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/QRPをつけるか否か? 

JE1CKAさんのブログで、QRP局がコールの後に、/QRPを付けるべきかどうかという議論があった。

/QRPを付けることは、交信する効率を下げるから不要だ、というのがCKAさんの主張。QRPを特別扱いして欲しいと考えているのではないかというのは、やや刺激的過ぎる推測だろう。しかし、基本的には、彼の主張が正しいと思う。JJ1BDX氏も、欧米のDXerやコンテスターの同じような意見を引用していた。

一方、/QRPを付けるべきだ、付けることで一向に差し支えない、という意見の方もいた。QRPであることを知ってもらえば、特に注意深くワッチしてもらえるだろう、従って、交信が成立する可能性が高くなる、さらにQRPに対して関心を持ってもらえるだろう、というのが、その大筋だ。

後段の一部のQRP運用者の意見は、きわめて良好なコンディション下で行われる普通の交信でのみ通用するかも知れぬ、きわめて限定的な意見だ。

コンディションの良くないとき、または時間との争いであるコンテスト時には、/QRPをつけることは、受信する者にとって大いに迷惑となり、交信成立を阻害する。ひいては、QRP運用者にとっても不都合となる。

この場合、コンディションには、電離層の状態以外に、相手との設備の違いも絡んでくる。QRP局と、相手方の設備の差が大きければ、コンディションは、相対的に悪くなる。この点を考慮すると、/QRPを付けても許される状況はきわめて少ないことが分かる。

この議論の過程で、幾つか考えたことがある。

まず、QRPといっても定義はないし、送信出力だけで小さい設備とは言えない。定義は、相対的なものだということだ。いわば、QRP運用者は曖昧な根拠で、自らQRPと名乗っていることになる。見晴らしの良いところで、ビームを使えば、5Wでも強力な電波を世界中に送出できることだろう。QRPとは、きわめて相対的なもので、一つの明確な範疇ではない。

また、QRP運用は自己の興味で行うものなのだから、CKAさん風に言えば、他者に対して、QRPに特別扱いを求めることはお門違いである。QRPだから特別扱いして欲しいと言うと、QRPでの交信という困難な事業を、人為的に容易にしてもらうことになり、QRP運用者は、自らの誇りや楽しみが減じることに気づかないのだろうか。

さらに、この議論は、QRP信号を受信する側から、QRP信号を送出する側への問題提起であって、受信側の状況を理解すれば、解決策は一目瞭然なのだ。それなのに、送出側の理由・都合だけで、そうした問題はない、問題を提起すること自体がおかしいというのは、誤りだ。アマチュア無線は、どのような形式・様式であれ、「通信」なのだ。相手があって初めて成立する。送出する側は、相手の受信状況を思いやり、受信し難いようならば、それへの適切な対応をすることが要請される。しかし、ここでの一部のQRP運用者は、そうした対応を考えない。通信する作業とは相容れぬ、この自己本位さは、どこからくるのだろうか。QRPを運用することによる一種の驕り、またはナルシズム的なものがあるのではないか。



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