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FredとNora 

7メガの常連、ミズーリ州に住むFred K5FAは、60歳前後だったと思うが、独身で、自分の仕事(家具商)、家庭菜園(というには立派過ぎる果樹園)と無線を楽しんでいる。彼のことは以前にも、このブログで紹介したような気がする。彼の友人、Vic W9RGBに言わせると、彼は、南部の良質のユーモアを口にする愛すべき人物ということになる。

驚くのは、彼にとって、家族がとても大切な存在であることだ。ことあるごとに、皆で集まり、楽しい時間を過ごす様子だ。無線をしている兄弟が、確か二人いる。お一人は内科医と伺っている。そうした彼の家族のお一人が、伯母のNoraだ。彼女は、80歳代半ばだ。

Noraは、とても気丈な方のようでやはり一人で過ごしてきたのだが、昨年、どのような事情か、養老院に入らざるを得なくなったようだ。しかし、2月になったら、また彼女が自宅に戻るのだとFredが報告してくれた。一時帰宅なのかと尋ねると、いや、これからずっとだ、とFredは答えた。Noraは、自宅で過ごすことを強く希望しており、近くに住む、Fredが定期的に様子を見て、さらにヘルパーの看護師に面倒を見てもらうことで、自宅に帰ることに決まったらしい。Noraは、それをとても喜び、Fredが会いに行くと、その手順についていろいろと話すらしい。

Noraをしょっちゅう尋ねていたFredのこと、きっとNoraの自宅での生活はまた順調に行くことだろう。それを切に祈りたいものだ。

このようなケースは、稀な幸運なケースのようにも思えるが、家族同士が支えあっているという話を、米国の友人から、日常のこととして、良く聴く。以前私の抱いていた米国人のイメージでは、親子関係もとてもドライで、成長して家庭を出たら、もう関係は殆どなくなるというものをだったが、この数年間、このFredとNoraの関係を始め、いろいろなケースを耳にして、家族の絆の強さに驚かされる。また、それを可能にさせる精神的かつ社会的なバックグラウンドがあるのではないか。

米国でも、様々な家族があり、こうした幸福な家族ばかりではないことは良く承知している。が、日本の家族関係が全体として希薄化しつつあることを考えると、米国の幸福な家族関係を耳にするにつけ、ため息がでる。日本では、老いた親の面倒を見る、生活上の余裕と、エートスが失われつつあるように思える。

日本の医療・介護制度は、「在宅」を前提として作り上げられてきているが、元々前提が成立していないのだ。こうした制度設計をした方々は、在宅の前提が成立しえない人々は生きてゆかなくて良い、そうした場所は限界集落としてやがて消滅すべきだと考えているのだろうか。また、競争と自己責任だけを強調した経済学者と政治家は、この状況においても、自己責任で生き抜けと言うのだろうか。地方の疲弊は、政治だけの問題ではないが、この数年間、政治が、地方と、そこに住む人々を自分のことだけで精一杯となるように追い込んできたのではないのだろうか。

コメント

自己嫌悪の日々

治療を必要とする場合、医師は救命を第1に考える。特に急を要する場合は家族背景はどうであれともかく治療を開始する。高齢者は治療の後遺症や体力気力減退で自立困難に陥る場合が少なくない。退院を促しても家族が引き取りに来ない。DPCでは疾患別に1日当たりの入院費が期限付きで決まっている。一定の入院期日が過ぎると入院費は激減し、病院は赤字になる仕組みになっている。政治が「在宅介護を前提」としていても、子どもたちは共稼ぎで親をみる余裕はないという現実を完全に無視している。引き取る意志(余裕)のない家族を呼び出して1時間も費やして説得に当たる、院内用語で「追い出し」と言う。引き取り手のない老患者が哀れだが、追い出そうという自分が自己嫌悪に陥り、無性に腹立たしくなる。こんな医者に誰がした! 

DPCの調整係数(というものなのでしょうか)が廃止され、個別の因子で診療報酬を決めることにする。「在院日数」が、その因子として「当確」だと、m3にはありました。

経済財政諮問会議で医療を効率化させるように、盛んに議論されておりましたが、彼等の言う「効率化の指標」は、「在院日数」そのものでしたね。

在院日数を極限まで減らすことが、医療現場で更に要求されるのでしょう。

現場への負担は増すばかり。仕事量は、上昇の一途なのでしょう。

患者さんも術後2,3日で退院、その後は、近くのホテルから通院という状況になるのでしょうか。

現在の低廉な医療費で、マンパワー上の増員もなく、さらに働けという、官僚・政府の意向なのですね。

その上、仰られるような「追い出し」まで現場が行わなければならなくなる。

これは、医療の効率化ではなく、荒廃化そのものですね。

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