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Brahms Clarinet Quintet 

昨夜、疲れていたのだが、少し寝付くのが遅くなってしまった。気持ちが昂ぶるときに、音楽を聴くようにしている。昨夜は、アルバンベルク弦楽四重奏団・Clザビーネマイヤーによる、ブラームスのクラリネット五重奏曲。緻密な演奏と、流麗なクラの現代的な演奏だ。アインザッツも素晴らしい。ウラッハ・コンツェルトハウスのような味のあるブラームスではないが、知的で洗練されたブラームスを聴かせてくれる。

今日、仕事を終えようかというころに、録画してあった、カール ライスターのリサイタルのプログラムを見て驚いた。同じ曲が最後の演目になっている。共演者達は、日本の一流の演奏家。1stバイオリンが加藤知子さん、山崎伸子さんがチェロ。2ndバイオリンもビオラも名前を存じ上げている方々だ。急患を待ちながら、今2楽章まで聴き進めている。とても熱い演奏。即席のアンサンブルとはいえ、さすがに力量のある方々のためだろう、良く合っている。それにしても、熱い情感たっぷりの演奏である。

長く一緒に演奏活動をしている固定の団体とは異なり、こうした速成のアンサンブルには、細かなアインザッツや、表現の異同などの点で納得できないことが結構ある・・・有名な演奏家であってもそうだ。しかし、この団体は、熱く盛り上がることもありうることを示している。カール ライスターのような名手の共演者として、ただ一度の演奏会のために集まった演奏者達が、一期一会の気持ちで熱く燃えることがあるだろうことは容易に理解できる。

この曲は、昔から最も好きな室内楽の一つだった。大学オケ時代、バイオリンのM君や、クラのM君と何年もかけて、2楽章以外の楽章を弾いたことがあった。定期的に集まることはなかったが、2,3ヶ月に一度程度集まって、楽しんでいた。階段教室の一室で、また合宿時の自由時間に、少しずつ合わせていったものだった。忘れえぬ曲の一つだ。2楽章だけは、私達にとって、難物過ぎてどうにも様にならなかったが、他の楽章、特に1、4楽章の熱い気持ちが込められた寂寞感が記憶に残っている。

ライスター等の演奏、4楽章が、終わった。1楽章冒頭二台のバイオリンが奏する、流れるような動機を想起して、静かに曲を閉じる。演奏が終わって、かなり長時間、奏者達は動かない。拍手も起きない。ホールを沈黙が支配する。人生を振り返り、想い起こすかのような、この室内楽の終りには、盛大な拍手は必要がないと言うかのように。やがて、深い沈黙を破って、あたたかな拍手が奏者を包む。ライスターが、うつむいて顔を上げない。涙でくしゃくしゃになりかかった顔をようやく上げた。ビオラ奏者の方に、慰められるように肩をかるく叩かれていた。演奏家が、これほどまで入れ込んだ演奏には、これまで接したことがなかった。ライスターの胸中には何が去来していたのだろうか・・・。

この演奏ではないが、Youtubeでこの曲の演奏の一部を・・・ここ

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