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マスコミ医療記事のお粗末さ 

不幸にも脳内出血を起こして、亡くなられた妊婦の問題に関して、昨日の朝日新聞の社説は、以下のように述べている。

産科医療が、崩壊しつつある原因のかなりの部分が、他ならぬマスコミの報道にあることは知ってか、知らずか・・・産科救急で受け入れられぬ場合は、とりあえず一般救急が受け入れるべきだとの主張だ。

産科という特殊な科の重篤な患者を、一般救急がどうやってみるのだろうか。何もできないではないか。万一受け入れて、不幸な転帰をとったら、それはそれで、今度は、一般救急叩きをマスコミは始めるのだろう。

今回の症例の詳細は不明だが、Yosyanさんのブログ「新小児科医のつぶやき」での議論では、受け入れて緊急手術するまで、時間がかかりすぎているということは決してない、ということのようだ。産科・新生児科それに脳外科等の救急体制が常時完備されている医療機関等殆ど存在しないということだ。

それに、最終的に受け入れた都立墨東病院の産科の常勤医は、3ないし4名と報道されている。それに3名の研修医という陣容で、平日2名、週末1名の当直業務を行い、年に千数百例の出産を受け持っている。研修医達は、文字通り殆ど不眠不休の生活を送っていたのではないだろうか。この産科医達の「異常な」労働環境を放置している行政にこそ問題がある。昨日のエントリーで述べた自殺された小児科医の賠償責任を認めぬ判決といい、行政と法曹の共犯といってもよい。マスコミは、医師不足を口にはするが、それは一種の枕詞にしかなっていない。マスコミは、この実態にこそ迫り、その原因を追究すべきなのだ。

それなのに、医師の連携でやり過ごせという、この社説のお粗末さ、何も調べようとしない知的怠慢は一体何なのだろう。マスコミの報道は、このレベルにあることを、我々は良く弁えておかなければならない。




以下、引用~~~

妊婦死亡―救急医療にもっと連携を 大都会の救急医療に、ぽっかりと大きな穴が開いているようだ。

 東京都内で、具合が悪くなった出産間近の36歳の女性が七つの病院に受け入れを断られた。約1時間15分後に病院に運ばれて出産したものの、3日後に脳内出血で亡くなった。

 同じようなことが一昨年、奈良県でもあった。入院中の妊婦が重体になり、転院が必要になったが、隣の大阪府も含めて19病院に受け入れを断られ、やはり脳内出血で亡くなった。

 背景には、全国的な産科医不足がある。急な患者を受け入れる余力が、医療機関に乏しくなっているのだ。

 それにしても、医療機関がたくさんあるはずの東京で、と驚いた人も多かったのではないか。厳しい条件の中でも、なんとか急患を受け入れる態勢をつくるにはどうすればいいのか。今回起きたことを点検し、今後のために生かさなければならない。

 亡くなった女性は下痢や頭痛を訴えた。かかりつけ医の手に負えないことから、受け入れ先を探した。

 最初に連絡したのは、危険の大きい出産に24時間対応するために都内に9カ所置かれている総合周産期母子医療センターの一つ、都立墨東病院だ。

 ところが、墨東病院では産科医が減ったため、7月からは週末や休日の当直医は1人になり、急患の受け入れが原則としてできなくなっていた。

 この日は土曜日だった。1人だけの当直医は受け入れを断り、他の病院を紹介したという。紹介した病院にも「空きベッドがない」などの理由で次々に断られ、墨東病院は2度目の依頼で医師を呼び出して対応した。

 総合周産期母子医療センターは最後のとりでだ。そこが役割を果たせないようでは心もとない。産科医不足という事情があるにしても、東京都には急患に備える態勢づくりにさらに努力してもらいたい。

 いくつもの病院で受け入れを断られた背景には、都市圏ならではの要因もある。地方と違って医療機関が多いため、ほかで受け入れてくれると考えがちなのだ。

 そうした考えが、危険な出産に備える医療機関のネットワークが必ずしも十分には機能しないことにつながる。医療機関同士でもっと緊密に連絡を取り合うことに加え、ネットワークの中で引受先を探す司令塔のような存在をつくることも考えたい。

 もう一つ大切なことは、全く別々に運用されている産科の救急と一般の救急の連携を強めることだ。産科の救急で受け入れ先が見つからないときは、とりあえず一般の救急部門で受け入れる。そうした柔軟な発想が必要だ。

 医師不足を解消する努力はむろん大切だが、病院や医師の間で連携に知恵を絞ることはすぐにでもできる。

コメント

国家の医療コストの公的負担がどんどん減っている→病院のスタッフを増やす金がない→患者の受け入れに苦渋している。
その結果です。
それと同時に、救命センターであろうと周産期医療センターであろうと、疾患そのものが死亡リスクの高いものであったこと。

あのーマスコミのかた、よろしゅうござんすか?
だいぶ前から東京や大阪などの大都市以外の田舎と呼ばれる地域では、こんな状況は日常茶飯事でしたがねー。
神奈川や埼玉や千葉や兵庫といった大都市を抱えた地域でもそーですが。
なのに、ほとんど騒ぎませんでしたね。大都市以外は、患者が死のうが構わんてことですね。
なに、今頃になってギャーギャー騒いでいるのさ。

あのね、臨床のこと、少しは勉強したらどう?大手マスコミとテレビ局とアフォな自称医療ジャーナリスト。
記事が出れば出るほど、発言すればするほと、なーんにも知らないんだ、臨床のこと、ってのが丸判りでみっともないだけだよ。
医療の素人だから、なんでも言っていいわけじゃないの!

知りもしないのにズレまくりの記事や社説を書いたり、発言するくらいなら、黙ってなよ。
迷惑なだけ。存在そのものが邪魔。

やっぱり、こいつら頭わるいんだ、どーしよーもないね、が毎日繰り広げられているんだからさ。
大手マスコミとテレビ局の連中。

まーいいです。大手マスコミなんて、とーの昔に情報発信力のなさが、医療職の間では共通の認識とされている。
大手マスコミがダメでも、こうやって、インターネットで情報発信できるから。

救命救急医療、一般救急周産期医療、個々の臨床科目、の違いくらい調べろよ、マスコミのバカども。


やれやれ

一般の記事はそれでもいくばくかの進歩はあるようですよ。微妙に医療側非難一辺倒の記事ではなくなっているようです。しょうもないのが論説委員で、彼らは思いつきで書いているとしか思えません。いつか開業医は儲け過ぎ、開業医のの報酬を減らし、その分勤務医に回せと主張していたのも確かここだったかな。違ったかな。

hot cardiologistさん、スロットル全開ですね・・・笑。しかし、確かにマスコミは、酷いですねぇ。個々の医療機関・医師を火祭りに上げるスタンスは、まだ変わっていないようです。患者さんを送った医療機関と、それを受けた墨東の「言った言わない」のレベルの論争に貶められています。

VVXさん、そうでした。報道ではなく、社説でした。「医師不足」は、まるで枕詞のように、こうしたニュースでは取り上げられますが、本質的な理解・原因追究には至っていないですね。

開業医の診療報酬を引き下げるだけでは飽き足らず、開業医を救急病院に動員せよ、という主張をする方が、報道機関にチラホラいますね。小児救急を扱ったドラマでは、開業医が24時間戦う設定になっているようです。これも、官僚の意向を受けたドラマのように思えます。内容は荒唐無稽なのですが、こうしてまで世論誘導をしようと言う官僚達には、反吐が出ます。

一度崩壊しないと分からないということなのでしょうかね。

一般救急で産科を?

救急に妊婦が来るようになれば救急医療の崩壊加速要因がもう一つ増えますね。

本当に、メチャクチャなことを言いますね、この社説を書いた論説委員。こうしたレベルの方々が、医療制度や医療事故について論じているのかと思うと、空しくなってきますね・・・。

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