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公的病院の民営化スキーム 

郵政民営化の際に、「簡保の宿」は、民営化されることが既定のこととされていたようだ。民営化を確実に、早く実現させるために、「簡保の宿」の宿泊利用料金は押しなべて低額に設定され、自ずから経営が破綻するようにされていた、という。

それと同じ構図が、病院、特に公的な病院で見られる。埼玉医大の堤教授が指摘されていたと思うが、診療報酬の引き下げにより、公的病院は赤字となり、地方自治体の財政を圧迫、さらに病院財政を地方自治体財政と一体としての評価を国が行うようになり、地方自治体が悲鳴を上げ始めている、ということだ。

地方自治体は、公的病院を潰すか、民営化をし、自らに火の粉がかぶらないように必死だ。医師不足は、大学病院医局が同じく国の方針で弱体化されたことによって起きている側面もあるが、赤字経営の公的病院に十分な数の医師を、適切な処遇で雇い入れる余裕がないという理由の方が大きいように思える。

既に公的病院の民営化は始まっているが、これから2,3年以内に雪崩を打ったように、進むことだろう。その時に、どのような人間が動き、どのような企業が、公的病院を自分のものとするか、良く見ておかなくてはならない。きっと、規制緩和を唱えていた企業経営者達と、彼等と親密な関係にあった政治家達の姿が見られるに違いない。

民営化が進んだ後に来るものは、皆保険制度の完全な破壊(既に、かなり破壊されている)と、民間保険の導入であることは間違いない。その時になって初めて、国民は、医療が手の届かないものとなったことを知り、「後期高齢者制度」に対する反応と同じような反応をするのだろう。



以下、引用~~~

病院「二重苦」浮き彫り 財政難と医師不足 診療所化の動きも 《2》
09/03/23
記事:共同通信社
提供:共同通信社


 千葉県の銚子市立総合病院の休止を争点に、市長のリコール(解職請求)を問う住民投票が29日、投開票を迎える。「財政難」「医師不足」の二重苦にあえぐ同様の公立病院は各地で続出。住民がリコール運動で休止阻止を訴えたり、総合病院をあきらめ診療所化を選ぶ自治体も相次いでいる。

 銚子市の岡野俊昭(おかの・としあき)市長(63)は昨年7月上旬、年10億円近い赤字の穴埋めは市の財政破綻(はたん)につながり、医師数も激減したことを理由に病院の休止を発表。9月末の休止までわずか3カ月の間に、入院患者160人余りが転院を迫られ、約6000人の通院患者が行き場に困った。「安易に休止を決め、地域医療が崩壊した」と市民がリコール運動を展開した。

 佐賀県武雄市では、市民病院の民営化を決めた樋渡啓祐(ひわたし・けいすけ)市長(39)に「安定した医療は望めない」とリコール運動が起きたが、市長は辞職。出直し市長選で昨年12月に再選された。移譲先を決めた後だっただけに「民間でもいいから病院を存続させたいという民意の結果」と地元市議はみる。移譲は2010年2月の予定だ。

 病院の累積赤字が40億円に膨らんだ大阪府松原市は、3月末の廃止を決定。時間が限られる中、市民団体は中野孝則(なかの・たかのり)市長(67)のリコール運動を模索したが、署名数が有権者の3分の1に足りず、リコールを断念することを明らかにした。

 総務省によると、約1000近い自治体病院のうち、直近の2007年度に民間移譲したのが5カ所に対し、不採算部門を閉じて診療所化したのは北海道の夕張市立総合病院など1道3県で少なくとも7カ所あった。

 同省は「医師不足に加え、民間の受け皿も見つからないへき地ほど診療所化が進んでいるのでは」と分析している。

コメント

諸悪の根元は新自由主義

でしょう。毎年医療費を抑制して、医師の待遇を悪化させればどうなるか、シロートでもわかります。政府御用達のメディアしか見てない国民はまた騙されるんでしょう。

No title

仰るとおりですね。医療を経済活性化の起爆剤に、という論調の議論をあちこちで見かけますが、そんなことを言っているのは、結局、医療で金儲けしたいという連中ですね。

この文章の後に付けたかったのは、今までも繰り返していますが、「医師の善意と意欲」が崩れて行くことになることです。専門技術者としての医師の内面の崩壊は、恐ろしいことです。それは、いかなる法律も、強制力も、元に戻すことはできないことでしょう。

最近、医師の掲示板などで、医療が崩壊し、混合診療ないし民間保険が導入されることを期待する声を良く見かけます。それだけ、追い詰められた医師が多いのでしょう。しかし、混合診療になれば、物事が良くなるというのは、余りに楽観的過ぎるように思います。

構造不況です

料金を決める部署と、経営を評価する部署が完全に分離しているのが一つの問題です。根源は財務省になるのでしょうが、

 ・医療費削減を善とする政策
 ・病院経営を悪とする政策

これが両輪となって進められれば誰が考えても破綻します。その上で、医療を儲けるための産業として食い物にしたい連中が跳梁跋扈して大きな顔をする世界は末期的です。

日本経済で「失われた10年」と言う表現が良く為されますが、日本の医療が失うのは10年でしょうか、20年なのでしょうか、それとも永遠なのでしょうか。

破滅の淵に落ち込みつつあっても、さらに進む末期の世界を経験しなければならないようです。

No title

介護保険での給付切り下げも進んでいるようですし、医療介護は本来裕福な人間だけが受けられれば十分という発想なのではないでしょうか。

政・官は、それをまともに国民に切り出せないから、じわじわと医療側が悲鳴を上げるように、そして医療側にすべての非があるように見えるようにことを進めているのでしょうね。

現在の中堅どころの医師達は、医療費削減と効率化という労働条件悪貨、それに訴訟のリスクで、士気を徹底的に削がれつつありますから、彼等にとっては、もう戻れないところに来ているのだと思います。

今後、システムが如何に改善されても・・・。

お体を大切になさってください。

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