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NHKはうつ病治療の常識を変える!ガッテンできない・・・ 

関係者の話によると・・・と言うと、NHKみたいになってしまうが、彼等とは違いできるだけ客観的に記そう。

過日、NHKスペシャル『うつ病の治療 常識が変わる』が放映された。その番組の主張の骨子は、現在の精神科診療では投薬数が多すぎる、投薬数を減らすべきだ、認知行動療法を取り入れるとうつ病は劇的に改善するということだった。認知行動療法を行なう臨床心理士の立場を高めようという意図が読めた。

この番組によって、うつ病患者の方々、精神科医の間で大きな波紋が広がっている。

一部の患者さんでは、現在受けている治療への不信感、不安感が高まり、内服を自分の判断で止めてしまったり、中には、自殺企図をなさった方も出ている。

精神科医の中には、十分な訓練を受けずに多数の薬物を闇雲に投与している医師も皆無とはいえないが、多剤併用をするのはそれだけ重症のケースであり、多剤によってようやく良い状態が維持されている場合も多い。認知行動療法も、まだまだ実際に行える施設・臨床心理士も数少なく、その効果も、薬物療法を補完する程度の存在のようだ。

どうして、これほど一方的な内容の不適切な内容の番組を、NHKが放映したのだろうか。今回のNHKの番組作りの背景が、「関係者の話から」判明した。

○臨床心理士の国家資格化に反対した日本精神科診療所協会(以下、日精診と略す)幹部に、NHKの番組制作下請け会社のスタッフから何度か問い合わせがあった。

○その問い合わせは、自民党の某議員が行なうようにそのスタッフに命じた。

○その議論は、同日精診幹部の発言を特定の方向に導こうとするものであった。

○同日精診幹部は、番組へのコメントを断った。

で、ここからは推測になるのだが、その某議員または同じ勢力から、NHKに、この番組を、最初に述べた主旨で制作するように働きかけがあった。NHKは、下請け制作会社に丸投げした。その際に、臨床心理士の国家資格化に消極的であった日精診の幹部に翻意を促す、ないし番組の流れから、日精診の主張が間違っていると、視聴者に印象づけようと考えたのではないだろうか。上記働きかけを行った議員は、自らの主張を世論とするために、NHKを利用した。NHKは問題の重要性を考えずに、下請け会社に制作させた、医学的に観ると不適切な、一方的な内容の番組を放映した、ということになるのかもしれない。

マスメディアを、世論誘導の道具に利用する誘惑は、時の権力者にとっては抗いがたい、それどころか、積極的に利用している。医療現場にいると、そうした記事・番組に、よく出くわす。国民の側が、そうした記事・番組を距離を持って眺める、場合によっては、その不適切さをマスメディアに強く訴える必要があるように思われる。

もしかすると、この番組を制作したのは、『ためしてガッテン・・・』の制作会社だったのかも・・・結論が、単純化され、そこへ誘導する番組作りがそっくり(苦笑。うつ病という、とても困難な病気をこのように、何らかの意図をもって軽々しく扱うNHKには、猛省を促したい。

コメント

はじめまして

はじめまして。いつも読んでます。
ここhttp://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/b84d8ee84cbdc77136a112f7eaba9c82
でえらく攻撃的な臨床心理士が絡んできたのは、そういう背景があったんですね。

No title

池田さんのブログ、時々読ませていただいていますが、この議論は知りませんでした。

臨床心理士の国家資格化については、臨床経験を全く積まないペーパー試験を通っただけの心理士も含めて、臨床心理士として国家資格化しようとした点に疑義を呈して、日精診は反対したようです。臨床経験を積んだ病院心理士の国家資格化には反対していなかった様子です。

臨床経験なしに医療を行わせろ、などというのは論外ですね。大体、そんな主張をする方が、そうした「医師の代用」ないしペーパー資格の「臨床心理士」に治療を受けたいと考えるのでしょうか。

医療や社会福祉が、経済原理によって制度設計(というほどのことも無い代物ですが)されると、制度崩壊することを理解されていないのだと思います。

池田ブログの当該議論は、極端な考えの方々が集った上での議論だとは思いますが、少なくとも国民の一部にあのような考えの方がおられると思うと、先が思いやられますね。

No title

あ、議論なさっていた当事者でいらっしゃるのですね・・・失礼しました。しかし、あの相手では、debateにはなるかもしれませんが、実りある議論にはならないかもしれませんね。あのように注目度の高いブログで、正論を述べられたことそれ自体は意味のあることだと思います。

私の感想

今までが反対方向に一方的過ぎたのではないでしょうか。
うつ病は治るのでお医者さんに行って薬を飲みましょう、ということはもう散々宣伝されているので知っていました。
この番組には新しい情報がいっぱいあって知識を広げることができました。また、顔出し実名出しで出演してくださった方には頭が下がります。
製薬会社をスポンサーに持たないNHKだけが作りえた貴重な番組だと感じました。

No title

会社員さん

今まで(の精神医療が)反対方向に一方的過ぎたと仰いますと、「ありうべき方向」とは一体何なのでしょうか。

カウンセリングのうつ病治療における位置づけには様々な議論のあるところです。下記のような事実もあるようです。

米国からの報告

思春期のうつ病に対しての反応率

薬物治療と認知行動療法の併用;71%

薬物治療;61%

認知行動療法;43%

これは、あるMLからの引用で、詳細な議論は私にはできませんが、申し上げたいのは、こうして学問的にもかなり疑問のある事柄を、極めて単純化して、「一方的に」優れていること、常識を変えることとして、喧伝することに大きな違和感を感じるのです。

この「単純化」、さらに「先に結論ありきの議論」を、マスコミはよく行います。それは、一般の方々に理解しやすいようにという面があるので、致し方のない側面もあります。

しかし、今回のNHKのこの番組は、医療費削減と、臨床心理士の国家資格化という明らかな政治的意図があり、そして内容が、現実の治療関係にある医師と患者さんに不要な混乱を巻き起こしたということで看過できないと思います。

No title

追加です。

NHKの背後に直接製薬企業がいることはありませんが、政府と官僚がしっかりついています。最近のNHKは、官僚の考えのを行っています。官僚は、国民の健康を第一には決して考えていません。これから先繰り広げられるであろう、医療のさらなる荒廃は彼等が意図したものです。

No title

私のコメントにもお答えいただきましてありがとうございます。
私はただ黙って医者の言うことを聞いて何種類でも薬を飲めというよりは、医者を変えたほうがいいこともありますよ(実際によくなった人もいますよ)、薬に加えて認知行動療法という手段もありますよ、という選択肢と実例が示されたことが良かったと思います。それが極論なのかもしれませんが、知らないよりずっとましです。
家族がうつ病で10種類くらいの薬漬けで最近調子が悪いみたいなので、何の疑問を持たずに薬を飲むよりは、減らす方向に相談してみるのも良いかもと思いました。
そのうち反論的番組が作成されるとしましたら、知識を深めるためにそちらも是非見てみたいです。

英国の精神医療

チラッとしか見なかったのですが、うつ病にたいして英国では素晴らしい治療をしているような報道内容に見えましたが、実情はどうなのか?

拙ブログでも昨年英米発の医療ニュースを取り上げました。以下がその一部です。
英国は「真のプロザック国家」
http://kurie.at.webry.info/200802/article_16.html
新世代の抗うつ薬は効果がほとんどない
http://kurie.at.webry.info/200802/article_45.html
うつ病は単なる悲しみ
http://kurie.at.webry.info/200809/article_54.html

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NHKスペシャル『うつ病治療 常識が変わる』の番組制作の背景にはこんな陰謀が!な、なんだってー(AA略

皆さんは先日放映されたNHKスペシャル『うつ病治療 常識が変わる』を視聴されま...

  • [2009/03/12 07:21]
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