奪うことに他ならない。医学部が現在空前のブームになっているが、それもやがて去ることだろう。また、優秀な若手医師は、海外に雄飛することになるに違いない。MRIC、こちら参照。

新年早々、あまり喜ばしくないことを列挙したが、現実は、この通りなのではないだろうか。戦後73年目に入る今、これまで「戦争」を経験してこなかった我々は、全面戦争という形ではない、戦争に巻き込まれることになるのかもしれない。その破局を避けるべく努力をすることと、のちの世代により良い世の中を残せるように努力してゆきたい。