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救急診療ピンチヒッター当番 

一昨日、既に記した通り、近くの中規模都市の救急診療所にお手伝いにでかけた。朝、自分の仕事場で急患を診て、その救急診療所に向かった。市民病院の敷地内に作られたバラック小屋風(笑)の建物。半日近く拘束される長丁場だった。患者数は正確には分からないが、50から60名程度だったろうか。それを二人の医師で対応する。冬場は、100名を超える患者が殺到するらしい。

救急患者の8.9割は小児、特に乳幼児が多かった。多いのではないかと思った、コンビニ受診はさほど多くなかった。数日前、ないしそれ以前から、症状があったのに、どこにもかからず、救急診療所にやって来るというパターンの患者さんは、1割以下だったろう。私が二次救急(実際は三次)に送ったのは1例、おたふくかぜで高熱が続き、吐いていた患児1名だけ。点滴をするスペースもなく、脱水があっても、経口補液のみ実施。昔、この市民病院で一年近く勤務したことがあったのだが、その頃と比べて、患者さんの親御さんから説明を求められる水準が高くなった印象があった。仕事をし慣れたところでなく、かつピンチヒッターだったので、お一人お一人にかなり説明をしっかりした。疲労感はかなり強かった。

特に感じたことは、このような救急診療に、小児科医以外の医師が当たるのはストレスが多いだろうなということだった。何せ、ぎゃんぎゃん泣き喚く、正確に症状を訴えられない、はじめて診る子ども達の病状を、短時間に把握し、心配そうな親御さんに納得してもらう、というのは、経験を積んだ小児科医でもそう容易いことではない。小児科医が救急すべてに当たれるほどはおらず、小児科以外の科の医師が診ることになるのは致し方のないことなのだろうが、それにしても、50歳過ぎで小児科の経験の全くない医師にとっては冷や汗の連続になることだろう。さらに、それは患者さん・親御さんにとっても同じことだ。

客観的に考えて、こうした小児科以外の開業医を巻き込む一次救急は、遅かれ早かれ立ち行かなくなることだろう。開業医が、医師会から徐々に脱会して行き、また団塊世代の開業医にはリタイアをする者が、これから数年間の間に続出することだろう。100名の患者に、1,2名程度必ずいる重症患者を見落とし(というか、こうした救急外来で完璧を求めること自体が無理なのだが)、それによって、医療訴訟にでもなれば、こうした救急医療は即空中分解することだろう。

危うい剣が峰を歩いているような救急医療システムだというのが実感だった。

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