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日銀による国債買い入れ 

日銀は国債の買い入れを続けている。発行された国債の4割を超える額を、日銀が保有する状態になっている。

国債が暴落したら、日銀の財務は悪化し、ひいては円が暴落する可能性がある。国債の償還・利払いの負担は国の財政を破綻させる。また、輸入物資の高騰は国民生活を破壊する。

長期金利を低く抑えるための国債買い入れオペを日銀は続けているが、長期金利の暴騰が起きる可能性は日増しに高まっている。こちら、参照。

そもそもインフレ誘導策とは、財の国民から国への強制的な移動であることを、国民は分かっていない。国債は、将来の税収によって償還されることになっている。国債発行額が、国民の財産を超える額になったとき、または米国の金利が急激に上昇したときに、長期金利は暴騰する。それによって、過大なインフレが急激にわが国を襲うことになる。

以下、引用~~~

国債、日銀保有358兆円…初の4割超

2017年02月09日 08時19分 読売新聞
 日本銀行が保有する国債の発行残高に占める割合が、1月末時点に初めて4割を超えたことがわかった。

 日銀は昨年9月に、金融緩和の枠組みを見直し、国債を買う量から長期と短期の金利の目標に軸足を移したが、「年80兆円」をめどに、大規模な国債の購入を続けている。

 日銀が8日に公表した統計によると、償還時に受け取れる元本(額面金額)ベースで、1月末の国債の発行残高は全体で894兆円だった。このうち、日銀が保有する国債は358兆円で、発行残高に占める割合は、40・1%となった。日銀が「量的・質的金融緩和」を導入する直前の13年3月末は11・7%だった。

 市場に流通する国債が減りすぎると、国債の買い入れを続けることが難しくなるとの懸念も根強い。また、日銀の大規模な国債購入は、ドル高の是正を主張するトランプ米大統領の攻撃の的になる恐れもある。

得難い交信と、雪の朝 

昨日の朝、14メガでSteve W7QCをお呼びした。最初、とっても弱くて、応答がなかったのだが、三度目くらいに急に信号が強くなった。Steppirをリバースしたようだ。Sにして4か5の差。今日のこちらと同じく、あちらも結構な積雪。8インチとか。彼の愛猫Marcが、雪の積もった外に出ようと、雪の上に手をそっと載せたのだが、すぐに出かけるのを止めて室内に戻ってきてしまった、と言って笑っていた。

今朝は、同じ14メガでDick K4XUに呼ばれた。昨日、あちらの有名レストランで、奥様Chrisの誕生祝をなさった様子。ただ、先月、彼女が、町中で転倒、上肢を骨折、仙骨の打撲に見舞われた由。本当は先月そのレストランに行くはずだったが、昨日まで延期せざるを得なかったようだ。こうやって家族のことを話すことができる交信がうれしいね、と言ってくださる。

両者ともにほっこりするような交信だった・・・だが、こうした交信は、何時も繰り返すことになるが、本当にめったにお目にかかれぬ出来事になってしまった。

今日は、午前中から降雪。咲き始めた梅が雪に隠れてしまった。

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トランプと一蓮托生 

トランプ政権内部から、トランプ大統領について情報が漏れ出てきているというハフィントンポストの記事。こちら。政権に批判的なハフィントンポストの記事とはいえ、笑うに笑えぬ米国政権の実情だ。

米国にとってドル高が良いのか、ドル安が良いのか、分からなくなった彼は、説明を求めるために、政権の幹部を呼んだが、その人物はマクロ経済の専門家ではなかったとか、ホワイトハウス内部でバスローブで過ごしケーブルテレビで政治ショーのSNLを見るのを常にしているとか、政権内部からマスコミに情報が流れてくるらしい。

彼は、ナルシストである。そして、家族以外の人間を基本的に信用しようとしない。その発言には、一貫性がなく、専門的知識に裏付けられたものではない。そして、スティーブ バノンのような、人種差別主義者・極右思想の持主を政権中枢に据える。バノンは、Breitbart Newsというpost truthの権化ともいえるサイトに関わり、同Newsは極右団体alt-rightに議論の場を提供すると述べている。彼は、米国の安全保障政策の最高意思決定機関であるNSCのトップに据えられている。

こうした政権からどのような政策が生まれ、実行されるか、身の毛がよだつようである。特に、世界を破滅するに足る核兵器の発射権限が、トランプやバノンのような人物に与えられていることは人類にとっての危機的な状況というべきだ。

このトランプに、大きな土産を抱えて安倍首相は出かける。トランプと一緒にゴルフをしたいと所望したと伝えられている。年金機構の資産を米国投資に回すという彼の目論見は、彼は国会で否定した。だが、年金機構のトップは、米国への投資に回すことを否定していない。安倍政権になってから、年金資金からこれまでの二倍以上の金が株式市場に投入され、損失を出し続けているという。年金機構は、政権から独立していると安倍首相がいくら述べても、この株式への投資は、アベノミクスのうわべを飾る粉飾にすぎぬことは明らかだ。現在は、ITと金融で好景気の状態だが、今後、保護主義政策等で混迷を深めるであろう米国経済に、莫大な年金資金を投資することで、年金資金に大きな損失が生まれる可能性が高い。トランプ政権と、安倍政権は一蓮托生となるのか。

いずれにせよ、我々にその損失・損害が巡ってくるのは確実だ。

脳動脈瘤の発症機序の一部が解明された 

蔵書類を整理していて、従妹のEOの記念誌が出てきた。彼女は、1980年代半ば、脳幹部に及ぶクモ膜下出血で亡くなった。

EOの発症直後、ご主人から電話があり、当時大学外に派遣されていたのだったが、大学の救急に運ぶように伝え、そこで意識がなく、救急のベッドに横たわる彼女にお目にかかったのだった。一時、心停止に陥ったが、救急医の尽力で心拍は回復した。だが、病棟に上がってから、肺水腫が現れ、徐々に脳波がフラット化し、最終的に九日後に昇天したのだった。まだ42歳の若さだった。

私が研修を始めたころ、なにくれとなく気をつかってくれて、家族一同本当にお世話になった方だった。私は医師として彼女の病状に関与することはなかったが、幸い大学の同級生のI氏が担当医になってくれた。彼がとてもよく対応してくれて、病状の説明も十分してくれた。分かる範囲でご家族に説明の補足をする程度のことしかしてあげられなかった・・・いや、主治医だったとしても、できることは本当に限られたことだったろう。あの闘病の九日間は、彼女の死をご家族が受け入れるために準備された時間だったのかもしれない。私にとって、親しい親族が亡くなるのを間近で見届けた最初の方だった。

それにしても、EOのように若い年齢で、激烈な経過で罹患した人を死に追いやるこの病気の残酷さは忘れられない。

クモ膜下出血の主要な原因である、脳動脈瘤の発症機序の解明が一歩進んだという記事が出ていた。

先天性の要因と、血流の問題、それにこのマクロファージの活性化による炎症機転の進展が絡むようだ。炎症が発症に絡むということは新たな知見だろう。マクロファージは、外来性の病原体に接するとTLR4といった受容体を介して、活性化され、様々なサイトカイン、ケモカインを放出、炎症反応を引き起こす。この動脈瘤発症機序では、マクロファージの活性化は何がトリガーになって起きるのだろうか。そこが知りたいところだ。動脈瘤の保存的な治療に結びつくとしたら、大きな朗報だ。

以下、引用~~~

「脳動脈りゅう」仕組み解明 治療薬開発に期待
2月8日 4時10分 NHK

脳の血管にこぶができ、破裂するとくも膜下出血を起こす「脳動脈りゅう」は、特定のたんぱく質が働くことで症状が進むと見られることを動物実験で突き止めたと京都大学のグループが発表しました。治療薬の開発につながるのではないかと期待されています。
脳動脈りゅうは、脳の血管が膨らんでこぶができ、大きくなって破裂すると、脳卒中の1つ、くも膜下出血を起こす病気で、患者は国内に数百万人いると見られています。

京都大学大学院医学研究科の成宮周特任教授と、青木友浩特定准教授などのグループは、脳動脈りゅうを起こしたマウスやラットを使い、病気の原因を詳しく調べました。

その結果、膨らんだ血管には「マクロファージ」と呼ばれる白血球の1種が集まり、この細胞の表面で、炎症を強める働きを持つ「EP2」というたんぱく質が作用していることがわかったということです。

このたんぱく質の働きを抑える薬をラットに投与したところ、血管の膨らみが半分以下に減ったということで、研究グループは、このたんぱく質が症状の進行を招いていると見ています。

青木特定准教授は「現在は手術以外に効果的な治療法がないが、このたんぱく質の働きを抑えることで治療できる飲み薬の開発を目指したい」と話しています。

同じ研究グループの研究者による総説のサマリー;

Acta Neurochir Suppl. 2015;120:13-5. doi: 10.1007/978-3-319-04981-6_2.
Molecular basis for intracranial aneurysm formation.
Fukuda M1, Aoki T.
Author information
Abstract
Intracranial aneurysm (IA) is a socially important disease both because it has a high prevalence and because of the severity of resultant subarachnoid hemorrhages after IA rupture. The major concern of current IA treatment is the lack medical therapies that are less invasive than surgical procedures for many patients. The current situation is mostly caused by a lack of knowledge regarding the regulating mechanisms of IA formation. Hemodynamic stress, especially high wall shear stress, loaded on arterial bifurcation sites is recognized as a trigger of IA formation from studies performed in the field of fluid dynamics. On the other hand, many studies using human specimens have also revealed the presence of active inflammatory responses, such as the infiltration of macrophages, in the pathogenesis of IA. Because of these findings, recent experimental studies, mainly using animal models of IA, have revealed some of the molecular mechanisms linking hemodynamic stress and long-lasting inflammation in IA walls. Currently, we propose that IA is a chronic inflammatory disease regulated by a positive feedback loop consisting of the cyclooxygenase (COX)-2 - prostaglandin (PG) E2 - prostaglandin E receptor 2 (EP2) - nuclear factor (NF)-κB signaling pathway triggered under hemodynamic stress and macrophage infiltration via NF-κB-mediated monocyte chemoattractant protein (MCP)-1 induction. These findings indicate future directions for the development of therapeutic drugs for IAs.

原発事故地域への住民の帰還の問題 

東電福島第一原発事故による避難の区域が、狭められつつある。2022年までに、帰還困難区域以外は、住民帰還を目指すとの方針のようだ。しかし、実際に、帰還が進められた地域では、田村市東部を除いてこの1,2年間の間に帰還した住民は1から2割しかいない。こちら。

住民帰還の進め方に問題がある。

一つは、避難指示解除準備区域の規定が、年間放射線量が20mSv以下となっていることだ。これは、2009年のICRPの勧告による長期被曝の許容線量1から20mSvの最大の値だ。確かに、疫学上は、100mSv以下では、発がんはノイズ以下の確率になるようだ。だが、実際の長期的な知見はまだ乏しい。さらに、放射線感受性の高い幼小児では、20mSvという放射線量が何らかの影響を及ぼす可能性は残る。避難指示が解除されても、当該地域では当面は極端な高齢化が進む。

二つ目、「除染」は居住地域に限定して行われ、またそれによって劇的に放射線量が減るわけではない。山野、畑の放射能汚染はそのままだ。生態系に放射性物質が取り込まれ、蓄積・高濃度化する可能性もある。メルトダウンした原発燃料の局在を知り、取り出す方法はまだ全く見出されていない。今のところ、内部被ばくにそれほど問題はないとされているが、今後、綿密に環境汚染・内部被ばくをフォローする必要がある。

ネットを巡回していると、こうした福島の放射能汚染問題を取り上げることが、福島の人々への偏見・風評被害を助長するという議論もあるようだ。その意見の趣旨は分からぬでもないが、問題が残っていることは指摘し続けなければならない。東電、政府当局は、住民を早期に帰還させ、それで原発事故の責任から逃れようとしているように思えてならないからだ。今のところ、重大な健康被害は生じておらず、内部被ばくも問題になることはない。だが、それだからといって、今後とも問題はないと言い切ることはできない。住民を早期に帰還させることは、慎重に行うべきだ。そのフォローを客観的に第三者が行うべきなのではないだろうか。

「研究者版経済的徴兵制」 

安倍政権の軍産学複合体拡充の試みは止まらない。

防衛省は2015年度から、「安全保障技術研究推進制度」を設け、大学・研究機関・民間企業の研究に研究資金を提供し始めた。予算規模は2015年度3億円、2016年度6億円だったものが、2017年度は110億円と、二けた違いの予算に膨らんでいる。だが、応募数は、2015年度が109件(採択9件)であったものが、2016年度には44件(採択10件)と半減した。この制度の胡散臭さに研究者が気づいたためだろう。だが、これまでこうした軍産合同の研究に批判的だった日本学術会議は、「防衛」にからむ研究だったら良いのではないかという議論を始めている。大学への交付金が毎年機械的に減らされ続けており、軍産学複合体の研究への忌避感が研究者の間で薄らいでしまう、ないし背に腹は代えられぬとそうした研究に手を染め始める研究者が増えることが危惧される。

安倍政権は、軍産学複合体の拡大を図り、武器輸出を経済成長の一つの柱にすることを目論んでいる。それは、平和国家というわが国の国際的な評価を台無しにする。さらに、秘密保護法、安保法制、そして今国会審議中の共謀罪法案によって、安倍政権は戦争をする国を実現しつつある。それの一環として、科学研究者を、「研究者版経済的徴兵制」(「兵器と大学」 小寺隆幸 岩波ブックレット)の下に置くことを、上記制度で目論んでいる。

科学研究を、軍事に転用するデュアルユースを目指した、より広範な有識者会合「安全保障と科学技術の研究会」を、内閣府が発足させる。いよいよ国家規模で、軍産学複合体の拡充を目指すことになる。

沖縄へのきわめて冷淡な現政権の視線と、第二次世界大戦への反省に立つ、平和のみへの科学の貢献という視点を蔑ろにする現政権の思惑とは、共通の基盤から出てきている。

この軍事国家への歩みは、国民を不幸にする。

以下、引用~~~

軍学共同 防衛省以外も推進 技術開発へ「研究会」 内閣府、月内にも設置

2017年2月5日 朝刊 東京新聞

 軍事に転用できる大学や民間研究機関などの技術(軍民両用技術)開発を推進するため、内閣府が今月中にも、有識者会合「安全保障と科学技術の研究会」を発足させることが、内閣府への取材で分かった。研究会は防衛省だけでなく、他省庁も巻き込んで軍民両用技術の開発を進める方策を探る予定で、軍学共同に反対する研究者らからは批判の声が高まっている。

 政府関係者によると、研究会は、自民党国防族らの要望などを受け設置される。内閣府の政策統括官(科学技術・イノベーション担当)の下で議論し、検討結果は「総合科学技術・イノベーション会議」(議長・安倍晋三首相)に反映される。同会議は国の科学技術政策を担い、関連予算をどう配分するか決めている。

 内閣府は、軍民両用技術の推進を唱える政策研究大学院大学の角南(すなみ)篤教授や、大手防衛企業幹部、日本学術会議の大西隆会長などに参加を打診しているという。

 研究会では、テロ対策技術や防衛技術の開発に重点が置かれる。軍事転用可能な大学などの研究に助成金を出す防衛省の「安全保障技術研究推進制度」にとどまらず、ほかの省庁が主導して大学や研究機関の研究を防衛技術に転用できる仕組みなどを検討する。

 内閣府の担当者は「テロや防災など幅広い分野から議論し、防衛省だけでなく各省庁が安全保障に資する科学技術をいかに発展できるか考えたい」とする。議論を公開するかは未定。軍事研究を巡っては、国内の研究者を代表する機関「日本学術会議」が一九五〇、六七年の二度にわたり「軍事目的の研究をしない」とする声明を掲げているが、昨年から声明の見直しを含めた議論が続いている。

◆「おぞましい策謀」学術会議フォーラムで批判

 軍民両用技術開発を推進するための研究会が内閣府に設置されることになった。大学や民間研究機関などの研究の軍事転用を巡っては、日本学術会議を中心にその在り方の議論が進められている。その結論も待たずに、国が軍学共同へと突き進む姿勢に、研究者の批判は高まっている。

 日本学術会議の安全保障と学術に関する公開フォーラムが四日、東京都港区で開かれ、防衛省が大学や民間に助成する制度への批判が相次いだ。

 東大大学院の須藤靖教授は「安全保障に過度に依存する基礎研究など信じ難い。制度に応募しないと合意すべきだ」と防衛省の制度を批判。臨床研究情報センターの福島雅典センター長は「政府の軍民両用はおぞましい策謀だ。科学者は人類の未来に重い責任があることを忘れてはならない」と主張した。

 研究者の間に防衛省の制度を危険視する見方が広がる中、政府与党は逆の動きを強める。自民党のある防衛族議員は「中国は桁違いの金で核開発を進めている。のんきなことは言ってられない。大学や民間の軍事技術への取り込みは必須だ」と研究会の発足を促した理由を説明する。

 フォーラムに参加した新潟大の赤井純治名誉教授は、「人類の福祉や平和に貢献できるような科学の在り方を無視した動きだ。国策の名の下に研究者が軍事研究に加担させられた歴史を繰り返そうとしている。あるべき学問とは何かという視点が完全に抜け落ちている。亡国の施策だ」と批判する。 

(望月衣塑子)

Marathon 2017 

FOCの部内コンテストである、Marathonが先週末に行われた。CONDXは、21メガ以下しか開けなかったし、21メガが開けたときにも北米は殆ど出てこなかった。でも、7と14メガはほどほどに楽しめた。昔やっていたDXの真似事みたいなこともできた。7メガの夕方、CT9/G3TXF Nigelから呼ばれた。ヨーロッパへのパスは殆ど開いていないときに、か細い信号で呼んでくれた。K2LE Andyの運用するP40LEとは、14、7メガで交信し、日暮れ前の7メガが良いねと言い合った。彼からの希望で、3.5メガでスケジュールを設定。17時は聞こえず。その後、7メガで再会し、再び20時に決めた。そちらでは、しっかり聞こえた。3.5メガのカリブ、久しぶり。彼ももう80歳前後ではないだろうか。元気だ。ヨーロッパの古くからの知り合い、Leif OZ1LO、 Joe DL4CF、 Ron G3KTZ等とお目にかかれた。英国へのパスは、厳しく、信号は軒並み弱い。英国との交信は9局のみ。

自分の年齢を感じたこといくつか・・・まず、土曜日の8時前に14メガに出てCQを叩くと、Dick K4XUが呼んでくれた。160mのアンテナが故障したと、彼がMLに書き込んでいたので、どうしたか尋ねると、4ft積もった雪の中、なんとか修理した由。そんな話も早々にFOCナンバーを送ってくる・・・あれ、Marathonは00Zからだったのではなかったかと思ったら、21Z開始だった。すでに始まっていたのである。彼はすでに126局交信したようだ。次は、VK2IA BerndをVK2BJと間違えて、これまた話を少ししてしまったこと。間違いに気づき、歳のせいだと自虐すると、いやいやキーイングはしっかりしているから、まだ大丈夫とBerndに慰められてしまった。キーイングミスも目立つし、やはり加齢は嫌でも進んでいる・・・という当然の結論。

楽しむと言っても、私の場合は、旧友のコールを確認し、一言二言交わすことこそが楽しみだ。K6KII Cliffが、弱い信号で14、ついで7メガで呼んでくれた。南カリフォルニアから強力な彼の信号を50年近く聞き続けてきた者としては、感慨深い。でも、QRTすることなく、コロラドから出ておられるのを聞いて、嬉しかった。K1YT Billは、以前記した通り、数年前にFOCを退会した友人。14メガが東海岸に開けている間に呼んでくれた。TH7DXにうっかり許容パワー以上を入れてしまい、それ以降SWRが高くなってしまい、ハイパワーを入れられぬらしい。交信は3,4分で終了。その後、メールを頂いた。彼もも74歳。呼吸器、循環器に健康問題を抱え、また家族に心配事がある様子。14メガの朝方定期的にワッチしあおうと約束した。

この催し、私にとっては、一種の同窓会である。今年も無事終えることができた。

共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明 

共謀罪法案が、不必要であり、かつ危険であることを、刑事法研究者達が述べ、同法案の国会提出に反対している。こちら。必読である。

この法案に基づく捜査と、通信傍受は抱き合わせで行われ、国民の思想・信条の自由を著しく阻害する。警察が通信傍受の拡大を行う可能性があることを、法務大臣自ら国会で述べている。

国民は、思想・信条の自由を失わなければ、問題の重大性に気づかないのだろうか。

朝貢外交 

これは、朝貢外交そのものだ。植民地の首領が、宗主国に貢物を差し出す構図だ。

原発産業が、どれほどリスクをはらむものか、福島第一の事故だけでなく、最近の日本鍛鋳のフランスでの原発部材の問題、米国原発企業に投資した挙句、東芝が生んだ莫大な負債をみれば、分かろうというものだ。原発産業投資をさらに米国と進める、とうのは馬鹿げている。トランプはしたたかにリスクを最小限にし、利益だけを上げようとするだろう。福島第一事故は、原発を用いることの大きなリスクを示し、我々に原発無しの電力・エネルギー構造へのパラダイムの変換を迫ったはずだ。それを安倍政権は理解していない、ないし無視している。

そもそも、どうしてここまでする必要があるのか。米国は、雇用率は十二分に高い。ITと国際金融で好景気なのだ。地域的な雇用の問題があるとすれば、産業構造の転換をすべき国内問題に他ならない。トランプは、それを知ってか知らずか、米国への投資雇用の増大・米国製品の輸入を、他国に強要しようとしている。

他の先進国のように毅然とした態度を取れないのか。

公的年金資産を、米国への投資に振り向けるというが、すでに米国国債は十分に購入してある。米国は、リーマンショックの反省から銀行の投資活動に制限を加えたDodd Frank法を廃止するらしい。ウォールストリートの金融資本が、その貪欲さで国際社会を混乱に陥れる可能性が高まる。この次のバブル崩壊では、金融機関の信用が毀損され、金融システムが機能しなくなる可能性が高い。そうした経済財政政策をとっている米国に、年金の資産をこれ以上ぶち込むというのは、国民に対して無責任極まる。

給付型奨学金に要する200億円、さらに貧困児童対策への資金を、国庫から出そうとしない一方で、安倍政権は、こんなバカげた朝貢外交を進める。近い将来、我々にそのツケが回ってくる。

安倍首相は、戦後レジームからの脱却と言いつつ、米国権力から認められることを何よりも優先する。植民地の奴隷根性だ。戦後レジームのなかにもっともドップリつかっているのが安倍首相だ。

以下、引用~~~

 2月3日付朝日新聞デジタル 「米で70万人雇用創出」 首相、首脳会談で提案へ 投資、年金資産も活用

 日米首脳会談に向け、政府が検討する経済協力の原案が2日、明らかになった。トランプ米大統領が重視するインフラへの投資などで4500億ドル(約51兆円)の市場を創出し、70万人の雇用を生み出すとしている。日米間の貿易不均衡を批判するトランプ氏に10日の会談で示して理解を得たい考えだが、日本の公的年金資産の活用をあて込むなど異例の手法だ。
 題名は「日米成長雇用イニシアチブ」。経済協力の5本柱で「両国に成長と雇用をもたらし、絆をさらに強化」するとうたう。米国でのインフラ投資では、約17兆円の投資で65万人の雇用創出を想定。テキサス州やカリフォルニア州の高速鉄道計画への協力、都市鉄道や地下鉄車両の3千両刷新などを盛り込む。
 巨額の投資には「日本のファイナンス(資金)力を最大限活用」と明記。メガバンクや政府系金融機関による融資のほか、外国為替資金特別会計、公的年金を長期運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金活用も見込んでいる。
 また、日米以外の国の市場を一緒に開拓し、民間航空機の共同開発や原発の共同売り込みでも10年間で1500億ドル(約17兆円)の市場開拓をめざす。研究開発分野では、日本が得意なロボット技術、米国が先行する人工知能(AI)の連携を進める。
 トランプ氏は、自動車をやり玉に対日貿易赤字を問題視し、為替操作で自国に有利に導いていると日本を批判している。安倍晋三首相は1日の衆院予算委員会で「いかに日本が米国の雇用を生み出し、米国の産業界全体の生産性向上や競争力強化に貢献していくか。インフラ整備にどう協力できるか。大きな枠組みの中で話したい」と述べた。今回の提案を通じ、トランプ氏の対日観の修正を図りたい考えだ。
 ただ、政府内には「米国なしに日本経済は成り立たない。(相互利益の)ウィンウィンだ」(政府関係者)という評価の一方、トランプ氏に寄り添い過ぎて「『朝貢外交』と言われてしまう」(首相周辺)という批判もある。
 政府は、日米の財政や通商政策、外交などを幅広く議論する閣僚級協議の設置も提案する方針。麻生太郎財務相や世耕弘成経済産業相、岸田文雄外相らの参加を見込んでいる。経済協力の具体化のほか、日本の投資や現地雇用での貢献もアピールする。
 ■日米成長雇用イニシアチブ(要旨)
 ◇趣旨
 5本柱の政策パッケージの日米連携により、10年間で4500億ドル(約51兆円)の市場と70万人の雇用を創出
 ◇具体的な連携策
 (1)米国でのインフラ投資(約17兆円)
 高速鉄道や、新規発電所を整備
 (2)世界のインフラ投資で連携(約22兆円)
 民間航空機の共同開発、原発の共同売り込み
 (3)ロボットと人工知能(AI)の連携(約6兆円)
 原発、医療、自動運転車分野などで研究開発
 (4)サイバー・宇宙空間での協力(約6兆円)
 同盟国として日米のサイバー防衛力を向上
 (5)雇用や技術を守る政策連携
 貿易不均衡の解消、技術や資源の保安で協力

戦前の治安維持法、沖縄の問題そしてテロ等組織犯罪準備罪対策法 

以前、キリスト教独立学園高校、その創設者の鈴木弼美のことを記したことがある。こちら。このところ、両親の残した蔵書を整理していて、同高校の創立50周年の記念誌を発見した。1980年代に編まれたもののようだ。鈴木自身、さらに同高校の設立・維持・発展に関わってこられた方々、卒業生の方々が長短取り交ぜた文章を寄稿している。1000ページにも及ぼうかという浩瀚な書物だ。

そのなかで、渡辺彌一郎という方の記した、鈴木弼美との交流記が目を引いた。1920年代だったか、同地で無教会主義の伝道を始めた鈴木が同地に定着するための手助けをし、さらに鈴木がそこに高校(の前身の学校)を建設した際に援助をした現地のか方のお一人が、渡辺であった。個人的な苦悩から鈴木の下でキリスト教に入信した渡辺は、しかし、戦時中、特高警察に鈴木とともに逮捕されてしまう。当初、「国体」に反逆する者達だけを検挙するためとして導入された、治安維持法が、どんどん拡大されて行き、山形の山奥で静かにキリスト教信仰に基づく学びと信仰の生活を送っていた彼らをも、逮捕するまでになっていったのである。鈴木と渡辺は、特高警察の執拗な尋問に対して、自らの潔白と、信仰とを表明した。その拘禁は8か月にも及んだ。外部の人々の援助と、何よりも彼ら自身の毅然とした態度によって、検察は彼らを釈放せざるを得なくなった。その一部始終が、手に取るように記録されていた。平和な生活を送っていた二人が、特高警察(現在でいえば、公安警察となるのだろう)によって、何も容疑がないのに突然逮捕され、日常生活から連れ去られる恐怖はいかばかりだったかと思う。ご家族・仕事をともになさっていた方々はどのような思いだったことだろうか。彼らは、堅固な信仰に立ち、何らやましいところがなかく、助かることができた。が、特高警察の尋問は苛烈を極めた様子が、この記録に記されている。朝、拘置所から尋問のために連れ出された人が、帰ってくるときには、自力で歩けぬほどになるのを何度も目にした、とある。拷問が行われていたのだ。治安維持法によって、こうした狂った警察活動が、いたるところで繰り広げられた。国民の間に疑心暗鬼が広がり、密告も多くなされたという。お二人がその信仰によってその過酷な運命を生き延びたことにまずは驚嘆させられる。が同時に、治安維持法がいかに国民を苦しめるだけの悪法であったかということを改めて教えてくれる。

この記事を読んで思い起こしたのは、沖縄で反基地活動を行い、微罪で逮捕され、現在も拘置され続けている、山城博治のことだ。彼は、起訴されて、拘留される理由がないのに、100日以上拘留され続けている。彼は2年前に悪性リンパ腫を患っている。そのフォローも十分されていない。家族との面会もゆるされていない。国際人権NGOアムネスティが、彼の逮捕・長期間拘留の非人道性を国際的に訴えている。こちら。これも一種の治安維持法的な拘禁ではないか。テロ等組織犯罪対策法ができれば、このようなケースでは、さらに多くの方を逮捕し、長期間拘留する根拠を権力側に与えることになる。また、国民の間の密告が奨励されることになる。

現在、国会で審議されているテロ等組織犯罪対策法という名の共謀罪法案は、戦前の治安維持法とその法的意味合いは同様である。国会答弁で、安倍首相は、この法案の対象は、テロ等の組織犯罪であり、一般人は対象にならないと繰り返し述べている。だが、昨日の審議で「オレオレ詐欺」を対象にするとも述べた。オレオレ詐欺のどこが一体テロ等組織犯罪なのだろうか。安倍首相は、オレオレ詐欺という身近な犯罪にもこの法律で対処できるようになる、だからこの法案を支持してほしい、という積りだったのかもしれないが、この論理は、同法案がいかようにも拡大解釈できることを示している。安倍首相と警察・検察の意図は、治安対策にこの法律を用いることなのではないか。安保法制の審議中に、安倍首相がその必要性を外国で有事の際に、邦人を救い出すためと説明していた。だが、実際は内戦状態にある南スーダンへの自衛隊派遣、駆けつけ警護という名の内戦への参画であった。また、米軍との統一行動にも結び付けようとしている。安保法制の国民への説明は、ほとんど詐欺同然であった。それと同じことが、このテロ等組織犯罪対策法の説明でも行われている。

戦前、治安維持法により、国民がどれだけの災禍に見舞われたか、先に述べたキリスト教独立学園高校のお二人の経験から我々は学ぶべきだ。そして、沖縄でも同じようなことが進行している。次は我々がターゲットにされる可能性がある。このテロ等組織犯罪準備罪という新たな犯罪名は、オリンピックのための一時的なものではなく、今後我々の思想信条の自由を永続的に縛り上げる根拠になる。

(以上、敬称省略)

偽造薬の問題 

偽造薬品の問題は、一つにはそれを製造する犯罪集団、二つ目には流通させる薬品卸、そして最後に末端の薬局ないし医療機関にある。

製造者は犯罪を犯しており、徹底して追及されるべきだ。卸、流通業者も、利益追求のために安い薬品を厳しいチェックなしに購入することは止めるべきだろう。末端の医療機関・薬局は、正直なところ、卸から仕入れたものであれば、それの真贋を疑うのは難しいかもしれない。が、現在主流になっている院外薬局は、その機能からして、常識を超える値引き品や、怪しげな流通業者から仕入れるべきではない。考えたくはないが、他の薬でも偽造薬があり、市場に出回っている可能性がある。薬剤の流通経路の最初、ないし少なくとも途中で、そうした薬を見出し、患者の手に渡らないようにすべきだ。

もう一つ大きな問題は、抗がん剤、抗ウイルス薬、生物製剤等を中心に薬価がきわめて高額になっていることだ。この抗C型肝炎ウイルス薬は、一錠5万円以上する。このブログでも何度か、この高薬価の問題を扱ってきた。例えば、こちら。この高薬価の問題を解決しないと、医療は早晩破綻する。高薬価の算定根拠は何なのか、製薬企業はそれでどれほどの利益を上げているのか、医療制度を維持する観点から、徹底して検証すべきだろう。高薬価が続く限り、こうした偽造薬はあとを絶たない。

偽造薬の犯罪性は、それによって利益を上げる人間がいること、本来の真正の薬で得られる利益を患者が得られないこと、偽造薬による副作用(というか、それによる患者に悪影響を及ぼす効果)があることである。どれをとっても看過できない。二番目の点でいえば、抗がん剤・抗ウイルス薬等の場合、休薬すると病状が進行し、さらに真正薬への効果が落ちる可能性がある。この点で、殺人罪にも匹敵する犯罪である。そうした観点から、捜査当局には徹底した捜査を期待したい。

以下、引用~~~

偽造肝炎薬 ハーボニー「裏ルート」 偽薬「ぬれ手であわ」 超高額、需要も高く
17/02/01記事:毎日新聞社
 
 正規とは異なる「裏」の医療用医薬品流通ルートで出回ったことが明らかになったC型肝炎治療薬ハーボニーの偽造品。横流し品など素性のはっきりしない製品の流通を放置することは、健康を脅かす偽造品が紛れ込む余地を広め、医薬品の高額化が進む先進国が偽造グループに狙われる恐れを高めている。
 
 「医薬品 高価買取」。古い店舗や住宅が密集する東京都千代田区のJR神田駅前に、こうした看板を掲げる「現金問屋」が十数軒並ぶ一角がある。厚生労働省によると、ハーボニーの偽造品が最初に持ち込まれたのが、この問屋街だった。
 
 神田生まれという地元の不動産業者によると、第二次大戦後、進駐軍から横流しされたペニシリンや日本軍が使っていたヒロポン(覚醒剤)を売り買いする業者が集まったのが由来という。メーカーや卸業者の規模が小さかった時代は、在庫の調整やすぐ現金化して資金繰りを助ける役割を果たしていた。しかし、今は余った薬や横流し品など「訳あり」の製品も多く扱い、正規ルートより安値で医療機関や薬局に販売するルートになっている。18社が組合を作るものの、未加入業者もいる。
 
 ある現金問屋に聞くと、昨夏ごろから「ハーボニーを買ってほしい」という電話が相次いで問屋街にかかってきた。「怪しい男が来たが、断った」と話す問屋もいる。今は消えているが、偽造品が見つかるまでネット上にはハーボニーの買い取り広告が多数あり、買う側のニーズも高かったことがうかがえる。
 
 偽造品は都内の問屋3社に、販売許可を持たない個人が持ち込んだとされる。問屋は本人確認をせず、添付文書や外箱がないボトルを買っていた。以前から素性の定かでない製品を扱っていたとみられる。
 
 偽造品が出回った理由を探ると、業界関係者が指摘するのがハーボニーの特殊さだ。ハーボニーは超高額の新薬で、28錠入りボトル1本が153万4316円だ。患者にとって副作用が少なく効果の高い治療薬として登場したため需要が高く、偽造品は「ぬれ手であわ」になったとみられる。
 
 また、国内の医薬品では珍しく、シート状の個別包装ではなくボトルに密閉する包装だったため、外から錠剤が見えない。偽造したラベルは正規品とほとんど見分けがつかず、重さも正規品とほぼ同じ。奈良県内の薬局の薬剤師は、ふたの内側のアルミシールをはがして中を確かめず、患者に偽造品を売っていた。
 
 製造販売元のギリアド・サイエンシズによると、2015年の発売時、国内で品薄になった場合の融通しやすさを考え、海外で主流のボトルを採用したという。同社は31日、個別の包装への切り替えを3月上旬に始めると発表した。
 
 確認されている偽造品は14本だが、出所が分からず、今後も出回る恐れはある。薬事監視を担当する自治体職員は「ハーボニーが承認されていない中国では、日本の10倍もの価格で取引されているとも聞く。大がかりな偽造グループが関与していてもおかしくない」と神経をとがらせる。【熊谷豪】
 
 ◇世界流通、8兆円規模
 
 偽造医薬品は世界で大きな問題になっており、流通規模は日本の薬剤費に匹敵する750億ドル(約8兆円)との試算もある。
 
 少額の投資で製造でき、種類も多いため発覚しにくく、途上国で流通する医薬品の10〜30%は偽造と言われる。
 
 健康被害も多数報告され、ニジェールでは1995年、有効成分を含まない偽の髄膜炎ワクチンで2500人が死亡。パナマでは2007年、安価な工業用原料で造られたせき止め薬などを飲んだ子どもら100人以上が犠牲になった。
 
 日本で表面化した偽造医薬品の多くは個人輸入だった。勃起不全(ED)薬を販売する製薬会社4社による昨年の調査では、ネットで売られているED薬の4割が偽物で、有効成分を全く含まないものや不純物を含むものもあった。11年には意識低下で東京都内の病院に入院した男性(48)が、血糖降下薬の成分を高濃度に含むとみられる偽造ED薬を服用していたことが判明した。
 
 一方、日本では偽造品の大規模な流通は少なかった。大手卸グループ4社が製薬企業から医薬品の8割以上を買い取り、製品の高度な追跡システムを備えているためとみられる。しかし、昨年の主要7カ国(G7)伊勢志摩サミットでまとめられた国際保健対策には「医薬品の偽造は患者の安全や研究開発への投資に悪影響を与えることを認識すべきだ」との文言が盛り込まれ、医薬品の高額化が進む先進国でも関心が高まっている。
 
 日本製薬工業協会が5年前に会員企業に実施した調査では、偽造品が確認された製品は抗生物質と抗がん剤が最も多かった。高額化が進む抗がん剤などは、不当に得られる利益も大きく狙われやすいと言える。偽造医薬品に詳しい木村和子・金沢大教授は「以前は抗生物質やマラリア治療薬などの偽造が多かったが、最近は先進国で需要の高い生活習慣病関連薬にも広がっている」と指摘する。【下桐実雅子】
 

新専門医制度の歪み 

欠陥を多く指摘され、一年開始が延期された新専門医制度が、本格的に動き始めようとしている。

下記の論考にある通り、この制度は、後期研修医管理制度である。教育のための制度ではなく、若い医師を管理し、都合よく働かせようとする制度だ。いわば、若い医師のキャリアーを助け、医療の質を向上させるためではなく、この制度を作りあげた官僚、学会・大学・基幹病院幹部のための制度になっている。この制度を作りあげた人々は、医師のキャリアー実現を助け、それによって医療を良くするための制度にすることを拒否し、自分たちの利権を確保することだけを考えている。

こうした硬直した制度は、近い将来、医療の荒廃をもたらし、ついにはそれ自体破綻する。

以下、MRICより引用~~~

後期研修医の視点からみた新専門医制度の欠陥

安城更生病院
副院長/神経内科部長 安藤哲朗

2017年2月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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新専門医制度は専門医機構・学会・大学と医師会・病院団体の綱引きによって物事が決められ、新制度の当事者となる現在の初期研修医、学生、現場の指導医の視点はほとんど顧みられていない。 この稿では当事者の立場から見て、新専門医制度のどこに欠陥があるかを論じる。本来は最も当事者である研修医が意見を述べるべきだが、彼らは学習・研修で多忙であり、十分な情報を持っていない。漠然とした不安を抱きながらも意見を述べることができない状況である。私は、市中病院において20年以上にわたり初期研修医、後期研修医(専攻医)を守り、支援し、教育してきた。若い医師を育てることを天職と考えている指導医であり、日常的に研修医達と意見交換をしているので、指導医の立場から述べるとともに、研修医の立場も代弁して述べる。

1.新専門医制度の実態は「後期研修医管理制度」である。
初期研修のように法律で規定されたものではないものの、初期臨床研修を終えた医師は、「いずれかの基本領域の専門研修を受けることを基本とする」としていることから、これは「後期研修医管理制度」であると理解できる。内容的にも指導医数、症例数などの外形基準の縛りが主体の制度である。プログラムは採用人数に規制が設けられており、また都会では人数がさらに制限されることになる。自分が希望している施設の診療科で働けない可能性が、現在よりも高まるだろう。事情によりどうしてもその地域で働きたい医師は、志望科を変更せざるをえない。

また後期研修を終えた時期の医師は、専門医としての入り口に立った段階であって、国民のイメージする「その領域において深い経験と能力を持つ専門医」とはほど遠い。国民目線から見ると「後期研修終了医」という名前の方が実態に則しているのではないか。

2.後期研修医の身分保障、経済面の配慮がない。
初期研修医には国費が支払われており、ある程度経済的な配慮がされている。しかし後期研修医にはそのような制度はない。少なからぬ大学病院では、十分な給与を支払うことができないであろう。この年代ではすでに家庭を持つ医師が少なくないが、初期研修医よりも給与が少なくなる可能性がある。そうなるとバイトをしなくてはならず、研修に専念できない。また基幹病院から連携病院に所属が変わるときの身分保障や給与がどうなるか、いまだ不透明である。

3.女性医師のキャリア形成への配慮がない。
今後は医学部卒業生の約3割が女性である。後期研修時期の女性医師は結婚し出産・育児をすることが多い年代でもある。産休が6カ月は認められているものの、その後の育児において、状況によっては時短や非常勤などのフレキシブルな勤務ができることが望ましいが、そうするとプログラム制の専門医を取得するキャリアが閉ざされてしまう可能性がある。カリキュラム制よりもプログラム制の方が優れているという強いエビデンスがないならば、柔軟なキャリアを容認して最終的に到達目標に達すればよいとす
べきではないか。

4.医療安全への配慮がない。
医師のローテート制と患者の死亡率は関連があるというエビデンスがある1)。初期臨床医は、単独で診療をしない立場なのでローテートは容認できるが、後期研修医は主治医になる立場なので、不要なローテートはできるだけ減らす方が安全である。
また、施設を移動することは医療安全において大きなリスクを伴う。国立国際医療研究センターの脊髄造影剤の死亡事故は、以前の施設と造影剤の取り出し方法が異なっていたことが要因の一つと考えられている2)。後期研修医の立場からみると、その病院のシステムに慣れておらず、また医療安全管理体制がどのようであるかがわからない。国立国際医療研究センターのように当事者の後期研修医を刑事事件の被告に追い込むような対応をする病院もあるため、安心して診療ができない。また逆に指導医の立場からすると他の施設からローテートしてきた後期研修医が、どこまで任せられる医師であるかがわからない。そのため後期研修医に対しても二重主治医制をとらざるを得ず、医師不足に拍車がかかる。
(坂根医師が指摘しているように、国立国際医療研究センターの脊髄造影剤の死亡事故の際の、同センターの責任者が、この専門医機構の理事長になっている。彼はあの事故の原因究明を行わず、責任をとることもなかった・・・これは間違いだった。彼は日本医療事故調査機構の理事長職にあるようだ。この機構の問題も深刻で、同機構は、係争中の案件にも積極的に関与することに決めたようだ。それは、機構として存続するための自己目的化した在り様であり、専門医機構が医師の教育という観点ではなく、自らの利権拡大を第一に考えている状況とそっくりだ。:ブログ主注)

5.柔軟なキャリア形成を阻害する。
誰がどのような根拠で決めたかわからないが、19の基本領域のいずれかを選ぶように決められて、プログラム制なので途中で進路を変更することが困難になる。従来は、脳外科をやっていて途中から救急医になるとか、整形外科からリハビリ医になるとか、神経内科医から神経病理医になるというキャリアを積む医師が少なくなかった。医師としての経験を積む中で、自分の興味と適性がわかってくる場合があるのである。また、そのような柔軟な進路をとる医師がその領域の幅を広げ、医療を進歩させてきた。進路変更がなければ山中伸弥教授のiPS細胞は生まれなかったかもしれない。
(山中教授は、もともと整形外科医であったが、途中で基礎に進路を変えた。基礎に行かずとも、臨床専門科目間で移動する医師は、多くいる。それが、この新専門医制度ではほぼ不可能になる:ブログ主注)
硬直化した基本領域―subspecialty構造を持つ新専門医制度が始まると、時代の流れによる医療ニーズの変化に合わせた柔軟な対応が取りにくくなる。

6.担当した患者に責任を持って診る態度が涵養されない。
従来は後期研修医の年代は、ある程度責任を持って担当した患者を診る時期であった。地域医療の一端を担って目の前にやってきた患者に対応し、わからないことは調べ先輩に聞いて、飛躍的に医師としての実戦的能力が伸びる時期である。やってきた患者に全力で対応するのを繰り返して、気が付けば3、4年間で多くの経験を積むことになる。そして卒後6年目に専門医試験を受けるこ
とで、自分の経験の足りない領域に気づき、それを補うために勉強して、専門医資格を取ることで専門医として出発点に立つのがこれまでの制度であった。新専門医制度で予定されている施設移動を伴う短期ローテートの方式では、責任を持った診療をする態度は涵養されない。
(大学時代に短期ローテートで回ってくる医師がいたが、3か月はおろか6か月のローテートでも、たいした研修にはならなかった。仕事の概要を学び、人間関係を築くだけでも、その程度の期間はかか
る。:ブログ主注)


新専門医制度になると、内科の場合は70疾患群200症例の主担当医となることを目標とする(終了認定には56疾患群160症例以上)とされているため、「なるべく多くの疾患群を集めるために、一度診た疾患はもう診なくてもよい」、「要領よく疾患群を集めたい」という動機が生じる可能性がある。極端な場合には、外来でフォローできる患者を、後期研修医のために無理やり短期入院させて受け待たせなければならない施設もでてくるかもしれない。地域医療を担う医師のあるべき姿勢を身に着けるのに、新専門医制度はふさわしくない。

これらの制度欠陥を考えると、研修を受ける当事者にデメリットが極めて大きい。ほとんど絶望的ですらある。立ち止まって考えるようにと、制度開始が1年間延期されたが、大きな問題点は何ら解決されていない。多くの医療現場の指導医は、この制度の欠陥に気づいている。そして一部の心ある医師達は反対の声を上げているが、それが専門医機構や学会を大きく動かすまでに至っていない。新専門医制度を設計している人達は、現場感覚が薄れている人達が多いのかもしれない。
(というよりも、自らにとって都合の良い制度にしている、ということなのではなかろうか。:ブログ主注)
私は指導医として、経済的な不安や医療紛争に巻き込まれる心配をできるだけ払拭して、研修医がよい臨床経験を積むことに専念できるような環境を提供したいと思う。しかし新専門医制度により今後はそのようなよい研修環境を提供することが著しく困難になる可能性が高い。若い医師がよい医者に育たないと、日本の医療の未来は暗い。医療の未来は若い医師達の前に開かれているべきである。若い医師達の未来を硬直化した制度で縛るべきではない。当事者の学生、研修医達が、このとんでもない制度の情報を集め、考え、議論して、声をあげるべきである。「私たちは医師として、こういうキャリアを積んでいきたいので、新専門医制度には乗りません」と。かつての学園紛争の時代には、学生達が国家試験をボイコットしてインターン制を廃止に追い込んだ。この絶望的な制度を頓挫させるには、当事者の若者達が声をあげ、行動するしかないと思う。
(こうした歪んだ研修制度によって、結局、医療を受ける国民にしわ寄せが及ぶ。医療のような専門性の高い職種が、倫理的に崩れたときに、国民が得る不利益は計り知れない。:ブログ主注)

文献
1) Denson JL, Jensen A, Saag HS: Association between end-of-rotation r
esident transition in care and mortality among hospitalized patients.
JAMA 316: 2204-2213, 2016  
2) 橋本佳子:医療維新、国立国際医療研究センター、誤投与事故「10の疑問
に回答」Vol.1
https://www.m3.com/news/iryoishin/367013