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健康の社会的決定要因第二版 

野田浩夫さんのブログ「静かな日」に、「健康の社会的決定要因第二版」が紹介されていた。ネットでも公開されている。ここ

この小冊子は、WHOが、健康に与える社会的な要因についての知見をまとめ、人々の健康を改善するための提言を行っているものだ。Social determinants of health The solid factsというタイトルで、第二版は2003年に発行されている。solid factsと言い切っているところに、編著者の社会医学研究者としての心意気が現れている。

野田さんが指摘するように、病者は、常に社会的弱者であることが多いということが改めて分かる。さらに、読み進めると、この小冊子の内容は、米国から世界中に広められようとしている市場原理主義に対するアンチテーゼそのものだということに気づく。国民平均収入の50%以下の水準で生活している子ども達の割合を示すグラフがある。ダントツのトップは、米国なのだ。

共産主義国家が1990年代に消滅して以降、資本主義の極致である市場原理主義が世界を席捲しているかに見える。が、様々な地域で、市場原理主義は社会の疲弊を生じさせている。この小冊子は、それを指摘しているかのように思える。WHOの研究者達は、市場原理主義そのものへのイデオロギー的な批判をする積りは毛頭なく、現実社会を分析していって、この結論に到達したのだ。



コメント

御紹介ありがとうございました

私の拙いブログの紹介ありがとうございました。
日記代わりに書いているので、表面的見解ばかり書いているのが恥ずかしくなります。
先生がお書きになっている
「さらに、読み進めると、この小冊子の内容は、米国から世界中に広められようとしている市場原理主義に対するアンチテーゼそのものだということに気づく。国民平均収入の50%以下の水準で生活している子ども達の割合を示すグラフがある。ダントツのトップは、米国なのだ。

共産主義国家が1990年代に消滅して以降、資本主義の極致である市場原理主義が世界を席捲しているかに見える。が、様々な地域で、市場原理主義は社会の疲弊を生じさせている。この小冊子は、それを指摘しているかのように思える。WHOの研究者達は、市場原理主義そのものへのイデオロギー的な批判をする積りは毛頭なく、現実社会を分析していって、この結論に到達したのだ。」という点には、ソ連・東欧が「共産主義国家」だったという点を除けば、感銘を受けました。
私の病院の医師集団で上記文書を学習するとき、先生の見解も紹介させていただこうと思っています。


野田浩夫さん(ここでは、先生の呼称は省かせていただいています)、初めまして。

コメントをありがとうございます。貴兄のブログは、常々読ませていただいておりました。そちらで一度ご挨拶をしなければと思っておりました。

仰る通り、倒れた共産主義国家は一部だけですね。私が申し上げたかったのは、共産主義国家の一部が崩壊したことで、資本主義、その極致の市場原理主義が歴史的な勝利を収めたと考えるのは、誤りなのではないだろうか、ということでした。きっと、また振り子は、資本の再分配や、セーフティネットを重視する方向に向くはずだろうと思っています。

地域医療や、芸術、思想的な話題をまた楽しみに読ませていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

東大の若井教授の名前も懐かしく読ませていただきました。学生時代に、懇意にさせて頂いていた方でした。

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