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 2017年06月 

行政の私物化には否を言おう 

官僚制度は制度疲労を起こし、自己目的化している側面はある。

が、現政権が、内閣人事局を通して、官僚の人事権を掌握し、思いのままに官僚機構を動かす弊害の方が、大きくなっている。司法(とくに上級審)は、元来政権よりの判断を下すことが多い。内閣法制局長官が、政権寄りの人物に挿げ替えられ、集団的自衛権の憲法解釈が大きく変えられたことは記憶に新しい。その上、行政が政権によりがんじがらめにされたら、政権による独裁体制になってしまう。

文科省では、そうした人事による、「怪文書」をリークした官僚の左遷が行われる、という。あの「怪文書」は、いささかも怪しいものではなく、むしろ行政を私物化している現政権を内部告発したものだ。一方、森友学園疑惑で、森友学園との交渉経過を公表しなかった、財務省理財局長佐川氏は政権の覚え目出度く、国税庁長官に昇進すると言われている。これでは、官僚が行政を公平・公正に行おうとする意欲が大きくそがれる。

特に、自らの将来を賭して歪められた行政の実情を内部告発した、文科省の官僚は絶対に守られるべきである。それが、結局は国民のためになる。

こうした強権的政治手法は、こうした状況を許すと、将来必ず国民に向かって行使されることになる。

独裁政治を行う現政権には退場してもらおう。

以下、引用~~~

2017年06月30日 07時00分 NEWSポストセブン

古賀茂明氏 霞が関の粛清で“座敷牢”にて21か月仕事なし

官僚人事を握る菅義偉・官房長官

 加計学園問題で次々に“文書”が報じられたが、官僚人事を握る菅義偉・官房長官は、一連の情報リークに激怒、7月の文科省人事で大鉈を振るとのではないかと見られている。

 粛清対象と見られているのは、文書の発信元とされる同省高等教育局専門教育課の女性課長補佐、その上司の課長、高等教育局長も監督責任は免れそうにない。公然と政権を批判した前川喜平・前文科事務次官の元部下で、省内で「喜平隊」と呼ばれる前川派官僚にも及ぶという見方もある。

 では霞が関の粛清とはどのように行なわれるのか。公務員制度改革で辣腕を振るった結果、民主党政権下で省内の“座敷牢”に追いやられたのが元経産官僚の古賀茂明氏だ。

「政権に反旗を翻しても、犯罪を犯したわけではない官僚を懲戒免職にはできない。私の場合は、『官房付』の肩書きと個室を与えられ、部屋にはテレビもパソコンもソファもあるのに、なぜかプリンタだけがなかった。まともに仕事をさせないための嫌がらせとしか思えませんでした。

 官房付のまま4人大臣が代わり、全員、会見で私の処遇を質問されると『能力を高く評価している』と答えていましたが、結局、1年9か月の間、何の仕事も与えられませんでした。

 今回のケースでは複数の内部告発者がいると見られている。こうした場合に政府が取る手法は“分断”です。中心的な人物だけを見せしめで閑職に異動させ、他はうまく手なずけて出世の道を残してやる。若手は明暗が分かれた先輩の末路を見て、不正義と戦う意欲を削がれてしまう」

 そうして将来の反乱の芽を完全に摘むという。告発者が捜査機関に狙われることもある。2002年に検察の裏金疑惑を告発しようとして別件逮捕された元大阪高検公安部長・三井環氏が振り返る。

「逮捕された日の朝、自宅の玄関を出ると、そこに大阪地検特捜部の事務官3人と読売新聞の記者が待っていて同行を求められた。裏金づくりをした検事は出世し、私がやられたのを見て、後輩たちで裏金問題を告発する者はいなくなった。

 今回の一連の問題では6月19日の安倍晋三首相による“反省”会見の30分後、大阪地検特捜部がいまさらのように森友学園の家宅捜索に入った。これは加計問題を告発した文科省職員に向けて“喋りすぎるとこうなるぞ”という威嚇の効果を狙ったものでしょう」

※週刊ポスト2017年7月7日号

『領収書分割』技法 

これは、「領収書分割」という手法らしい。一企業、個人が20万円以下であると、政治資金報告書に記載しなくてよいという規定をうまく使ったものだ。または、使ったと主張している。

200万円を11分割すれば、20万円以下という話は、できすぎだ。(政治資金規正法の収支は年単位なので、本当は6人、6分割でも良かったのだろうが・・・。)複数人から集めた額として、切りの良すぎる額でもある。

一番の疑問は、加計学園秘書室長が、パーティ券購入をしたという、その11の個人・団体の金をまとめて、何故下村氏のところに持ってこなくちゃならないのか。その11の個人・団体には、加計学園は入っていないというのだ。関係ない加計学園秘書室長が、金を持参する理由がない。

本当に秘書室長が、加計学園以外からの金をまとめて持ってきたのだとすると、加計学園と下村氏との密接な関係が窺われる。下村氏の奥さんが、加計学園に関与していて、加計氏達と一緒に米国旅行をしていた、という報道もあった。当時下村氏は、獣医学部新設許認可権を握る文科大臣だった。加計学園系列の岡山理科大学は、この献金が行われた当時教育学部新設を計画しており、2015年に同学部ができたようだ。

これは限りなく、黒に近い灰色のケースだろう。下村氏は、週刊文春を名誉棄損で訴える準備をすると言っているらしいが、準備だけで終わるのではないか。私設秘書が、週刊文春に「垂れ込んだ」として、下村氏はその私設秘書を刑事告訴するとも言っている。私設秘書との間に何があったか分からないが、情報源としては確かな人物なのだろう。加計学園から200万円の献金を受け、裏帳簿に載せたというのが真相ではないか。

加計学園疑惑のように、国家戦略特区という規制緩和に伴う政治に様々な民間団体、組織が食い込んで利権をほしいままにする事件が起きている。水面下では、もっとひどい腐敗が進行している可能性が高い。

以下、引用~~~

Reuter Domestic | 2017年 06月 29日 13:52 JST
加計幹部が2百万円持参、下村氏
自民・下村氏が加計献金を否定

 自民党の下村博文幹事長代行(東京都連会長)は29日、党本部で記者会見し、文部科学相だった2013、14年に学校法人「加計学園」(岡山市)の秘書室長から学園以外の計11の個人、法人による政治資金パーティー券の購入代金計200万円を受け取ったと明らかにした。その上で「学園から寄付もパーティー券の購入もしてもらったことはない」と主張した。

 下村氏は「いずれも個人、企業が1社20万円以下で購入した。秘書室長が取りまとめて現金を持参したので領収書を作成した」と説明したが、個人名や法人名は明かさなかった。7月2日投開票の都議選に影響する可能性もある。

毎日を感謝しつつ 

田舎暮らしにどっぷりつかり、草むしりや、栽培野菜の世話で過ごしていると、時々は単調な生活に溜息をつくこともあるが、この記事を読むと、恵まれた環境にいることを改めて感謝する気持ちになる。

この調査の結果が本当だとすると、健康長寿の理由は、自分の裁量で仕事ができるということ以外にもありそうだ。農作業なり、庭木の手入れなりをしていると、生き物相手なので生活のリズムができる・・・それを単調だと嘆く馬鹿者もいるわけだが・・・。それに、一番の理由ではないかと思うのが、生き物を相手にしている、大地の上に立って生活していると実感することなのではないか。生きていること、生かされていることを、感じる、感じさせられる。これはコンクリートの上で生活していると感じることのない感覚だろう。それが、自然の生命と自分が同期していることを感じることになるのではないだろうか。

庭の畑では、さまざまな野菜が収穫期に入っている。トマト、ジャガイモ、それにモロッコインゲン・・・。

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種から育てたマリーゴールドがここかしこで開花し始めた。

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毎日を、感謝しつつ生きてゆきたいものだ。

以下、引用~~~

農家男性、寿命8歳長い=埼玉県本庄市で調査-健康に好影響か・早大

2017年06月28日 18時43分 時事通信

 首都圏の埼玉県本庄市では専業・兼業農家の高齢者の医療費が農家以外の8割程度にとどまり、特に男性の寿命が農家以外より長いことが分かったと、早稲田大の堀口健治名誉教授と弦間正彦教授が28日発表した。アンケート調査で回答を得た農家の男性の平均死亡年齢は81.5歳で、農家以外の男性より8歳高かった。

 弦間教授は「自分の裁量で農業を営む生活が健康に良いのではないか。会社員などが定年退職後に働けば、健康づくりと医療費削減に役立ち、農業の担い手不足を補うことができる」と話している。

 早大キャンパスがある本庄市は野菜や果物、草花の生産が盛ん。堀口名誉教授らが埼玉県後期高齢者医療広域連合に同市の75歳以上の被保険者の医療費を分析してもらったところ、2014年の専業・兼業農家の男女897人の1人当たり医療費は73万1000円と、農家以外の8258人の91万円の8割だった。

 市内の農協組合員543世帯と非組合員300世帯からアンケート調査の回答を得たところ、1989年(平成元年)以降に亡くなった専業・兼業農家の男性274人の平均死亡年齢は81.5歳で、農家以外の男性183人の73.3歳より8歳高かった。農家の女性223人の平均死亡年齢は84.1歳で、農家以外の女性151人の82.5歳と大きな差はなかった。 

安倍首相の嘘 

獣医学部新設の経緯を安倍首相は、先日神戸の「正論」講演会で

『獣医師会からの強い要望を踏まえ、1校だけに特区を認めた。この中途半端な妥協が国民の疑念を招く一因となった。』

と述べた。それを受けて、獣医師会の北村顧問は

『去年の11月までにそんな条件を迫った事実はない。』

と、安倍首相の発言を明確に否定した。

そもそも、獣医師会は、獣医学部新設の議論は、国家戦略特区には馴染まないと言っている。どちらが嘘をついているか、明らかだろう。

安保法制、特定秘密保護法、集団的自衛権容認それに共謀罪法等の制定に際して、安倍首相は、あからさまな虚偽の発言を繰り返してきた。政治に嘘はつきものとは言うが、国の形、進路を大きく変えることがらで、平気で嘘をつく彼は、政治家として失格だろう。まさに、posttruthの時代の政治屋である。

このように嘘を平気でつく首相が、憲法改正をするというのは、ブラックジョークだ。

国家戦略特区の政商と、獣医師会どちらが真実を述べているか 

国家戦略特区民間議員が記者会見を行い、加計学園疑惑に関連して、獣医学部新設について述べた。

要するに、「岩盤規制」を「スピーディ」に行うのだから、何をやっても許される、という議論だ。一校に絞ったのは、「抵抗勢力である」獣医師会の意向を受けてのことだ、と繰り返し、彼らが述べている。だから加計学園に決まったのはたまたまだ、と言いたいのだろう。だが、その獣医師会の希望は、どうしても獣医学部新設をするなら、一校に留めてほしいという妥協に過ぎない。獣医師会の希望を、加計学園への便宜供与の隠れ蓑にしている。

破壊すべき岩盤規制があるのかどうかと、安倍首相が加計学園に便宜を図ったのではないか、という疑惑は別なことなので、この民間議員達の議論に説得力はない。特に、57分から出てくる竹中平蔵氏の前川前文科省事務次官批判は批判になっていない。小泉政権時代の構造改革特区以来、人材派遣業のパソナ会長として、構造改革特区、さらに国家戦略特区で巨利を貪ってきた竹中氏に前川氏を批判する資格はない。このような政商が、政権中枢に居座るのは、国にとって不幸なことだ。



獣医師会の見解は下記の通り。社会的共通資本である獣医学医療制度を守り、発展させようとしているのは、国家戦略特区の政商か、獣医師会の方々かは、この見解から明らかだ。国家戦略特区は、特定の組織、人間に利権を与える制度になっている。こうした国家戦略特区に蔓延る政商、その中心にいる国家戦略特区会議議長安倍首相は、政治・行政の私物化の責任を取るべきだろう。

以下引用~~~

国家戦略特区による獣医学部の新設に係る日本獣医師会の考え方について
平成29年6月22日公益社団法人日本獣医師会
会長 藏内 勇夫
本会は従来から、我が国の獣医師の需給に関しては、地域・職域の偏在は見られるものの全国的な獣医師総数は不足していないことから、農林水産省のご支援・ご協力により 6 年制教育修了者への魅力ある職場の提供、処遇改善等による地域・職域偏在の解消に努めてまいりました。また、我が国の獣医学教育に関しては、文部科学省、獣医学系大学等多くの関係者とともに半世紀にわたって国際水準達成に向けた教育改革に尽力してまいりました。
今般、国家戦略特区制度に基づき獣医学部の新設が決定されましたが、全国的観点で対処すべき獣医師の需給問題の解決、及び長期的な視点で将来の在り方を十分に検証して措置すべき獣医学教育の改善については、特区制度に基づく対応は馴染まないと考えています。むしろ、現在優先すべき課題は、地域・職域対策を含む獣医療の提供体制の整備・充実、獣医学教育課程の改善にあり、このためにも獣医学入学定員の抑制策は維持する必要があるとの立場を従来から表明してまいりました。
いずれにしても、獣医学部の新設を許可するか否か、また、閣議決定された 4 条件(1現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化、2ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること、3既存の大学・学部では対応が困難な場合、4近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から検討)、大学設置等に係る認可の基準等に照らし、獣医学教育施設や教職員体制等については、国において決定されることです。現在、文部科学省に設置された大学設置・学校法人審議会において厳正なる審査が行われていると思われますが、公益社団法人である本会としては、この審議の推移を慎重に見極めるとともに、国においてどのような結論が下されるにしても、常に公平・中立な立場で国民生活に貢献できるようわが国の獣医療の発展に尽くして行かなければならないと考えています。
なお、わが国の獣医師養成に関する経緯と課題は、次のとおりです。
○ 獣医学は、第二次世界大戦後の抜本的学制改革の際、GHQから医学・歯学と同様に 6 年教育を勧告されましたが、諸事情により実施が遅れ、日本学術会議の勧告に基づき 1977 年に獣医師法等が改正され、漸く獣医学の 6 年制教育がスタ
ートしました。
○ 欧州諸国の獣医系大学は4~8校程度で最も多いイタリアでも13校にすぎませ
んが、わが国には既に 16 校(国立 10 校、公立 1 校、私立 5 校)もあります。さらに、そのうち獣医学部は 5 校程度で多くは農学部等の獣医学科であり、6 年制教育の目的であった臨床・応用獣医学等の実務教育充実の裏付けとなる教員数、講座数、施設・設備等の増設は極めて不十分なまま今日に至っています。
○ また、わが国の獣医学教育は、欧米に比べ、伝統的に基礎獣医学に重点が置かれていますが、獣医臨床などの実務教育が弱く、残念ながら、国際水準に立ち遅れているのが現状です。
○ 国際水準の教育を行える教員・スタッフの数は限られています。山口大学と鹿児島大学による共同獣医学部、北海道大学と帯広畜産大学による共同獣医学課程、岩手大学と東京農工大学による共同獣医学科及び岐阜大学と鳥取大学による共同獣医学科の設置など教育資源を統合し、スケールメリットを発揮させる取組も行われていますが、さらに抜本的な統合・再編整備が不可欠です。また、既存の私立 5 大学においても、長年にわたり教育改善の努力が行われてきましたが、未だ道半ばです。
○ このような中で、獣医学部を新設し、教育資源の分散を招くことは、これまでの国際水準の獣医学教育の充実に向けた取組に逆行するものと言わざるを得ません。
○ 獣医学部の新設は、産業動物診療分野や家畜衛生・公衆衛生分野の公務員獣医師の採用難の改善に寄与するとの意見もあるようですが、これらの分野の採用難は、新規免許取得者の就業志向が小動物診療分野に偏在していること、民間に比べて就業環境が過酷で処遇が低いことが原因です。地方に獣医学部を新設し入学定員を増やしても、解決する問題ではありません。
○ このため本会は、公務員獣医師やそれに準拠している家畜共済診療所獣医師の処遇改善(初任給調整手当や福岡県における「特定獣医師職給料表」の新設)並びに離職した女性獣医師に対する就業・復職支援、産業動物診療獣医師に対する魅力ある実務研修の提供、大学教育における参加型臨床実習及び家畜衛生・公衆衛生実習の整備・充実等により、獣医師の偏在が解消できるよう、関係省庁の助成を活用しつつ積極的に取り組んでいます。

安倍首相の自爆 

郷原信朗氏のこの発言に、なるほどと膝を打った。こちら。

安倍首相が、加計学園疑惑追及に対して「頭にきて」言った(某テレビ局の番組)という、「獣医学部を全国に!」発言、内容も滅茶苦茶だが、論理的に見ても自爆だ。

この人物は、法治国家を自分の独裁国家にしようとしているのか、それともこんな滅茶苦茶な論理が通じると考えるほど知性に欠けているのか、どちらだろうか。

Stars and Stripes誌、山城博治氏をインタビュー 

沖縄反平和運動家、山城博治氏を、かの米軍機関紙 Stars and Stripes誌がインタビューしている。

我が国のメジャーなマスコミは何をしているのだろうか。

白井聡氏経由、ブログ「アクティブNY」から引用する。こちら。

加計学園疑惑について、まずは国会で議論すべきだろう 

安倍首相は、加計学園疑惑解明のための臨時国会も、閉会中審査にも応じないようとしない。

挙句の果ては、獣医学部を日本全国に作るという驚くべき案を、右派の「正論」という雑誌の主宰する集まりで、すなわち国会外で述べた。まずは国会で議論すべきことではないのか。

それでは、「特区」にならない。国家戦略特区の一環としてではなく、これまでの政策を全面的に変更する案件として、国会で論戦を行うべきだ。安倍首相は、どうも自分の考えている通りにものごとを実現すると思い込んでいる様子。それは違う。まず国会で議論しなければならない。それを逃げるのは、何かやましいことがあるのだろうと思われても仕方あるまい。

憲法53条に基づく、臨時国会召集の野党の提案を無視することは、憲法を無視することである。その当人が憲法改正を声高に述べている。その矛盾を、小口幸人弁護士が述べている。

小口幸人弁護士のフェースブックでの発言を引用~~~

「しなければならない」という強い言葉があります。いま、この言葉が話題になっているのはご存じですか?

日本国憲法53条に、臨時国会を召集しなければならない、と書かれてあるのに、「召集までの日数が書かれていないじゃん!」という理由で放置されようとしているからです。
「しなければならない」という強い言葉でもこんな風に解釈されてしまうのですから、ルールを尊重する気持ちのない人にルールを守らせるのは本当に難しいなと思わせられます。

ちなみに、この「しなければならない」という言葉は日本国憲法でも14回使われており、うち12回は日付に関する記載が見当たりません。「日数が書いてない」と言い出す人たちは、残りの12回のケースでも、いざというときには同じことを言い出すのでしょう。

例えば、次のような規定が、日数が書かれていません。同様に放置され兼ねないということです。
・逮捕された国会議員の釈放を議院が求めたときに釈放しなければならない(50条)
・会議の議事録の保存・公表をしなければならない(57)
・議院から出席を求められたときは、内閣総理大臣や大臣は国会に出席しなければならない(63)
・総選挙後初めて衆議院が召集されたときは、内閣は総辞職しなければならない(70)
・会計検査院は検査報告書を国会に提出しなければならない(90)

ルールを尊重しない人が、存在しない「穴」が存在すると言いだし、想定外のことをし始めたときは、仕方がないのでルールをより厳しく、変なことを言われないようにする必要があります。
当然、そういう憲法改正論が持ち上がってしかるべきなのですが、驚くべきことに今起きている現象は逆です。
ルールを尊重しない張本人の方が、「ルール変えようぜ」と言い出しています。もうめちゃくちゃですよね。

そして、このルールを尊重しない人は都合のいいことばかり言うので、ルールの変更を求めるときだけは、「解釈は変わりません。間違いありません。」などと言うと思います。こんな話を信用する人は、「まさか」いませんよね。だってこの人、ルールを尊重する気ないんですから。

小林麻央さんの死に際して思うこと 

小林麻央さんが、乳がんとの闘病を経て他界された。まだ幼いお子さんを残し、ご本人はどれほどの無念だったことだろうか。ご家族も在宅での医療を続ける負担は大きかったことだろう。彼女を失ったご家族には、お悔やみ申し上げたい。

彼女の闘病そして死を伝えるニュースで、あまり触れられていないことがある。それは、彼女が最初に乳がんと診断されたときに、乳がんの標準治療を受けず、1年半の間、民間療法に頼ったという事実だ。これは正確な情報なのか確認できてはいないが、診断当初は、二期であったという。ところが、1年半後には、四期にまで進んでしまっていた。これは彼女とご家族の選択であり、傍からとやかく言うべきことではないが、彼女の闘病生活を自身の闘病と重ね合わせておられた乳がんの患者さんが多数おられるはずで、そうした方々にはぜひ知っておいてもらいたいことだ。民間療法・代替え療法をすべて否定するつもりはないが、なかにはがん患者に不当な金銭的負担を負わせたうえ、効果が期待できない「治療」を提供する詐欺まがいのものが結構ある。

がんは、まだまだすべて克服できたとは言い難いが、早期発見し、現代医学の標準治療を行うことが、対応としてもっとも推奨できる。民間療法、代替え療法を取り入れる場合も、主治医にぜひ相談して頂きたいものだ。小林麻央さんも、最初にそのようにしておられたら、もしかしたら違った予後だったかもしれない。亡くなった方を非難する積りはなく、ただ彼女に自分を投影しておられた同じ病の方々には、不用意に不安に陥ることなく、これまでの治療を続けて頂きたいものと念願している。

ネガティブ思考と思われるかもしれないが・・・ 

先日、英文ブログの方で、CWのラグチュワーが激減していることを記したら、私が悲観的になっているのではないかとWの友人たちに思われたらしく、励ましや、またはスケジュールの申し込みさえも頂いた。私は、現状認識を述べたまでだったのだが、Wの連中には、こんなネガティブなことを書くのは、ひどく落ち込んでいるに違いないと映るらしい・・・。書き方に注意しないと、誤解を招くという一つの例だろう。

で、K8IA Bobが7メガで交信しようとSNSで言ってきた。ようやく間に合って交信。彼は、N7ATというコールでコンテストにactiveな方だ。御年71歳。先日のAACWでコールしたら、歳をとったものだとのコメントが彼からあった。AACWでは、オペの高齢化に改めて考えさせられた様子だった。Bobは、Arizona Outlaw Contest Clubを主宰し、地域のコンテスター仲間とマルチオペでコンテストを楽しんでいるのではないか、と申し上げたら、他のメンバーはHOA(地域の持ち家の組織)の制限で満足なアンテナが建てられないので、彼のシャックで楽しんでもらっている、とのことだった・・・そういえば、AOCCの面々、自宅からの信号をあまり聞いたことがない。アリゾナ等という田舎でも、そんな問題があるのか、と認識を改めた。

翻って、JAでも都市部ではアンテナの制約でHFに出られるハムは、少なくなっている。ここにきて、都市部のHFを壊滅的にする出来事が進行中だ。パナソニックが、東京オリンピックを記念して(?)、例のPLLを規制緩和するように当局に求めているらしい。JA1ELY 草野氏達のPLLに対する行政訴訟は、敗訴したわけだが、一応、PLLの無制限の規制緩和にはブレーキをかける効果があった。だが、メーカーは、東京オリンピックを口実にPLLの商品化を進める積りらしい。そうすると、都市部はおろか、郊外であっても、HFはおそらく使い物にならなくなるのではないだろうか。当局はアマチュア無線、それもマイナーなHFのアマチュア無線なぞ眼中にない。メーカーの金儲けの話には、躊躇せずに乗るはずだ。私も草野氏の行政訴訟の原告に名前を連ねさせていただいた者だが、もうこれ以上抗っても仕方ないような気がする(PLLだけに関しては)。東京オリンピックを口実に、共謀罪法は成立し、憲法まで戦争をできるように改変され、挙句の果ては、PLLも規制緩和である。終りである。

Bobは、ラグチューにも少し出てくるか、と言っていた。だが、何時までそれができるか、が問題だ・・・。いかん、またネガティブ思考と思われるかもしれない・・・だが、これが進行中の現実だろう。

国家戦略特区は、特定集団・組織の利権のためにある 

国家戦略特区今治市分科会の記録がある。

以下引用~~~

国家戦略特区特別委員会記録_平成29年1月18日 獣医資料(今治市分科会)別冊

開催要領

1日時 平成29年1月12日 午前8時54分から9時40分

2場所 永田町合同庁舎 第一共用会議室

3出席
 
 国 佐々木基 内閣府地方創生推進事務局長

 自治体 菅良二 今治市長

 民間事業者 加戸守行 今治商工会議所特別顧問

 民間有識者 阿曽沼元博 医療法人社団 滉志会 瀬田クリニックグループ代表
          原英史 株式会社政策工房代表取締役社長
          八代尚宏 昭和女子大学グローバルビジネス学部特命教授
          植田富貴子 日本獣医生命科学大学獣医学部教授
          猪熊壽 帯広畜産大学畜産学部教授
          
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このなかで、菅良二氏と、加戸守行氏(前愛媛県知事)は、歴史修正主義の出版社である育鵬社、その出版教科書を支援する教科書改善の会のメンバーだ。ちなみに加計孝太郎加計学園理事長も同じ。菅氏、加戸氏は、日本会議のメンバーでもある。

原英史氏の所属する、制作工房という会社の会長は、高橋洋一氏である。高橋氏は、リフレ派の経済学者として、アベノミクスの強力なサポーターである。国家戦略特区についても、マスコミで擁護する発言を続けている。

八代尚宏氏は、新自由主義経済を信奉する経済学者で、小泉構造改革時代から新自由主義的な政策を提言してきた。

植田、猪熊氏については情報がない。

瀬田クリニックグループは、免疫細胞療法を自費診療で手広く行っている診療所グループだ。がんに対する免疫細胞療法の医学的な評価は、まだ定まっていない。同グループのサイトでも、免疫細胞療法の奏功した症例は2割以下だと記している(これとて、治療者が、コントロールを立てずに評価しているので、「甘い」評価になっている可能性がある)。その治療の料金はワンクールで200万円前後、それ以上のようだ。がんの患者は、「藁をもすがる思い」でこうした評価の定まっていない治療法に助けを求めるのだろう。自費診療であれば、それは患者が決めることなので、傍から異論をはさむ筋合いではないが、医学的に評価の定まっていない治療法であることは確かだ。そうした医療手技を行ない、巨額の利益を得ているであろう医療機関が、国家戦略特区のWGに所属し、さらには国家戦略特区として19床の病床を得ている。こうした組織が国家戦略特区のWGに所属し、自ら利権を手に入れている。利益相反が疑われる。

ここには出てこないが、国家戦略特区を立ち上げた中心人物で、国家戦略特区会議のメンバーである竹中平蔵氏は、外国人の家事労働者導入で、やはり自ら会長を務めるパソナに利益を得させた、と言われている。これ以外にも、竹中氏には、政権内部に入り込むことによって、パソナに利益を誘導させた疑惑がある。

いずれにせよ、この国家戦略特区なるトップダウンの政策は、特定の仲間内で策定され、運用されている。それが端的に表面化したのが、加計学園疑惑だ。行政と政治が歪められている。

誓い~私たちのおばあに寄せて 

昨日は、沖縄慰霊の日だった。沖縄戦没者追悼式で高校生が自作の詩を朗誦した。

誓い~私たちのおばあに寄せて

上原愛音

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感銘深い詩だ。沖縄の置かれた状況を忘れてはいけない。

志村建世さんのブログ経由、ブログ「八十代万歳」から、このurlを得た。

別な形の政治の私物化 

加計学園獣医学部新設によって、「岩盤規制に穴を開けた」という説明では、加計学園疑惑で追い詰められた自らの窮状を脱せないと思ったのか、突然、「特区を全国展開する」と安倍首相。

それじゃ特区ではないではないか。

こんなことで、加計学園疑惑は晴れない。

獣医師の需給見通しを検討し、その結果によって、必要があるのであれば、増やす、とか言うならまだしも、特区を全国展開するなぞ無責任極まる。追い詰められた自分を助けようとする、別な形の政治の私物化だ。

前川氏を個人攻撃してみたり、特区の大安売りを始めたり、安倍首相・その取り巻きは、政治家として終りですな。

以下、引用~~~

獣医学部新設の特区を全国展開と安倍首相

2017/6/24 13:50

安倍首相は、国家戦略特区に関し「全国展開を目指したい。意欲があれば獣医学部新設を認める」と述べた。

産科医療事故 

医療事故が起きた時、関与した医療従事者は、大きな自責の念に捕らわれることが多い。そうでなくても、周囲から批判の目に晒される。故意に起こした犯罪的なものでなければ、医療従事者の情報は秘匿されるべきである。それが、医療事故の真相を明らかにし、次の事故を防ぐためになる。2005年WHOのガイドラインにはそのように記されている。こちら。

坂根医師は、下記の記事で、いわば医療従事者の「過失」を追及し、社会的にそれを示す懲罰的な対応をする、日本産婦人科医会と日本医療機能評価機構の問題を論じている。彼女の述べる通り、医療事故当事者の医療従事者は保護されなければならないのは、最初に述べた通りだ。両者が、産科医療の萎縮をもたらし、産科医療を危機に陥らせている、と警鐘を鳴らしている。

ここでは、天下り組織である日本医療機能評価機構の産科補償制度について検討してみたい。

日本医療機能評価機構は、補償金の掛け金と、補償金の差が大きく、莫大な内部留保をため込んでいる。同機構のウェブサイトを見ても、財務状況が公開されていない様子なので、大まかな推測をここでしてみる。

同機構のウェブには、掛け金について以下のように記されている。

『本来必要となる掛金の額は、1分娩あたり24,000円となりますが、本制度の剰余金から1分娩あたり8,000円が充当されるため、分娩機関から支払われる1分娩あたりの掛金は16,000円となります』

4年前に、掛け金が30、000円から16、000円に引き下げられた。内部留保が、おそらく数百億円のオーダーで溜まっていると想像されるが、そのごく一部を掛け金の値引きに宛てているようだ。また、ウェブでは、同機構のこの産科医療補償制度に加入している医療機関が99.9%であると繰り返し述べられている。

年間出生数を大まかに100万人とすると、掛け金の総額は 16、000円/出生一人x100万人/年=160億円/年

一方、補償金を給付するケースはここ数年減少してきている。少子化の進展とともに、補償金給付条件を厳しく出産前後の原因不明の脳性麻痺に限定しているためだろう。平均して200人前後のようだ。補償金は、一人当たり3、000万円(20歳まで分割されて支払われる)である。

補償金総額は 3,000万円/一人x200人/年=60億円/年 

かなり大まかな概算だが、年100億円前後が内部留保としてため込まれている可能性が高い。

これだけの内部留保を保持する特殊法人は、それほどないことだろう。同機構が、医療事故の情報をマスコミに流し、医療事故は医療機関、医師の過失である、という世論を誘導するのは、同機構が存続する理由作りのように思える。これでは、医療事故の本当の原因究明に寄与しないばかりか、医療を萎縮させることによって、国民に大きな損害を与えているということになる。

日本産婦人科医会、日本医療機能評価機構は、医療事故対応を根本的に改めるべきである。

以下、引用~~~

産科医療補償制度と日本産婦人科医会は産科医をリスクにさらしていないか

現場の医療を守る会世話人代表              
つくば市 坂根Mクリニック 坂根 みち子

2017年6月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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このところ、産科医療事故の報道が続いている。最初は、2016年12月12日だった。愛知県の産婦人科診療所で3年間に2人の妊産婦死亡があり、日本産婦人科医会が直接指導に乗り出したとの報道で、15日には同会常務理事の石渡勇氏が記者会見を開いた。ネット上では早速診療所の同定とバッシングが始まった。その診療所は、医会より分娩停止を指導され、結局閉院している。

そして、年が明けて2017年4月17日からは、ターゲットが無痛分娩になった。麻酔を使った「無痛分娩」で13人死亡・・厚労省急変対応求める緊急提言というものであった。

読売新聞(yomiDr.)の記事を良く読むと、厚労省の提言ではなく、厚労省の一研究班(池田班)のもので、2010年1月から16年4月までに報告された298人の妊産婦死亡例のうち、無痛分娩を行っていた死亡例が13人(4%)あったというものだった。うち、麻酔が原因でなくなったのは1人。これを「無痛分娩」で13人死亡し、厚労省が緊急提言した、という見出しで出したのだ。

嫌な予感がした。

この後も報道が続く。特に読売新聞のyomiDr.では詳細で持続的な報道が続いた。

5月10日 読売
「無痛分娩」妊産婦死亡など相次ぎ・・・件数や事故状況、実態調査へ
麻酔で出産の痛みを和らげる「無痛分娩」をした妊産婦に死亡を含む重大事故が相次いでいるとして、日本産婦人科医会が実態調査に乗り出した。(中略)医会の石渡勇常務理事は、「無痛分娩そのものが危険なわけではないが、実施には十分な技量と体制整備が必要で、希望者が安全に受けられる仕組みを整えたい」と話している。
5月27日 産経
医療ミスで出産女性が死亡 神戸の産婦人科病院長を刑事告訴 業務上過失致死罪で(以下筆者)この事例では、示談金を支払い後に遺族が刑事告訴している。
5月31日 朝日
「無痛分娩」全国調査へ 妊産婦死亡受け、産婦人科医会
医会の石渡勇常務理事は「人員配置が不足していないかなどを調べた上で、安全対策のマニュアル整備や、安全性を担保する認定制度が必要か検討したい」
6月6日 読売・報知
帝王切開時の麻酔で母子に重度障害・・・報告せず
京都府の産婦人科診療所が昨年、帝王切開で同じ方法の麻酔をして母子が重度障害を負う例があったにもかかわらず、日本産婦人科医会に報告していなかったことがわかった。
6月12日 朝日
無痛分娩の麻酔で母子に障害 京都の医院、別件でも訴訟
この医院では昨年5月にも同じ麻酔方法で母子が重い障害を負っており、日本産婦人科医会が調査を始めている。
(以下筆者)この事例は、産科医療補償制度で有責とされ、原因分析報告書と3000万円の補償金のうち初回の600万円を入手後、9億4千万円の損害賠償を求める訴訟が起こされている。

一体何が起こっているのだろうか。

まず最初に確認しておきたいが、日本の妊産婦死亡率は妊婦10万人あたり4人前後で推移しており、年間死亡数は40人から50人と世界トップクラスの低さを維持している。

筆者は産科については全くの門外漢であるが、医療事故調査制度については多少なりとも関連を持ってきた。そして今回の一連の報道で感じている問題点を3つ挙げる。

1.妊産婦死亡の自主的な報告を集めている日本産婦人科医会が、記者会見をして事故について公表した点。これにより報告した当事者が大きな不利益を被った。

日本産婦人科医会への妊産婦死亡の報告は、今後の医療のために各医療機関から自発的に行われているものである。当然の事ながら報告するからには、WHO医療安全のためのドラフトガイドラインを遵守して、有害事象の報告制度の1丁目1番地、「報告者の秘匿性と非懲罰性が担保され」なければならない。

ところが、日本産婦人科医会の石渡常務理事は記者会見して公表してしまったのである。そして、医療機関、医師情報は、メディアにより詳しく報道拡散され、医療者は世間からバッシングを受け、身内の医療界からも断罪され、さらに遺族からは民事でも刑事でも訴えられている。

この展開は、群大腹腔鏡事件のデジャブのようである。

2.産科には、日本初の無過失補償制度が出来たと聞いていたが、産科医療補償制度が実際には無過失補償制度ではなく、かつ、訴訟を防ぐ制度設計になっていないために、高額の訴訟を誘発してしまった点。

この制度について調べると驚きの連続だった。

産科医療補償制度に申請すると、行った医療の評価が報告書に記載され、それが患者遺族にも渡され、インターネットで公開されている。報告書は、個人が識別出来てしまうような内容が記載されており、新聞報道と併せて誰でも詳細な情報を知り得る。この制度では、事故の当事者である医師が、機構の評価に対して異議申し立てをする機会は与えられていない。報告書を公表する前の確認さえない。そして、過失があったとされた場合は制度で補償されない。つまり自分で支払わなければいけない。さらに支払われた補償金を着手金として訴訟を起こされ、報告書が鑑定書として裁判で使われている。

当事者の産科医には、何とも気の毒としか言いようのない根本的に大きな問題を抱えた制度だと知った。

有害事象が起こってしまった時、患者家族と同様に医療従事者も、精神面、業務面ともに大きな影響を受け、最終行為者は「第2の被害者」と言われており、専門的なサポートを必要とする。それがないと、その後の医療に悪影響を与えると、アメリカのハーバード病院のマニュアルには10年も前から明記してある。ところが、日本では当事者が「第2の被害者になりうる」という認識さえされておらず、産科医療補償制度ではサポートするどころか、当事者を精神的にも金銭的にも社会的にも追いつめ、ベテラン医師の現場からの立ち去りを誘発している。

明らかな人権侵害である。

産科医療補償制度には、日本産婦人科医会の石渡常務理事も深く関わっておられるが、制度の委員に真の医療安全の専門家がいないのではないか。そうでなければ、これほどの欠陥が放置されるわけがない。

3.無痛分娩が危険であるかのような報道がなされた点。

アメリカやフランスでは60~80%を超える無痛分娩だが、日本では数%と極めて少ない。理由の第一は医療資源不足。日本では産科医も麻酔科医も圧倒的に足りず、麻酔を必要とする無痛分娩まで手が回らない。また日本では出産を取り扱う医療機関の規模が小さいところが多く、麻酔科医を置かずに、産科医が麻酔も担当するために、無痛分娩の取り扱いに限界があるのである。医療資源不足は大病院といえども同様だが、それに加え日本では従来「出産は痛みに耐えてこそ」という精神論が幅をきかせており、麻酔科のそろった大きな医療機関でも「痛みを取るため」の無痛分娩に対する優先順位がなかなかあがらないのである。

筆者は、20年前にアメリカで無痛分娩により出産した経験がある。その時は日本のお産事情と比較するために敢えて無痛分娩を選択した。もちろん医療費の高い米国でその時の加入していた保険が出産をカバーしていたから可能であった。無痛と言っても痛みは残る。だが、それまでの出産に比べて1/10程度の苦痛で済んだ。そして計画的に無痛分娩を選択した場合の最大のメリット
は、体力の温存である。1泊2日(今は2泊3日が多いと思われる)で退院して、すぐに上の子供たちを含めた育児が始まるので、出産で疲弊しないで済んだ事は大変有り難かった。

その時入院した病院で読んだ雑誌に、日本の無痛分娩率の低さを取り上げて、日本女性は痛みを感じないのか、という特集記事が組まれていたのを思い出す。もちろん選択肢が与えられていないだけである。それから20年、ようやくその機運が持ち上がってきたところで、今回の一連の報道である。

今回報道された事故では、確かに不幸な転帰となり、改善すべき点はある。だが、いずれの医療機関でもほとんどの分娩はきちんと行われてきたのであり、医師たちは出産と言う奇跡をサポートするために全力を尽くしてきたはずである。世界的に見て少ない医療資源で非常に優れた成績を収めてきたのは誇るべき事実である。今の世界の医療安全の考え方は、「レジリエンス・エンジニア
リング」といって普段上手くやっている事から学び、それを増やすという臨機応変型のシステムが推奨されている。

もちろん、失敗から学び、各医療機関の情報公開や分娩体制の改善がなされる事も必要である。ただし、それらは各医療機関が自ら行うべきものであって、上から目線で指導するものではない。どういったサポートが必要か、各医療機関を訪ねてコミュニケーションを取るところから始めて、ボトムアップしていくのが、本当のサポートである。

確かに、大きな医療機関で複数の産科医と麻酔科医がいて、チームで分娩をサポート出来る体制が理想である。そうはいっても、大野病院事件をきっかけに分娩施設は15%減少したままであり、各地で医師は高齢化し、少子化は進行している。筆者が日本でも無痛分娩という選択肢が増える事を願った20年前から、状況は全く改善していないどころか悪化の一途である。

このような現実を直視せず、日本産婦人科医会は、「報告させ、調査、指導し、分娩中止を勧告」しているのである。そしてこの先は認定制度を作るのであろう。産科医たちはよくもまあ黙ってこれに従うものだ。この数ヶ月であっという間に、医師1人の医療機関で無痛分娩を取り扱うのは許されない、と言う空気になってきたが、そんな無い物ねだりを声高に叫んでも国民が望む医療体制になる前に現場の産科医たちの心が折れてしまうだろう。さらにアメリカ型の高額の訴訟費用に堪え兼ねて分娩から撤退してしまう可能性が高い。

石渡氏のお膝もとの茨城では医師不足が深刻(常時全国ワースト3にランクインされる)で、医師数が全国平均を越えるつくば市でさえ、分娩出来る医療機関は3カ所しかなく、皆出産場所を求めて右往左往している。無痛分娩だろうが、自然分娩だろうが選択肢は多い方が良いのだが、それどころではないのである。

今ある医療資源を有効活用して、どうやってより安全に国民のニーズに応えてくか、絶妙なバランス感覚が必要である。求め過ぎてこれ以上現場を潰してしまったらこの国に未来はない。

2011年、医療事故調査制度と無過失補償制度が完備したスウェーデンでは、医療事故の裁判は激減し、その分野における弁護士の仕事もなくなったが、無駄な争いで国民も医療現場も疲弊する事もなくなった。かの地ではメディアにも守秘義務があり、患者側からだけの一方的な報道はされない。

メディアも日本産婦人科医会もそろそろ学ぶ時期ではなかろうか。

北朝鮮の脅威を煽って世論を誘導する政府 

北朝鮮が、核武装、ミサイル装備を進めてきた理由の一つは、それが最大の理由なのだが、2000年前後から、米韓が合同軍事演習を繰り返してきたことにある。その演習は、北の金王朝が崩壊することを念頭においてのもので、実質的に金政権を倒す軍事訓練だ。北は、自国の体制が維持される保証を米国に求めてきたが、米国は相手にしなかった。それで、北は軍拡に走ることになった。北の軍拡を支持するわけでは決してないが、北が膨張政策を取っているわけではない、彼らなりの生き残りのための軍拡だということは念頭に置いておくべきだ。

安倍政権は、北の軍拡だけを表面的に捉えて、安全保障環境が厳しさを増したと繰り返し述べている。それが、安保法制の制定や、自衛隊の軍拡、米国との集団的自衛権行使容認を国民に受け入れさせる口実になってきた。安倍首相の究極的な目的である、憲法改正にも同じロジックで突き進む。その「世論を形成する」ためには、北のミサイル攻撃で危機意識を煽ることも、政権は行う。その一つが、北のミサイル発射時に、「地下鉄を停める」という馬鹿げた決定であるし、さらに攻撃を受ける対象としては主要な地域とはとても思えぬ地域での避難訓練だ。避難訓練は、時間的余裕、さらに実質的な防御の点から、意味がない。北の脅威を利用した世論誘導だ。

攻撃対象になるのは、米軍・自衛隊基地のある地域、大都市、それに原発だろう。こうした地域で、「避難訓練」をしないのはおかしいではないか。

政府の世論誘導に乗ることは止めよう。

以下、引用~~~

 6月21日付Yahooニュース 政府の弾道ミサイル避難訓練を嗤う 「北朝鮮の脅威」利用した煽りの先にあるものは何か(石丸次郎)

3月の秋田県男鹿市を皮切りに山口、福岡、山形、広島、新潟などで、内閣府の主導で弾道ミサイル攻撃に対備する住民避難訓練が続いている。

「X国が弾道ミサイルを発射した」との想定で、サイレンが鳴らされ近隣の公民館や学校などの建物に避難する。草むらの中で頭を抱えてしゃがんだり、田んぼの畔の溝に身を隠したりする人の姿も報じられた。

6月23日からは、民放で30秒間のCMが流され、全国70の新聞でも政府広報が掲載れることになった。
1 頑丈な建物や地下に避難する
2 建物がない場合は物陰に身を隠すか地面に伏せて頭を守る
3 屋内の場合は窓から離れるか窓のない部屋に移動する
という内容だという。

これらの報道を見て、桐生悠々(きりゅうゆうゆう)が書いた「関東防空大演習を嗤(わら)う」を思い起こした人も少なくないだろう。信濃毎日新聞の主筆であった桐生は、1933(昭和8)年8月に書いた社説で、折から実施中であった敵の空襲に備えるという陸軍の大訓練をナンセンスだと看破した。

敵機から空襲を受けると木造家屋の多い東京は焦土と化し、大パニックが起こるのは避けられない。それは戦争に負けるとことを前提とした訓練である。

「空撃に先だって、これを撃退すること、これが防空戦の第一義でなくてはならない」と、桐生は主張した。

軍の反発を受けた桐生は翌月、信濃毎日を退社。それから11年後の1944年末から米軍の空襲が本格化して東京は焼け野原になり、1年足らずで敗戦となった。
桐生悠々「関東防空大演習を嗤う」全文

さて、X国が北朝鮮を指すのは言うまでもない。

金正恩政権は、今年に入って多様な弾道ミサイルを日本海に向けて発射する実験を繰り返している。秋田県沖300キロの排他的経済水域内に落下したこともあり、心配が広がった。

北朝鮮の弾道ミサイルは、発射から10分程度で日本到達する。そして、それを察知して警報を出せるのは着弾の4分前だそうだ。

今、地方都市で行われている訓練は、どう考えても、時間的に間に合わない、意味のないものだと言わざるを得ない。

そもそも、ミサイルが日本領土に飛んでくるというのは戦争という事態である。日本が北朝鮮と戦争になるというのは、先に韓国、米国と交戦に至っているか、極度に緊張が高まっている事態しか考えられない。

仮に戦争状態になったとして、ミサイル攻撃の標的になる可能性が高い場所はどこだろうか? 自衛隊と在日米軍の基地、統治の中枢である官邸や国会、官庁街、そして、被害を最大化するために大都市や空港、港湾、原子力発電所などの重要施設が狙われるということになるだろう。

ならば、これら標的になる可能性の高い地域の住民を遠ざけることが最優先のはずだが、沖縄や佐世保、岩国、横須賀など基地周辺、原発周辺で避難訓練が行われたとは寡聞にして聞かない。そもそもも原発の防御をどうするのかについて説明もない。 

高度化する北朝鮮の弾道ミサイルが、日韓中にとって脅威なのは間違いない。しかし、避難訓練が行われた地方都市にもし弾道ミサイル攻撃があるとすれば、それは既に前述の重要ポイントが攻撃されている事態だと考えるべきである。

安倍政権が地方自治体と住民を動員して行っているのは、順番間違いで頓珍漢な「嗤うべき」訓練だ。つまり、北朝鮮の脅威に本気で備えたるめの訓練ではないということだ。大阪では、こういう見当違いを「すかたん」と言う。

政府が「すかたん訓練」を大々的にやろうとする目的は何か。私は、近々自民党が「憲法を改定しないと北朝鮮のミサイルから国民を守れない」というキャンペーンを始めると踏んでいる。

北朝鮮の脅威を過剰に煽るその先にあるもの、それを私たちは見なければならない。

政権が足元から崩れてゆくのか 

安倍チルドレンの豊田真由子議員、すさまじいパワハラだ。彼女の秘書は、すでに20人以上辞めているという。なぜここまで、彼女の言動をチェックし、適切な指導をしなかったのだろうか。指導で片が付く問題でもなさそうではあるのだが、彼女が政務官についていたということが驚きだ。彼女は自民党を離党したが、それだけで済まない問題だろう。

自民党の議員の緩みが酷い。犯罪すれすれの投資話、不倫、それに放言、不適切な発言等。大臣になった議員も、適格性、能力に問題のある者が複数存在する。粗製乱造の議員と言われても仕方あるまい。そうした議員を、大臣の席に座らせるが、あまりに危なっかしいので、時には国会答弁をさせない。

都議選が始まるが、都議のなかでこの任期中に一度も都議会の質問に立たなかった、また書面での質問をしなかった議員が10名いるという。そのすべてが自民党議員だ。自民党議員57名のうち、10名がそうした議会活動が極めて低調だった議員だそうだ。ここにも自民党の政治家の緩みが見える。

かたや、政権の中心にいる、安倍首相は、自民党にとって懸案だった法案を力づくで押し通し、これまでの憲法審査会の議論を無視して、この半年の間に新たな憲法草案を決めると言いだした。2020年のオリンピックに合わせて、オリンピックと関係ないものごとをも無理やり決める。権力を自らに集中させ、マスメディアも配下に収め、独裁を始めたように見える。これまでのところ、自らが関わる疑惑も、根拠なく否定するのみ。国会の証人喚問はおろか、真相究明のための国会での議論も行わない。だが、結構、足元から崩れてゆくのかもしれない。党も政府も、内実はガタガタだ。

以下、引用~~~

BLOGOS 大西宏

ゆるゆると崩壊に向う安倍内閣

衝撃の罵声がテレビから流れてきました。鬼の形相で叫ぶのは安倍チルドレンの豊田真由子議員です。あの森友学園の籠池夫人すら可愛く思えるものでした。

新人議員時代に議員会館の部屋が気に入らないと「すぐに変更しなさい!」と叫んだり、園遊会で招待されていない母親と同行し、入場を制止されたときに、母親を自分の夫だと言い張って入場した強引さは記憶にある人も多いと思います。ピンクモンスターとして知られる人で、調べれば、まだまだ悪行がでてくるのでしょう。

園遊会事件があったのは2014年の4月。それで政治生命が終わったと思いきや、翌年の秋に、第3次安倍第1次改造内閣の内閣府大臣政務官(東京オリンピック・パラリンピック担当)、文部科学大臣政務官、復興大臣政務官に就任したので、その時点からタイマーのスイッチは入っていたのです。

そもそもで言えば、安倍チルドレンは相次いで問題を起こしています。「保守」ブームが、熟れて劣化しはじめた兆候のひとつでした。さらには稲田朋美防衛相や金田勝年法相など、閣僚の能力も疑問視されるようになってきました。

カネ、不倫、放言…安倍チルドレンは酷すぎる | 国内政治 | 東洋経済オンライン |

都知事選を直前にし、さらに森友学園問題に続く加計問題の対応の悪さから、国民に不信感が広がり、支持率が低下したさなかに、さらに、とんでもない自爆弾が炸裂してしまったことになります。学歴の良さに目がくらんで、身辺調査をしなかったのでしょうか。

しかもあのオリンパス問題を暴いたFACTA7月号は、森友学園、加計学園につづいて新国立競技場の再入札にまつわる首相官邸の闇疑惑を報じていますが、この記事が事実なら、安倍内閣の寿命を決めるボールは前川前次官が握っているということになります。

前川が暴く 「東京五輪」の闇:FACTA ONLINE :
「官邸」の異変と「食」の異変 :: 「視点を広げる - 大西宏のマーケティング発想塾」

安倍内閣は、もはや憲法改正どころか、都議会選の結果によっては党内からの不満が湧き出て、辞任に追い込まれかねない状態になってきました。

小池百合子知事の豊洲、築地市場の「アウフヘーベン」は想定通りでしたが、対立を避ける「先送り」は賢明な選択だと感じます。豊洲は安心できないという風評は、もう理屈ではなく、安全だから安心しなさいという話は通じません。

市場関係者、そして不安を感じる都民が多いなかで、それでも豊洲移転を強行突破できる器量をもつ人がいるとすれば、おそらく橋下前大阪市長ぐらいかもしれません。石原さんでも、無責任に逃げたぐらいですから。いやローカルの大阪ならできたとしても、東京で橋下流が通じるとは限りません。

都議会選で自民党が、いくら市場問題を「政局」に持ち込んだと批判しても自らを野党として宣言するようなものです。大阪の自民党が陥った自滅への道を繰り返すことになりかねません。

そう考えると都議会選は自民党には逆風です。もし惨敗すれば安倍内閣は党内の不満を押さえられなくなり、ゆるゆると崩壊に向かっていく可能性が高まってきます。あるいは第一次安倍内閣当時のように、一挙に辞任ということになるのでしょうか。それは、さらに、経済停滞のなかで、長く続いた日本の右傾化の終わりの始まりにもつながってくるのかもしれません。

静かな7メガで 

このところ、雷雨が夕方来ないためか、7メガが日暮れ前後とても静かだ。日暮れ前、7メガが北米に開くときの独特の様子を感じると、二、三度CQを叩く。ほとんど応答がない。でも、テキサスに仕事で滞在中のJack WA7HJV、それにいつものEllen W1YLが時に呼んでくれる。

Ellenは、時々何もきっかけがないのに倒れることがあるようで、少し心配。意識障害はないようなので、不整脈によるものではなさそうだが・・・でも、W7RNのリモートコントロールでまるで十代の少女のように生き生きと電信を叩いている。

Jackは、新たに給電点が15mのInverted Veeを上げた様子。以前のground mountの14AVQよりは良さそう・・・と思ったら、14AVQはオクラホマの局に設置してあるアンテナのようで、比較は意味がない。彼は午後7時過ぎには床につくらしく、午前2時ころには無線に出てくる。こちらでは午後6時前後。この時間帯に定期的に現れる貴重な話し相手だ。今日は午前8時半から、白内障の手術らしい。右側は数年前に手術済みで、残る左側を受けるようだ。いかにもありきたりの挨拶だなと思いつつ、きっとうまくゆくと言ってお別れした。

そういえば、二日前に久しぶりにVic W9RGBにお会いした。夏至の辺りで、日の暮れるころに北米中部に開けることはあまり経験しないような気がする。彼とは、もう15,6年くらいの付き合いか・・・確か、21メガで最初にお目にかかり、当時イラク戦争の評価が問題になっており、それについてお話しした記憶がある。彼はリベラルな思想の持主で、イラク戦争には反対の立場だった。それ以来、親しくして頂いている。5年前の夏に、シアトルでご夫妻にお目にかかった。実は免許の更新をしようかどうか迷っている、何となれば、CWで会話を楽しめる相手がきわめて少なくなった、さらに免許制度が特定の人物・組織の利権に利用されている、と彼に申し上げた。彼は、やはりぜひ更新すべきだ、endeavour to persevereだよ、と。彼のその言葉が決定打だったのではないが、一応更新をすることにした。ETPと省略するという、その言葉、記憶に残った。長く生きていると、ETPしなければならぬことが多々あるものだ・・・。CWによる会話は、確実に希少な楽しみになりつつある。だが、それによって、多くの知己、親しい友人を得た。もう少し頑張ってみるか、というところだ。

願わくば、JAそして東アジアからCWによる会話を楽しむハムがもっと生まれてほしいものだ。

と思いながら、夕食を作るしばらくの間、7メガでCQを出す。

権力におもねるな、記者諸氏よ、真剣勝負したまえ、安倍首相よ 

弁護士渡辺輝人氏が、yahooニュースで、安倍首相の記者会見がやはり予想通り「出来レース」であったことを報じている。こちら。やはり予想通りだった。記者会見が、予定調和というか、安倍首相の宣伝だけにしかなっていない。このような記者会見を許していては、記者クラブは、その存在意義が疑われる。ここは独裁国家ではない。マスメディアは、権力を監視する役目があるはずだ。安倍首相のための記者会見は不要だ。もちろん、アドリブで記者の質問に答えているかのように見せている安倍首相も困ったものだ。記者会見を「出来レース」にするのは、外国での記者会見でも同じだった(それについても過去にアップした)。安倍首相がどれほど丁々発止で記者からの質問に対応するか、ぜひ見てみたいものだ。安倍首相には、真剣勝負されることを期待したい。

この記事のなかで、渡辺氏は、安倍首相が早速この記者会見で約束したことを反故にしていると述べている。その通りだ。安倍首相は、(加計学園疑惑に関して)新しい事実が出てきたら、しっかり説明すると記者会見で述べた。萩生田官房副長官が文科省の官僚に述べたという記録が出てきた。その内容は、事実に合っており、萩生田官房副長官が述べた可能性が高く、やはり国家戦略特区で加計学園が動き出す前から、安倍首相が加計ありきで動いていたことが強く疑われることになった。それなのに、安倍首相はそれについて説明しようとしない。国会の閉会中審議にも応じない。萩生田官房副長官は、記者会見を開くはずだったが、それもキャンセルしている。記者会見で述べた安倍首相の言葉がいかにも軽い。

野党が憲法第53条に規定された臨時国会召集を要求するようで、政権与党に政治的な良識があれば、それはまず開かれることになるはずだ。そこで、徹底した議論がなされることを期待したい。安倍首相、内閣府の面々は逃げてはいけない。

緩和ケア病床について 

がんは、老化現象と密接に関係する。したがって、高齢化が進むに従い、がんによる死亡は増え続ける。

がんによる死亡者数は、2014年の時点で368103名。がんも種別、悪性度、早期発見によって助かる可能性が高いが、これだけの患者が「がんの末期」を経て亡くなることも事実だ。

末期がんの時期に、数週間から数か月からにわたり、激しい痛みなどがんに固有の問題に患者は悩まされる。患者が、そうした悩み、苦しみに煩わされずに、人生の最後の時間を有意義に過ごせるようにすべきだ。それを可能にする施設が、緩和ケア病床だ。

ところが、緩和ケア病床の現状があまりに貧弱だ。2016年時点で累計施設数378、累計病床数7695に過ぎない。単純計算で、がんによる死亡者のうち緩和ケア病床を利用できるのは、約48名の内の1名だけに過ぎないことになる。

緩和ケア病床、施設数の推移が、こちらに掲載されている。この3、4年、新たに届けられた緩和ケア病床数、施設数が、横ばいか、微増に留まっている。緩和ケアは、人手がかかり、施設としても高度なものが要求される。医療スタッフへの負担も大きいと聞く。

経済的な面に着目すると、医療費削減政策を反映してか、長期間入院の患者に対する診療報酬は、むしろ下げられている。長期間入院の必要性のある場合もあるのだから、長期間入院で診療報酬を下げ続けるのは止めるべきだ。緩和ケア病床の回転率を高めようというのは、悪魔的な発想だ。また、以前にも指摘したことがあるが、施設要件として、地域のがん医療機関病院であるか、日本医療機能評価機構の評価を受けている、またはそれに準じていることが要求されている。日本医療機能評価機構は以前から記している通り、天下り組織であり、その機能評価は医療機関の正しい評価を下すものではなく、同機構が無視できぬ額の対価を医療機関に要求することが大きな問題だ。緩和ケア病床の診療報酬上の認可要件として、同機構の評価があるのは、緩和ケア医療機関への経済的な負担になっているはずだ。その意義も乏しく、即刻その認可要件を取りやめるべきだろう。

がんの緩和ケアは、医療費がかかる。だが、これだけのがんによる死亡があるのだから、緩和ケアの必要性は高い。上記の日本医療機能評価機構の評価等、医療機関にとって負担になることを減らして、緩和ケア病床を何としても増やす必要がある。在宅で緩和ケアを実施するということも聞くが、患者家族にとっては、負担が大きすぎるのではないだろうか。やはり専門の施設で緩和ケアを受けることの方が、患者にはメリットが大きいように思える。緩和ケアの充実は待ったなしだ。

がん末期の方の要望が公になることは少ない。これから老いを迎える我々自身が、がんにかかり根治が期待できない時に、どのような生活を期待するか、よく考えておくべきではないだろうか。四人に一人弱の方ががんで亡くなる時代なのだから。

疑似宗教集団のマフィア化 

共謀罪、加計学園疑惑について、現政権を支持する人々の意見を、SNSで読むことができる。前者は、TOC条約締結のために必要で、それがテロ対策となる、という論旨。後者は、安倍首相の指導力のもと、「岩盤規制を打破」したのだ、という意見が多い。両方とも、安倍政権の主張そのままである。もしかしたら、自民党が組織しているというネットサポーターの発言にたまたま巡り合っただけなのかもしれないが、現在でも、こうした安倍政権の主張を何も疑わずに自分の意見としてネットで振りまいている人物が結構いる。

TOC条約は1990年代マフィア対策として締結されたものであり、9・11や、ネットの興隆の時代の前の条約である。その経緯から同条約はテロ対策を主眼としたものではないことが明白で、事実国連の同条約関係者もそのように述べている。加計学園疑惑については、萩生田官房副長官等が関与したことが明らかになった。安倍首相、萩生田氏は、全否定しているが、国家戦略特区で獣医学部新設が取り上げられる以前から、加計ありきで動いている証拠が次々に上がっている。獣医師数維持が岩盤規制であるという主張は、根拠が乏しいことは昨日のポストにも記した。最初に挙げた、共謀罪・加計学園疑惑に関して現政権を支持する意見は、明らかに間違っている。

こうして「現実」を見ないで、政権が主張していることをそのまま受け入れるのは何故なのだろうか。一つには、下記の対談でも述べられているように、自分で調べ、考えることを放棄しているためなのだろう。自分で考えることをしようとしない。安倍首相一派の言うこと成すことをいわば信仰するように無批判に受け入れているのだろうか。また、ネットで流れるニュース、言論には、事実とは異なることも多い。他のメディアから情報を得ないことも関係しているのだろう。若い人々に安倍政権支持者が多いのは、このためではないかと言われている。

もう一つ、政治はある種の宗教性と親和性が高い、というか論理を超えたカリスマ的存在を人々はリーダーとして要求する。そのリーダーと目される人物が、人格・識見の上でリーダーにふさわしくない場合もありうる。加計学園の理事長加計孝太郎氏は、「教科書改善の会」という組織の会員であり、加計学園では、同会の支援する育鵬社の教科書を採用している。フジサンケイグループ傘下の育鵬社は、歴史修正主義、極右思想を教育に取り入れることを目指した出版社だ。その公民の教科書には、安倍首相の画像が12か所出てくる。安倍政権の政治の礼賛である。極右思想は、背景に国家神道があるが、一方で安倍首相を卓越したリーダーとして持ち上げる、いわば疑似宗教の信仰の対象としているように思える。森友学園疑惑、加計学園疑惑双方ともに、そうした疑似宗教性集団による政治の私物化が露見したということなのではないか。疑似宗教集団は、論理を超えたところでつながる。その疑似宗教性が、ネットのモノトーンな言論を通して若い人々に伝搬しているとしたら、問題は深刻だ。

以下、引用~~~

身内かばい合い・外には恫喝的…安倍政権「マフィア化」
構成・高橋純子2017年6月19日08時01分

■対談 長谷部恭男・早稲田大教授×杉田敦・法政大教授

 数の力にまかせた奇手に個人攻撃。認めず調べず謝らず――。「1強」に余裕がなくなり、過剰なまでの強硬姿勢を見せる安倍政権。森友学園と加計学園の問題では、数々の疑惑にフタをするばかり。かつてないほどすさんだ政治の現状を、長谷部恭男・早稲田大教授(憲法)と杉田敦・法政大教授(政治理論)に語り合ってもらった。浮かび上がったキーワードは「マフィア化する政治」だ。

 杉田敦・法政大教授 「共謀罪」法が、委員会採決を省くという奇手を使って成立しました。対決法案については与党の一存で委員会採決をバイパスできるという前例をつくってしまった。議会の慣例は、将来にわたって議会政治を維持し、円滑に運用するために、立場を超えてつくられたものです。それを数の力で破壊することは許されないし、非常に危険です。

 長谷部恭男・早稲田大教授 自分たちがずっと与党でいる前提に立たなければ到底できない、リスキーなことを安倍自民党は平気でやる。例えばこの先、自民党が下野して、衆参両院で共謀罪法に反対している政党が多数をとり、共謀罪は廃止します、我々も自民党をお手本に議論なしで採決強行しますと言われても、抵抗しようがありません。

 杉田 最近はメディアでも、最後は与党案が通るんだから長々議論しても無駄だ、さっさと採決しろ、決めることが大事だという議論が多い。しかし国会における決定には当然、修正や廃案、継続審議も含まれます。決めることが大事だということと、与党案にさっさと賛成しろということは論理的には別では。

 長谷部 この間の共謀罪の審議は確かにほとんど無駄でした。大臣が意味不明な答弁をし、多々ある問題点を詰められなかったからです。法律は単体では動きません。施行規則や政令も作らなくてはいけない。そうした下位の法令として何が必要か、そして裁判所がどう解釈適用すべきかについても、審議の中で明らかになってくることがある。議会でまじめな審議をすることには意味があります。

 杉田 「1強」なのに余裕がない。これが現政権の特徴です。軽々に強硬手段に訴える。圧倒的な議席数を有しているのだから、国会会期を延長して、見かけだけでも整えればいいし、都合の悪い文書が出てきても「怪文書」などとせず、調査中と言えばいいのに、恫喝(どうかつ)的な態度をとる。森友学園や加計学園をめぐる疑惑と重ね合わせて考えると、政治のあり方が、一種マフィア的になっているのでは。身内や仲間内でかばい合い、外部には恫喝的に対応する。米国やロシアの政治も同様です。

 長谷部 公が私によって占拠されている。濃密な人間関係で強く結ばれた集団が、官僚機構や一部マスコミも縄張りにおさめ、社会一般に対して説明責任を果たそうともしないで権力を行使するとき、公権力は私物化され、個人間の私的な絆をテコに政治が行われる。社会全体にとって何が利益かを丁寧に説明し、納得を得ることで権力は民主的な正当性を獲得しますが、現政権はそんなものは必要ない、反対するやつは切り捨てればいいと。まさにむき出しのマフィア政治です。

 杉田 首相は、憲法改正について読売新聞のインタビューで2020年の新憲法施行を目指すと表明し、改憲推進団体にビデオメッセージを送りました。しかし、いざ国会で説明を求められても答えず、読売新聞を熟読せよと。身内意識を隠そうともしない。公権力の担い手としての説明責任を放棄しています。

■「規制、不要なら全て撤廃を」杉田

 長谷部 マフィア政治を可能にした要因のひとつは、1990年代の政治改革で、首相官邸に権力を一元化したことですね。

 杉田 そうです。理論通りの結果で意外性はありません。政治学者の多くは当時、官僚主導よりは選挙で落とせる政治主導がいいと主張していた。官僚主導には確かに、既得権を過度に保護するなどの弊害がありますが、専門性にもとづく一定の合理性もあった。政権交代がひんぱんに起こる政治になるなら話は別ですが、現状では、政治主導とは、各省庁の意見も社会のさまざまな意見も無視して、政権が何でもできるということになっています。

 長谷部 特区という制度自体が恣意(しい)的な行政につながりやすい。一般的な規制を特別に免除するのだから、放っておけば仲間のために使われます、それは。

 杉田 首相は16日の参院予算委の集中審議で「岩盤のような堅い規制に挑戦すればするほど、既得権益を握る勢力の激しい抵抗は避けられない」と述べ、岩盤規制に政治主導のドリルで穴をあけたという論理で、加計学園に特別な便宜を図ったという疑惑に対抗しようとしています。過去には「岩盤規制といえども、私の『ドリル』から無傷ではいられません」とも発言していますが、そんなに不必要な規制なら、ドリルでなくブルドーザーで全部取り払うべきです。ドリルで局所的に穴をあけるから、えこひいきの疑いが出てくる。

 長谷部 地方に大学をつくっても、地方の獣医師不足は解決しない。獣医師定員や待遇のあり方など、特区ではなく一般的な政策問題にすべきです。そうしないから、「総理の意向」で恣意的な運用が行われたと疑われる。政治家や公務員には、一般の人々とは違う倫理や潔癖さが求められます。社会一般の利益でなく、仲間内のために動いているのではと常に疑いの目を向けられるのは当然です。だから政治家や公務員は「李下(りか)に冠を正さず」。ところが安倍政権や自民党は、冠を正して何が悪い、疑うのは、げすの勘ぐりだと。全く逆転しています。

 杉田 今回、前川喜平・前文部科学事務次官の告発については称賛の声があがる一方、先ほどの政治主導の観点から、官僚は政治家の決定に従うべきだとの意見もあります。

 長谷部 政党政治から独立していることが官僚制の存在意義です。米国でも政治任用は必ずしも党派的に行われるわけではない。「たたき上げ」は政権にNOと言っています。今回露呈したのは、政権に反論できる回路が日本にはなく、忖度(そんたく)がはびこるという構造的な問題です。

 杉田 内閣人事局をつくって高級官僚の人事を政治任用にしたのも、政権交代が一定程度起きることを前提に制度設計されていました。政権交代がありそうなら、官僚も現政権に対してある程度距離を置けますが、それがなければ無理です。政治改革推進論者は、制度を変えて日本の有権者を教育すると言っていた。日本人は二者択一的にものを考えないから政権交代が起きない、ならば小選挙区にして無理やり考えてもらうと。しかし、制度改革には限界があります。

■「改憲の道具として自衛隊利用」長谷部

 長谷部 自分の頭でものを考えるか、為政者の言う通りにしておけば間違いないと考えるか。そのせめぎ合いがいま起きているのではないか。右か左かではない。自分で考えて自分で判断をする人は、右であれ左であれ、共謀罪は危ないと思うでしょうし、マフィア政治は良くないと考えるでしょう。日本国憲法の理念は「どう生きるかは自分で判断する」。安倍政権はその理念を壊したいと思っている。自分でものを考える人間は、マフィアにとっては面倒なだけですから。

 杉田 現憲法の「個人」を「人」に変えた自民党憲法改正草案はその意図を如実に示しています。ただ安倍首相は草案を勝手に棚上げし、9条に自衛隊の存在を明記する加憲を主張し始めた。自衛隊を憲法に明確に位置づけるだけで、現状は何も変えないと。

 長谷部 首相はそう言い張っていますが、自衛隊の現状をそのまま条文の形に表すのは至難の業というか、ほぼ無理です。そもそも憲法改正は現状を変えるためにやるものでしょう。現状維持ならどう憲法に書こうがただの無駄です。日本の安全保障が高まることは1ミリもない。自衛官の自信と誇りのためというセンチメンタルな情緒論しかよりどころはありません。そう言うといかにも自衛官を尊重しているように聞こえますが、実際には、憲法改正という首相の個人的な野望を実現するためのただの道具として自衛官の尊厳を使っている。自衛官の尊厳がコケにされていると思います。

 杉田 憲法に明記されることで、自衛隊はこれまでのような警察的なものではなく、外国の軍隊と同じようなものと見なされ、性格が大きく変わるでしょう。首相が最近よく使う「印象操作」という言葉は、この加憲論にこそふさわしい。だまされないよう、自分の頭で考え続けて行かなければなりません。=敬称略(構成・高橋純子)

軍拡に伴い、社会が内部崩壊する危機 

我が国の防衛費は、1960年代以降GDPの1%以下に抑えられてきた。これは、専守防衛を国是としてきたから可能だった。戦争の惨禍を繰り返すまいという意図の表現でもあった。1990年代以降、GDP1%以下は5兆円以下とほぼ同義だった。だが、第二次安倍政権となってから、防衛予算は年々増加、5兆円の壁をいとも容易に突破した。

そこにきて、自民党安保調査会が、防衛費をGDP2%まで増額することを提言する。実に、さらなる5兆円の増加である。NATOを参考にするとしているが、GDPの額に大きな差があるので、%での比較は不適当だろう。2016年の軍事費国際比較では、我が国は8位だが、GDP2%を実現すると、ロシアを抜いて世界3位になる。本当に専守防衛に徹するのを続けるのであれば、これほどの軍拡は必要ない。米国の意向を受け、自国の軍事産業の活性化、さらに米軍の世界戦略の肩代わりを目指しての軍事費増額なのではないだろうか。我が国は、米国から言い値で高額の軍備を購入し続けている。

これほど安易に軍事費の増額を提言する自民党だが、その一方で政府は社会保障費の抑制を推し進めている。政府、厚労省の医療の基本方針は、病床を減らし、高齢者の終末期医療は、在宅で行う、それも、地方自治体に丸投げする、というものだ。介護保険の自己負担もさらに上げられ、医療は実質混合診療が進み、国民は民間の医療保険に入る必要が出てくる。過去五年間で社会保障費は、実に3兆4500億円も削られた。社会保障の自然増分のうち毎年1500億円程度削減し続けられている。国民は、さらに高額になる医療介護を受けざるを得ず、さらに入院治療は困難となり、在宅療養を余儀なくされる。

年金も、徐々に減額されて行く。日銀と、年金資金が、株式を買い支えている。株式のバブルが破裂すると、金融システムに大きな障害が生じ、年金資金が毀損することは確定的な見通しだ。年金はさらに減らされることだろう。

こうした状況で、毎年5兆円の軍備増強を行うという自民党の提言だ。社会保障はさらに削られる。軍拡は出来たが、日本の社会保障が機能しなくなり、社会内部から崩壊する、ということになるのではないだろうか。

以下、NHKニュースより引用~~~

自民 安保調査会 防衛費はGDP2%程度に NATOを参考

6月17日 7時35分

自民党の安全保障調査会は日本の防衛費について、NATO=北大西洋条約機構がGDP=国内総生産の2%を目標としていることも参考に、厳しい安全保障環境を踏まえ、十分な規模を確保すべきだなどとする提言の案をまとめました。

提言の案は、次の中期防=中期防衛力整備計画の策定に向けた政府への提言の中間整理としてまとめられたもので、この中では、北朝鮮の核、ミサイル開発について、「新たな段階の脅威となっている」としたほか、中国の海洋進出への懸念なども指摘しています。

そのうえで、GDP=国内総生産の1%を超えない程度で推移している日本の防衛費について、「NATO=北大西洋条約機構がGDPの2%を目標としていることも参考にしつつも、あくまでも必要不可欠な装備の積み上げの結果に基づいて判断するものとし、厳しい安全保障環境を踏まえて十分な規模を確保する」としています。

そして、防衛力の強化に向けて、独自の早期警戒衛星の保有を検討することや、自衛隊がサイバー攻撃の能力を備えることなどが必要だとしています。

安全保障調査会は近く、この案を党の国防関係の会合で示したうえで、提言の取りまとめに向けて、さらに検討を進めることにしています。

獣医医療に岩盤規制はあるのか? 

安倍首相の親しい友人である加計孝太郎氏の経営する加計学園に対して、獣医学部新設のために、安倍首相が便宜を取り計らったかどうかが、加計学園疑惑の最大のポイントだ。

その点に関して、安倍首相は、『国家戦略特区によって「岩盤規制にドリルで穴を開けた」のだ、個人的便宜を取り計らったことはない』という主張を繰り返している。

これは、あきらかに問題のすり替えである。

だが、本当に国民の利益に反する「岩盤規制」があったのかどうかについて検討することも意味のあることだろう。

獣医師が足りない、特に産業動物獣医師が足りない、それなのに獣医師を増やす政策に、獣医師会と農林省・文科省が反対しているというのが、安倍首相の言う「岩盤規制」なのだろう。

農林省が、10年前にまとめた獣医師の需給予測に関する報告書がある。多少古いが、獣医師数の需要は、当時から同じ水準か、または小動物の減少等により、減っている可能性が高く、需給予測として現在も意味のあるデータだろう。こちら。


これによれば、
〇獣医師数は漸増している
〇小動物を扱う獣医師数は増加しているが、産業用動物獣医師が減少している
ことが分かり、この傾向が続くことが予測される、ということだ。

産業用動物を扱う獣医師が減少しているのは、獣医師の世界での専門性の偏在の問題なのだ。これは産業用動物獣医師の待遇を改善する、現在増えているという女性獣医師が就業できるような労働条件にするということで対応すべきなのである。獣医師数を増やすことで改善できない。毎年1000名弱の新たな獣医師が生まれている獣医師の世界に、加計学園獣医学部新設により、新たに160名(他の獣医学部の定員の約3倍!!)獣医師を一挙に増やすことは、獣医師の需給関係を乱し、獣医師の労働条件、獣医医療の質の劣化を招く可能性が高い。

また、四国に獣医学部を新設すれば、そこに獣医師が定着するという保証は何もない。これも当然のことだ。

以上から、獣医師数を一定に保つことは、獣医師の労働環境を良い状態に保ち、獣医医療の質を保つために必要なことであり、岩盤規制でも何でもない、ということになる。

政治家が、岩盤規制という名詞を連呼すれば、新たな利権を得られるということはない。国家戦略特区という制度が、特定の組織・人物に利権をもたらす疑惑がある。

安倍首相は、彼が「岩盤規制」に穴を開けた先に、40年来の親しい友人がいたという理由を明らかにすべきなのだ。

出来レースの記者会見で逃げ切るわけには行かない 

今夕6時から安倍首相の記者会見がある。

彼の記者会見は、質問者が事前に決まっており、事前に寄せられた質問に安倍首相があたかも即興で答えているかのように見せる、出来レースなのだ。それでは、徹底した真相解明はできない。

安倍首相は、かようなマスメディア対策を行っている。その対策に乗っているマスメディアの記者たちも情けない。

安倍首相を侮辱したとして籠池氏を証人喚問したのだから、前川氏が存在を証言した文書を怪文書と誹謗し、また前川氏の根拠のない個人攻撃を行った菅官房長官、その部下の副官房長官(特に萩生田光一)、現在の警察庁刑事部長を、政府は証人喚問すべきだろう。安倍首相自身も証人喚問を受けるべきだ。前川氏は、証人喚問されれば受けると言っている。前川氏は、人生を賭けて、加計学園疑惑の真相解明に寄与しようとしている。証人喚問で偽証すると、罪に問われるのだ。

彼らを証人喚問しないでおいて、出来レースの記者会見だけでことを収めることは無理というものだ。

以下、岩上安身氏のtweetを引用~~~

「行きますよ。いくら手をあげても当たらないけど。民主党政権時代、鳩山、菅、野田と総理が変わっても当たり続けたけど、安倍内閣になってからぱったり。今はもう、記者を指す順番も事前に決まっていて、あらかじめ質問取りした回答を書いたプロンプターを、安倍総理はさもアドリブかのように読むだけ。

引用終わり

岩上氏は、ネットジャーナリズムサイト、IWJを主宰している独立ジャーナリスト。

警察国家への道 

官邸の意向を受けて警察刑事部長がレイプ疑惑をもみ消した疑惑は、一頃マスメディアも盛んに取り上げたが、その後追及がとんと聞かれなくなってしまった。こちらのポストで扱った事件。

かって菅官房長官の秘書官だった、その刑事部長は、秘書官在職当時、安倍首相に批判的な古賀茂明氏のテレビ朝日報道番組からの降板に関わった。降板をテレビ朝日に働きかけたことは事実だ。

政治権力と、警察がつながり、政治権力に不都合な事件・人物をもみ消したのが本当だとすると、警察の存在意義自体に疑念が生じかねない。文字通りの「警察国家」である。こうした疑惑は、共謀罪法が国民一般を監視し強権的に取り締まるものであることを予表する。

山口某の準強姦容疑疑惑問題について、元検察官の若狭勝衆議院議員が、警察刑事部長の関与を批判している。こちら。

レイプという女性に対する精神的殺人に等しい事件に、現政権に近い人物が関与したことを警察権力を用いて握りつぶした、現政権の深刻な疑惑。同じ警察官僚による、政権に批判的な人物のマスメディアからの引きずり下し。これらが本当だとすると、我が国は、法治国家であることを止め、人治による警察国家になり下がったことを意味する。これほど深刻な事件を追及しない政治、そしてマスメディアは、責任を放棄している。この安倍政権を支持している方々も、警察国家による人権蹂躙の被害者にご自身、家族が何時なるかもしれないと考えておくべきだろう。自分は大丈夫だと思い込んでいると、「マルチンニーメラー牧師の悔い」を痛切な形で追体験することになる。

被害者として名乗りを上げた女性は、山口某の不起訴を不服として検察審査会に申し立てをしている。その結果を注目して行きたい。

以下、引用~~~

安倍政権と警察の闇--元TBS政治部記者のレイプ疑惑をもみ消した?「中村格刑事部長」とは何者なのか

2017年06月17日 06時00分 週プレNEWS

「新聞やテレビに、この疑惑を本気で追及しようとする姿勢が見られないことが何より問題」と訴える古賀茂明氏
被害女性が会見を開いて話題となった、元TBS政治部記者、山口敬之(のりゆき)氏のレイプ疑惑。

『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、山口氏の逮捕をもみ消したとされる人物の闇に迫る!

* * *

このほど上梓(じょうし) した『日本中枢の狂謀』(講談社)の刊行に際し、6月5日、日本外国特派員協会で記者会見を行なった。

武器輸出三原則の撤廃、安保法制や秘密保護法のゴリ押し、メディアコントロール―ここ数年の安倍「一強」政治を見るにつけ、日本は後戻りできない危機的状況に陥っているのではないかと危惧してきた。本書ではその権力中枢による“狂ったはかりごと”と、危機からの脱出の方法を書いたつもりだ。

この会見では、やはり加計(かけ)学園に関する質問が多かったが、私が驚いたのは、会見後も多くの記者から取材の電話がかかってきたことだ。その内容は、「中村格(いたる)とは何者なのか?」。そして、「中村格氏の圧力メールはどんな内容か」というものだ。

2015年3月いっぱいで、私はテレビ朝日の『報道ステーション』のコメンテーターを降板した。その2ヵ月前の1月23日のオンエアで、安倍首相が外遊中、「イスラム国と戦う周辺国に2億ドルを出す」と表明したことを批判し、「I am not ABE」と発言したのが原因だった。

このとき、私の発言に激怒した官邸からテレビ朝日の幹部に直接、抗議のメールをしてきたのが当時、菅義偉(よしひで)官房長官の秘書官だった中村格氏だった。後にテレビ朝日関係者からそのメール内容を知らされたが、相当に激烈な言葉で私への非難がつづられていたという。

この抗議がテレビ朝日を萎縮させた。オンエア直後、報道局長や政治部長など、局幹部が集まり対応策を協議。その後、私の降板が決まった。

外国人記者らは、この中村格という名前に強く反応した。

つい最近、「安倍首相と昵懇(じっこん)」とされる元TBS政治部記者、山口敬之(のりゆき)氏のレイプ疑惑が話題となった。被害に遭った女性が「逮捕状が出ながら、警視庁刑事部長の指示で、山口氏の逮捕がもみ消された」と告発したのだ。

この刑事部長こそ、中村格秘書官その人だった。警察庁から出向していた中村秘書官は、私が『報道ステーション』を降板する4日前の15年3月23日付で、警視庁刑事部長へと異動になっていたのだ。

15年6月、山口氏の逮捕状を請求したのは警視庁高輪(たかなわ)署だった。逮捕状は犯罪の証拠などを検察がチェックし、了解をした後、所轄からの請求を受け、裁判所が交付する。それを執行直前に所轄の“雲の上”の存在である警視庁本部の刑事部長が止めたのだ。警察幹部OBに聞いてもよっぽどの事情がなければありえないという回答が返ってきた。

私の『報道ステーション』からの降板と、この事件はつながっている―つまり政権の意を受けた中村氏が、メディアへの圧力や逮捕状の取り消しに暗躍しているのではないか、という疑惑である。

真相はまだわからない。ただ、私が何よりも問題だと思うのは、新聞やテレビに、この疑惑を本気で追及しようとする姿勢が見られないことだ。事実を証明するのが難しいからか、あるいは官邸の意向を忖度(そんたく)したのか、手を引いてしまっている。

言うまでもなく、メディアの役目は権力の監視である。安倍官邸の強権を背景にした警察の腐敗疑惑から目を背けるようなことがあってはならない。徹底した調査報道を望む。

●古賀茂明(こが・しげあき)

1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。新著は『日本中枢の狂謀』(講談社)。ウェブサイト『Synapse』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中

『アベノミクス』の評価 

アベノミクスは、結局、過去に自民党政権が続けてきた財政出動と金融緩和を、規模を天文学的に大きくして行っているだけだ。その結果は、ほぼ定まったと言ってよい。骨太の方針2017に記された、アベノミクスのもたらした経済の好循環は本当にあるのだろうか。

アベノミクスは、我が国の超富裕層と輸出大企業にだけに恩恵をもたらし、一般国民の困窮化を進めた。自分たちへの企業献金を増やすことも忘れていない。こちら。

アベノミクスに対する批判的記事が、わが国のマスメディアにもようやく目立つようになってきた。先日、日経新聞にそうした記事が出たことを記した。

海外でも、アベノミクスは失敗に終わったという論調の記事が以前から多数ある。米国のシンクタンクCFR、これはどうも新自由主義路線のシンクタンクのようだが、も、アベノミクスを批判的に論評している。もっとも、このシンクタンクの結論も、もっと規制緩和を進めて、経済成長をすべし、といういささか色あせたものに過ぎないのだが。こちら。

安倍首相が、アベノミクス、アベノミクスと呪文のように唱えることがあまり見られなくなってきたのもよく理解できる。

4年前、安倍、萩生田、加計の三氏はBBQを一緒に楽しんでいた 

萩生田光一官房副長官のブログに、彼が安倍首相、それに加計孝太郎加計学園理事長とビール片手に懇談している画像が載っている。2013年の記事。こちら。

萩生田氏は、安倍首相と加計理事長との関係は、最近報道で知ったと述べていたのである。彼は、国会で加計氏との関係を尋ねられて、それまでは、「(加計学園の大学の)客員教授就任前に加計氏とは付き合いが無かったとした上で、就任後も大学の全体行事の前に控室で会う程度の事しかなかった」と返答している。そのような見え透いた嘘はつかずに、「加計さんのこと、彼と安倍首相の親しい関係は、以前からよく知っていた。安倍首相が望んだから、加計学園が獣医学部を新設できるように、文科省に圧力をかけただけだ。数の力で、安倍首相の思う通りに「決める政治」を推し進める。それのどこが悪い?!」と彼は開き直るべきなのだ。国家戦略特区は、安倍首相の思いを実現し、安倍首相の取り巻きの事業を推し進めるための仕組みなのであって、地域経済の底上げ等どうでもよいのだ、と本音を語るべきなのだ。彼がブログに記した「決める政治」は良いだろう、しかし、何をどのように決めるのかが問われる。

萩生田官房副長官は、加計学園への便宜供与に関して、国会で証人喚問を率先して受けるべきだ。

安倍首相は行政を、国の形を歪めた 

今年1月、文科省の天下りが報じられたとき、あぁ、やはりやっているなと思った一方、なんで文科省だけなのかとチラッと考えたことを覚えている。だが、それ以上の情報はなく、追及しようがなかったし、この問題は、記憶から薄れて行ってしまった。

あの天下り報道で、文科省は叩かれ、当時の前川事務次官は辞めることになった。二日前、15日になってようやく、政府は国家公務員法に違反する他の省庁の天下りを、ひっそりと公表した。2008年以降、「少なくとも」12省庁で27件に上ったということだ。

ただ、この数はかなり少なめの評価だ。許認可、財務関係を握る省庁では、もっと多いはず。ちなみに、wikiの記述では、国家公務員法改正前の状況として、下記のように記されている。

引用~~~

2004年8月31日の閣議決定によれば、中央省庁の斡旋や仲介で民間企業に再就職した国家公務員は2003年までの5年間で3,027人にのぼっている。省庁別では、国土交通省の911人をトップに法務省629人、総務省313人、文部科学省261人、財務省251人、農林水産省245人、警察庁127人、防衛庁85人、会計検査院64人、経済産業省46人、人事院29人、公正取引委員会23人、厚生労働省19人、宮内庁17人、内閣府3人、外務省2人、内閣官房・金融庁0人であった。

引用終わり

昨年から政府が行ってきた、文科省の天下り問題調査は、文科省だけを狙い撃ちするものであったことを前川氏が証言した。他の省庁の天下りは、何も手を付けない、という明らかな意思表示をし、それが実行されている。筋を通して加計学園獣医学部新設に批判的だった吉田高等教育局長が辞めさせられ、さらに前川氏も事務次官を辞任せざるをえなくなった。政権が官僚の人事権によって、自らに都合の良いように行政を歪めたのだ。

身近な人物が推進していた「明治日本の産業革命遺産」指定についても、安倍首相が、批判的な審議委員を文科省審議会から外させて、実現させたことを、前川氏は証言している。

『一見正当な手続きを踏んだかたちをとって、実態としては特定の件を特別扱いすることを正当化する』という前川氏の批判に、安倍首相はどう応えるのだろうか。

以下、引用~~~

前川前次官が「官邸から内閣府の天下り隠蔽を指示された」と証言! 文科省だけ天下り摘発は加計問題抵抗官僚への報復

2017年06月16日 08時00分 リテラ

「週刊朝日」(朝日新聞出版社)6月23日号より

「総理のご意向」文書を"本物"と証言して以降も、さまざまなメディアで数多くの証言を続ける前川喜平・前文科事務次官だが、さらなる衝撃的証言が飛び出した。それは、前川氏が事務次官を辞任するきっかけとなった「文科省天下り」に関する"官邸の隠蔽工作"だ。

 文科省の天下り、再就職あっせんは、今年1月にNHKの報道で明らかになったのだが、じつは前年から、内閣府の再就職等監視委員会が調査しており、この調査によって事務次官だった前川氏が引責辞任しただけでなく、歴代の事務次官8人を含む43人が処分された。つまり、政権が率先して不正を明らかにした非常に珍しいケースだった。

 だがこの天下り問題について、前川氏は今週発売の「週刊朝日」(朝日新聞出版)6月23日号で、驚くべき証言を行っているのだ。それは昨年12月当時、文科省がまさにその内閣府再就職等監視委員会による厳しい調査を受けていたときのことだったという。

〈監視委は文科省職員のメールを片っ端から提出させていたが、その中に外務省と内閣府OBが問題に関わっていたことを示すメールがあった

 文科省の天下り問題に外務省、そして監視するはずの内閣府関係者が関与していたというのだ。しかし問題はそこからだ。他省庁OBに関するメールも含め、すべてを監視委に提出せざるを得ないと、その意向を関係省庁に伝えていたが、昨年12月28日夜、官邸の杉田和博官房副長官から急な呼び出しを受けたという。その要件は驚くべきものだった。

〈杉田氏は、私が監視委に出す前にこのメールの存在について杉田氏への報告がなかったことに怒っており、その場で「とにかく外務省と内閣府に関わるメールは出すな」と言われました。つまり、再就職等規制違反問題は文科省内だけに限定して、他省庁に及ぶ証拠は出すなということです。そこからズルズルと他の役所にも被害が及んだら困る、というわけです〉

 杉田官房副長官といえば、前川氏が在任中の昨年秋の時点で"出会い系バー通い"を厳重注意した人物であり、警察庁警備局長を務め"公安のドン"とも称される元エリート公安警察官僚だ。さらに現在は官邸の危機管理担当を担い、出身母体の公安警察の秘密部隊を動かし、政敵や官邸に従わない官僚を徹底調査しているといわれる。そんな"官邸のゲシュタポ"に、前川氏は他省庁の天下りの証拠隠蔽を命じられていたのだ。

 文科省天下りが発覚した当時、"再就職あっせんはどの省庁もやっており、この程度で規制委が調査に入るなら霞ヶ関全体にまで波及するのではないか"と指摘されていたが、結局、文科省以外の天下り問題は一切表に出てこなかった。

 表に出てこないのは当然で、文科省追及の裏で、官邸は他省庁の天下りを握り潰していたというわけだ。

 この事実は、たんに官邸が不正を隠していたというだけではない。加計問題が勃発して以降、ずっとささやかれてきた噂を裏付けるものだ。それは、文科省の天下りあっせん調査が、加計学園認可に反対していた文科省幹部への報復、狙い撃ちだったという噂だ。

 前川氏は天下り処分と加計問題との関わりについては一切コメントせず、ひたすら自らの責任を認める発言を繰り返しているが、たしかにこの天下りは発覚の経緯自体が非常に不透明だった。

 前述したように、文科省の天下り問題は17年1月18日、NHKがこの事実をスクープし、世間に発覚したことになっている。表向きは、NHK報道の直後、菅偉義官房長官がいち早くその事実を認め「遺憾」の意を表明。さらに翌日には、官邸周辺から、当時事務次官だった前川氏の責任論が浮上し、20日には前川氏が辞任に至ったという流れになっている。

 しかし、実際はその前年から官邸主導のもと、内閣府の再就職等監視委員会が率先して文科省の天下り調査を実施し、前年末には調査内容を確定させていた。政権が文科省の天下りを徹底調査し、これを受けて、前川氏も1月5日に事務次官辞任の意向を杉田副長官に伝えていた。

 ところが、官邸はこの事実を一切公表せず、NHKに情報をリーク。世間の批判を煽って、前川氏を辞任させたとかたちにしてしまったのだ

 これは、おそらく、この調査の本当の意図を隠すためだろう。官邸が文科省の天下り問題調査でターゲットにしたのは、15年8月に退職した吉田大輔高等教育局長が、2カ月後に早稲田大学に再就職したことだった。しかし、吉田局長が教育局長の椅子を追われたのはそもそも、加計学園の獣医学部新設に強硬に反対していたからだという。

〈高等教育局が大学などを所轄するわけですが、早稲田大学の教授になった局長は、加計学園の獣医学部新設には強硬に異を唱えていました。そのため、安倍官邸が、その首を挿げ替えたとも言われているのです〉(「週刊新潮」6月1日号/新潮社)

 つまり、文科省は吉田局長が官邸に首を切られたため、早大に再就職あっせんしたわけだが、官邸は逆にこの事実をつかんで、抵抗派一掃に利用しようと目論んだ。前川氏をはじめ、加計学園の獣医学部新設に抵抗していた幹部たちに天下りの責任を追及し、粛清に動いたのである。

 ところが、その過程で、当の内閣府や外務省がこの天下りあっせんにかかわっていることが明らかになった。そこで慌てて、隠蔽を命じたということだろう。官僚OBもこう語る。

「そもそも文科省しか出てこないというのが不自然。経産省なんていまも、文科省の何倍もの規模で天下りあっせんをやっている。それを放置しながら、文科省だけを率先して調査し、処分したというのはどう考えても、狙い撃ちしたとかし思えない」

 抵抗する官僚に対してはスキャンダルと人事権を使って報復し、他の官僚を問答無用で従わせ、強引に"総理のお友達"への利益誘導を実現させる――。そのやり口は恐怖支配そのものだが、じつは前川氏は、この天下り隠蔽以外にも、官邸が人事権を使って総理のお友達の利益誘導を推し進めたケースを暴露している。

 それは、2016年に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」をめぐってのものだ。

 前川氏はこの「明治日本の産業革命遺産」を世界遺産の国内候補にするために、和泉洋人首相補佐官が候補を決める文化審議会の委員から反対派の委員を排除するよう圧力をかけてきたと、同誌で証言したのだ。

「和泉氏は文化庁の幹部に対し、文化審議会の委員から日本イコモス委員長(西村幸夫氏)を外せ、と言ってきた。日本イコモスは産業遺産の推進に消極的だった経緯があり、とにかくけしからんから外せ、と。結局、西村氏は委員から外れました」

 世界遺産登録直後に本サイトでも指摘していたが、「明治日本の産業革命遺産」は幼少時から安倍首相と家族ぐるみの付き合いで、加藤勝信一億総活躍担当相の義理の姉でもある加藤康子氏が中心になって推し進めていたプロジェクト。「週刊新潮」15年5月21日増大号に掲載された彼女のインタビューによると、自民党が野党に転落していた頃、安倍氏は「明治日本の産業遺産」の世界遺産登録への熱意を語った康子氏にこう語ったという。

「君がやろうとしていることは『坂の上の雲』だな。これは、俺がやらせてあげる」

 そして、安倍首相は総裁の地位に返り咲いた3日後、彼女に電話をかけ、「産業遺産やるから」と、決意を語ったという。

 ようするに、お友だちの願いをかなえるために、和泉首相補佐官を使って、現場に圧力をかけていたのである。これは加計学園とまったく同じ構図ではないか。

 前川氏は記事のなかで、安倍政権下の「ゴリ押し案件」をこう分析している。

「加計学園の件にしても産業遺産の件にしても、大がかりな仕掛けの中で、一見正当な手続きを踏んだかたちをとって、実態としては特定の件を特別扱いすることを正当化する。こういう手法がすごく増えてきているように感じます」

 なりふり構わないお友達への利益誘導と政治の私物化を強行し、意のままにならないものへは徹底した攻撃と排除を加える。こんな異常な政権、そして総理大臣をこのまま放置しておいて本当にいいのか。いまなお安倍内閣を支持し続ける人々はそのことをもう一度、自分に問い直してみてほしい。

主犯はなかなか自白しないもの 

「かの」読売新聞の報道。内閣府は、言ってみれば、主犯格だから、「はい、私がやりました」とはすぐには認めないだろう。だが、今治市への働きかけ、萩生田副官房長官の指示で国家戦略特区の対象を加計学園に絞るようにしたこと等、内閣府の罪状の外堀は埋められている。この調査は、内部で行われたものであり、第三者が関与していないわけで、信用ならない。

「スピード感をもって、岩盤規制を打破せよ」と安倍首相が発破をかけたという説明だが、それでは説明できぬことがたくさんある。根本的に言えば、国家戦略特区の対象に、親しい人物の事業を持ってくるべきではないのだ。利益相反行為であると疑われることを、国家戦略特区の議長たる安倍首相が行うべきではなかったのだ。

米国で大統領の犯罪を追及する特別検察官のような資格の第三者が、内閣府を捜査しなければ解決しないだろう。三権が首相になびいてしまっているわが国で、それをすぐには求められないかもしれないが、権力の集中する首相と内閣府が、こうして暴走することを我々は学んだ。将来、こうした暴走を食い止めること、三権分立が侵されないようにすることを考える必要がある。

当面、真相を明らかにするためには、関係者の国会への喚問以外ないのではないか。それを拒否している与党は、それだけで「私はクロです」と言っているようなものだ。文科省の官僚の勇気ある内部告発を無駄にしてはいけない。

以下、引用~~~

「総理のご意向」文書も発言も否定…内閣府調査

2017年06月16日 11時42分 読売新聞

 内閣府は16日午前、獣医学部新設計画を巡る調査報告書を公表した。

 文部科学省内の文書に内閣府側から伝えられたとの記載がある「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」との発言について、いずれも事実関係を否定した。

 調査は、内閣府の地方創生推進事務局長や審議官ら9人に聞き取りを行ったほか、業務パソコン内に保存された文書を確認した。

 報告書によると、「総理のご意向」などとする文書は内閣府内では存在が確認されず、発言そのものについても9人全員が「発言していない」「聞いた記憶はない」と回答した。その一方で、「安倍首相が常々、国家戦略特区諮問会議で規制改革全般についてスピード感を持って実現すべきとの旨の発言をしていることから、関係省庁との議論の際に首相の発言に言及することはあった」との回答があったことを明らかにした。

『望月記者の身辺調査』を官房長官が警察に命じた?! 

東京新聞の望月衣塑子記者について、菅官房長官が「身辺調査」を警察に命じたと週刊文春が報じるらしい。ことの真相は分からないが、大いにありそうなことではある。

前川前文科省事務次官についての似非スキャンダル記事が読売新聞に出る二日前に、読売新聞から前川氏にその記事に関連してインタビューしたいと連絡があり、その次の日に内閣官房から彼に「会う気があるか」と電話があったらしい。内閣官房からの連絡は、「何だったら、読売の記事を差し止めさせてやっても良い」というニュアンスであったと、前川氏は語っている。内閣官房からこの似非スキャンダル情報が読売に流され、それをネタに内閣官房が、前川氏に「総理の意向です」文書について証言しないように脅したということだ。

前川氏は、内閣官房からの脅しには乗らずに、決然として「行政が歪められた」ことを証言した。

同じ手法を、この政権は、多用することになる。というか、以前から敵対勢力を挫くために用いていたのだろうが、それを大っぴらに行うようになるだろう。

そのようなスキャンダルでの脅しによって、マスメディアの記者たちまたは野党政治家を萎縮させる効果が出る前に、我々が行動すべきだろう。やがて、同じ手法で、モノを言う国民に彼らは対応してくることになる。そうならない前に、こうした陰湿な攻撃をする政権に否を言うべきだろう。

政治の私物化極まれり 

共謀罪法案成立の際に、安倍政権が採った手法は、参議院の法務委員会での議決を「中間報告」という形で省略するという乱暴なやり方だった。それは、「緊急の際」にしか採ることの出来ぬ審議方法だ。緊急でも何でもないのに、こうした審議終結の方法を取るのは、政治の私物化以外の何物でもない。共謀罪の不備がこれ以上明らかになり、国会の会期延長を止む無くされ、森友・加計疑惑でこれ以上安倍首相が追及されぬようにするためだった。何とも凄まじい乱暴なやり方ではないか。

これを「決められる政治」と勘違いしている向きが、一部ネットにはあるらしい。その知性のなさに呆れるばかりだ。決めるべきは、内容のしっかりした国民のための立法であり、、求めるべきは、多数の奢らず、少数派の意見にも耳を傾ける立法手続きである。

立法の中身が問題であるだけでなく、立法の仕方も滅茶苦茶だ。政治の私物化には否と言うべきだろう。

森友・加計疑惑を徹底して追及すべきだ。真相が明らかになるまで、政府は対応すべきだ。

以下、引用~~~

加計問題、逃げ切り図る=安倍政権-国会、16日事実上閉幕

2017年06月15日 19時31分 時事通信

 「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が成立したことを受け、国会は16日に事実上、閉幕する。安倍政権は15日、学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設問題をめぐる文部科学省の再調査結果を公表。野党が求めていた参院予算委員会集中審議の16日開催を受け入れた。安倍晋三首相は集中審議に出席して改めて関与を否定し、逃げ切りを図る考えだ。

 自民、民進両党の参院国対委員長は15日、国会内で会談し、予算委での集中審議開催で合意。加計学園に絡み、「総理のご意向」と記された文書などの存在についても、松野博一文科相が記者会見を開き、再調査結果を公表する中で認めた。

 与党側が会期末直前になって集中審議開催に応じたのは、「安倍政権は隠蔽(いんぺい)体質」との批判をかわすとともに、23日告示の東京都議選への影響を最小限にとどめる狙いがある。説明を拒む姿勢を取り続けた場合、政権へのダメージが増すと判断した。ただ、16日の集中審議での対応次第では、首相がさらに説明責任を果たすよう求められる可能性もある。