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開業しても勉強を・・・ 

普段、一般小児科の自分の診療所で仕事をしていて、病院や大学で学んだり経験したことのなかったことを時々経験する。

その一つに、喉の痛みを訴える患者さんの多くが、喉自体に病変を認めず、鼻腔に病変を認めることがある。

元来、小児科医として教育を受けた時に、口腔・咽頭を舌圧子を用いて観察することは教えられたが、鼻腔をルーティーンに観ることはなかった。最近の教育では変わってきているのだろうか。

臨床的に、口腔・咽頭の観察は大切だと思うが、それに劣らず大切なのが、気道の一部である鼻腔・鼻粘膜の観察だ。上記の咽頭痛の際に、鼻粘膜の腫脹と、鼻汁による鼻閉塞の所見が認められることがとても多い。咽頭には殆ど異常所見がないのに拘わらずだ。

咽頭痛と、鼻腔病変の関連の本態は、正直なところ分からない。咽頭の粘膜に、外見上殆ど異常所見がないことから、鼻粘膜と同じ病変が、咽頭にも起きているという可能性は少ない。考えられることは、往々にして鼻閉により口呼吸をするので、咽頭粘膜が乾燥し障害されるためなのか、後鼻漏によって、咽頭粘膜が障害されるのか。または、それ以外の、知覚神経を介した機序でもあるのか・・・。

いずれにせよ、喉が痛むと訴える患者さんの場合、咽頭所見だけでなく、鼻腔を観察することが必須だと、私は考えている。

これ以外にも、開業してから得られた興味ある知見が色々とあるのだが、文献の検索は、Pub Medで行う程度で、徹底してはできない。また、本質に迫るための臨床的な検査や、実験を行うわけにはいかない。大学にいた頃に、臨床を注意深く行っていなかったなと反省することしきりだ。開業してから「発見」したことを大切にしながら、文献の検索などを出来る範囲で十分行い、より良い診療を行いたいと思っている。

コメント

慢性咳嗽の範疇で、頚部の違和感を「痛み」として訴えられるかたがいます。
慢性咳嗽のうちいわゆる副鼻腔気管支症候群にはいると思っています。
しかし後鼻漏がありそうな問診でも咽頭を耳鼻科に診てもらうと「全く異常なし」とされてきて診断に困る場合があります。耳鼻科は一応鼻腔まで診ているはずですが。
呼吸器内科と耳鼻咽喉科で守備範囲が異なるのでお互いの関連性がわからなくなっているような印象です。
小児科も耳鼻咽喉科との関連はどうなのでしょうか?

oldDrさん

今日は。

後鼻漏がありそうだけれど、耳鼻科では所見なしで返されてきてしまうということでしょうか。

時期的に急性期を過ぎてしまっているとか、または咽頭痛ということで、咽頭部のみ診察されたといことはないでしょうか。

私は、硬性鼻鏡の画像を、ディスプレー上に映して、患児・その親御さんにも見せながら説明しています。咽頭痛を訴える患者の半数以上は、鼻腔に問題のある印象を持っています。

口幅ったい言い方になってしまいますが、まずは鼻腔を観察されることをお勧めいたします。

耳鼻科との連携では、酷い中耳炎の合併例などを紹介していますが、あまり納得できるリスポンスが今のところ得られないことが多くて、自分のところで診てしまうことが多いです。アデノイドの状態などは、やはり耳鼻科でしか観察できないと思うので、同じような問題意識で患者さんを診てくださる耳鼻科の先生を見つけ出したいと思っています。

最近、副鼻腔気管支症候群にみられる慢性咳嗽では、咳を生じる機序に副鼻腔・鼻腔から気管支への神経反射が関与しているとのペーパーの抄録を目にしました。

小児の上気道炎

NUTさん今晩は、
同じ副鼻腔炎でも成人と小児は違いますね。私は主に成人しか診ないので、たまに診る子供に関しては自信がなくその都度患者を目の前におきながら小児科医に電話で相談しています。耳鼻科医でも小児患者を多く経験しているかどうかで、治療方針がかなり違うようです。最近、乳児・小児用の細い電スコがありますので、62才の老眼には大助かりです。鼓膜もこの内視鏡で画面に大映しでムンテラします。これならば70過ぎても耳鼻科をやっていけそうです。入学前の検診で難聴がみつかり、あわてて耳鼻科に来る患者さんが結構いますが、ほとんどは滲出性中耳炎です。放置すれば後遺症を残しそうな重症例は少なく、ほとんどは自然治癒を期待していいと思うのですが、母親に「入学前にはどうしても治してもらいたい」と懇願されることが少なくありません。そんなときは、マクロライド少量投与して、子供がいやがる通気をしますが、してもしなくても差は認められないというエビデンスがあるそうです。神経質な母親をなだめるための治療のようなものですね。

MSUさん

コメントをありがとうございます。耳鼻科のトレーニングを特に受けているわけではない私が、耳鼻科的な診療をするのは邪道かなと思いつつ、気道の一連の問題の一環としては、鼻も診なくてはと思っています。

小児の慢性副鼻腔炎や浸出性中耳炎は、仰られる通り、自然治癒傾向がかなりあるように思います。が、やはりヘheterogenousであり、中には、成人の典型的な両疾患になる症例もいますね。

内視鏡でもデジタル信号で取り出す機器ないし録画できれば、静止画像を取り出せてよいのにと何時も思っていますが、もうそこまで投資はできません。鼓膜の動きは、内視鏡での観察と、tympanometryを用いています。

マクロライド少量長期投与は、アレルギーが関与した症例の場合(小児はそのケースが多いのですが)、あまり効果がないように思います。

乳児の慢性の鼻炎も、しょっちゅう目にします。これもself limitingな疾患ですが、患児のQOL(特に、哺乳・睡眠)を落してしまうことが多く、これも内視鏡で観察すると、経過が良く分かります。

とは言え、まだまだ浅学菲才ですので、いろいろと教えてください。

70歳まで臨床を続けられるのですか・・・私には、そのエネルギーは残っておりません。routine workは、それなりに興味深いことも多く、また患者さんに喜ばれれば、嬉しいのですが・・・そろそろ、店じまいを考えようと(いつものごとく)考えています。

内視鏡には恐れ入りました

お一人で小児を診なければならない場合、確かに小児耳鼻科医を兼任しなければならないのだと気がつきました。認識不足でした。当院の小児科は耳鼻の所見はとらず、すべて耳鼻科併診となります。どこもそうなのかと思っておりました。大変失礼いたしました。

都内で長く勤務医をしておりますと、生活費は高いし、給与は安いし、老後の蓄えができません。今の情勢では年金も減額じゃないでしょうか。というわけで「お父さんには70まで働いてもらわなくちゃ」と家族に言われております。70まで働いたら「もう5年頑張ってよ」と言われそうです。

NUTさん ご教示ありがとうございます。

>後鼻漏がありそうだけれど、耳鼻科では所見なしで返されてきてしまうということでしょうか。

その通りです。問診や咽頭の所見から後鼻漏がありそうだけど耳鼻科ではないといわれます。

>時期的に急性期を過ぎてしまっているとか、または咽頭痛ということで、咽頭部のみ診察されたといことはないでしょうか。

内科なので鼻を診ることをしていません。硬性鼻鏡も持ってはいますが、診察室の飾りとなっています(はずかしい)。耳鼻科では当然鼻も診ると思いますが、副鼻腔炎を疑うと依頼すると、すべてCTを撮影しています。

>私は、硬性鼻鏡の画像を、ディスプレー上に映して、患児・その親御さんにも見せながら説明しています。咽頭痛を訴える患者の半数以上は、鼻腔に問題のある印象を持っています。

スコープでなくてもできるのでしょうか?

>口幅ったい言い方になってしまいますが、まずは鼻腔を観察されることをお勧めいたします。

総合病院ですとすぐに対診依頼を書くようになってしまいます。基本的な診察はしないといけないと思いつつ。

鼻腔を観察するようにします。

ご教示ありがとうございました。

MSUさん

いえいえ、耳鼻科のトレーニングも十分受けていないので、やはり外科的な処置や、詳しい検査が必要になると、耳鼻科にお送りします。が、気道疾患全般を見る上では、小児科医も鼻の所見をある程度診られるようにしておいた方が良いだろうと思います。大学学外に出てから、その思いを強くしました。また、分からぬこと等ありましたら、ご教授下さい。

東京都内での勤務医の生活は、なかなか大変だと思います。某地方都市の大学でスタッフとして仕事を続けている後輩も、「僻地」で開業しようかと言っていました。様々な理由があるのでしょうが、経済的なこともその理由の一つのような気がしました。MSUさんも、行く行くは、見晴らしの良いところで仕事を・・・。

oldDrさん

お教えするなどとんでもありません。開業医のちょっとして経験としてお聞き下さい。

後鼻漏は、急性増悪していないと見られないと思いますから、タイミングでは分かりませんね。年長児でしたら、鼻の後ろに鼻水が回っていないかと尋ねれば、大体問診だけで分かるのですが。CTは、鋭敏な診断方法で、以前勤務医をしていた頃には、結構頻繁に用いていましたが、被爆の問題・費用の問題があり、途中で止めました。

スコープというのは、内視鏡という意味でしょうか。私は、簡単な硬性内視鏡を用いています。それでも、一式で、100万円近くしました。これで観察しても、診療報酬上は何も得られないので、弱小医療機関では大きな投資でしたが、診察のしやすさ、患者さん、その親御さんへの教育という点からは大変有用です。前のコメントにも書きましたが、画像をデジタル化すれば、静止画を使ったり、画像を保存して経過を観察したりできるのかもしれませんが、費用と手間がかかりすぎるので、諦めています。

鼻腔所見は、気道を診る上で必要不可欠だと思います。是非、観察なさってみてください。

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