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産科補償制度の不幸な出発 

これまで何度か取り上げてきた、産科補償制度の運用が開始された。

この制度の問題は;

1)異常分娩による脳性まひ児には適用されない。脳性まひの診断という最もコアな部分は、数少ない小児神経科医に丸投げ。

2)この制度の適用を受けたとしても、産科医は訴訟されるリスクが減るわけではない。むしろ訴訟費用が、この補償制度によって生み出される可能性がある。

3)当局側も公表しているが、積み立てられる保険金の2割から5割が、支払われない。支払い対象が絞られているため、5割前後が、民間保険会社と日本医療機能評価機構の手元に残ることになる。その額は、毎年150億円にも上る。社会福祉的な制度において、これだけ余剰金が出ること自体、異常だ。

4)日本医療機能評価機構は、医療機関の機能評価を行なっているが、その内容はお粗末であり、さらに高額の認定料を取っている。同機構のトップには、日医の元幹部と厚生労働省の天下り役人が居座っている。こうした特殊法人は、このような事業を行なうのに相応しくない。

5)こうした脳性まひ児の養育は、本来国の社会保障が担うべきことだ。

6)この制度への加入が、本来全く別な事柄である、診療報酬の特定の加算を算定する前提条件になっている。その加算、ハイリスク分娩管理加算自体、この制度による補償と何の関係もない。診療報酬という、患者と医療機関の一種の契約関係に、この制度を広く行き渡らせようとする意図が無理矢理詰め込まれたことになる。

7)この制度によって、産科医療の崩壊が進んだ場合、誰が責任を取るのか?民間保険会社か、同機構か、それとも厚生労働省の役人か?恐らく誰も責任を取らないだろう。ウヤムヤのうちに、取りやめになるか、国の責任によって行なう事業に変更されることだろう。


以下、引用~~~

日本医療機能評価機構 産科補償制度、小児科医に「診断協力」要請へ
09/01/07
記事:Japan Medicine
提供:じほう

 通常分娩で出生した脳性麻痺児を対象に1月1日から始まった「産科医療補償制度」で、運営を担う日本医療機能評価機構は、補償対象となるかを診断する小児科医らへの協力依頼に乗り出す。制度の補償対象となる脳性麻痺児を適切に診断するため、日本小児神経学会などを通じて「診断協力医」を募り、委嘱する方針だ。同機構は「厳しい産科の現状を踏まえて創設する制度だが、円滑な運営には小児科医の協力が不可欠」とし協力を求めている。

 産科医療補償制度では、在胎週数33週以上、出生体重2000g以上の重度脳性麻痺児が補償対象となるが、基準を下回る場合であっても個別審査によって補償対象となる場合がある。

  補償対象となった子どもには、一時金と分割金を合わせて3000万円が支払われるが、「高額の補償が発生するため、実際に脳性麻痺を診断する小児科医には大きな重圧がかかる」(同機構)という。

  このため、同学会の認定医や、「肢体不自由」の認定にかかわる小児診療を専門分野とする医師をあらかじめ、「協力医」として委嘱。専用の診断項目を設けた診断書を使って補償対象となる可能性があるかを診断してもらう考えだ。

  同機構は昨年12月26日に同学会会員1000人程度に、協力を依頼する文書を発送した。

加入率98.6%、補償対象は「ほぼカバーできる」

 制度の円滑なスタートへ焦点となっていた同制度への加入率は、昨年12月24日までに98.6%(病院・診療所99.2%、助産所94.8%)に達した。

  制度運営を担う同機構では「引き続き加入を呼び掛けるが、補償対象者をほぼカバーできると思う」と話している。

  民間保険商品を活用して創設した同制度では、分娩施設を強制加入させることができない。未加入施設で生まれた脳性麻痺児は補償対象とならないため、厚生労働省や同機構は加入率100%を目指している。

  昨年12月24日現在、全3272施設のうち未加入施設は45施設(病院・診療所23施設、助産所22施設)となっている。また、加入手続きが遅れた25施設は今年1月からの補償開始には間に合わないため、同4月から開始となる。

  同機構は「制度への加入をハイリスク分娩管理加算の算定要件にしてもらったり、広告可能にしてもらったりしたことが(加入率を向上させる上で)大きかった」としている。



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