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福島県警・地検の弁解 

「患者の目線で捜査」 異例の逮捕、妥当性を強調 <7>
08/08/20
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 「われわれは患者の目線で捜査しているんだ」。産婦人科の加藤克彦(かとう・かつひこ)医師(40)が逮捕、起訴された大野病院事件。医療関係者の間で広がった批判に、当時の捜査幹部は語気を強めた。福島県警や福島地検は捜査の妥当性を繰り返し強調した。

この事件は、患者遺族が告訴した事件ではない。福島県警が、捜査を独自に開始し、加藤医師を逮捕した事件だ。それなのに、地裁判決で無罪になると、「患者の目線」と、あたかも責任を転嫁することを言い出している。福島県警の独自に行ったことであるから、自らがその責任をとるべきだろう。

また、刑事犯の捜査・逮捕は、事実に基づき、法に従って、冷静に行われなければならない。「患者の目線」それ自体、尊重されるべきだが、患者の目線は、往々にして、病と死という不条理により、事実を受け入れられなくなっている。福島県立大野病院で亡くなられた妊婦の父上は、加藤医師を刑事告訴することなく、地域医療改善への提言を立派に行っておられるが、彼のような遺族はむしろ例外のように思える。


 福島県は2005年3月、大野病院の女性死亡が医療ミスだったと公表した。これを端緒に県警は捜査に着手。「事故を警察に届けておらず、証拠隠滅の恐れがある」として翌年、異例の逮捕に踏み切った。

警察に届け出るかどうかは、加藤医師の責任ではなく、院長の管轄事項であったし、今回の判決で医師法21条違反には当たらないとされたこと。それに、事故後も1年間、同じ病院で地域医療に携わってきた加藤医師に、証拠隠滅・逃亡の恐れがどこにあるというのだろうか。福島県警は、この逮捕を行った異常さを、反省すべきである。逮捕に関わった富岡署に対して、この逮捕の功績を表彰した県警本部長は、責任を取るべきである。

 過去にも医療事故で医師が逮捕されたことはあるが、無謀な手術など悪質さが際立つケースがほとんどだった。

 地検は逮捕の理由について「遺体もない状況で、身柄を確保した上で周囲の関係者の話を聞く必要があった」とした。

身柄を確保し、厳しい追及を、外界から遮断された状況で行い、警察・地検の思い描く「自供」をさせ、供述調書を取ることが、逮捕の目的だったのだろう。加藤医師を逮捕する必要は全くなかった。改めて、福島県警には強く抗議する。

 問題となった帝王切開手術。当時の捜査幹部は「周囲のスタッフが『(事前の)準備をした方がいいよ』と心配したのに『大丈夫、大丈夫』と受け入れなかった」と説明した。「専門家に確認し、逮捕の必要性があると判断した」と自信ものぞかせた。

 医療関連の学会の抗議も相次ぎ、冒頭の捜査幹部は戸惑いを隠さなかったが、打ち消すかのように「人が1人亡くなっているんだ」とつぶやいた。

検察側の鑑定人になったのは、卵巣腫瘍が専門で、周産期医療には素人同然で、癒着胎盤の臨床経験が皆無の大学教授だった。周産期医療の専門家は、殆ど例外なく、加藤医師の行った医療が、与えられた医療環境で最善のものであり、刑事告訴されるべき事案ではないと明言している。人一人亡くなることは重たいことだが、警察・検察の行った愚挙は、より多くの患者を生命の危機にさらすことだ。警察・検察は医学的な見解には、謙虚になるべきである。こうした弁解は、もう止めにしてもらいたい。

コメント

あきれます

当時の捜査幹部って福島県警のそれなりの立場にある人のことと考えて良いのでしょうか。
自分の職責についてよく考えてほしいものです。あるいは墓穴を掘るような発言はせず沈黙をまもるかのどちらかにしてほしいものです。

福島県警と福島地検の当時の担当者は、凄く頭の悪いひとなんだと思います。
大野病院の事案が、わざわざ刑事事件にする必要がないかどうか、たぶん、事情を知れば一般人ですら解ることすら、かれらには解らなかったのですから。
田舎の警察と検察の全部がそうではないでしょうが、やはり福島あたりの田舎にいくと警察と検察の人材の知能レベルが・・・と思わせるようなできごとです。

福島の、この警察を検察の担当者を公権力乱用で刑事告発できる状況ができれば、すぐに訪れると良いですね。

当時の県警本部長、名前は調べれば分かると思いますが、彼は、逮捕後の医療側の反発を知って、逮捕に関わった警察署を本部長表彰しているのですから、確信して逮捕を行ったということですね。

逮捕拘留する必要がない被疑者を、むやみに勾留することは、社会通念上からも許されざることだと思いますね。

福島の場合が、特殊例なのかは分かりませんが、警察は、医師という知識層に属する人間は、簡単に「落とせる」と考えていたのではないでしょうか。

検察が控訴を取りやめ、加藤医師の無罪確定しても、引き続き、こうした警察・検察のやり方を批判し続ける必要があるのでしょう。

初めまして

「産科医療のこれから」様のブログから飛んできました。時間があれば、でよろしいのですが、以下の記事でなくコメントを読んでみていただきたいです。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080821-00000015-cbn-soci
「控訴取りやめを」大野事件で署名活動

この記事のコメント欄を読んで、今回加藤医師が無罪になっても、医療崩壊は進んだり、またこの事件と同じようなことが起こるだろう、と思ってしまいました。無罪でよかったと、言ってる人が当然多いですが、「許せない」「有罪だ」などと、恐らく真面目に思ってる人も決して少なくないようですから。
 私は医療関係者ではありませんが、医師になりたいな、と思ってる者です。
 ヤフーIDは持っているので、書き込みはできるはずなのですが、コメント欄になぜか表示されません・・・。

バートレットさん

今日は。ようこそいらっしゃいました。

ヤフーのあの掲示板の書き込み(コメント)は、玉石混交で、それほど深刻に受け止める必要はないのではないかと思っています。明らかに「煽り」と思われる書き込みもあります。ネット上では、Yosyanさんの主催しておられる「新小児科医のつぶやき」が、もっとも充実した議論の場になっているような気がします。そちらも覗いてみてください。

医師を志望されているとか・・・これからの医療は、しばらく冬の時代が続きます。が、医療職自体は、やりがいのある素敵な仕事です。若い時期は、実力を養うことを第一に、勉強に励んで下さい。若い時期に培った実力を、発揮できる場と時が、将来貴兄の眼前に現れることと思います。

返信ありがとうございます。

返事が大変遅れてしまい、申し訳ありません。お忙しい中、励ましのある言葉をおくっていただき誠にありがとうございます。
 ヤフーの掲示板、確かにご指摘の通りだと思います。中には某巨大掲示板よりひどいのではないか、と思えるコメント欄も見受けられます。

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