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エキスパート助産師 

産科医不足をカバーするために、助産師を活用しようという声が度々上がっている。現実問題として、それは一つの策だと思うが、助産師が「不安」を感じているから、次のような策を講じるということだ。

このエキスパート助産師という資格を、助産師の上位に作る施策は、「不安」解消というよりも、助産師の地位を独立させ、待遇改善を求めるためというように思える。

独立してお産を扱ってくれる助産師が出てくれることは、産科医にとっては、表面上負担の軽減になりそうだが、二つ問題がある。

一つは、いくらローリスクの妊娠を助産師が扱うとはいえ、分娩中に予期せぬ深刻な事態が生じるのは、よく知られた事実だ。独立した助産師は、その場合、どのように対応するのだろうか。

さらに、このエキスパート助産師の育成認定は、大きな産科医療機関で行なわれる可能性が高い。丁度、医師の専門医・認定医制度のようなことになるのだろう。すると、そうした医療機関が、そうでなくても足りない助産師を囲い込み、中小産科医療機関を苦境に追いやることにならないかということだ。

産科医療の実態にそぐわない、助産師以外に内診を行なわせてはならないという厚生労働省課長の一つの通達によって、産科医療がさらなる危機に瀕した。その愚をまた犯すことにならないだろうか。




以下、引用~~~


厚生労働科学研究班 産科医と助産師が協働できる環境整備に着手 日産婦、日看協、助産師会などGL作成に共同参加/エキスパート助産師の制度化も
08/09/03
記事:Japan Medicine
提供:じほう


 産科医不足が深刻化する中で、厚生労働科学研究班(研究分担者=中林正雄・愛育病院長)は、病院・診療所の産科医と助産師が医療チームとして協働するためのガイドラインを、2008年度末までに策定する計画だ。具体的には、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会、日本看護協会、日本助産師会、日本助産学会の共同事業として進める方針。すでに各学会などから委員が選出されている。さらに、同研究班では産婦人科専門医制度のように助産師についてもエキスパート助産師(仮称)の制度化を進めていく計画だ。

 産科医不足が深刻な周産期医療の短期的改善策としては、産科医と助産師とのチーム医療の推進が必須。中林氏は、病院などの勤務助産師の約7割が、産科医と連携しながら妊娠・分娩管理を1人で行うことに不安に感じているとの調査結果を重視している。
  勤務助産師らが抱える不安の解消策について中林氏は、2つの方策が考えられると指摘。1つは、産科医と助産師相互の信頼関係構築で、もう1つは、エキスパート助産師(認定助産師)の認定制度の創設だ。
  産科医と助産師相互の信頼関係の構築では、一定の知識・技術水準を維持し、チーム医療体制を整備することが不可欠。そのツールとして、新たなガイドラインの策定を挙げた。産科領域でのガイドラインは、日産婦が今春刊行した「産婦人科診療ガイドライン 産科編2008」と、日本助産師会が2004年に策定した「助産所業務ガイドライン」が存在する。

病院・有床診療所における助産師をバックアップ

 しかし、両ガイドラインは、それぞれ独自につくられたもので、共通した治療のためのガイドラインという位置付けではない。そのため中林氏は、「産科医と助産師のチーム医療の基盤となる共通のガイドラインが、新たに策定されることが必要だ。その策定を、分娩の安全性と快適性の確保につなげたい」と意欲を示した。
  新ガイドラインの検討では、ハイリスク妊婦が多い病院と、ローリスク妊婦を主体とする有床診療所とで在り方について考える。実際に臨床の現場に即した病院・有床診療所における助産師の知識・技術水準を定め、それを踏まえた治療ガイドラインを作成していく。これが完成すれば、助産師が産科医と連携しながら、主体的に妊娠・分娩管理をする際の手助けになることが期待される。

認定要件・5年間で分娩件数100例など一定の基準が必要

 2つめの打開策は、エキスパート助産師認定制度の創設だ。産婦人科専門医制度のように、助産師も一定の専門制度を持つことで、モチベーションをアップさせ、質的向上に寄与させたいとしている。中林氏は、認定要件として5年間で分娩件数100例など一定の基準を設けることが必要との認識を示している。今後、さらに検討を深める予定だ。

ビジョン具体化検討会でも新生児医療問題で議論

 一方、先月27日に中間とりまとめを行った厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会でも、助産師の問題が議論された。
  昭和大産婦人科教室の岡井崇主任教授は、「助産師にカバーしてもらう部分が多いが、現在はまだ力不足の側面がある。しっかりと力をつけてもらいたい」と要望した。一方、助産師は看護師教育後にさらに教育を受けるが、病院などの人件費は両者ともに同様の給与水準となっている。その点からも、助産師の労働環境の改善が急務となっている。
  また、助産師は近年減少傾向にあるという報告も出ている。要因については、助産師志望者は多いものの、養成システムが不十分なため、資格取得に必要な症例数の実習ができない現状が挙げられていた。こうした点からも、助産師養成への環境整備が不可欠。産科医と助産師が協働できるようにするためのガイドライン作成は、産科医不足対策の1つの方策になりそうだ。



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